説明

サウナ装置

【課題】温暖なミスト又は乾燥蒸気を安価かつ容易に生成することができるようにする。
【解決手段】サウナルームR内に噴霧する温暖なミスト又は乾燥蒸気を生成するサウナ装置であって、ミスト生成用水をミスト化して噴霧するためのノズル30と、このノズル30から噴霧されるミストを加熱するための加熱部35とを有していることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サウナルーム内に噴霧する温暖なミスト又は乾燥蒸気を生成するサウナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスチームサウナ施設にあっては、サウナ室内の環境を調整する目的で送気する蒸気を生成する際に、貯留水を沸騰させて蒸気を生成し、その蒸気をそのままサウナ室内に直接導入する方法が一般的である。
ところで、特開平5−176968号公報(特許文献1)には、別に設けられた熱交換機によって調整された湯を温水供給装置に一時的に貯留しておき、その温水供給装置からポンプによって加圧送給することにより、噴射口からミストを噴霧する構成のものが記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平5−176968号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
すなわち、従来技術においては、サウナ室に供給するに必要とする量以上の湯を予め調整する必要から、そのための給湯設備を設ける必要がある。
また、給湯設備では常温の水を蒸気が発生するために必要とするだけの加熱をしなければならず、大型のヒータや重油ボイラ等のエネルギー消費量の大きな発熱体を設けなければならない。
【0005】
さらに、サウナ室を加温しあるいは加湿するために用いられる湯又は蒸気は、ヒータやボイラ等の加熱装置を、1段又は2段以上に並設して常温の水を加熱し、さらには沸騰させなければならず、サウナ室へと導入するための蒸気が発生するまでに相当の時間を要するために、サウナ装置の運転コストが嵩むという問題がある。
また、水を加熱して蒸気化する場合、例えば水道水を使用すると蒸発残滓であるスケールが蒸気発生槽の内壁に付着するため、それを除去するメンテナンスに費用を要し、サウナ装置における運転経費の低廉化が求められていた。
【0006】
さらにまた、生成した蒸気をサウナ室内に噴出ノズルから霧状に噴霧することでサウナ室内の温度と湿度を調節していたが、サウナ室使用者は、噴出直後の濃厚な蒸気によって視界を遮られて不快感を感じることがあり、その改善が求められていた。
【0007】
本発明は、温暖なミスト又は乾燥蒸気を安価かつ容易に生成することができるサウナ装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載したサウナ装置は、サウナルーム内に噴霧するミストを生成するものであり、ミスト生成用水をミスト化して噴霧するためのノズルと、ノズルから噴霧されるミストを加熱するための加熱部とを有していることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載のサウナ装置は、請求項1に記載した加熱部が、ミストを乾燥蒸気化するように加熱することを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載のサウナ装置は、請求項1に記載した加熱部が、ミストが温暖なものとなるように加熱することを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載のサウナ装置は、請求項1〜3のいずれかに記載したノズルから噴霧されるミスト量を増減制御するミスト量制御手段と、加熱部による加熱量を増減制御する加熱量制御手段を設けたことを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載のサウナ装置は、請求項4に記載したサウナルーム内の湿度を測定するための湿度センサを具備しており、ミスト量制御手段は、湿度センサから送出された湿度データに基づいて、ノズルから噴霧されるミスト量を増減制御することを特徴としている。
【0013】
請求項6に記載のサウナ装置は、請求項1〜3のいずれかに記載したサウナルーム内の温度を測定するための温度センサと、サウナルーム内の温度を昇温するための温度調整部が設けられており、温度センサにより測定したサウナルーム内の温度が予め設定した温度範囲に含まれるか否かを判定する判定手段と、サウナルーム内の温度が予め設定した温度範囲以下であると判定したときには、昇温調整部による昇温動作を開始し、温度範囲以上であるときには昇温動作を停止する温度調整手段とを有することを特徴としている。
【0014】
請求項7に記載のサウナ装置は、請求項4〜6のいずれかに記載した湿度センサにより測定したサウナルーム内の湿度が予め設定した湿度範囲に含まれるか否かを判定する判定手段を設けているとともに、ミスト量制御手段は、サウナルーム内の湿度が予め設定した湿度範囲以下であると判定したときには、ノズルからのミストの噴霧を開始させ、予め設定した湿度範囲以上であると判定したときにはノズルからのミストの噴霧を停止させることを特徴としている。
【0015】
請求項8に記載のサウナ装置は、請求項1〜7のいずれかに記載した加熱部が、金属製の筒体に加熱コイルを巻回した構成を有するラジアントチューブを加熱源としていることを特徴としている。
【0016】
請求項9に記載のサウナ装置は、請求項1〜7のいずれかに記載した加熱部が、発熱機能を備えた金属製の筒体を有するラジアントチューブを加熱源としていることを特徴としている。
【0017】
請求項10に記載のサウナ装置は、請求項1〜9のいずれかに記載したミスト生成用水が、上水、海洋深層水、海水、温泉水、井戸水等の天然水、又はアロマエッセンス、ハーブエキス、木酢、竹酢、香水等を溶解した水溶液であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載した発明によれば、ノズルから噴霧されるミストを加熱部で加熱しているので、温暖なミスト又は乾燥蒸気を安価かつ容易に生成することができる。
【0019】
請求項2に記載した発明によれば、ノズルから噴霧されるミストを乾燥蒸気化するように加熱しているので、ミストの噴出による視界の遮断という不快感を減ずることができるとともに、噴出するミストに体の一部が曝されることによる火傷の危険性をなくすことができる。
【0020】
請求項3に記載した発明によれば、ノズルから噴霧されるミストが温暖なものとなるように加熱しているので、温暖なミストを容易に生成することができる。
【0021】
請求項4に記載した発明によれば、ノズルから噴霧されるミスト量を増減制御するとともに、加熱部による加熱量を増減制御しているので、温暖なミストや乾燥蒸気を容易に生成することができる。
【0022】
請求項5に記載した発明によれば、湿度センサから送出された湿度データに基づいて、ノズルから噴霧されるミスト量を増減制御しているので、サウナルーム内を最適な湿度に保つことができる。
【0023】
請求項6に記載した発明によれば、温度センサにより測定したサウナルーム内の温度が予め設定した温度範囲に含まれるか否かを判定し、サウナルーム内の温度が予め設定した温度範囲以下であると判定したときには昇温を開始し、温度範囲以上であるときには昇温動作を停止しているので、サウナルーム内を適温に保つことができる。
【0024】
請求項7に記載した発明によれば、湿度センサにより測定したサウナルーム内の湿度が予め設定した湿度範囲に含まれるか否かを判定し、サウナルーム内の湿度が予め設定した湿度範囲以下であると判定したときには、ノズルからのミストの噴霧を開始し、湿度範囲以上であると判定したときには、ノズルからのミストの噴霧を停止しているので、サウナルーム内を最適な湿度に保つことができ、従ってまた、サウナルーム内を常に発汗に適した環境にしておくことができる。
【0025】
請求項8,9に記載した発明によれば、ラジアントチューブを加熱源として有しているので、加熱面積を大きくすることができるとともに短時間で効率よく温暖なミスト又は乾燥蒸気を生成できる。
【0026】
請求項10に記載した発明によれば、ミスト生成用水として、上水、海洋深層水、海水、温泉水、井戸水等の天然水、又はアロマエッセンス、ハーブエキス、木酢、竹酢、香水等を溶解した水溶液を使用しているので、温泉成分やハーブエキス等を含有する温暖なミスト又は乾燥蒸気を生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るサウナ装置を適用したサウナルームの概略斜視図、図2は、本発明の一実施形態に係るサウナ装置の具体的構成を示す説明図、図3は、制御部を中心としたブロックである。
【0028】
本発明の一実施形態に係るサウナ装置Aは、ミスト生成用水を貯留しておく貯水槽10、湿度調整部B、制御部C、温度調整部D、温度センサS1及び湿度センサS2を有して構成されている。
【0029】
湿度調整部Bは、貯水槽10に貯留されているミスト生成用水をノズル30に向けて圧送するためのポンプ20、電磁弁25、この電磁弁25を通じて圧送されたミスト生成用水をミスト化して噴霧するためのノズル30、ノズル30から噴霧されるミストを加熱するための加熱部35、及び加熱部35に接続されたダクト40を有している。
【0030】
「ミスト」とは微小な霧状の液滴のことである。
「ミスト生成用水」は、本実施形態においては、上水、海洋深層水、海水、温泉水、井戸水等の天然水、又はアロマエッセンス、ハーブエキス、木酢、竹酢、香水等を溶解した水溶液等である。
【0031】
貯水槽10は、上記したミスト生成用水を貯留しておくためのものである。従って、上水や井戸水等をミスト生成用水として使用する場合、水源からポンプ等を使って汲み上げたものを直接ポンプに向けて送給する構成にすることにより、必ずしも貯水槽10やポンプ20を設置する必要はない。
【0032】
ノズル30は、後述する制御部Cから出力される制御信号により、ミスト生成用水のミスト化動作を開始し、また、その動作の停止を行える構造になっている。
なお、ポンプ20については、制御部Cから出力される制御信号により駆動状態と停止状態が切り替えられ、また、電磁弁25については、制御部Cから出力される制御信号により開状態と閉状態が切り替えられるようになっている。
【0033】
加熱部35は電磁誘導加熱コイルを用いた空冷式のラジアントチューブを加熱源として採用している。
電磁誘導加熱コイルを用いた空冷式のラジアントチューブは、図2に示すように、熱伝導性の良好な金属製円筒体36に、電磁誘導加熱コイル37を巻回した構成のものである。
金属製円筒体36は、乾燥蒸気又は温暖ミストを生成するために十分な全長Lにしかつ所要の内外径にして形成されている。
電磁誘導加熱コイル37には、高周波加熱電源39が接続されているとともに、リレー38によってオン/オフ制御されるようになっている。
加熱部35とノズル30との配置関係は、ノズル30と金属性円筒体36とを同軸的に配置し、かつ、ノズル30の噴霧口30aを金属製円筒体36の一端側の開口36aに突入させている。
ダクト40はL字形に形成されており、これの一端部が金属性円筒体36の他端側に連結され、他端部を、図1に示すサウナルームR内に臨ませている。
【0034】
本実施形態においては、上述した加熱部35において、ノズル30から噴霧されたミストを乾燥蒸気化するように加熱しているが、乾燥蒸気化することに限るものではなく、温暖なミストとなるように加熱してもよい。
「乾燥蒸気」とは、飽和蒸気圧曲線以下の高温低圧領域の蒸気であり、本実施形態においては、上記した加熱部35から噴出された直後の温度が300〜500(℃)のものを想定している。
このような加熱部としては、例えば第一高周波工業株式会社製の「Super Hi」を採用することができる。
【0035】
温度調整部Dは、本実施形態においては遠赤外線を発生する面状発熱体ヒータを採用しており、後述する制御部Cから出力される制御信号によりオン/オフ制御されるようになっている。なお、面状発熱体ヒータとしては、株式会社鳴門製作所製の「面状ヒーター」を採用することができる。このような面状発熱体ヒータを採用することにより、当該ヒータを設置する設置スペースを確保しなくともよい。
【0036】
温度センサS1は、サウナルームR内に設置されており、そのサウナルームR内の温度を測定するためのものである。また、湿度センサS2は、サウナルームR内に設置されており、そのサウナルームR内の湿度を測定するためのものである。
【0037】
次に、制御部Cについて説明する。
制御部Cは、CPUと入出力回路(いずれも図示しない)を有して構成されているものであり、図3に示すように、入力側には、上記した温度センサS1、湿度センサS2がそれぞれ接続されているとともに、出力側には、ポンプ20、電磁弁25、ノズル30、高周波加熱電源39をオン/オフするためのリレー38及びサウナルームR内の温度を昇降するための温度調整部Dが接続されている。
【0038】
制御部Cは、所定のプログラムを実行することにより、次の機能を発揮する。
(1)ノズル30から噴霧されるミスト量に基づいて、加熱部35による加熱量を増減制御する機能(加熱量制御手段C1)。
本実施形態においては、ノズル30から単位時間当たり一定量のミストを噴霧するようになっており、噴霧時間を増減することによりミスト量を増減調整している。
また、ノズル30から噴霧されたミストを、乾燥蒸気又は温暖なミストとなるように加熱量を制御している。
【0039】
「温暖なミスト」とは、約40(℃)から約100(℃)に達する温度であって、1.0(μm)程の微細水滴を含む温暖空気のことである。約40(℃)は、人間の体温よりもやや高く暖かいと感じられる温度であり、40(℃)に限る趣旨のものではない。好ましくは約40〜約60(℃)となるような加熱量に増減制御するとよい。
なお、ノズル30から噴霧されるミスト量を増減制御する場合には、その増減したミストが乾燥蒸気又は温暖なミストとなるように加熱量を増減制御する。
【0040】
(2)温度センサS1により測定したサウナルームR内の温度が予め設定した温度範囲に
含まれるか否かを判定する機能(判定手段C2)。
「予め設定した温度範囲に含まれるか否か」の判定は、サウナルーム内の温度が予め設定した温度範囲以下であるとの判定と、予め設定した温度範囲以上であるとの判定の双方を含む。
「予め設定した温度範囲」は、サウナルームR内でサウナ浴をしている者が、心地よく
感じる温度範囲であり具体的には40〜60(℃)、好ましくは42〜45(℃)の範囲である。
なお、上記の温度範囲は、制御部C内のメモリ(図示しない)に予め記憶されている。
【0041】
(3)サウナルームR内の温度が予め設定した温度範囲以下であると判定したときには、温度調整部Dによる昇温動作を開始し、温度範囲以上であると判定したときには昇温動作を停止する機能(温度調整手段C3)。
【0042】
(4)湿度センサS2により測定したサウナルームR内の湿度が予め設定した湿度範囲に含まれるか否かを判定する機能(判定手段C4)。
「予め設定した湿度範囲に含まれるか否か」の判定には、サウナルームR内の湿度が予め設定した湿度範囲以下であるとの判定と、予め設定した湿度範囲以上であるとの判定の双方を含む。
「予め設定した湿度範囲」は、湿度90〜96(%)であり、好ましくは92〜94(%)の範囲である。この湿度範囲は、制御部C内のメモリ(図示しない)に記憶されている。
【0043】
(5)サウナルームR内の湿度に基づいて、ノズル30から噴霧されるミスト量を増減制御する機能(ミスト量制御手段C5)。
本実施形態においては、湿度センサS2から送出された湿度データに基づいて、ノズル30から噴霧されるミスト量を増減制御している。
具体的には、サウナルームR内の湿度が予め設定した湿度範囲以下であると判定したときには、ノズル30からのミストの噴霧を開始し、湿度範囲以上であると判定したときにはノズル30からのミストの噴霧を停止するようにしている。
このノズル30からのミストの噴霧の開始と停止に同期して、ポンプ20、電磁弁25、高周波加熱電源39のオン/オフ制御が行われる。
【0044】
すなわち、温度調節部DによってサウナルームR内が所望の温度に調節されている場合に、当該温度における飽和蒸気圧に近い室内蒸気圧力を維持するように単位時間当たりの乾燥蒸気の生成量を制御している。
「所望の温度」は、本実施形態においては約40〜60(℃)を想定しているが、これに限るものではない。
【0045】
サウナルームR内の温度調整は次のようにして行っている。図4は、サウナルームR内の温度の調整動作を示すフローチャートである。
ステップ1(図中「S1」と略記する。以下同様。):サウナルームR内の温度を温度センサS1で測定してステップS2に進む。
ステップ2:温度センサS1で測定した温度が、予め設定した40〜60(℃)の温度範囲よりも低いか否かを判定し、低い場合にはステップ3に進み、そうでない場合にはステップ4に進む。
「予め設定した40〜60(℃)の温度範囲よりも低いか否か」の判定は、本実施形態においては、「予め設定した40〜60(℃)の温度範囲以下であるか否か」の判定と同義である。
【0046】
ステップ3:温度調整部Dをオン制御して、ステップ1に戻る。
ステップ4:予め設定した40〜60(℃)の温度範囲よりも高いか否かを判定し、高い場合にはステップ5に進み、そうでない場合にはステップ1に戻る。
「予め設定した40〜60(℃)の温度範囲よりも高いか否か」の判定は、本実施形態においては、「予め設定した40〜60(℃)の温度範囲以上であるか否か」の判定と同義である。
ステップ5:温度調整部Dをオフ制御して、ステップ1に戻る。
【0047】
ミスト量の増減制御は次のようにして行っている。図4は、噴霧するミスト量の増減制御を示すフローチャートである。
ステップ1(図中「T1」と略記する。以下同様。):サウナルームR内の温度を湿度センサS2で測定してステップ2に進む。
ステップ2:湿度センサS2で測定した湿度が、予め設定した90〜96(%)の湿度範囲よりも低いか否かを判定し、低いと判定した場合にはステップ3に進み、そうでない場合にはステップ4に進む。
「予め設定した90〜96(%)の湿度範囲よりも低いか否か」の判定は、本実施形態においては、「予め設定した90〜96(%)の湿度範囲以下であるか否か」の判定と同義である。
【0048】
ステップ3:湿度調整部Bをオン制御して、ステップ1に戻る。これにより、ノズル30からのミストの噴霧の開始に同期して、ポンプ20、電磁弁25、高周波加熱電源39のオン制御が行われる。
【0049】
ステップ4:予め設定した90〜96(%)の湿度範囲よりも高いか否かを判定し、高い場合にはステップ5に進み、そうでない場合にはステップ1に戻る。
「予め設定した90〜96(%)の湿度範囲よりも高いか否か」は、本実施形態においては、「予め設定した90〜96(%)の湿度範囲以上であるか否か」と同義である。
ステップ5:湿度調整部Bをオフ制御して、ステップ1に戻る。これにより、ノズル30からのミストの噴霧の開始に同期して、ポンプ20、電磁弁25、高周波加熱電源39のオフ制御が行われる。
【0050】
図6は、他例に係る加熱部の概略構成を示す説明図である。
他例に係る加熱部50は、発熱機能を備えた金属製の筒体51に高周波加熱電源52を接続した構造のものである。
筒体51の一方の端部には円錐台形の受け具51aが連結されており、この受け具51aに、上記したノズル30を同軸的に対向配置している。
なお、53で示すものは、高周波加熱電源52をオン/オフ制御するためのリレーであり、上述した制御部に接続されている。
このような加熱部としては、野村技工株式会社製の「Genesis」を採用することができる。
【0051】
次に、他の実施形態に係るサウナ装置について説明する。図7は、他の実施形態に係るサウナ装置の具体的構成を示す説明図である。なお、前述した実施形態において説明したものと同等のものには同一の符号を付すことにより詳細な説明を省略し、ここでは、相違点について詳細に説明する。
【0052】
本実施形態に係るサウナ装置は、加熱部60の構成と、コイル駆動部70が設けられている点が前述した実施形態と相違している。
加熱部60は、図2に示すものと同じく、電磁誘導加熱コイルを用いた空冷式のラジアントチューブを加熱源として採用している。
電磁誘導加熱コイルを用いた空冷式のラジアントチューブは、熱伝導性の良好な金属製円筒体61に、2つの電磁誘導加熱コイル62,63を巻回した構成のものである。
【0053】
金属製円筒体61は、ノズル30から噴霧されたミストを乾燥蒸気にする上で充分な加熱が行える全長にしているとともに、所要の内外径にして形成されている。
電磁誘導加熱コイル62,63には、コイル駆動部70を介して高周波加熱電源39が共通に接続されている。
【0054】
コイル駆動部70は、電磁誘導加熱コイル62,63を独立して加熱することができるものであり、本実施形態においては、金属製円筒体61の一端部61a側に巻回されている電磁誘導加熱コイル62の加熱温度よりも、他端部61b側に巻回されている電磁誘導加熱コイル63の加熱温度を高く設定している。このような構成にすることにより、効率よく乾燥蒸気又は温暖なミストを生成することができる。
【0055】
なお、本実施形態においては、2つの電磁誘導加熱コイルを異なる温度にして加熱駆動する例について説明したが、3つ以上の電磁誘導加熱コイルを金属製円筒体61に巻回するとともに、一端部61a側に巻回されたものから、他端部61b側に巻回されたものにかけて次第に高温となるように加熱駆動するようにしてもよい。このような構成にすることにより、より効率よく乾燥蒸気又は温暖なミストを生成することができる。
【0056】
本発明は上述した実施形態に限るものではなく、次のような変形実施が可能である。
・前述した実施形態においては、ミスト量の増減を謂わばフィードバック制御している例について説明したが、湿度センサで検出した複数の湿度に対応する所定の噴霧時間をそれぞれ予め設定しておき、当該湿度の検出により、対応する所定の噴霧時間だけミストを噴霧するようにしてもよい。
・前述した実施形態においては、加熱現として電磁誘導加熱コイルを用いたもの、筒体自体が発熱機能を有するものを例として説明したが、ガスバーナ式のラジアントチューブを加熱源として採用することもできる。
【0057】
・前述した実施形態においては、サウナルーム内の温度が予め設定した温度範囲以下であると判定したときには、昇温調整部による昇温動作を開始し、予め設定した温度範囲以上であると判定したときには昇温動作を停止する例について説明したが、サウナルーム内の温度が予め設定した温度範囲未満であると判定したときには、温度調整部による昇温動作を開始し、温度範囲を超えるときには昇温動作を停止するようにしてもよい。
【0058】
・また、サウナルーム内の湿度が予め設定した湿度範囲以下であると判定したときには、ノズルからのミストの噴霧を開始させ、予め設定した湿度範囲以上であると判定したときにはノズルからのミストの噴霧を停止させる例について説明したが、サウナルーム内の湿度が予め設定した上記湿度範囲未満であると判定したときには、ノズルからのミストの噴霧を開始し、湿度範囲を超えると判定したときにはノズルからのミストの噴霧を停止するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施形態に係るサウナ装置を適用したサウナルームの概略斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るサウナ装置の具体的構成を示す説明図である。
【図3】制御部を中心としたブロックである。
【図4】制御部によるサウナルーム内の温度の制御動作を示すフローチャートである。
【図5】サウナルーム内の温度の調整動作を示すフローチャートである。
【図6】他例に係る加熱部の概略構成を示す説明図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係るサウナ装置の具体的構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0060】
30 ノズル
B 加熱部
C1 加熱量制御手段
C2 判定手段
C3 温度調整手段
C4 判定手段
C5 ミスト量制御手段
D 温度調整部
R サウナルーム
S1 温度センサ
S2 湿度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サウナルーム内に噴霧する温暖なミスト又は乾燥蒸気を生成するサウナ装置であって、
ミスト生成用水をミスト化して噴霧するためのノズルと、ノズルから噴霧されるミストを加熱するための加熱部とを有していることを特徴とするサウナ装置。
【請求項2】
加熱部は、ノズルから噴霧されるミストを乾燥蒸気化するように加熱することを特徴とする請求項1に記載のサウナ装置。
【請求項3】
加熱部は、ノズルから噴霧されるミストが温暖なものとなるように加熱することを特徴とする請求項1に記載のサウナ装置。
【請求項4】
ノズルから噴霧されるミスト量を増減制御するミスト量制御手段と、
加熱部による加熱量を増減制御する加熱量制御手段とを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のサウナ装置。
【請求項5】
サウナルーム内の湿度を測定するための湿度センサを具備しており、
ミスト量制御手段は、湿度センサから送出された湿度データに基づいて、ノズルから噴霧されるミスト量を増減制御することを特徴とする請求項4に記載のサウナ装置。
【請求項6】
サウナルーム内の温度を測定するための温度センサと、
サウナルーム内の温度を昇温するための温度調整部と、
温度センサにより測定したサウナルーム内の温度が予め設定した温度範囲に含まれるか否かを判定する判定手段と、
サウナルーム内の温度が予め設定した温度範囲以下であると判定したときには、昇温調整部による昇温動作を開始し、予め設定した温度範囲以上であると判定したときには昇温動作を停止する温度調整手段とを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のサウナ装置。
【請求項7】
湿度センサにより測定したサウナルーム内の湿度が予め設定した湿度範囲に含まれるか否かを判定する判定手段を設けているとともに、
ミスト量制御手段は、サウナルーム内の湿度が予め設定した湿度範囲以下であると判定したときには、ノズルからのミストの噴霧を開始させ、予め設定した湿度範囲以上であると判定したときにはノズルからのミストの噴霧を停止させることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のサウナ装置。
【請求項8】
加熱部は、金属製の筒体に加熱コイルを巻回した構成を有するラジアントチューブを加熱源としていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のサウナ装置。
【請求項9】
加熱部は、発熱機能を備えた金属製の筒体を有するラジアントチューブを加熱源としていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のサウナ装置。
【請求項10】
ミスト生成用水は、上水、海洋深層水、海水、温泉水、井戸水等の天然水、又はアロマエッセンス、ハーブエキス、木酢、竹酢、香水等を溶解した水溶液であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のサウナ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−48995(P2008−48995A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−229915(P2006−229915)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【出願人】(502037638)株式会社アイ・ピー・ビー (28)
【Fターム(参考)】