説明

サウナ装置と、それを用いたサウナ室

【課題】本発明は、サウナ装置と、それを用いたサウナ室に関するもので、既設住宅に、サウナ装置を簡単に装着できるようにすることを目的とするものである。
【解決手段】そして、この目的を達成するために本発明は、サウナ筐体1の天井7上面に配置されるレール10と、このレール10に可動自在に支持されるサウナ機器11とを備え、前記サウナ機器11は、温水、あるいは蒸気の噴出手段12aと、この噴出手段12aの下方に配置した噴出口カバー13とを有する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サウナ装置と、それを用いたサウナ室に関するものである。
【背景技術】
【0002】
サウナ室は、サウナ筐体の天井上面に、サウナ装置を設置することで構成されている。
また、前記サウナ装置は、温水、あるいは蒸気の噴出手段と、この噴出手段の下方に配置した噴出口カバーとを有し、前記噴出口カバーを介して、噴出手段からの温水、あるいは蒸気をサウナ筐体内に噴出させる構成となっている(例えば下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−171299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来例における課題は、既設住宅には、サウナ装置を簡単には設置することができないと言うことであった。
【0005】
すなわち、サウナ室は浴室と兼用されることが多く、既設住宅における浴室をサウナ室に変更するためには、その浴室の天井上面に、サウナ装置を設置しなければならない。
【0006】
しかしながら、近年の浴室は、バスユニットとして売り出され、このバスユニットでは天井も一体化されたユニット構成となっている。
【0007】
したがって、サウナ装置を、既設住宅のバスユニットの天井上面に設置するためには、このバスユニットの天井を切り離さねばならない。
【0008】
しかし、一度、切り離した天井を再度バスユニットに一体化することは非常に難しく、また例えこの一体化を行ったとしても、その結合部分が、極めて目立つ状態で、浴室内に露出する状態となるので、バスユニットとしての美観を大幅に低下させてしてしまう。
【0009】
このため、現実的には、このようにしてまで既設住宅に、サウナ装置を設置することはあまり行われていない。
【0010】
そこで、本発明は、既設住宅に、サウナ装置を簡単に装着できるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そして、この目的を達成するために本発明のサウナ装置は、サウナ筐体の天井上面に配置されるレールと、このレールに可動自在に支持されるサウナ機器とを備え、前記サウナ機器は、温水、あるいは蒸気の噴出手段と、この噴出手段の下方に配置した噴出口カバーとを有する構成とし、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本発明のサウナ装置は、サウナ筐体の天井上面に配置されるレールと、このレールに可動自在に配置されるサウナ機器とを備え、前記サウナ機器は、温水、あるいは蒸気の噴出手段と、この噴出手段の下方に配置した噴出口カバーとを有する構成としたものであるので、既設住宅に、サウナ機器を簡単に設置できるようになる。
【0013】
すなわち、本発明のサウナ装置は、そのサウナ機器を、サウナ筐体の天井上面に配置したレールに可動自在に支持させる構成としている。
【0014】
このため、サウナ筐体の天井面に設置されている既設の点検口から、このレールさえ天井上面に押し込めば、後はこの点検口からサウナ機器を天井上面に押し込み、前記レールに対してサウナ機器を可動自在に支持させれば、サウナ筐体の天井上面に、サウナ装置を簡単に設置することができる。
【0015】
また、点検口の本来目的である点検を行う時には、サウナ機器をレール上で可動させれば、サウナ機器を点検口外へ移動することができるので、この点検も簡単に行うことができる。
【0016】
また、点検口はバスユニットの洗い場側に設けることが多く、サウナ浴を行う場所も前記洗い場側で浴びることが位置的に多い。このためサウナ装置から吹き出す向きを変えることにより浴室洗い場のみをサウナ空間とすることができるので、少ない投入熱量でサウナ浴を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるサウナ装置を設置したサウナ室を示す透視斜視図
【図2】同要部の斜視図
【図3】同要部の透視正面図
【図4】同レールの分解斜視図
【図5】同設置方法を示す斜視図
【図6】同設置方法を示す斜視図
【図7】本発明の実施の形態2にかかるサウナ装置を設置したサウナ室を示す透視斜視図
【図8】同要部の透視正面図
【図9】同レールの分解斜視図
【図10】同要部の斜視図
【図11】同架台の斜視図
【図12】同設置方法を示す斜視図
【図13】同設置方法を示す斜視図
【図14】同設置方法を示す斜視図
【図15】同設置方法を示す断面図
【図16】同設置方法を示す断面図
【図17】同設置方法を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態のサウナ室を、添付図面を用いて説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1を示し、サウナ室を構成するサウナ筐体1は、バスユニットとして既に、住宅に設置されたものである。
【0020】
すなわち、このサウナ筐体1は立方体形状をしており、内部には浴槽2と、シャワー3、蛇口4、給水栓5が設けられ、また前面側にはドア6が開閉自在に設けられている。
【0021】
バスユニット化されているサウナ筐体1の天井7には、図2に示すように矩形状の点検口8が設けられており、この点検口8は、通常は蓋(図示せず)で開閉自在に覆われているが、本実施形態では、この蓋を取り除き、この点検口8を利用して天井7部分に、サウナ装置9を設置している。
【0022】
具体的には、本実施形態のサウナ装置9は、サウナ筐体1の天井7上面に、略平行に配置された2本のレール10と、これら2本のレール10上に可動自在に支持されたサウナ機器11とから構成されている。
【0023】
また、前記サウナ機器11は、図3に示すように、立方体形状の本体ケース12と、この本体ケース12内に設けられた温水、あるいは蒸気の噴出手段12aと、この噴出手段12aの下方に配置した噴出口カバー13とを有する。
【0024】
以上の構成において、サウナ筐体1の天井7部分への、サウナ装置9設置方法について説明する。
【0025】
この設置については先ず、上述のごとく、サウナ筐体1の天井7部分に設けられている点検口8の蓋(図示せず)を外す(なお、この取り外した蓋は、例えば天井7の上面に退けておく)。
【0026】
次に、点検口8からサウナ筐体1の天井7上面側に、レール10を挿入する。
【0027】
この時、レール10は、図4に示すように左右のレール10a、10bに分離されているので、それぞれを点検口8からサウナ筐体1の天井7上面側に挿入し(押し出す)、次に図5に示すごとく各レール10a、10bの外端側の引掛り部10cを、サウナ筐体1の側面1a上方に引掛けた状態とする。
【0028】
そして、この状態で、図4に示すように、ネジ14を、レール10bのネジ孔10dに螺号させ、これによりレール10a、10bを一体化するとともに、図5に示すように2本のレール10をサウナ筐体1の天井7上面に、平行に配置する。
【0029】
この状態で、これら2本のレール10間の一端側(図2のごとく点検口8から遠方側)には、これら2本のレール10を結合する結合体15aを設ける。
【0030】
そして、この状態で、図6のごとく、2本のレール10間の他端側(図6のごとく点検口8側)を外方に広げ、点検口8の外側にレール10が位置する状態とする。なお、このように2本のレール10間の他端側(図6のごとく点検口8側)を外方に広げることができるように、上述した各レール10a、10bの外端側の引掛り部10cを、サウナ筐体1の側面1a上方に引掛ける時には、これらの引掛り部10cと、側面1a間には隙間(図示せず)を設けるようにしている。
【0031】
さてこのように、2本のレール10間の他端側(図6のごとく点検口8側)を外方に広げ、点検口8の外側にレール10が位置する状態とした後、サウナ筐体1内から、点検口8を介して、サウナ機器11の本体ケース12を、サウナ筐体1の天井7上面側に押し上げる。勿論このように、点検口8から、本体ケース12を天井7上面側に押し上げるためには、本体ケース12は、点検口8よりも水平面の大きさを小さくしている。
【0032】
次に、この図6に示すように、2本のレール10間の一端側(結合体15a側)において、サウナ機器11の本体ケース12下面側に設けたローラ16を、レール10上に載せる。
【0033】
次に、レール10間の他端側(図6のごとく点検口8側)も、図2のごとく結合体15bで結合し、これによりサウナ筐体1の天井7上面側において、2本のレール10を平行に配置すると共に、この平行配置された2本のレール10上にサウナ機器11の本体ケース12を、ローラ16で可動自在に配置する。
【0034】
なお、この状態において、サウナ機器11の本体ケース12下面側には、2本のレール10内面側に沿うように、レール外れ防止部17が設けられているので、2本のレール10上を、サウナ機器11の本体ケース12が可動する時に、この本体ケース12がレール10上から脱落することはない。
【0035】
さてこのように、サウナ筐体1の天井7上面側に、サウナ機器11の本体ケース12が配置された後には、この天井7上面側において電気的接続(図示せず)を行い、次にサウナ機器11の本体ケース12内から、サウナ機器11の給水ホース18の先端に設けた給水結合手段19を、前記点検口8から、サウナ筐体1内側に降ろす。
【0036】
そして、噴出口カバー13外側の、サウナ筐体1内側において、サウナ機器11の給水結合手段19と、給水ホース20の給水結合手段21を結合する。
【0037】
給水ホース20は図1のごとく給水栓5から分岐したもので、この給水栓5からは、給水ホース20、18を介して水、または温水が噴出手段12aに供給され、この噴出手段12aにより、加熱、微細化が行われる。
【0038】
そして、このようにして噴出手段12aで発生した温水、あるいは蒸気が、噴出口カバー13を介してサウナ筐体1内に供給され、これによりサウナ筐体1内で、サウナを体感することができる。
【0039】
なお、噴出口カバー13は、図3に示すようにサウナ機器11の本体ケース12に対して上下動自在に取り付けられるようになっており、これにより噴出口カバー13がサウナ筐体1の天井7面にフィットし、美観の高い状態で取り付けられるようになっている。
【0040】
また、この図3に示すように、点検口8上にサウナ機器11が存在する状態では、点検口8の上面は、サウナ機器11の本体ケース12で覆われた状態となっているので、点検口8から温水、あるいは蒸気がサウナ筐体1外へと漏れることはない。
【0041】
さて、サウナ筐体1の天井7上面側において、このサウナ装置9や、他の設備の点検をする時には、先ずサウナ機器11の給水結合手段19と、給水ホース20の給水結合手段21との結合を解除し、次に噴出口カバー13を本体ケース12から取り外し、その後、サウナ機器11の本体ケース12をローラ16転動により、図6に示す方向に移動させ、これにより点検口8を露出させる。
【0042】
その結果、点検口8からサウナ筐体1外に顔を突き出し、これにて適宜の点検を行う。
【0043】
また、この点検後は、上記組み立て時と同じように、ローラ16転動により点検口8部分にサウナ機器11を移動させ、次にこのサウナ機器11の給水結合手段19を、前記点検口8から、サウナ筐体1内側に降ろす。
【0044】
そして、サウナ筐体1内側において、サウナ機器11の給水結合手段19と、給水ホース20の給水結合手段21を結合し、次に噴出口カバー13をサウナ機器11の本体ケース12に装着する。
【0045】
なお、上述した実施形態では、複数のレール10a、10bを結合してレール10を構成したが、レール10は、伸縮自在としても良い。つまり、レール10を点検口8からサウナ筐体1上に挿入する時には収縮させ、その後サウナ筐体1上で伸ばすようにしても良い。
【0046】
(実施の形態2)
図7は本発明の実施形態2を示し、サウナ室を構成するサウナ筐体22は、バスユニットとして既に、住宅に設置されたものである。
【0047】
すなわち、このサウナ筐体22は立方体形状をしており、内部には浴槽23と、シャワー24、蛇口25、給水栓26が設けられ、また前面側にはドア27が開閉自在に設けられている。
【0048】
バスユニット化されているサウナ筐体22の天井28には、図10に示すように矩形状の点検口29が設けられており、この点検口29は、通常は蓋(図示せず)で開閉自在に覆われているが、本実施形態では、この蓋を取り除き、この点検口29を利用して天井28部分に、図7のごとく、サウナ装置30を設置している。
【0049】
具体的には、本実施形態のサウナ装置30は、図7のごとく、サウナ筐体22の天井28上面に、略平行に配置された2本のレール31と、これら2本のレール31上に可動自在に支持されたサウナ機器32とから構成されている。
【0050】
また、前記サウナ機器32は、図8に示すように、立方体形状の本体ケース33と、この本体ケース33内に設けられた温水、あるいは蒸気の噴出手段33aと、この噴出手段33aの下方に配置した噴出口カバー34とを有する。
【0051】
以上の構成において、サウナ筐体22の天井28部分への、サウナ装置30の設置方法について説明する。
【0052】
この設置については、先ず、上述のごとく、サウナ筐体22の天井28部分に設けられている点検口29の蓋(図示せず)を外す(なお、この取り外した蓋は、例えば天井28の上面に退けておく)。
【0053】
次に、点検口29からサウナ筐体22の天井28上面側に、レール31を配置することになる。
【0054】
このレール31の配置については、先ず、図9に示すように左右のレール31a、31bの先端側間に桟31cをねじ31dで結合し、コの字状とする。
【0055】
次に、図10のごとく、点検口29から上記コの字状となった左右のレール31a、31b、桟31cを天井28上面側へと押し込み、各レール31a、31bの先端側の引掛り部(係合部の一例)31Aを、サウナ筐体22の側面22a上方に引掛けた状態とする。
【0056】
この時、桟31cで結合した左右のレール31a、31bの外側幅(図10のA)は380mmと、点検口29の横幅(図10のB)である450mmよりも狭くしているので、図10のごとく、桟31cで結合した左右のレール31a、31bを、点検口29から天井28上面側へと簡単に押し出すことができる。
【0057】
次に、図11に示した四角枠状の架台35を、図12のごとく左右のレール31a、31b上に配置する。
【0058】
前記架台35は、サウナ機器32を左右のレール31a、31b上に可動自在に配置するためのものであり、下方には四角枠を構成するための枠35a〜35dが設けられている。
【0059】
このうち、枠35a、35cは左右のレール31a、31bに直交状態のもの、枠35b、35dは左右のレール31a、31bに平行状態のものである。
【0060】
また、枠35b、35dの外側には、左右のレール31a、31bに平行状態で垂直壁35e、35fを設けており、さらにこれらの垂直壁35e、35fにはそれぞれ外方への水平壁35g、35hを設けている。
【0061】
そして、水平壁35g、35hの下方には、それぞれ複数のローラ35iが配置されており、このローラ35iが左右のレール31a、31b上に乗った状態となっている。
また、このように、左右のレール31a、31b上にローラ35iが乗った状態となると、垂直壁35e、35fの上端に設けた脱輪防止カバー35j、35kを外側に回動させ(後述する図13に現れている)、これによりローラ35iの内外を、垂直壁35e、脱輪防止カバー35j、および垂直壁35f、脱輪防止カバー35kで覆い、これによりローラ35iの脱輪を防止する。
【0062】
その後、図13のごとく、左右のレール31h、31eの後端側間に、桟31fをねじ31gで、コの字状に結合したものを、点検口29から天井28上面側へと押し出す。
【0063】
なお、桟31cで結合した左右のレール31h、31eの外側幅も、点検口29の横幅よりも狭くしているので、図13のごとく、桟31fで結合した左右のレール31h、31eを、点検口29から天井28上面側へと簡単に押し出すことができる。
【0064】
この図13の状態では、左右のレール31a、31eの内方(桟31c、31fとは反対側)は重合状態となっており、また左右のレール31b、31hの内方(桟31c、31fとは反対側)も重合状態となっているので、その状態で、それぞれの重合部分に、左右のレール31a、31bの間から、皿ねじ36を螺合させ、一体化させる。
【0065】
なお、この状態では、各レール31h、31eの後端側の引掛り部(係合部の一例)31Bは、サウナ筐体22の側面22b上方に引掛けた状態としている。
【0066】
次に、図14のごとく、架台35を、点検口29に合致する部分まで、レール31a、31b、31h、31e上を、ローラ35iを回転させて、移動させる。
【0067】
そしてこの状態で、架台35の垂直壁35e、35fの下部に図11のごとく設けた長穴35mにレール31h、31e間側から、仮固定用のねじ37をレール31h、31eに設けたねじ孔38に向けて螺合させる。
【0068】
つまり、架台35を、レール31h、31eに仮固定する。
【0069】
そして、この後、図11に示した架台35の枠35a〜35d内の開口部から、サウナ機器32の本体ケース33を上方に持ち上げ、この本体ケース33の下方に設けた係合片と、前記架台35の枠35a〜35dに設けた係合片39を重合させ、ここでねじ止め(図示せず)する。
【0070】
これにより、架台35上にサウナ機器32の本体ケース33が固定されて状態となる。
【0071】
その後、図15に示した仮固定用のねじ37を外せば、レール31a、31b、31h、31e上をサウナ機器32の本体ケース33がローラ35iの回転により自由に移動できる状態となる。
【0072】
そこで、このサウナ機器32の本体ケース33を点検口29外へと移動させ、その状態で天井28上において本体ケース33に対する電源接続(図示せず)を行う。
【0073】
さてこのように、サウナ筐体22の天井28上面側に、サウナ機器32の本体ケース33を配置し、この天井28上面側において電気的接続(図示せず)を行った後には、図8のごとく、本体ケース33を点検口29に移動させ、次に本体ケース33内から、サウナ機器32の給水ホース39の先端に設けた給水結合手段40を、前記点検口29から、サウナ筐体22内側に降ろす。
【0074】
そして、噴出口カバー34外で、サウナ筐体22内側において、サウナ機器32の給水結合手段40と、給水ホース41の給水結合手段42を結合する。
【0075】
給水ホース41は図7のごとく給水栓26から分岐したもので、この給水栓26からは、給水ホース41、39を介して水、または温水が噴出手段33aに供給され、この噴出手段33aにより、加熱、微細化が行われる。
【0076】
そして、このようにして噴出手段33aで発生した温水、あるいは蒸気が、噴出口カバー34を介してサウナ筐体22内に供給され、これによりサウナ筐体22内で、サウナを体感することができる。
【0077】
なお、噴出口カバー34は、図16に示すようにサウナ機器32の本体ケース33に対して上下動自在に取り付けられるようになっており、これにより噴出口カバー34がサウナ筐体22の天井28面にフィットし、美観の高い状態で取り付けられるようになっている。
【0078】
また、噴出口カバー34の外周面には、図17に示すようにパッキン43が設けられており、このパッキン43を天井28と、噴出口カバー34の外周面とで挟むことで、水密性を高めている。
【0079】
さらに、これに加えて、この図16に示すように、点検口29上にサウナ機器32が存在する状態では、点検口29の上面は、サウナ機器32の本体ケース33で覆われた状態となっているので、点検口29から温水、あるいは蒸気がサウナ筐体22外へと漏れることはない。
【0080】
さて、サウナ筐体22の天井28上面側において、このサウナ装置30や、他の設備の点検をする時には、先ずサウナ機器32の給水結合手段40と、給水ホース41の給水結合手段42との結合を解除し、次に噴出口カバー34を本体ケース33から取り外し、その後、サウナ機器32の本体ケース33をローラ35iの転動により、点検口29外へと移動させ、点検口29を露出させる。
【0081】
その結果、点検口29からサウナ筐体22外に顔を突き出し、これにて適宜の点検を行うことができる。
【0082】
また、この点検後は、上記組み立て時と同じように、ローラ35iの転動により点検口29部分にサウナ機器32を移動させ、次にこのサウナ機器32の給水結合手段40を、前記点検口29から、サウナ筐体22内側に降ろす。
【0083】
そして、サウナ筐体22内側において、サウナ機器32の給水結合手段40と、給水ホース41の給水結合手段42を結合し、次に噴出口カバー34をサウナ機器32の本体ケース33に装着する。
【産業上の利用可能性】
【0084】
以上のように本発明のサウナ装置は、サウナ筐体の天井上面に配置されるレールと、このレールに可動自在に配置されるサウナ機器とを備え、前記サウナ機器は、温水、あるいは蒸気の噴出手段と、この噴出手段の下方に配置した噴出口カバーとを有する構成としたものであるので、既設住宅に、サウナ機器を簡単に設置できるようになる。
【0085】
すなわち、本発明のサウナ装置は、そのサウナ機器を、サウナ筐体の天井上面に配置したレールに可動自在に支持する構成としている。
【0086】
このため、サウナ筐体の天井面に設置されている既設の点検口から、このレールさえ天井上面に押し込めば、後はこの点検口からサウナ機器を天井上面に押し込み、前記レールに対してサウナ機器を可動自在に支持させれば、サウナ筐体の天井上面に、サウナ装置を簡単に設置することができる。
【0087】
また、点検口の本来目的である点検を行う時には、サウナ機器をレール上で可動させれば、サウナ機器を点検口外へ移動することができるので、この点検も簡単に行うことができる。
【0088】
このため、既設の住宅の住民もサウナを簡単に楽しめるものとなる。
【符号の説明】
【0089】
1 サウナ筐体
2 浴槽
3 シャワー
4 蛇口
5 給水栓
6 ドア
7 天井
8 点検口
9 サウナ装置
10、10a、10b レール
11 サウナ機器
12 本体ケース
12a 噴出手段
13 噴出口カバー
14 ネジ
15a、15b 結合体
16 ローラ
17 レール外れ防止部
18 給水ホース
19 給水結合手段
20 給水ホース
21 給水結合手段
22 サウナ筐体
23 浴槽
24 シャワー
25 蛇口
26 給水栓
27 ドア
28 天井
29 点検口
30 サウナ装置
31 レール
31A,31B 引掛り部
31a,31b,31h,31e レール
32 サウナ機器
33 本体ケース
33a 噴出手段
34 噴出口カバー
35 架台
35i ローラ
35j、35k 脱輪防止カバー
37 ねじ
43 パッキン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サウナ筐体の天井上面に配置されるレールと、このレールに可動自在に支持されるサウナ機器とを備え、前記サウナ機器は、温水、あるいは蒸気の噴出手段と、この噴出手段の下方に配置した噴出口カバーとを有するサウナ装置。
【請求項2】
レールは、所定間隔をおいて略平行状態に配置された少なくとも2本のレールを有し、サウナ機器は、これら2本のレール上に、可動自在に配置される請求項1に記載のサウナ装置。
【請求項3】
2本のレール間の一端側と、他端側に、これら2本のレールの結合体を設けた請求項2に記載のサウナ装置。
【請求項4】
レールは、伸縮自在とした請求項1〜3のいずれか一つに記載のサウナ装置。
【請求項5】
レールは、複数のレールを結合した構成とした請求項1〜3のいずれか一つに記載のサウナ装置。
【請求項6】
2本のレール間の一端側の幅と、他端側の幅は、点検口の幅よりも小さくした請求項3〜5のいずれか一つに記載のサウナ装置。
【請求項7】
サウナ機器は、レール上を転動するローラを有する請求項1〜6のいずれか一つに記載のサウナ装置。
【請求項8】
サウナ機器は、四角枠状の架台と、この架台を構成するレール側辺の外側に設けたローラと、このレール側辺の内側に設けた脱輪防止カバーとを有し、前記脱輪防止カバーは、ローラをレール上に配置した後に、外側に回動される構成とした請求項7に記載のサウナ装置。
【請求項9】
架台には、レールへの仮固定手段を設けた請求項8に記載のサウナ装置。
【請求項10】
仮固定手段は、架台とレールに設けた孔にねじを螺合させる構成とした請求項9に記載のサウナ装置。
【請求項11】
レールの両端には、サウナ筐体に係合する係合部を設けた請求項1から10のいずれか一つに記載のサウナ装置。
【請求項12】
レールの両端に設けた係合部は、サウナ筐体の側面上方に引掛けた引掛り部により形成した請求項11に記載のサウナ装置。
【請求項13】
噴出口カバーの外周面には、サウナ筐体の天井面に当接するパッキンを設けた請求項1から12のいずれか一つに記載のサウナ装置。
【請求項14】
サウナ機器は、給水ホースを有し、この給水ホースの先端には、給水結合手段を設けた請求項1から13のいずれか一つに記載のサウナ装置。
【請求項15】
サウナ機器の給水結合手段は、噴出口カバー外に設けた請求項1から14のいずれか一つに記載のサウナ装置。
【請求項16】
天井に点検口を有するサウナ筐体と、このサウナ筐体の天井部に取り付けた請求項1から15のいずれか一つに記載のサウナ装置とを備えたサウナ室。
【請求項17】
天井に点検口を有するサウナ筐体と、このサウナ筐体の天井上面に取り付けた請求項1から15のいずれか一つに記載のサウナ装置とを備えたサウナ室。
【請求項18】
天井に点検口を有するサウナ筐体と、このサウナ筐体の天井部に取り付けた請求項14に記載のサウナ装置とを備え、サウナ装置の給水ホースの先端に設けた給水結合手段は、前記点検口の、サウナ筐体内側において、給水手段と結合したサウナ室。
【請求項19】
天井に点検口を有するサウナ筐体と、このサウナ筐体の天井部に取り付けた請求項15に記載のサウナ装置とを備え、サウナ装置の給水ホースの先端に設けた給水結合手段は、前記点検口の、サウナ筐体内側において、給水手段と結合したサウナ室。
【請求項20】
サウナ筐体内側の給水手段は、給水栓から分岐したものである請求項19に記載のサウナ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−239908(P2011−239908A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113887(P2010−113887)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】