説明

サンシェード駆動制御装置、及びサンシェード駆動制御方法

【課題】所定の条件を満足する状況になると、自動的にサンシェードを展開、格納するサンシェード駆動制御装置を提供する。
【解決手段】サンシェード制御部12は、イグニッションSW1、シフトポジションセンサ2、車速センサ3、着座センサ4、ドア開検知センサ5、ドア施錠・解錠センサ6、ウィンドウ位置検知センサ7、車室温度センサ8からの検出信号に従って、運転者・搭乗者が車両から離れているか否かを判定し、運転者・搭乗者が車両から離れていると判断される場合には、サンシェード10を展開し、運転者・搭乗者が車両から離れていないと判断される場合には、サンシェード10を格納するように、サンシェード駆動モータ9を駆動制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のウィンドウを覆うサンシェード駆動制御装置、及びサンシェード駆動制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両の日除けとしてウィンドウを覆うサンシェード駆動制御装置が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。これら従来のサンシェード装置は、シェードをロール状に巻き取れた状態で車両のウィンドウ下端部に設けられており、ドライバーシート付近のスイッチ操作により、電動で、巻き取られているシェードを展開してウィンドウを覆ったり、展開されたシェードをロール状に巻き取って格納するようになっている。なお、本明細書において展開とは、サンシェードで少なくとも1つの窓の一部または全部を覆うことを指す。また、格納とは、サンシェードを展開していた状態をやめる、つまり窓を覆うのをやめることを指す。
【0003】
【特許文献1】特開2004−189111号公報
【特許文献2】登録実用新案第3022237号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のサンシェード装置は、電動ではあるが、動作開始・終了をドライバーシート付近のスイッチ操作により行うようになっているため、ドライバを含む搭乗員が車両を離れていると、サンシェードによりウィンドウを覆うことができないという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、所定の条件を満足する状況になると、自動的にサンシェードを展開、格納することができるサンシェード駆動制御装置、及びサンシェード駆動制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、車両の前部、側部、後部に配置された窓部のうち少なくとも1つ以上の窓部の一部または全部を覆うことができるサンシェード駆動制御装置であって、前記車両の窓部を覆うためのシェード手段と、前記シェード手段を展開もしくは格納するための駆動手段と、前記車両から運転者または搭乗者が離れていると判断可能な所定の車両状況を検知する検知手段と、前記検知手段により検知された所定の車両状況が前記車両から運転者または搭乗者が離れていると判断可能な所定の条件を満たしているか否かを判断する条件判断手段と、前記条件判断手段により所定の車両状況が所定の条件を満たしていると判断された場合に、前記駆動手段の動作を制御して、前記シェード手段を展開させ、前記条件判断手段により所定の車両状況が所定の条件を満たしていないと判断された場合に、前記駆動手段の動作を制御して、前記シェード手段を格納させる制御手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記検知手段は、車両状況として、車速、運転手の着座の有無、車両に備えられた窓部またはドア部の開閉状態、またはドア部の施錠の有無、車両に備えられたエンジン始動の有無、あるいは車両のシフトレバーの位置のうち、少なくとも1つを検知することを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記条件判断手段により所定の車両状況が所定の条件を満たしているか否かに関わらず、前記シェード手段の展開動作または格納動作を許可するか否かを設定する自動展開/格納動作可否設定手段と、前記条件判断手段により所定の車両状況が所定の条件を満たしていると判断された場合、あるいは前記条件判断手段により所定の車両状況が所定の条件を満たしていないと判断された場合に、前記自動展開/格納動作可否設定手段により、前記シェード手段の展開動作または格納動作が許可されているか否かを判断する許可判断手段とを更に具備し、前記制御手段は、前記許可判断手段により記シェード手段の展開動作または格納動作が許可されている場合に、前記駆動手段の動作を制御して、前記シェード手段の展開動作または格納動作を行わせることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、前記自動展開/格納動作可否設定手段は、前記シェード手段の展開動作または格納動作を許可、禁止のいずれか一方に設定する切換手段を含むことを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、前記自動展開/格納動作可否設定手段は、前記車両の室内の温度を検出する温度検出手段と、前記シェード手段の展開動作を許可する条件として許可温度を設定する許可温度設定手段と、を含み、前記許可判断手段は、前記条件判断手段により所定の車両状況が所定の条件を満たしていると判断された場合に、前記温度検出手段により検出された、前記車両の室内の温度と、前記許可温度設定手段により設定された許可温度とに基づいて、前記シェード手段の展開動作が許可されているか否かを判断し、前記制御手段は、前記許可判断手段により記シェード手段の展開動作が許可されている場合に、前記駆動手段の動作を制御して、前記シェード手段の展開動作を行わせることを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、車両の前部、側部、後部に配置された窓部のうち少なくとも1つ以上の窓部の一部または全部をシェード部により覆うサンシェード駆動制御方法であって、前記車両から運転者または搭乗者が離れていると判断可能な所定の車両状況を検知するステップと、前記検知された所定の車両状況が前記車両から運転者または搭乗者が離れていると判断可能な所定の条件を満たしているか否かを判断するステップと、前記所定の車両状況が所定の条件を満たしていると判断された場合に、前記シェード部を展開し、前記所定の車両状況が所定の条件を満たしていないと判断された場合に、前記シェード部を格納するステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、所定の車両状況を検知し、検知された所定の車両状況が車両から運転者または搭乗者が離れていると判断可能な所定の条件を満たしている場合に、駆動手段の動作を制御して、シェード手段を展開させて車両の前部、側部、後部に配置された窓部のうち少なくとも1つ以上の窓部の一部または全部を覆い、所定の車両状況が所定の条件を満たしていないと判断された場合に、駆動手段の動作を制御して、シェード手段を格納させる。したがって、運転者・搭乗者が車両から離れた際、自動的にサンシェードを展開することができ、太陽光による車室内温度の上昇を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態によるサンシェード駆動制御装置の構成を示すブロック図である。図において、イグニッションSW1は、車両のエンジンを始動させるためのスイッチである。シフトポジションセンサ2は、シフトレバーの位置を検出するセンサである。車速センサ3は、車両の速度を検出するセンサである。着座センサ4は、ドライバがシートに着座したことを検出するセンサである。
【0014】
ドア開検知センサ5は、ドアが開かれたことを検出するセンサである。ドア施錠・解錠センサ6は、車両のドアが開かれたことを検出するセンサである。また、ウィンドウ位置検知センサ7は、車両のウィンドウの開閉位置を検出するセンサである。車室温度センサ8は、車室の温度を検出するセンサである。
【0015】
サンシェード駆動モータ9は、サンシェード制御部12により駆動制御され、サンシェード10の展開/格納を行う。サンシェード10(請求項1の「シェード手段」に相当する)は、車両のウィンドウ内側の下端部に格納されており、上方に展開することでウィンドウを覆い、下方に巻き取れることで格納される。サンシェード位置検出センサ11は、サンシェード10の端部の位置(どれくらいウィンドウを覆っているか)を検出するセンサである。
【0016】
なお、本実施形態では、サンシェード駆動モータ9、サンシェード10、サンシェード位置検出センサ11は、車両の各ウィンドウ(フロント、ドア、後部ウィンドウ)に設けられている。
【0017】
サンシェード制御部12は、上記イグニッションSW1、シフトポジションセンサ2、車速センサ3、着座センサ4、ドア開検知センサ5、ドア施錠・解錠センサ6、ウィンドウ位置検知センサ7、車室温度センサ8からの検出信号に従って、運転者・搭乗者が車両から離れているか否かを判定し、運転者・搭乗者が車両から離れていると判断される場合には、サンシェード10を展開し、運転者・搭乗者が車両から離れていないと判断される場合には、サンシェード10を格納するように、サンシェード駆動モータ9を駆動制御する。
【0018】
メモリ13は、上記サンシェード制御部12によるサンシェード10の展開/格納の判定に際して用いるパラメータとして、図2に示すように、自動展開/格納動作許可・禁止を示すP AutoEnable、自動展開許可室温を示すP TempAutoStart、自動展開開始待ち時間を示すP TimeAutoStartを保持している。
【0019】
P AutoEnableは、各種センサの検出結果に応じてサンシェード10の展開/格納動作を許可するか、各種センサの検出結果に関係なく強制的にサンシェード10の展開/格納動作を禁止することを示し、許可/禁止のいずれかの状態をとる。P TempAutoStartは、サンシェード10の展開動作を行う際の1つのパラメータである車室温を示し、温度(℃)の値をとる。P TimeAutoStartは、上記各種センサの検出結果に応じてサンシェード10の展開する際に、サンシェード10の展開開始までの待ち時間を示し、0〜xxmin(分)の値をとる。これらP AutoEnable、P TempAutoStart、及びP TimeAutoStartは、スイッチや、テンキーなどの入力手段(図示略)を介してユーザにより任意に設定可能となっている。
【0020】
また、電源14は、上述した各部を動作させるための電力を供給する。
【0021】
図3(a)〜(c)は、本実施形態によるサンシェード駆動制御装置のサンシェード駆動機構部分の一例を示す模式図である。図3(a)には、サンシェード10が格納された状態を示しており、図3(b)には、サンシェード10を展開する途中の状態(片側)が示されており、図3(c)には、サンシェード10が完全に展開された状態が示されている。
【0022】
サンシェード10は、図3(a)に示すように、格納時には、ばねなどを用いて巻き取られた状態で格納部20に収納されている。格納部20の下部には、その両端にサンシェード駆動モータ21a、21b(図1のサンシェード駆動モータ8に相当)が設けられている。該サンシェード駆動モータ21a、21bの回転軸には、第1のアーム部22a、22bの一端部が回転自在に固定されており、該第1のアーム部22a、22bの他端部は、第2のアーム部23a、23bの一端部に回転自在に固定されている。第2のアーム部23a、23bの他端部は、サンシェード10の上端部に回転自在に固定されている。
【0023】
サンシェード10が格納部20に収納されている状態では、第1のアーム部22a、22bと第2のアーム部23a、23bは、図3(a)に示すように、折りたたまれた状態となっている。
【0024】
サンシェード10を展開するには、サンシェード駆動モータ21aを駆動することで、図3(b)の矢印A1の方向に、第1のアーム部22aの一端部を回転させる。これにより、折りたたまれていた第1のアーム部22aと第2のアーム部23aとの接続部が矢印A2の方向(外向き)に移動し、第2のアーム部23aの他端部が矢印A3の方向(上向き)に上昇するように移動するので、サンシェード10も矢印A3の方向(上向き)に引き出される。最終的には、図3(c)に示すように、完全に展開される。
【0025】
一方、展開されたサンシェード8を格納するには、サンシェード駆動モータ21aを駆動することで、図3(b)の矢印B1の方向に、第1のアーム部22aの一端部を回転させる。これにより、伸びきっていた第1のアーム部22aと第2のアーム部23aとの接続部が矢印B2の方向(内向き)に移動し、第2のアーム部23aの他端部が矢印B3の方向(下向き)に下降するように移動するので、サンシェード10も矢印B3の方向(下向き)に自動的に巻き取られ、格納部20内に収納される。
【0026】
なお、図3(a)〜(c)に示す構成では、格納部20の両端にサンシェード駆動モータ21a、21bを設けたが、適当なギアや、シャフトなどを用いることで、1つのサンシェード駆動モータにより駆動するようにしてもよい。また、図示の構成は、一例であり、本発明では、サンシェード10を展開・格納するため駆動機構を限定することはなく、どのような駆動機構を用いてもよい。
【0027】
次に、図4は、本実施形態によるサンシェード駆動制御装置が車両のウィンドウにどのように設置されているかを示す上面図である。また、図5(a)、(b)は、同車両の左右から見たときの側面図である。また、図6(a)、(b)は、同車両の前後から見たときの正面図、背面図である。
【0028】
図4、図5(a)、(b)、及び図6(a)、(b)に示すように、車両の全てのウィンドウ、すなわち、右前部ドアのウィンドウW1、右前部ドアのウィンドウW2、左後部ドアのウィンドウW3、左後部ドアのウィンドウW4、フロントウィンドウW5、リアウィンドウW6、ルーフウィンドウW7に対して、それぞれ、サンシェードS1〜S7が設けられている。なお、サンシェードS1〜S7は、各々、図1に示すサンシェード10、サンシェード駆動モータ8、及びサンシェード位置検出センサ11を一組として構成される。
【0029】
次に、本実施形態の動作について説明する。
図7は、本実施形態によるサンシェード駆動制御装置のサンシェード展開動作を説明するためのフローチャートである。サンシェード制御部12は、イグニッションSW1がOFFとされたか否かを判断し(ステップS10)、イグニッションSW1がOFFとされていない場合には、運転者・搭乗者が車両内、あるいは車両近傍にいる可能性があるので、サンシェード10を展開することなく、当該処理を終了する。
【0030】
一方、イグニッションSW1がOFFとされた場合には、運転者が居ない可能性があるので、シフトポジションセンサ2の検出信号から、シフトポジションが「P(パーキング)」の位置にあるか否かを判断し(ステップS12)、シフトポジションが「P」の位置にない場合には、運転者・搭乗者が車両内にいるので、サンシェード10を展開することなく、当該処理を終了する。
【0031】
一方、シフトポジションが「P」の位置にある場合には、降車する可能性があるので、車速センサ3の検出信号から、車速が0km/hであるか否かを判断し(ステップS14)、車速が0km/hでない場合には、運転者・搭乗者が車両内にいるので、サンシェード10を展開することなく、当該処理を終了する。
【0032】
一方、車速が0km/hである場合には、着座センサ4の検出信号がOFF(着座していない)であるか否かを判断し(ステップS16)、着座センサ4の検出信号がOFFでない場合には、運転者・搭乗者が車両内にいるので(シートに座っている)、サンシェード10を展開することなく、当該処理を終了する。
【0033】
一方、着座センサ4の検出信号がOFFである場合には、ドア開検知センサ5の検出信号から、ドアが閉じているか否かを判断し(ステップS18)、ドアが閉じていない場合には、運転者・搭乗者が車両近傍にいるか、一時的に車両から離れたと判断し、敢えてサンシェード10を展開することなく、当該処理を終了する。
【0034】
一方、ドアが閉じている場合には、運転者が車両から離れた可能性があるので、ドア施錠・解錠センサ6の検出信号から、ドアが施錠されたか否かを判断し(ステップS20)、ドアが施錠されていない場合には、運転者・搭乗者が車両近傍にいるか、一時的に車両から離れたと判断し、敢えてサンシェード10を展開することなく、当該処理を終了する。
【0035】
一方、ドアが施錠されている場合には、ウィンドウ位置検知センサ7の検出信号から、全ウィンドウが全閉、または全閉付近であるか否かを判断し(ステップS22)、全ウィンドウが全閉、または全閉付近でない場合には、運転者・搭乗者が車両近傍にいるか、一時的に車両から離れたと判断し、敢えてサンシェード10を展開することなく、当該処理を終了する。
【0036】
一方、全ウィンドウが全閉、または全閉付近である場合には、自動展開/格納動作許可・禁止を示すP AutoEnableが「許可」に設定されているか否かを判断し(ステップS24)、P AutoEnableが「許可」に設定されていない場合には、当該処理を終了する。すなわち、P AutoEnableが「許可」に設定されていない場合には、上述したステップS10〜S22での条件のいずれかが満足したとしても、サンシェード10を展開することなく、強制的に終了する。
【0037】
一方、P AutoEnableが「許可」に設定されている場合には、車室温度センサ8の検出信号から、車室温が自動展開許可室温を示すP TempAutoStart(例えば、40℃)以上であるか否かを判断し(ステップS26)、車室温が自動展開許可室温を示すP TempAutoStartより低い場合には、運転者・搭乗者が車両から離れていたとしても、敢えてサンシェード10を展開する必要がないと判断し、当該処理を終了する。
【0038】
一方、車室温が自動展開許可室温を示すP TempAutoStart以上である場合には、上述したステップS10〜S26での条件が、自動展開開始待ち時間を示すP TimeAutoStart以上継続したか否かを判断し(ステップS28)、ステップS10〜S26での条件がP TimeAutoStart以上継続しない場合には、運転者・搭乗者が車両から離れていたとしても、すぐに戻ったと判断し、敢えてサンシェード10を展開することなく、当該処理を終了する。
【0039】
一方、ステップS10〜S26での条件がP TimeAutoStart以上継続した場合には、サンシェード駆動モータ9を駆動制御し、車両のウィンドウW1〜W7に設置されたサンシェードS1〜S7を展開動作させる(ステップS30)。そして、サンシェードS1〜S7の展開が終わると、当該処理を終了する。
【0040】
なお、上述したサンシェード展開動作において、ステップS10〜S22の判断条件のうち、少なくとも1つの判断条件が成立した場合に、サンシェード10の展開を制御するようにしてもよい。したがって、ステップS10〜S22の判断条件のうち、特定の1つ以上の判断条件を採用した構成とすることもできる。また、上述したサンシェード展開動作において、ステップS26の判断条件である、車室温度が自動展開許可室温を示すP TempAutoStart以上になることに関係なく、サンシェード10の展開を制御するようにしてもよい。また、上述したサンシェード展開動作において、ステップS24の判断条件である、自動展開/格納動作許可・禁止P AutoEnableの状態に関係なく、残りのステップS10〜S22の判断条件のうち1つ以上を用いて、サンシェード10の展開を制御するようにしてもよい。
【0041】
次に、図8は、本実施形態によるサンシェード駆動制御装置のサンシェード格納動作を説明するためのフローチャートである。サンシェード制御部12は、サンシェード位置検出センサ11の検出信号から、サンシェード10が格納状態であるか否かを判断し(ステップS40)、サンシェード10が格納状態である場合には、当該処理を終了する。
【0042】
一方、サンシェード10が格納状態でない場合には、イグニッションSW1がOFFであるか否かを判断する(ステップS42)。そして、イグニッションSW1がOFFである場合には、運転者・搭乗者が車両から離れている可能性があるので、サンシェード10を格納することなく、シフトポジションセンサ2の検出信号から、シフトポジションが「P(パーキング)」の位置にあるか否かを判断する(ステップS44)。
【0043】
そして、シフトポジションが「P」の位置にある場合には、運転者・搭乗者が車両から離れている可能性があるので、サンシェード10を格納することなく、車速センサ3の検出信号から、車速が0km/hであるか否かを判断する(ステップS46)。
【0044】
そして、車速が0km/hである場合には、運転者・搭乗者が車両から離れている可能性があるので、サンシェード10を格納することなく、着座センサ4の検出信号がOFF(着座していない)であるか否かを判断する(ステップS48)。ここで、着座センサ4の検出信号がOFFである場合には、運転者・搭乗者が車両から離れている可能性があるので、サンシェード10を格納することなく、ドア開検知センサ5の検出信号から、ドアが閉じているか否かを判断する(ステップS50)。
【0045】
そして、ドアが閉じている場合には、運転者・搭乗者が車両から離れた可能性があるので、サンシェード10を格納することなく、ドア施錠・解錠センサ6の検出信号から、ドアが施錠されたか否かを判断する(ステップS52)。ドアが施錠されている場合には、運転者・搭乗者が車両から離れている可能性があるので、サンシェード10を格納することなく、ウィンドウ位置検知センサ7の検出信号から、全ウィンドウが全閉、または全閉付近であるか否かを判断する(ステップS54)。
【0046】
そして、全ウィンドウが全閉、または全閉付近である場合には、運転者・搭乗者が車両から離れている可能性があるので、サンシェード10を格納することなく、当該処理を終了する。
【0047】
一方、ステップS42でイグニッションSW1がOFFとされていないと判断された場合、あるいは、ステップS44でシフトポジションが「P」の位置にないと判断された場合、あるいは、ステップS46で車速が0km/hでないと判断された場合、あるいは、ステップS48で着座センサ4の検出信号がOFFでないと判断された場合、あるいは、ステップS50でドアが閉じていないと判断された場合、あるいは、ステップS52でドアが施錠されていないと判断された場合、あるいは、ステップS54で全ウィンドウが全閉、または全閉付近でないと判断された場合には、運転者・搭乗者が車両内にいる可能性がある。
【0048】
この場合、自動展開/格納動作許可・禁止を示すP AutoEnableが「許可」に設定されているか否かを判断し(ステップS56)、P AutoEnableが「許可」に設定されていない場合には、運転者・搭乗者が車両内にいる可能性があったとしても、サンシェード10を格納することなく、当該処理を終了する。
【0049】
一方、自動展開/格納動作許可・禁止を示すP AutoEnableが「許可」に設定されている場合には、サンシェード駆動モータ9を駆動制御して、車両のウィンドウW1〜W7に設置されたサンシェードS1〜S7を格納する(ステップS58)。そして、サンシェードS1〜S7が全て格納されると、当該処理を終了する。
【0050】
なお、上述したサンシェード格納動作において、上述したサンシェード展開動作において、ステップS42〜S54の判断条件のうち、少なくとも1つの判断条件が成立した場合に、サンシェード10を格納するようにしてもよい。したがって、ステップS42〜S54の判断条件のうち、特定の1つ以上の判断条件を採用した構成とすることもできる。また、ステップS56での判断条件である、自動展開/格納動作許可・禁止P AutoEnableの状態に関係なく、ステップS42〜S54のいずれかの判断条件が未成立したことで、サンシェード10を格納するようにしてもよい。
【0051】
以上の通り、本実施形態によれば、運転者・搭乗者が車両から離れた際、各ウィンドウ部に設置したサンシェードを自動で展開することにより、太陽光による車室内温度の上昇を防止することができる。また、車室内温度の上昇による、カーエアコン稼動での燃料消費量の低減、運転者・搭乗者の不快感の低減を図ることができる。また、運転者・搭乗者が車両から離れた際に、車室内を見えなくして防犯効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施形態によるサンシェード駆動制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による、サンシェード10の展開/格納の判定に際して用いるパラメータを説明するための概念図である。
【図3】本実施形態によるサンシェード駆動制御装置のサンシェード駆動機構部分の一例を示す模式図である。
【図4】本実施形態によるサンシェード駆動制御装置が車両のウィンドウにどのように設置されているかを示す上面図である。
【図5】同車両の左右から見たときの側面図である。
【図6】同車両の前後から見たときの正面図、背面図である。
【図7】本実施形態によるサンシェード駆動制御装置のサンシェード展開動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】本実施形態によるサンシェード駆動制御装置のサンシェード格納動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0053】
1 イグニッションSW
2 シフトポジションセンサ
3 車速センサ
4 着座センサ
5 ドア開検知センサ
6 ドア施錠・解錠センサ
7 ウィンドウ位置検知センサ
8 車室温度センサ
9 サンシェード駆動モータ
10 サンシェード
11 サンシェード位置検出センサ
12 サンシェード制御部
13 メモリ
14 電源
20 格納部
21a、21b サンシェード駆動モータ
22a、22b 第1のアーム部
23a、23b 第2のアーム部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前部、側部、後部に配置された窓部のうち少なくとも1つ以上の窓部の一部または全部を覆うことができるサンシェード駆動制御装置であって、
前記車両の窓部を覆うためのシェード手段と、
前記シェード手段を展開もしくは格納するための駆動手段と、
前記車両から運転者または搭乗者が離れていると判断可能な所定の車両状況を検知する検知手段と、
前記検知手段により検知された所定の車両状況が前記車両から運転者または搭乗者が離れていると判断可能な所定の条件を満たしているか否かを判断する条件判断手段と、
前記条件判断手段により所定の車両状況が所定の条件を満たしていると判断された場合に、前記駆動手段の動作を制御して、前記シェード手段を展開させ、前記条件判断手段により所定の車両状況が所定の条件を満たしていないと判断された場合に、前記駆動手段の動作を制御して、前記シェード手段を格納させる制御手段と
を備えることを特徴とするサンシェード駆動制御装置。
【請求項2】
前記検知手段は、車両状況として、車速、運転手の着座の有無、車両に備えられた窓部またはドア部の開閉状態、またはドア部の施錠の有無、車両に備えられたエンジン始動の有無、あるいは車両のシフトレバーの位置のうち、少なくとも1つを検知することを特徴とする請求項1記載のサンシェード駆動制御装置。
【請求項3】
前記条件判断手段により所定の車両状況が所定の条件を満たしているか否かに関わらず、前記シェード手段の展開動作または格納動作を許可するか否かを設定する自動展開/格納動作可否設定手段と、
前記条件判断手段により所定の車両状況が所定の条件を満たしていると判断された場合、あるいは前記条件判断手段により所定の車両状況が所定の条件を満たしていないと判断された場合に、前記自動展開/格納動作可否設定手段により、前記シェード手段の展開動作または格納動作が許可されているか否かを判断する許可判断手段とを更に具備し、
前記制御手段は、前記許可判断手段により記シェード手段の展開動作または格納動作が許可されている場合に、前記駆動手段の動作を制御して、前記シェード手段の展開動作または格納動作を行わせることを特徴とする請求項1または2記載のサンシェード駆動制御装置。
【請求項4】
前記自動展開/格納動作可否設定手段は、前記シェード手段の展開動作または格納動作を許可、禁止のいずれか一方に設定する切換手段を含むことを特徴とする請求項3記載のサンシェード駆動制御装置。
【請求項5】
前記自動展開/格納動作可否設定手段は、前記車両の室内の温度を検出する温度検出手段と、
前記シェード手段の展開動作を許可する条件として許可温度を設定する許可温度設定手段と、
を含み、
前記許可判断手段は、前記条件判断手段により所定の車両状況が所定の条件を満たしていると判断された場合に、前記温度検出手段により検出された、前記車両の室内の温度と、前記許可温度設定手段により設定された許可温度とに基づいて、前記シェード手段の展開動作が許可されているか否かを判断し、
前記制御手段は、
前記許可判断手段により記シェード手段の展開動作が許可されている場合に、前記駆動手段の動作を制御して、前記シェード手段の展開動作を行わせることを特徴とする請求項3記載のサンシェード駆動制御装置。
【請求項6】
車両の前部、側部、後部に配置された窓部のうち少なくとも1つ以上の窓部の一部または全部をシェード部により覆うサンシェード駆動制御方法であって、
前記車両から運転者または搭乗者が離れていると判断可能な所定の車両状況を検知するステップと、
前記検知された所定の車両状況が前記車両から運転者または搭乗者が離れていると判断可能な所定の条件を満たしているか否かを判断するステップと、
前記所定の車両状況が所定の条件を満たしていると判断された場合に、前記シェード部を展開し、前記所定の車両状況が所定の条件を満たしていないと判断された場合に、前記シェード部を格納するステップと
を含むことを特徴とするサンシェード駆動制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−23635(P2010−23635A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−186703(P2008−186703)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)