説明

サーマルプリンタ

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
この発明は、熱転写リボン上のインクをサーマルヘッドの発熱により記録用紙に転写するサーマルプリンタ、詳しくは記録用紙を往復動させることにより複数回、転写部において転写動作を繰り返すようにしたサーマルプリンタの改良に関するものである。
[従来の技術]
第16図は、例えば特開昭60−72773号公報に示された従来のサーマルプリンタであり、図において装置本体(1)に着脱可能に装着された用紙カセット(2)内の用紙(3)は、給紙ローラ(4)により1枚づつ送り出される。熱転写リボン(7)は供給ローラ(5)から巻取ローラ(6)へ送られる。サーマルヘッド(8)は電磁石(12)により上下する。プラテンローラ(9)には、排紙側のピンチローラ(10)及び給紙側のピンチローラ(11)が、バネで押圧され、プラテン(9)の回転に従って回転する。給紙側のピンチローラ(11)の上方には摩擦材(13)、ブレーキ(14)が設けてあり、さらにアライニングローラ(15),(16)が配置されている。排紙ローラ(17)、排紙ローラピンチ(18)と排紙側のピンチローラ(10)の間に設けられた排紙ガイド(24),(25)の下端部には、用紙先端検出センサ(19)が配置されている。用紙カセット(2)から送り出された用紙(3)は用紙ガイド(20),(21)でガイドされる。さらに装置本体(1)には、スタッカ(26)、電源(27)、制御基板(28)が装着されている。
用紙カセット(2)から繰り出された1枚の用紙(3)は、用紙ガイド(20),(21)の間を通って、アライニングローラ(15),(16)によりさらに繰り出され、プラテンローラ(9)と給紙側ピンチローラ(11)の間に導かれる。この後用紙(3)はプラテンローラ(9)と熱転写リボン(7)の間にはさまれて排紙側ピンチローラ(10)とプラテンローラ(9)の間を通り、用紙先端検出センサ(19)まで達する。用紙先端検出センサ(19)で用紙(3)の先端を検出されると、その出力により、電磁石(12)が励磁されその結果、サーマルヘッド(8)を用紙(3)及び熱転写リボン(7)を介してプラテンローラ(9)に押圧する。そしてサーマルヘッド(8)に通電することにより、用紙(3)に印画を開始する。印画終了後、電磁石(12)を解除して、サーマルヘッド(8)をプラテンローラ(9)から引き離し用紙(3)をプラテンローラ(9)と、ピンチローラ(10),(11)によって用紙先端検出センサ(19)のところまで逆送する。次に熱転写リボン(7)の別な色を同様にして印画し、この操作を繰り返して必要回数の印画を行った後スタッカ(26)へ用紙(3)が排出される。
[発明が解決しようとする問題点]
従来のサーマルプリンタは以上のように構成されているので、用紙の往復搬送時、給紙側ピンチローラ(11)及び排紙側ピンチローラ(10)と、プラテンローラ(9)との接触部における用紙(3)の搬送速度に差が生じ、給紙側ピンチローラ(11)と排紙側ピンチローラ(10)の間で用紙のたるみやすべりが生じプラテンローラ(9)の回転角に対し、用紙(3)の位置に誤差が生じ、色ズレが生じやすいという問題があった。また、上記各接触部での圧力が不均一な場合、用紙(3)は斜行し、その斜行の程度が、給送時と逆送時で異なり結果として色ズレが生じるという問題があった。
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、給送時及び逆送時に用紙がたるみなく、プラテンローラに密着し、かつプラテンローラと用紙の接触面において、両者間に滑りが生じないように用紙を搬送することにより、用紙の位置の誤差を除去し色ズレの少ない画像を形成することができるサーマルプリンタを得ることを目的とする。
[問題点を解決するための手段]
この発明は、用紙に印画を転写するサーマルヘッドと,前記サーマルヘッドに対置され、用紙を搬送するプラテンローラと,前記サーマルヘッドに対して用紙搬送方向の上流側と下流側に夫々位置し,前記プラテンローラに押圧される一対のピンチローラとを備え、用紙を往復動させて印画を行うサーマルプリンタにおいて,前記プラテンローラを回転させる回転手段と、前記ピンチローラを前記プラテンローラの風速より速い周速で回転させる回転手段と,前記下流側のピンチローラのみに前記回転手段の回転力を伝達し,前記上流側のピンチローラを前記プラテンローラに追従して回転させる一方向クラッチを前記一対のピンチローラの夫々に備え,給紙側ピンチローラの押圧力PB及び排紙側ピンチローラの押圧力PFが所定の範囲内にあるようにした。
[作用]
この発明における給紙側と排紙側の各ピンチローラは印画時には、給紙側ピンチローラが従動し、排紙側ピンチローラは増速されるため、給紙側ピンチローラにおける用紙の搬送速度が排紙側ピンチローラにおける搬送速度より小さくなり、用紙はプラテンローラにたるむことなく密着する。逆送時は、給紙側ピンチローラが増速され、排紙側ピンチローラがプラテンローラに従動するため、排紙側ピンチローラにおける用紙の搬送速度が給紙側ピンチローラにおける搬送速度より小さく、用紙はプラテンローラに密着する。各ピンチローラの押圧力が所定値に保持されるため、各押接部における搬送力と拘束力の関係から、プラテンローラと用紙の接触面で滑りが生じない。
[実施例]
以下この発明の一実施例を図について説明する。第1図R>図において、排紙側ピンチローラ(10)と給紙側ピンチローラ(11)の各軸端には、一方向クラッチ(29),(30)を介して歯車(31),(32)が取り付けられ、プラテンローラ(9)の軸端に取り付けられた歯車(33)と係合している。また、排紙側ピンチローラ(10)と給紙側ピンチローラ(11)の各軸のさらに外側には、軸受ブロック(34),(35)が取り付けられ側板(36)に設けられた溝(37)にはめ込まれて、スライドするようになっている。各ピンチローラ(10),(11)のプラテンローラ(9)への所定の押圧力は、押圧バネ(38),(39)が、各軸受ブロック(34),(35)を押すことにより与えられる。
第2図において、装置本体(1)には、用紙(3)を収容する給紙カセット(2)が設けられ、用紙(3)は給紙ローラ(4)より印画部に供給される。熱転写リボン(7)は供給ローラ(5)から巻取ローラ(6)へ送られる。サーマルヘッド(8)はカム(40)によりプラテンローラ(9)と接離する。サーマルヘッド(8)への押圧力はヘッド押圧バネ(41)により与えられる。サーマルヘッド(8)には、サーマルヘッド(8)がプラテンローラ(9)から離れたとき熱転写リボンをサーマルヘッド(8)から剥離させる剥離ローラ(42)が設けられている。排紙ローラ(17)、排紙ローラピンチ(18)と排紙側ピンチローラ(10)の間に設けられた排紙ガイド(24),(25)の下部には、用紙先端検出センサ(19)が配置されている。さらに装置本体(1)にはスタッカ(26)、電源(27)、制御基板(28)が設けられている。
次に動作について説明する。第1図及び第3図に示すように、プラテンローラ(9)が矢印Aの方向に回転するとき、排紙側ピンチローラ(10)の周速は、その軸端に取り付けられた歯車(31)とプラテンローラ(9)の軸端に取り付けられた歯車(33)の係合により、歯車比に相応してプラテンローラ(9)の周速よりも大きくなる。この時給紙側ピンチローラ(11)は、一方向クラッチ(30)の滑りにより、プラテンローラ(9)に従動する。逆に矢印B方向に回転するときは、給紙側ピンチローラ(11)の軸端の歯車(32)がプラテンローラ(9)の軸端の歯車と係合し、歯車比に相応してプラテンローラ(9)の周速よりも大きくなり、排紙側ピンチローラ(10)は、その軸と歯車(31)の間の一方向クラッチ(31)が滑ることによりプラテンローラ(9)に従動する この機構を備えたサーマルプリンタの画像形成動作を次に説明する。第4図に示すようにサーマルヘッド(8)が離れた状態で用紙カセット(2)から1枚の用紙(3)が給紙ローラ(4)により給紙側ピンチローラ(11)とプラテンローラ(9)の間に送られてくる。次に第5図に示すようにサーマルヘッド(8)が上昇し、プラテンローラ(9)が矢印Aの方向に回転して用紙(3)はプラテンローラ(9)と熱転写リボン(7)の間にはさまれて供給される。用紙先端検出センサ(19)の位置に用紙(3)の先端が届くとプラテンローラ(9)の回転を停止する。ついでサーマルヘッド(8)を破線で示すように降下させ、再度プラテンローラ(9)を矢印A方向に回転させ用紙(3)を一定距離送り出す。この時排紙側ピンチローラ(10)は増速されるため、排紙側ピンチローラ(10)における搬送速度の方が速くなり、給紙時に生じる用紙(3)のたるみは徐々に除去される。その後プラテンローラ(9)を第6図に示す矢印Bの方向に回転させ、用紙(3)の先端を用紙先端検出センサ(19)の位置までバックさせる。この時は、給紙側ピンチローラ(11)が増速されるため、給紙側ピンチローラ(11)による搬送速度の方が速くなり、さらに用紙(3)のたるみが除去され、ついには用紙(3)は、プラテンローラ(9)と密着した状態となる。以上の動作で用紙(3)のセットが行われる。つづいて第7図に示すようにサーマルヘッド(8)を上昇させ、プラテンローラ(9)を矢印A方向に回転させ第1色目の印画を始める。以後、プラテンローラ(9)の回転方向が矢印Aの方向の時は、排紙側ピンチローラ(10)が増速され、給紙側ピンチローラ(11)がプラテンローラ(9)に従動し、一方矢印Bの方向の時は給紙側ピンチローラ(11)が増速され排紙側ピンチローラ(10)がプラテンローラ(9)に従動する。第1色目の印画終了後第8図に示すようにサーマルヘッド(8)を降下させプラテンローラ(9)を矢印B方向に回転させ用紙(3)の先端を用紙先端検出センサ(19)の位置まで逆送させる。次に別の色を印画させるべく第7図、第8図R>図の動作を複数回繰り返して印画する。そして、所定の画像を印画後、サーマルヘッド(8)を降下させ、排紙ローラ(17)に排紙ローラピンチ(18)を押接させて用紙(3)をスタッカ(26)上へ排出する。
上記実施例において、給紙側のピンチローラ押圧力PBは、PH/eμθ<PB<P1P2<PB<PFeμθの両方の条件を満足する範囲であり、また、排紙側のピンチローラの押圧力PFは、P2<PF<PHeμθPB/e2μθ<PF<P1の両方の条件を満足する範囲である。
ここでPHはサーマルヘッド押圧力、 P1は従動状態のピンチローラのみを用紙を介してプラテンローラに押圧し、プラテンローラを作動させた場合の用紙搬送速度がプラテンローラ外周面上を用紙が滑らずに搬送された場合の搬送速度と同一となる時のピンチローラ押圧力、 P2は増速状態のピンチローラだけを用紙を介してプラテンローラに押圧し、プラテンローラを作動させた場合の用紙搬送速度がプラテンローラ外周面上を用紙が滑らずに搬送された場合の搬送速度と同一となる時のピンチローラ押圧力、 θは給紙側及び排紙側ピンチローラとプラテンローラとの各当接部とサーマルヘッドとプラテンローラの当接部との間の、用紙のプラテンローラへの巻付角、 μは用紙とプラテンローラ外周面との間の摩擦係数、である。
上記の実施例においては、用紙は給送時(印画時)と逆送時にプラテンローラに密着しプラテンローラの回転に相応して搬送されて、たるみや滑りが発生せず、用紙位置の誤差が生じないため、色ずれのほとんどない画像を形成することができる。
上記の給紙側及び排紙側のピンチローラの押圧力を上記範囲に保持することにより色ずれのない画像を形成できるのは以下の原理による。
一般に第9図に示すように、プラテンローラ(9)に用紙(3)がある張力で巻きついている時、この用紙(3)の搬送速度V0はプラテンローラ(9)と用紙(3)の間で滑りが生じていない場合次式で与えられる。
VO=(1+t/D)VN ここでtは用紙(3)の厚さ、Dはプラテンローラの直径であり、VNはプラテンローラ(9)の周速度でありωを各速度とするとVN=ωD/2で表わされる。
また第10図に示すように、プラテンローラ(9)に用紙(3)を介してサーマルヘッド(8)を押圧した状態でのサーマルヘッド(8)部における用紙(3)の搬送速度VHはサーマルヘッド(8)の押圧力に影響を受けるが、印画に必要な押圧力(定格押圧力PHでサーマルヘッド(8)とプラテンローラ(9)に押圧した状態における搬送速度VHはプラテンローラ(9)の変形等の理由により一般にVOより大きな値となる。
ところで第11図に示すように、プラテンローラ(9)に用紙(3)を介してピンチローラ(11)が押圧され従動している状態での用紙(3)の搬送速度VBは、ピンチローラ(11)の押圧力PBの増大と共に増大する。第14図は、この搬送速度特性の実測値の一例を実線で示したものであり横軸はピンチローラ押圧力PB、縦軸は搬送速度VBである。また破線は、プラテンローラ(9)が第11図に示す方向と逆方向に回転し、ピンチローラ(11)が増速されている時の搬送速度特性である。比較のためにVN,VO,VH及びP1,P2の値も併せて示す。ここで、給紙側ピンチローラ(11)の押圧力PBの値が第14図中P1で示した値より小さければ、印画時の各部搬送速度の関係は、VB<VO<VHとなり用紙はたるみなくプラテンローラに密着する。この時第12図に示すようにサーマルヘッド(8)による搬送部にfHなる搬送力が矢印Cの方向に、ピンチローラ(11)の搬送部にfBなる拘束が、矢印Dの方向に作用する。
一般に第13図aに示すように、固定された円筒(60)に可撓体(61)が巻付角θで巻付いている時可撓体(61)の張力をT1,T2とし可撓体(61)と円筒(60)外周面との間の摩擦係数をμとすると、次の関係が成立つ。
(i) T1>T2eμθのとき 可撓体(61)は円筒(60)外周面上を矢印T1の方向に滑る。
(ii) T1<T2/eμθのとき 可撓体(61)は円筒(60)外周面上を矢印T2の方向に滑る。
(iii) T2/eμθ<T1<T2eμθのとき 可撓体(61)は円筒(60)外周面により拘束され滑りを生じない。
この関係を適用して、用紙(3)とプラテンローラ(9)外周面との間の摩擦係数をμとし巻付角θを考慮すると次の3通りの場合が考えられる。
(i) fB>fHeμθ(ii) O<fB<fH/eμθ(iii) fH/eμθ<fB<fHeμθ そしてfBが(iii)の範囲に保持されていれば、用紙とプラテンローラ(9)外周面の間で滑りが生じない力関係となる。
一方fH=μPH,fB=μPBであるから(iii)の関係は各部押圧力の関係で表わすとPH/eμθ<PB<PHeμθとなる。
ところで実際にはO<PH/eμθ<P1<PHeμθなる関係があるため、PBの値がPH/eμθ<PB<P1の時に用紙はピンチローラ(11)とサーマルヘッド(8)の間でプラテンローラ(9)に密着しかつ両者間にたるみや滑りが生じない。したがって用紙(3)はプラテンローラ(9)の外周面の移動に対応して、搬送速度V0で搬送される。なお、この時、排紙側ピンチローラ(10)の速度VFをVOより大きくすることによりサーマルヘッド(8)と排紙側ピンチローラ(10)の間で用紙のたるみが生じないようにする必要がある。そのためには排紙側ピンチローラの押圧力PFを、第14図中P2で示した値より大とし、力の関係をも考慮して、P2<PF<PHeμθとなるように設定すればよい。
次に逆送時は、給紙側ピンチローラ(11)が増速され、排紙側ピンチローラ(10)が従動するので、PF<P1,PB>P2とすることにより、各部搬送速度の関係はVF<VO<VBとなる。
この時、第13図に示すように、給紙側ピンチローラ(11)による搬送部にfB′なる搬送力が矢印Eの方向に、排紙側ピンチローラ(10)の搬送部にfFなる拘束力が矢印Fの方向に作用する。そして印画時と同様に搬送力と拘束力の大小関係を考慮して、PB/e2μθ<PF<P1、P2<PB<PFe2μθとなる時、用紙(3)は給紙側ピンチローラ(11)と排紙側ピンチローラ(10)の間でプラテンローラ(9)に密着し、かつプラテンローラ(9)と用紙(3)の間で滑りが生じないため搬送速度はV0となる。参考のため、第15図に、横軸を給紙側ピンチローラの押圧力PB、縦軸を搬送速度VSとし印画時の搬送特性を実線で、逆送時の搬送特性を破線で示している。なおこの時の排紙側ピンチローラ(10)の押付力PFは上記設定範囲内の値に設定している。このように給紙側ピンチローラ(11)の押圧力PBが前記の範囲内にある場合、印画時、逆送時共に搬送速度はほぼVOとなり安定した搬送が実現される。
ここで、用紙とプラテンローラ表面間の摩擦係数μは、使用する用紙の種類、プラテンローラゴムの材質および環境条件(温湿度)などにより決まる。また、経時的なゴムの劣化等によってもμの低下が見られる。ピンチローラ押圧の設定範囲は、μの値が低い程その上限値が低下し下限値が上昇する形で狭くなっているため、多種類の用紙を使用する場合は、その中で最もμ低い用紙において滑りなく搬送される範囲内にピンチ圧を設定すれば他の用紙についても滑りなく搬送される条件は成立する。この最低のμは環境条件、経時劣化を考慮して決定される。一般に用いられるプラテンローラゴムと普通紙ではμの下限値は0.5程度が妥当である。
なお上記実施例では多色転写サーマルプリンタに利用する場合について説明したが、他のプリンタに利用しても同様の効果を奏する。
[発明の効果]
以上のように、この発明によれば、各プラテンローラとピンチローラを係合させる歯車に一方向クラッチを設け、用紙の往復搬送時、搬送方向に対して前方のピンチローラの周速をプラテンローラの周速より早くし、後方のピンチローラをプラテンローラに従動させることにより、用紙を常時プラテンローラに密着させかつプラテンローラと用紙の接触面において、両者間に滑りが生じないように搬送することができる。すなわち、用紙の往復動作時に、用紙のたるみや滑りによる搬送誤差や、用紙の斜行が防止され色ずれをほとんど生じないサーマルプリンタを得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す一部平面図、第2図はその側面図、第3図〜第8図は実施例の動作を説明する側面図、第9図〜第13図及び第13図aは本発明の原理説明のための側面図、第14図、第15図は用紙の搬送特性を示すグラフ、第16図は従来のサーマルプリンタの側断面図である。なお図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
(3)は用紙(被転写材)、(7)は熱転写リボン、(8)はサーマルヘッド、(9)はプラテンローラ、(10),(11)は各々排紙側及び給紙側のピンチローラ、(29),(30)は一方向クラッチ、(31),(32)はピンチローラ側歯車、(33)はプラテンローラの歯車である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】用紙に印画を転写するサーマルヘッドと,前記サーマルヘッドに対置され、用紙を搬送するプラテンローラと,前記サーマルヘッドに対して用紙搬送方向の上流側と下流側に夫々位置し,前記プラテンローラに押圧される一対のピンチローラとを備え、用紙を往復動させて印画を行うサーマルプリンタにおいて,前記プラテンローラを回転させる回転手段と、前記ピンチローラを前記プラテンローラの周速より速い周速で回転させる回転手段と,前記下流側のピンチローラのみに前記回転手段の回転力を伝達し,前記上流側のピンチローラを前記プラテンローラに追従して回転させる一方向クラッチを前記一対のピンチローラの夫々に備え,給紙側ピンチローラの押圧力PB及び排紙側ピンチローラの押圧力PFが以下の範囲内にあるようにしたことを特徴とするサーマルプリンタ:PB

P2<PB<PFe2μθの両方の条件を満足する範囲。
PFはP2<PF<PHeμθとPB/e2μθ<PF<P1の両方の条件を満足する範囲。
ここでPH;サーマルヘッドの押圧力P1;従動状態のピンチローラのみを用紙を介してプラテンローラに押圧し,プラテンローラを作動させた場合の用紙搬送速度がプラテンローラ外周面上を用紙が滑らずに搬送された場合の搬送速度と同一となる時のピンチローラ押圧力,P2;増速状態のピンチローラだけを用紙を介してプラテンローラに押圧し,プラテンローラを作動させた場合の用紙搬送速度がプラテンローラ外周面上を用紙が滑らずに搬送された場合の搬送速度と同一となる時のピンチローラ押圧力,θ;給紙側及び排紙側ピンチローラとプラテンローラとの各当接部とサーマルヘッドとプラテンローラの当接部との間の,用紙のプラテンローラへの巻付角,μ;用紙とプラテンローラ外周面との間の摩擦係数。

【第3図】
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【第4図】
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【第9図】
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【第1図】
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【第2図】
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【第5図】
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【第10図】
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【第11図】
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【第13図】
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【第6図】
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【第7図】
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【第8図】
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【第12図】
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【第13図a】
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【第14図】
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【第15図】
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【第16図】
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【特許番号】第2610135号
【登録日】平成9年(1997)2月13日
【発行日】平成9年(1997)5月14日
【国際特許分類】
【出願番号】特願昭62−198562
【出願日】昭和62年(1987)8月8日
【公開番号】特開平1−42264
【公開日】平成1年(1989)2月14日
【審判番号】平6−15406
【出願人】(999999999)三菱電機株式会社
【合議体】
【参考文献】
【文献】特開 昭60−214983(JP,A)
【文献】特開 昭62−144975(JP,A)