説明

サウナ用蒸気発生装置

【課題】サウナ用蒸気発生装置のコストを低くすることができるようにする。
【解決手段】水を収容するタンク部13、及び該タンク部13からの水を受けて蒸気を発生させる本体部12を備えた蒸気発生部11と、該蒸気発生部11と連結され、浴室内に向けて延在させられ、浴槽内に蒸気を噴射するスチーム吐出装置とを有する。スチーム吐出装置が、蒸気発生部11と連結され、浴室内に向けて延在させられ、浴槽内に蒸気を噴射するので、サウナ用蒸気発生装置を浴室に後付けする必要がなく、工事が不要になり、サウナ用蒸気発生装置のコストを低くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サウナ用蒸気発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、家庭の浴室に設置された浴槽を利用したスチームバスが提供されている。該スチームバスにおいては、浴室における浴槽に隣接させて蒸気発生装置が取り付けられ、該蒸気発生装置によって発生させられた蒸気が、蓋(ふた)によって密閉された浴槽内に供給されるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−118228号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来のスチームバスにおいては、浴槽に隣接させて蒸気発生装置が取り付けられるようになっているので、該蒸気発生装置を浴室に後付けしようとすると、工事が必要になり、コストが高くなってしまう。
【0004】
本発明は、前記従来のスチームバスの問題点を解決して、コストを低くすることができるサウナ用蒸気発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのために、本発明のサウナ用蒸気発生装置においては、水を収容するタンク部、及び該タンク部からの水を受けて蒸気を発生させる本体部を備えた蒸気発生部と、該蒸気発生部と連結され、浴室内に向けて延在させられ、浴槽内に蒸気を噴射するスチーム吐出装置とを有する。
【0006】
本発明の他のサウナ用蒸気発生装置においては、さらに、前記スチーム吐出装置は、浴槽の蓋部材に着脱自在に取り付けられる取付部を備える。
【0007】
本発明の更に他のサウナ用蒸気発生装置においては、さらに、前記スチーム吐出装置は、浴室外と浴室内との境界部位において挟持される被挟持部を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、サウナ用蒸気発生装置においては、水を収容するタンク部、及び該タンク部からの水を受けて蒸気を発生させる本体部を備えた蒸気発生部と、該蒸気発生部と連結され、浴室内に向けて延在させられ、浴槽内に蒸気を噴射するスチーム吐出装置とを有する。
【0009】
この場合、スチーム吐出装置が、蒸気発生部と連結され、浴室内に向けて延在させられ、浴槽内に蒸気を噴射するので、サウナ用蒸気発生装置を浴室に後付けする必要がなく、工事が不要になり、サウナ用蒸気発生装置のコストを低くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の実施の形態におけるサウナ用蒸気発生装置の断面図、図2は本発明の実施の形態におけるサウナ用蒸気発生装置の正面図、図3は本発明の実施の形態におけるサウナ用蒸気発生装置の側面図、図4は本発明の実施の形態におけるスチーム吐出装置の断面図、図5は本発明の実施の形態におけるスチーム吐出装置の平面図、図6は本発明の実施の形態におけるスチーム吐出装置の正面図、図7は本発明の実施の形態におけるサウナ用蒸気発生装置の制御装置を示す図である。
【0012】
図において、11は蒸気発生部、13は水を収容するタンク部、12は該タンク部13からの水を受けて蒸気を発生させる本体部、14は該本体部12の上面に、上方に向けて突出させて形成された取っ手、15は前記タンク部13に対して本体部12を着脱自在に取り付けるためのクランプ部、16は前記タンク部13に対して本体部12を係止させるための係止部、18はスチーム吐出装置21を連結するためのコネクタ、19は蒸気排出口である。
【0013】
前記蒸気発生部11は、本体部12及びタンク部13から成り、前記本体部12はタンク部13に対して着脱自在に取り付けられ、前記係止部16においてタンク部13に対して本体部12を係止させ、クランプ部15をクランプさせることによって、タンク部13に本体部12を取り付けることができ、クランプ部15のクランプを解除し、係止部16の係止を解除することによって、タンク部13から本体部12を取り外すことができる。なお、前記本体部12、タンク部13、スチーム吐出装置21等は樹脂によって形成される。
【0014】
前記タンク部13は、箱状の形状を有するタンク本体22、及び該タンク本体22の上端開口を覆う頂壁24を備え、タンク本体22内に水貯蔵室23が形成され、該水貯蔵室23に水が貯蔵される。また、前記頂壁24の所定の箇所に開口25が形成され、該開口25にキャップ26が着脱自在に取り付けられる。したがって、タンク部13から本体部12を取り外し、キャップ26を取り外して、開口25を介して水を水貯蔵室23に供給することができる。
【0015】
該水貯蔵室23には、フロート装置28が浮遊自在に配設され、該フロート装置28の下端にフロート82が、上端に磁石83が配設される。該磁石83は、水貯蔵室23内に貯蔵された水の量を検出するための検出要素を構成する。
【0016】
前記タンク本体22に隣接させて、かつ、水貯蔵室23と連通させて、水をろ過するための水処理装置31が配設され、該水処理装置31はイオン交換樹脂32、及びフィルタ33を備える。したがって、水貯蔵室23内の水は、水処理装置31に送られ、該水処理装置31によってろ過された後、水処理装置31の上端に形成された排出部34を介して排出される。
【0017】
また、前記本体部12は、箱状の形状を有するケース36、及び該ケース36の上端開口を覆うトップカバー37を備える。そして、前記ケース36内に、電磁振動式のポンプ43、スチームボイラ44、前記蒸気排出口19等が収容され、前記排出部34とポンプ43とが吸引用の接続部51によって接続され、ポンプ43とスチームボイラ44とが吐出用の接続部52によって接続される。したがって、ポンプ43が稼働されると、水処理装置31においてろ過された水が、排出部34及び接続部51を介して吸引され、接続部52に吐出される。そして、前記スチームボイラ44は、加熱部材としての図示されないヒータ(ニッケルクロム電熱線から成るシーズヒータ)を備え、接続部52に吐出された水を受け、ヒータによって加熱し、蒸気を発生させ、蒸気排出口19に送る。したがって、蒸気排出口19はスチームボイラ44から送られた蒸気を受けて、スチーム吐出装置21に対して吐出する。なお、図7に示されるように、前記接続部52に安全弁84が配設され、接続部52及びスチームボイラ44内の圧力が閾(しきい)値より高くなると、安全弁84が開放され、圧力が逃がされる。
【0018】
また、前記トップカバー37に、電源装置である図示されないAC電源から電力の供給を受けるための絶縁性を有するコード(クロロスルホン化ポリエチレンゴム製の平形コード)46、電源スイッチと調節摘(つま)みとを兼用したボリュームスイッチ47、制御基板48、リモコン81の送信部としての発光部85から送信された信号を受ける受信部としての受光部49等が配設される。前記リモコン81には、操作部86が配設され、操作者は、操作部86を操作することによって、ポンプ43の稼働及び停止を行うことができる。また、操作部86を操作することによって、電源スイッチをオン・オフさせたり、スチームボイラ44によって発生させられる蒸気の温度、量等を制御したりすることもできる。前記制御基板48に表示部(パイロットランプ)としてのLED88が配設される。ボリュームスイッチ47は、トップカバー37に対して回転自在に配設され、オフ位置から所定の角度だけ回転させると、電源スイッチがオンになり、その後、更に回転させると、ヒータによる加熱量を大きくすることができる。そのために、前記ボリュームスイッチ47は、可変抵抗器を備える。
【0019】
そして、前記スチーム吐出装置21は、浴室外と浴室内との間に延在させられ、スチームボイラ44によって発生させられた蒸気を浴室内に供給し、浴槽内に噴射する。そのために、前記スチーム吐出装置21は、前記コネクタ18と連結されるコネクタ55、被挟持部としての偏平部56、取付部としてのヘッド部57、蒸気ノズル58、コネクタ55と偏平部56とを接続する第1の管路61、偏平部56とヘッド部57とを接続する第2の管路62等を有する。
【0020】
前記コネクタ55には、前記蒸気排出口19と連通させられる蒸気供給口60が形成され、該蒸気供給口60と蒸気ノズル58とは、第1の管路61、偏平部56、第2の管路62及びヘッド部57を貫通して延びる蒸気通路67によって連通させられる。前記第1、第2の管路61、62は可撓(とう)性を有する蛇腹によって形成されるので、コネクタ55、偏平部56及び蒸気ノズル58を互いに任意の位置に置くことができる。
【0021】
前記偏平部56は、前記第1、第2の管路61、62と偏平部56とを連結するための連結部71、72、及び偏平な形状を有する薄肉部73を有する。該薄肉部73は所定の長さにわたって形成される。
【0022】
また、前記ヘッド部57は、浴槽の蓋部材としての図示されないカバーにスチーム吐出装置21を着脱自在に取り付けるための把持機構を有し、断面が半円形の形状を有し、内部に蒸気通路67の曲折部を収容する膨出部70、該膨出部70の両側に張り出して形成されたプレート状の形状を有する第1の把持部としての上押え部63、該上押え部63と所定の距離をおいて、かつ、上押え部63と平行に形成された第2の把持部としての下押え部64、所定の深さを有し、前記上押え部63と下押え部64との間に形成される溝65等を備える。
【0023】
次に、サウナ用蒸気発生装置における電源系について説明する。
【0024】
電源系は第1〜第3の回路部ct1〜ct3を備え、第1の回路部ct1に、AC電源と接続させて、第1の設定温度、本実施の形態においては、219〔℃〕で溶断するヒューズ91が配設される。また、第2の回路部ct2に、AC電源と接続させて、前記ヒューズ91、第2の設定温度、本実施の形態においては、160〔℃〕でオン・オフさせられるサーモスタット(バイメタル式温度調節器)92及び図示されないヒータが配設される。そして、第3の回路部ct3に、AC電源と接続させて、ポンプ43及びリードスイッチ93が配設される。該リードスイッチ93は、フロート装置28が水に浮いて上方に位置し、磁石83が頂壁24に当接すると、オンになり、水がなくなり、フロート装置28が下方に位置し、磁石83が頂壁24から離れると、オフになる。すなわち、リードスイッチ93がオンになると、ポンプ43が稼働され、リードスイッチ93がオフになると、ポンプ43が停止させられる。したがって、本体部12がタンク部13に対して取り付けられていない場合、サウナ用蒸気発生装置を運転することができない。
【0025】
次に、前記構成のサウナ用蒸気発生装置の使用態様について説明する。
【0026】
図8は本発明の実施の形態におけるスチーム吐出装置の取付状態を示す図、図9は本発明の実施の形態におけるスチーム吐出装置の配設状態を示す図である。
【0027】
この場合、蒸気発生部11(図1)にスチーム吐出装置21(図4)を取り付けた状態で、蒸気発生部11を浴室外に置き、スチーム吐出装置21を浴室内に向けて延在させ、図8に示されるように、ヘッド部57を浴槽95の端部に置き、溝65内にカバー96の縁部を挿入する。これに伴って、上押え部63及び下押え部64によって、カバー96が把持され、ヘッド部57はカバー96に取り付けられる。なお、カバー96の縁部と浴槽95の端部との間に細長い隙(すき)間が形成されるが、該隙間は、図示されない板状のシール部材によってシールされる。また、前記ヘッド部57をカバー96に取り付け、浴槽95の端部にセットすることによって、蒸気ノズル58はカバー96に対して傾斜して延びる。したがって、蒸気ノズル58から吐出された蒸気は、浴槽95内の空間に均一に分布させられ、浴槽95内に置かれた操作者の体に当たるようになる。
【0028】
また、浴室外と浴室内との間にスチーム吐出装置21が延在させられるが、偏平部56を、薄肉部73において、浴室外と浴室内との境界部位を構成する壁97及び扉98によって挟持すると、壁97と扉98との隙間を小さくすることができる。したがって、浴室内の蒸気が浴室外に逃げるのを防止することができる。
【0029】
また、スチーム吐出装置21が、蒸気発生部11と連結され、浴室内に向けて延在させられ、浴槽95内に蒸気を噴射するので、サウナ用蒸気発生装置を浴室に後付けする必要がなく、工事が不要になり、サウナ用蒸気発生装置のコストを低くすることができる。
【0030】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態におけるサウナ用蒸気発生装置の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるサウナ用蒸気発生装置の正面図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるサウナ用蒸気発生装置の側面図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるスチーム吐出装置の断面図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるスチーム吐出装置の平面図である。
【0032】

【図6】本発明の実施の形態におけるスチーム吐出装置の正面図である。
【図7】本発明の実施の形態におけるサウナ用蒸気発生装置の制御装置を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態におけるスチーム吐出装置の取付状態を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態におけるスチーム吐出装置の配設状態を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
11 蒸気発生部
12 本体部
13 タンク部
21 スチーム吐出装置
56 偏平部
57 ヘッド部
95 浴槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)水を収容するタンク部、及び該タンク部からの水を受けて蒸気を発生させる本体部を備えた蒸気発生部と、
(b)該蒸気発生部と連結され、浴室内に向けて延在させられ、浴槽内に蒸気を噴射するスチーム吐出装置とを有することを特徴とするサウナ用蒸気発生装置。
【請求項2】
前記スチーム吐出装置は、浴槽の蓋部材に着脱自在に取り付けられる取付部を備える請求項1に記載のサウナ用蒸気発生装置。
【請求項3】
前記スチーム吐出装置は、浴室外と浴室内との境界部位において挟持される被挟持部を備える請求項1に記載のサウナ用蒸気発生装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate