説明

サウナ装置

【課題】空気を加熱する加熱部の温度が高い状態であっても、使用者が満足できる涼感を得ることができることを目的とする。
【解決手段】本体内に浴室の空気を循環する循環送風部1と、空気を加熱するための加熱部2と、ミストを発生するノズル部3と、前記ノズル部3への給水13を加熱するための熱交換器4と、前記ノズル部3に前記熱交換器4で熱交換された温水15または熱交換されない冷水16を導く配管5と、前記循環送風部1および前記加熱部2を制御する制御部6とを備え、前記加熱部の温度が高いときかつ使用者が涼感を得ようとしたとき、前記循環送風部1を停止して、前記冷水16を前記配管5に導き前記ノズル部3から噴出させることにより、空気を加熱する加熱部2の温度が高い状態であっても、使用者が満足できる涼感を得ることができるサウナを提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サウナ装置、サウナシステムおよびその運転方法に係り、特に冷水ミストを供給可能なサウナ装置、サウナシステムおよびその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のサウナ装置として、浴室を利用するミスト機能付きサウナ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、そのサウナ装置について図6を参照しながら説明する。
【0004】
図に示すようにミスト発生装置108は、給水ライン101と、熱媒回路102と、給水ラインの給水と熱媒回路の熱媒とを熱交換する熱交換器103と、給水ラインの端末部にミストノズル104と、給水ラインにおける熱交換器103の下流側、かつ、ミストノズル104の上流側に、熱交換器103通過後の水を排水する排水ライン105と、給水ライン101における熱交換器103の上流側とミストノズル104を結び、給水を直接ミストノズル104に導くためのバイパス回路106とを備えており、さらに、浴室暖房乾燥機107を浴室に備え、ミスト発生装置108と、浴室の高所に備えられた換気送風部と109、浴室暖房乾燥機107の循環送風部110とを連動可能な構成であるサウナ装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−204712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来のサウナ装置では、使用者が涼感を得ようした場合、冷水ミストを噴霧し、循環ファンを作動させ送風する手段がとられていたが、冷水の給水のために複数の水回路が必要であり、また空気を加熱する加熱部の温度が高い状態では温風が送風され、使用者が満足できる涼感を得ることができていなかったという課題がある。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、空気を加熱する加熱部の温度が高い状態であっても、使用者が満足できる涼感を得ることができるサウナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そして、この目的を達成するために、本発明は、本体内に浴室の空気を循環する循環送風部と、空気を加熱するための加熱部と、ミストを発生するノズル部と、前記ノズル部への給水を加熱するための熱交換器と、前記ノズル部に前記熱交換器で熱交換された温水または熱交換されない冷水を導く配管と、前記循環送風部および前記加熱部を制御する制御部とを備え、前記加熱部の温度が高いときかつ使用者が涼感を得ようとしたとき、前記循環送風部を停止して、前記冷水を前記配管に導き前記ノズル部から噴出させるものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、本体内に浴室の空気を循環する循環送風部と、空気を加熱するための加熱部と、ミストを発生するノズル部と、前記ノズル部への給水を加熱するための熱交換器と、前記ノズル部に前記熱交換器で熱交換された温水または熱交換されない冷水を導く配管と、前記循環送風部および前記加熱部を制御する制御部とを備え、前記加熱部の温度が高いときかつ使用者が涼感を得ようとしたとき、前記循環送風部を停止して、前記冷水を前記配管に導き前記ノズル部から噴出させるという構成にしたことにより、空気を加熱する加熱部の温度が高い状態であっても、使用者が満足できる涼感を得ることができるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1のサウナ装置の内部構成を示す側面構成図
【図2】同サウナ装置の内部構成を示す正面構成図
【図3】同サウナ装置を浴室に設置した状態を示す斜視図
【図4】同サウナ装置の温水ミスト発生時の給水手段の構成を示す側面構成図
【図5】同サウナ装置の冷水ミスト発生時の給水手段の構成を示す側面構成図
【図6】従来のサウナ装置を示す側面構成図
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の請求項1記載のサウナ装置は、本体内に浴室の空気を循環する循環送風部と、空気を加熱するための加熱部と、ミストを発生するノズル部と、前記ノズル部への給水を加熱するための熱交換器と、前記ノズル部に前記熱交換器で熱交換された温水または熱交換されない冷水を導く配管と、前記循環送風部および前記加熱部を制御する制御部とを備え、前記加熱部の温度が高いときかつ使用者が涼感を得ようとしたとき、前記循環送風部を停止して、前記冷水を前記配管に導き前記ノズル部から噴出させるという構成を有する。
【0012】
これにより、空気を加熱する加熱部の温度が高いとき、循環送風を停止し、ノズル部に冷水を導き、冷水ミストを発生させることとなるので、空気を加熱する加熱部の温度が高い状態であっても、使用者が満足できる涼感を得ることができるという効果を奏する。
【0013】
また、給水を加熱する熱源を備え、この熱源と熱交換器を循環する配管に切替え弁を設けた構成にしてもよい。これにより、ノズル部に導く給水が、常に熱交換器の中を通る構成においても、切替え弁により熱媒が熱交換器内を循環しないようにできるため熱交換器に送られた給水は加熱されず、空気を加熱する加熱部の温度が高い状態であっても、使用者が満足できる涼感を得ることができるという効果を奏する。
【0014】
また、循環送風部を、DCモータとファンとで構成するという構成にしてもよい。これにより、循環送風部のファンの回転数をDCモータにより作動させることとなるので、循環送風部の制御が容易に行うことができるという効果を奏する。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図1〜図3に示すように、サウナ装置の本体17は、浴室9の空気10を循環する循環送風部1と、空気10を加熱するための加熱部2と、ミストを発生するノズル部3と、前記ノズル部3への給水を加熱するための熱交換器4としての液−液熱交換器と、前記ノズル部3に温水または冷水を供給する配管5と、前記循環送風部1および前記加熱部2を制御する制御部6とを内部に備えている。
【0017】
熱交換器4の加熱源として図3に示す給湯器11が浴室9の外壁面に設置されており、給湯器11で生成した温水である熱媒12は熱交換器4と給湯器11間を循環している。
【0018】
また図4に示すように、熱交換器4から給湯器11へ熱媒12が戻る配管に、熱媒12を熱交換器4へと導くかどうかを切替える切替え弁14が設けられている。
【0019】
上記構成において、サウナ運転の動作を説明する。
【0020】
図4に示すように通常のサウナ運転では、前記熱交換器4への給水13は、前記熱交換器4へ供給される熱媒12としての給湯器11から送られる温水と、熱交換器4内で熱交換することにより、温水15となり、ノズル部3から温水ミストとして浴室9へ噴出される。
【0021】
サウナ運転終了時、空気10を加熱する加熱部2の温度が高く、かつ使用者が涼感を得ようとしたとき、図5に示すように、循環送風部1を停止し、切替え弁14により給湯器11と熱交換器4間の熱媒12の循環を止め、給水13と熱媒12の熱交換を行わないようにし、給水13を冷水16のまま配管5からノズル部3に導き、ノズル部3から冷水ミストを発生させる。
【0022】
よって、空気を加熱する加熱部の温度が高い状態であっても、循環送風部1の停止により温風の浴室9への供給がなくなるとともに、通常の温水ミストではなくほぼ給水温度に近い冷水ミストを浴びることになり、使用者が満足できる涼感を得ることができることとなる。
【0023】
また、図2に示すように、循環送風部1を、DCモータ7と2台のファン8、例えばシロッコファンとで構成する。
【0024】
上記構成により、循環送風部1のファンの回転数を制御部6を介してDCモータ7により作動させる。
【0025】
よって、循環送風部1の制御が容易に行えることができることとなる。
【0026】
以上のように、本体17内に浴室9の空気10を循環する循環送風部1と、浴室9の空気10を加熱するための加熱部2と、ミストを発生するノズル部3と、前記ノズル部3への給水13を加熱するための熱交換器4と、前記ノズル部3に前記熱交換器4で熱交換された温水15または熱交換されない冷水16を導く配管5と、前記循環送風部1および前記加熱部2を制御する制御部6とを備え、前記加熱部2の温度が高いときかつ使用者が涼感を得ようとしたとき、制御部6により前記循環送風部1を停止して、切替え弁14により給湯器11と熱交換器4間の熱媒12の循環を止め、給水13と熱媒12の熱交換を行わないようにし、給水13を冷水16のまま配管5からノズル部3に導き、ノズル部3から冷水ミストを発生させるという構成にしたことにより、空気を加熱する加熱部の温度が高い状態であっても、使用者が満足できる涼感を得ることができるという効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明にかかるサウナ装置は、使用者が涼感を得ようとしたとき、循環送風部を停止し、冷水ミストを噴霧することで、空気の加熱部の温度が高い状態であっても、使用者が満足できる涼感を得ることを可能とするものであるので、家庭用に使用されるサウナ装置等として有用である。
【符号の説明】
【0028】
1 循環送風部
2 加熱部
3 ノズル部
4 熱交換器
5 配管
6 制御部
7 DCモータ
8 ファン
9 浴室
10 空気
11 給湯器
12 熱媒
13 給水
14 切替え弁
15 温水
16 冷水
17 本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体内に浴室の空気を循環する循環送風部と、空気を加熱するための加熱部と、ミストを発生するノズル部と、前記ノズル部への給水を加熱するための熱交換器と、前記ノズル部に前記熱交換器で熱交換された温水または熱交換されない冷水を導く配管と、前記循環送風部および前記加熱部を制御する制御部とを備え、前記加熱部の温度が高いときかつ使用者が涼感を得ようとしたとき、前記循環送風部を停止して、前記冷水を前記配管に導き前記ノズルから噴出させることを特徴とするサウナ装置。
【請求項2】
給水を加熱する熱源を備え、この熱源と熱交換器を循環する配管に切替え弁を設けたことを特徴とする請求項1に記載のサウナ装置。
【請求項3】
循環送風部を、DCモータとファンとで構成することを特徴とする請求項1または2に記載のサウナ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−206133(P2011−206133A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−74684(P2010−74684)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】