説明

サウナ装置

【課題】サウナ室の開閉ドアを外側に開いても、該開閉ドアの室内側壁面に付着した結露水の滴が床面に垂れ落ちるのを防止したサウナ装置を提供する。
【解決手段】ミスト発生手段から供給されるミストでサウナ室内を高湿度状態に保持するサウナ装置で、前記サウナ室への入退室用の外開きの開閉ドア42の室内側下部には、この開閉ドア42のほぼ幅の長さで帯状で室内側に張り出し、該開閉ドア42の室内側壁面を滑り落ちてくる滴を一旦止める張り出し具44を備え、更にこの張り出し具44の上面は開閉ドア42から離れるに従って下り傾斜した傾斜面45とし、底部にはやや長めの毛を密に設けたブラシ部46を備え、更にこのブラシ部46と接するサウナ室2の床面48には、毛細管現象でブラシ部46に貯めた滴を開閉ドア42の開口移動で、磨り落とす磨り落とし部50を設けたので、開閉ドア42からの床面への垂れ落ちが防止出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、サウナ室の入り口の開閉ドア内側に付着した滴が、開閉ドアの開口と同時に入り口外の床面に落下し、ここを濡らすのを防止したサウナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種のものでは、サウナ室を組み立て式として製作し、新築だけでなく既存住宅でも空いたスペースに設置して、何時でも好きな時に家でサウナ浴を楽しむことが出来るようにしたものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2955766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでこの従来のものでは、サウナ室に充満するミストが入り口の開閉ドアの内側に付着して結露し、これが時間の経過と共に大きな滴となって開閉ドアの内側壁面を伝って滑り落ちるもので、特に外開きの開閉ドアでは、この開閉ドアを開けた時に入り口手前の床に滴が垂れ、開閉ドアを開閉するたびに床面が汚れてしまうと言う課題を有するものであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は上記課題を解決するために、請求項1では特にその構成を、ミスト発生手段から供給されるミストでサウナ室内を高湿度状態に保持するサウナ装置に於いて、前記サウナ室への入退室用の外開きの開閉ドアの室内側下部には、この開閉ドアのほぼ幅の長さで帯状で室内側に張り出し、該開閉ドアの室内側壁面を滑り落ちてくる滴を一旦止める張り出し具を備え、更にこの張り出し具の上面は開閉ドアから離れるに従って下り傾斜した傾斜面とし、底部にはやや長めの毛を密に設けたブラシ部を備え、更にこのブラシ部と接するサウナ室の床面には、毛細管現象でブラシ部に貯めた滴を開閉ドアの開口移動で、磨り落とす磨り落とし部を設けたものである。
【0006】
又請求項2によれば、前記磨り落とし部は、開閉ドアに向かって登り傾斜した登り傾斜部で構成され、登り傾斜部でブラシ部から放出される滴を案内して排水するものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明の請求項1によれば、サウナ室の開閉ドアの室内側壁面に付着した結露水は、開閉ドアの壁面を滴となって滑り落ちるが、下部の張り出し具で一旦止めて勢いを低下させた後、上面の傾斜面を緩やかに下り、底部のブラシ部に毛細管現象で保持されることになり、そして開閉ドアを外側に開くことで、ブラシ部が磨り落とし部で磨られ保持していた滴が全て、サウナ室内の床面に放出されてドレンとして排水されるものであり、又ブラシ部は保持していた滴を全て放出したことでフレッシュな状態となるので、開閉ドアを開く動作による振動で、該開閉ドアの内壁面に残っていた滴が滑り落ちても、張り出し具と傾斜面とブラシ部とで確実に入り口手前の床面への滴下を防止出来るものである。
【0008】
このように、開閉ドアを開けると言う動作を利用して滴として集めた結露水を放出すると共に、ブラシ部を常にフレッシュな状態にして開口動作で滑り落ちる滴を良好に保持出来るもので、サウナ室の入り口手前の床面を汚すことがなく、拭き掃除の手間もかからないものであり、特に組み立て式のサウナ室で既存住宅の一室に設置したものでは、その設置した部屋を防水工事まですることがないので、結露水の滴下を防止することは大きな効果を有することになるものである。
【0009】
又請求項2では、前記磨り落とし部は、開閉ドアに向かって登り傾斜した登り傾斜部で構成され、開閉ドアが閉じられている状態では、登り傾斜部でブラシ部から放出される滴を案内して排水するものであるので、極めて簡単な構成でありコストの削減が図れると共に、確実にブラシ部に保持された結露水を放出させることが出来、しかも排水も良好に行われるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の一実施形態のサウナ室の概略構成図。
【図2】同要部の開閉ドアの閉口状態を示す断面図。
【図3】同要部の開閉ドアの開口途中を示す断面図。
【図4】同開閉ドアの要部正面図。
【図5】同サウナ用のミスト発生手段の横断面図。
【図6】同サウナ用のミスト発生手段の縦断面図。
【図7】同ミスト発生手段の要部平面図。
【図8】同ミスト発生手段の要部電気回路のブロック図。
【図9】立ち上がり加熱運転を示すフローチャート。
【図10】乾燥運転を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次にこの発明のサウナ装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
1は組み立て容易な木製のサウナ室2のベンチ3下に備えられたミスト発生手段で、サウナ室2内の上部まで延びた吸引ダクト4を介して該サウナ室2内の空気を吸引し、塵や細菌を除去した後に、昇温したナノミスト及びマイナスイオンをベンチ3下方に形成した放出口5からサウナ室2に供給して、順次これを繰り返すことでサウナ室2を使用室温38〜40℃、相対湿度90%以上の低温サウナの使用雰囲気とするものである。
【0012】
6は自動給水弁7を備えた給水管8からの給水を一定量貯水する貯水部で、水面下で底部近傍には単相200V、2KWで平面視M字状に水平に取り付けられて逆U字部9を3箇所有した加熱ヒータ10を備え、貯水を46℃〜48℃に加熱するものであり、一側壁にはオーバーフロー管11及び自動排水弁12を設けた排水管13を連通し、サウナ中は常に一定水位を維持しながら終了時には全て排水する。
【0013】
14は前記貯水部6内を処理室15と分離室16の2室に仕切る仕切壁で、下端を分離室16側を屈曲し水面との間の連通路17を水面近傍まで下げることにより、処理室15から分離室16へ向かう空気中の大粒のミストを水面にぶつけて落下させる気液分離器の役目も果たすようにしている。
【0014】
前記処理室15には、貯水部6の蓋体18に固定された回転用モータ19の支軸20に連結され、下部を水没させ上方に向かって径が拡大した擂り鉢状の回転体21が、加熱ヒータ10の給水管8から一番離れた方の逆U字部9中に垂下して設けられ、この回転体21は前記回転用モータ19による駆動で回転し、その遠心力で加熱されたばかりの温水を表面及びむしろ裏面に沿って吸い上げ、上端に形成した複数の細孔22から周囲に飛散させるものである。
【0015】
更に分離室16には、仕切壁14の下端を分離室16下方に向かって傾斜屈曲させた第1の邪魔板23と、この仕切壁14と対向する側壁に、下方に向かって傾斜して取り付けた第2の邪魔板24とで交互に突出させて、中央部に下部の連通路17から上部の放出口5に向かう蛇行路25が形成されているものである。
【0016】
26は前記回転体21の外周に所定間隔を保持して位置し、該回転体21と共に回転する円筒状の多孔体で、この回転による遠心力で水及び空気を飛散させ、そして全周壁に形成した多数のスリットや金網やパンチングメタル等から成る多孔部27を、通過させたり、ぶつけて破砕させることで、水の粒子を微細化してナノサイズのミストを生成すると共に、この水の粒子の微細化によるレナード効果でマイナスイオンを発生させるものである。
【0017】
28は前記多孔体26を覆った楕円形状の空気案内筒で、円筒状の多孔体26との間には一対の大流通路29、29と一対の小流通路30、30とが形成されるように、処理室15の上方を塞ぐ中蓋31に設けられており、分離室16の上部で該分離室16と放出口5とを連通する位置に備えられたクロスフローファンから成る送風機32の駆動で、吸引ダクト4を介し蓋体18と中蓋31との間の給気口33から吸引されたサウナ室2内の空気を、回転体21の上方から空気案内筒28内に流入させることで、水の粒子の破砕回数を増やすと共に、空気のマイナス帯電も増加させ結果としてナノミスト及びマイナスイオンを大量に発生させることが出来るものであり、例えばマイナスイオンではサウナ室2の中央部中間位置で7000個/CCを検出した。
【0018】
34は貯水部6の底部に備えられた2つのフロートスイッチ35、36から成る水位センサで、貯水部6の水位が加熱ヒータ10が水面上に露呈しない所定水位に低下するとフロートスイッチ35がOFFし、自動給水弁7を開口して一定水位まで給水して所定水位でフロートスイッチ36がONとなり、自動給水弁7を閉口しサウナ運転中は常に貯水部6を一定水位に保持するものである。
【0019】
37は前記2つのフロートスイッチ35、36を貯水部6の水面変動の影響を受けないように保護する断面コ字状の保護枠で、正面及び両側方を水面上まで突出させた枠体とし、貯水部6の一側壁とで2つのフロートスイッチ35、36を囲ったものであり、上面で2つのフロートスイッチ35、36を垂下して固定している。
【0020】
38は吸引ダクト4と共に給気経路を構成する給気口33に取り付けられた逆U字状で、100V、400Wの空気ヒータで、給気口33の側壁から突出し該側壁に対して上方を稍後側に寝かせて傾斜させた状態にし、逆U字状のヒータ部分が重ならずに小さな面で送風空気と効率良く接するようにしたものであり、運転開始時に送風機32と共に10分間のみ通電してサウナ室2の雰囲気温度を上昇させて、立ち上がり時間の短縮を図るものであり、更に運転終了後には送風機32と共に90分間通電されて温風によって装置内を乾燥させ、衛生状態の良好を保つようにしたものである。
【0021】
39は貯水部6の下部外壁で所定水位に設けられた貯水温度センサで、貯水温度が46℃で加熱ヒータ10をONし、48℃でOFFして所定温度に保持する。
40は同じく貯水部6の下部外壁で所定水位に設けられた加熱防止センサで、貯水部6が異常加熱状態になった時、全駆動を停止して安全を確保するものである。
【0022】
41はサウナ室2の換気用の換気扇、42はサウナ室2への出入り用で外側に開く開閉ドアで、覗き窓43が上方に設けられている。
【0023】
前記開閉ドア42の室内側下部には、この開閉ドア42のほぼ幅の長さの帯状で室内側にやや張り出し、該開閉ドア42の室内側壁面を滑り落ちてくる結露水の滴を一旦止める張り出し具44を備え、更にこの張り出し具44の上面は開閉ドア42から離れるに従って下り傾斜した傾斜面45とし、底部にはやや長めの毛を密に設けたブラシ部46を備えており、又このブラシ部46と接するサウナ室2の入り口47付近の床面48には、開閉ドア42に向かって登り傾斜した登り傾斜部49が形成され、この登り傾斜部49の頂部は毛細管現象でブラシ部46に随時貯められた開閉ドア42の室内側の結露水の滴を、開閉ドア42の開口移動で磨り落とす磨り落とし部50を構成するものであり、開閉ドア42が閉じられている状態では、ブラシ部46は登り傾斜部49と対向する空間に位置している。
【0024】
次に図8に示すミスト発生手段の要部電気回路のブロック図を説明すれば、記憶、演算、時間カウント等の機能を有するマイコン51の入力側には、ON/OFFの運転スイッチ52と、フロートスイッチ35、36と、貯湯温度センサ39、加熱防止センサ40とが接続されており、出力側には、自動給水弁7と、加熱ヒータ10と、自動排水弁12と、回転用モータ19と、送風機32と、空気ヒータ38とが接続されており、運転開始時に送風機32と空気ヒータ38を10分間通電及び運転終了時の90分の乾燥運転のカウントは、このマイコン51によるカウントで制御されるものである。
【0025】
次にこの一実施形態の作動について説明する。
今サウナ室2の近傍に備えられる操作部(図示せず)の運転スイッチ52をONすることで、サウナ運転が開始され先ず自動給水弁7が開口して給水管8から空状態の貯水部6に水が供給され、一定水位まで貯水(6L)されれば、水位センサ34が検知して自動給水弁7がOFFされて給水が終了されるが、以後サウナ運転が終了するまで、水位センサ34による自動補水が行われる。
【0026】
そしてこの時、図9のフローチャートのようにステップ53で運転スイッチ52のONを確認すると、マイコン51からの出力により、ステップ54で送風機32と空気ヒータ38とが通電されて、吸引ダクト4を介して吸引されたサウナ室2内の空気を加熱し、処理室15から貯水部6を通り分離室16を抜けて放出口5からサウナ室2に戻されて、運転開始時のサウナ室2内の室温を上昇させ立ち上がり時間の短縮を図るものであり、ステップ55で運転スイッチ52のONからの時間が10分経過すると、ステップ56で送風機32と空気ヒータ38の通電をOFFして、運転開始時の加熱運転を停止するものである。
【0027】
次に加熱ヒータ10がONされて貯水部6内の貯水の加温が開始し、貯水がある程度温度上昇した30℃に達することで、回転用モータ19が駆動開始すると共に、10分経過で一旦停止した送風機32が再び駆動開始し、回転体21は処理室15内で回転することで、水没している下端の表面及び裏面の方がむしろ多く温水が遠心力で、その面に沿って上昇し、上端の複数の細孔22から外周に向かって飛散され、一部は同時に回転している多孔体26にぶつかって水の粒子が破砕し、又他の一部は空気と共に多孔部24を通り抜けて、多孔体26周の空気案内筒28の内壁にぶつかって同じく水の粒子が破砕されることで、ナノミスト及び大粒ミストを含むミストが生成されると共に、この粒子の破砕により空気がマイナスに帯電してマイナスイオンが発生する。又貯水部6内の温水もある程度攪拌されて全体の温度を均一にする効果もある。
【0028】
一方送風機32の駆動で給気口33からは、吸引ダクト4を介してサウナ室2内の空気が流入し、回転中の回転体21上方から空気案内筒28に案内されて処理室15内へと流れるが、この時、円筒状の多孔体26と楕円形状の空気案内筒28との間には、一対の大流通路29、29と一対の小流通路30、30が形成されており、ここを空気が流通することで、ベルヌーイの定理より圧力差が生じて圧力が高い大流通路29、29側から圧力が低い小流通路30、30側への空気の流れが発生して乱流となり、大粒のミストは容易に落下して微細なナノミストだけが存在することとなり、又マイナスに帯電した水粒子に多くの空気が接触することで、マイナスイオンも大量に得ることが出来、しかもこの時、空気中に含まれている塵や細菌がナノミスト以上のミストに囲まれて水中に落下し、そのまま水中に止まることで、空気清浄も同時に行われるもので、この空気清浄も空気の乱流になって良好に行われるものである。
【0029】
更に温水のミスト化で温度上昇しマイナスイオンも含む空気は、仕切壁14の下の連通路17を通過する下向きの流れで、大粒ミストは自重で水中に落下すると共に、続く分離室16を上昇する過程で残ったナノミスト以上のミストは、先ず仕切壁14の下端の第1の邪魔板23にぶつかり大粒ミストに成長して落下し、次に蛇行路25を流通しながらも落下し、第2の邪魔板24にもぶつかって最後の大粒ミストに成長して落下し、再び蛇行路25を流通して、最終的には送風機32を通って放出口5からサウナ室2内に放出されるものである。
【0030】
これによって、大粒ミストの放出が確実に阻止され超微細のナノミストとマイナスに帯電した空気によるマイナスイオンのみが、放出口から放出されることとなり、床や壁が塗れる心配がなく安心して使用出来ると共に、ナノミストとマイナスイオンがいっぱいの良好な雰囲気を形成することが出来るものである。
【0031】
又この時、回転体21の回転駆動により貯水部6内の水面が波打つが、水位センサ34は水面上に延びる保護枠37とによって囲われているので、保護枠37内の水面には波が伝わらず的確な水位検知が行われ、自動給水弁7がチャタリングを起こすような不具合はなく、常に設定された一定水位で回転体21によるマイナスイオンとナノミストを良好に生成出来、放出空間を快適な雰囲気空間に保持することが出来るものである。
【0032】
更に水位センサ34は2つのフロートスイッチ35、36で構成されることで、それぞれストロークが短くても誤動作する心配がなく、確実に作動して的確に自動給水弁7を制御出来、貯水部6を常に過不足なく一定の水位に維持することが出来るものである。
【0033】
又正面からの直接的な波は勿論、貯水部6の側壁にぶつかって水位センサ34に作用する二次的な波も両側方の枠体で阻止出来るので、完全に波の影響を遮断出来、強固に水位センサ34を保護して長期に渡って安心して使用出来るものである。
【0034】
更にこれが低温サウナであれば、サウナ室2内を循環方式で徐々に昇温して30分で室温38℃〜40℃、ナノミストで相対湿度90%以上のマイナスイオンいっぱいの低温サウナ使用雰囲気とし、20分以上の入浴が可能で、水分子付加マイナスイオン分子群が直接肌等に作用して汗腺を開くことにより、発汗が容易になり大量の汗をかき体内の老廃物を排出出来るものであり、又肺から吸引されたマイナスイオンは血液中に入り、その還元作用で血液の酸化を阻止し血液サラサラ状態とすると共に、その循環を良くし、末梢血管まで血液を行き渡らせることにより、痛みや懲りを緩和することが出来るものと考えられる。
【0035】
又マイナスイオンにより、疲労回復効果、精神安定効果、血液の浄化効果、抵抗力の増進効果、自律神経調整効果等があり、更にナノミストによって、空気中の隅々まで行き渡り汚れた空気や細菌を抑制し、臭いまでも分解するもので、脱臭効果、除塵効果、除菌効果、勿論加湿効果があるものであり、この加湿はベトツキがないサラサラで潤いのある空気で、毛穴からの浸透でお肌と髪の潤いを保つ効果を有するものであり、これらの効果が得られるマイナスイオンとナノミストを大量に放出されると言うことは、これらの効果も増大するものである。
【0036】
一方サウナ室2内が相対湿度90%以上では、サウナ室2の天井や壁面、開閉ドア42には結露水が発生するものであり、特に外開きの開閉ドア42に於いては、サウナ室2への入退出のために開閉ドア42を開口する毎に、室内側壁面に付着したこの結露水が滑り落ちて、入り口47の外の床面を汚すと言う課題を有していたが、ここではサウナ室2の開閉ドア42の室内側壁面に付着した結露水は、時間の経過と伴に徐々に大きくなり、やがて自重で開閉ドア42の壁面を滴となって滑り落ちるが、下部の張り出し具44で一旦止めて勢いを低下させた後、上面の傾斜面45を緩やかに下り、底部のブラシ部46に毛細管現象で保持されることになり、そして開閉ドア42を外側に開くことで、ブラシ部46が登り傾斜部49の頂部である磨り落とし部50と磨り合わされて保持していた滴が全て、サウナ室2内の床面に放出されてドレンとして排水されるものである。
【0037】
又ブラシ部46は保持していた滴を全て放出したことでフレッシュな状態となるので、開閉ドア42を開く動作による振動で、該開閉ドア42の内壁面に残っていた滴が滑り落ちても、張り出し具44と傾斜面45とブラシ部46とで確実に入り口47手前の床面への滴下を防止出来るものである。
更に開閉ドア42を開いたことでブラシ部46に保持された結露水の滴は、開閉ドア42を閉じることにより、ブラシ部46が開口時とは逆に登り傾斜部49の頂部の磨り落とし部50で、磨り落とされながらサウナ室2内に移動し、保持していた結露水は磨り落とされてフレッシュな状態になり、再び結露水の毛細管現象による保持が良好に行われるものである。
【0038】
このように、開閉ドア42を開け閉めすると言う動作を利用して滴として集めた結露水を放出すると共に、ブラシ部46を常にフレッシュな状態にして開口及び閉口動作で滑り落ちる滴を良好に保持出来るもので、サウナ室2の入り口47手前の床面を汚すことがなく、拭き掃除の手間もかからないものであり、特に組み立て式のサウナ室2で既存住宅の一室に設置したものでは、その設置した部屋を防水工事まですることがないので、結露水の滴下を防止することは大きな効果を有することになるものである。
【0039】
次にサウナ運転終了後の乾燥運転は図10のフローチャートのように、運転スイッチ52のOFFで(ステップ57)、YESでステップ58に進みマイコン51からの出力で給水管8の自動給水弁7を閉口状態とし、加熱ヒータ10をOFFとすると共に、回転用モータ19及び送風機32を駆動停止し、自動排水弁12を開口して排水管13から貯水部6内の残水を全て排水してサウナ運転は終了するものであるが、ステップ59で運転スイッチ52のOFFから10秒をカウントして確認し、継続して乾燥運転に入るもので、ステップ60でマイコン51からの出力により送風機32と空気ヒータ38が通電されて、吸引ダクト4からサウナ室2内のナノミストを含む空気を吸引し、この空気を給気口33に傾斜して取り付けられた空気ヒータ38で加熱して温風とし、これを処理室15から空の貯水部6に順次供給して、貯水部6だけでなく処理室15や分離室16の乾燥が行われて、カビや雑菌の繁殖を防止して衛生的で清潔な状態を維持出来るものであり、この乾燥運転は90分間行われて自動的にOFF(ステップ61、62)されるものであるが、この間に乾燥用の温風はサウナ室2内に放出されるので、サウナ室2内も自動的に乾燥され良好な状態が維持されると言う効果も有するものである。
【0040】
又前記空気ヒータ38は逆U字状に形成され、給気口33の側壁から突出し該側壁に対して傾斜して取り付けられたので、空気ヒータ38を場所を取ることなくコンパクトに取り付ける事が出来、装置が大型化せずにサウナ室2に簡単に設置されるものであり、しかも1つの空気ヒータ38を装置の乾燥用と共にサウナ室2の加熱用にも使用出来、極めて使用勝手が良く効率良く使用出来るものである。
【0041】
更に加熱ヒータ10の逆U字部9で加熱され温度上昇した温水は、回転体21の下部が水没している上部に流れるので、回転体21の回転による遠心力で直ぐにこの温水が吸い上げられ、多孔体26にぶつけられて破砕によりナノミストが生成され、又この破砕で通過する空気がマイナスに帯電されることで同時にマイナスイオンも生成されるものであり、ある程度加熱ヒータ10による水が加熱された段階の早いうちから、ナノミスト及びマイナスイオンを発生させ、これをサウナ室2に供給して待ち時間少なく、短時間にサウナ室2をサウナ使用可能状態にすることが出来、極めて使用勝手が良くいつでも低温サウナを楽しむことが出来るものである。
【0042】
更に加熱ヒータ10の逆U字部9が3箇所あることで、回転体21の取り付け位置の自由度があり、3箇所のどこに取り付けても同様の効果が得られるが、ただ給水部分から離れれば離れる程冷水の影響を受けず良い効果は得られるものである。
【符号の説明】
【0043】
1 ミスト発生手段
2 サウナ室
42 開閉ドア
45 傾斜面
46 ブラシ部
47 張り出し具
48 床面
49 登り傾斜部
50 磨り落とし部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミスト発生手段から供給されるミストでサウナ室内を高湿度状態に保持するサウナ装置に於いて、前記サウナ室への入退室用の外開きの開閉ドアの室内側下部には、この開閉ドアのほぼ幅の長さで帯状で室内側に張り出し、該開閉ドアの室内側壁面を滑り落ちてくる滴を一旦止める張り出し具を備え、更にこの張り出し具の上面は開閉ドアから離れるに従って下り傾斜した傾斜面とし、底部にはやや長めの毛を密に設けたブラシ部を備え、更にこのブラシ部と接するサウナ室の床面には、毛細管現象でブラシ部に貯めた滴を開閉ドアの開口移動で、磨り落とす磨り落とし部を設けた事を特徴とするサウナ装置。
【請求項2】
前記磨り落とし部は、開閉ドアに向かって登り傾斜した登り傾斜部の頂部で構成され、登り傾斜部でブラシ部から放出される滴を案内して排水する事を特徴とする請求項1記載のサウナ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−253132(P2010−253132A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−108615(P2009−108615)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】