説明

サーフボード、セールボードなどを対象とした可撓性部分をもつフィンまたはキール

【構成】サーブボードなどの水上クラフト用キールまたはフィン(1)である。形状は従来と同じであるが、ペグ(10)によってボードに固定した本体部分(2)およびこの本体部分(2)に固定した可撓性のトレーリング付属部分(3)からなる。付属部分(3)は剛性がより強いリーディングエッジ(16)をもち、このリーディングエッジが蟻継ぎの形で本体部分(2)のトレーリングエッジ(8、9)上を滑り、グラブねじ(7)によって所定位置にロックする。付属部分(3)をゴム製のコア(11)を備え、従って水圧の作用によって横方向に屈曲する。エッジ(12)がボードの両側に設けられたストップ(4)に接触すると、付属部分(3)のトレーリングエッジ過剰な動きが防止される。付属部分(3)は、本体部分(2)の開口に完全に収まるか、あるいはダクトを介して空気が供給される開口をもつ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水上クラフトおよびこれに関連する部分の改良に関する。特に、とはいっても限定されるものではないが、本発明サーフボードまたはセールボードに取り付けることができるか、あるいは一体化できる一つか複数のフィンに関する。
【背景技術】
【0002】
ボートなどの船体にキールやセンターボードを組み入れると、船体の望ましくない風下側の運動という問題を解消できる上に、安定性が増す。他のタイプのフィンを他のタイプの水上クラフトに取り付けても同様な作用効果が得られるが、これは、さらに、クラフトが水中で経験する他の問題を解決または相殺することも目的としている。
【0003】
例えば、サーフボードの設計は、最終的には、サーフィン中の速度と操作性の両立である。例えば、大きなフィンの場合には、コントロールについては得やすいが、ドラグが増す結果、ボードのトップスピードが低下する。サーフィンにおける競争および技術が進むにつれて(ウインドサーフィンや従来のウェーブサーフィンも同様であるが)、装置性能の向上が望まれている。
【0004】
ボードの長手軸線にそって一端に向けて配置した固定式の大型の“キール”フィンを備えた伝統的な長いボードの場合、それ自体が、どう見てもより短いサーフボードおよび固定式3枚フィン構成によって取って代わられている。
【0005】
程度は小さいが、同じことはセールボードについても見られている。いずれにしても、現状の構成の場合、2つの“鏡像”をもつキールフィンは小形になり、ボードの長手軸線の両側においてボードのエッジにより近接して弓形のサイドフィンを設けている。
【0006】
横断面において一方の側にほぼ平面の高圧面をもち、かつ他方の側に低圧湾曲表面をもつ航空機と同様に構成された、これらサイドフィンをボードに取り付けると、ボードの長手軸線の方向に向き、かつキールフィンからほぼ等距離になる。
【0007】
このような構成の場合、“波を捉え”、そしてボードを直線状に水中に推進しているサーファーは、特に、各フィンの両側周囲のいわゆる“アタッチド層流(付着層流)”(attached laminar fluid flow)が、この直線状運動時にコアンダ効果に従って発生することを示す流体機構の物理作用の効果を感じるものである。
【0008】
なお、高速ターン時には、流体流れが、フィンの表面に従動することができず、また乱流がサイドフィンの低圧方面にそって通常は最初に発生し始めるため、フィンでは最終的にこの層流が乱れることになる。この乱流およびコアンダ効果の喪失開始については、図1に示す。図1は、伝統的な3フィン式サーフボードの下面およびサイドフィンの一つを横断する水流を示す概略図である。
【0009】
一旦乱流が発生すると、フィンの両側に作用する差圧が効果を失い始める。換言すれば、水を切るさい、ボードのコントロールが失われ始める。
【0010】
サーファー間では、サーフボードが連続的に、特に高速でターンすると、キャビテーションと呼ばれるよく知られた現象が発生するといわれている。これは、機械的力(例えば、船用プロペラの回転から発生する力)によって液体中に低圧バブルが突然発生するとともに崩壊する現象である。
【0011】
このいわゆるキャビテーションが発生すると、非常な高速でサーフィンを行っているサーファーに激しい“スピンアウト”作用が加わる。こうなると、フィンの低圧側に流れている付着水流が“剥がれ”、ボードのコントロールが完全に失われ、サーファーが水中に無様に投げ出されることになる。
【0012】
現在、サーファー間の語彙から“キャビテーション”という言葉を排除する動きがある。というのは、“スピンアウト”の原因となる現象は、恐らくキャビテーションではなく、(というのは、必要な速度がサーフィン条件のうち最も極端な場合にも得られそうにないからである)ベンチレーションとして知られている現象と考えられるからである。
【0013】
ベンチレーションは、フィンが水中から飛び出す(サーフィン時に、そして特にターン時によく発生する)時に発生し、そして実質的にフィンの長手軸線の方向にフィンの低圧側に多量の表面空気が激しく“吸い込まれ”、付着水流を分断し、これを“引き剥がし”、スピンアウトを発生させる。
【0014】
キャビテーションまたはベンチレーションのいずれかを原因とするこのスピンアウト問題を解決する試みは、サイドフィンの設計を中心として行われている。完全にピボット運動できるサイドフィンを組み込むと、鋭いターン運動が可能になるが、ボードの前進推進が犠牲になることが見出された。これは、フィンが運動を行うと、速度が低下するためである。
【0015】
さらに小形のサイドフィンを組み込むと、前進推進は可能になるが、今度はサーファーのターン制御能力が落ちる。
【0016】
フィンをボードに組み込んで以来、この両立問題が存在している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の課題は、上記両立条件を緩和できるか、あるいは少なくとも有効な選択手段を利用することを可能にする、改良水上クラフト、限定するものではないが特にサーフボードまたはセールボードを提供することである。なお、本発明は、いくつかの異なる態様で実施できるが、以上説明してきた背景説明から、これら態様それぞれを結合しても、同じ発明の考え方を構成するものであるのは明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
第1態様によれば、本発明は、第2部分に連動結合された第1部分からなる水上クラフトに使用するキール、フィンまたはセンターボードにおいて、第2部分に対して第1部分が動けるように構成し、フィンに第1部分の望ましくない動きを防止するストップ部材を設けたキール、フィンまたはセンターボードを提供するものである。
【0019】
各部分については、実質的にサイズまたは容積が同じである。第1部分は第2部分(付属部分)に対してキール、フィンまたはセンターボードの本体部分であるが、好ましくは、第1部分を付属部分とし、そして第2部分をキール、フィンまたはセンターボードの本体部分として構成する。
【0020】
この構成を考慮すると、フィンの付属部分である第1部分は、可動し、かつ相対的な運動が制限されている唯一の部分と考えられる。ターンに関してコントロールの度合いを高めることが、必ずしもボードの前進推進を完全に犠牲にするものではない。
【0021】
第2部分に対する第1部分の運動は、第1部分が全く屈曲しない第1部分のピボット運動とすることができる。あるいは、第1部分については、これに水圧が作用する結果、運動するさいに有効にピボット運動するか、あるいは屈曲するか曲がるように構成してもよい。
【0022】
好ましくは、第1部分の運動は、第1部分の屈曲点のリーディングエッジを実質的に中心とする徐々に曲がるカール運動である。運動時にリーディングエッジからトレーリングエッジに均一に細くなるように第1部分の厚さが小さくなると、“屈曲カール”運動の程度が大きくなる。
【0023】
ボードに取り付けるフィン特性および取り付け手段の結果、ストップ部材はフィン全体の一部を構成するが、別体として構成することも可能である。換言すれば、ストップ部材はフィンと一体化する必要はなく、フィンの一部を構成するようにしてもよい。例えば、フィンとストップ部材をボードに個別に接着することもでき、従来と同様に仕上げ処理すればよい。
【0024】
あるいは、ストップ部材をフィンと一体化し、それ自体が、第2部分または第1部分になるようにしてもよい。
【0025】
好ましくは、ストップ部材が第2部分と一体化し、第1部分の望ましくない運動が起こりそうな場合に、第1部分を第2部分内に潜在的に位置させ、ここにロックして、従来と同様なフィンを構成する。
【0026】
例えば、フィンの第1部分の一部に一つが作用し、そして第1部分の別な部分にもう一つが作用するように、2つ以上のストップ部材を設けてもよい。
【0027】
それぞれがフィンの第1部分の異なる部位に作用するように2つのストップ部材を設けることが好ましい。
【0028】
サーファー間では、“感じた”ものがうまくいくかどうかについて特に敏感であり、一目では伝統的なフィンには見えない新しいタイプのフィンを組み込むことは受け入れられない。なお、当業者にとって、フィンの第2部分および第1部分を結合するために利用できる方法はいくつか存在するが、少なくとも伝統的なフィンのように見える方法が好まれる。
【0029】
従って、第2部分および第1部分に相補的な係合部材を設け、これら部分を連動結合できるようにすることが好ましい。
【0030】
より好ましくは、これら相補的な係合部材の一つに案内部材を設ける。こうすると、他の係合部材を、案内部材をもつ係合部材に最初に位置決めすることが簡単になる。
【0031】
より好ましくは、第2部分によって支持された係合部材に案内部材を設ける。
【0032】
いったん第1部分および第2部分を連動結合すると、ある形式のロック部材を使用してこれら部分をロックしない限り、フィンに加わる水の作用により結合が外れる場合がある。ロック部材としては第2部分および第1部分の相補的な構成を含むある形式のスナップ嵌め構造があるが、フィンをボードにロックする伝統的な方法の一つが、相補的な雄雌ロック部材を利用することが好ましい。
【0033】
従って、フィンに相補的な雄雌ロック部材を設けて、第1部分を第2部分にロックすることが好ましい。
【0034】
伝統的には、摩擦嵌めまたは接着を利用しない場合、フィンをボードにロックするために通常好ましい代替方法では、フィンを貫通して、ボードの相補的な雌ねじ付き部分内に達するグラブねじを使用する。
【0035】
この形式のロックを利用する伝統的なフィンの場合、ボードおよびフィンの両者に雌ねじ付き開口を形成する。また、同じ方法を利用して、フィンの第1部分および第2部分を相互にロックすることができる。
【0036】
従って、同じ形式のロック部材を、第2部分および第1部分の両者に設けるのがより好ましい。従って、例えば、“雌”ねじ溝を第2部分および第1部分に刻むことができる。
【0037】
第1部分および第2部分は、それぞれ同じ材料、多くの場合例えばプラスチック材料、天然ゴム、カーボンファイバー、金属あるいは場合によっては木材から構成することができるが、複数の異なる材料またはこれらの適当な組み合わせから構成してもよい。
【0038】
第1部分については、2種類のプラスチック材料から構成するのが好ましい。プラスチック材料のうち一方が他方に対してガラス転移温度が低い場合(どう見ても“使用中”温度において一方が“ゴム状”でもう一方が“硬質”の場合)、第1部分を構成する硬質およびゴム状プラスチックの構成に応じて、第1部分の屈曲性が高くなる。
【0039】
少なくとも第1部分のリーディングエッジおよび/またはトレーリングエッジについては、“硬質”プラスチック材料で構成するのがより好ましい。これは、第1部分のリーディングエッジにそっての運動が少なくなるため、第1部分の第2部分への直線的な接着が可能になり、水の“接着部”への衝突によって引き剥がされる可能性が少なくなる点で有利である。
【0040】
第2に、トレーリングエッジを比較的硬質のプラスチックで構成すると、第1部分のトレーリングエッジの中心部が水圧の作用を受けて屈曲することがなくなり、場合にもよるが第1部分がストップ部材の上部に“乗り上げて”その効果がほぼ完全になくなることも防ぐことができる。
【0041】
フィンをいったん形成すると、原則的には、第1部分のトレーリングエッジがフィンのトレーリングエッジ全体を構成することになる。これは、フィンのトレーリングエッジ全体のごく一部にしか過ぎなく、ある場合には、フィンのトレーリングエッジが第1部分からまったく構成されないこともある。
【0042】
いったん第1部分および第2部分を連動結合してフィンを構成した場合、第1部分は、第2部分内に完全に収まるようにするのが好ましい。
【0043】
フィンはキールの形を取ってもよいが、サイドフィンとするのが好ましい。
【0044】
第1部分は、フィンのリーディングエッジおよび/またはフィンのトレーリングエッジと一体化することができる。実際、第1部分のトレーリングエッジは、第2部分に連動接続する場合、フィンのトレーリングエッジと一体化することができるが、これは必ずしも必要ない。例えば、第1部分は第2部分の開口内に収めることができ、この場合には、第2部分のトレーリングエッジが開口壁部に一体化することになる。
【0045】
なお、いったん第1部分を第2部分に連動接続した場合、第1部分のトレーリングエッジはフィンのトレーリングエッジと一体化するのが好ましい。
【0046】
第1部分のみが、フィンのトレーリングエッジと一体化するのがより好ましい。
【0047】
本発明の水上クラフトの場合、ディンギー、ヨット、モーターボード、セールボードおよびサーフボードからなる群から選択するのが好ましい。
【0048】
キール、フィンまたはセンターボードには第1部分の望ましくない動きを防止するストップ部材を設けるのが好ましく、またフィンにも開口付きダクトを設けて、流体がダクトに流入し、そして開口の一つかそれ以上からフィンの一方の側の部分を介して流出するように構成するのが好ましい。
【0049】
なお、このような構成では、コアンダ効果がある程度再び取り戻される程度に、ボードのターン時に乱流が発生した場合にこれを分断する。この場合、流体流れはフィンの表面に“アタッチ”ことはなく、従ってこれに追従することはないが、フィンの輪郭と同様な流路に沿ってではあるが、これから距離をおいて流れる。従って、スピンアウトが発生する恐れはあるが、いずれにしても小さいものである。
【0050】
ダクトをフィン内部に設け、フィンがその伝統的な形状を取ることができるようにするのが好ましい。
【0051】
ダクトの各流出開口については、フィンの第2部分または第1部分の上部に形成することができるが、フィンの本体部分の上部に形成することが好ましい。このように構成すると、フィンの第1部分の全体が第2部分に対して動くことが可能になる。
【0052】
フィンはキールの形を取ってもよいが、サイドフィンとするのが好ましい。
【0053】
第2態様によれば、本発明は、水上クラフトに使用するキール、フィンまたはセンターボードであって、開口を形成したダクトを配設し、流体がダクトに流入し、開口の一つかそれ以上からキール、フィンまたはセンターボードの一方の側の一部を介して排出するように構成したキール、フィンまたはセンターボードを提供するものである。
【0054】
フィンはキールの形を取ってもよいが、サイドフィンとするのが好ましい。
【0055】
流体としては、ボードに取り付け可能な容器に供給した液体であればよく、この流体は、コアンダ効果を再び取り戻すために、あるいは水とフィンとの間にある表面張力の程度を変更するために役立つ特性をもつ。
【0056】
この液体は、フィン表面に隣接する表面張力を加減できるものである。
【0057】
なお、流体として空気を使用するのが好ましい。
【0058】
この空気は、ダクトに“吸い込まれ”、制御された方法で、あるいは計算された方法で、しかもフィンの長手軸線を実質的に横断する方向にフィンの低圧側から排出される。
【0059】
なお、本発明によれば、これら単独または両方の作用効果は、コアンダ効果を取り戻すために役立ち、および/またはスピンアウトの発生を減らす傾向がある乱流の作用を減らすために役立つ。
【0060】
フィン表面の性質は実質的に疎水性か、あるいは実質的に親水性にすることができる。あるいは、フィンの一方の側を疎水性面として、そして他方の側を親水性面として構成してもよい。
【0061】
本発明は、本明細書に記載するキールフィンまたはセンターボードを組み込んだ水上クラフトをその範囲に含むものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
以下、本発明の好ましい実施態様を添付図面について例示のみを目的として具体的に説明する。
【0063】
図2は、ポリプロピレン材料および天然ゴムから構成したポリマー系一体化湾曲サイドフィン(1)を示す図である。このフィン(1)は、本体部分(2)、付属部分(3)およびベベル面ストップ部材(4)からなる。
【0064】
フィン(1)には、また、平坦ベース(15)を設けるとともに、このベース(15)から直交的に突出するフィン(1)の凸形リーディングエッジ(14)に向けて配設された一体的な柱状ペグ(10)を設ける。フィン(1)面は凸状であり、そしてこれに対向する面は実質的に平面である。
【0065】
このリーディングエッジ(14)に対向してほぼ同様な湾曲トレーリングエッジ(8、9)がある。このトレーリングエッジは、その頂点において、トレーリングエッジ(8、9)のとは異なる曲率(17)をもつ別なトレーリングエッジのベースを構成する。
【0066】
本体部分(2)のトレーリングエッジ(8、9)には、本体部分(2)のトレーリングエッジ(8、9)の中心長さのほぼ80%にそって本体部分(2)のベース(15)から延長する“蟻継ぎ”突起(8)を設ける。この蟻継ぎ突起(8)は、トレーリングエッジ(8、9)の全長にそってベース(15)から直線状に延長するに従って、大きさが均等に小さくなる。また、蟻継ぎ突起(8)はトレーリングエッジ(8、9)の中心から突出するのではなく、本体部分(3)の平坦側に向かって位置がずれている。
【0067】
ベース(15)に向けて設けた、ねじ溝を刻んだ穴(6)を、蟻継ぎ突起(8)の一部およびトレーリングエッジ(8、9)の対応する凹部または非突起部分(9)内に斜めに形成する。
【0068】
付属部分(3)にも、リーディングエッジ(16)およびトレーリングエッジ(18)を設ける。このトレーリングエッジ(18)の曲率は、トレーリングエッジ(17)の曲率を同じ程度に設定する。
【0069】
フィン(1)の付属部分(3)のリーディングエッジ(16)には、本体部分(2)のリーディングエッジと相補的な雌形“蟻継ぎ”を設けるとともに、上記の穴(6)と同様なねじ溝を刻んだ穴(5)を設ける。そして、この穴(5)もベース(15)に向けて設ける。
【0070】
同様に、付属部分(3)のベース(15)にも、ストップ部材(4)のと同様な形状および寸法の相補的なベベル(13)を設ける。
【0071】
付属部分(3)には、天然ゴムからなる成形コア(11)を設ける。このコアは、周囲の高分子量ポリプロピレン材(12)と一体化している。また、このポリプロピレン材は、リーディングエッジ(16)のベース(15)(始点)から延長し、フィン(1)の付属部分(3)のコア(11)を非均一的に取り囲み、付属部分(3)のトレーリングエッジ(18)のベース(15)(始点)まで延長する。
【0072】
使用するさいには、ペグ(10)の場合と同様に、本体部分(2)のベース(15)に接着剤の層を形成する。次に、ベース(15)がサーブボードまたはセールボード(図示省略)の下面に接触するまで、このボードのサイドフィン位置に形成した相補的な穴または開口にペグ(10)を押し込む。
【0073】
次に、付属部分(3)および本体部分(2)を連動結合する滑動作用によって、本体部分(2)の雄形“蟻継ぎ”に、付属部分(3)の雌形“蟻継ぎ”を係合する。
【0074】
これら2つの蟻継ぎは“回動点”として作用し、そしてこれに特定の水圧が作用したときに、回動点の周りで付属部分(3)が屈曲する。回動点それ自体は動かない。即ち、この点を中心にして、付属部分(3)の残りの部分が動き始めるものである。付属部分(3)の厚さが均一に減少しているため、同じ水圧の場合、付属部分(3)の屈曲度が大きくなる。
【0075】
ベベル面が付属部分(3)の相補的なベベル面(13)に接触するように、ボードにストップ部材(4)のベース(15)を接着する。
【0076】
開口(5)および穴(6)と相補的なねじを刻んだグラブねじ(7)をこれらの開口(5)および穴(6)にねじ込み、本体部分(2)を付属部分(3)に固定し、フィン(1)を構成する。
【0077】
いったんこのように接続を行うと、フィン(1)の接触面すべてが相互にほぼ同じ高さになるため、フィンの側断面の全体形状が、ドルフィンやその他のサーファーに利用されている他の今までのフィンと同じになる。
【0078】
次に、従来のフィン・ボード仕上げ技術を利用して、フィン(1)を仕上げる。フィン(1)がサーフボードのサイドフィンの場合には、他のサイドフィンと同じフィン(1)の鏡像が生成する。
【0079】
(厚さが小さくなるため)付属部分(3)は徐々に湾曲面から離れるように、かつ対向する平坦面に向かって屈曲するが、ストップ部材(4)があるため、反対方向に曲がることはない。
【0080】
付属部分(3)にこのような “硬質”(12)および“軟質”(11)材料を使用してこれを構成しているため、付属部分(3)のトレーリングエッジ(18)の中間部分が水圧作用で屈曲することはなく、また付属部分(3)がストップ部材(4)の上部に乗り上げ、望ましくない方向に屈曲することもない。
【0081】
水中では、このような一対の対向サイドフィンをボードに取り付けてこれらを使用するサーファーがターンを行うと、サイドフィン(1)の一つの付属部分(3)の一つが上記で説明した方向に曲がる。このようにフィンが曲がると、ターン時に発生する乱流に影響するため、スピンアウトとして知られている現象を防止するのに役立つ。
【0082】
図3について説明する。この図には、ストップ部材(34)を一体化サイドフィン(31)の本体部分(32)と一体化し、かつストップ部材(34)のベベルが本体部分(32)の内側ベース面のほぼ全長にわたって延長する本発明の別な実施態様を示すものである。
【0083】
この第2実施態様の場合、(図示を省略した)ボード内に形成した対応する穴と係合する本体部分(32)の外側ベース(315)上に一対のペグ(310)を離間して設ける。第1実施態様で説明したのと同じように、フィン(31)の付属部分(33)のリーディングエッジ(33)が蟻継ぎ(38)を介して本体部分(32)に連動接続する。
【0084】
ここでも、グラブねじ(7)が、開口(35)および穴(36)に挿入されると、本体部分(32)および付属部分(33)の両者を固定する。第2実施態様の場合、後者が蟻継ぎ(38)内に完全に挿入され、またねじ(7)をいったんねじ込むと、ねじ(7)のヘッドがフィン(31)の湾曲面と実質的に同じ高さになる。
【0085】
次に図4に触れると、この図は、サイドフィン(41)を示す図である。図4には、各フィン、フィン(41)の一方の側の実質的に平坦な面、および反対側にある湾曲面に何が存在するかを明示する図である。
【0086】
さらに、この実施態様の場合、ペグを使用せず、フィン(42)の本体部分をまず対応するボード(図示省略)に接着し、従来の方法で仕上げる。蟻継ぎの代わりに、両部分(41、43)を結合するために“ボックステール”を設ける。図示されているように、この実施態様では、本体部分(42)の相補的な係合部材の頂点に案内部材(10101)を配設する。
【0087】
図5は、第1実施態様とほぼ同様な実施態様であるが、ペグを使用せず、また蟻継ぎの代わりにボックステールを使用するものである。
【0088】
図6は別な実施態様を示す図で、全体を(61)で示す。この実施態様の場合、前述した方法でそれぞれを本体部分(61)に連動結合した2つの付属部分(63A&63B)を使用する。なお、これら部分(62、63A、63B)を連動接続するために必要な曲率が幾分異なっている事実から、当業者にとっては、概念上の変更は自明なはずである。
【0089】
この実施態様の場合、フィン(61)の付属部分が屈曲位置にあり、ストップ部材(64)は、付属部分(62)の一部のそれぞれ上下エッジ(本実施例の場合)の両者にそって延長する。
【0090】
図7に触れると、この図は、本発明の別な実施態様を示すもので、サイドフィン(70)の横断面図である。
【0091】
このサイドフィン(70)は多くの点で今まで説明してきたフィンと同じである。即ち、本体部分(72)からなり、一体的なストップ部材(74)および付属部分(73)については、一対の相補的な蟻継ぎおよび本体部分(712)のリーディングエッジに向けて平面ベース(715)上に設けた一体的ペグ(710)によって連動結合する。
【0092】
なお、この実施態様の場合、ペグ(710)は中空であり、リーディングエッジ(714)の曲率に従って本体部分(72)の本体内を走り、付属部分(73)の上部のすぐ下まで延長する、横断面が実質的に均一の導管(720)部分を構成するものである。
【0093】
スパンが実質的に付属部分(73)の長さに等しい4つの実質的に円形の開口(721)を、導管(720)のトレーリング側にそって等間隔に設ける。
【0094】
各開口(721)は、フィン(70)の平面上に開口し、いずれの場合も、開口(721)は楕円形凹部(722)の一端に位置する。そして、開口(721)の直径は、開口が一部を構成する楕円形凹部(722)の長軸と同心であり、またこの長軸はベース(715)に対して実質的に平行である。各楕円形凹部(722)は大きさおよび形状が同じである。
【0095】
楕円形凹部(722)の非開口部を含む端部はフィン(70)の面を横断し、付属部分(73)のリーディングエッジ(716)のかなり手前に位置する。
【0096】
図8は、セールボード(830)の下側に取り付けた状態にある図7の実施態様を示す横断面図である。図8から見て取れるように、ペグ(710)については、その大きさおよび形状をボード(830)の厚さ全体を介して延長するように設定する。通常の使用状態におけるボード(830)の上面には、ペグ(710)が貫通するボード(830)の開口の上に乗る非弾性湾曲キャップを取り付ける。
【0097】
このようにすれば、サーファーがキャップに足を乗せた場合に、ボード(830)の上面から外気が導管(720)に侵入することがなくなる。
【0098】
サーフィン時、サーファーがフィン(70)の取り付けられたボード(830)を、水を介して推進すると、流体、特に空気が導管(720)に吸い込まれ、そして開口(721)を介して、またベース(715)に対して最初は実質的に平行な方向にあるフィン(70)の平面を横断して、制御かつ計算された形でエアバブルの流れとして排出される。
【0099】
このエアバブルの流れは、ターン時にこの面を横断して発生する乱流を分断し、コアンダ効果を再び取り戻すのに役立つ。なお、通常はフィン(70)に“くっつく”水がくっつくことはなく、流れはどうであれ、フィンにより接近し、通気やスピンアウトの恐れが少なくなる。
【0100】
図9は、図7の変形例であり、この実施態様の場合、ペグ(910)、導管(920)、開口(921)および楕円形凹部(922)の位置については、本体部分(92)のリーディングエッジ(914)から単に横にシフトさせたものである。即ち、開口(921)および楕円形凹部(922)は付属部分(93)のリーディングエッジ(916)のわずか後方に位置し、付属部分(93)の平面部分を構成する。
【0101】
導管(920)のトレーリング側に付属ブランチ(940)を設ける。これらブランチは、部分(92、93)をいったん連動接続すると、本体部分(92)の雄形蟻継ぎを貫通し、それぞれの開口(921)に乗る4つの開口内まで延長する。
【0102】
この実施態様がサーフィン時に以上説明した各実施態様と異なる点は、エアバブルの計算された流れが、単に付属部分(93)の上を流れることである。
【0103】
次に、図10について説明する。この図は、サイドフィン(100)を示す図である。図示のように、図7の変形例であるこの実施態様の場合、スパンが付属部分(103)の全長に等しい8つの開口(1021)を設ける。
【0104】
図11にサイドフィン(111)を示す。この実施態様は、図3について説明した実施態様とほぼ同じであるが、本実施態様の場合、ペグ(310)を使用せず、図7で説明した開口を使用する。この実施態様の場合、フィンがペグを使用していないため、ボードの開口は、少なくとも部分的に、フィンの導管の上に乗っていなければならない。
【0105】
図12に示す実施態様では、開口を本体部分に設け、付属部分を曲げている。
【0106】
図13に示す実施態様では、開口を付属部分に設け、付属部分を曲げている。
【0107】
図14に示す実施態様は、図6で説明した実施態様の変形例であり、開口を本体部分に設け、2つの付属部分を曲げている。
【0108】
図15は、図2に示した実施態様とほぼ同じ実施態様の斜視図であるが、図2の実施態様とは、ストップ部材(154)を本体部分(152)と一体化し、図2のペグ(10)を使用せずに、ベース(1515)を従来の方法でサーフボード(図示省略)に固着した点が異なる。
【0109】
図16は、フィン(161)の付属部分(1618)のトレーリングエッジがフィン(161)を組み立てた場合そのトレーリングエッジ部分を構成しないサイドフィン(161)の別な実施態様の斜視図である。この実施態様で重要なことは、付属部分(1618)をフィン(161)の開口内に収容設置することである。
【0110】
図17は、図16に示した実施態様とは異なる実施態様を反対側から見た図であり、本体部分(172)の3つの側部にそって連続的に、そしてほぼ均一に走る一つのストップ部材(174)を強調した図である。
【0111】
図18は、図7に示した実施態様の変形例を示す断面図である。フィンは、本体部分も、また付属部分ももたない一つのフィンであるが、ダクトホールおよびエアホールをもつものである。なお、これらホールは、高速ターン時に生じる乱流を減らし、スピンアウト現象を抑制するものと考えられる。
【0112】
図19は、図10の実施態様とほぼ同じ屈曲式実施態様(付属部分(193)がその自由端部で屈曲する)を示す斜視図である。なお、この実施態様の場合、異なる色調で強調された異なるタイプの付属部分(193)を使用しているため、付属部分(193)を構成するために使用する可撓性プラスチック材料と非可撓性プラスチック材料からなるタイプの異なる一体的構成になっている。
【0113】
図20は、図4に示したフィンとほぼ同じサイドフィンを示す展開斜視図であるが、異なるタイプの付属部分が図19に示したものと若干似ている。
【0114】
図21は、付属部分の一つを接着し、曲げることができるように構成した、図20に示したサイドフィンの変形例を示す図である。なお、残りの付属部分は、本明細書で説明したタイプのプラスチック材料とは異なるもので構成する。
【0115】
図22は、3種類のサーフボードを示す下面図であり、フィンの構成と、サイドフィンの一つの周りにおける水流状態を示す概略図である。各ボードは、3つの異なる実施態様で水流が流れることを想定している。第1(上)は可撓性の付属部分の動きを示す図、第2(中)は非可撓性のエアホールを示す図、そして第3(下)はエアホールと付属部分の動きを組み合わせたものを示す図である。
【0116】
いずれも、乱流の程度が小さく、コアンダ効果を再び取り戻せるものである。
【0117】
図23は、2種類のプラスチックポリマー、即ち比較的硬質のポリプロピレンと比較的軟質のシリコーンコポリマーから形成した一体式サイドフィン(230)を示す図である。例えば、図2、3、4、5、11に示すものも一体式であり、また例えば図6、23、24に示すものも一体式である。
【0118】
この実施態様の場合、シリコーンコポリマーから形成した第1部分(屈曲するように構成した部分)(232)は、第1部分(232)のリーディングエッジおよびトレーリングエッジにそって実質的に連続的に、また実質的に湾曲“V”形にフィンの残りの部分(即ち第2部分(235))と一体化する。“V”形のベースが第1部分(232)の頂点を形成し、そしてどう見ても第1部分が“V”のアーム部とベース部によって形成される部分の収まることになる。
【0119】
この構成では、フィン(230)のトレーリングエッジがポリプロピレンポリマーから構成され、そしてこのトレーリングエッジのリーディングエッジが第1部分(232)のトレーリングエッジと一体化しているため、第1部分(232)にある程度の構造的剛性が与えられている。フィン(230)のトレーリングエッジが、“V”のベースから“V”のトレーリングエッジアームにそってストップ部材(234)および第1部分(232)のベースに向かって動くと、その寸法が僅かであるが徐々に大きくなる。
【0120】
第1部分(232)のベースは、第1部分(232)のベースと同じ高さにあるフィン(230)のトレーリングエッジのベースとともに、ストップ部材(234)があるため、一方向にのみフィン(230)の残りに対して自由に屈曲する。
【0121】
なお、サーフィン時には、第1部分(232)の屈曲度が、第1部分(232)の頂点(換言すれば、“V”のベース)からストップ部材(234)に向かって動くと、大きくなる。さらに、第1部分(232)のベースのみが完全に自由にフィン(230)の残りに対して動くため、第1部分(232)の頂点での屈曲度が、これらと等価な部分のベースおよび頂点がともに完全に屈曲する他の実施態様とは同じにはならない。
【0122】
図24に示す実施態様(240)について触れると、これはフィン(230)と同じであるが、この実施態様のフィンの全体形状は僅かに異なっている。
【0123】
なお、本明細書に記載した実施態様の全てにおいて、不明瞭な点を避けるために、またあらゆる意図および目的からみた、付属部分および本体部分をもつ本体からなるサイドフィンについて説明したが、本発明はその範囲内に、任意の他の実施態様の本体部分に取り付けた任意の一つの実施態様の(適切に再設計した)付属部分を含むものである。なお、本発明は、キールフィンやセンターボードあるいはダガーボードにも応用可能である。
【0124】
特許請求の範囲を含む明細書全体を通して、“からなる”、“構成する”などは、他の追加部材、区画室、構成成分または構成ステップなどを排除することを意図していない。さらに、明細書全体を通じて、“一体化”、“一体的”などは、最初から一体的な構成成分として形成されているものだけではなく、最初は別々の構成成分複数を組み立てたさいに、全体として、通常は解体できない構造体になるものも含むものである。
【0125】
広い概念では、本発明は、明細書で言及または指摘した構成部分、構成要素および構成上の特徴を個別的にまたは集合的に含むものであり、また2つ以上のこれら構成部分、構成要素および構成上の特徴からなる任意の組み合わせまたは組み合わせすべてを含むものであり、そして具体的に指摘されている構成部材が公知の等価構成を持つ場合、これら等価構成も個別に記載するように本発明に包含されるものである。
【0126】
当業者ならば、特許請求の範囲に記載した発明の範囲から逸脱しなくても、本発明において、構成上の変更を多数行うことができ、また広く異なる実施態様を適用、応用できると考えられる。本明細書に記はいずれも純粋に説明を目的とするもので、限定を意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】フィン構成を示す3つのサーフボードの下側を示す図で、各リーディングサイドフィンを中心とする水流の概略を示す図である。なお、サーフボードの一つは、従来のサーフボードであり、残りの二つは、本発明の異なる実施態様である。
【図2】本発明の一実施態様を示す側面図である。即ち、一方向にのみ屈曲可能な、可撓性第1部分を取り付けた第2部分からなるサイドフィンを示す図である。
【図3】本発明の第2実施態様をカバーするサイドフィンを示す展開斜視図である。
【図4】本発明の第3実施態様をカバーするサイドフィンを示す展開斜視図である。
【図5】本発明の第4実施態様をカバーするサイドフィンを示す展開斜視図である。
【図6】本発明の第5実施態様をカバーする屈曲位置にあるサイドフィンを示す展開斜視図である。
【図7】本発明の第6実施態様をカバーするサイドフィンを示す横断面図である。
【図8】サーフボードの下側に取り付けた、図7に示すサイドフィンの横断面図である。
【図9】本発明の第7実施態様をカバーするサイドフィンを示す横断面図である。
【図10】本発明の第8実施態様をカバーするサイドフィンを示す展開斜視図である。
【図11】本発明の第9実施態様をカバーするサイドフィンを示す展開斜視図である。
【図12】本発明の第10実施態様をカバーする、屈曲位置にあるサイドフィンを示す展開斜視図である。
【図13】本発明の第11実施態様をカバーする、屈曲位置にあるサイドフィンを示す展開斜視図である。
【図14】本発明の第12実施態様をカバーする、屈曲位置にあるサイドフィンを示す展開斜視図である。
【図15】図2に示した実施態様と同様な実施態様を示す斜視図である。なお、この実施態様では、ストップ部材を本体部分と一体化し、ペグを使用していない。
【図16】フィンの第1部分のトレーリングエッジが、組み立てた状態のフィンのトレーリングエッジと一体化していないサイドフィンの異なる実施態様を示す斜視図である。
【図17】図16に示した実施態様の変形例を示す図である。
【図18】本発明のサイドフィンのさらに別な実施態様を示す横断面図である。
【図19】図10の実施態様と同様な屈曲実施態様を示す斜視図である。なお、第1部分を構成するために使用する異なる種類のプラスチック材料を示すために、異なるタイプの付属フィン部分は異なる色調で強調してある。
【図20】図19に示したものとやや類似している異なるタイプの第1部分をもつ、図4に示したものと同様なサイドフィンの実施態様を示す展開斜視図である。
【図21】第1部分の一つを接着し屈曲させた組み立て状態にある、図20に示したサイドフィンの変形例を示す図である。
【図22】サーフボードに取り付けた状態を示す、本発明のサイドフィンの一つのうち3種類を横断する水流を示す概略図である。
【図23】一体式サイドフィンの別な変形例を示す斜視図である。
【図24】図23に示した一つの実施態様と同様な変形例を示す正面図である。
【符号の説明】
【0128】
1:フィン、
2:本体部分、
3:付属部分、
7:グラブねじ、
8、9:トレーリングエッジ
11:コア、
12:トレーリングエッジ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2部分に連動結合された第1部分からなる水上クラフトに使用するキール、フィンまたはセンターボードにおいて、第2部分に対して第1部分が動けるように構成し、フィンに第1部分の意図しない又は望ましくない動きを防止するストップ部材を設けたことを特徴とするキール、フィンまたはセンターボード。
【請求項2】
第1部分がフィンの付属部分で、第2部分がフィンの本体部分である請求項1記載のキール、フィンまたはセンターボード。
【請求項3】
第1部分の動きが、第1部分のリーディングエッジを実質的に中心とする進行する屈曲運動の形を取る請求項2または3記載のキール、フィンまたはセンターボード。
【請求項4】
ストップ部材が第2部分と一体化し、第1部分の望ましくない動きが起こりそうなときに、第1部分を第2部分内に潜在的に位置させ、ここに固定して、水に対して従来と同様なフィンを構成する請求項1、2または3記載のキール、フィンまたはセンターボード。
【請求項5】
それぞれがフィンの第1部分の異なる部位に作用する2つのストップ部材を設けた請求項1、2、3または4記載のキール、フィンまたはセンターボード。
【請求項6】
第1部分および第2部分に相補的な係合部材を設けて、各部分を連動結合できるように構成した請求項1、2、3、4または5記載のキール、フィンまたはセンターボード。
【請求項7】
相補的な係合部材の一つに案内部材を設けた請求項6記載のキール、フィンまたはセンターボード。
【請求項8】
第2部分によって支持した係合部材に案内部材を設けた請求項7記載のキール、フィンまたはセンターボード。
【請求項9】
フィンに相補的な雄形ロック部材および雌形ロック部材を設けて、第1部分を第2部分にロックした請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載のキール、フィンまたはセンターボード。
【請求項10】
第1部分および第2部分の両者に同じタイプのロック部材を設けた請求項9記載のキール、フィンまたはセンターボード。
【請求項11】
2つのタイプのプラスチック材料から第1部分を構成した請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載のキール、フィンまたはセンターボード。
【請求項12】
第1部分の少なくともリーディングエッジおよび/またはトレーリングエッジを硬質プラスチック材料から構成した請求項11記載のキール、フィンまたはセンターボード。
【請求項13】
いったん第1部分および第2部分を連動結合してフィンを構成すると、第1部分が第2部分に完全に収容される請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12記載のキール、フィンまたはセンターボード。
【請求項14】
フィンがサイドフィンである請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13記載のキール、フィンまたはセンターボード。
【請求項15】
第1部分がフィンのトレーリングエッジと一体化している請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14記載のキール、フィンまたはセンターボード。
【請求項16】
第1部分を複数設けた請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15記載のキール、フィンまたはセンターボード。
【請求項17】
フィンのトレーリングエッジの一つかそれ以上の部分について、各第1部分が動いたときに動けるように構成した請求項15記載のキール、フィンまたはセンターボード。
【請求項18】
第1部分が動いたときに、第2部分のトレーリングエッジが動けるように、第1部分および第2部分を連動接続した請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17記載のキール、フィンまたはセンターボード。
【請求項19】
フィンに開口を形成したダクトを配設し、流体がダクトに流入し、開口の一つかそれ以上からキール、フィンまたはセンターボードの一方の側の一部を介して排出するように構成した請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18記載のキール、フィンまたはセンターボード。
【請求項20】
流体が空気である請求項19記載のキール、フィンまたはセンターボード。
【請求項21】
添付図面の適切な選択又は組合せに関して実質的に説明した、及び/又はそれらから選択したキール、フィンまたはセンターボード。
【請求項22】
水上クラフトに使用するキール、フィンまたはセンターボードであって、開口を形成したダクトを配設し、流体がダクトに流入し、開口の一つかそれ以上からキール、フィンまたはセンターボードの一方の側の一部を介して排出するように構成したことを特徴とするキール、フィンまたはセンターボード。
【請求項23】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20または21のキール、フィンまたはセンターボードを使用した水上クラフトであって、ディンギー、ヨット、モーターボート、セールボードおよびサーフボードからなる群から選択したことを特徴とする水上クラフト。

【請求項24】
添付図面の図22に関して説明した、および/または図22に示した水上クラフト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公表番号】特表2008−543629(P2008−543629A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515647(P2008−515647)
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【国際出願番号】PCT/NZ2006/000140
【国際公開番号】WO2006/135256
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(507406334)
【氏名又は名称原語表記】JONES,Cameron Grant
【住所又は居所原語表記】85 Wellpark Avenue,Westmere,Auckland,1021,New Zealand