説明

システムキッチン

【課題】システムキッチンのシンク、カウンタ台、及びコンロの部分を外部から見えないように遮蔽可能とすると共に、当該遮蔽手段3を用いてキッチンカウンタを構成することができるシステムキッチンを提供すること。
【解決手段】システムキッチン1は、カウンタ台20を有するシステムキッチン本体2と、前記カウンタ台20上部の空間11の一部または全部を遮蔽する遮蔽手段3である天板部材31aと一対の側板部材31b、31cとを有する。そして、前記遮蔽手段3である天板部材31aに対して一対の側板部材31b、31cを90度回動させることにより、前記遮蔽手段3がキッチンカウンタ30を構成することができる。また、当該キッチンカウンタ30は、システムキッチン本体2から取り外し可能に構成することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシステムキッチンに関する。
【背景技術】
【0002】
システムキッチンは居間スペースと台所スペースを兼用する部屋(いわゆるLDK)に設置される場合が多い。このような場合、システムキッチン全体が居間スペースに対面するように設置されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
システムキッチン全体が居間スペースに対面するように設置されていると、システムキッチンのシンク、カウンタ台、及びコンロ等に置かれた什器等が居間スペースから見えてしまい、居間スペースから見たシステムキッチンの景観が煩雑なものになるという問題点がある。この問題点を解決するために、システムキッチンと居間スペースとの間にキッチンカウンタ等を設置し、このキッチンカウンタによりシステムキッチンを居間スペースから視覚的に分離するという方法がある。しかし、LDKの面積が狭い場合には、キッチンカウンタの設置スペースを確保することが困難になるという問題点を生じる。
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑み、システムキッチンのシンク、カウンタ台、及びコンロの部分を外部から見えないように遮蔽可能とすると共に、当該遮蔽手段を用いてキッチンカウンタを構成することができるシステムキッチンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るシステムキッチンは、カウンタ台を有するシステムキッチン本体と、前記カウンタ台上部の空間の一部または全部を遮蔽する遮蔽手段とを有し、前記遮蔽手段をシステムキッチン本体に対して回動させることにより前記遮蔽手段がキッチンカウンタを構成することを特徴とする。
【0006】
さらに、本発明に係るシステムキッチンは、前記遮蔽手段が、前記キッチンカウンタの天板に対応する天板部材と、前記キッチンカウンタの一対の側板に対応する一対の側板部材とから構成されていることが好ましい。
【0007】
さらに、本発明に係るシステムキッチンは、前記遮蔽手段の前記一対の側板部材が、前記天板部材の両側方にそれぞれ回動可能に連結されていることが好ましい。
【0008】
さらに、本発明に係るシステムキッチンは、前記システムキッチン本体に対して前記キッチンカウンタが着脱自在に構成されていることが好ましい。
【0009】
さらに、本発明に係るシステムキッチンは、前記システムキッチン本体と前記遮蔽手段とは、前記遮蔽手段を前記システムキッチン本体に対して垂直方向に回動可能とし、且つ、前記遮蔽手段を前記システムキッチン本体に着脱自在に係止するための一組の第1係止手段と、前記遮蔽手段を前記カウンタ台上部の空間の一部または全部を遮蔽するように前記システムキッチン本体に取り付けた際に、前記遮蔽手段を前記システムキッチン本体に係止するための一組の第2係止手段を有していることが好ましい。
【0010】
さらに、本発明に係るシステムキッチンは、前記遮蔽部材の前記一対の側板部材がそれぞれ伸縮自在の脚部を有し、前記天板部材に対して側板部材を回動することにより前記脚部が伸長することが好ましい。
【0011】
さらに、本発明に係るシステムキッチンは、前記遮蔽手段が、さらに一対の側板支持部材を有し、前記一対の側板支持部材のそれぞれの一端が前記天板部材の両側方に回動可能に連結されていると共に、前記一対の側板部材をそれぞれ回動可能に支持し、前記一対の側板部材の表裏面の位置を入れ替え可能とすることが好ましい。
【0012】
さらに、本発明に係るシステムキッチンは、前記側板支持部材と前記側板部材とは回動規制手段を有し、前記回動規制手段により前記側板部材の前記側板支持部材に対する回動が規制されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の本発明によれば、システムキッチンは、カウンタ台を有するシステムキッチン本体と、カウンタ台上部の空間の一部または全部を遮蔽する遮蔽手段とを有し、遮蔽手段をシステムキッチン本体に対して回動させることにより遮蔽手段がキッチンカウンタを構成する。従って、遮蔽手段によりカウンタ台の上に置かれている什器や調理器具等を遮蔽することができ、居間スペースから見たシステムキッチンの景観が煩雑なものになることを防止することができる。さらに、この遮蔽手段はキッチンカウンタを構成することができるため、遮蔽手段を必要としない場合でもこれをキッチンカウンタとして有効利用することができ、遮蔽手段を収容するためのスペースを確保する必要がない。
【0014】
請求項2記載の本発明によれば、キッチンカウンタを構成するために必要な天板部材と一対の側板部材という最小限度の部材から遮蔽手段が構成されるため、遮蔽手段の製造コストを最小限度に抑えることができる。
【0015】
請求項3記載の本発明によれば、遮蔽手段の一対の側板部材が、天板部材の両側方にそれぞれ回動可能に連結されている。従って、遮蔽部材の天板部材を中心にして側板部材を回動することにより、容易にキッチンカウンタを組み立てることができ、補助具等を用いる必要がない。
【0016】
請求項4記載の本発明によれば、システムキッチン本体に対してキッチンカウンタが着脱自在に構成されているため、必要に応じてキッチンカウンタをシステムキッチン本体に連結したり分離したりすることができる。また、キッチンカウンタをシステムキッチン本体に連結することにより、キッチンカウンタの移動を制限することが可能である。このため、キッチンカウンタのキャスターにストッパ機構を設ける必要が無い。
【0017】
請求項5記載の本発明によれば、システムキッチン本体と前記遮蔽手段とが、第1係止手段と第2係止手段とを有している。従って、第1係止手段により遮蔽手段を容易にシステムキッチン本体に対して垂直方向に回動することができると共に、システムキッチン本体に対して着脱自在に係止することができる。また、第2係止手段により容易に遮蔽手段をシステムキッチン本体に係止することができる。
【0018】
請求項6記載の本発明によれば、遮蔽部材の一対の側板部材はそれぞれ伸縮自在の脚部を有し、天板部材に対して側板部材を回動することにより脚部が伸長するように構成されている。遮蔽手段が係止されるシステムキッチン本体の幅方向の寸法が小さい場合や天板部材の幅方向の寸法を大きくする場合、キッチンカウンタを組み立てた際の側板部材の高さ寸法を十分に確保できない。しかし、本発明によれば、このような場合でも脚部が伸長するため、天板部材の床面からの高さを十分に確保することができる。
【0019】
請求項7記載の本発明によれば、遮蔽手段は、さらに側板支持部材を有し、側板支持部材の一端が天板部材の両側方に回動可能に連結されていると共に側板部材を回動可能に支持している。従って、側板部材を側板支持部材に対して回動させることにより、側板部材の表裏面の位置を入れ替えることができる。このため、側板部材の表面側のみに表面加工を行う(例えば突板を貼着する等)ことにより、システムキッチン本体に遮蔽手段として係止した状態でも、キッチンカウンタを構成した状態でも、当該加工面が外部から見える面となる。故に、側板部材の裏面側を表面加工する必要がなく、製造コストの低廉化を図ることができる。
【0020】
請求項8記載の本発明によれば、側板支持部材と側板部材は回動規制手段を有し、この回動規制手段により側板部材の側板支持部材に対する回動が規制されている。このため、側板部材を回動し、その表裏面の位置の入れ替えを容易且つ確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ本発明の第1実施形態に係るシステムキッチン1について詳細に説明する。図1ないし図6に示す本実施形態のシステムキッチン1は、カウンタ台20を有するシステムキッチン本体2と、前記カウンタ台20上部の空間11の一部または全部を遮蔽する遮蔽手段3である天板部材31aと一対の側板部材31b、31cとを有する。そして、前記遮蔽手段3である天板部材31aに対して一対の側板部材31b、31cを90度回動させ、前記遮蔽手段3がキッチンカウンタ30を構成することができる。また、当該キッチンカウンタ30は、システムキッチン本体2から取り外し可能に構成されている。
【0022】
システムキッチン本体2は、図1に示すように、一連に設けられているキャビネット22a、22bとコンロユニット22cを有し、それらキャビネットやコンロユニットの上部に一連に設けられている吊戸棚21a、21b、及び換気ユニット21cを有する。また、キャビネット22a、22bとコンロユニット22cの上部にはカウンタ台20が設けられており(図2参照)、カウンタ台20の上部には空間11が形成されている(図2参照)。このカウンタ台20の上には什器や調理器具等を置くことができるようになっている。システムキッチン本体2は、その両側方に一対の側板23a、23bを有している。なお、図2に示す符号25はシンクである。
【0023】
遮蔽手段3である天板部材31aと一対の側板部材31b、31cは、何れも矩形の板状部材であり、図2においてカウンタ台20上部の空間11を遮蔽するようにシステムキッチン本体2に取り付けられている。この天板部材31aと一対の側板部材31b、31cには、不燃加工された化粧板、パンチング加工されたアルミやステンレス等の金属板、あるいは半透明のガラスやアクリル板等を用いることができ、システムキッチン1のデザインに応じてその材質や形状等を適宜選択することができる。
【0024】
天板部材31aと側板部材31b、31cは、天板部材31aの両側方にそれぞれ側板部材31b、31cが蝶番35を介して連結されている。この蝶番35により、側板部材31b、31cは天板部材31aに対し図3及び図4に示されている矢印A方向に回動可能となっている。また、天板部材31aと側板部材31b、31cは2段階のロック機構を有するステー部材32を備えており、このステー部材32のロック機構により側板部材31b、31cが天板部材31aに対して開き角度180度または90度の2段階の状態で保持可能となっている。このステー部材32のロック機構は、ステー部材32の自由端部に形成されている凸部32aと、当該凸部32aが係合する天板部材31aの上下端面に形成されているスリット32cの端部に形成されている凹部32bにより構成されている(図4参照)。
【0025】
側板部材31bの左辺部分と側板部材31cの右辺部分には、ボールキャスター34a、34bがそれぞれ2つづつ取り付けられている。このボールキャスター34a、34bは、キッチンカウンタ30を移動可能にするために使用される他、後述するようにシステムキッチン本体2の側板23a、23bの係合凹部24a、24bと係合することにより第2係止手段を構成する。
【0026】
図1に示すように、システムキッチン本体2のキャビネット22aの上部と天板部材31aの下辺部分には、一組の第1係止手段を構成するロッド部材26と、支持材36の先端に設けられている半環状部材36aがそれぞれ設けられている。このロッド部材26と半環状部材36aにより、遮蔽手段3である天板部材31a及び一対の側板部材31b、31cをシステムキッチン本体2に対して垂直方向に回動可能とし、且つ、遮蔽手段3である天板部材31a及び一対の側板部材31b、31cをシステムキッチン本体2に着脱自在に係止することができる。即ち、半環状部材36aがロッド部材26に嵌め込まれた状態では、図5に示すように、天板部材31aはロッド部材26を中心としてシステムキッチン本体2に対して垂直方向に回動することができる。また、半環状部材36aをロッド部材26から取り外すことにより、図6に示すように、天板部材31a及び一対の側板部材31b、31cから構成されているキッチンカウンタ30をシステムキッチン本体2から分離することができる。なお、このロッド部材26はタオル掛けとしての機能も有している。
【0027】
図1に示すように、システムキッチン本体2の吊戸棚21aの下部にはロック部材33が設けられており、天板部材31aの上辺部分にはこのロック部材33と係合する被ロック部材(図示せず)が設けられている。また、システムキッチン本体2の側板23a、23bの前端部分には係合凹部24a、24bが設けられており、それぞれ側板部材31b、31cのボールキャスター34a、34bと係合可能となっている。これらロック部材33と被ロック部材、及び係合凹部24a、24bとボールキャスター34a、34bは、遮蔽手段3である天板部材31a及び一対の側板部材31b、31cをカウンタ台20の上部の空間11を遮蔽するようにシステムキッチン本体2に取り付けた際に、この天板部材31a及び一対の側板部材31b、31cをシステムキッチン本体2に係止するための第2係止手段をそれぞれ構成している。なお、第2係止手段を構成する係合凹部24a、24bとボールキャスター34a、34bは、上述したように天板部材31aと側板部材31b、31cのステー部材32により、側板部材31b、31cが天板部材31aに対して開き角度180度の状態で保持可能となっている場合には、必ずしも必要ではない。この場合には、ロック部材33と被ロック部材とが一組の第2係止手段を構成する。
【0028】
以下、本実施形態の作用効果を説明する。
図1及び図2は、天板部材31aと側板部材31b、31cとが、カウンタ台20上部の空間11の前面側に第2係止手段により係止され当該空間11を遮蔽した状態を示している。この状態において、天板部材31aと側板部材31b、31cは遮蔽手段3として機能している。そして、カウンタ台20の上に置かれている什器や調理器具等が遮蔽されることにより、居間スペースから見たシステムキッチン1の景観が煩雑なものになることを防止している。さらに、この遮蔽手段3はキッチンカウンタを構成することができるため、遮蔽手段3を必要としない場合でもこれをキッチンカウンタとして有効利用することができ、遮蔽手段3を収容するためのスペースを確保する必要がない。
【0029】
次に、システムキッチン本体2から遮蔽手段3を取り外し、キッチンカウンタ30を構成する手順について説明する。最初に、側板部材31b、31cのボールキャスター34a、34bをシステムキッチン本体2の側板23a、23bの係合凹部24a、24bから取り外し、さらに、ステー部材32のロック機構を解除し、天板部材31aに対して180度の開き角度の状態でロックされていた側板部材31b、31cを天板部材31aに対して90度の開き角度の状態になるまで回動させる(図3及び図4に示す矢印A参照)。そして、ステー部材32のロック機構をロックすることにより、側板部材31b、31cが天板部材31aに対して90度の開き角度の状態に保持する。
【0030】
次に、システムキッチン本体2の吊戸棚21aの下部に設けられているロック部材33を操作し、天板部材31aの被ロック部材とのロック状態を解除する。そして、天板部材31aを支えながら、天板部材31aと一対の側板部材31b、31cを図5に示す矢印B方向に回動させる。この際、半環状部材36aはロッド部材26を中心にして回動してゆく。そして、この回動操作は、図5に示すように、側板部材31b、31cのボールキャスター34a、34bが接地することにより終了する。この状態において、天板部材31aと一対の側板部材31b、31cは、キッチンカウンタ30を構成する。
【0031】
さらに、このキッチンカウンタ30はシステムキッチン本体2に対して着脱自在に構成されている。即ち、図6に示す矢印C方向へ移動させることにより、半環状部材36aはロッド部材26から離脱し、システムキッチン本体2から分離することが可能である。また、分離したキッチンカウンタ30をこの矢印C方向とは逆方向への移動すれば、半環状部材36aがロッド部材26に再び連結され、キッチンカウンタ30をシステムキッチン本体2に再度係止することができる。なお、図1に示すように、ロッド部材26aをキャビネット22bの上部にも設けておくと、キッチンカウンタ30の半環状部材36aをこのロッド部材26aと連結することにより、システムキッチン本体2に対するキッチンカウンタ30の係止位置の自由度を増大させることができる。
【0032】
本実施形態のシステムキッチン1は、キッチンカウンタ30を構成するために必要な天板部材31aと一対の側板部材31b、31cという最小限度の部材から遮蔽手段3が構成されるため、遮蔽手段3の製造コストを最小限度に抑えることができる。
【0033】
さらに、本実施形態のシステムキッチン1は、遮蔽手段3の一対の側板部材31b、31cが、天板部材31aの両側方に回動可能に連結されている。従って、遮蔽部材の天板部材31aを中心にして側板部材31b、31cを回動することにより、容易にキッチンカウンタ30を組み立てることができる。
【0034】
さらに、本実施形態のシステムキッチン1は、システムキッチン本体2に対してキッチンカウンタ30が着脱自在に構成されているため、必要に応じてキッチンカウンタ30をシステムキッチン本体2に連結したり分離したりすることができる。また、キッチンカウンタ30をシステムキッチン本体2に連結することにより、キッチンカウンタ30の移動を制限することが可能である。このため、キッチンカウンタ30のキャスターにストッパ機構を設ける必要が無い。
【0035】
さらに、本実施形態のシステムキッチン1は、遮蔽手段3をシステムキッチン本体2に対して垂直方向に回動可能とし、且つ、遮蔽手段3をシステムキッチン本体2に着脱自在に係止するための一組の第1係止手段であるロッド部材26と半環状部材36aと、遮蔽手段3をカウンタ台20上部の空間の一部または全部を遮蔽するようにシステムキッチン本体2に取り付けた際に、遮蔽手段3をシステムキッチン本体2に係止するための一組の第2係止手段であるロック部材33と被ロック部材、及び係合凹部24a、24bとボールキャスター34a、34bとを有している。この第1係止手段により遮蔽手段3を容易にシステムキッチン本体2に対して垂直方向に回動することができると共に、システムキッチン本体2に対して着脱自在に係止することができる。また、第2係止手段により容易に遮蔽手段3をシステムキッチン本体2に係止することができる。
【0036】
以下、図7を参照しつつ本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では上記第1実施形態におけるボールキャスター34a、34bの代わりに、それぞれ2組の伸縮自在の脚部37が側板部材31b、31cに取り付けられている。この伸縮自在の脚部37は、遮蔽手段3が係止されるシステムキッチン本体2の幅方向の寸法が小さい場合や、天板部材31aの幅方向の寸法を大きくする場合において、キッチンカウンタ30を組み立てた際の側板部材31b、31cの高さ寸法を十分に確保できない場合に適用することができる。なお、図7は上記第1実施形態における図4に相当する。
【0037】
図7に示すように、伸縮自在の脚部37は、筒状のシリンダ37aと、シリンダ37aの側方に設けられているスリット37bと、スリット37bに沿って摺動可能に取り付けられているロッド基部37cと、ロッド基部37cをその一端に有するロッド37dと、ロッド37dの他端に回動可能に設けられている回動支点部37eと、ロッド基部37cと連結されていると共にシリンダ37a内部に摺動可能に収容されているキャスター支持材37fと、キャスター支持材37fの先端に取り付けられたキャスター37gとから成る。なお、スリット37bにはロック用の凹部37hが形成されている。
【0038】
以下、本実施形態の作用効果について説明する。
上記第1実施形態と同様に、遮蔽手段3からキッチンカウンタ30を構成する場合には、天板部材31aに対して180度の開き角度の状態でロックされていた側板部材31b、31cを天板部材31aに対して90度の開き角度の状態になるまで回動させる(図7に示す矢印A参照)。
【0039】
天板部材31aに対して側板部材31b、31cが180の開き角度である場合には、ロッド基部37cはスリット37bの天板部材31a側の端部に位置している。このため、このロッド基部37cと連結されているキャスター支持材37fは天板部材31a側に引き込まれた状態となっている。
【0040】
図7に示す矢印A方向に側板部材31b、31cを回動すると、ロッド基部37cはスリット37bに沿って天板部材31aの方向とは逆の方向へ摺動してゆく。このため、このロッド基部37cと連結されているキャスター支持材37fは天板部材31aの方向とは逆の方向へ移動してゆき、シリンダ37aの内部から押し出されてゆく。
【0041】
そして、天板部材31aに対して90度の開き角度になるまで側板部材31b、31cを回動させると、ロッド基部37cがスリット37bの凹部37hに係止され、係止されたロッド基部37cに連結されているキャスター支持材37fが伸長した状態で固定される。
【0042】
本実施形態においては、遮蔽部材の一対の側板部材31b、31cはそれぞれ伸縮自在の脚部37を有し、天板部材31aに対して側板部材31b、31cを回動することにより脚部37が伸長するように構成されている。遮蔽手段3が係止されるシステムキッチン本体2の幅方向の寸法が小さい場合や天板部材31aの幅方向の寸法を大きくする場合、キッチンカウンタ30を組み立てた際の側板部材31b、31cの高さ寸法を十分に確保できない。しかし、本実施形態によれば、このような場合でも脚部37が伸長するため、天板部材31aの床面からの高さを確保することができる。
【0043】
以下、図8乃至図13を参照しつつ本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態では上記第1実施形態における側板部材31b、31cの表裏面の位置が入れ替え可能となっている。このため、遮蔽手段3としてシステムキッチン本体2に係止された状態の側板部材31b、31cの表面が、キッチンカウンタ30を構成した状態においてもキッチンカウンタ30の側部表面に配置される。なお、図8、図11、図12、及び図13は上記第1実施形態における図4に相当する。
【0044】
上記第1実施形態とは異なり、本実施形態の天板部材31aの両側方に取り付けられている蝶番35には側板支持部材であるコの字型形状のフレーム38が連結され、このフレーム38が天板部材31aに対して回動可能に取り付けられている。このフレーム38は上下部分の水平フレーム38a、38bと垂直部分の垂直フレーム38cとから構成されている(図9参照)。フレーム38の中央部には回動軸38dが設けられており、側板31b、31cがこの回動軸38dを中心にして回動可能になるようにフレーム38にそれぞれ支持されている(図8参照)。また、水平フレーム38a、38bには、後述する固定用凸部41cと係合する固定用穴38e、38fが形成されている(図11参照)。
【0045】
天板部材31aの上部及び下部には金属製のプレート39が装着されている(図9参照)。図8に示すように、このプレート39には溝39aが形成されており、これら溝39aはこれら溝39aを摺動するロッド基部39bを有している。ロッド基部39bはロッド39cの一端に固定されており、さらにロッド39cの他端は上記回動軸38dの突出部分に回動可能に係止されている。このプレート39の溝39aにロッド基部39bが摺動することにより、ロッド39cによってフレーム38とフレーム38に支持されている側板部材31b、31cの回動範囲が規制される。なお、溝39aの両端部には図示しない係合凹部が形成されており、この係合凹部にロッド基部39bが係合することにより、天板38aに対して180度又は90度の角度をもってフレーム38が固定される。
【0046】
図8及び図10に示すように、側板31b、31cの裏面側にはキャスター支持部材40bが取り付けられており、このキャスター支持部材40bの先端にはキャスター40aが装着されている。また、側板31b、31cの内部には、側板31b、31cを上記フレーム38に固定するための固定部41が設けられており、この固定部41と上記固定用穴38e、38fとは側板部材31b、31cの回動規制手段を構成している(図11ないし図13参照)。この固定部41は、側板31b、31cの裏面側に露出した操作ノブ41aと、操作ノブ41aの回動操作により側板31b、31cの上下端面方向へ伸縮するロッド41bと、ロッド41bの端部であると共に、フレーム38に側板31b、31cを固定するために上記固定用穴38e、38f内へ突出する固定用凸部41cとを有する。このロッド41bはコイルスプリング(図示せず)によりノブ41aの内部外周に形成されているカム(図示せず)に常時付勢されており、ノブ41aを回動操作することにより固定用凸部41cが側板31b、31cの上下端面から突出させ又は引き込ませることができる。
【0047】
以下、本実施形態の作用効果について説明する。
上記第1実施形態と同様に、遮蔽手段3からキッチンカウンタ30を構成する場合には、天板部材31aに対して180度の開き角度の状態でロックされていた側板部材31b、31cをフレーム38と共に天板部材31aに対して90度の開き角度の状態になるまで回動させる(図11に示す矢印A1参照)。この状態において、固定用凸部41cは固定用穴38e内に突出しており、フレーム38に側板部材31b、31cが固定されている。
【0048】
次に、操作ノブ41aを回動操作し、固定用凸部41cを惻板部材31b、31cの上下端面から引き込ませる。そして、回動軸38dを中心にして側板31b、31cを180度回転させる(図12に示す矢印A2参照)。
【0049】
最後に、操作ノブ41aを回動操作し、固定用凸部41cを固定用穴38f内に突出し、フレーム38に側板部材31b、31cを再度固定する(図13参照)。
【0050】
本実施形態においては、遮蔽手段3は、さらに側板支持部材であるフレーム38を有し、フレーム38の一端である垂直フレーム38cが天板部材31aの両側方に回動可能に連結されていると共に側板部材31b、31cを回動可能に支持している。従って、側板部材の31b、31cをフレーム38cに対して回動させることにより、側板部材31b、31cの表裏面の位置を入れ替えることができる。図12に示すように側板部材31b、31cを回動させることにより、図11における側板部材31b、31cが図13においてその表裏面の位置を入れ替えている。このため、側板部材31b、31cの表面側のみに表面加工を行う(例えば突板を貼着する等)ことにより、システムキッチン本体2に遮蔽手段3として係止した状態でも、キッチンカウンタ30を構成した状態でも、当該加工面が外部から見える面となる。故に、側板部材31b、31cの裏面側を表面加工する必要がなく、製造コストの低廉化を図ることができる。
【0051】
さらに、本実施形態において、側板支持部材であるフレーム38と側板部材31b、31cは回動規制手段である固定用穴38e、38fと固定部41とを有し、この回動規制手段により側板部材31b、31cの側板支持部材であるフレーム38に対する回動が規制されている。このため、側板部材31b、31cを回動し、その表裏面の位置の入れ替えを容易且つ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る第1実施形態のシステムキッチン1を示す正面図である。
【図2】図1に示すシステムキッチン1の縦断面図である。
【図3】図1に示すシステムキッチン1の縦断面図であり、側板部材31b、31cを天板部材31aに対して90度回動させた状態を示している。
【図4】図1に示すシステムキッチン1の遮蔽手段3の回動状態を示す説明図であり、側板部材31b、31cを天板部材31aに対して180度の位置から90度の位置へ回動させた状態を示す平面図である。
【図5】図1に示すシステムキッチン1の縦断面図であり、キッチンカウンタ30をシステムキッチン本体2に対して垂直方向に回動させた状態を示している。
【図6】図1に示すシステムキッチン1の縦断面図であり、キッチンカウンタ30をシステムキッチン本体2から取り外した状態を示している。
【図7】本発明に係る第2実施形態のシステムキッチンにおける遮蔽手段3の回動状態を示す説明図であり、側板部材31b、31cを天板部材31aに対して180度の位置から90度の位置へ回動させた状態を示す平面図である。
【図8】本発明に係る第3実施形態のシステムキッチンにおける遮蔽手段3を示す説明図であり、側板部材31b、31cを天板部材31aに対して180度の位置に固定した状態を示す平面図である。
【図9】図8に示すシステムキッチンにおける遮蔽手段3の表面側を示す正面図である。
【図10】図8に示すシステムキッチンにおける遮蔽手段3の裏面側を示す背面図である。
【図11】図8に示すシステムキッチンにおける遮蔽手段3の回動状態を示す説明図であり、側板部材31b、31cをフレーム38と共に天板部材31aに対して90度の開き角度の状態になるまで回動させた状態を示す平面図である。
【図12】図8に示すシステムキッチンにおける遮蔽手段3の回動状態を示す説明図であり、側板部材31b、31cをフレーム38の回動軸38dを中心にして180度回動させる途中の状態を示す平面図である。
【図13】図8に示すシステムキッチンにおける遮蔽手段3の回動状態を示す説明図であり、側板部材31b、31cをフレーム38の回動軸38dを中心にして180度回動させた状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0053】
1 システムキッチン
11 空間
2 システムキッチン本体
20 カウンタ台
21a、21b 吊戸棚
21c 換気ユニット
22a、22b キャビネット
22c コンロユニット
23a、23b 側板
24a、24b 係合凹部
25 シンク
26 ロッド部材
3 遮蔽手段
30 キッチンカウンタ
31a 天板部材
31b、31c 側板部材
32 ステー部材
32a 凸部
32b 凹部
32c スリット
33 ロック部材
34a、34b ボールキャスター
35 蝶番
36 支持材
36a 半環状部材
37 脚部
37a シリンダ
37b スリット
37c ロッド基部
37d ロッド
37e 回動支点部
37f キャスター支持材
37g キャスター
37h 凹部
38 フレーム
38a、38b 水平フレーム
38c 垂直フレーム
38d 回動軸
38e、38f 固定用穴
39 プレート
39a 溝
39b ロッド基部
39c ロッド
40a キャスター
40b キャスター支持部材
41 固定部
41a 操作ノブ
41b ロッド
41c 固定用凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カウンタ台を有するシステムキッチン本体と、
前記カウンタ台上部の空間の一部または全部を遮蔽する遮蔽手段とを有し、
前記遮蔽手段をシステムキッチン本体に対して回動させることにより前記遮蔽手段がキッチンカウンタを構成することを特徴とするシステムキッチン。
【請求項2】
前記遮蔽手段は、前記キッチンカウンタの天板に対応する天板部材と、前記キッチンカウンタの一対の側板に対応する一対の側板部材とから構成されている請求項1記載のシステムキッチン。
【請求項3】
前記遮蔽手段の前記一対の側板部材は、前記天板部材の両側方に回動可能に連結されている請求項2記載のシステムキッチン。
【請求項4】
前記システムキッチン本体に対して前記キッチンカウンタは着脱自在に構成されている請求項1記載のシステムキッチン。
【請求項5】
前記システムキッチン本体と前記遮蔽手段とは、前記遮蔽手段を前記システムキッチン本体に対して垂直方向に回動可能とし、且つ、前記遮蔽手段を前記システムキッチン本体に着脱自在に係止するための一組の第1係止手段と、
前記遮蔽手段を前記カウンタ台上部の空間の一部または全部を遮蔽するように前記システムキッチン本体に取り付けた際に、前記遮蔽手段を前記システムキッチン本体に係止するための一組の第2係止手段とを有している請求項1記載のシステムキッチン。
【請求項6】
前記遮蔽部材の前記一対の側板部材はそれぞれ伸縮自在の脚部を有し、前記天板部材に対して側板部材を回動することにより前記脚部が伸長する請求項3記載のシステムキッチン。
【請求項7】
前記遮蔽手段は、さらに一対の側板支持部材を有し、前記一対の側板支持部材のそれぞれの一端が前記天板部材の両側方に回動可能に連結されていると共に、前記一対の側板部材をそれぞれ回動可能に支持し、前記一対の側板部材の表裏面の位置を入れ替え可能とする請求項3記載のシステムキッチン。
【請求項8】
前記側板支持部材と前記側板部材とは回動規制手段を有し、前記回動規制手段により前記側板部材の前記側板支持部材に対する回動が規制されている請求項7記載のシステムキッチン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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