説明

サービス提供環境における作業遂行のための運用自動化支援システム、運用自動化支援装置、運用自動化支援方法及び運用自動化支援システムにおけるサービスシナリオの遂行統制方式、遂行統制装置並びにサービスシナリオの遂行統制方法

【課題】運用現場の作業品質の向上、作業工数の削減等を図れる運用自動化支援システム、装置、方法を提供すること。
【解決手段】作業手順書に基づく一連の作業を構成する運用作業の項目とその実施に関連する時間要素(時刻)とを組み合わせたシナリオを、複数の関係部署または複数の関係作業者毎の作業シナリオ・レーンに展開するコンピュータ等を備えた情報システム(例えばサーバ)に登録し、例えばシステム側からの自動的なナビゲーションに応じて前記時間要素に関連する作業を実施する手段を設けた。また、前記運用自動化支援装置により前記作業を実施したとき、その実施実績を実行エビデンスとして登録する手段と、該データベースの実施実績の結果を可視化可能に表示する手段を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービス提供環境における作業遂行のための運用自動化支援システム等に関する。
更に詳述すれば、作業手順書の作業項目の作業を自動的に実現し、その状況を作業者側に通知するサービス提供環境における作業遂行のための運用自動化支援システム、サービス提供環境における作業遂行のための運用自動化支援装置、サービス提供環境における作業遂行のための運用自動化支援方法及び運用自動化支援システムにおけるサービスシナリオの遂行統制方式、遂行統制装置並びに運用自動化支援システムにおけるサービスシナリオの遂行統制方法並びに運用自動化システムにおけるサービスシナリオの遂行統制方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ITシステムを利用したIT運用の現場では、様々な作業が混在しており、いろいろな形で不具合が生じている。具体的には、比較的緊急性の高い突発作業と計画的な作業、それらの混在による優先度判断の混乱や誤操作、連絡漏れなどの作業ミスである。
【0003】
従来、運用の管理者は、例えばIT管理ルールの導入や属人的な対応により、これらの作業負担の軽減、作業効率の向上やミス防止に取り組んでいるのが現状である。
【0004】
ここで、IT管理ルールの導入や属人的な対応とは、ITシステムを利用したサービス提供現場(運用現場)では、その作業者(サービス提供者)が紙ベースの作業手順書を参照しながら行うべき作業を知り遂行することであった。
【0005】
具体例として、サービス提供者がサービス手順書を参照し、サービス提供者側の情報処理装置、例えばパーソナルコンピュータからサービス対象、例えばIT環境システムをオペレーションしていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】広義ITあるいは情報システムの運用を実現する業界・国際標準モデルITSMS(IT Service Management System)として下記がある.
【非特許文献2】ITIL(IT Infrastructure Library)運用モデル
【非特許文献3】ISO/IEC20000運用モデル
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、このような作業の仕方では、ITシステムの運用現場、あるいは引越しやレイアウト変更工事など非IT系の作業現場でも、作業者は紙ベースの作業手順書を参照しながら行なうべき作業を把握し遂行していたため、作業効率が悪いのみならず、一連の作業は作業者の主体的な判断に委ねられてきたため、作業者自身が例えばその時の繁忙感に影響されて、本来なされるべき作業の実施が忘れられたりあるいは漏れたりする等の課題があった。
【0008】
例えば、作業者が複数案件に対応中等の場合、お客様(サービス提供先)への連絡が漏れたり、次の作業への開始が遅れたりすることが頻繁に起こったり、当日のみの連絡先変更など、イレギュラーな作業(運用)を間違いなく実行する手順が煩雑になる等の課題があった。
【0009】
従って、ITシステムやサービスの運用では、例えばオンサイトあるいはリモートでの計画、実行から結果報告まで作業全般にかかわる一連の流れにかかる、「現場」のサービス実行環境を改善することが重要な課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされ、サービス提供者への作業支援について考慮したものであって、例えば、前述した先行特許文献で列挙した仕様を先取りして実現する仕組みであり、かつ複数の作業関係者(部署や作業者)間の連携にて実現される、サービスシナリオの遂行を統制する環境を構築し、作業効率をより向上するものである。
【0011】
本発明の目的は、運用現場の作業品質の向上、作業工数の削減等を図れる運用自動化支援システムにおいて、より運用現場の作業品質の向上、作業工数の低減等が図れる運用自動化支援システム及び運用自動化システムにおけるサービスシナリオの遂行統制方法などを提供することにある。
【0012】
とともに、例えば、サービスシナリオの一連の作業項目を遂行していく各段階(ステップ)毎に応じた作業の実行結果のエビデンスを対応付け(紐付け)て、それらを、相互関係を参照しながら作業を遂行していくことにより、当該サービスの作業効率や作業品質を高めることができ、またサービスの初回実行のみならず、同一の作業を再実行するような場合においても、既に実行された先の実行結果にかかる実績情報を参照、利用することができる運用自動化支援システム及び運用自動化システムにおけるサービスシナリオの遂行統制方法を提供することにある。
【0013】
本発明は、前記目的を達成するため、作業手順書の作業項目の作業を実施し、運用状況を作業者側に通知するIT運用自動化支援システムにおいて、作業項目を含む作業シナリオの各作業項目を実行するとき、該作業項目毎の作業の実行結果、つまり作業実績情報をシナリオ情報と対応付けて登録し、該登録した作業実績を可視化する手段を設けた。
【0014】
例えば、運用自動化支援機能を有する運用自動化支援システムにおいて、運用手順(作業手順)を自動化し、その運用状況を可視化可能に構成し、かつ運用手順を自動化するに際して、一つまたは複数のシナリオ・レーン(作業レーン)、つまりサービス提供にかかる関係部署あるいは作業者毎に作業レーンを設け、それら相互に接続したサービスを構築し、各作業単位に時間管理を行い、その各作業単位の進捗状況に応じて予め定義・予定した手段により関係部署あるいは担当者に通知し得る仕組み構成とし、かつ作業を実施した際には、例えば、その都度必要に応じて実施結果(作業情報)を実行エビデンスとしてデータベースに登録する構成とし、作業を実施する際に既に実施済の作業がある場合には、ノウハウ等を参照することを可能とした。
【0015】
更に具体的には、本発明は、例えば、作業手順書の作業項目の作業を実施し、その運用状況を作業者側に通知する運用支援システムにおいて、前記作業手順書の作業項目を含むシナリオまたは前記作業手順書の作業項目と該作業項目の実施時間要素とを組み合わせたシナリオを、該シナリオに基づいて作業を実施するクライアントとサーバを備えたサービス提供者側の運用自動化支援装置に登録し、前記シナリオの作業項目の作業を実施するまたは前記シナリオの実施時間要素に従って前記作業項目の作業を実施する運用自動化支援システムであって、前記運用自動化支援装置により前記作業を実施したとき、その作業実施に伴う実行結果である実績情報を実行エビデンスとして登録するデータベースと、前記データベースの実績情報を、前記シナリオに対応付けして前記クライアントにて可視化可能とする手段と、を設けた運用自動化支援システムである。
【0016】
本発明は、例えば、運用現場の自動化支援環境にある運用自動化支援装置において、運用関係者からの作業手順書の情報を受け、該情報から複数の作業項目に分解する分解部と、 前記分解部にて分解された前記作業手順書の作業項目を含むシナリオを作成するまたは作業項目と該作業項目の実施時間要素とを組み合わせたシナリオを作成するシナリオ作成部と、 前記シナリオ作成部にて作成されたシナリオを登録する登録部と、前記登録部に登録された前記シナリオの前記作業項目を実行するまたは前記シナリオで設定された前記時間要素に基づいて前記シナリオの前記作業項目を実行する実行部と、前記実行部で実行された前記作業項目の運用状況を前記運用関係者に通知する通知部と、前記運用自動化支援装置により前記作業を実施したとき、その作業実施に伴う実行結果の実績情報を実行エビデンスとしてナリッジデータベースに登録する登録部と、前記データベースの実績情報を、前記シナリオに対応付けして前記関係者に通知する通知部と、を備えた運用自動化支援装置である。
【0017】
本発明は、例えば、作業手順書の作業項目の作業を実施し、その運用状況を作業者側に通知する運用支援方法において、前記作業手順書の作業項目を含むシナリオまたは前記作業手順書の作業項目と該作業項目の実施時間要素とを組み合わせたシナリオを、該シナリオに基づいて作業を実施するクライアントとサーバを備えたサービス提供者側の運用自動化支援装置に登録するステップと、前記シナリオの前記作業項目の作業を実施するまたは前記シナリオの実施時間要素に従って前記作業項目の作業を実施するステップと、前記運用自動化支援装置により前記作業を実施したとき、その作業実施に伴う実行結果の実績情報をデータベースに登録するステップと、前記データベースの実績情報を、前記シナリオに対応付けして前記クライアントにて可視化可能に表示するステップとを備えた運用自動化支援方法である。
【0018】
本発明は、例えば、運用自動化支援方法において、作業手順書の作業項目を含むシナリオを作成するまたは作業手順書の作業項目の作業と該作業の実施に関連する絶対時刻又は相対時刻とを含むシナリオを作成するステップと、前記シナリオの作業項目の作業を実施するまたは前記シナリオの前記時刻が到来したとき、該時刻に基づいて前記作業を実施するステップと、前記作業実施ステップの状況又は完了をサービス提供者側に通知するステップと、前記運用自動化支援装置により前記作業を実施したとき、その作業実施に伴う実行結果の実績情報をデータベースに登録するステップと、前記データベースの実績情報を、前記シナリオに対応付けして前記クライアントにて可視化可能に表示するステップを備えたことを特徴とするサービス提供環境における作業遂行のための運用自動化支援方法である。
【0019】
本発明は、例えば、作業手順書の作業項目の作業を実施し、その運用状況を作業者側に通知する運用支援システムにおいて、前記作業手順書の作業項目を含むシナリオまたは前記作業手順書の作業項目と該作業項目を実施する時間要素とを組み合わせたシナリオを、該シナリオに基づいて作業を実施するクライアントとサーバを備えたサービス提供者側の運用自動化支援装置に登録し、前記シナリオの作業を実施するまたは前記シナリオを実施する時間要素に従って前記作業項目の作業を実施する運用自動化支援システムにおけるサービスシナリオの遂行統制方式であって、前記運用自動化支援装置は、前記作業項目を、複数の関係部署または複数の関係作業者毎の作業シナリオ・レーンに展開する手段と、該複数の作業シナリオ・レーンに展開した各作業項目の繋がりをサービスシナリオとして、当該作業シナリオ・レーン間の相互インタラクションにて構成する手段と、当該サービスシナリオを構成する各作業項目に前記時間要素を組み込む手段と、前記時間要素を受け、各作業項目の進捗状態を確認する手段と、前記作業項目の運用状況を前記運用関係者に通知する手段と、前記運用自動化支援装置により前記作業を実施したとき、その作業実施に伴う実行結果の実績情報をデータベースに登録する手段と、前記データベースの実績情報を、前記シナリオに対応付けして前記クライアントにて可視化可能とする手段を設けた運用自動化支援システムにおけるサービスシナリオの遂行統制方式である。
【0020】
また、本発明は、例えば、作業手順書の作業項目の作業を実施し、その運用状況を作業者側に通知する運用支援システムにおいて、前記作業手順書の作業項目を含むシナリオまたは前記作業手順書の作業項目と該作業項目を実施する時間要素とを組み合わせたシナリオを、該シナリオに基づいて作業を実施するクライアントとサーバを備えたサービス提供者側の運用自動化支援装置に登録し、前記シナリオの作業を実施するまたは前記シナリオを実施する時間要素に従って前記作業項目の作業を実施する運用自動化支援システムにおけるサービスシナリオの遂行統制方式であって、前記運用自動化支援装置は、前記作業項目を、複数の関係部署または複数の関係作業者毎の作業シナリオ・レーンに展開する手段と、該複数の作業シナリオ・レーンに展開した各作業項目の繋がりをサービスシナリオとして、当該作業シナリオ・レーン間の相互インタラクションにて構成する手段と、当該サービスシナリオを構成する各作業項目に前記時間要素を組み込む手段と、前記時間要素を受け、各作業項目の進捗状態を確認する手段と、前記作業項目の運用状況を前記運用関係者に通知する手段と、前記運用自動化支援装置により前記作業を実施したとき、その作業実施に伴う実行結果の実績情報をナリッジデータベースに登録する手段と、前記データベースの実績情報を、前記シナリオに対応付けして前記クライアントにて可視化可能とする手段とを設けた運用自動化支援システムにおけるサービスシナリオの遂行統制装置である。
【0021】
本発明は、例えば、運用現場の自動化支援環境にある運用自動化支援装置を備えた運用自動化支援システムにおいて、運用関係者からの作業手順書の情報を受け、該情報から複数の作業項目に分解する分解部と、前記分解部にて分解された作業項目を含むシナリオを作成するまたは作業項目と該作業項目を実施する時間要素とを組み合わせたシナリオを作成するシナリオ作成部と、前記シナリオ作成部にて作成されたシナリオを登録する登録部と、前記登録部に登録された前記シナリオの前記作業項目を実行するまたは前記シナリオで設定された前記時間要素に基づいて前記シナリオの前記作業項目を実行する実行部と、 前記実行部で実行された前記作業項目の運用状況を前記運用関係者に通知する通知部と、 を備えた運用自動化支援装置におけるサービスシナリオの遂行統制装置であって、前記実行部は、前記作業項目を、複数の関係部署または複数の関係作業者毎の作業シナリオ・レーンに展開する手段と、該複数の作業シナリオ・レーンに展開した各作業項目の繋がりをサービスシナリオとして、当該作業シナリオ・レーン間の相互インタラクションにて構成する手段と、当該サービスシナリオを構成する各作業項目に前記時間要素を組み込む手段と、前記時間要素を受け、各作業項目の進捗状態を確認する手段と、前記運用自動化支援装置により前記作業を実施したとき、その作業実施に伴う実行結果の実績情報を実行エビデンスとして登録する手段と、該データベースの実績情報を、前記シナリオに対応付けして前記クライアントにて可視化可能とする手段とを設け、前記通知部は、前記作業項目の運用状況を前記運用関係者に通知する際に、前記各作業項目毎に組み込まれた時間要素を通知する手段を含む自動化支援システムにおけるサービスシナリオの遂行統制装置である。
【0022】
また、本発明は、例えば、作業手順書の作業項目の作業を実施し、その運用状況を作業者側に通知する運用自動化支援システムにおけるサービスシナリオの遂行統制方法であって、前記作業手順書の作業項目を含むシナリオまたは前記作業手順書の作業項目と該作業項目を実施する時間要素とを組み合わせたシナリオを、該シナリオに基づいて作業を実施するクライアントとサーバを備えたサービス提供者側の運用自動化支援装置に登録するステップと、前記シナリオの作業項目を実施するステップまたは前記シナリオを実施する時間要素に従って前記作業項目の作業を実施するステップと、前記作業項目を、複数の関係部署または複数の関係作業者毎の作業シナリオ・レーンに展開するステップと、該複数の作業シナリオ・レーンに展開した各作業項目の繋がりをサービスシナリオとして、当該作業シナリオ・レーン間の相互インタラクションにて構成するステップと、当該サービスシナリオを構成する各作業項目に前記時間要素を組み込むステップと、前記時間要素を受け、各作業項目の進捗状態を確認するステップと、前記運用自動化支援装置により前記作業を実施したとき、その都度必要に応じて、その作業実施に伴う実行結果の実績情報を、データベースに登録するステップと、前記データベースの実績情報を、前記シナリオに対応付けして前記クライアントにて可視化可能に表示するステップを設けた運用自動化支援システムにおけるサービスシナリオの遂行統制方法である。
【0023】
また、本発明は、例えば、運用自動化支援システムにおけるサービスシナリオの遂行統制方法において、作業手順書の作業項目を含むシナリオを作成するステップまたは作業手順書の作業項目の作業と該作業の実施に関連する時間要素である絶対時刻又は相対時刻とを含むシナリオを作成するステップと、前記シナリオの作業項目の作業を実施するステップまたは前記シナリオの前記時間要素の時刻が到来したとき、該時刻に基づいて前記作業を実施するステップと、前記作業実施ステップの状況又は完了をサービス提供者側に通知するステップと、前記シナリオを作成するステップは、前記作業項目を、複数の関係部署または複数の関係作業者毎の作業シナリオ・レーンに展開するステップと、該複数の作業シナリオ・レーンに展開した各作業項目の繋がりをサービスシナリオとして、当該作業シナリオ・レーン間の相互インタラクションにて構成するステップと、当該サービスシナリオを構成する各作業項目に前記時間要素を組み込むステップと、前記時間要素を受け、各作業項目の進捗状態を確認するステップを含み、前記通知するステップは、前記作業項目の運用状況を前記運用関係者に通知する際に、前記各作業項目毎に組み込まれた前記時間要素を通知するステップであり、更に、前記運用自動化支援装置により前記作業を実施したとき、その都度必要に応じて、その作業実施に伴う実行結果の実績情報をデータベースに登録するステップと、前記データベースの実績情報を、前記シナリオに対応付けして前記クライアントにて可視化可能に表示するステップを含む運用自動化支援システムにおけるサービスシナリオの遂行統制方法である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、従来の課題を是正することができ、運用現場(作業者)の作業を滞りなく実行させることが可能となり、運用現場の作業品質向上が図れ、作業工数の削減などがより図れる広義サービスの品質向上を達成することができる。
【0025】
また、従来属人的だった運用現場の作業(作業シナリオ)の遂行の確実性を保証するとともに、複数の関係者(部署あるいは作業者)での業務遂行が可能であり、関係者間での相互コミュニケーションの促進が図れ、関係者の作業ミスを防ぐことが可能であり、また関係者による作業の進捗がリアルタイムに確認(情報共有による見える化)でき、作業の遅延などの業務改善が容易に行うことができる。
【0026】
また更に、本発明によれば、サービスシナリオの一連の作業項目を実行し、遂行していく各段階(ステップ)において、サービスシナリオ(シナリオの情報)と、そのシナリオの各作業項目に対応して、作業結果(作業項目の作業遂行実績情報)のエビデンスを対応付け(紐付け)することにより、それらを、相互関係を参照しながら作業を遂行していくことが可能となり、当該サービスの作業効率や作業品質を高めることができる。
またサービスの初回実行のみならず、再実行においても、既に実行された先の実績にかかる情報を参照し利用することができ、より効率化が期待できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の運用の自動化支援環境の全体概要を示す図である。
【図2】シナリオ・オブジェクト群とオペレーションズ・コーディネータとアクション・ナビとの関係を示す構成要素イメージ図である。
【図3】シナリオ作成・編集画面イメージレイアウトの一例を示す図である。
【図4】オペレーションズ・コーディネータのイメージレイアウトの一例を示す図である。
【図5】サービス運用基盤ポータルのポータル画面の一例を示す図である。
【図6】オペレーションズ・コーディネータのシナリオ実行画面の一例を示す図である。
【図7】アクション・ナビのアクション・シーケンス実行画面の一例を示す図である。
【図8】本発明の一実施例を示す運用自動化支援システムの構成を示す図である。
【図9】運用自動化支援システムを構成するOCサーバを含む運用自動化支援装置の機能構成図である。
【図10】OCサーバを含む運用自動化支援装置の運用準備処理を示すフロー図である。
【図11】OCサーバを含む運用自動化支援装置の運用実行処理を示すフロー図である。
【図12】運用自動化支援装置とサービス提供者OCとサービス対象者(サービス対象者端末)間のシーケンスを示す図である。
【図13】運用自動化支援装置の作業項目と該作業項目の実施時期を示す時間要素(時刻)との関係及びサービス提供形態の一例を示す図である。
【図14】サービス手順書のシナリオパターン例を示す図である。
【図15】OCサーバを含む運用自動化支援装置におけるサービスシナリオの遂行統制方式の運用準備処理を示すフロー図である。
【図16】本発明の運用自動化支援装置とサービス提供者OCとサービス対象者(サービス対象者端末)間のシーケンスを示す図である。
【図17】運用体制と作業内容の環境設定を説明するための図であって、複数の作業シナリオ・レーンへのシナリオの展開例を示す図である。
【図18】シナリオオーサによるシナリオ作成(シナリオマスタ新規作成)時における複数の担当者への作業登録の例をシナリオオーサのOCクライアントの表示部に示す図である。
【図19】オペレーションズ・コーディネータのイメージレイアウトの一例を示す図である。
【図20】運用管理者によるスケジュール登録時におけるシナリオデータ担当割当の様子を運用管理者のOCクライアントの表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図21】運用管理者における作業スケジュールの当日の作業確認(作業一覧)を運用管理者のOCクライアントの表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図22】運用管理者及び担当者における作業スケジュールの当日の担当者の作業確認(作業詳細一覧)を管理者及び作業者のOCクライアントの表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図23】運用管理者のOCクライアントにより実行する画面である。
【図24】担当者のOCクライアントによりシナリオデータを実行する画面である。
【図25】アクション・シーケンスデータ実行画面である。
【図26】運用管理者のOCクライアントにより作業の実行結果(作業一覧)を確認する画面である。
【図27】作業の実行結果(作業詳細一覧)を確認する画面である。
【図28】OCサーバ(含OCソフトウェア/運用実行処理用プログラム)とOCクライアントとの接続関係及びOCクライアントによりシナリオの遂行(実施/実行)に伴う作業実績情報の、OCナリッジDB/(SKMS)への登録の様子を示す概略図である。
【図29】OC利用の流れ、つまり関係者毎の作業フローを示す図である。
【図30】OCナリッジDBに登録されたシナリオの進捗状況を示す図である。
【図31】OCナリッジDBに登録されたシナリオ情報を含むシナリオ群と作業遂行の実績情報を含む遂行エビデンス群との対応関係の一例を示した図である。
【図32】作業遂行の実績情報の例を示す図である。
【図33】シナリオを実行する前のOCクライアント21のシナリオデータ実行画面及びその一部であるAN展開をドリルダウンしたときの詳細な表示内容を示すアクション・シーケンスデータ実行画面の一例を示す図である。
【図34】シナリオを実行した後のOCクライアント21のシナリオデータ実行画面及びその一部であるAN展開をドリルダウンしたときの詳細な表示内容を示すアクション・シーケンスデータ実行画面の一例を示す図である。
【図35】OCサーバとOCクライアントからなるシステム構成・仕様/ハード及びソフト構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本出願人は、前述した課題に対し、先にIT運用システムにおいて、運用自動化支援機能を持たせた運用自動化支援装置を実現し、運用手順(作業手順)を自動化し、その運用状況を可視化可能に構成したシステム、方法などを提案している。
【0029】
すなわち、予め定義・予定された作業手順書をコンピュータ等、所謂情報処理システムに取り込み、一連の作業を構成する各作業(作業項目)の作業ステップと作業開始時間要素とを組み合わせ、各作業にかかるタイミングが生じた際に、システム側から作業員に働きかけて当該作業の開始を通知し、作業運用を遂行する運用自動化支援システム、方法などである。
【0030】
また、複数の作業者や部署からなるチームにて提供されるサービスについて、かかるタイミングが生じた際に、その関係者あるいは関係部署(以下チーム員)の作業チームに対して、当該作業の開始指示や遅延等の進捗状態が判る通知を行うなど、所謂作業チームに対する統制機能について実現する運用自動化支援システム、方法などである。
これらのシステム、方法の詳細は後述する。
【0031】
そして、係る本システムなどによれば、運用現場の作業品質の向上、作業工数の低減等が図れる効果が期待できる。
【0032】
一方、運用自動化支援システムにより作業を遂行する場合、新たな課題として、例えば現場にて一連のサービスシナリオに基づき作業を実施した場合、その実施に伴う実行結果を次の作業遂行に活かしたいとの要望があった。
この要望は、運用手順(作業手順)を自動化する運用自動化システムの実用化段階において、はじめて認識できた新しい課題である。
【0033】
例えば、サービス提供の各局面においては、次に行なうべき作業の内容が先の作業の結果を受けて変わるようなシナリオがある。
このような場合、例えば作業の実行結果に応じて次の作業の内容を適応させることが望まれる。この要望を実現するためには、シナリオとともに遂行エビデンスについてもチーム員(関係者)間での情報共有が充分になされていなければならない。
【0034】
しかし、従来技術には、このような課題の認識はなく、また、先に提案した運用自動化システムにおいても、この新しい課題に対する配慮は特になされていなかった。
【0035】
運用自動化支援システムにあっては、作業の手順、つまり作業シナリオは相互に理解されていても、そのシナリオに基づき、該シナリオの各作業項目を遂行した実行結果については、かかるシナリオとの有機的な連携性(例えばシナリオの進捗段階に応じて)を保ちながら情報共有等を実現することは、極めて重要な課題である。
本発明は、係る課題をも是正するものであり、以下、本発明の実施例について説明する。
【0036】
本発明は、運用自動化支援機能を有する運用自動化支援システムにおいて、運用手順(作業手順)を自動化し、その運用状況を可視化可能に構成し、かつ運用手順を自動化するに際して、一つまたは複数のシナリオ・レーン(作業レーン)、つまりサービス提供にかかる関係部署あるいは作業者毎に作業レーンを設け、それら相互に接続したサービスを構築し、各作業単位に時間管理を行い、その各作業単位の進捗状況に応じて予め定義・予定した手段により関係部署あるいは担当者に通知し得る仕組み構成とし、かつ作業を実施した際には、例えば、その都度必要に応じて実施結果(作業情報)を実行エビデンスとしてデータベースに登録する構成とし、作業を実施する際に既に実施済の作業がある場合には、ノウハウ等を参照することを可能とした運用自動化支援システム、方法などである。
【0037】
更に具体的には、本発明は、作業手順書の作業項目の作業を実施し、その運用状況を作業者側に通知する運用支援システムにおいて、前記作業手順書の作業項目を含むシナリオまたは前記作業手順書の作業項目と該作業項目の実施時間要素とを組み合わせたシナリオを、該シナリオに基づいて作業を実施するクライアントとサーバを備えたサービス提供者側の運用自動化支援装置に登録し、前記シナリオの作業項目の作業を実施するまたは前記シナリオの実施時間要素に従って前記作業項目の作業を実施する運用自動化支援システムであって、前記運用自動化支援装置により前記作業を実施したとき、その作業実施に伴う実行結果である実績情報を実行エビデンスとして登録するデータベースと、前記データベースの実績情報を、前記シナリオに対応付けして前記クライアントにて可視化可能とする手段と、を設けた運用自動化支援システムである。
【0038】
本発明において、複数の作業項目とその実施時期(時間要素)とを組み合わせたシナリオを実行する場合には、OCサーバは、シナリオ確立の段階においては、関係者(チーム員)毎にサービス提供上での作業レーンを設けて、サービスシナリオをそれら作業レーン間の相互インタラクションにて構成する。とともに、サービスシナリオを構成する各作業項目の作業を実行する各ステップに時間要素を組み込み、それに対する進捗状態がステップ毎に判るようにする。
【0039】
作業項目と実施時間要素とを組合せたシナリオを、コンピュータ等を含む情報システムのOCサーバに登録し、本システム(OCソフトウェア)からのナビゲーションに応じて作業を実施する。
【0040】
本システムは、その進捗状態に応じて予め定義したパターンに従って動作し、関係者(チーム員)にOCクライアントを介して当該サービスの実行・遂行にかかる各種の状態がどのような状態にあるか画面を通じて気付かせるようにする。
【0041】
関係者である作業者は、作業を実施した際には、その都度必要に応じて、その作業実施に伴う実行結果の実績情報(実行時に気付いた留意事項などの注意喚起情報を含む作業遂行実績情報)を前記シナリオの情報に対応付けして登録する。
【0042】
OCクライアントに作業を実施する際に、既に実施済の作業がある場合には、その作業遂行実績情報をノウハウ等として参照することができる。
【実施例1】
【0043】
以下、図1において、本発明に関する運用の自動化支援環境の全体概要の機能について説明する。図1は一人もしくは一部署だけでなされる作業で完結するサービス例を示すものである。
【0044】
本システムは、サービス基盤として、例えばオペレーションズ・コーディネータOC(Operations Coordinator)3、アクション・ナビAN(Action Navi)4、ツール群5を含み、これらは、以下の運用自動化支援機能を備えている。
【0045】
本環境では、運用にかかわる従来の「手順」をシナリオとアクション・シーケンスに落とし込み、予め定義したシナリオのストーリ上で各種ツールを標準的に組み合わせて、実作業の遂行を統一的に管理、展開するものである。
【0046】
これを実現するために、例えば、次の3層構造が採られる。すなわち、トップ画面である「ポータル」から下記の管理機構(構成モジュール)へ展開する。
(1)オペレーションズ・コーディネータOC:シナリオレベルの管理
(2)アクション・ナビAN:OCから展開されるアクション・シーケンスレベルの管理
(3)ツール:遠隔操作(OA)やアラートの発行等の各種収容と管理
更に、
(4)オペレーションズ・コーディネータOCの機能拡張:複数の作業レーンの設置及び作業の展開
【0047】
ここで、オペレーションズ・コーディネータOCは、運用手順(業務フロー)を管理し、ナビゲーションする仕組みとなっている。また、後述する運用手順の進捗状況の表示や作業開始/完了期限等をOC関係者(管理者や作業者等)に通知する機能を有している。運用手順はテンプレート化された部品(オブジェクトや矢印)を組み合わせて作成される。
【0048】
オペレーションズ・コーディネータOCのオペレーションズ・コーディネーションは、運用現場における手順書とITIL(ISO/IEC20000)ベースのマネジメントプロセスとをモデル化して統合するIT運用環境である。また、作業やコマンド投入など実行手順の起動・確認・測定や制御等を自動化支援することにより、IT運用プロセスのオペレーション効率・オペレーション品質を大幅に改善させるソフトウェアプラットフォームである。
【0049】
アクション・ナビANはオペレーションズ・コーディネータOCと連携し、オペレーションズ・コーディネータOCでの詳細作業手順を管理/ナビゲーションする仕組みとなっている。そして、運用支援ツール群、共通部品群を使用し処理を実行する。処理の実行状況を記録、進捗管理にも利用される。
【0050】
ツール群はオペレーションズ・コーディネータOCと連携して利用されるオペレーションズ・アシスタントOA(Operation Assistant)とその他ツールを含んでいる。オペレーションズ・アシスタントOAは遠隔操作を支援するツールで、準備された処理を実行する。
【0051】
また、オペレーションズ・コーディネータOCは、SDC(Service Desk Controller)6や各ツール5と連携し、操作履歴情報をナリッジDB(SKMS:Service Knowledge Management System)7に蓄積するために利用される。また、コマンドラインI/Fを追加し、コマンド実行部品としても利用される。その他のツールには、メール送信ツールやアラーム通報を行う通信手段や各種のデータ分析ツール、音声読み出しツール等が含まれている。
【0052】
運用自動化支援システムには、シナリオ作成・編集機能1やサービス運用基盤ポータル2も実装されている。
【0053】
ここで、シナリオ作成・編集機能とは、運用手順(業務フロー)や詳細作業手順を、後述するオペレーションズ・コーディネータOCやアクション・ナビAN上で動作するシナリオとして作成・編集する機能である。
【0054】
サービス運用基盤ポータルは作業予定や作業状況を管理する機能を有している。また、作業予定をカレンダーイメージでポータル画面(トップ画面)に表示する機能や、作業予定の詳細情報をSDC等所謂サービスデスクツールと連携する機能を含んでいる。予定表には、例えば担当者、作業日時、シナリオ等の予定が登録される。
【0055】
SDC6、SKMS7、共通基盤8は運用自動化支援システムと連携している。SDCはオペレーションズ・コーディネータOC、各ツールのオペレーションズ・アシスタントOAと連携し、運用/操作履歴をインデント情報と紐付け、情報蓄積を図る。
【0056】
ナリッジDBを構成するSKMSは運用手順やノウハウを蓄積するものである。その運用手順やノウハウはOC関係者により共有される。
【0057】
共通基盤は、ユーザ権限により使用できる機能を制御する機能、また作業開始時間要素(時刻)等を管理し、設定時刻、各種通報機能を起動する機能を有している。これらの機能の詳細は省略する。
【0058】
しかし、後述する本発明の運用自動化支援システム/装置についての理解を補助するため、図2〜図4を参照して、前記各機能の構成要素について簡単に説明する。
【0059】
シナリオ作成・編集には、図2に示す如く、シナリオ・オブジェクト群51が必要である。シナリオ・オブジェクト群は、例えば部品(開始、終了、分岐、繰り返し、コメント、承認、メール送信、ネストや、ANでの実施、参照、確認)等のシナリオ・オブジェクトから構成される。
ここで、シナリオとは、フローで表現される運用作業手順であり、作業の実施や承認、分岐、繰り返しなどを矢印でつなぎ合わせたものを意味する(図2、図4等参照)。
【0060】
シナリオは、オペレーションズ・コーディネータOCにて前記シナリオ・オブジェクトを組み合わせて作成する。例えば図3に示す如く、アイコン群51から必要なアイコン、つまりシナリオ・オブジェクトである部品をドラッグ&ドロップし、これらを組み合わせてシナリオ・フローを作成する。
このドラッグ&ドロップはOC関係者(管理者や作業者あるいはシナリオオーサ)によりなされる。
【0061】
シナリオ・オブジェクトとは、シナリオの構成要素のことである。図3において、このシナリオのシナリオ・オブジェクト51をクリックすると、アクション・ナビANが起動し、図2に示すようなアクションを含むアクション・シーケンス53が画面表示される。
アクションとは、アクション・ナビANに記述されているそれぞれの行54を指し、主に詳細作業手順が記述されたものである。アクション・シーケンスとは、実施する作業手順に記述されたアクションの集合体である。
【実施例2】
【0062】
前記実施例1では、サービスシナリオは、一つの作業部署あるいは一人の作業者により実行することを前提とした説明となっているが、本実施例では、複数の作業シナリオ・レーン(以下、作業レーンと称する)を設けて、当該サービスシナリオを実現する一連の作業項目あるいはタスクの繋がり(以下、サービスシナリオと称する)をそれぞれ作業レーン間の相互インタラクションにて構成する。詳細は後述する。
【0063】
また、シナリオ作成・編集の機能要件としては、例えば画面構成、GUI(Graphical User Interface)、設定項目、部品化、承認、印刷、検索等を可能とする機能要件が含まれる。前記画面構成には、例えば一連のオペレーションをシナリオとし、フローチャート風に表示する機能が含まれる。GUIには、シナリオ・オブジェクトをドラッグ&ドロップすることで簡単にシナリオを作成、変更する機能が含まれる。
前記設定項目には、シナリオ・オブジェクトに作業開始予定時刻、作業完了期限を設定可能とする機能が含まれる。前記部品化には、作成済みアクション・シーケンスをシナリオ・オブジェクトとすることを可能とする機能が含まれる。
これらについては本発明に直接関係しないので、これ以上の詳細説明は省略する。
【0064】
ポータルの機能要件としては、例えば作業状況管理、検索、緊急連絡・お知らせ、I/F等の機能要件が含まれている。前記作業状況管理には、案件とその予定(担当者、作業日時)一覧、リアルタイムで実行状況等を表示する機能要件が含まれる。トップ画面であるポータル画面では、主に作業予定の一覧表示と、各作業シナリオの呼び出し制御を行う。
【0065】
オペレーションズ・コーディネータOCの機能要件としては、画面構成、実行、フロー制御、GUI、I/F(アクション・ナビANやツール群等を呼び出す)等の機能要件が含まれている。
前記実行には、前記シナリオに従った運用を支援(シナリオで設定された順序でシナリオ・オブジェクトを制御)する機能要件が含まれる。
【0066】
図4はオペレーションズ・コーディネータOCのイメージレイアウトを示す図である。同図において、シナリオ(アカウント登録)を前述したようにフローチャート風(シナリオ・フロー61)に表現し、そのシナリオ・オブジェクトの進捗状況(未実施、作業中、完了等)が分かるように表示(可視化)する。
これにより、運用上の操作ミスを防止することが可能となる。表示の仕方としては、例えばシナリオ・オブジェクトの色を変えたり、運用状況を説明する文字を表記すると良い。
また、3次元表記でも良い。要するに、OCクライアントの作業者が容易に気付くような表示する手段が望ましい。場合によっては、音声による報知を含めても良い。以下に説明する表示の仕方も同様である。
【0067】
ここで、シナリオ・オブジェクト(例えば、図4のユーザID登録)をクリックすると、前述したアクション・ナビANが起動する。
これにより、その進捗状況(アクション・シーケンス)の詳細を画面表示(図2参照)する。
【0068】
アクション・ナビANの機能要件としては、画面構成、実行、フロー制御、GUI、I/F等の機能要件が含まれている。
前記実行には、アクション・シーケンスに従った詳細作業手順の実行を支援する機能要件が含まれる。
【0069】
次に、図5〜図7を参照して、ポータル画面とシナリオ実行画面とアクション・シーケンス実行画面との関係について説明する。
【0070】
図5はOCクライアントのポータル画面の一例を示す図、図6はシナリオ実行画面の一例を示す図、図7はアクション・シーケンス実行画面の一例を示す図である。
【0071】
図5において、OCクライアントのポータル画面71には、作業一覧720とOC案件730等の項目が表示される。
作業一覧720には、例えば作業ID711、作業内容712、作業責任者713、作業開始予定714、作業終了期限715、シナリオ717、実行画面718、ステータス719等の項目欄が表示され、これらの項目欄にそれぞれの情報が表示される。
作業一覧730には、例えば作業ID731、作業内容732、作業予定割当733、作業開始予定734、作業終了期限735、作業実施担当736、作業開始実績737、作業終了実績738、予定739、実行画面718、ステータス719等の項目欄が表示され、これらの項目欄にはそれぞれの情報が表示される。
【0072】
なお、図5では、作業一覧720と作業一覧730とを同図上で表現しているが、これは、二層構成となっており、例えば作業一覧720の「OC案件:新規登録」の作業ID711や作業内容712等を、周知方法でクリックすることにより、作業一覧730の「OC案件:新規登録」に関する詳細情報の画面が表示されるようになっている。
【0073】
ここで、ポータル画面71の実行画面718の「起動」を操作、つまりポータルの起動ボタンを操作すると、ポータル画面71の下層レイヤーのシナリオ実行画面(図6参照)が表示される。
図6に示すシナリオ実行画面50には、前述した如く、複数のシナリオ・オブジェクトと矢印との組合せからなるシナリオ・フロー52が表示される。この画面により、運用状況を確認することが可能となる。
【0074】
図6のシナリオ実行画面50において、その所望のシナリオ・オブジェクト(実施可部分)を周知方法によりダブルクリックすると、シナリオ実行画面の下層レイヤーのアクション・シーケンス実行画面(図7参照)を表示する。
【0075】
アクション・シーケンス実行画面810には、例えば、図示する如く、作業名称811、作業内容詳細812、ステータス813、備考814、担当者815、実行時刻817、資料818等の項目欄が表示される。
この表示画面によりアクション・シーケンス実行状況を確認することができる。
【0076】
図7のアクション・シーケンス実行画面810において、実作業実施に従って各アクションのステータス813を選択すると、図6のシナリオ実行画面に戻る。
ここで、アクション・ナビANでのステータスを取得し、図6のシナリオ実行画面のフロー上に進捗を色と文言で表示することにより、より確実に運用状況を確認することが可能となる。
【0077】
例えば、シナリオ・オブジェクトが完了した部分は、該シナリオ・オブジェクトのアイコンを、黒色の枠で囲むとともに該アイコンに対応する位置に「完了」と表示する。
実施中部分は緑色の枠で囲み、「実施中」と表示し、実施可能部分は黄色の枠で囲み、「実施可能」と表示し、遅延部分は赤色の枠で囲み、「遅延」と表示し、分岐により処理不要部分はグレーの枠で囲み、「分岐により処理不要」と表示し、未実施部分は枠無しとし、「未実施」と表示する。これらの表示により進捗状態を確認できる。
【0078】
次に、本発明の本質的な部分となる、オペレーションズ・コーディネーション(OC)−自動化支援環境を構成するシステムの構成、動作について説明する。
【0079】
図8は本発明の一適用例を示すシステム図であって、オペレーションズ・コーディネーション(OC)−自動化支援環境を構成するシステム図である。
【0080】
同図において、10はOCを活用して運用サービスを実現する、例えば作業者、作業管理者、作業手順書作成者(シナリオオーサ)、あるいはお客様等のOC関係者である。
【0081】
20はOC―自動化支援環境を構成する運用自動化支援装置を示し、該装置は作業手順書の作業を後述するシナリオに基づいて(シナリオ/フローにしたがって)実施するものである。
また、該装置はOCクライアント21とOCサーバ22とSKMS(Service Knowledge Management System)/DB(Data Base)23とこれらを結合するネットワーク24、例えばLANやWAN等から構成されている。
【0082】
図9において、OCクライアント21はOC関係者により操作される情報処理装置であり、例えばキーボードなどの入力部211、処理部212、表示部(ビューアー)部213等を備えたパーソナルコンピュータから構成されている。
【0083】
OCサーバ22は図10、図11に示す如く、運用準備・運用を実行するプログラムを処理する処理部220と、該処理部で作成されたシナリオ等を登録する登録部223を備えている。
【0084】
処理部220は運用手順書(サービス手順書)の運用手順を準備するための運用準備部221と、該運用準備部で準備された運用を実行する運用実行部222を含んでいる。
【0085】
運用準備部221は運用手順書の情報からシナリオを作成する機能や編集機能を有している。シナリオとは、前述したようにフローで表現される運用作業手順を意味する。
運用実行部222は運用状況をOCクライアント21の表示部213に表示させる機能を有している。この表示機能は汎用技術で実現可能である。SKMS/DB23には運用手順書、例えばサービス手順情報が登録されている。
【0086】
運用自動化支援装置20はOCサーバ22、OCクライアント21、SKMS/DB23と連携して、作業を実施するための後述するシナリオ(サービスシナリオ)を作成し、該シナリオとともに作業を実施するサービス提供者/OC関係者(例えば現場作業者)のマシン(OCクライアント21)に表示/登録する機能を有している。
【0087】
また、シナリオは作業項目と該作業項目の作業実施時期(タイミング)を決める時間要素、例えば時刻との組合せ情報を含む。この時刻情報は運用準備処理において運用準備者(シナリオオーサ)により決められる。
【0088】
シナリオは、OC関係者によって前記OCクライアント21を操作することにより作成されるものであるが、このシナリオ作成に際しては、従来ある紙ベースの作業手順書、あるいは先に登録されSKMS/DB23に格納されている手順を流用して作成される。
このシナリオ作成は、例えば、シナリオ作成のためのシナリオ作成/編集機能を有した後述する運用準備部にて実行される。実施例では、この運用準備部をOCサーバに設けているが、この場合には、複数のOCクライアントで共用化できる特長がある。
運用準備部はOCクライアントに設けても良いが、この場合には、OCクライアント側にそれぞれ設ける必要があり、経済的に不利となる。したがって、望ましくはOCサーバ側に設けると良い。
【0089】
運用自動化支援装置20のOCサーバ22には、例えばSKMS/DB23に登録された運用手順書(サービス手順書)に基づき作成された作業項目(AAAAA、BBBBB、・・・KKKKK)と該作業項目の作業を実施する実施時間要素(例えば時刻t1、t2、・・・tn)とを組み合わせたシナリオ(サービスシナリオ)が登録される。
すなわち、SKMS/DB23に登録された運用手順書(作業手順書)に基づき作成された作業項目(AAAAA、BBBBB、・・・KKKKK)と該作業項目の作業を実施する実施時期を示す時間要素(時刻t1、t2・・・tn)とを組み合わせたシナリオ(サービスシナリオ)がOCサーバ22の登録部223に登録される。
このシナリオは複数のシナリオによりシナリオ群211(図12〜図14参照)となる。
【0090】
OC―自動化支援環境を構成する運用自動化支援装置20のOCサーバ22は前記シナリオに基づく作業項目の作業を実行する。
これは、例えば前述したアクション・ナビANと連携して行うと良い。アクション・ナビANは各作業のステータス管理、作業終了期限をアラート通知、繰返し操作・コマンド実行等の機能を備えている。
また、前述したアクション・ナビANと連携することにより、運用状況の詳細を管理、表示(図5〜図7参照)することも可能である。
【0091】
作業を実行すると、その運用状況(進捗状況)をサービス提供者OCのOCクライアント21に、例えば前述したツール群5のメール送信ツールや通報機能等と連携して通知する。
ここで、進捗情報(未実施、作業中、完了等)はOCクライアント21の表示部213のシナリオ画面に多彩に色表現すると良い。
また、これにより、手順の可視化が容易となり、一目で状況を把握することが可能である。
【0092】
また、前述した遠隔操作を支援するオペレーション・アシスタントOA(ツール)と連携し、前述した処理や実行を処理すると良い。この場合、前述したSDCやツールとの連携により、操作履歴情報等をSKMSに保存することが可能である。
【0093】
また、前述した共通基盤との連携により、使用できる機能を制御したり、作業開始時刻等を管理し、設定時刻、各種通報機能を起動させることが可能である。
【0094】
この通知を受けたサービス提供者はOC環境にあるサービス対象(IT環境/非IT環境)に対してオペレーションを実行する。その結果として、サービス提供者(サービス提供現場)からサービス対象側への適切なオペレーションが可能となる。
【0095】
次に、図10〜図12を参照して前述した運用自動化支援装置の動作、及び該支援装置とサービス提供者とサービス対象間のシーケンスについて説明する。
図10は運用自動化支援装置の運用準備処理フロー、図11は運用実行処理フロー、図12は各装置間のシーケンスを示す図である。
【0096】
運用準備部221は図10に示す運用準備処理フローを含むプログラムを備えており、該プログラムに基づいて運用準備を実行する。
なお、本実施例では、運用準備部をOCサーバ側に設け、該運用準備部で運用状況をOCクライアントの表示部に表示する機能まで実行させているが、この部分は別途運用状況表示実行部を設け、該実行部にて運用表示機能を制御するようにしても良い。
【0097】
すなわち、図10において、OC活用者により運用準備をスタートすると(ステップS2211)、まず登録部23の運用手順書を準備する(ステップS2212)。
【0098】
次に運用手順書の作業ステップに分解する(ステップS2213)。ここで、作業ステップ(作業項目)に分解するとは、図13、図14に示す如く、作業項目(AAAAA、BBBBB、・・・KKKKK)毎に分け、各作業項目を時間軸に沿って作業が順次できるようにすることを意味する。
【0099】
次いで、分解した作業項目(AAAAA、BBBBB、・・・KKKKK)毎に作業を開始する時間要素(時刻t1、t2、・・・tn)を対応付けし、作業と時間要素(時刻)の組合せからなるシナリオ(サービスシナリオ)を作成する(ステップS2214)。
ここで、作業ステップへの分解やサービスシナリオの作成は、サービス手順登録データベースであるSKMS/DB32と連携し、例えば作業単位に定義したアイコンベースにて行う。
【0100】
つまり、前述したように作業単位に予め定義したアイコン(シナリオオブジェクト群)をドラッグ&ドロップすることにより、プログラミングレスで一連の作業シナリオを作成する。
このとき、作業項目(AAAAA、BBBBB、・・・KKKKK)毎に作業を開始する時間要素、例えば時刻(t1、t2、・・・tn)を対応付けする(作業と時刻とを組み合わせる)ことで適切な時刻に当該作業の実施を運用自動化支援装置20に促すことが可能となる。
この時刻は絶対時刻あるいは相対時刻でも良い。前記実施例の時刻は絶対時刻であるが、該絶対時刻の代わりに前のステップ(例えば作業ステップ分解)からの経過時間等相対的な時刻、つまり相対時刻としても良い。
要するに、前記時刻をトリガーに前記作業ステップの運用が実行されるように構成してあれば良い。
【0101】
前記運用準備処理フローにおいて、図15及び図16に示す如く、ステップS2114の後5との間に、複数の関係部署あるいは複数の作業者で実行することを前提として、各関係部署あるいは各作業者との対応を明確化し、シナリオを作り込む(ステップS2217)。このステップはステップS2214のとき、ともに実行しても良い。詳細は後述する。
【0102】
最後に前記シナリオを登録部223に登録して運用を開始する準備に入る(ステップS2215)。
【0103】
運用実行部222は図11に示す運用実行処理フローを含むプログラムを備えており、該プログラムに基づいて運用開始を実行する。
【0104】
すなわち、図11において、運用がスタート(ステップS2221)し、作業の開始時刻が到来すると、例えば作業項目AAAAAの作業に対応付けされた時刻t1が到来すると、アラームを上げる(ステップS2222)。
このとき、例えば、前述したルールのアラーム通報を行う通信手段によりアラームがOCクライアント側に通知され、OCクライアントの表示部の画面に表記される。
このアラームに基づいて運用自動化支援装置20は現場のサービス提供者と連携して当該作業項目AAAAAの作業を実施する(ステップS2223)。このとき、OCクライアントの作業者により実行され、登録申請されたシナリオの作業結果である作業実績情報をエビデンスとしてナリッジDB23に登録する(図12参照)。この作業実績情報の登録については後述する。
ここで、各作業ステップの実行に応じて、サービス提供者OC(OCクライアント21)の表示部213のOCシナリオ画面の背景色やステータス表示を前述したように反映させる。
これによって、サービス提供者(作業者)による進捗状況の把握を容易にすることが可能である。
【0105】
これによって、サービス提供者(作業者)による作業ステップの忘れや一部作業ステップのバイパス、あるいはチェック漏れ等を無くすことが可能である。
【0106】
この作業ステップが完了すると、作業完了ステップを表記する。この表記はOC関係者(OCクライアント21)に対して行い(ステップS2224)、一つの作業を終了させる(ステップS2225)。
ここで、作業ステップ完了表記は色を変えるなどしてサービス提供者OCに見やすく可視化すると良い。
【0107】
次に作業項目BBBBBの作業があれば、その開始時刻t2が到来するまで待機する(ステップS2226)。以下、同様な処理ステップを繰り返す。
【0108】
図14はOC関係者であるサービス提供現場の作業者(OCクライアント)とOC−運用自動化支援装置(OCサーバ)のオペレーションコーディネータとの連携によるシナリオ例(新規アカウント登録)とシナリオパターンの一具体例を示す図である。
【0109】
同図において、プログラミングレスでシナリオを作成し、該シナリオに基づくシナリオ・フローでもってアカウント登録作業、アカウント登録作業完了報告メール送信(作業遅延のアラーム通知)、アカウント登録承認を行う。このシナリオを作成する方法として前述した作業単位に定義したアイコンベースにて行うと良い。
これにより、プログラミングレスで一連の作業シナリオを作成することが可能である。
【0110】
シナリオパターン211は以下の情報を有している。すなわち、順序を示す情報211a、作業内容を示す情報211b、担当者情報211c、実施時期を示す情報211dである。
担当者情報とは当該作業を実施する作業担当者を示し、実施時期情報とは図3で示した作業項目(AAAAA、BBBBB、・・・KKKKK)に対応した時刻情報(t1、t2、・・・tn)である。作業内容は、例えば申請受付、○○より承認取得、○○部署に承認依頼、○○部署より承認受領、受付に連絡、申請書に連絡等々であって、これらに限られるものではない。
【0111】
以前述べた実施例によれば、複数案件に対応中の場合であっても、誤操作、お客様への連絡漏れ、次の作業への開始遅れ等が解消可能となる。
また、当日のみの連絡先変更など、イレギュラーな運用を間違いなく実施する手順が複雑になっても対応可能である。更に詳述すれば、以下のようなことが期待できる。
【0112】
(1)誤操作・連絡漏れ・確認漏れ・誤送信・誤添付などの作業ミスの防止
(2)操作実績・成功事例等の参照・有効ツールの標準的活用による作業品質の向上
(3)グルーピングやスケジュール設定による、繰り返し作業や単純作業の負担軽減
(4)事前定義アクションの展開をベースにした、属人的対応の極力排除
(5)作業手順書のペーバーレス化・テンプレート化による作業手順の自動的カスタマイズ
(6)標準テンプレート・アイコンのドラッグ&ドロップによりシナリオ作成の容易化
(7)アクション起動アラートの自動化による、関係者間の調整、作業矛盾発生の防止
(8)オペレーション進捗の可視化による状況把握の容易化
(9)ナリッジDBと検索エンジンとの組合せSKMSによる成功事例・履歴の有効活用
(10)従来サービス基盤「IT運用監視MS/ES(Enterprise Support):SDC等」連携による既存サービスの品質向上・作業工数削減
【0113】
次に、前記実施例に前述したシナリオ作り込み処理を追加した実施例について説明する。すなわち、本実施例は運用手順をシステム上にて支援するためのソフトウェアを備えたオペレーションズ・コーディネータOCを使用し、オペレーションプロセスの効率、品質を向上させるものであるが、更に以下の機能、つまりシナリオ作成に際して、複数の部署あるいは複数の作業者に割り振る機能を設けることにより、より効率化が図れる。
【0114】
まず、オペレーションズ・コーディネータOC利用の流れについて、繰り返し概略説明すれば、シナリオオーサは、OCクライアントにより運用手順をもとにシナリオ(業務フロー)を作成し、OCサーバに登録し、運用管理者の承認を得る。
【0115】
運用管理者は、OCクライアントによりOCサーバに登録されたシナリオの承認(使用許可)を得るとともに、作業登録(作業予定を登録)、使用するシナリオの選択及び作業担当者の割当てを行う。また、担当者への作業開始指示をする。
【0116】
OCサーバは作業担当者に対して作業予定の通知を行い、作業者はOCクライアントにより、シナリオの作業予定、つまり自分の作業予定の内容を確認し、該シナリオに沿って作業を開始、実行し、また終了時にはその旨をOCサーバに登録する。
【0117】
これにより、運用管理者は作業者の作業進捗を管理することにより、作業実行進捗を管理することができる。また一般ユーザはOCクライアントにより作業状況の確認が可能となる。
【0118】
ここで、作業担当者あるいは作業部署への作業割当てを行うに際して、複数の作業者や部署からなるチームにて提供できれば、よりよいサービス向上を図ることができる。本発明は、係る課題に鑑みなされたものである。以下、その詳細について説明する。
【0119】
まず、そのための環境設定について説明する。申請者(ユーザ)からの新規登録依頼を受付窓口(申請受付け業務担当者A)−情報技術部(ID登録サービス作業シナリオ運用担当者B)−特定の作業チーム(AD登録作業担当者C)の手順により、一つのサービスシナリオを実行する例を想定する。
この場合、各担当者の上位には、運用管理者(OCクライアント)が位置する。
【0120】
運用管理者はOCクライアントにより、例えば複数の担当者A(受付窓口)、担当者B(情報技術部)、担当者C(作業チーム)毎にシナリオ(業務フロー)を割り当てる。
【0121】
図17は、運用体制と作業内容(環境設定)を模式的に示し、運用管理者と複数の担当者A、B、Cとの関係及び各担当者への作業の割り当て状況を示す図である。
例えば、担当者AのOCクライアント1712には、申請者となるユーザのOCクライアント1711からの新規登録依頼を受け付け、担当者BのOCクライアント1712へ申請及び新規登録完了をユーザのOCクライアント1711に通知する業務(受付窓口、登録完了連絡など)の業務を割り当てる。担当者BのOCクライアント1713には、担当者AのOCクライアント1711からの申請を受け、登録先セキュリティグループ名称決定し、担当者CのOCクライアント1714へ作業実施依頼及び担当者AのOCクライアント1711に対して接続確認の業務を割り当てる。
担当者CのOCクライアント1714には、担当者BのOCクライアント1713からの作業実施依頼を受けてユーザIDの新規登録、作業実施及び作業完了通知を担当者BのOCクライアント1713に通知する業務を割り当てる。
これらの割当業務は、ユーザ、管理者及び利用者A、B、Cの各OCクライアント1712〜1714を介して実施される。
【0122】
次に、図18を参照してシナリオオーサによるシナリオ作成について説明する。
シナリオ作成は、基本的には、前述した方法(図3〜図5参照)により、OCオブジェクト・アイコンのドラッグ及びドロップでサービスシナリオを組み立てて作成されるが、本発明では複数の作業部署あるいは複数の作業者毎の作業シナリオ・レーン(作業レーン)を設け、各作業レーンに各作業項目の作業を割り当てる。それらの作業割り当てに際しては、当該サービスを実現する一連の作業項目(あるいはタスク)の繋がり(サービスシナリオ)を作業レーン間の相互インタラクション(interaction)にて構成する。
サービスを実現する一連の作業項目(あるいはタスク)の繋がり(サービスシナリオ)を作業レーン間の相互インタラクションにて構成することは、周知技術により実現可能であるので、その詳細説明は省略する。
【0123】
また、サービスシナリオを構成する各作業項目のステップ毎に時間要素を組み込み、その進捗状態がステップ毎に判るようにするとともに、その進捗状態に応じて予め定義したパターンに従って表示・動作させる。
【0124】
進捗状態とは、例えば次に実施すべき作業であることや、現在実施中、実施完了、遅延、バイパス等の作業進捗度合いを示すものである。
各ステップの進捗状態については、チーム員の気付きをより効果的に実現するため、進捗状態の表示に際しては、それぞれに赤や緑等の色を割り当てる。あるいはブリンク等にて視覚的に判りやすくする。またメールや電話、テキスト読出しなど各種音声発生装置等と連携すると良い。
【0125】
以下、その一具体例について説明する。図17は、シナリオの複数の部署あるいは複数の担当者への割当ての一形態例を示す図である。
同図において、本例では、シナリオ・オブジェクト1812のライン18122をもって3つの部署(オンサイト肥後橋14F部署、A社(情技部)、A社(運用部))に区別し、これらの部署には、目的に合わせてシナリオ・オブジェクトを割当てたものである。
各部署に割当てたシナリオの繋ぎはシナリオ・オブジェクトの矢印18121をもって行う。
【0126】
図18及び図19は、本発明におけるシナリオオーサによるシナリオ作成、複数の担当者への作業登録の例を示す図である。
シナリオオーサのOCクライアントのシナリオマスタ新規作成の画面1811には、シナリオを作成するための各種のシナリオ・オブジェクト1812が用意されている。
例えば、図示の如く、選択、矢印、ライン、テキスト、開始、終了、条件分岐、AN展開(実施)、繰り返し(開始)、繰り返し(終了)、平行作業(開始)、平行作業(終了)、承認、AN展開(確認)、AN展開(連絡)、AN展開(連絡)などである。矢印は、相互インタラクション構成に基づき各作業者における作業項目の繋がり及び処理手順を示している。
【0127】
そして、これらのシナリオ・オブジェクト1812は、OCクライアント21上でシナリオオーサにより選択される。
この選択は、図3〜図5で説明したようにシナリオ・オブジェクトのアイコンを目的に合わせてドラッグ及びドロップにより実行される。
これら選択されたシナリオ・オブジェクトの繋がりにより一つのシナリオが作成される。
本例では、まず3つのテキストエリア(テキストエリア1、テキストエリア2、テキストエリア3)に分け、テキストエリア1は、例えば担当者A、テキストエリア2は、担当者B、テキストエリア3は、担当者Cに割り振る。シナリオオーサは、OCクライアント21上でナリオ・オブジェクト1812の中から所望のアイコンを選択し、該選択アイコンを、登録すべき各テキストエリアにドラッグ及びドロップし、一連のサービスシナリオを作成し、また各エリアのアイコンで示す作業を担当する各作業者への作業登録を行う。
この作業登録は、コミュニケーションズ・コーディネータOCのOCサーバ22側に登録される。
【0128】
このとき、シナリオ・オブジェクト(シナリオデータ)担当者割当時にスケジュール登録する。
例えば図20に示す如く、開始を示すアイコン(データ)18121の中に担当者割り当て情報2011として、シナリオ・オブジェクト名開始情報の「担当者:マネージャ」20111、作業概要情報「開始予定日時、終了期限日時」20112や担当割当時コメント情報20113などを設定しておくことによりなされる。
【0129】
このスケジュール登録は、図21に示す運用管理者のOCクライアントのディスプレイ(表示画面)により確認する。
すなわち、この表示画面により、当日の作業確認が可能な作業スケジュールの確認(作業一覧)を行うことができる。
【0130】
作業スケジュールの作業一覧としては、図示の如く、例えば作業ID2111、作業名2112、作業責任者2113、作業開始予定2114、作業終了期限2115、ステータス2116などがあり、これらに関する情報を図示の如く表示することにより、作業ID(OCWI0000000271)、作業名(OCV1への適用)、作業責任者(マネージャ)作業開始予定(2010/10/22 13:00)、作業終了期限(2010/10/22 13:30)、ステータス(未実行)などの各内容を確認することができる。
【0131】
また、図22に示す運用管理者及び作業担当者のOCクライアントの表示部(表示画面)で、当日の担当者の作業確認が可能な作業スケジュールの確認(作業詳細一覧)を行うことができる。
【0132】
作業スケジュールの作業詳細一覧としては、図示の如く、例えば作業ID、シナリオ・オブジェクト名2212、担当者、開始予定、終了期限、開始実績2217、開始終了2218、ステータスなどがある。
これらに関する情報を図示の如く表示することにより、作業ID(OCWI0000000271)、シナリオ・オブジェクト名(ID登録サービス作業シナリオ−新規登録他)、担当者(マネージャ、担当者A他)、開始日時(2010/10/22 13:00他)、開始実績、終了実績、ステータス(未実行)などの各内容を確認することができる。
【0133】
図26は、作業スケジュール(作業一覧)を運用管理者のOCクライアントのディスプレイに示す表示画面の一例であり、運用管理者のOCクライアントにより作業の実行結果(作業一覧)を確認する画面である。
図27は作業スケジュール(作業詳細一覧)を運用管理者及び作業者のOCクライアントの表示部に示す表示画面の一例であり、作業の実行結果(作業詳細一覧)を確認する画面である。
【0134】
図26において、作業一覧として、作業ID、作業名、作業責任者、ユーザグループ、作業責任者未設定、作業開始予定日付、作業終了期限日付、ステータスがあり、これらに関する情報を図示の如く、表示することにより、作業ID(OCWI0000000271)、作業名(OCV1への適用例)、作業責任者(マネージャ)、作業開始予定(2010/10/22 13:00)、作業終了予定(2010/10/22 13:30)、ステータス(完了)の内容を確認することができる。
【0135】
図27において、作業詳細一覧としては、選択、作業ID、シナリオ・オブジェクト名、担当者、開始予定、終了期限、開始実績、終了実績、ステータスなどである。これらに関する情報を図示の如く、表示することにより、同様に作業ID(OCWI0000000271)、シナリオ・オブジェクト名(開始)、担当者(マネージャ)、開始予定(2010/10/22 13:00)、終了期限(2010/10/22 13:30)、開始実績、終了実績、ステータス(完了)の内容を確認することができる。
本例では、シナリオ・オブジェクト名として、「開始」、「ID登録サービス作業シナリオ−新規登録依頼」、「ID登録サービス作業シナリオ−申請受付」、「ID登録サービス作業シナリオ−変更申請」、「ID登録サービス作業シナリオ−グループ名称決定」、「ID登録サービス作業シナリオ−作業実施依頼」とし、それらの担当者として「マネージャ」、「マネージャ」、「担当者A」、「担当者A」、「担当者B」、「担当者C」としている。
【0136】
これらの画面により、作業ID、作業名、作業責任者、作業開始予定、作業終了期限、ステータスや作業ID、シナリオ・オブジェクト名、担当者、開始予定、終了期限、開始実績、終了実績、ステータスの確認ができ、とりわけステータスにて「完了」なっていることを確認できる。
【0137】
図23は、前述した作成シナリオを運用管理者のOCクライアントにより実行する画面であり、シナリオ・オブジェクト名が「開始」、担当者が「マネージャ」、「実行可」にあり、開始予定が「2010/10/22 13:00」、終了期限が「2010/10/22 13:30」である例を示している。
【0138】
同図において、オブジェクト18121の「開始」を選択し、「反映」をクリックし、「設定」をクリックすることにより、開始する。このとき、開始を示すアイコンの枠やアイコンの色を、色分けすることにより、その状況を確認することが可能である。
例えば、黒枠の場合には、完了又はスキップを示し、橙枠の場合には、実行可能を示し、赤色は遅延、緑色は実行中、青色は中止などのように視覚的に表示する。
【0139】
図24は、担当者のOCクライアントによりシナリオデータを実行する画面であり、シナリオ・オブジェクト名が「開始」、担当者が「マネージャ」のシナリオが「完了」した後の次のステップ、つまりシナリオ・オブジェクト名が「ID登録サービス作業シナリオ−申請受付」、担当者が「担当者A」、「未実行」、開始予定が「2010/10/22 14:00」、終了期限が「2010/10/22 14:30」に移った状態を示すアクション・シーケンスデータ実行画面例を示している。
同図において、「ステータス」の「実行中」をセットし、「開始終了日時」を設定し、「設定」釦をクリックし、シナリオ・オブジェクト名を実行する。
【0140】
シナリオを完了した場合には、例えば図25に示すアクション・シーケンスデータ実行画面において、「ステータス」を「完了」とし、「開始終了日時」をセットし、「設定」釦をクリックし、アクション・シーケンス名「ID登録サービス作業シナリオ−申請受付」のシナリオを完了とする。
作業の実行結果(作業一覧及び作業詳細一覧)は、運用管理者のOCクライアントにより、図26及び図27に示す画面において、ステータスの内容をもって確認することができる。のための画面である。
【0141】
以前述べたように、本発明は運用自動化支援装置20を基本とし、該装置の処理(図15、図16のステップS2117)にて、関係部署の対応を明確化し、シナリオを作り込んだものである。
【0142】
すなわち、本発明では、該ステップS2117において、前述したように複数の作業部署あるいは複数の作業者毎の作業シナリオ・レーン(作業レーン)を設け、各作業レーンに各作業項目の作業を割り当てる。
それらの作業割り当てに際しては、前述したように当該サービスを実現する一連の作業項目(あるいはタスク)の繋がり(サービスシナリオ)を作業レーン間の相互インタラクションにて構成する。
【0143】
また、サービスシナリオを構成する各作業項目のステップ毎に時間要素を組み込み、その進捗状態がステップ毎に判るようにするとともに、その進捗状態に応じて予め定義したパターンに従って表示・動作させる。
進捗状態とは、例えば次に実施すべき作業であることや、現在実施中、実施完了、遅延、バイパス等の作業進捗度合いを示すものである。
【0144】
各ステップの進捗状態については、チーム員の気付きをより効果的に実現するため、進捗状態の表示に際しては、それぞれに赤や緑等の色を割り当てる。あるいはブリンク等にて視覚的に判りやすくする。またメールや電話、テキスト読出しなど各種音声発生装置等と連携すると良い。
【0145】
次に、前述した実施例1、2におけるシナリオ遂行時の作業実績情報の登録について図28〜図33を参照して説明する。
図28は、OCサーバ22(含OCソフトウェア/運用実行処理用プログラム)とOCクライアント21との接続関係及びOCクライアント21によりシナリオの遂行(実施/実行)に伴う実行結果の実績情報をOCサーバ22のOCナリッジDB/(SKMS)23(図8参照)に登録(格納)する様子を示した概略図である。OCサーバ22とOCクライアントからなるシステム構成は、例えば図35に示すとおりである。
【0146】
すなわち、OCサーバ22は、ハード構成として、Windows(登録商標)サーバ、メモリ(例えば4GB以上)、ディスク(例えば256GB以上)から構成され、ソフト構成として、アプリケーション:OC、DB:Oracle10g、Webサーバ:IIS7.0(Windowsに包含)、APサーバ:Tomcat(フリーウェア)、Java(登録商標)環境:Java VM(フリーウェア)、WindowsServer2008から構成されている。OCクライアント21は、ハード構成として、Windows PC、メモリ(例えば1GB以上)、ディスク(例えば256GB以上)から構成され、ソフト構成として、GUIツール:Flash Player 10.0.32、Internet Explorer 7.0(Windowsに包含)アプリケーション:OC、DB:Oracle10g、Webサーバ:IIS7.0(Windowsに包含)、Windows XPから構成されている。
【0147】
OCナリッジDB/(SKMS)23は、作業実績(エビデンス)レイヤーにおけるシナリオの情報と実行結果の実績情報とを対応付けして登録するDBである。
【0148】
同図において、OCクライアント21にて各作業者が実行したシナリオの作業の実績情報は、作業者により、登録申請される。
この作業実績情報は、例えばLAN/WANなどのネットワーク24を介してOCサーバ22に送られる。OCサーバ22は、この作業実績情報を、実行エビデンスとしてOCサーバ22のDB23に登録する。
【0149】
このようにDB23にOCクライアント21で実行した作業実績情報を実行エビデンスとして登録することにより、該作業実績情報は、OCクライアント21のOCクライアント表示部の画面により確認することが可能な構成となる。
その結果として、シナリオ統制システムを効率的にかつ有効に活用することができる。
【0150】
これらは、前述した運用実行処理フローに従って実行するOCサーバ22のOCソフトウェア2211をもって実現する。OCソフトウェアは、前述した運用実行処理フローを実行するものである。
【0151】
図29は、前述したOC利用の流れ、つまり関係者(チーム員であるシナリオオーサ、運用管理者、作業担当者)毎の作業フローを示す図である。
【0152】
同図において、シナリオオーサは、運用手順作成ステップS2911において、シナリオを作成し、運用管理者に作成したシナリオの承認を得て使用許可を得る。
【0153】
運用管理者は、シナリオオーサからのシナリオを受け、その承認を行う。しかるのち、作業予定登録ステップS2912において、シナリオの作業登録、つまり作業予定を登録し、使用するシナリオを選択する処理を実行し、そのシナリオを作業担当者に割り当てる。
【0154】
この割り当ては、シナリオのすべてを一人の担当者に割り当てても、複数の担当者に割り当てても良いことは前述したとおりである。
【0155】
割り当てられた作業担当者は、自分の作業予定をOCクライアント21のOCクライアント表示部の画面にて確認する。
【0156】
作業担当者は、シナリオの作業を確認したあと、次の作業実行進捗管理ステップS2913において、シナリオの作業項目の作業を開始、実行、遂行する。
【0157】
このシナリオの作業項目の作業の開始、実行、遂行は、前述した如く、時間要素を利用して、そのタイミングで実行する。また、時間要素とは別に作業担当者の判断により自由に実行することも可能であるが、シナリオを着実に遂行していく上では、予め定義された時間要素に従って一作業項目毎にステップバイステップで実行していくと良い。
このとき、シナリオの実行による作業実績情報をDB23に登録し、実行結果(エビデンス)として残し、作業終了する。
【0158】
ここで、肝要なことは、シナリオの情報と作業実績情報とを対応付けることである。例えば、シナリオの各作業項目の実行(進捗)に対応して作業実績(エビデンス)を残し、各作業項目の実行に伴う留意事項などの情報が分かるようにことである。
【0159】
これにより、各作業者のシナリオの進捗を把握することが可能となる、のみならず、作業者のノウハウを知ることができる。シナリオと作業実績との具体的な対応関係については後述する。
【0160】
このように作業実績情報をエビデンスとしてDB23に登録し、一元管理することにより、運用管理者、作業者及びユーザは、前述したとおり、作業担当者の運用進捗状況を、各表示部の画面にて確認することができる。
【0161】
図30は、DB23に登録されたシナリオの進捗を示す図である。
同図において、DB23には、シナリオ群の各シナリオの情報と、その実行に伴う進捗実績の情報を含む情報が、作業実績情報(エビデンス)23aとして登録されている。
【0162】
シナリオ群の各シナリオの情報は、図示の如く、OCクライアント21のOCクライアント表示部の画面にシナリオ進捗統制レイヤー画面として表示される。
【0163】
このようにシナリオの各作業項目の作業実績を実行エビデンスとして、DB23に登録し、該登録した作業実績(エビデンス)をシナリオと対応付けして、各OCクライアントの表示部に表示することにより、作業実績を容易に確認することが可能となる。
作業数が数百、数千と多く、数ヶ月に亘って実行されるようなシナリオの場合、特に有効である。
【0164】
図31は、DB23に登録されたサービスシナリオ(定型的な周期起動作業の例)におけるシナリオ群231aと作業を行った証明となる遂行エビデンス群231bとの対応関係の一例を示した図である。
【0165】
同図において、シナリオ群231aには、シナリオが複数の周毎に登録されている。遂行のエビデンス群231bは、シナリオ群231aに紐付け付けされて登録されている。
そして、遂行エビデンス群231bには、各担当者に割り振りされたシナリオの作業項目に対する遂行状況を示す情報が含まれている。
【0166】
例えば、申請者、システム窓口(承認印)、サーバ名、システム名、ID、特権許可証承認印、利用開始日時、終了日時、状況、運用責任者(承認印)などの各情報が含まれる。特権許可証承認印は、例えばIDやパスワード発行管理サービスへの適用を考慮してのものである。
このエビデンス群の各情報をOCサーバ22やOCクライアント21などで表示することをもって、作業の進捗情報の確認ができる、のみならず、作業者が作業を行ったことの証明として利用できる。
【0167】
図32は、作業遂行の実績情報の例を示す図である。同図において、作業遂行の実績情報としては、例えば、開始実績日時2217、終了実績日時2218、スキップ、実行時コメント(留意事項等)2219、参考資料などの各情報が含まれる。
【0168】
ここで、特に実行時コメント2219の情報は、他の担当者が同様な作業を実行する場合、ノウハウ情報として利用することができ、作業効率を向上する上で極めて重要な情報となる。
【0169】
この実績情報は、作業ID2111、作業名2112、シナリオID2113、シナリオ名2114、シナリオ・オブジェクト名2115、アクション・シーケンス2116、アクション・シーケンス名2117、担当者2118などを含むシナリオの情報と対応付けられている。
【0170】
このように、シナリオの情報と作業遂行の実績情報とを対応付けすることにより、例えばシナリオの情報の作業名2112のシナリオ・オブジェクト名2115については、実績情報の実行時コメントの情報をもって、「管理センター(P氏)より受け取り、台数が多い場合には台車等を予め用意すること」を確認することができ、参照資料の情報をもって「配布PCの写真」や「関連URL」を確認することができる。
【0171】
これらの情報により、今後の作業の遂行に役立てることができるようになり、作業チーム一体として作業を効率的に実行することができる。
【0172】
次に、作業担当者によるシナリオの実行時におけるOCクライアントの表示画面において、前述した作業遂行の実績情報の表示例について説明する。
【0173】
図33及び図34は、シナリオを実行する前と実行した後のOCクライアント21の表示部の画面であるシナリオデータ実行画面及びその一部であるAN展開をドリルダウンしたときの詳細な表示内容を示すアクション・シーケンスデータ実行画面の一例を示す図である。
【0174】
実行後のエビデンスには、前述した作業を遂行した際の実績情報(実行結果)が表示され、また参照部分をドリルダウンすることにより、先の実績情報(作業結果)を参照することができる。
【0175】
同図において、シナリオデータ実行画面330には、申請者欄331と受付窓口欄332があり、申請者欄には、開始のシナリオ・オブジェクト333が表示され、受付窓口欄には、AN展開(連絡)のシナリオ・オブジェクト334が表示される。
【0176】
AN展開(連絡)のシナリオ・オブジェクト334をドリルダウンすると、図示するようなアクション・シーケンスデータ実行画面3340が表示される。該実行画面には、例えばアクション・シーケンスID、アクション・シーケンス名、予定担当者、実績担当者、概要、分類、開始予定日時、終了期限日時、備考、担当割当時コメント、システム名、バージョン及び実行時コメント3453の各欄が表示される。
【0177】
また、下欄のアクション名3342、内容詳細/備考3361、ステータス3362、開始終了日時3363、実行時コメント3453、エビデンス3465、資料3466には、それらの内容を確認し得るように情報が表示される。
特に、ステータス2116により、完了か否か、実行時コメント3453とエビデンス3465と資料3466の各欄により、シナリオの作業結果(実績情報)などを把握できる。
【0178】
以上述べた本実施例では、前記作業手順書の作業項目を含むシナリオに、作業項目の作業を実施するための時間要素を組み合わせた例を前提にしているが、実行エビデンスの登録、表示する技術については、時間要素を含まないシナリオの実行にあっても対応可能である。
【0179】
すなわち、一連の作業を構成する各作業項目または作業ステップと作業開始時間要素とを組み合わせ、該時間要素に従って、各作業にかかるタイミングが生じた際に、システム側から作業員に働きかける運用自動化支援システムに限るものではなく、複数の作業項目を自動的に支援するシステムであれば、その作業開始タイミングのための時間要素を含まないシステムにも適用可能である。
【0180】
また、OCクライアントの表示部への表示方法としては、作業者が容易に認識できる方法であれば、如何なる方法でも良く、また表示方法と併せて報知する方法を併用するにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0181】
ネットワーク管理サービス(NMS: Network Management Service)やIT資産管理サービス(OFITLCM:オーフイットエルシーエム、ICT安心NAVI/日立電子サービス株式会社)等のIT系だけでなく、非IT系への適用として例えばファシリティ系の調達、工事、修繕等の運用サービス提供等、所謂定型的な一連の手順を持つ全ての作業展開、遂行管理に適用可能である。
【符号の説明】
【0182】
10 サービス対象(IT環境/非IT環境)
20 サービス提者者(サービス提供現場)
21 OCクライアント
22 OCサーバ
211 サービスシナリオ群
220 処理部
221 運用準備部
222 運用実行部
223 登録部
7 ナリッジDB
23 SKMS/DB(作業実績(エビデンス)レイヤー/DB)
2211 OCソフトウェア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業手順書の作業項目の作業を実施し、その運用状況を作業者側に通知する運用支援システムにおいて、
前記作業手順書の作業項目を含むシナリオまたは前記作業手順書の作業項目と該作業項目の実施時間要素とを組み合わせたシナリオを、該シナリオに基づいて作業を実施するクライアントとサーバを備えたサービス提供者側の運用自動化支援装置に登録し、前記シナリオの作業項目の作業を実施するまたは前記シナリオの実施時間要素に従って前記作業項目の作業を実施する運用自動化支援システムであって、
前記運用自動化支援装置により前記作業を実施したとき、その作業実施実績の情報を実行エビデンスとして登録するデータベースと、
前記データベースの実施実績の情報を、前記クライアント及びサーバにて可視化する表示画面を有する表示手段と、
を設けたことを特徴とする運用自動化支援システム。
【請求項2】
運用現場の自動化支援環境にある運用自動化支援装置において、
運用関係者からの作業手順書の情報を受け、該情報から複数の作業項目に分解する分解部と、
前記分解部にて分解された前記作業手順書の作業項目を含むシナリオを作成するまたは作業項目と該作業項目の実施時間要素とを組み合わせたシナリオを作成するシナリオ作成部と、
前記シナリオ作成部にて作成されたシナリオを登録する登録部と、
前記登録部に登録された前記シナリオの前記作業項目を実行するまたは前記シナリオで設定された前記時間要素に基づいて前記シナリオの前記作業項目を実行する実行部と、
前記実行部で実行された前記作業項目の運用状況を前記運用関係者に通知する通知部と、
前記運用自動化支援装置により前記作業を実施したとき、その実施作業実績を実行エビデンスとしてナリッジデータベースに登録する登録部と、
前記データベースの実施実績の情報を、前記関係者に可視化可能に表示する表示部と、
を備えたことを特徴とする運用自動化支援装置。
【請求項3】
作業手順書の作業項目の作業を実施し、その運用状況を作業者側に通知する運用支援方法において、
前記作業手順書の作業項目を含むシナリオまたは前記作業手順書の作業項目と該作業項目の実施時間要素とを組み合わせたシナリオを、該シナリオに基づいて作業を実施するクライアントとサーバを備えたサービス提供者側の運用自動化支援装置に登録するステップと、
前記シナリオの前記作業項目の作業を実施するまたは前記シナリオの実施時間要素に従って前記作業項目の作業を実施するステップと、
前記運用自動化支援装置により前記作業を実施したとき、その実施実績の情報をデータベースに登録するステップと、
前記データベースの実施実績の情報を可視化するために表示するステップと
を備えたことを特徴とする運用自動化支援方法。
【請求項4】
運用自動化支援方法において、
作業手順書の作業項目を含むシナリオを作成するまたは作業手順書の作業項目の作業と該作業の実施に関連する絶対時刻又は相対時刻とを含むシナリオを作成するステップと、
前記シナリオの作業項目の作業を実施するまたは前記シナリオの前記時刻が到来したとき、該時刻に基づいて前記作業を実施するステップと、
前記作業実施ステップの状況又は完了をサービス提供者側に通知するステップと、
前記運用自動化支援装置により前記作業を実施したとき、その実施実績の情報をデータベースに登録するステップと、
前記データベースの実施実績の情報を可視化するために表示するステップ
を備えたことを特徴とする運用自動化支援方法。
【請求項5】
作業手順書の作業項目の作業を実施し、その運用状況を作業者側に通知する運用支援システムにおいて、
前記作業手順書の作業項目を含むシナリオまたは前記作業手順書の作業項目と該作業項目を実施する時間要素とを組み合わせたシナリオを、該シナリオに基づいて作業を実施するクライアントとサーバを備えたサービス提供者側の運用自動化支援装置に登録し、前記シナリオの作業を実施するまたは前記シナリオを実施する時間要素に従って前記作業項目の作業を実施する運用自動化支援システムにおけるサービスシナリオの遂行統制方式であって、
前記運用自動化支援装置は、
前記作業項目を、複数の関係部署または複数の関係作業者毎の作業シナリオ・レーンに展開する手段と、
該複数の作業シナリオ・レーンに展開した各作業項目の繋がりをサービスシナリオとして、当該作業シナリオ・レーン間の相互インタラクションにて構成する手段と、
当該サービスシナリオを構成する各作業項目に前記時間要素を組み込む手段と、
前記時間要素を受け、各作業項目の進捗状態を確認する手段と、
前記作業項目の運用状況を前記運用関係者に通知する手段と、
前記運用自動化支援装置により前記作業を実施したとき、その実施実績の情報をナリッジデータベースに登録する手段と、
前記データベースの実施実績の情報を可視化可能に表示する手段と
を設けたことを特徴とする運用自動化支援システムにおけるサービスシナリオの遂行統制方式。
【請求項6】
作業手順書の作業項目の作業を実施し、その運用状況を作業者側に通知し、前記作業手順書の作業項目を含むシナリオまたは前記作業手順書の作業項目と該作業項目を実施する時間要素とを組み合わせたシナリオを、該シナリオに基づいて作業を実施するクライアントとサーバを備えたサービス提供者側の運用自動化支援装置に登録し、前記シナリオの作業項目を実施するまたは前記シナリオを実施する時間要素に関連して前記作業項目の作業を実施する運用自動化支援システムにおけるサービスシナリオの遂行統制装置であって、
前記運用自動化支援装置は、
前記作業項目を、複数の関係部署または複数の関係作業者毎の作業シナリオ・レーンに展開する手段と、
該複数の作業シナリオ・レーンに展開した各作業項目の繋がりをサービスシナリオとして、当該作業シナリオ・レーン間の相互インタラクションにて構成する手段と、
当該サービスシナリオを構成する各作業項目に前記時間要素を組み込む手段と、
前記時間要素を受け、各作業項目の進捗状態を確認する手段と、
前記運用自動化支援装置で実行された前記作業項目の運用状況を前記運用関係者に通知する手段を設け、
前記通知手段は、前期作業項目の運用状況を前記運用関係者に通知する際に、前記各作業項目毎に組み込まれた前記時間要素を通知するものであり、
また、前記運用自動化支援装置により前記作業を実施したとき、その実施実績の情報を実行エビデンスとしてナリッジデータベースに登録する手段と、
前記データベースの実施実績の情報を、可視化可能に表示する手段と
を設けたことを特徴とする運用自動化支援システムにおけるサービスシナリオの遂行統制装置。
【請求項7】
運用現場の自動化支援環境にある運用自動化支援装置を備えた運用自動化支援システムにおいて、
運用関係者からの作業手順書の情報を受け、該情報から複数の作業項目に分解する分解部と、
前記分解部にて分解された作業項目を含むシナリオを作成するまたは作業項目と該作業項目を実施する時間要素とを組み合わせたシナリオを作成するシナリオ作成部と、
前記シナリオ作成部にて作成されたシナリオを登録する登録部と、
前記登録部に登録された前記シナリオの前記作業項目を実行するまたは前記シナリオで設定された前記時間要素に基づいて前記シナリオの前記作業項目を実行する実行部と、
前記実行部で実行された前記作業項目の運用状況を前記運用関係者に通知する通知部と、
を備えた運用自動化支援装置におけるサービスシナリオの遂行統制装置であって、
前記実行部は、
前記作業項目を、複数の関係部署または複数の関係作業者毎の作業シナリオ・レーンに展開する手段と、
該複数の作業シナリオ・レーンに展開した各作業項目の繋がりをサービスシナリオとして、当該作業シナリオ・レーン間の相互インタラクションにて構成する手段と、
当該サービスシナリオを構成する各作業項目に前記時間要素を組み込む手段と、
前記時間要素を受け、各作業項目の進捗状態を確認する手段と、
前記運用自動化支援装置により前記作業を実施したとき、その実施実績を実行エビデンスとして登録する手段と、
該データベースの実施実績の結果を可視化可能に表示する手段と
を設け、
前記通知部は、前記作業項目の運用状況を前記運用関係者に通知する際に、前記各作業項目毎に組み込まれた時間要素を通知する手段を含むことを特徴とする自動化支援システムにおけるサービスシナリオの遂行統制装置。
【請求項8】
前記通知部が、前記シナリオを構成するシナリオ・オブジェクトを制御し、前記作業項目の進捗状況を、色分け、あるいはブリンクにて視覚的に識別する制御部を含んでいる、請求項7記載の運用自動化支援システムにおけるサービスシナリオの遂行統制装置。
【請求項9】
更に、前記運用自動化支援装置から展開されるアクション・シーケンスを管理し、該アクション・シーケンスに従った作業項目の詳細作業手順の実行を支援するアクション・ナビと、前記運用自動化支援装置と連携し、遠隔操作を支援するオペレーションズ・アシスタント、前記通知部の通知の収容、管理する通信ツールを含むツール群とを備えた請求項7の運用自動化支援システムにおけるサービスシナリオの遂行統制装置。
【請求項10】
作業手順書の作業項目の作業を実施し、その運用状況を作業者側に通知する運用自動化支援システムにおけるサービスシナリオの遂行統制方法であって、
前記作業手順書の作業項目を含むシナリオまたは前記作業手順書の作業項目と該作業項目を実施する時間要素とを組み合わせたシナリオを、該シナリオに基づいて作業を実施するクライアントとサーバを備えたサービス提供者側の運用自動化支援装置に登録するステップと、前記シナリオの作業項目を実施するステップまたは前記シナリオを実施する時間要素に従って前記作業項目の作業を実施するステップと、
前記作業項目を、複数の関係部署または複数の関係作業者毎の作業シナリオ・レーンに展開するステップと、
該複数の作業シナリオ・レーンに展開した各作業項目の繋がりをサービスシナリオとして、当該作業シナリオ・レーン間の相互インタラクションにて構成するステップと、
当該サービスシナリオを構成する各作業項目に前記時間要素を組み込むステップと、
前記時間要素を受け、各作業項目の進捗状態を確認するステップと、
前記運用自動化支援装置により前記作業を実施したとき、その都度必要に応じてデータベースに登録するステップと、
該データベースの実施実績の情報を可視化するために表示するステップ
を設けたことを特徴とする運用自動化支援システムにおけるサービスシナリオの遂行統制方法。
【請求項11】
運用自動化支援システムにおけるサービスシナリオの遂行統制方法において、
作業手順書の作業項目を含むシナリオを作成するステップまたは作業手順書の作業項目の作業と該作業の実施に関連する時間要素である絶対時刻又は相対時刻とを含むシナリオを作成するステップと、
前記シナリオの作業項目の作業を実施するステップまたは前記シナリオの前記時間要素の時刻が到来したとき、該時刻に基づいて前記作業を実施するステップと、
前記作業実施ステップの状況又は完了をサービス提供者側に通知するステップと、
前記シナリオを作成するステップは、
前記作業項目を、複数の関係部署または複数の関係作業者毎の作業シナリオ・レーンに展開するステップと、
該複数の作業シナリオ・レーンに展開した各作業項目の繋がりをサービスシナリオとして、当該作業シナリオ・レーン間の相互インタラクションにて構成するステップと、
当該サービスシナリオを構成する各作業項目に前記時間要素を組み込むステップと、
前記時間要素を受け、各作業項目の進捗状態を確認するステップを含み、
前記通知するステップは、
前記作業項目の運用状況を前記運用関係者に通知する際に、前記各作業項目毎に組み込まれた前記時間要素を通知するステップであり、
更に、前記運用自動化支援装置により前記作業を実施したとき、その都度必要に応じて実施実績をデータベースに登録するステップと、
前記データベースの実施実績の情報を可視化するために表示するステップを含む
ことを特徴とする運用自動化支援システムにおけるサービスシナリオの遂行統制方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2013−29986(P2013−29986A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165548(P2011−165548)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FLASH
【出願人】(000233491)株式会社日立システムズ (394)