説明

サービス提供システム、サービス提供方法、携帯端末装置及びプログラム

【課題】サービス提供装置からユーザに対して、該ユーザのサービス提供装置に対する感覚に応じたサービスを提供できるサービス提供システム及び方法を提供する。
【解決手段】携帯端末装置は、ユーザによる該携帯端末装置を用いたサービス提供装置の操作履歴を保存し、該操作履歴に基づき該ユーザがサービス提供装置にどの程度慣れているかを示す慣れ情報を生成して保存する。サービス提供装置は、ユーザによる携帯端末装置を用いた操作時、該携帯端末装置から慣れ情報を取得し、慣れ情報に応じて予め設定された複数のサービスのなかから該取得した慣れ情報に対応するサービスを選択し、該選択したサービスを該ユーザへ提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯端末装置を用いて各種のサービス提供装置を操作するサービス提供システム、サービス提供方法、携帯端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ロボット等のサービス提供装置は目覚しい進歩を遂げており、将来的には家庭内や公共の場等においてサービス提供装置から人々へ様々なサービスが提供できるようになると考えられている。また、これらのサービス提供装置の多くが各人の携帯端末装置を用いて操作できるようになると予想されている。
【0003】
なお、サービス提供装置(ロボット)がユーザの操作履歴や会話履歴等を保存して学習し、該ユーザに対するサービスを向上させる技術が、例えば特許文献1−3で提案されている。
【0004】
また、ロボットとユーザの会話履歴等をサーバ装置で保存しておき、該会話履歴に基づいてユーザに最適な会話内容を選択してロボットへ提供することが特許文献4に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−111157号公報
【特許文献2】特開2004−195636号公報
【特許文献3】特開2007−213190号公報
【特許文献4】特開2003−255991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、同一のサービス提供装置が複数のユーザへサービスを提供する場合、どのユーザに対しても同様のサービスを提供する。しかしながら、サービス提供装置のうち、例えばロボット等に対する感覚は人それぞれ異なり、全員に同じサービスを提供すると、物足りないと感じるユーザや過度なサービスと感じるユーザもいる。また、ロボットに親近感を持つユーザもいれば、ロボットを怖いと感じるユーザもいる。
【0007】
本発明は上述したような背景技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、サービス提供装置からユーザに対して、該ユーザのサービス提供装置に対する感覚に応じたサービスを提供できるサービス提供システム、サービス提供方法、携帯端末装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため本発明のサービス提供システムは、携帯端末装置を用いてユーザがサービス提供装置を操作するためのサービス提供システムであって、
前記携帯端末装置は、
前記ユーザによる前記サービス提供装置の操作履歴を保存し、該操作履歴に基づき該ユーザがサービス提供装置にどの程度慣れているかを示す慣れ情報を生成して保存し、
前記サービス提供装置は、
前記ユーザによる前記携帯端末装置を用いた操作時、前記携帯端末装置から前記慣れ情報を取得し、前記慣れ情報に応じて予め設定された複数のサービスのなかから該取得した慣れ情報に対応するサービスを選択し、該選択したサービスを該ユーザへ提供する構成である。
【0009】
一方、本発明のサービス提供方法は、携帯端末装置を用いてユーザがサービス提供装置を操作するためのサービス提供方法であって、
前記携帯端末装置が、
前記ユーザによる前記サービス提供装置の操作履歴を保存し、該操作履歴に基づき該ユーザがサービス提供装置にどの程度慣れているかを示す慣れ情報を生成して保存し、
前記サービス提供装置が、
前記ユーザによる前記携帯端末装置を用いた操作時、前記携帯端末装置から前記慣れ情報を取得し、前記慣れ情報に応じて予め設定された複数のサービスのなかから該取得した慣れ情報に対応するサービスを選択し、該選択したサービスを該ユーザへ提供する方法である。
【0010】
また、本発明の携帯端末装置は、ユーザの指示にしたがってサービス提供装置を操作する、前記サービス提供装置と情報の送受信が可能な携帯端末装置であって、
前記ユーザによるサービス提供装置の操作履歴に基づいて該ユーザがサービス提供装置にどの程度慣れているかを示す慣れ情報を生成し、サービス提供装置からの要求にしたがって該サービス提供装置に前記慣れ情報を提供する制御手段と、
前記操作履歴及び慣れ情報を保存する記憶手段と、
前記サービス提供装置と情報を送受信するための通信手段と、
を有する。
【0011】
また、本発明のプログラムは、サービス提供装置と情報の送受信が可能な携帯端末装置に、ユーザの指示にしたがって前記サービス提供装置を操作させるためのプログラムであって、
制御手段が、
前記ユーザによるサービス提供装置の操作履歴を記憶手段に保存させ、
該操作履歴に基づき前記ユーザがサービス提供装置にどの程度慣れているかを示す慣れ情報を生成させ、
前記記憶装置に前記慣れ情報を保存させ、
前記サービス提供装置からの要求に応じて前記保存された慣れ情報を通信手段を用いて該サービス提供装置へ提供させるためのものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、サービス提供装置からユーザに対して、該ユーザのサービス提供装置に対する感覚に応じたサービスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のサービス提供システムの一構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示したサービス提供システムの実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図3】図2に示した携帯端末装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】図2に示したロボットの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に本発明について図面を用いて説明する。
【0015】
一般に、ロボット等のサービス提供装置を頻繁に操作しているユーザは、ロボットに慣れ親しんでおり、サービス提供装置に比較的親近感を持っていると考えられる。一方、ロボット等のサービス提供装置の操作経験が少ないユーザは、サービス提供装置に慣れ親しんでおらず、サービス提供装置にあまり親近感を持っていないと考えられる。
【0016】
そこで、本発明では、サービス提供装置に対するユーザの感覚を、サービス提供装置にユーザがどの程度慣れているかを示す慣れ情報を用いて判断する。慣れ情報は、ユーザによる携帯端末装置を用いた各種のサービス提供装置の操作履歴に基づいて生成し、携帯端末装置等に保存しておく。そして、ユーザがサービス提供装置を操作するとき、該サービス提供装置は携帯端末装置から慣れ情報を取得し、該慣れ情報に基づいてユーザに提供するサービスを変更する。慣れ情報は、ある特定のサービス提供装置にユーザが慣れているか否かを示すものではなく、不特定多数のサービス提供装置に対してユーザがどの程度慣れているかを示す情報である。
【0017】
図1は、本発明のサービス提供システムの一構成例を示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように、本発明のサービス提供システムは、ユーザによるサービス提供装置2の操作履歴を保存し、該操作履歴に基づき該ユーザがサービス提供装置2にどの程度慣れているかを示す慣れ情報を生成して保存する、サービス提供装置2の操作が可能な携帯端末装置1と、ユーザによる携帯端末装置1を用いた操作時、携帯端末装置1から慣れ情報を取得し、該慣れ情報に応じて予め設定された複数のサービスのなかから該取得した慣れ情報に対応するサービスを選択し、該選択したサービスを該ユーザへ提供するサービス提供装置2とを有する。
【0019】
携帯端末装置1は、操作履歴及び慣れ情報を保存する記憶手段11と、サービス提供装置2と情報を送受信するための通信手段12と、ユーザによるサービス提供装置2の操作履歴に基づいて該ユーザがサービス提供装置2にどの程度慣れているかを示す慣れ情報を生成し、サービス提供装置2からの要求にしたがって該サービス提供装置2に保存した慣れ情報を提供する制御手段13とを有する。
【0020】
サービス提供装置2は、携帯端末装置1と情報を送受信するための通信手段21と、ユーザによる携帯端末装置1を用いた操作時、携帯端末装置1から慣れ情報を取得し、該慣れ情報に応じて予め設定された複数のサービスのなかから該取得した慣れ情報に対応するサービスを選択する選択手段22と、選択手段22で選択されたサービスを該ユーザへ提供するサービス提供手段23とを有する。
【0021】
携帯端末装置1は、例えば携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Data Assistance,Personal Digital Assistants:個人向け携帯型情報通信機器)、ゲーム機、ノート型やタブレット型のパーソナルコンピュータ等がある。携帯端末装置1は、周知の通信手段を介して該携帯端末装置1に対応したネットワークと接続可能な構成とする。
【0022】
サービス提供装置2は、ある程度自律的に連続して動作し、人に各種のサービスを提供する、ロボット等の機械である。
【0023】
図2は、図1に示したサービス提供システムの実施の形態の構成例を示すブロック図である。以下では、サービス提供装置としてロボット200を想定し、携帯端末装置100を用いて該ロボット200からユーザへ1対1でサービスを提供する場合を例にして説明する。
【0024】
図2に示すように、携帯端末装置100は、該携帯端末装置100としての機能を備えると共に、入力インターフェース部101、ロボット操作部102、操作履歴部103、慣れ判断部104、慣れ情報保持部105、通信部106及び制御部107を備えている。図2では、これらの機能を全て携帯端末装置100内に備える構成例を示しているが、操作履歴部103、慣れ判断部104及び慣れ情報保持部105等の機能の全てあるいは一部は、ネットワークを介して接続可能なサーバ装置等に備えていてもよい。その場合、携帯端末装置100は、ネットワークを介して該サーバ装置へ後述する操作履歴を送信し、該サーバ装置から後述する慣れ情報を取得すればよい。
【0025】
入力インターフェース部101は、テキスト、画像、ロボット200に対する指示等をユーザが入力するためのスイッチ、キーボード、タッチパネル、音声入力装置、あるいはその他の入力手段である。
【0026】
ロボット操作部102は、入力インターフェース部101を用いてユーザが入力した情報や指示にしたがってロボット200を動作させるための操作信号を生成する。操作信号は通信部106を介してロボット200へ送信される。
【0027】
操作履歴部103は、ユーザによる携帯端末装置100を用いたロボット200の操作履歴を保存する。操作履歴として保存する情報には、例えば操作したロボット200の種類、操作回数、操作時間、操作内容等がある。
【0028】
慣れ判断部104は、操作履歴部103に保存された操作履歴に基づいて、携帯端末装置100のユーザがロボットにどの程度慣れているかを示す慣れ情報を生成する。慣れ情報は、例えば操作したロボットの種類や操作内容に対応して、所定期間内におけるユーザの操作回数や操作時間を集計し、該操作回数や操作時間が予め設定された閾値を越える場合に、その種類のロボットや操作内容に習熟している、すなわち慣れていると判定する方法が考えられる。このとき、閾値は1つである必要はなく、複数の閾値を設けることで、複数段階の習熟度を設定してもよい。慣れ情報は、例えば「ペット型ロボットに最も慣れている」等のように、ロボットの種類と、該種類のロボットにどの程度慣れているかを示す情報とを含み、それらを関連付けて保存すればよい。慣れ情報の作成方法は上記の方法に限定されるものではない。また、慣れ情報に含まれる情報も上記の情報に限定されるものではない。
【0029】
慣れ情報保持部105は、慣れ判断部104で生成された慣れ情報を保存する。携帯端末装置100を用いたユーザによるロボット200の操作時、慣れ情報保持部105に保存された慣れ情報は、該ロボット200からの要求にしたがって通信部106を介してロボット200へ提供される。図1に示した記憶手段11は、操作履歴部103及び慣れ情報保持部105で実現される。
【0030】
通信部106は、ロボット200の操作に必要な情報や指示をロボット200へ送信すると共に、ロボット200から送信される情報を受信する、周知の無線通信手段や赤外線通信手段等である。図1に示した通信手段12は、通信部106で実現される。
【0031】
制御部107は、入力インターフェース部101、ロボット操作部102、操作履歴部103、慣れ判断部104、慣れ情報保持部105及び通信部106の動作を制御する。制御部107は、周知のCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、メモリ等を備えた処理装置で実現できる。その場合、CPUは、メモリに格納された所定の制御用プログラムにしたがって処理を実行することで携帯端末装置100としての機能を実現すると共に、制御部107としての機能を実現する。なお、上記ロボット操作部102、操作履歴部103、慣れ判断部104及び慣れ情報保持部105の機能は、周知のLSI等で実現してもよく、制御部107の機能に含めてもよい。図1に示した制御手段13は、入力インターフェース部101、ロボット操作部102、操作履歴部103、慣れ判断部104、慣れ情報保持部105及び制御部107で実現される。
【0032】
ロボット200は、所定のサービスを提供する該ロボット200としての機能を備えると共に、慣れ情報取得部201、サービス選択部202、サービス実行部203、出力インターフェース204部及び通信部205を備えている。図2では、これらの機能を全てロボット200内に備える構成例を示しているが、慣れ情報取得部201及びサービス選択部202等の機能の全てあるいは一部は、ネットワークを介してロボット200と接続可能なサーバ装置等に備えていてもよい。その場合、ロボット200は、携帯端末装置100から取得した慣れ情報を、ネットワークを介して該サーバ装置へ送信し、該サーバ装置から後述するユーザへ提供するサービスの選択結果を受信すればよい。ユーザ毎の慣れ情報をサーバ装置で保存している場合、慣れ情報は、該サーバ装置から上記慣れ情報取得部201及びサービス選択部202の機能を実現するサーバ装置へ直接送信してもよい。
【0033】
慣れ情報取得部201は、ユーザによる携帯端末装置100を用いたロボット200の操作時、通信部205を介して該携帯端末装置100からユーザの慣れ情報を取得する。
【0034】
サービス選択部202は、慣れ情報取得部201で取得した慣れ情報から、該携帯端末装置100のユーザに最適なサービスを選択する。選択するサービスには、言語コミュニケーションだけでなく、非言語コミュニケーションも含める。選択可能な言語コミュニケーションとしては、例えば、話す内容、話すスピード、音量等がある。選択可能な非言語コミュニケーションとしては、例えばサービスの種類、視線の方向、ジェスチャー、表情、人との距離等がある。
【0035】
サービス選択部202には、携帯端末装置100のユーザの慣れ情報(習熟度)に対応した複数のサービスが予め設定されており、サービス選択部202は、慣れ情報取得部201で取得した慣れ情報に対応するサービスを選択すればよい。例えば、ロボット200に慣れているユーザには、該ユーザにより近づいて、話すスピードを早くしたり、音量を大きくしたり、ジェスチャーや表情の変化を大きくする等、より積極的にユーザと接しつつ所定のサービスを提供すればよい。一方、ロボット200に慣れていないユーザには、該ユーザとの距離をとり、話すスピードをゆっくりとし、ジェスチャーや表情の変化を大きくしない等、ユーザにあまり圧迫感を与えないように接しつつ所定のサービスを提供すればよい。ユーザとの距離は、例えば周知の距離センサ等を用いて測定すればよい。図1に示した選択手段22は、上記慣れ情報取得部201及びサービス選択部202で実現される。
【0036】
通信部205は、携帯端末装置100と情報を送受信するための周知の無線通信手段や赤外線通信手段等である。図1に示した通信手段21は、通信部205で実現される。
【0037】
サービス実行部203は、サービス選択部202が選択した内容にしたがって、携帯端末装置100を用いて操作しているユーザへ所定のサービスを提供する。出力インターフェース部204は、サービス実行部203の指示にしたがって、情報の表示や印刷、所定動作や物品の提供等を実行する。図1に示したサービス提供手段23は、サービス実行部203及び出力インターフェース部204で実現される。
【0038】
慣れ情報取得部201、サービス選択部202及びサービス実行部203は、例えば周知のCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、メモリ等を備えた処理装置で実現できる。その場合、CPUは、メモリに格納された所定の制御用プログラムにしたがって処理を実行することで、慣れ情報取得部201、サービス選択部202及びサービス実行部203としての機能を実現する。出力インターフェース部204は、周知のディスプレイ、プリンタ、操作アーム等で実現できる。
【0039】
図3は、図2に示した携帯端末装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0040】
図3に示すように、ユーザが入力インターフェース部101及びロボット操作部102を用いてロボット200を操作すると、携帯端末装置100は、制御部107により該ロボット200の種類や操作内容に対応して、操作時間や操作回数等の操作履歴を操作履歴部103に保存する(ステップS1)。制御部107は、ユーザが携帯端末装置100を用いて各種のロボット200を操作する度に操作履歴部103で保存している操作履歴を更新する。
【0041】
次に、携帯端末装置100は、慣れ判断部104により、操作履歴部103に保存された操作履歴に基づいて、携帯端末装置100のユーザがロボットにどの程度慣れているかを示す慣れ情報を生成する(ステップS2)。
【0042】
次に、携帯端末装置100は、制御部107により、慣れ判断部104で生成した慣れ情報が慣れ情報保持部105で保存している慣れ情報と異なるか否かを判定する(ステップS3)。これらが異なる場合は、慣れ情報保持部105で保存する慣れ情報を、慣れ判断部104で生成した慣れ情報で更新する(ステップS4)。慣れ判断部104で生成した慣れ情報と慣れ情報保持部105で保存している慣れ情報とが同一の場合は処理を終了する。このようにして携帯端末装置100はユーザのロボット200に対する慣れ情報を更新して保存しておく。
【0043】
図4は、図2に示したロボットの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0044】
図4に示すように、ロボット200は、ユーザから携帯端末装置100を用いてサービスの提供が要求されると、慣れ情報取得部201により該携帯端末装置100から慣れ情報を取得する(ステップS11)。
【0045】
次に、ロボット200は、携帯端末装置100から取得した慣れ情報に基づき、携帯端末装置100のユーザがロボットに慣れているか否かを判定する(ステップS12)。ユーザがロボットに慣れている場合は、予め設定された慣れたユーザに対応するサービスをサービス選択部202により選択する(ステップS13)。一方、ユーザがロボットに慣れていない場合は、予め設定された、慣れていないユーザに対応するサービスをサービス選択部202により選択する(ステップS14)。
【0046】
次に、ロボット200は、サービス選択部202で選択されたサービスをサービス実行部203及び出力インターフェース部204を用いてユーザに提供する(ステップS15)。
【0047】
本実施形態によれば、ロボット200は、ロボットに対する人の感覚(慣れ)に応じたサービスを提供するため、人に対して物足りなさや圧迫感等の不快感を与えることなくサービスを提供できる。
【0048】
また、携帯端末装置100を用いてユーザが操作したロボットの操作履歴に基づいて慣れ情報が生成され、該ユーザに提供するサービスの内容が選択されるため、ユーザは無駄な操作を行うことなくロボット200から最適なサービスを受けることができる。
【0049】
したがって、ロボット200等のサービス提供装置からユーザに対して、該ユーザのサービス提供装置に対する感覚に応じたサービスを提供できる。
【0050】
なお、上記説明では、ロボット200からユーザへ1対1でサービスを提供する例で説明したが、複数のロボット200から一人のユーザへサービスを提供する場合にも本発明は適用できる。
【0051】
上述したように、操作履歴部103で保存される慣れ情報には、ユーザがどのような種類のロボットに対してどの程度慣れているかを示す情報が含まれている。したがって、ユーザの近傍に複数のロボットが存在する場合は、該複数のロボットのうち、ユーザが最も慣れている種類のロボットからサービスを提供すればよい。
【0052】
ユーザへサービスを提供するロボットは、例えば複数のロボットの種類やサービスの内容を管理する、各ロボットと通信可能な管理装置(不図示)を用意しておき、該管理装置により携帯端末装置から取得した慣れ情報に基づいて選択すればよい。管理装置の機能は、ネットワークを介して各ロボット200と通信可能なサーバ装置に備えていてもよく、複数のロボット200の中のいずれか1台に備えていてもよい。
【0053】
管理装置は、ロボット200を介して携帯端末装置100から慣れ情報を受信すると、該慣れ情報に基づいてユーザがどの種類のロボットに慣れているかを判別し、複数のロボットのうち、ユーザが最も慣れている種類のロボットを選択し、該選択したロボットからユーザへサービスを提供させればよい。ユーザが慣れている種類のロボットが複数台ある場合は、それらのロボットのうち、例えばユーザとの距離が最も近いロボット、あるいは各ロボットに設定した優先度にしたがってユーザへサービスを提供するロボットを選択すればよい。各ロボットへ付与する優先度は固定でもよく、変更してもよい。
【0054】
このように複数のロボットの中からユーザが最も慣れている種類のロボットを選択すれば、ユーザは、慣れているロボットからサービスが提供されるため、よりロボットへの親近感が沸き、不快感を受けることが少なくなる。
【0055】
なお、ユーザが最も慣れている種類のロボットが無い場合、管理装置は、慣れ情報に基づいて、ユーザへサービスを提供するロボットの種類を選択すればよい。例えばロボットに慣れているユーザには比較的リアルな、例えば人型等のロボットからサービスを提供させ、ロボットに慣れていないユーザには、親しみやすいデザインの、例えばペット型ロボット等からサービスを提供させればよい。
【0056】
また、上記説明では、現実空間のロボットからユーザへサービスを提供する例を示したが、例えば仮想空間上のロボットからユーザへサービスを提供する場合にも本発明は適用できる。仮想空間上のロボットとは、例えば携帯端末装置、情報処理装置、情報家電等が備える表示装置(不図示)を通してユーザとコミュニケーションが可能なデジタルキャラクターやエージェント等である。
【0057】
その場合、操作履歴部103で保存する操作履歴には、仮想空間上のロボットの操作履歴も含めればよい。慣れ判断部104は、該仮想空間上のロボットを含む操作履歴に基づいて慣れ情報を生成する。
【0058】
一方、仮想空間上のロボットは、携帯端末装置100から直接あるいはネットワークを介して慣れ情報を取得し、該慣れ情報に基づいて表示キャラクターの種類や大きさを変更したり、話す内容やスピードを変更したりすることで、ユーザのロボットへの慣れに応じたサービスを提供できる。
【符号の説明】
【0059】
1、100 携帯端末装置
2 サービス提供装置
11 記憶手段
12、21 通信手段
22 選択手段
23 サービス提供手段
101 入力インターフェース部
102 ロボット操作部
103 操作履歴部
104 慣れ判断部
105 慣れ情報保持部
106、205 通信部
107 制御部
200 ロボット
201 慣れ情報取得部
202 サービス選択部
203 サービス実行部
204 出力インターフェース部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末装置を用いてユーザがサービス提供装置を操作するためのサービス提供システムであって、
前記携帯端末装置は、
前記ユーザによる前記サービス提供装置の操作履歴を保存し、該操作履歴に基づき該ユーザがサービス提供装置にどの程度慣れているかを示す慣れ情報を生成して保存し、
前記サービス提供装置は、
前記ユーザによる前記携帯端末装置を用いた操作時、前記携帯端末装置から前記慣れ情報を取得し、前記慣れ情報に応じて予め設定された複数のサービスのなかから該取得した慣れ情報に対応するサービスを選択し、該選択したサービスを該ユーザへ提供するサービス提供システム。
【請求項2】
前記操作履歴に、操作したサービス提供装置の種類、操作回数、操作時間、操作内容を含む請求項1記載のサービス提供システム。
【請求項3】
前記慣れ情報に、前記サービス提供装置の種類と、該種類のサービス提供装置にどの程度慣れているかを示す情報とを含む請求項1または2記載のサービス提供システム。
【請求項4】
携帯端末装置を用いてユーザがサービス提供装置を操作するためのサービス提供方法であって、
前記携帯端末装置が、
前記ユーザによる前記サービス提供装置の操作履歴を保存し、該操作履歴に基づき該ユーザがサービス提供装置にどの程度慣れているかを示す慣れ情報を生成して保存し、
前記サービス提供装置が、
前記ユーザによる前記携帯端末装置を用いた操作時、前記携帯端末装置から前記慣れ情報を取得し、前記慣れ情報に応じて予め設定された複数のサービスのなかから該取得した慣れ情報に対応するサービスを選択し、該選択したサービスを該ユーザへ提供するサービス提供方法。
【請求項5】
前記操作履歴に、操作したサービス提供装置の種類、操作回数、操作時間、操作内容を含む請求項4記載のサービス提供方法。
【請求項6】
前記慣れ情報に、前記サービス提供装置の種類と、該種類のサービス提供装置にどの程度慣れているかを示す情報とを含む請求項5または6記載のサービス提供方法。
【請求項7】
ユーザの指示にしたがってサービス提供装置を操作する、前記サービス提供装置と情報の送受信が可能な携帯端末装置であって、
前記ユーザによるサービス提供装置の操作履歴に基づいて該ユーザがサービス提供装置にどの程度慣れているかを示す慣れ情報を生成し、サービス提供装置からの要求にしたがって該サービス提供装置に前記慣れ情報を提供する制御手段と、
前記操作履歴及び慣れ情報を保存する記憶手段と、
前記サービス提供装置と情報を送受信するための通信手段と、
を有する携帯端末装置。
【請求項8】
前記操作履歴に、操作したサービス提供装置の種類、操作回数、操作時間、操作内容を含む請求項7記載の携帯端末装置。
【請求項9】
前記慣れ情報に、前記サービス提供装置の種類と、該種類のサービス提供装置にどの程度慣れているかを示す情報とを含む請求項7または8記載の携帯端末装置。
【請求項10】
サービス提供装置と情報の送受信が可能な携帯端末装置に、ユーザの指示にしたがって前記サービス提供装置を操作させるためのプログラムであって、
制御手段が、
前記ユーザによるサービス提供装置の操作履歴を記憶手段に保存させ、
該操作履歴に基づき前記ユーザがサービス提供装置にどの程度慣れているかを示す慣れ情報を生成させ、
前記記憶装置に前記慣れ情報を保存させ、
前記サービス提供装置からの要求に応じて前記保存された慣れ情報を通信手段を用いて該サービス提供装置へ提供させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−66036(P2013−66036A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203180(P2011−203180)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】