説明

シャワーブース

【課題】未使用時には、内壁を速やかに乾燥させることができ、部屋の任意の位置に設置することができるシャワーブースを提供する。
【解決手段】シャワー未使用時に二方向の面を開放可能で、少なくとも一方向に壁面を有し自立させて設置できるように構成され、室内面の少なくとも底面にシャワー吐水口5,5が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャワーブースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、シャワー器具が付設されたパーティーションを、天井材により部屋の壁に連結させて自立させ、パーティーションと壁間にシャワー室を形成したものが存在する。
【特許文献1】特開2005−146704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に開示されているようなシャワー室は、単独では自立しないものであり、壁面に連結させる必要があるため、任意の位置、例えば部屋の中央付近等に設置することはできないものであった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したものであって、自立させて任意の位置に設置することができ、しかも、速やかに内部を乾燥させることのできるシャワーブースを提供するものであり、その請求項1は、シャワー未使用時に二方向の面を開放可能で、少なくとも一方向に壁面を有し自立させて設置できるように構成したことである。
【0005】
また請求項2は、シャワーブースの室内面の少なくとも底面にシャワー吐水口が設けられていることである。
【0006】
また請求項3は、前記シャワー吐水口及びその操作部をシャワーブース室内面から突出することなく、シャワーブース室内面と略面一状に設けたことである。
【0007】
また請求項4は、シャワー未使用時には前記壁面内に収納可能であり、シャワー使用時には引き出して前記二方向の面を仕切ることができる遮蔽材を備えたことである。
【0008】
また請求項5は、前記遮蔽材は、前記二方向の面を仕切った状態で、その下端が前記底面に凹状に形成された排水溝内に配置されることである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のシャワーブースは、シャワー未使用時に二方向の面を開放可能で、少なくとも一方向に壁面を有し自立させて設置できるように構成したことにより、風通しの良い部屋の中央付近等の任意の位置に設置することができ、しかも二方向の面が開放可能であるため、開放させて速やかにブース内を乾燥させることができ、カビの発生等を良好に防止できるものとなる。
【0010】
また、シャワーブースの室内面の少なくとも底面にシャワー吐水口が設けられていることにより、底面のシャワー吐水口からシャワー水を噴出させて、足元を良好に温めることができ、また、足裏を良好にマッサージできるものとなる。
【0011】
また、前記シャワー吐水口及びその操作部をシャワーブース室内面から突出することなく、シャワーブース室内面と略面一状に設けたことにより、シャワーブース室内面から突出するものがないため、シャワーブース室内面に付着した水分を容易に拭き取ることができ、また、使用時にシャワーブース室内面に凭れ掛かる等しても、突出部がないため身体に突出部が当たることがなく、室内面に凭れて楽な姿勢でシャワーを浴びることができるものとなる。
【0012】
また、シャワー未使用時には前記壁面内に収納可能であり、シャワー使用時には引き出して前記二方向の面を仕切ることができる遮蔽材を備えたことにより、シャワー使用時には遮蔽材により二方向の面を仕切って内部で良好にシャワーを浴びることができ、また、遮蔽材を壁面内に収納可能であるため、シャワー未使用時は二方向の面を開放させて、良好に内部を乾燥させて清潔に保持することができ、また遮蔽材は壁面から突出しないために、壁面に凸部が存在しないこととなり、良好に壁面の水分等を拭き取ることができるものとなる。
【0013】
また、前記遮蔽材は、前記二方向の面を仕切った状態で、その下端が前記底面に凹状に形成された排水溝内に配置されることにより、シャワー使用時には遮蔽材の下端が排水溝内に配置されているため、外側へ流れる水を良好に遮蔽材で遮って排水溝内に誘導することができ、外部への水漏れを良好に防止することができ、さらに水蒸気や細かい水滴が外部に漏れ出すのを良好に防ぐことができるものとなる。
また、排水溝は凹状に形成されているため、足裏に突出部が当たることがなく、しかも底面を容易に拭き取ることができるものとなる。
【実施例】
【0014】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、シャワーブースの斜視構成図であり、このシャワーブース1は略縦長のロ型に形成されて、対向する二方向の面が開放されたものとなっており、左右の側面2a,2bと、底面3と、天井面4でシャワーブース室内面が形成されており、底面3側は水平であるため、任意の位置に自立させて設置できるものである。
例えば、部屋の中央部に自立させて設置することもでき、また、側面2a,2b間の幅と同じ幅の通路にも自立させて設置することができるものである。
このシャワーブース1の室内面を構成する前記側面2a,2b,底面3及び天井面4には、それぞれ複数の吐水ノズル5,5,5が設けられており、各吐水ノズル5,5からシャワー水を噴出させることができるように構成されている。
【0015】
各吐水ノズル5は、シャワーブース1の室内面とほぼ面一状をなすように、埋め込み状に設けられており、吐水ノズル5が室内面から突出することはないために、室内面に凭れ掛かっても吐水ノズル5が背中等に当たることはなく、図2のような状態で側面2a,2bに凭れ掛かった状態で全身にシャワーを浴びることができるものでる。
【0016】
なお、図3は、底面3側及び左右の側面2a,2bの下部部位のみを拡大して示した斜視図であり、また図4は、天井面4側及び側面2a,2bの上部のみを拡大して示したものである。
天井面4には複数の吐水ノズル5と共に、スリット状に照明装置6が複数平行に設けられており、この照明装置6は、それぞれスリットの上方側に複数のLEDを配列して形成したものであり、天井面4から突出しないようにほぼ面一状に設けられている。
なお、このシャワーブースには対向する二方向の開放面側に、それぞれ底面3には凹状に排水溝8が形成されており、また排水溝8から側面2a,2bに向かって縦方向に挿入溝9,収納溝10がそれぞれ形成され、挿入溝9は天井面4側にも連続形成されている。
【0017】
また、例えば側面2b側には使用者の尻が当たる部分に、水平方向に枕状の尻当て部材7が設けられており、シャワーを使用する際に、この枕状の尻当て部材7に尻を載せて側面2bに寄り掛かった状態でリラックスしてシャワーを浴びることができるように構成されている。なお、尻当て部材7はクッション性の有する独立気泡性の素材で形成させておくことができる。
【0018】
なお、各吐水ノズル5は、図6の斜視図で示すような吐水ユニット50に複数設けられたものとなっており、吐水ユニット50は、吐水ノズル5を備えた配管を枠状に組み付けて形成したものであり、給水口50aを備えている。
このような吐水ユニット50は図5の概略図で示すように、それぞれの吐水ユニット50が底面3,側面2a,2b及び天井面4の内壁内に隠蔽状に設けられており、それぞれの吐水ユニット50の給水口50aには、それぞれ給水配管が接続されており、図5では、湯を供給する湯管11と水を供給する水管12が混合バルブ13に接続されており、この混合バルブ13内で適温に調整されるものであり、混合バルブ13の下流側に開閉弁14a,14b,14cが設けられており、開閉弁14aは底面3の吐水ユニット50に接続されており、開閉弁14bは左右の側面2a,2b側の吐水ユニット50に接続されており、また開閉弁14cは天井面4の吐水ユニット50に接続されて構成されている。
【0019】
なお、シャワーブース1の側面2aまたは2bの何れかの内壁面に図7に示すような操作部15が設けられており、この操作部15はタッチスイッチで構成されて、室内面からは突出することがないように構成されている。
図7では、操作部15は、側面スイッチ15aと天井スイッチ15bと底スイッチ15cを備え、側面スイッチ15aを指で押してオンした時には、前記図5の開閉弁14bが開かれて側面2a,2bからシャワー水が噴出されるものであり、また天井スイッチ15bをオンした時には、開閉弁14cが開かれて天井面4からシャワー水が噴出されるものであり、また底スイッチ15cをオンした時には開閉弁14aが開かれて底面3からシャワー水が噴出されるものであり、図中16で示す吐水箇所表示部に何れの面からシャワー水が噴出されているかを表示することができるように構成されている。
【0020】
また、温度スイッチ15dが設けられており、この温度スイッチ15dは、指で押したまま水平方向に移動させて、シャワー水の温度を調整できるものである。即ち混合バルブ13の混合量を調整できるものである。更に流量調整スイッチ15eが設けられており、この流量調整スイッチ15eも指で押さえて水平方向に移動させることで、シャワー水の噴出される勢いを調整できるように構成されている。
【0021】
従って、本例では、底スイッチ15cをオンして底面3側のみからシャワー水を噴出させることもでき、また、天井スイッチ15bをオンして天井面4側のみからシャワー水を噴出させることもでき、また、側面スイッチ15aをオンして側面2a,2bからシャワー水を噴出させることもでき、また、側面スイッチ15a及び天井スイッチ15b及び底スイッチ15cを全てオンして、側面2a,2b,底面3,天井面4の全てから同時にシャワー水を噴出させることもでき、この場合は全身にシャワー水を浴びることができるものである。
【0022】
なお、使用時には、二方向の面を図8に示すように、例えば透明や色付きの遮蔽部材17で遮蔽してシャワーを浴びることとなるが、この遮蔽材17は、シャワーブース1の室内面壁内に埋設状に収納できるように構成されており、図9の水平断面拡大図で示すように、シャワーブース1の側面2bの壁内に収納空間Sを形成させておき、この収納空間S内にロール状にして遮蔽材17を収納させることができるものであり、この遮蔽材17の先端には引き出し部材18が連結されており、使用しない時には、固定用球爪19aを引き出し部材18の凹部18aに係合させて、この引き出し部材18は側面2bに形成されている収納溝10内に、側面2bから突出することなく面一状に収納しておくことができるものである。
なお、対向する側面2a側には、挿入溝9が凹状に形成されており、挿入溝9の奥側にはバネ20が設けられている。また、挿入溝9にも固定用球爪19bが設けられている。
【0023】
図9に示す収納状態から、引き出し部材18の先端を指で1回押すと、引き出し部材18が側面2bから飛び出してくるように構成されており、この引き出し部材18が飛び出た状態で、引き出し部材18を図10に示すように、対向する側面2a側へ引っ張ってゆくと遮蔽材17が側面2a側に引き出されることとなり、側面2a側の挿入溝9内に引き出し部材18を挿入させて、引き出し部材18の外周に形成されている凹部18aを挿入溝9の固定用球爪19bに係合させることで、引き出し部材18を挿入溝9内に面一状に固定させることができ、この状態では、遮蔽材17は図8のように、開放された面を良好に仕切ることができるものである。
【0024】
なお、底面3には前述したように、凹状に排水溝8が形成されており、図11の縦断面拡大構成図に示すように、この排水溝8内にはヘアキャッチャー21を設けておき、遮蔽材17の下端が排水溝8内に配置されるように構成しておけば、遮蔽材17で仕切った状態では、遮蔽材17の下端が排水溝8内にあるため、室内側からの水が遮蔽材17に当たり排水溝8内に良好に導かれて、排水溝8からヘアキャッチャー21を通り排水管22に良好に排水されるものであり、また、水蒸気や水滴も良好に遮蔽材17で遮断して、外部に漏れることを良好に防ぐことができるものとなる。
なお、排水溝8や挿入溝19は、内壁から突出しないものであり、しかも複数の吐水ノズル5も内壁から突出せず、室内面と略面一状に設けられているため、良好に室内面を布等で拭き取ることができ、突出部がないため拭き取り作業が容易であり、また突出部が身体に触れることもないため、安心して室内面に凭れてシャワーを浴びることができるものとなる。
【0025】
また、使用しない時には、遮蔽材17を図9のように室内面壁内に収納させて、シャワーブース1の二方向を完全に開放させることができ、開放させたシャワーブース1内を風通しの良い状態とすることができ、速やかにシャワーブース1内を乾燥させてカビの発生等を防ぐことができるものとなる。
【0026】
なお、図1では、縦長ロ型のシャワーブース1を例示したが、二方向が開放されて単独で自立することができるものであれば、例えば図12に示すように、底面3からアーチ状に側面,天井に至るアーチ面4aを形成させたものであっても良く、また、図13に示すように、側面2aの下部を傾斜させた傾斜側面2cを有する形状のものであっても良く、更には、図14に示すように、天井面4及び底面3を五角形状に形成して、この五角形の各辺に対応する側面2a,2b,2dを一体状に立設させて、二方向の側面を開放できるように構成することもできる。なお、五角形に限らず六角形等のものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】縦長ロ型のシャワーブースの斜視構成図である。
【図2】図1のシャワーブースの使用状態の正面構成図である。
【図3】図1のシャワーブースの底面側を拡大して示す斜視構成図である。
【図4】図1のシャワーブースの天井面側を拡大して示す斜視構成図である。
【図5】シャワーブースの室内面壁内に設けられている吐水ユニットの配管構成図である。
【図6】吐水ユニットの斜視構成図である。
【図7】シャワーブースの室内面に設けられている操作部の拡大構成図である。
【図8】遮蔽材で開放された二方向の面を遮蔽した状態のシャワーブースの使用状態図である。
【図9】遮蔽材の収納状態を示すシャワーブースの水平断面拡大構成図である。
【図10】図9の状態から遮蔽材を引き出して仕切った状態の水平断面構成図である。
【図11】底面側の拡大縦断面構成図である。
【図12】アーチ面を有するシャワーブースの変更例の斜視構成図である。
【図13】傾斜側面を有するシャワーブースの変更例を示す斜視構成図である。
【図14】五角形状の底面及び天井面を有するシャワーブースの変更例を示す斜視構成図である。
【符号の説明】
【0028】
1 シャワーブース
2a,2b,2c,2d 側面
3 底面
4 天井面
4a アーチ面
5 吐水ノズル
6 照明装置
7 尻当て部材
8 排水溝
9 挿入溝
10 収納溝
13 混合バルブ
14a,14b,14c 開閉弁
15a 側面スイッチ
15b 天井スイッチ
15c 底スイッチ
15d 温度スイッチ
15e 流量調整スイッチ
17 遮蔽部材
18 引き出し部材
19a,19b 固定用球爪
21 ヘアキャッチャー
22 排水管
50 吐水ユニット
50a 給水口
S 収納空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャワー未使用時に二方向の面を開放可能で、少なくとも一方向に壁面を有し自立させて設置できるように構成したことを特徴とするシャワーブース。
【請求項2】
シャワーブースの室内面の少なくとも底面にシャワー吐水口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシャワーブース。
【請求項3】
前記シャワー吐水口及びその操作部をシャワーブース室内面から突出することなく、シャワーブース室内面と略面一状に設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシャワーブース。
【請求項4】
シャワー未使用時には前記壁面内に収納可能であり、シャワー使用時には引き出して前記二方向の面を仕切ることができる遮蔽材を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3に記載のシャワーブース。
【請求項5】
前記遮蔽材は、前記二方向の面を仕切った状態で、その下端が前記底面に凹状に形成された排水溝内に配置されることを特徴とする請求項4に記載のシャワーブース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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