説明

シェード保持具

【解決課題】本発明は、照明器具にシェードを簡単に着脱できると共に、シェードを強固に保持することができる照明器具のシェード保持具を提供する。
【解決手段】シェードの保持具100の上端部Aでシェードの上端開口部12を下から支えるように支持し、下端部Bでシェードの下端開口部13を抑えるように支持し、伸縮性のあるシェードの形状を整えている。シェードの保持具100の下端部の両端を引き寄せるようにするとバネ部材17a、17b、17cのところから折り畳まれて、保持具の下端部のB、B部分がシェードの下端開口部13から開放されて、シェードは簡単に脱着することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提灯形のランプのシェードを保持するシェード保持具に関する。より詳しくは、照明器具に提灯形に伸縮可能に形成したシェードを照明器具に着設してシェードを保持するシェード保持具であって、シェードの脱着が容易で、強固に保持できるシェード保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
スタンド式の照明器具は、提灯形に形成した伸縮性のあるシェードを着設して、室内の装飾を兼ねた照明器具として、また、持ち運びが容易な照明器具として用いられている。このようなスタンド式の照明器具に提灯形に形成したシェードを着設して、前記シェードを照明器具に支持する方法については、種々の方法が報告されている。
【0003】
特許文献1のシェードを支持する方法は、請求項1に「シェード本体を球形又は円筒形等で伸縮可能な提灯形に形成して、該シェード本体の上下両端に設けられる開口の上下の何れか一方又は上下双方の開口に近接して鳩目を対向させて取付、一方、前記対向する鳩目の双方に挿通し得る長さを有する支持杆の両端をそれぞれ折り曲げてフック部を形成すると共に、該支持杆の中央位置にソケットや電線コード等の灯具を挟持させる支持部を設け、該支持杆の両端をシェード本体の対向する鳩目に挿通してフック部で係止させるように構成したことを特徴とする照明具。」が開示されている。
【0004】
特許文献2のシェードを支持する方法は、段落[0006]「このように円筒形に形成されている骨組3の表面に対して全面にスリット2を設けた和紙1を貼り付けてランプシェードSを形成する。このランプシェードSは上端の中央に円形の開口5を設け、下端は全面開放している。そして下端寄りで和紙2に鳩目穴6、6を設けている。このように形成したランプシェードSは保持具Hによって起立保持させるが、保持具Hは針金を屈曲して形成した支持枠7の下端に三脚よりなる脚体8をボルト・ナット9で連結して起立させるように形成され、支持枠7の中間高さ位置に水平に架設した取付杆10にソケット11を取り付け、ソケット11に光源となる電球12を螺締させる。ソケット11にはコード13が接続してある。」構成が開示されている。
【0005】
特許文献3のシェードの支持する方法は、明細書の段落[0033]「スタンドを対象とするため、内部構造は上記実施形態1と相違している。すなわち、本実施形態では、図5に示すように骨組みとしてのフレーム12が具備されており、そのフレーム12の上部に形成された肩部14、14に、シェード部1の内周面の上部が係止され、フレーム12の下部に形成された脚部15、15に、シェード部1の内周面の下部が係止されている。」、及び[0034]「また、フレーム12の頂部13は、シェード部1の上部開口部2より上側に突出して形成されている。さらに、フレーム12の両端縁部16、16の下部にはリング体17が形成され、そのリング体17の孔部18にソケット部20が嵌入されている。」形状が開示されている。
【0006】
特許文献4の段落[0021]「ランプシェード(1)内には、白熱灯、蛍光灯等の任意の光源(5)が配置されると共に、シェード(1)を上下方向に展張状態に保持する逆U字状の支持枠(6)が配置されている。そして上記光源(5)及び支持枠(6)が共に下端の脚枠(7)によって支持されたものとなされている。」ランプシェードの支持枠が開示されている。
【0007】
上記のように、照明器具のシェードの支持方法は種々開示されているが、シェードを強固に支持すると共に、取り外しの容易な照明器具シェードの支持方法はない。照明器具にシェードを簡単に着脱することができ、さらにシェードを強固に保持する支持方法の出現が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平08−050803号公報
【特許文献2】特開平09−265818号公報
【特許文献3】特開2003−208809号公報
【特許文献4】特開2007−280629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、照明器具にシェードを簡単に着脱することができ、さらに着設したシェードを強固に保持することができる照明器具のシェード保持具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
照明器具にシェードを簡単に着脱することができ、さらに着設したシェードを強固に保持することができる照明器具のシェード保持具を提供するために鋭意検討を重ねた。その結果、鋼線をシェードの上端開口部と下端開口部に接触する形状とし、その上部と下部にバネ部材を着設して、着脱する際に二つ折りにしてシェードの着脱が容易にできるようにした。
【0011】
本発明の特徴は、上端部と下端部に開口部を有する球形または円筒形の伸縮可能なシェードと光源と架台よりなる照明器具のシェード保持具であって、前記シェードを保持する保持具が鋼線よりなり、該鋼線の上端部と下端部の少なくとも1ヶ所にバネ部材を装着してシェード保持具を屈曲可能としたことを特徴とする照明器具のシェードの保持具である。
【0012】
本発明の照明器具のシェードの保持具で使用されるシェードは、竹やプラスチックを伸縮可能なように螺旋状に円形または円筒形の形状にして、その上に和紙、合成紙等を貼ったものに限らずプラスチックやガラスでできた円形または円筒形のものであってもよい。
【0013】
光源は、架台上にソケットを着設して電球を取り付けることができるが、架台上に蝋燭立てを着設して蝋燭のようなものであってもよく、電球に限定されるものではない。
【0014】
本発明の別の特徴は、鋼線よりなる照明器具のシェード保持具に装着するバネ部材が、前記鋼線の上端部と下端部の各1ヶ所にバネ部材を装着したことを特徴とする照明器具のシェードの保持具である。
【0015】
本発明の別の特徴は、鋼線よりなる照明器具のシェード保持具に装着するバネ部材が、前記鋼線の上端部に1ヶ所と下端部に2ヶ所にバネ部材を装着したことを特徴とする照明器具のシェードの保持具である。
【0016】
本発明の別の特徴は、上端部と下端部にバネ部材を着設した鋼線よりなる照明器具のシェード保持具の下端部に把持部を着設したことを特徴とする照明器具のシェードの保持具である。
【0017】
照明器具のシェード保持具の下端部に把持部を着設することによって、指をシェードの奥にまで入れなくても照明器具のシェード保持具を二つ折りにしてシェードを着脱することができる。
【0018】
本発明の別の特徴は、上記のいずれかに記載の鋼線よりなる照明器具のシェード保持具を着設したことを特徴とする照明器具である。
【0019】
本発明のシェード保持具を着設することができる照明器具は、脚部を有する照明スタンド、台座を有する照明スタンド、あるいは円形状のシェード、または円筒状のシェードを装着した照明スタンド等が例示することができる。これらは様々な組合せがあり、このように組み合わされた照明スタンドに本発明のシェード保持具を着設することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の鋼線の上端部と下端部にバネ部材が着設されたシェード保持具を着設した照明器具は、シェード保持具の下端部の両端を持って引き寄せると、バネ部材の部分から二つ折りにして、シェードを簡単に着脱することができる。
【0021】
本発明のシェード保持具は、脚部を有する照明スタンド、台座を有する照明スタンド、あるいは円形状のシェード、または円筒状のシェードを装着した照明スタンド等の様々な照明器具に着設することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】シェードの保持具にシェードを着設した照明器具の斜視図を示す。
【図2】シェードの保持具にシェードを着設した照明器具の断面図を示す。
【図3】シェードの保持具を着設した照明器具の斜視図を示す。
【図4】シェードの保持具と台座を着設した照明器具の斜視図を示す。
【図5】シェードの保持具に把持部を着設した照明器具の斜視図を示す。
【図6】吊り下げタイプの照明器具にシェードの保持具を着設した断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明を実施するための形態について述べるが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0024】
図1は、本発明のシェードの保持具100を照明器具10に着設し、シェード11を装着した斜視図を示している。本発明の照明器具10に着設したシェードの保持具100に装着するシェード11は、竹やプラスチックを伸縮可能なように螺旋状に円形または円筒形の形状にして、その上に和紙、合成紙等を貼ったものに限らずプラスチックやガラスでできた円形または円筒形のシェードにも使用することができる。
【0025】
本発明のシェードの保持具100の大きさは、特に限定されるものではなく着設する照明器具10の大きさに合わせて作成することがでる。また、シェードの保持具100に着設する照明器具10の光源14は、架台15上にソケットを着設して電球14aを取り付けたものであっても、架台15上に蝋燭立てを着設して蝋燭のようなものであってもよく、光源14は電球14aに限定されるものではない。
【0026】
図2は、シェードの保持具100にシェード11を着設した照明器具10の断面図を示している。シェードの保持具100は鋼線16を屈曲させて台形状に作成し、シェードの保持具100の上端部は切断して、バネ部材17aで接続する。鋼線で台形状に作成したシェードの保持具100の下端部は一部を切断して、間にバネ部材17bを接続して、端末を架台15に固定する。下端部のバネ部材17は1ヶ所に限定されるものではなく、架台15を挟んで両側17b、17cに接続してもよい。
【0027】
台形状に作成したシェードの保持具100の鋼線16の上端部、及び下端部に着設するバネ部材17は、バネを伸ばしたり、縮めたりするものではなく、シェードの保持具100の台形状に作成した鋼線16を折り曲げるためのものであるので、折り曲げられて復元する力の強い部材であれば良く、バネに限定されるものではない。
【0028】
図2に示すように、本発明のシェードの保持具100はシェードの保持具の上端部Aでシェードの上端開口部12を下から支えるように支持し、下端部Bでシェードの下端開口部13を抑えるように支持し、伸縮性のあるシェードの形状を整えている。シェードの保持具100の下端部の両端を引き寄せるようにするとバネ部材17a、17b、17cのところから折り畳まれて、保持具の下端部のB、B部分がシェードの下端開口部13から開放されて、シェードは簡単に脱着することができる。
【0029】
このように、本発明の照明器具のシェード保持具はシェード保持具の下端部B、Bでシェードの下端開口部13を抑えるように支持しているので、スタンド式の照明器具だけでなく、吊り下げ式の照明器具のシェードを保持するためにも使用することができる。
【0030】
図3は、シェードの保持具100と架台15、脚部18を着設した照明器具10を例示している。架台15の上に電球14aを差し込むソケット14bと該ソケットに電線19を接続して、架台15の下に照明器具10の脚部18を着設している。架台15の上のソケット14aに代えて蝋燭立を着設すれば、光源14を蝋燭にすることもできる。
【0031】
図3に示すシェードの保持具100の下端部のバネ部材17bは一方側にのみ着設している。この場合、シェードの保持具100を折り畳むときは、保持具の下端部B、Bを引き寄せるとバネ部材17bを着設した側が引き寄せられて折り畳むことができる。
【0032】
図4は、シェードの保持具100と脚部18の下に台座21を着設した照明器具10の斜視図を示す。重いシェード11等を着設する場合は、重量のある台座21を脚部18の下に着設することによって、安定な照明器具10が得られる。
【0033】
図5は、シェードの保持具100の下端部に、折り曲げやすくするために把持部20を着設した照明10器具の斜視図を示す。シェードの保持具100の把持部20は、シェードの保持具100の下端部から指を掛けて手前に引ける大きさであれば良く、図5に示すように下向き20a、20aでもよく、横向き20b、20bであってもよい。シェードの下から指を掛けてシェードの保持具の鋼線16を二つ折りにできる大きさが望ましい。
【0034】
図6は、吊り下げタイプの照明器具に本発明のシェード保持具100を着設した断面図を示す。図6に示すように、シェード保持具の把持部20をシェード保持具の上側に出す20b、20b方法がシェード11を着脱する際に操作がし易く便利である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の照明器具のシェード保持具はスタンド式の照明器具のみならず、つり下げ式の照明器具のシェードを保持することも可能であり、シェードを着設する照明器具に幅広く利用することができる。
【符号の説明】
【0036】
100:シェードの保持具
10:照明器具
11:シェード
12:上端開口部
13:下端開口部
14:光源
15:架台
16:鋼線
17:バネ部材
18:脚部
19:電線
20:把持部
21:台座

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端部と下端部に開口部を有する球形または円筒形のシェードと光源と架台よりなる照明器具のシェード保持具であって、前記シェードを保持する保持具が鋼線よりなり、該鋼線の上端部と下端部の少なくとも1ヶ所にバネ部材を装着してシェード保持具を屈曲可能としたことを特徴とする照明器具のシェードの保持具。
【請求項2】
鋼線よりなる照明器具のシェード保持具に装着するバネ部材が、前記鋼線の上端部と下端部の各1ヶ所にバネ部材を装着したことを特徴とする請求項1に記載の照明器具のシェードの保持具。
【請求項3】
鋼線よりなる照明器具のシェード保持具に装着するバネ部材が、前記鋼線の上端部に1ヶ所と下端部に2ヶ所にバネ部材を装着したことを特徴とする請求項1に記載の照明器具のシェードの保持具。
【請求項4】
上端部と下端部にバネ部材を着設した鋼線よりなる照明器具のシェード保持具の下端部に把持部を着設したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の照明器具のシェードの保持具。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の鋼線よりなる照明器具のシェード保持具を着設したことを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−199019(P2010−199019A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−45448(P2009−45448)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(502101858)有限会社安藤商店 (4)
【Fターム(参考)】