説明

サーモパイル評価装置

【課題】サーモパイルの使用態様に応じたサーモパイルの温度特性を計測し、温度特性の安定性を評価可能なサーモパイル評価装置を提供する。
【解決手段】サーモパイル保持部7の台座部7bをC方向に移動させて、円筒状ローラ6aと被評価サーモパイルとの離間距離Xや、台座部7bを基部7aに対して上下方向に移動させてサーモパイル4の検出面4aを円筒状ローラ6aの基準面6a1に対する高さYを変更させて、サーモパイル4の計測条件を変更可能となっている。同様に、サーモパイル保持部7の支持部7cをE方向に回動させて、円筒状ローラ6aの基準面6a1に対する傾斜角θを種々変更させてこれらの計測条件の変更に伴うサーモパイル4の温度特性の安定性を計測評価することが可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーモパイル評価装置に係り、特に、サーモパイルの計測条件を変更して変更された計測条件に応じたサーモパイルの温度特性データを入手可能なサーモパイル評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の電子写真方式の画像形成装置で使用される定着装置においては、加熱ローラと加圧ローラで、未定着トナー像を有する転写用紙を加熱、加圧して未定着トナー像を転写用紙に定着することが行われている。この際に、適切な加熱温度になるように、加熱ローラの加熱温度を制御しているが、この加熱温度を制御する場合に、加熱ローラの加熱温度を計測する必要がある。加熱ローラの加熱温度を計測する手段としては、加熱ローラの表面に接触させて加熱温度を計測する接触式温度検知方式と、加熱ローラの表面に接触させないで加熱温度を計測する非接触式温度検知方式が知られている。
接触方式では、一般にサーミスタが温度検知部材として用いられる。サーミスタは加熱ローラ表面に接触されてローラ表面の温度を検知し、その検知結果に応じて加熱ローラの温度制御が行われる。このような接触方式では、サーミスタをローラ表面に接触させることが必要となることからサーミスタでローラ表面を損傷させる恐れがある。このような、接触方式の問題点を解消するために、非接触式の温度検知方式を採用して加熱ローラの表面の損傷を防止することが行われている。そして、非接触式の温度検知方式としてサーモパイルを使用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
サーモパイルは、対象物からの赤外線をセンサー面で感知し、非接触で対象物の温度を測定することが可能であり、前記定着装置の加熱ローラの加熱温度測定には好適である。このサーモパイルは、赤外線量を検出する関係上、外部から入射する光を吸収する黒体で包囲された発熱体から基準温度における赤外線を放射する黒体炉を使用してサーモパイルの温度特性を評価するようになっている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−85685公報
【特許文献2】特開平3−170824号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献2に記載されているように、従来のサーモパイル評価装置は、図7に示すように、内部に発熱体1を収容した黒体炉2の開口部2aから所定距離離隔した位置の保持部3上にサーモパイル4を取り付け、所定の基準温度に発熱された発熱体1からの赤外線をサーモパイル4の検出面4aで検出し、検出された赤外線に基づく電圧を計測部5で計測してサーモパイル4の温度特性を評価するようになっている。
しかしながら、上述のような定着装置の加熱ローラの温度計測においては、被測定物となる加熱ローラとサーモパイルとの離隔距離や加熱ローラに対するサーモパイルの検出面の角度等の変動によって、サーモパイルによって検出される電圧が変動するという問題がある。そのために、サーモパイルの使用条件に応じたサーモパイルの温度特性の変動状態を知り、変動が生じない安定な使用状態(安定性)を知る必要があるが、従来、このような特性の評価は行われていなかった。
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、サーモパイルの使用態様に応じたサーモパイルの温度特性を計測し、温度特性の安定性を評価可能なサーモパイル評価装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、所定温度で発熱された際に赤外線を放射する赤外線放射手段と、当該赤外線放射手段からの赤外線を検出する被評価サーモパイルを保持する保持部と、当該サーモパイルで検出された赤外線量に基づく温度を計測する温度計測手段とを備え、当該温度計測手段によって計測された被評価サーモパイルの温度特性を評価するサーモパイル評価装置において、前記被評価サーモパイルの計測条件を変更するサーモパイル計測条件変更手段を有し、前記温度計測手段は、前記サーモパイル計測条件変更手段によって変更された計測条件で被評価サーモパイルで検出された温度を計測することを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1記載のサーモパイル評価装置において、前記赤外線放射手段は、ローラ内部に発熱体を有し、黒色に着色された表面層を有する円筒状ローラであり、前記被評価サーモパイルは、当該円筒状ローラの径方向に配設されることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項2記載のサーモパイル評価装置において、前記赤外線放射手段は、前記円筒状ローラの表面層と対接して当該表面層の温度を計測するサーミスタを備え、当該サーミスタによって検出された表面層温度に基づいて前記円筒状ローラの中心部の発熱体に供給する電力を制御する制御手段によって所定の温度に前記円筒状ローラを加熱することを特徴とする。
【0005】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載のサーモパイル評価装置において、前記サーモパイル計測条件変更手段は、前記評価対象のサーモパイルと前記赤外線放射手段との離間距離を変更可能な距離変更手段と、前記評価対象のサーモパイルの前記赤外線放射手段に対する傾斜角度を変更可能な角度変更手段と、前記評価対象のサーモパイルの前記赤外線放射手段に対する高さを変更可能な高さ変更手段と、前記評価対象のサーモパイルと前記赤外線放射手段との間に配設されるフィルタ保持手段と、前記評価対象のサーモパイルと前記赤外線放射手段の環境温度を変化させる恒温槽と、前記評価対象のサーモパイルに外光を照射可能とする外光照射窓の少なくとも1種であることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項4記載のサーモパイル評価装置において、前記サーモパイル計測条件変更手段は、少なくとも前記距離変更手段と、前記高さ変更手段とであることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載のサーモパイル評価装置において、前記温度計測手段は、前記サーモパイル計測条件変更手段によって変更された計測条件に対応する温度測定データを解析する解析手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、被評価サーモパイルの計測条件を変更するサーモパイル計測条件変更手段を有し、温度計測手段は、前記サーモパイル計測条件変更手段によって変更された計測条件で評価対象のサーモパイルで検出された温度を計測することによって、サーモパイルの使用態様に応じたサーモパイルの温度特性を計測し、温度特性の安定性を評価可能なサーモパイル評価装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明による一実施形態に係るサーモパイル評価装置の概略構成を示す図である。図2は、図1のA−A線上で切断した断面図である。図3は、図1のB−B線上で切断した断面図である。図4は、本発明による一実施形態に係るサーモパイル評価装置で使用される網部材取り付け部の斜視図である。図5は、本発明による一実施形態に係るサーモパイル評価装置を恒温槽内に収容した状態の概略構成を示す図である。図6は、本発明による一実施形態に係るサーモパイル評価装置を使用してサーモパイルを評価した計測条件を示す表図である。
本実施形態に係るサーモパイル評価装置は、図1に示すように、基準温度で発熱された際に赤外線を放射する赤外線放射手段6と、評価対象となるサーモパイル4を保持するサーモパイル保持部7とを備えており、赤外線放射手段6とサーモパイル保持部7とは、内面が黒色に形成された暗箱8内に収容されている。図1は、暗箱8の上蓋を取除いた図である。
【0008】
赤外線放射手段6は、図2に示すように、画像形成装置の定着ローラとほぼ同一形状の円筒状ローラ6aとなっており、この両端の回転軸6bを暗箱8の底面8aに取り付けられた軸受部9で回転可能に支持されている。そして、円筒状ローラ6aの一端の回転軸6b上には、ギア10が取り付けられており、このギア10が駆動モータ11の回転軸に取り付けられた駆動ギア11aと噛合して駆動モータ11の回転によって円筒状ローラ6aが回転されるようになっている。従って、画像形成装置の定着ローラの作動状態と同様に、円筒状ローラ6aを回転させた状態でのサーモパイル4の温度特性の計測を可能としている。また、円筒状ローラ6aの中心部には、図2に示すように、ハロゲンヒータ等の熱源6cが収容され、この熱源6cの外周には、金属等からなる伝熱層6dが形成され、伝熱層6d上に黒色塗料が塗布された黒色の表面層6eが形成されている。従って、熱源6cに電源が供給されて発熱すると、円筒状ローラ6aの表面からは赤外線が径方向に放射されることになる。
また、赤外線放射手段6は、円筒状ローラ6aの表面と対接するサーミスタ12が取り付けられており、サーミスタ12によって円筒状ローラ6aの表面温度を検出するようになっている。サーミスタ12に検出された表面温度は、制御装置13に送給され、制御装置13によって、熱源6cに供給される電源14からの供給電力を制御して、円筒状ローラ6aの表面温度が所定の温度に維持されるようになっている。このように、本実施形態に係る赤外線放射手段6は、画像形成装置の定着ローラと同様な加熱状態で円筒状ローラ6aの表面から所定の温度で赤外線を放射可能となっている。しかも従来の赤外線放射手段のように、高価な黒体炉を使用せずに、簡便な構造のものとすることができるので、安価に作製することができる。
【0009】
サーモパイル保持部7は、円筒状ローラ6aから円筒状ローラ6aの径方向で所定距離X、例えば、画像形成装置の定着ローラ表面からの離隔距離で離隔した位置に配設されている。そして、サーモパイル保持部7は、図3に示すように、暗箱8の底部8aに取り付けられた基部7a上に、台座部(距離変更手段及び高さ変更手段)7bが円筒状ローラ6aの径方向に移動可能(図1のC方向)に取り付けられ、所定距離Xを変更可能となっている。さらに、図3に示すように、基部7aに対して上下方向(矢印D方向)に移動可能に取り付けられ円筒状ローラ6aの基準面6a1に対してその高さYを変更可能となっている。また、台座部7b上には被評価体であるサーモパイル4を支持する支持部7cが配設され、この支持部(角度変更手段)7cは、台座部7bから立設した脚部7b1で矢印E方向に回動可能に取り付けられ、円筒状ローラ6aの基準面6a1に対して、サーモパイル4の検出面4aを傾斜(図3中点線で表示)させることが可能となっている。
従って、サーモパイル保持部7に被評価サーモパイル4を取り付けた際に、台座部7bをC方向に移動させることによって、サーモパイル4の検出面4aと円筒状ローラ6aとの離間距離Xを変動させることが可能となる。また、台座部7bを矢印D方向に移動させることによって、サーモパイル4の検出面4aを円筒状ローラ6aの基準面6a1に対する高さYを上下方向に変動可能となる。さらに、支持部7cを矢印E方向に回動させることによって、サーモパイル4の検出面4aの円筒状ローラ6aの基準面6a1に対する傾斜角θを変更した状態を形成することが可能となっている。
【0010】
さらに、サーモパイル保持部7は、台座部7bから円筒状ローラ6aに向かって突出した網部材取り付け部7dが取り付けられている。この網部材取り付け部7dは、図4に示すように、中央に円筒状ローラ6aからの赤外線の透過を許容してサーモパイル4の検出面4a全面に赤外線を照射可能な開口7d2を有する枠体7d1と枠体7d1に向かって弾性を有する抑え部7d3を有している。そして、この枠体7d1と抑え部7d3との間に、被評価サーモパイル4の検出面4aへの円筒状ローラ6aから放射された赤外線の照射を阻害する網部材15(図4中点線で表示)を着脱自在に取り付け可能となっている。従って、この網部材取り付け部7dに網部材15を取り付けることによって、円筒状ローラ6aから放射された赤外線がサーモパイルの検出面4aに照射される赤外線量が網部材15によって減少され、サーモパイル4の検出面4aが汚染された状態と同様な状態を形成することが可能となっている。
サーモパイル保持部7上に取り付けられた被評価体であるサーモパイル4からリード線4bで温度計測部16に接続され、サーモパイル4で検出された赤外線量に応じた電圧がサーモパイル4から出力される。そして、この電圧に基づいてサーモパイル4で検出された温度を温度計測部16で計測可能となっている。さらに、温度計測部16で計測された温度は、解析装置17に送給され、サーモパイル計測条件変更手段によって変更された計測条件に対応した計測条件を計測条件入力手段18から入力し、解析装置17内に搭載された統計解析ソフトによって計測温度と計測条件とに基づく分散値やSN比を統計的解析処理して評価結果を自動的に出力して表示又は、プリントアウト可能となっている。
【0011】
本実施形態に係るサーモパイル評価装置においては、上述のように、サーモパイル保持部7の台座部7bをC方向に移動させて、円筒状ローラ6aと被評価サーモパイル4との離間距離Xや、台座部7bを基部7aに対して上下方向に移動させてサーモパイル4の検出面4aを円筒状ローラ6aの基準面6a1に対する高さYを変更させて、サーモパイル4の計測条件を変更可能となっている。同様に、サーモパイル保持部7の支持部7cをE方向に回動させて、円筒状ローラ6aの基準面6a1に対する傾斜角θを種々変更させてこれらの計測条件の変更に伴うサーモパイル4の温度特性の安定性を計測評価することが可能となっている。
このように、サーモパイル4の計測条件を種々変更させて、その計測条件におけるサーモパイル4の温度特性を計測、評価することによって、画像形成装置の定着ローラの温度測定手段としてサーモパイルを使用したとき、サーモパイルの設置条件に応じて適切に、サーモパイル4の温度特性を修正、或いは補正を行うことが可能となる。
さらに、本実施形態に係るサーモパイル評価装置においては、図5に示すように、サーモパイル計測条件変更手段として、赤外線放射手段6とサーモパイル保持部7とを収容する暗箱8を恒温槽19内に配置し、恒温槽19内の温度を変化させることによって暗箱8内の環境温度を可変とすることが可能となっている。従って、種々の環境温度下でのサーモパイル4の温度特性を計測、評価することが可能となっている。
【0012】
また、本実施形態に係るサーモパイル評価装置においては、図5に示すように、サーモパイル4に対する外光の影響をも評価可能とするために、赤外線放射手段6とサーモパイル保持部7とを収容する暗箱8の上蓋部8bに暗箱8内に外光の導入を許容する窓部8cを形成し、この窓部8cを開閉自在としている。従って、この窓部を開放した状態でサーモパイル4の温度特性を測定することによって、サーモパイル4に対する外光の影響をも適切に評価することができる。
上記本発明による実施形態に係るサーモパイル評価装置においては、サーモパイル計測条件変更手段として、離間距離X、高さY、傾斜角θ、サーモパイル検知面汚染、環境温度及び外乱光の計測条件を変更可能な変更手段を備えているが、これの全ての変更手段を必ず備える必要はなく、必要に応じて、これらの1手段或いは複数の手段を備えれば十分である。特に、定着ローラに擬した円筒状ローラ6aを使用する場合には、離間距離X及び高さYが定着ローラにサーモパイルを設定する際に、変動しやすいため、これらの要因を変更させる変更手段を備えて、サーモパイルの温度特性の安定性を計測、評価することは有効である。
【0013】
以上のように、本実施形態に係るサーモパイル評価装置においては、サーモパイル4の保持部7への取り付け条件、サーモパイル4の汚染状態、環境温度及び外光の影響等に対応した計測条件を変化させて、その状態におけるサーモパイル4の温度特性を適切に計測、評価すること可能となる。その結果、この評価結果に基づいて、サーモパイル4の設定等を適切に行うことが可能となる。
因みに、図6に示すような、計測条件、水準1及び水準2でサーモパイル4の評価を行った。これらの両水準でサーモパイルの温度特性が安定したものを選定することによって、サーモパイルの設定時の温度変動を抑制することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による一実施形態に係るサーモパイル評価装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1のA−A線上で切断した断面図である。
【図3】図1のB−B線上で切断した断面図である。
【図4】本発明による一実施形態に係るサーモパイル評価装置で使用される網部材取り付け部の斜視図である。
【図5】本発明による一実施形態に係るサーモパイル評価装置を恒温槽内に収容した状態の概略構成を示す図である。
【図6】本発明による一実施形態に係るサーモパイル評価装置を使用してサーモパイルを評価した計測条件を示す表図である。
【図7】従来のサーモパイル評価装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0015】
4…サーモパイル、4a…検出面、4b…リード線、6…赤外線放射手段、6a…円筒状ローラ、6b…回転軸、6c…熱源、6d…伝熱層、6e…表面層、7…サーモパイル保持部、7a…基部、7b…台座部、7b1…脚部、7c…支持部、7d…網部材取り付け部、8…暗箱、8b…上蓋、8c…窓部、9…軸受部、12…サーミスタ、13…制御装置、14…電源、15…網部材、16…温度計測部、17…解析装置、18…計測条件入力手段、19…恒温層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定温度で発熱された際に赤外線を放射する赤外線放射手段と、当該赤外線放射手段からの赤外線を検出する被評価サーモパイルを保持する保持部と、当該サーモパイルで検出された赤外線量に基づく温度を計測する温度計測手段とを備え、当該温度計測手段によって計測された被評価サーモパイルの温度特性を評価するサーモパイル評価装置において、
前記被評価サーモパイルの計測条件を変更するサーモパイル計測条件変更手段を有し、前記温度計測手段は、前記サーモパイル計測条件変更手段によって変更された計測条件で被評価サーモパイルで検出された温度を計測することを特徴とするサーモパイル評価装置。
【請求項2】
請求項1記載のサーモパイル評価装置において、
前記赤外線放射手段は、ローラ内部に発熱体を有し、黒色に着色された表面層を有する円筒状ローラであり、前記被評価サーモパイルは、当該円筒状ローラの径方向に配設されることを特徴とするサーモパイル評価装置。
【請求項3】
請求項2記載のサーモパイル評価装置において、
前記赤外線放射手段は、前記円筒状ローラの表面層と対接して当該表面層の温度を計測するサーミスタを備え、当該サーミスタによって検出された表面層温度に基づいて前記円筒状ローラの中心部の発熱体に供給する電力を制御する制御手段によって所定の温度に前記円筒状ローラを加熱することを特徴とするサーモパイル評価装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項記載のサーモパイル評価装置において、
前記サーモパイル計測条件変更手段は、前記評価対象のサーモパイルと前記赤外線放射手段との離間距離を変更可能な距離変更手段と、前記評価対象のサーモパイルの前記赤外線放射手段に対する傾斜角度を変更可能な角度変更手段と、前記評価対象のサーモパイルの前記赤外線放射手段に対する高さを変更可能な高さ変更手段と、前記評価対象のサーモパイルと前記赤外線放射手段との間に配設されるフィルタ保持手段と、前記評価対象のサーモパイルと前記赤外線放射手段の環境温度を変化させる恒温槽と、前記評価対象のサーモパイルに外光を照射可能とする外光照射窓の少なくとも1種であることを特徴とするサーモパイル評価装置。
【請求項5】
請求項4記載のサーモパイル評価装置において、
前記サーモパイル計測条件変更手段は、少なくとも前記距離変更手段と、前記高さ変更手段とであることを特徴とするサーモパイル評価装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項記載のサーモパイル評価装置において、
前記温度計測手段は、前記サーモパイル計測条件変更手段によって変更された計測条件に対応する温度測定データを解析する解析手段を備えたことを特徴とするサーモパイル評価装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−38782(P2010−38782A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−203356(P2008−203356)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】