説明

サンシェード装置

【課題】シェードの出し入れに連動して蓋部を開閉させる構成としつつも、シェードの出し入れ時以外に蓋部が開閉することを抑制可能なサンシェード装置を提供する。
【解決手段】シェード16と、シェード16を格納する格納ケース18と、を備え、格納ケース18には、シェード16を巻き取り可能な巻取軸17が設けられるとともに、シェード16を引き出し可能とする引き出し口31が形成され、格納ケース18に取り付けられ、引き出し口31を閉止する閉位置と、引き出し口31を開放する開位置との間で回動可能な蓋部40と、蓋部40を開位置側に付勢するトーションバネ43と、を備え、シェード16には、巻取軸17によるシェード16の巻き取りに伴って、蓋部40を押圧する掴みノブ50が設けられ、掴みノブ50が蓋部40を押圧することで、トーションバネ43の開位置側への付勢力に抗して、蓋部40を閉位置に回動させる構成とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンシェード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両などの窓を遮光するシェード(遮光スクリーン)と、シェードを格納する格納ケースとを有するサンシェード装置が知られている(下記特許文献1参照)。特許文献1に記載のものでは、格納ケースには、シェードを巻き取り可能な巻取軸が設けられるとともに、シェードを引き出すための引き出し口が形成され、引き出し口を開閉するための蓋部が設けられている。また、シェードには、シェードを引き出す際に手で把持するための把持部(掴みノブ)が設けられている。そして、作業者が掴みノブを操作することで、格納ケースへのシェードの出し入れが行われると共に、掴みノブが蓋部を押圧し、蓋部を回動させる構成となっている。
【0003】
これにより、シェードの出し入れと連動して、蓋部が開閉可能となっている。また、蓋部は、保持部材(板バネ体)に押圧されることで、開位置及び閉位置にて保持される構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−314841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献の構成では、蓋部を保持するための保持部材が必要であり、部品点数が増加してしまうという問題点がある。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、シェードの出し入れに連動して蓋部を開閉させる構成としつつも、部品点数を低減することが可能なサンシェード装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、可撓性部材からなるシェードと、前記シェードを格納する格納ケースと、を備えたサンシェード装置であって、前記格納ケースには、前記シェードを巻き取り可能な巻取軸が設けられるとともに、前記シェードを前記格納ケース外へ引き出し可能とする引き出し口が形成され、前記格納ケースに取り付けられ、前記引き出し口を閉止する閉位置と、前記引き出し口を開放する開位置との間で回動可能な蓋部と、前記蓋部を前記開位置側に付勢する付勢部と、を備え、前記シェードの先端部には、前記巻取軸による前記シェードの巻き取りに伴って、前記蓋部を押圧する押圧部が設けられ、前記押圧部が前記蓋部を押圧することで、前記付勢部の前記開位置側への付勢力に抗して、前記蓋部を前記閉位置に回動させる構成であることに特徴を有する。
【0008】
本発明によれば、蓋部を開位置側に付勢する付勢部を備えている。そして、押圧部が蓋部を押圧することで、付勢部の開位置側への付勢力に抗して、蓋部を前記閉位置に回動させる構成となっている。このような構成とすれば、シェードの出し入れと連動して蓋部を開閉させることが可能となる。
【0009】
また、蓋部が押圧部から押圧されていない状態においては、蓋部は付勢部によって、開位置側へ付勢され、開位置にて保持される。一方、蓋部は閉位置においては、押圧部に押圧されることで保持される。このように、本発明においては、蓋部を保持するための専用の保持部材を設けることなく、蓋部を閉位置又は開位置にて保持することができ、部品点数を低減できる。
【0010】
上記構成において、前記シェードの先端部には、前記シェードを前記格納ケース外へ引き出すために把持される把持部が設けられ、前記押圧部は、前記把持部の一部を前記蓋部側へ突出させる形で形成されているものとすることができる。このように、把持部の一部を押圧部とすれば、押圧部を別部材とする構成と比較して、部品点数を削減できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、シェードの出し入れに連動して蓋部を開閉させる構成としつつも、部品点数を低減することが可能なサンシェード装置を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態のサンシェード装置が取りつけられた車両用ドアを示す正面図。
【図2】本実施形態のサンシェード装置を示す斜視図。
【図3】サンシェード装置の断面図(図2のA−A線で切断した図に対応)。
【図4】図3において、サンシェード装置の一部を拡大した断面図(シェード引き出し時)。
【図5】図3において、サンシェード装置の一部を拡大した断面図(シェード格納時)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態を図1ないし図5によって説明する。図1は、本実施形態のサンシェード装置14が取り付けられた車両用ドア10を示す正面図である。図2は、サンシェード装置14を示す斜視図である。図3は、サンシェード装置14を図2のA−A線で切断した状態を示す断面図である。図4及び図5は、サンシェード装置14の一部を拡大した断面図である。なお、以下の説明では、図1の左側を車両前方、右側を車両後方とする。また、図3ないし図5の左側を車室内側とし、右側を車室外側として説明する。
【0014】
本実施形態の車両用ドア10は、車両のサイドドアとして使用されるもので、図3に示すように、車体パネルを構成する金属製のインナパネル13A及びアウタパネル13Bを備えている。また、車両用ドア10は、ウインドウレギュレータ(図示せず)によって上下方向に昇降可能なサイドウインドウ12(ウインドウガラス)や、このサイドウインドウ12とインナパネル13A及びアウタパネル13Bとの間を、それぞれシールするウェザーストリップ13D等を備えている。また、サイドウインドウ12は、インナパネル13Aとアウタパネル13Bとの間に収容可能な構成となっている。
【0015】
図1に示すように、サイドウインドウ12の下方にはサンシェード装置14が設置されている。サンシェード装置14は、図3に示すように、車両用ドア10を構成するドアトリム11及びインナパネル13Aとの間(サイドウインドウ12の車室内側)に配されており、例えば、ドアトリム11に取り付けられている。
【0016】
サンシェード装置14は、全体として車両前後方向に長い形状をなし、サイドウインドウ12から差し込む光を遮光するためのシェード16と、シェード16を巻き取り状態で格納するための格納ケース18と、を備えている。なお、図1では、格納ケース18から引き出された状態のシェード16が図示されており、ドアトリム11の車室裏側に配されている格納ケース18は、図示されていない。
【0017】
図2及び図3に示すように、格納ケース18は、合成樹脂材料やアルミニウム等の金属材料により形成された本体部22と、本体部22に取り付けられたアウターケース28と、を備えている。本体部22の内部には、シェード16を巻き取るための巻取軸17が設けられている。巻取軸17には、バネ(図示せず)が取り付けられており、巻取軸17によってシェード16を自動的に巻き取り可能な構成となっている。つまり、シェード16の先端部(後述するフレーム20及び掴みノブ50を含む)は、巻取軸17側(図3の下側)に付勢される構成となっている。
【0018】
シェード16(遮光スクリーン)は、可撓性部材からなり、シート状をなしている。シェード16は例えば平面視方形状をなし、展開時には、サイドウインドウ12のほぼ全面を車室内側から覆うことが可能な大きさとされる。このシェード16にて、サイドウインドウ12を覆うことで、サイドウインドウ12から差し込む光を遮光することができる。また、シェード16は、車外と車内とを視覚的に遮断するためにも用いられる。
【0019】
シェード16としては、例えば、半透明シート、不透明シート、メッシュシート、織布、不織布等を例示することができる。また、シェード16の材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂材料を例示することができる。
【0020】
シェード16の上端縁部には、フレーム20(シェード16の先端部)が取り付けられている。このフレーム20は、例えば、合成樹脂材料やアルミニウム等の金属材料で形成された板状部材である。なお、フレーム20の形状は、板状に限定されず、例えば、棒状の部材であってもよい。このフレーム20は、シェード16の形状を保持する機能を担っている。
【0021】
また、フレーム20において、長手方向(車両前後方向、図1の左右方向)の両端部には、図1に示すように、フック孔20Aが、それぞれ貫通形成されている。各フック孔20Aに、車両用ドア10におけるサイドウインドウ12の上端縁付近に設けられたフック(図示せず)を引っ掛けることで、シェード16を展開状態で保持することが可能となっている。
【0022】
フレーム20において、車両前後方向の中央部には、図1に示すように、シェード16を格納ケース18外へ引き出すために把持される掴みノブ50(把持部)が設けられている。掴みノブ50は、図3に示すように、断面視略L字状をなしている。車両の乗員は掴みノブ50の先端部53を手で把持することによって、シェード16を上下方向に操作することが可能となっている。また、掴みノブ50の基端部52は、ヒンジピン51を介して、フレーム20に取り付けられている。
【0023】
また、掴みノブ50の先端部53は、格納ケース18の本体部22における車室内側壁部32(後述)の上端部32Aに上方から当接する構成となっている。掴みノブ50の先端部53が上端部32Aに当接することで、巻取軸17によるシェード16の巻き取りが規制される。
【0024】
格納ケース18の本体部22は、図3に示すように、車室内側壁部32及び車室外側壁部34を有している。車室内側壁部32と車室外側壁部34との間には、巻取軸17及びシェード16を格納可能な格納空間35が形成されている。
【0025】
アウターケース28は、例えば、合成樹脂材料等によって形成されており、車室外側壁部34の上部に対してビスB1などで取り付けられている。なお、アウターケース28と本体部22とは、一体部品であってもよい。
【0026】
アウターケース28の下壁部28Aは、車室内側壁部32と間隔を空ける形で対向され、下壁部28Aと車室内側壁部32との間に、シェード16が引き出し可能な引き出し口31が形成されている。これにより、引き出し口31を通じてシェード16を格納ケース18に対して出し入れ可能な構成となっている。
【0027】
アウターケース28の上壁部28Bは、車室外側に向けて突出された断面視略U字形状をなしている。上壁部28Bにおける下側の壁部28Dには、アウターケース28に一体に形成されたブラケット29を介して、蓋部40が取り付けられている。蓋部40は、ヒンジピン41を介して、ブラケット29に対して回動可能に取り付けられている。これにより、蓋部40は、引き出し口31を閉止する閉位置(図3に示す位置)と、引き出し口31を開放する開位置(図4及図5に示す位置)との間で回動可能とされる。蓋部40は、引き出し口31を閉止することで、見栄えを良くする機能の他、引き出し口31を通じて格納ケース18内に異物が侵入する事態を抑制する機能を担っている。
【0028】
蓋部40には、図2に示すように、車室内側に開口された切り欠き部42が形成されている。切り欠き部42は、掴みノブ50の基端部52が嵌合可能となっている。これにより、掴みノブ50の基端部52と閉位置にある蓋部40とが干渉する事態を抑制している。
【0029】
本実施形態においては、格納ケース18に対するシェード16の出し入れと連動して、蓋部40が開閉される構成となっている。次に、蓋部40の開閉に係る構成について説明をする。
【0030】
ヒンジピン41には、図3に示すように、例えば、ばね鋼製で弾性変形可能なトーションバネ43(付勢部)が取り付けられている。図4に示すように、トーションバネ43の巻回部43Aは、ヒンジピン41に挿通されている。また、巻回部43Aから延びる一端部43Bは、上壁部28Bにおける下側の壁部28Dに当接され、他端部43Dは、蓋部40の裏面に当接される構成となっている。
【0031】
蓋部40が閉位置にある状態(図3の状態)において、トーションバネ43は、自然状態より圧縮されている(すなわち、自然状態に比して、一端部43Bと他端部43Dとが接近する方向に押圧されている)。これにより、蓋部40に対しては、トーションバネ43によって、ヒンジピン41を中心とした回転モーメントMA(図3〜図5における時計周りの回転モーメント)が作用する構成となっている。
【0032】
言い換えると、蓋部40はトーションバネ43によって、開位置(図4及び図5に示す蓋部40の位置)側へ付勢される構成となっている。なお、このトーションバネ43は、ヒンジピン41の延設方向(車両前後方向)において、複数箇所に取り付けられているが、同方向における一箇所のみに取り付けられていてもよい。
【0033】
また、図4に示すように、開位置において、蓋部40の後端面(図4における下側の端面)は、上壁部28Bにおける下側の壁部28Dに設けられた緩衝材33に当接する構成となっている。これにより、蓋部40が、図4の状態から、それ以上時計回りに回動することが規制される。言い換えると、蓋部40は、トーションバネ43によって付勢された状態で、緩衝材33に当接することで、開位置にて保持される構成となっている。
【0034】
緩衝材33は、例えば、ゴムやフェルトなどの弾性部材とされ、蓋部40の後端面が当接した際に異音が発生する事態を抑制するものである。なお、緩衝材33を備えずに、蓋部40の後端面(図4の右側の端面)が、上壁部28Bにおける下側の壁部28Dに当接する構成としてもよい。
【0035】
図2及び図3に示すように、掴みノブ50の先端部53において、車室外側(図3の右側)の周端部53A(押圧部)は、蓋部40の切り欠き部42より、平面視において一回り大きい形で形成されている。言い換えると、周端部53Aは、掴みノブ50の一部を蓋部40側へ突出させる形で形成されている。これにより、掴みノブ50の周端部53Aは、図3に示すように、閉位置にある蓋部40(より正確には、蓋部40における切り欠き部42の周端部42A)に対して、上方から当接する構成となっている。
【0036】
上述したように、シェード16の先端部(ひいては掴みノブ50)は、巻取軸17によって、巻取軸17側(図3の下側)に付勢されている。このため、掴みノブ50の周端部53Aは、切り欠き部42の周端部42Aを下方に押圧する構成となっている。つまり、閉位置にある蓋部40に対しては、掴みノブ50が蓋部40を下方に押圧する力(より正確には、この力に、蓋部40に作用する重力を加えた力)によって、ヒンジピン41を中心とした回転モーメントMB(図3における反時計周りの回転モーメント)が作用する構成となっている。
【0037】
この回転モーメントMBは、トーションバネ43によって生じる回転モーメントMAよりも、大きくなるように設定されている。これにより、掴みノブ50は、トーションバネ43による開位置側への付勢力に抗して、蓋部40を押圧することで、蓋部40を閉位置に保持させることが可能となっている。
【0038】
また、図5に示すように、蓋部40が開位置にある状態において、掴みノブ50の周端部53A(正確には、周端部53Aにおける車室外側の一部)は、シェード16の巻き取りに伴って、蓋部40の先端部40Aに上方から当接する構成となっている。これにより、ヒンジピン41を中心とした回転モーメントMD(図5における反時計周りの回転モーメント)が作用する構成となっている。
【0039】
この回転モーメントMDは、トーションバネ43によって生じる回転モーメントMAよりも、大きく設定されている。これにより、掴みノブ50は、トーションバネ43による開位置側への付勢力に抗して、蓋部40を押圧することで、蓋部40を閉位置側へ回動させることが可能となっている。
【0040】
次に、本実施形態において、シェード16を格納ケース18から出し入れする際の作用、及び効果について説明する。まず、シェード16が格納ケース18内に格納され、蓋部40が閉位置にある状態(図3の状態)から、シェード16を引き出す際の作用について説明する。
【0041】
図3の状態において、乗員(操作者)は、掴みノブ50の先端部53を把持し、掴みノブ50を引き上げる。これにより、シェード16が格納ケース18から引き出される。このとき、掴みノブ50を引き上げることで、掴みノブ50による蓋部40の押圧が解除される。これにより、蓋部40は、トーションバネ43の付勢力によって、ヒンジピン41を中心として、開位置側へ回動する(図4参照)。
【0042】
これにより、シェード16の引き出しと連動して、蓋部40を開くことができる。なお、開位置側へ回動した蓋部40は、その後端面が緩衝材33に当接することで、開位置にて保持される。そして、格納ケース18から、シェード16を引き出した後、フレーム20のフック孔20Aに、車両用ドア10におけるサイドウインドウ12の上端縁付近に設けられたフック(図示せず)を引っ掛ける。これにより、シェード16は、サイドウインドウ12のほぼ全面を車室内側から覆う展開状態で保持される。
【0043】
次に、展開されているシェード16を格納ケース18に格納する際の作用について説明する。フレーム20をサイドウインドウ12の上端縁付近に設けられたフックから取り外すと、シェード16は、巻取軸17によって、巻き取られていく。シェード16の巻き取り過程では、図5に示すように、開位置にある蓋部40の先端部40Aに対して、掴みノブ50の周端部53Aが上方から当接する。
【0044】
そして、蓋部40は、掴みノブ50に押圧されることで、閉位置側へ回動される。これにより、シェード16の巻き取りに伴って、蓋部40を閉じることができる。また、蓋部40が閉位置側に回動する過程では、掴みノブ50の基端部52が、蓋部40の切り欠き部42に嵌合される。
【0045】
そして、掴みノブ50の先端部53が、車室内側壁部32の上端部32Aに当接した状態(図3の状態)では、掴みノブ50の周端部53Aが、蓋部40における切り欠き部42の周端部42Aを下方に押圧する。これにより、蓋部40が閉位置にて保持される。
【0046】
以上説明したように、本実施形態のサンシェード装置14は、可撓性部材からなるシェード16と、シェード16を格納する格納ケース18と、を備えたサンシェード装置14であって、格納ケース18には、シェード16を巻き取り可能な巻取軸17が設けられるとともに、シェード16を格納ケース18外へ引き出し可能とする引き出し口31が形成され、格納ケース18に取り付けられ、引き出し口31を閉止する閉位置と、引き出し口31を開放する開位置との間で回動可能な蓋部40と、蓋部40を開位置側に付勢するトーションバネ43と、を備え、シェード16のフレーム20には、巻取軸17によるシェード16の巻き取りに伴って、蓋部40を押圧する掴みノブ50の周端部53Aが設けられ、周端部53Aが蓋部40を押圧することで、トーションバネ43の開位置側への付勢力に抗して、蓋部40を閉位置に回動させる構成とされる。
【0047】
本実施形態によれば、格納ケース18は、蓋部40を開位置側に付勢するトーションバネ43を備えている。そして、掴みノブ50の周端部53Aが蓋部40を押圧することで、トーションバネ43の開位置側への付勢力に抗して、蓋部40を閉位置に回動させる構成となっている。このような構成とすれば、シェード16の出し入れと連動して蓋部40を開閉させることが可能となる。
【0048】
また、蓋部40が周端部53Aから押圧されていない状態(シェード16が引き出されている状態)においては、蓋部40はトーションバネ43によって、開位置側へ付勢され、開位置にて保持される。一方、蓋部40は閉位置においては、周端部53Aに押圧されることで保持される。
【0049】
このように、本実施形態においては、蓋部40を開位置又は閉位置に保持することができる。これにより、シェード16格納時に、外力によって蓋部40が開いてしまう事態を抑制でき、見栄えを損ねることがない。また、格納ケース18内に異物が侵入することをより確実に抑制できる。
【0050】
また、シェード16が引き出された状態においては、外力(例えば蓋部に係る重力など)によって、蓋部40が閉じる事態を抑制でき、蓋部40がシェード16と干渉する事態を抑制できる。
【0051】
また、蓋部40は、開位置又は閉位置において、それぞれ保持されるため、蓋部40が振動する事態を抑制できる。これにより、車両駆動時などの振動によって、蓋部40が振動し、異音を発生する事態を抑制できる。
【0052】
そして、本実施形態においては、蓋部40を保持するための専用の保持部材を設けることなく、蓋部40を閉位置又は開位置にて保持することができ、部品点数を低減できる。
【0053】
ところで、従来の構成(上記特許文献1の構成)は、掴みノブによって蓋部を押圧することで、蓋部を開く構成である。つまり、作業者が掴みノブを引き出す力を利用して蓋部を開く構成となっている。このため、作業者が、掴みノブを操作する際には、シェードを引き出すための力に加えて、蓋部を保持する保持部材(板バネ体)を弾性変形させる力も必要となる。その結果、掴みノブを操作するために必要な力が増加し、作業性の低下が懸念される。
【0054】
この点、本実施形態においては、蓋部40の開閉は、トーションバネ43の付勢力及び巻取軸17の巻取力によって行われる。このため、作業者がシェードを引き出す力を利用して、蓋部を開く構成(従来の構成)と比較して、シェードを引き出すための力が小さくて済み、作業性が良好となる。
【0055】
上記構成において、シェード16のフレーム20には、シェード16を格納ケース18外へ引き出すために把持される掴みノブ50が設けられ、掴みノブ50の一部を蓋部40側へ突出させることで、蓋部40を押圧する押圧部(周端部53A)を構成している。このように、掴みノブ50の一部を押圧部とすれば、押圧部を別部材とする構成と比較して、部品点数を削減できる。なお、押圧部は掴みノブ50に限定されず、シェード16の先端部に設けられているものであればよい。
【0056】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0057】
(1)上記実施形態では、車両用のサイドウインドウ12を覆うためのサンシェード装置14を例示したが、これに限定されない。サンシェード装置14の取付対象及びシェード16による被覆対象は、適宜変更可能である。
【0058】
(2)シェード16の形状及び材質は、上記実施形態で例示したものに限定されず、適宜変更可能である。
【0059】
(3)上記実施形態では、付勢部としてトーションバネ43を用いたが、これに限定されない。例えば、付勢部として、コイルスプリングを用いてもよい。この場合、コイルスプリングの一端を蓋部40へ、他端を格納ケース18へ取り付けることで蓋部40を開位置側へ付勢する構成としてもよい。
【0060】
(4)上記実施形態では、緩衝材33としてゴムやフェルトなどを例示したが、これに限定されるものではない。例えば、緩衝材33として、スポンジ等を使用してもよい。
【符号の説明】
【0061】
14…サンシェード装置、16…シェード、17…巻取軸、18…格納ケース、20…フレーム(シェードの先端部)、31…引き出し口、40…蓋部、43…トーションバネ(付勢部)、50…掴みノブ(把持部)、53A…周端部(押圧部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性部材からなるシェードと、前記シェードを格納する格納ケースと、を備えたサンシェード装置であって、
前記格納ケースには、前記シェードを巻き取り可能な巻取軸が設けられるとともに、前記シェードを前記格納ケース外へ引き出し可能とする引き出し口が形成され、
前記格納ケースに取り付けられ、前記引き出し口を閉止する閉位置と、前記引き出し口を開放する開位置との間で回動可能な蓋部と、
前記蓋部を前記開位置側に付勢する付勢部と、を備え、
前記シェードの先端部には、前記巻取軸による前記シェードの巻き取りに伴って、前記蓋部を押圧する押圧部が設けられ、
前記押圧部が前記蓋部を押圧することで、前記付勢部の前記開位置側への付勢力に抗して、前記蓋部を前記閉位置に回動させる構成であることを特徴とするサンシェード装置。
【請求項2】
前記シェードの先端部には、前記シェードを前記格納ケース外へ引き出すために把持される把持部が設けられ、
前記押圧部は、前記把持部の一部を前記蓋部側へ突出させる形で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のサンシェード装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−96615(P2012−96615A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244375(P2010−244375)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【出願人】(000004640)日本発條株式会社 (1,048)