説明

システム、メインリーダライタ装置、情報処理方法及びプログラム

【課題】システム等の小型軽量化や消費電力の低減、コストダウンを図ることを目的とする。
【解決手段】1以上のアンテナ部と制御部とを有するメインリーダライタ装置と、1以上のアンテナ部を有する複数のサブリーダライタ装置と、を含み、制御部は、メインリーダライタ装置のアンテナ部と複数のサブリーダライタ装置のアンテナ部とを複数のグループに分け、グループごとにアンテナ部にポーリングを行うことで記憶媒体の検知があったアンテナ部を検出し、検出したアンテナ部に対して記憶媒体に対する情報の読み書きを制御することによって課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、メインリーダライタ装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各リーダライタ装置には制御部がついており、各制御部がアンテナ部を介したICカード等との情報の読み書き等を制御していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−13007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、各リーダライタ装置に制御部がある場合、システム等の小型軽量化や消費電力の低減、コストダウンが図れない問題があった。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、システム等の小型軽量化や消費電力の低減、コストダウンを図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明のシステムは、1以上のアンテナ部と制御部とを有するメインリーダライタ装置と、1以上のアンテナ部を有する複数のサブリーダライタ装置と、を含み、前記制御部は、前記メインリーダライタ装置のアンテナ部と前記複数のサブリーダライタ装置のアンテナ部とを複数のグループに分け、グループごとにアンテナ部にポーリングを行うことで記憶媒体の検知があったアンテナ部を検出し、検出した前記アンテナ部に対して前記記憶媒体に対する情報の読み書きを制御するシステム。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、システム等の小型軽量化や消費電力の低減、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】システム構成の一例を示す図である。
【図2】システムにおける制御部とアンテナの構成の一例を示す図である。
【図3】グループ化とポーリング順序とを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0010】
<実施形態1>
図1は、システム構成の一例を示す図である。
図1に示されるように、本実施形態のシステムは、メインリーダライタ(以下、単にメインR/Wという)1と、複数のサブリーダライタ(以下、単にサブR/Wという)21〜2nと、を含む。
メインR/W1は、制御部10と、複数の表示部11(図1の例では表示部111及び表示部112)と、複数のアンテナ部12(図1の例ではアンテナ部121及びアンテナ部122)と、を含む。なお、本実施形態では、図1に示されるシステムは、列車内の座席システム(又は車内システム)を例に説明を行う。したがって、表示部11と、アンテナ部12と、対応する座席とは、1対1対1で対応している。つまり、表示部11は、例えば、制御部10の制御に基づいて、対応する座席に利用者が座ることができるか否かを表示する。アンテナ部12は、前記座席に座ろうとしている利用者のICカード等を捕捉し、捕捉したICカード等と通信を行う。
図1に示されるように、メインR/W1の制御部10がメインR/W1及びサブR/W2を制御することによって、システム等の小型軽量化や消費電力の低減、コストダウンを図ることができる。
なお、図1では、1つのR/Wに2つの表示部及びアンテナ部が含まれる例を示しているが、これに限定されるものではない。また、後述する図3に示すが、メインR/W1は、複数のアンテナ部を通信するための複数の通信回路を有するものとする。
サブR/W2は、複数の表示部と、複数のアンテナ部と、を含む。メインR/W1と同様、表示部と、アンテナ部と、対応する座席とは、1対1対1で対応している。
なお、制御部のより具体的な一例は、CPUであり、CPUが、図1には図示していないメモリ等に記憶されているプログラムを読み出して、プログラムに基づき処理を実行することによって、後述する情報処理等が実現される。
【0011】
図2は、システムにおける制御部とアンテナとの構成の一例を示す図である。
図2に示される例では、サブR/W2が8つの場合を例に示している。以下の図においても同様である。なお、図2に示される100〜117は、サブR/Wのアンテナ部を識別するために便宜的に付した番号である。
列車内の限られたスペースでの設置に対応して、メインR/W1とサブR/W21〜28とは、デイジーチェーン接続とし、伝送方式としてはマルチドロップを採用している。例えば、デイジーチェーン接続とすることによって、ケーブルの本数をバス接続した場合と比べて少なくすることができる。
より具体的に説明すると、例えば、バス接続やスター型接続では、制御部10付近に配線が集中する。バス接続やスター型接続に比べて、デイジーチェーン接続では、制御部10からのケーブルの本数が少なく、列車内等スペースが限られる場所でもすっきりと配線することができる。
また、制御部10から遠いアンテナ部ほど伝送遅延の遅延量が大きくなる。そのため、図2に示されるように、メインR/W1をサブR/W21〜24と、サブR/W25〜28と、の間に(つまり中央に)配置することによって、アンテナ部から制御部への伝送遅延の遅延量を均等化している。
【0012】
図3は、グループ化とポーリング順序とを説明するための図である。
図3に示されるように、制御部10は、メインR/W1のアンテナ部(図2の108、109)と複数のサブR/W2のアンテナ部(図2の100〜107、110〜117)との数に基づいて、複数のアンテナ部を1つのグループに少なくとも2つ以上のアンテナ部を含む複数のグループに分ける(グループ化する)。図3の例では、制御部10は、アンテナ部をグループ1〜グループ8の8つのグループに分けている。
図3の例では、グループ1には、図2の106、110、108のアンテナ部が属している。グループ2には、図2の107、111、109のアンテナ部が属している。グループ3には、図2の104、112のアンテナ部が属している。グループ4には、図2の105、113のアンテナ部が属している。グループ5には、図2の102、114のアンテナ部が属している。グループ6には、図2の103、115のアンテナ部が属している。グループ7には、100、116のアンテナ部が属している。グループ8には、101、117のアンテナ部が属している。
制御部10は、グループごとにアンテナ部にポーリングを行うことでICカードの検知があったアンテナ部を検出し、検出したアンテナ部に対してICカードに対する情報の読み書きを制御する。より具体的に説明すると、制御部10は、グループ1、グループ2、グループ3、グループ4、グループ5、グループ6、グループ7、グループ8とグループごとに順にグループに含まれる各アンテナ部に対してポーリングを行い、ICカードの検知があったアンテナ部を検出する。このように、例えば、制御部10が、18個のアンテナをシーケンシャルに検知があったアンテナ部を捕捉するよりも、8つのグループに分けて順次ポーリングを行って検知があったアンテナ部を捕捉することにより、処理時間の短縮を図ることができる。そして、制御部10は、検出したアンテナ部に対してICカードに対する情報の読み書きを制御したり、対応する表示部の表示を制御したりする。
本実施形態によれば、列車内の車内システム等の小型軽量化や消費電力の低減、コストダウンを図ることができる。
【0013】
<実施形態2>
実施形態1では、メインR/W1も表示部111、111やアンテナ部121、122を有する構成とした。しかしながら、メインR/W1は、表示部111、111やアンテナ部121、122を有さず、制御部10を有し、1以上のアンテナ部を有する複数のサブR/W2を制御するようにしてもよい。
つまり、メインR/W1の制御部10は、複数のサブR/W2のアンテナ部を複数のグループに分ける。そして、制御部10は、グループごとにアンテナ部にポーリングを行うことでICカードの検知があったアンテナ部を検出し、検出したアンテナ部に対してICカードに対する情報の読み書きを制御するようにしてもよい。
なお、本実施形態の構成の場合、制御部10と、複数のサブR/W2のアンテナ部とが、デイジーチェーン接続されることになる。
本実施形態によっても、実施形態1で示した効果と同様、列車内の車内システム等の小型軽量化や消費電力の低減、コストダウンを図ることができる。
【0014】
<実施形態3>
実施形態1、2では、システムを、列車内の座席システムに適用した場合を例に説明を行った。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えばR/Wを各店舗に設置し、買った品物をICカードにチャージしたお金で払う様なシステムに適用することもできる。この場合、複数の店舗に設置されているR/Wの一つをメインR/Wとし、他のR/WをサブR/Wとする。そして、メインR/Wの制御部が、サブR/Wのアンテナ部におけるICカードに対する情報の読み書き等を制御する。
本実施形態によっても、システム等の小型軽量化や消費電力の低減、コストダウンを図ることができる。
【0015】
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してコンピュータに供給し、コンピュータのCPUやMPU等がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0016】
以上、上述した各実施形態によれば、システム等の小型軽量化や消費電力の低減、コストダウンを図ることができる。
より具体的に説明すると、サブR/Wに制御部を持たせないため、従来に比べて消費電力の低減や機器費のコストダウンを図ることができる。また、サブR/Wに制御部を持たせないため小型化、軽量化を図ることができる。また、デイジーチェーン接続等により列車内等の限られたスペースにおいてもフレキシブルな設置ができる。また、グループ化し、ポーリングすることによって、従来と同等の処理時間でICカードの検知があったアンテナ部を検出することもできる。
【0017】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、記憶媒体の一例としてICカードを例に説明を行ったが、ICカードの機能を有する携帯電話、又はスマートフォン等であっても良い。
また、上述した各実施形態を任意に組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0018】
1 メインR/W、2 サブR/W、10 制御部、11 表示部、12 アンテナ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を有するメインリーダライタ装置と、
1以上のアンテナ部を有する複数のサブリーダライタ装置と、
を含み、
前記制御部は、前記複数のサブリーダライタ装置のアンテナ部を複数のグループに分け、グループごとにアンテナ部にポーリングを行うことで記憶媒体の検知があったアンテナ部を検出し、検出した前記アンテナ部に対して前記記憶媒体に対する情報の読み書きを制御するシステム。
【請求項2】
前記メインリーダライタ装置は、1以上のアンテナ部を更に有し、
前記制御部は、前記メインリーダライタ装置のアンテナ部と前記複数のサブリーダライタ装置のアンテナ部とを複数のグループに分け、グループごとにアンテナ部にポーリングを行うことで記憶媒体の検知があったアンテナ部を検出し、検出した前記アンテナ部に対して前記記憶媒体に対する情報の読み書きを制御する請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記制御部と、前記複数のサブリーダライタ装置のアンテナ部とは、デイジーチェーン接続されている請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記システムは、列車内の車内システムである請求項1乃至3何れか1項記載のシステム。
【請求項5】
制御部を有するメインリーダライタ装置であって、
1以上のアンテナ部を有する複数のサブリーダライタ装置と接続されており、
前記制御部は、前記複数のサブリーダライタ装置のアンテナ部を複数のグループに分け、グループごとにアンテナ部にポーリングを行うことで記憶媒体の検知があったアンテナ部を検出し、検出した前記アンテナ部に対して前記記憶媒体に対する情報の読み書きを制御するメインリーダライタ装置。
【請求項6】
前記メインリーダライタ装置は、1以上のアンテナ部を更に有し、
前記制御部は、前記メインリーダライタ装置のアンテナ部と前記複数のサブリーダライタ装置のアンテナ部とを複数のグループに分け、グループごとにアンテナ部にポーリングを行うことで記憶媒体の検知があったアンテナ部を検出し、検出した前記アンテナ部に対して前記記憶媒体に対する情報の読み書きを制御する請求項5記載のメインリーダライタ装置。
【請求項7】
システムにおける情報処理方法であって、
前記システムは、
制御部を有するメインリーダライタ装置と、
1以上のアンテナ部を有する複数のサブリーダライタ装置と、
を含み、
前記制御部が、前記複数のサブリーダライタ装置のアンテナ部を複数のグループに分けるグループ化ステップと、
前記制御部が、前記グループ化ステップでグループ化されたグループごとにアンテナ部にポーリングを行うことで記憶媒体の検知があったアンテナ部を検出する検出ステップと、
前記制御部が、前記検出ステップで検出された前記アンテナ部に対して前記記憶媒体に対する情報の読み書きを制御するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項8】
前記メインリーダライタ装置は、1以上のアンテナ部を更に有し、
前記グループ化ステップでは、前記制御部が、前記メインリーダライタ装置のアンテナ部と前記複数のサブリーダライタ装置のアンテナ部とを複数のグループに分ける請求項7記載の情報処理方法。
【請求項9】
制御部を有するメインリーダライタ装置における情報処理方法であって、
前記メインリーダライタ装置は、1以上のアンテナ部を有する複数のサブリーダライタ装置と接続されており、
前記制御部が、前記複数のサブリーダライタ装置のアンテナ部を複数のグループに分けるグループ化ステップと、
前記制御部が、前記グループ化ステップでグループ化されたグループごとにアンテナ部にポーリングを行うことで記憶媒体の検知があったアンテナ部を検出する検出ステップと、
前記制御部が、前記検出ステップで検出された前記アンテナ部に対して前記記憶媒体に対する情報の読み書きを制御する制御ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項10】
前記メインリーダライタ装置は、1以上のアンテナ部を更に有し、
前記グループ化ステップでは、前記制御部が、前記メインリーダライタ装置のアンテナ部と前記複数のサブリーダライタ装置のアンテナ部とを複数のグループに分ける請求項9記載の情報処理方法。
【請求項11】
1以上のアンテナ部を有する複数のサブリーダライタ装置と接続された制御部を有するメインリーダライタ装置に、
前記複数のサブリーダライタ装置のアンテナ部を複数のグループに分けるグループ化ステップと、
前記グループ化ステップでグループ化されたグループごとにアンテナ部にポーリングを行うことで記憶媒体の検知があったアンテナ部を検出する検出ステップと、
前記検出ステップで検出された前記アンテナ部に対して前記記憶媒体に対する情報の読み書きを制御するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項12】
前記メインリーダライタ装置は、1以上のアンテナ部を更に有し、
前記グループ化ステップでは、前記メインリーダライタ装置のアンテナ部と前記複数のサブリーダライタ装置のアンテナ部とを複数のグループに分ける請求項11記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−88903(P2013−88903A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226754(P2011−226754)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(593092482)JR東日本メカトロニクス株式会社 (85)
【Fターム(参考)】