シュガーレスソフトキャンディ
【課題】本発明は、酸味が強く且つ吸湿性の問題が解消されたソフトキャンディを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、クエン酸、アスコルビン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される酸味料と、6−O−α−D−グルコピラノシル−D−ソルビトール(以下、「1,6−GPS」とする)及び1−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニトール(以下、「1,1−GPM」とする)の混合物とを含むソフトキャンディを提供する。当該混合物の1,6−GPSと1,1−GPMとの割合が40重量%:60重量%〜99重量%:1重量%である。当該ソフトキャンディは、ソフトキャンディの重量に対して、2〜23重量%、好ましくは2.2〜15重量%、より好ましくは5〜11重量%の当該酸味料及び25〜70重量%、好ましくは30〜65重量%、より好ましくは40〜60重量%の当該混合物を含むことを特徴とする。
【解決手段】本発明は、クエン酸、アスコルビン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される酸味料と、6−O−α−D−グルコピラノシル−D−ソルビトール(以下、「1,6−GPS」とする)及び1−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニトール(以下、「1,1−GPM」とする)の混合物とを含むソフトキャンディを提供する。当該混合物の1,6−GPSと1,1−GPMとの割合が40重量%:60重量%〜99重量%:1重量%である。当該ソフトキャンディは、ソフトキャンディの重量に対して、2〜23重量%、好ましくは2.2〜15重量%、より好ましくは5〜11重量%の当該酸味料及び25〜70重量%、好ましくは30〜65重量%、より好ましくは40〜60重量%の当該混合物を含むことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シュガーレスソフトキャンディ、特には酸味の強いシュガーレスソフトキャンディに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、辛さやスッパさなどを強調したユニークな味の菓子類が流行している。その1つとして、酸味の強いソフトキャンディのニーズがある。また、特には虫歯や肥満を気にする人を対象として、シュガーレスソフトキャンディの市場も広がっている。ソフトキャンディの酸味を強くするためには、より多くの酸味料の配合が必要である。しかし、酸味料は一般的に吸湿性が高く、原材料に砂糖を使用した場合、吸湿により酸味料が水分に溶けてソフトキャンディのpHが低くなるために砂糖が分解する。生じた分解物であるグルコースや果糖は砂糖よりもさらに吸湿性が高いために、ソフトキャンディが保存中に変形したり液状になったりする。一方、原材料にシュガーレス素材として用いられる糖アルコールを使用した場合、吸湿により酸味料が水分に溶けたとしても糖アルコールは酸に安定であるため糖アルコール自体は分解しにくい。酸味料の多いシュガーレスソフトキャンディを製造するため、シュガーレス素材として最も一般的に使用される糖アルコールは還元麦芽糖(粉末又は結晶として販売されている)であり、特に還元麦芽糖の純度が98.5%以上のもの(例えばレシス(純度99%、三菱商事フードテック株式会社))が使用される。しかし、シュガーレス素材として最も多く使用されている還元麦芽糖(結晶マルチトール)を使用した場合、ソフトキャンディは吸湿し、砂糖を用いた場合よりも早く溶けてしまう。そのために、還元麦芽糖を主糖とするソフトキャンディの原材料中により多くの酸味料を配合すると、当該ソフトキャンディそのものにベタツキが生じ、その保型性が保たれない。よって、当該ソフトキャンディは、製造過程においてすでに損なわれているか、或いは流通過程においてその商品価値が損なわれる。この対策として、従来は、酸味の強いソフトキャンディを例えばアルミ包材の個包装にすることによって、或いは当該ソフトキャンディに糖衣を施すことによって吸湿を防ぐことが行われている。しかし、個包装にしたり或いは糖衣を施したりすることは、ソフトキャンディの製造原価を高めるという問題がある。さらに、個包装にしたとしても、外装開封後すぐにソフトキャンディが溶け始めるという問題がある。
【0003】
特許文献1は、酸味料を多量に配合しても保型性に富むソフトキャンディの製造方法を記載する(段落0001)。該製造方法は、トレハロースと水系食材・油系食材・食品添加物を配合し、水分5〜15%まで煮詰めてベース生地を得、これにトレハロースを主材として含むフォンダントを添加し、さらに酸味料を適量加えたことを特徴とする(段落0007)。実施例1〜3は、トレハロースと酸味料5.0重量部を含むソフトキャンディを記載する(表1)。
【0004】
特許文献2は、フォンダンを使用することなく、ソフトキャンディを製造する方法を記載する(段落0008)。当該方法は、シーディング剤として平均粒径が30μm以下の粉砕微粉末である、1,6−GPSと1,1−GPMとの混合物を添加することを含む(段落0009)。実施例1は、パラチニットGSとクエン酸とを含むソフトキャンディを記載する(表3)。パラチニットはズードツツカー アクチエンゲゼルシヤフト マンハイムの登録商標である。
【0005】
特許文献3は、糖アルコールを主体とするシュガーレスの処方で製造されるシュガーレスソフトキャンディを記載する(段落0001)。当該ソフトキャンディは、最終製品の組成として、非結晶性糖アルコールと結晶性糖アルコールとの混合物を主成分とし、固形物換算で0.001〜5.000重量%の酒石酸塩を含有する(段落0008)。比較品2では、キシリトールと、酒石酸塩の代わりにクエン酸を用いている。また、比較品3では、キシリトールと、酒石酸塩の代わりに酒石酸を用いている。比較品2及び3のソフトキャンディでは、成形性が悪く、噛んだ時に非常に歯つきが生じてしまい、ダレが生じ易く、柔らかさの水準もシュガーレスソフトキャンディとして許容される水準になかった(段落0087)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−262776号公報
【特許文献2】特開2009−171961号公報
【特許文献3】特開2006−158234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のソフトキャンディはトレハロースを主材とする。しかし、トレハロースは、糖アルコールではない。従って、特許文献1のソフトキャンディは、シュガーレスでない。
特許文献2の実施例1のソフトキャンディでは、そのクエン酸の量は、当該ソフトキャンディの原材料100重量部に対して、0.97重量部である。従って、特許文献2のソフトキャンディは、酸味が強くない。
特許文献3の比較品2のソフトキャンディでは、キシリトールとクエン酸の組み合わせにおいて、上記の通りその成形性が悪い。
本発明は、酸味が強く且つ吸湿性の問題が解消されたソフトキャンディを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、クエン酸、アスコルビン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される酸味料と、6−O−α−D−グルコピラノシル−D−ソルビトール(以下、「1,6−GPS」とする)及び1−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニトール(以下、「1,1−GPM」とする)の混合物とを含むソフトキャンディを提供する。当該混合物の1,6−GPSと1,1−GPMとの割合が40重量%:60重量%〜99重量%:1重量%である。当該ソフトキャンディは、ソフトキャンディの重量に対して、2〜23重量%、好ましくは2.2〜15重量%、より好ましくは5〜11重量%の当該酸味料及び25〜70重量%、好ましくは30〜65重量%、より好ましくは40〜60重量%の当該混合物を含むことを特徴とする。
なお、1,6−GPSと1,1−GPMとの混合物を還元パラチノース(一般名「イソマルト」、「還元イソマルチュロース」ともいう。以下、本明細書では還元パラチノースという)という。
【0009】
当該酸味料がクエン酸である場合、当該酸味料の含有量はソフトキャンディの重量に対して好ましくは2〜15重量%、より好ましくは2〜13重量%、さらに好ましくは5〜11重量%以下である。
当該酸味料がアスコルビン酸である場合、当該酸味料の含有量はソフトキャンディの重量に対して好ましくは3〜23重量%、より好ましくは3〜15重量%であり、さらに好ましくは3〜11重量%である。
当該酸味料がクエン酸及びアスコルビン酸の混合物である場合、アスコルビン酸の酸味度はクエン酸の約2/3であるため、アスコルビン酸の配合量に2/3を乗じた値とクエン酸の配合量との和が、ソフトキャンディの重量に対して2〜15重量%、好ましくは2〜13重量%、より好ましくは5〜11重量%であることが好ましい。
【0010】
本発明は、クエン酸、アスコルビン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される酸味料と、1,6−GPS及び1,1−GPMの混合物と、非結晶性糖アルコールとを含むソフトキャンディの製造方法を提供する。当該混合物の1,6−GPSと1,1−GPMとの割合が40重量%:60重量%〜99重量%:1重量%である。当該方法は、上記混合物と上記非結晶性糖アルコールの固形分の固形分総重量に対して2〜35重量%、好ましくは2.6〜25重量%、より好ましくは6〜20重量%の当該酸味料を、上記混合物と上記非結晶性糖アルコールとを含むソフトキャンディの生地に配合することを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のソフトキャンディは、酸味が強く且つ吸湿性の問題が解消されている。また、本発明のソフトキャンディはシュガーレスである。さらに、本発明のソフトキャンディは、強い酸味を有するにもかかわらず、すなわちソフトキャンディの原材料中に2重量%以上の酸味料を配合しているにもかかわらず、吸湿によるベタツキや溶け出しの問題は生じない。さらに、本発明のソフトキャンディでは、従来の高い酸味料含有を有するソフトキャンディにおいて必要であった糖衣或いは個包装が不要となり、酸味料含有量の高くない通常のソフトキャンディと同様の包装形態で市場に流通させることができる。さらに、本発明のソフトキャンディでは、包装の開封後であっても安定した状態が継続し、ソフトキャンディが溶け始めるという不具合が生じない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】12.2重量%のクエン酸を配合して製造されたソフトキャンディの重量増加率の結果を示すグラフである。
【図2】12.2重量%のクエン酸を配合して製造されたソフトキャンディの経時的な変化の観察結果を示す写真の写しである。
【図3】2重量%(A)、5重量%(B)又は1重量%(C)のクエン酸を配合して製造されたソフトキャンディの重量増加率の結果を示すグラフである。
【図4A】2重量%のクエン酸を配合して製造されたソフトキャンディの経時的な変化の観察結果を示す写真の写しである。
【図4B】5重量%のクエン酸を配合して製造されたソフトキャンディの経時的な変化の観察結果を示す写真の写しである。
【図4C】1重量%のクエン酸を配合して製造されたソフトキャンディの経時的な変化の観察結果を示す写真の写しである。
【図5】粉末還元パラチノースとフォンダンとを用いて製造されたソフトキャンディの重量増加率の結果を示すグラフである。
【図6】アスコルビン酸を含むソフトキャンディの重量増加率の結果を示すグラフである。
【図7】アスコルビン酸を含むソフトキャンディの経時的な変化の観察結果を示す写真の写しである。
【図8】5重量%又は10重量%のクエン酸及びパラチニットPNを配合するソフトキャンディの重量増加率の結果を示すグラフである。
【図9】5重量%又は10重量%のクエン酸及びパラチニットPNを配合するソフトキャンディの経時的な変化の観察結果を示す写真の写しである。
【図10】はじめに溶解するパラチニットGS配合量が還元水飴固形分に対してが30%又は25%のソフトキャンディの重量増加率の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のソフトキャンディは還元パラチノースを含む。還元パラチノースは結晶性糖アルコールである。結晶性糖アルコールとは、所定の温度で、水溶液中の所定割合の糖アルコールが結晶化する糖アルコールである。本発明において、還元パラチノースは、40重量%:60重量%〜99重量%:1重量%の割合の1,6−GPSと1,1−GPMとの混合物である。本発明において、還元パラチノースは、60重量%:40重量%〜99重量%:1重量%の割合の1,6−GPSと1,1−GPMとからなる1,6−GPS濃縮混合物(以下、「1,6−GPS濃縮混合物」という)でありうる。この1,6−GPS濃縮混合物として、例えばパラチニットGS(三井製糖株式会社)が挙げられる。パラチニットGSは、製品中の1,6−GPSが1,6−GPSと1,1−GPMの和に対して80±5重量%以上である1,6−GPS濃縮混合物である。また、本発明において、還元パラチノースは、40重量%:60重量%〜60重量%:40重量%の割合の1,6−GPSと1,1−GPMとからなる混合物(以下、「等モル混合物」という)でありうる。この等モル混合物として、例えばパラチニットPN(三井製糖株式会社)又は粉末パラチニットPNP(三井製糖株式会社)が挙げられる。
【0014】
本発明のソフトキャンディは、クエン酸、アスコルビン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される酸味料を含む。本発明のソフトキャンディは、クエン酸塩及び/又はアスコルビン酸塩を含んでもよい。
【0015】
アスコルビン酸とはビタミンCとも呼称され、新鮮な野菜、果物、緑茶等に含まれる爽快な酸味を有する水溶性物質である。天然に存在するのはL−アスコルビン酸である。
【0016】
本発明のソフトキャンディ中の酸味料又は還元パラチノースの含有量(重量%で表される)は、製造されたソフトキャンディ製品中に含まれるそれらの含有量である。当該含有量は、例えば、原材料の合計重量から水分の重量を差し引いた重量(乾燥重量)にソフトキャンディ中の水分量を加えたソフトキャンディ全体量に対する、酸味料又は還元パラチノースの重量として計算されうる。ソフトキャンディ中の水分量は、ソフトキャンディの硬さによっても異なるが、ソフトキャンディの全重量に対して例えば5.5〜6.0重量%でありうる。
【0017】
本発明のソフトキャンディは、当技術分野において既知のソフトキャンディの製造方法により製造されうる。好ましくは、本発明の下記製造方法により製造されうる。
【0018】
本発明の製造方法は、原材料中の還元パラチノース及び非結晶性糖アルコールの固形分総重量(以下、糖アルコール固形分総重量ともいう)に対して、2〜30重量%、好ましくは2〜25重量%、より好ましくは2.5〜20重量%の当該酸味料を還元パラチノースと上記非結晶性糖アルコールとを含む生地に配合することを含む。原材料中の還元パラチノースは、シーディング剤又はフォンダンとして添加される還元パラチノースも含む。
【0019】
非結晶性糖アルコールとは、水溶液の状態でいかなる濃度、温度域においても結晶化しない糖アルコールをいう。非結晶性の糖アルコールとしては、還元澱粉糖化物やその同義語である還元澱粉加水分解物として市販されている糖アルコールが挙げられる。これらには、還元麦芽糖水あめ、還元水飴、マルチトールシロップなどの品名で販売されているものも含まれるがこれらに限定されない。また、これらは単独で用いてもよく、または2つ以上の混合物を使用することもできる。
【0020】
非結晶性糖アルコールの固形分とは、非結晶性糖アルコールから当該非結晶性糖アルコールに含まれる水分を除いたものをいう。当該水分は、非結晶性糖アルコールの全重量に対して20〜40重量%、特には25〜35重量%、より特には30重量%である。当該水分の重量を、非結晶性糖アルコールの全重量から差し引いたものが、非結晶性糖アルコールの固形分の重量である。
【0021】
本発明の製造方法において、還元パラチノースは顆粒又は粉末の状態で添加されうる。当該還元パラチノースが水分(1,1−GPMの結晶水以外の水分)を含まない場合、還元パラチノースの固形分の重量とは、還元パラチノースの重量そのものである。本発明の製造方法において、還元パラチノースは、水などの媒体中に溶解したものとして添加されうる。この場合、還元パラチノースの固形分の重量とは、当該溶解物の重量から上記媒体の重量を差し引いたものである。また、還元パラチノースは、シーディング剤として、粉末又はフォンダントの形態で生地に添加されうる。
【0022】
本発明の製造方法において、生地とは、成形する前のソフトキャンディをいう。当該生地は、特には、主材料である還元パラチノース及び非結晶性糖アルコールに加水し、煮詰め、冷却したものに副材料を入れたものをいい、より特には、還元パラチノース及び非結晶性糖アルコールに加水して加温しながら110〜150℃まで煮詰め、その後100℃以下に冷却したものに適当な段階で油脂、フレーバー、シーディング剤等の副材料を入れたものであって、成形する前のものをいう。
【0023】
ソフトキャンディ中の酸味料の各量は、下記の様にして求められうる。
クエン酸の量は、HPLCによって分析することにより求められうる。HPLC用のカラムとして、イオン排除クロマトグラフィーの原理を使用した有機酸分析用のカラムが使用されうる。当該カラムの例として、Shim−pack SCR−102H(株式会社島津製作所)が挙げられる。検出は、UV検出器により行われる。
アスコルビン酸の量は、HPLCによって分析することにより求められうる。HPLC用のカラムとして、水溶性ビタミン分析用のカラムが使用されうる。当該カラムの例として、Silica−1100−N(株式会社センシュー科学)及びAsahipak NH2P−50 4E(昭和電工株式会社)が挙げられる。検出は、UV検出器により行われる。
上記方法を組み合わせることにより、クエン酸及びアスコルビン酸を含むソフトキャンディにおいて、それら酸味料の夫々の量を求めることができる。
【0024】
ソフトキャンディ中の1,6−GPS及び1,1−GPMの各量は、HPLCによって分析することにより求められうる。HPLC用のカラムとして、糖分析用カラムが使用されうる。当該カラムの例として、イオン交換型であるアミネックスHPX−87C及びHPX−87P(いずれもバイオ・ラッド ラボラトリーズ株式会社)を直列につないだものが挙げられる。検出は、RI検出器により行われうる。
【0025】
本発明の製造方法において用いられる酸味料、還元パラチノース及び非結晶性糖アルコールは、上記で言及されたものである。
【0026】
一つの好ましい実施態様において、本発明の製造方法ではまず、還元パラチノース及び非結晶性糖アルコールに加水して加温しながら110〜150℃まで煮詰める。その後、100℃以下まで冷却したら、乳化剤及びショートニングを加えてよく混合する。なお、ショートニングは煮詰める前若しくは間に、又は煮詰めた後の冷却の間に加えても良い。次に、ゼラチン溶液を加えてよく混合する。粉末還元パラチノース(粉末パラチニットGSP)、クエン酸又はアスコルビン酸、フレーバー、必要に応じて果汁パウダー、高甘味度甘味料、色素を生地に混合してハンドミキサーで十分に混合する。混合後、40℃程度の人肌に冷却し、そしてプーリングを行って結晶化を促進する。50℃で一晩エージング後、さらにプーリングして成型する。このようにして、本発明のソフトキャンディは得られる。当該ソフトキャンディは、袋、プラスチックボトル又は箱に直接収められ流通されることができる。当該ソフトキャンディは、持ち運びやすさの観点から、必要に応じて個包装されてもよい。
【0027】
上記粉末還元パラチノースはシーディング剤として用いられる。粉末還元パラチノースのかわりに、フォンダンを用いてもよい。当該フォンダンは、還元パラチノースを用いて作成されたものであることが好ましい。粉末還元パラチノース及びフォンダンの両方を用いてもよい。
【0028】
粉末還元パラチノースとして、例えば、粉末パラチニットGSP又は粉末パラチニットPNPを挙げることができる。
粉末還元パラチノースの代わりに、還元パラチノースの粉砕微粉末をシーディング剤として用いてもよい。当該粉砕微粉末の原料として使用される還元パラチノースは、例えばパラチニットPNタイプ又はパラチニットGSタイプを使用できる。
【0029】
上記ショートニングの代わりに、植物性油脂も用いられうる。植物性油脂としては、具体的には、菜種、大豆、ヒマワリ種子、綿実、落花生、米糠、米、コーン、サフラワー、オリーブ、ゴマ、ラッカセイ、ベニバナ、シソ、ヒマワリ、胡麻、アマ、カカオ、ヤシ、アブラヤシ、沙羅双樹、ブドウ種子、エゴマ、藻類、各種ナッツなどから採取した植物油脂、あるいは必要に応じて水素添加、分別、エステル交換などを施した加工油などが挙げられるがこれらに限定されない。また、これらは単独で用いてもよく、または2つ以上の混合物を使用することもできる。
【0030】
上記乳化剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、クエン酸あるいは乳酸等の有機酸モノグリセリド、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチンなどを挙げることができるがこれらに限定されない。また、これらは単独で用いてもよく、または2つ以上の混合物を使用することもできる。
【0031】
上記ゼラチン溶液、粉末還元パラチノース、クエン酸又はアスコルビン酸、フレーバー、果汁パウダー、高甘味度甘味料及び色素はほぼ同時に添加してもよく、あるいは、これらの添加順は適宜変更されてもよい。
【0032】
ゼラチンとして、豚由来、牛由来、魚由来などのタイプのゼラチンが用いられうる。フレーバー及び果汁パウダーは、ソフトキャンディの目的とする嗜好性に合わせて適宜選択されうる。高甘味度甘味料として、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム、ステビア甘味料又はそれらの混合物が用いられうる。色素は、ソフトキャンディの目的とする見栄えに合わせて適宜選択されうる。
【0033】
水は、ソフトキャンディ等の食品製造に使用可能なものであれば、いかなるものであってもよい。
【0034】
下記に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものでない。
【0035】
[実施例1]
原材料全体に対して12.2重量%のクエン酸を配合するシュガーレスソフトキャンディの製造及び経時安定性評価
【0036】
(シュガーレスソフトキャンディの製造)
シュガーレスソフトキャンディの原料配合を表1に示す。糖アルコール固形分総重量に対するクエン酸配合量は20.7重量%である。
パラチニットGS(三井製糖株式会社)、還元水飴(SE-30、物産フードサイエンス株式会社)及び水を混合し、約140℃まで煮詰めた。次に、煮詰めた混合物を100℃以下まで冷却し、その後乳化剤(P-1020V、第一工業製薬株式会社)、ショートニング(MO-70、太陽油脂株式会社)を加えてよく混合した。ここにゼラチン溶液を添加し、よく混合した。ゼラチン溶液は、ゼラチン(AHP-250、新田ゼラチン株式会社)をゼラチン溶解水に溶解したものである。粉末還元パラチノース(粉末パラチニットGSP、三井製糖株式会社)、クエン酸、フレーバー(グレープフレーバー A-8610/P、小林香料株式会社)、果汁パウダー(グレープジュースパウダー、小林香料株式会社)、アセスルファムカリウム(サネット、キリン協和フーズ株式会社)、色素(ガーデニアン・バイオレットG、三井製糖株式会社)を順に混合し、そして、ハンドミキサーで十分に混合した。当該混合物を40℃程度の人肌に冷却後、プーリングして結晶化を促進した。50℃で一晩エージングした後、さらにプーリングして成型し、ソフトキャンディを得た。
当該ソフトキャンディ中のクエン酸含有量は13.1重量%であった。当該ソフトキャンディ中の還元パラチノース含有量は37.7重量%であった。
【0037】
[比較例1]
実施例1の配合において、パラチニットGSの代わりに砂糖(三井製糖株式会社)を用い、及び粉末還元パラチノースの代わりに砂糖粉糖を用いて、ソフトキャンディを製造した。その配合を表1に示す。当該ソフトキャンディの製造方法は、実施例1と同じである。
[比較例2]
実施例1の配合において、パラチニットGSの代わりに還元麦芽糖(商品名レシス、LESYS、三菱商事フードテック株式会社)を用い、及び粉末還元パラチノースの代わりに還元麦芽糖(レシス)粉末を用いて、ソフトキャンディを製造した。その配合を表1に示す。当該ソフトキャンディの製造方法は、実施例1と同じである。
【0038】
【表1】
【0039】
(ソフトキャンディの経時安定性評価)
実施例1、比較例1及び比較例2のソフトキャンディの経時安定性を夫々評価した。当該評価は、ソフトキャンディを温度35℃及び湿度75%で7日間保存し、その重量増加率の測定及び経時的な変化の観察による。図1は、ソフトキャンディの重量増加率を示す。重量増加率は、ソフトキャンディの成型時の重量を基準とし且つ成型時を0時間とし、その後の各経過時間における重量の変化を百分率で表したものである。実施例1のソフトキャンディを同じ配合量で3回製造し、夫々について重量増加率を測定した。これらの測定結果は、図1において、夫々GS1、GS2及びGS3として示されている。150時間後におけるそれらの重量増加率は、夫々5.4%、5.2%及び4.8%であった。比較例1及び2のソフトキャンディの150時間後における重量増加率は、夫々26.9%及び10.7%であった。
【0040】
図2は、ソフトキャンディの経時的な変化の観察結果を示す。比較例1のソフトキャンディ(図2において「F(砂糖)」と示される)では6時間後にすでに溶出が観察された。7日間の保存後、比較例1のソフトキャンディは、ソフトキャンディとしての形を失い、液状になった。比較例2のソフトキャンディ(図2において「D(レシス)」と示される)においても6時間後に溶出が観察された。7日間の保存後、比較例2のソフトキャンディは液状になった。
一方、実施例1のソフトキャンディ(図2において「A(GS SE-30)」と示される)では6時間後並びに7日間後のいずれでも成型当初の形のままである。
【0041】
上記の結果から、クエン酸量を10%超の場合、パラチニットGSを用いたソフトキャンディは、砂糖又は還元麦芽糖を用いたソフトキャンディと夫々比較して経時的に安定である。
【0042】
[実施例2A〜2B]
(原材料全体に対し2重量%又は5重量%のクエン酸を配合するシュガーレスソフトキャンディ)
実施例2A及び実施例2Bは、実施例1のソフトキャンディの配合におけるクエン酸の量を夫々2%又は5%としたものである。ソフトキャンディの製造方法は、実施例1と同様である。その配合を表2及び表3に示す。糖アルコール固形分総重量に対するクエン酸配合量は、2%及び5%の場合について夫々2.7%及び6.8%である。
製造されたソフトキャンディ中のクエン酸含有量は2%及び5%の場合について夫々2.2%及び5.4%であった。製造されたソフトキャンディ中の還元パラチノース含有量は2%及び5%の場合について夫々53.3%及び51.3%であった。
【0043】
[比較例3A〜3B]
比較例3A及び比較例3Bは、比較例1のソフトキャンディの配合におけるクエン酸量を夫々2%及び5%としたものである。その配合を表2及び表3に示す。ソフトキャンディの製造方法は、実施例1と同様である。
【0044】
[比較例4A〜4B]
比較例4A及び比較例4Bは、比較例2のソフトキャンディの配合におけるクエン酸量を夫々2%及び5%としたものである。その配合を表2及び表3に示す。ソフトキャンディの製造方法は、実施例1と同様である。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
[参考例1〜3]
参考例1は、実施例1のソフトキャンディの配合におけるクエン酸の量を1%としたものである。参考例1のソフトキャンディは、クエン酸の量が1%であることから、通常の酸味度である。ソフトキャンディの製造方法は、実施例1と同様である。その配合を表4に示す。糖アルコール固形分総重量に対するクエン酸配合量は1.3%である。
製造されたソフトキャンディ中のクエン酸含有量は1.1%であった。製造されたソフトキャンディ中の還元パラチノース含有量は53.9%であった。
参考例2又は参考例3は、参考例1のパラチニットGSを砂糖又は還元麦芽糖とし且つパラチニットGSPを粉糖又は還元麦芽糖粉末としたものである。ソフトキャンディの製造方法は、参考例1と同様である。その配合を表4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】
(ソフトキャンディの経時安定性評価)
実施例2A及び2B、比較例2A及び2B、比較例3A及び3B、並びに参考例1〜3のソフトキャンディ夫々について、実施例1と同様に経時安定性評価を行った。
【0050】
図3は、ソフトキャンディの重量増加率の結果を示す。図3のうち、A、B及びCは夫々、クエン酸配合量が2%、5%及び1%のソフトキャンディの結果である。
クエン酸配合量が2%の場合
パラチニットGSのソフトキャンディ(実施例2A)の147時間後における重量増加率は4.3%であった。砂糖を用いたソフトキャンディ(比較例3A)及び還元麦芽糖を用いたソフトキャンディ(比較例4A)の147時間後における重量増加率は夫々8.3%及び14.0%であった。
クエン酸配合量が5%の場合
パラチニットGSのソフトキャンディ(実施例2B)の124時間後における重量増加率は4.5%であった。砂糖を用いたソフトキャンディ(比較例3B)及び還元麦芽糖を用いたソフトキャンディ(比較例4B)の124時間後における重量増加率は夫々14.4%及び13.7%であった。
A及びBのいずれにおいても、パラチニットGSを用いたソフトキャンディは比較例のソフトキャンディと比べて重量増加率が小さかった。
クエン酸配合量が1%の場合
パラチニットGSのソフトキャンディ(参考例1)の171時間後における重量増加率は3.9%であった。砂糖を用いたソフトキャンディ(参考例2)及び還元麦芽糖を用いたソフトキャンディ(参考例3)の171時間後における重量増加率は夫々7.2%及び13.4%であった。
【0051】
図4は、ソフトキャンディの経時的な変化の観察結果を示す。図4のうち、A、B及びCは、夫々クエン酸配合量が2%、5%及び1%のソフトキャンディの結果を示す。
クエン酸配合量が2%の場合
還元麦芽糖を用いたソフトキャンディは6時間で溶解し、14日目では形をとどめていなかった。砂糖を用いたソフトキャンディは14日目に輪郭が溶解し、その溶解の程度はクエン酸量が1%の場合よりも大きかった。それに対して、パラチニットGSを用いたソフトキャンディは、28日目でもなお成型時の形を維持した。なお、還元麦芽糖又は砂糖を用いたソフトキャンディは14日目で液体状になっていたために、これらのソフトキャンディについての28日目の写真を撮影していない。
クエン酸配合量が5%の場合
還元麦芽糖を用いたソフトキャンディは6時間後にほぼ形をとどめておらず液体状になった。砂糖を用いたソフトキャンディは7日ではほとんど形をとどめておらず液体状になっていた。それに対して、パラチニットを用いたソフトキャンディは、28日目でもなお成型時の形を維持した。なお、還元麦芽糖又は砂糖を用いたソフトキャンディは7日目で液体状になっていたために、これらのソフトキャンディについての28日目の写真を撮影していない。
クエン酸配合量が1%の場合
還元麦芽糖を用いたソフトキャンディは6時間で溶解した。砂糖を用いたソフトキャンディは28日目に輪郭が溶解した。それに対して、パラチニットGSを用いたソフトキャンディは、28日経過後でもなお成型時の形を維持した。
【0052】
上記の結果から、クエン酸量を2%、5%及び1%のいずれの場合であっても、砂糖又は還元麦芽糖を用いたソフトキャンディと比較して、パラチニットGSを用いたソフトキャンディは経時的に安定である。
【0053】
[実施例3]
原材料全体に対して10.3重量%のクエン酸を配合し且つ粉末還元パラチノース及びフォンダンを用いたシュガーレスソフトキャンディ
【0054】
(シュガーレスソフトキャンディの製造)
実施例1のソフトキャンディの配合におけるクエン酸の量を10.3%とし且つ粉末還元パラチノース及びパラチニットフォンダンを用いた以外は、実施例1と同様にしてソフトキャンディを製造した。その配合を表5に示す。糖アルコール固形分総重量に対するクエン酸配合量は21.3重量%である。
製造されたソフトキャンディ中のクエン酸含有量は10.9重量%であった。製造されたソフトキャンディ中の還元パラチノース含有量は41.8重量%であった。
【0055】
【表5】
【0056】
(ソフトキャンディの経時安定性評価)
製造したソフトキャンディについて、実施例1と同様に経時安定性評価を行った。
【0057】
図5は、ソフトキャンディの重量増加率の結果を示す。実施例3のソフトキャンディの150時間後における重量増加率は9.4%であった。
【0058】
[実施例4]
アスコルビン酸を配合するシュガーレスソフトキャンディ
【0059】
実施例1のソフトキャンディの配合におけるクエン酸をアスコルビン酸にした以外は、実施例1と同様にしてシュガーレスソフトキャンディを製造した。その配合を表6に示す。糖アルコール固形分総重量に対するアスコルビン酸配合量は、4.0%である。
製造されたソフトキャンディ中のアスコルビン酸含有量は3.3%であった。製造されたソフトキャンディ中の還元パラチノース含有量は52.6重量%であった。
【0060】
[比較例5]
比較例2のソフトキャンディの配合におけるクエン酸をアスコルビン酸にした以外は、比較例2と同様にしてソフトキャンディを製造した。その配合を表6に示す。
【0061】
【表6】
【0062】
(ソフトキャンディの経時安定性評価)
実施例4及び比較例5で夫々製造したソフトキャンディについて、実施例1と同様に経時安定性評価を行った。
【0063】
図6は、ソフトキャンディの重量増加率の結果を示す。実施例4のソフトキャンディの7日後における重量増加率は3.3%であった。
【0064】
図7は、ソフトキャンディの経時的な変化の観察結果を示す。実施例4のソフトキャンディ(図7において「GS アスコルビン酸」と示される)は、6日経過後でもなお成型時の形を維持した。比較例5のソフトキャンディ(図7において「レシス アスコルビン酸」と示される)は、6時間後に表面が液状になり、4日後には形をとどめておらず、液状であった。
【0065】
[実施例5]
パラチニットPNを配合するシュガーレスソフトキャンディ
【0066】
実施例5A及び実施例5Bは、実施例1のソフトキャンディの配合におけるパラチニットGSをパラチニットPNとし且つクエン酸の量を夫々5%又は10%としたものである。ソフトキャンディの製造方法は、実施例1と同様である。その配合を表7に示す。糖アルコール固形分総重量に対するクエン酸配合量は5%及び10%の場合について夫々、6.8%及び14.4%である。
製造されたソフトキャンディ中のクエン酸含有量は5%及び10%の場合について夫々、5.4%及び10.8%であった。製造されたソフトキャンディ中の還元パラチノース含有量は5%及び10%の場合について夫々51.3%及び48.2%であった。
【0067】
【表7】
【0068】
(ソフトキャンディの経時安定性評価)
実施例5A及び5Bのソフトキャンディ夫々について、実施例1と同様に経時安定性評価を行った。
【0069】
図8は、ソフトキャンディの重量増加率の結果を示す。図8において、実施例5A及び5Bの結果は夫々、「PN クエン酸10%」及び「PN クエン酸5%」として示される。実施例5A及び実施例5Bのソフトキャンディの5日後における重量増加率は夫々4.1%及び2.8%であった。
【0070】
図9は、ソフトキャンディの経時的な変化の観察結果を示す。図9において、実施例5A及び5Bの結果は夫々、「PN クエン酸10%」及び「PN クエン酸5%」として示される。実施例5A及び5Bのソフトキャンディは、3日経過後でもなお成型時の形を維持した。
【0071】
[実施例6]
パラチニットGSを含むシュガーレスソフトキャンディ
【0072】
実施例6A及び6Bは、実施例1のソフトキャンディの配合における、はじめに溶解するパラチニットGSの配合量を還元水飴固形分に対して夫々30%又は25%としたものである。ソフトキャンディの製造方法は、実施例1と同様である。その配合を表8に示す。糖アルコール固形分総重量に対するクエン酸配合量は、5%及び10%の場合について夫々6.8%及び6.8%である。
製造されたソフトキャンディ中のクエン酸含有量は、パラチニットGSの量が30%及び25%の場合について夫々、5.4%及び5.4%であった。製造されたソフトキャンディ中の還元パラチノース含有量は、パラチニットGSの量が30%及び25%の場合について夫々31.1%及び27.6%であった。
【0073】
【表8】
【0074】
(ソフトキャンディの経時安定性評価)
実施例6A及び6Bで夫々製造したソフトキャンディについて、実施例1と同様に経時安定性評価を行った。
【0075】
図10は、ソフトキャンディの重量増加率の結果を示す。実施例6A(GS30%)及び実施例6B(GS25%)のソフトキャンディの4日後における重量増加率は、夫々3.9%及び4.1%であった。
【技術分野】
【0001】
本発明は、シュガーレスソフトキャンディ、特には酸味の強いシュガーレスソフトキャンディに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、辛さやスッパさなどを強調したユニークな味の菓子類が流行している。その1つとして、酸味の強いソフトキャンディのニーズがある。また、特には虫歯や肥満を気にする人を対象として、シュガーレスソフトキャンディの市場も広がっている。ソフトキャンディの酸味を強くするためには、より多くの酸味料の配合が必要である。しかし、酸味料は一般的に吸湿性が高く、原材料に砂糖を使用した場合、吸湿により酸味料が水分に溶けてソフトキャンディのpHが低くなるために砂糖が分解する。生じた分解物であるグルコースや果糖は砂糖よりもさらに吸湿性が高いために、ソフトキャンディが保存中に変形したり液状になったりする。一方、原材料にシュガーレス素材として用いられる糖アルコールを使用した場合、吸湿により酸味料が水分に溶けたとしても糖アルコールは酸に安定であるため糖アルコール自体は分解しにくい。酸味料の多いシュガーレスソフトキャンディを製造するため、シュガーレス素材として最も一般的に使用される糖アルコールは還元麦芽糖(粉末又は結晶として販売されている)であり、特に還元麦芽糖の純度が98.5%以上のもの(例えばレシス(純度99%、三菱商事フードテック株式会社))が使用される。しかし、シュガーレス素材として最も多く使用されている還元麦芽糖(結晶マルチトール)を使用した場合、ソフトキャンディは吸湿し、砂糖を用いた場合よりも早く溶けてしまう。そのために、還元麦芽糖を主糖とするソフトキャンディの原材料中により多くの酸味料を配合すると、当該ソフトキャンディそのものにベタツキが生じ、その保型性が保たれない。よって、当該ソフトキャンディは、製造過程においてすでに損なわれているか、或いは流通過程においてその商品価値が損なわれる。この対策として、従来は、酸味の強いソフトキャンディを例えばアルミ包材の個包装にすることによって、或いは当該ソフトキャンディに糖衣を施すことによって吸湿を防ぐことが行われている。しかし、個包装にしたり或いは糖衣を施したりすることは、ソフトキャンディの製造原価を高めるという問題がある。さらに、個包装にしたとしても、外装開封後すぐにソフトキャンディが溶け始めるという問題がある。
【0003】
特許文献1は、酸味料を多量に配合しても保型性に富むソフトキャンディの製造方法を記載する(段落0001)。該製造方法は、トレハロースと水系食材・油系食材・食品添加物を配合し、水分5〜15%まで煮詰めてベース生地を得、これにトレハロースを主材として含むフォンダントを添加し、さらに酸味料を適量加えたことを特徴とする(段落0007)。実施例1〜3は、トレハロースと酸味料5.0重量部を含むソフトキャンディを記載する(表1)。
【0004】
特許文献2は、フォンダンを使用することなく、ソフトキャンディを製造する方法を記載する(段落0008)。当該方法は、シーディング剤として平均粒径が30μm以下の粉砕微粉末である、1,6−GPSと1,1−GPMとの混合物を添加することを含む(段落0009)。実施例1は、パラチニットGSとクエン酸とを含むソフトキャンディを記載する(表3)。パラチニットはズードツツカー アクチエンゲゼルシヤフト マンハイムの登録商標である。
【0005】
特許文献3は、糖アルコールを主体とするシュガーレスの処方で製造されるシュガーレスソフトキャンディを記載する(段落0001)。当該ソフトキャンディは、最終製品の組成として、非結晶性糖アルコールと結晶性糖アルコールとの混合物を主成分とし、固形物換算で0.001〜5.000重量%の酒石酸塩を含有する(段落0008)。比較品2では、キシリトールと、酒石酸塩の代わりにクエン酸を用いている。また、比較品3では、キシリトールと、酒石酸塩の代わりに酒石酸を用いている。比較品2及び3のソフトキャンディでは、成形性が悪く、噛んだ時に非常に歯つきが生じてしまい、ダレが生じ易く、柔らかさの水準もシュガーレスソフトキャンディとして許容される水準になかった(段落0087)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−262776号公報
【特許文献2】特開2009−171961号公報
【特許文献3】特開2006−158234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のソフトキャンディはトレハロースを主材とする。しかし、トレハロースは、糖アルコールではない。従って、特許文献1のソフトキャンディは、シュガーレスでない。
特許文献2の実施例1のソフトキャンディでは、そのクエン酸の量は、当該ソフトキャンディの原材料100重量部に対して、0.97重量部である。従って、特許文献2のソフトキャンディは、酸味が強くない。
特許文献3の比較品2のソフトキャンディでは、キシリトールとクエン酸の組み合わせにおいて、上記の通りその成形性が悪い。
本発明は、酸味が強く且つ吸湿性の問題が解消されたソフトキャンディを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、クエン酸、アスコルビン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される酸味料と、6−O−α−D−グルコピラノシル−D−ソルビトール(以下、「1,6−GPS」とする)及び1−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニトール(以下、「1,1−GPM」とする)の混合物とを含むソフトキャンディを提供する。当該混合物の1,6−GPSと1,1−GPMとの割合が40重量%:60重量%〜99重量%:1重量%である。当該ソフトキャンディは、ソフトキャンディの重量に対して、2〜23重量%、好ましくは2.2〜15重量%、より好ましくは5〜11重量%の当該酸味料及び25〜70重量%、好ましくは30〜65重量%、より好ましくは40〜60重量%の当該混合物を含むことを特徴とする。
なお、1,6−GPSと1,1−GPMとの混合物を還元パラチノース(一般名「イソマルト」、「還元イソマルチュロース」ともいう。以下、本明細書では還元パラチノースという)という。
【0009】
当該酸味料がクエン酸である場合、当該酸味料の含有量はソフトキャンディの重量に対して好ましくは2〜15重量%、より好ましくは2〜13重量%、さらに好ましくは5〜11重量%以下である。
当該酸味料がアスコルビン酸である場合、当該酸味料の含有量はソフトキャンディの重量に対して好ましくは3〜23重量%、より好ましくは3〜15重量%であり、さらに好ましくは3〜11重量%である。
当該酸味料がクエン酸及びアスコルビン酸の混合物である場合、アスコルビン酸の酸味度はクエン酸の約2/3であるため、アスコルビン酸の配合量に2/3を乗じた値とクエン酸の配合量との和が、ソフトキャンディの重量に対して2〜15重量%、好ましくは2〜13重量%、より好ましくは5〜11重量%であることが好ましい。
【0010】
本発明は、クエン酸、アスコルビン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される酸味料と、1,6−GPS及び1,1−GPMの混合物と、非結晶性糖アルコールとを含むソフトキャンディの製造方法を提供する。当該混合物の1,6−GPSと1,1−GPMとの割合が40重量%:60重量%〜99重量%:1重量%である。当該方法は、上記混合物と上記非結晶性糖アルコールの固形分の固形分総重量に対して2〜35重量%、好ましくは2.6〜25重量%、より好ましくは6〜20重量%の当該酸味料を、上記混合物と上記非結晶性糖アルコールとを含むソフトキャンディの生地に配合することを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のソフトキャンディは、酸味が強く且つ吸湿性の問題が解消されている。また、本発明のソフトキャンディはシュガーレスである。さらに、本発明のソフトキャンディは、強い酸味を有するにもかかわらず、すなわちソフトキャンディの原材料中に2重量%以上の酸味料を配合しているにもかかわらず、吸湿によるベタツキや溶け出しの問題は生じない。さらに、本発明のソフトキャンディでは、従来の高い酸味料含有を有するソフトキャンディにおいて必要であった糖衣或いは個包装が不要となり、酸味料含有量の高くない通常のソフトキャンディと同様の包装形態で市場に流通させることができる。さらに、本発明のソフトキャンディでは、包装の開封後であっても安定した状態が継続し、ソフトキャンディが溶け始めるという不具合が生じない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】12.2重量%のクエン酸を配合して製造されたソフトキャンディの重量増加率の結果を示すグラフである。
【図2】12.2重量%のクエン酸を配合して製造されたソフトキャンディの経時的な変化の観察結果を示す写真の写しである。
【図3】2重量%(A)、5重量%(B)又は1重量%(C)のクエン酸を配合して製造されたソフトキャンディの重量増加率の結果を示すグラフである。
【図4A】2重量%のクエン酸を配合して製造されたソフトキャンディの経時的な変化の観察結果を示す写真の写しである。
【図4B】5重量%のクエン酸を配合して製造されたソフトキャンディの経時的な変化の観察結果を示す写真の写しである。
【図4C】1重量%のクエン酸を配合して製造されたソフトキャンディの経時的な変化の観察結果を示す写真の写しである。
【図5】粉末還元パラチノースとフォンダンとを用いて製造されたソフトキャンディの重量増加率の結果を示すグラフである。
【図6】アスコルビン酸を含むソフトキャンディの重量増加率の結果を示すグラフである。
【図7】アスコルビン酸を含むソフトキャンディの経時的な変化の観察結果を示す写真の写しである。
【図8】5重量%又は10重量%のクエン酸及びパラチニットPNを配合するソフトキャンディの重量増加率の結果を示すグラフである。
【図9】5重量%又は10重量%のクエン酸及びパラチニットPNを配合するソフトキャンディの経時的な変化の観察結果を示す写真の写しである。
【図10】はじめに溶解するパラチニットGS配合量が還元水飴固形分に対してが30%又は25%のソフトキャンディの重量増加率の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のソフトキャンディは還元パラチノースを含む。還元パラチノースは結晶性糖アルコールである。結晶性糖アルコールとは、所定の温度で、水溶液中の所定割合の糖アルコールが結晶化する糖アルコールである。本発明において、還元パラチノースは、40重量%:60重量%〜99重量%:1重量%の割合の1,6−GPSと1,1−GPMとの混合物である。本発明において、還元パラチノースは、60重量%:40重量%〜99重量%:1重量%の割合の1,6−GPSと1,1−GPMとからなる1,6−GPS濃縮混合物(以下、「1,6−GPS濃縮混合物」という)でありうる。この1,6−GPS濃縮混合物として、例えばパラチニットGS(三井製糖株式会社)が挙げられる。パラチニットGSは、製品中の1,6−GPSが1,6−GPSと1,1−GPMの和に対して80±5重量%以上である1,6−GPS濃縮混合物である。また、本発明において、還元パラチノースは、40重量%:60重量%〜60重量%:40重量%の割合の1,6−GPSと1,1−GPMとからなる混合物(以下、「等モル混合物」という)でありうる。この等モル混合物として、例えばパラチニットPN(三井製糖株式会社)又は粉末パラチニットPNP(三井製糖株式会社)が挙げられる。
【0014】
本発明のソフトキャンディは、クエン酸、アスコルビン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される酸味料を含む。本発明のソフトキャンディは、クエン酸塩及び/又はアスコルビン酸塩を含んでもよい。
【0015】
アスコルビン酸とはビタミンCとも呼称され、新鮮な野菜、果物、緑茶等に含まれる爽快な酸味を有する水溶性物質である。天然に存在するのはL−アスコルビン酸である。
【0016】
本発明のソフトキャンディ中の酸味料又は還元パラチノースの含有量(重量%で表される)は、製造されたソフトキャンディ製品中に含まれるそれらの含有量である。当該含有量は、例えば、原材料の合計重量から水分の重量を差し引いた重量(乾燥重量)にソフトキャンディ中の水分量を加えたソフトキャンディ全体量に対する、酸味料又は還元パラチノースの重量として計算されうる。ソフトキャンディ中の水分量は、ソフトキャンディの硬さによっても異なるが、ソフトキャンディの全重量に対して例えば5.5〜6.0重量%でありうる。
【0017】
本発明のソフトキャンディは、当技術分野において既知のソフトキャンディの製造方法により製造されうる。好ましくは、本発明の下記製造方法により製造されうる。
【0018】
本発明の製造方法は、原材料中の還元パラチノース及び非結晶性糖アルコールの固形分総重量(以下、糖アルコール固形分総重量ともいう)に対して、2〜30重量%、好ましくは2〜25重量%、より好ましくは2.5〜20重量%の当該酸味料を還元パラチノースと上記非結晶性糖アルコールとを含む生地に配合することを含む。原材料中の還元パラチノースは、シーディング剤又はフォンダンとして添加される還元パラチノースも含む。
【0019】
非結晶性糖アルコールとは、水溶液の状態でいかなる濃度、温度域においても結晶化しない糖アルコールをいう。非結晶性の糖アルコールとしては、還元澱粉糖化物やその同義語である還元澱粉加水分解物として市販されている糖アルコールが挙げられる。これらには、還元麦芽糖水あめ、還元水飴、マルチトールシロップなどの品名で販売されているものも含まれるがこれらに限定されない。また、これらは単独で用いてもよく、または2つ以上の混合物を使用することもできる。
【0020】
非結晶性糖アルコールの固形分とは、非結晶性糖アルコールから当該非結晶性糖アルコールに含まれる水分を除いたものをいう。当該水分は、非結晶性糖アルコールの全重量に対して20〜40重量%、特には25〜35重量%、より特には30重量%である。当該水分の重量を、非結晶性糖アルコールの全重量から差し引いたものが、非結晶性糖アルコールの固形分の重量である。
【0021】
本発明の製造方法において、還元パラチノースは顆粒又は粉末の状態で添加されうる。当該還元パラチノースが水分(1,1−GPMの結晶水以外の水分)を含まない場合、還元パラチノースの固形分の重量とは、還元パラチノースの重量そのものである。本発明の製造方法において、還元パラチノースは、水などの媒体中に溶解したものとして添加されうる。この場合、還元パラチノースの固形分の重量とは、当該溶解物の重量から上記媒体の重量を差し引いたものである。また、還元パラチノースは、シーディング剤として、粉末又はフォンダントの形態で生地に添加されうる。
【0022】
本発明の製造方法において、生地とは、成形する前のソフトキャンディをいう。当該生地は、特には、主材料である還元パラチノース及び非結晶性糖アルコールに加水し、煮詰め、冷却したものに副材料を入れたものをいい、より特には、還元パラチノース及び非結晶性糖アルコールに加水して加温しながら110〜150℃まで煮詰め、その後100℃以下に冷却したものに適当な段階で油脂、フレーバー、シーディング剤等の副材料を入れたものであって、成形する前のものをいう。
【0023】
ソフトキャンディ中の酸味料の各量は、下記の様にして求められうる。
クエン酸の量は、HPLCによって分析することにより求められうる。HPLC用のカラムとして、イオン排除クロマトグラフィーの原理を使用した有機酸分析用のカラムが使用されうる。当該カラムの例として、Shim−pack SCR−102H(株式会社島津製作所)が挙げられる。検出は、UV検出器により行われる。
アスコルビン酸の量は、HPLCによって分析することにより求められうる。HPLC用のカラムとして、水溶性ビタミン分析用のカラムが使用されうる。当該カラムの例として、Silica−1100−N(株式会社センシュー科学)及びAsahipak NH2P−50 4E(昭和電工株式会社)が挙げられる。検出は、UV検出器により行われる。
上記方法を組み合わせることにより、クエン酸及びアスコルビン酸を含むソフトキャンディにおいて、それら酸味料の夫々の量を求めることができる。
【0024】
ソフトキャンディ中の1,6−GPS及び1,1−GPMの各量は、HPLCによって分析することにより求められうる。HPLC用のカラムとして、糖分析用カラムが使用されうる。当該カラムの例として、イオン交換型であるアミネックスHPX−87C及びHPX−87P(いずれもバイオ・ラッド ラボラトリーズ株式会社)を直列につないだものが挙げられる。検出は、RI検出器により行われうる。
【0025】
本発明の製造方法において用いられる酸味料、還元パラチノース及び非結晶性糖アルコールは、上記で言及されたものである。
【0026】
一つの好ましい実施態様において、本発明の製造方法ではまず、還元パラチノース及び非結晶性糖アルコールに加水して加温しながら110〜150℃まで煮詰める。その後、100℃以下まで冷却したら、乳化剤及びショートニングを加えてよく混合する。なお、ショートニングは煮詰める前若しくは間に、又は煮詰めた後の冷却の間に加えても良い。次に、ゼラチン溶液を加えてよく混合する。粉末還元パラチノース(粉末パラチニットGSP)、クエン酸又はアスコルビン酸、フレーバー、必要に応じて果汁パウダー、高甘味度甘味料、色素を生地に混合してハンドミキサーで十分に混合する。混合後、40℃程度の人肌に冷却し、そしてプーリングを行って結晶化を促進する。50℃で一晩エージング後、さらにプーリングして成型する。このようにして、本発明のソフトキャンディは得られる。当該ソフトキャンディは、袋、プラスチックボトル又は箱に直接収められ流通されることができる。当該ソフトキャンディは、持ち運びやすさの観点から、必要に応じて個包装されてもよい。
【0027】
上記粉末還元パラチノースはシーディング剤として用いられる。粉末還元パラチノースのかわりに、フォンダンを用いてもよい。当該フォンダンは、還元パラチノースを用いて作成されたものであることが好ましい。粉末還元パラチノース及びフォンダンの両方を用いてもよい。
【0028】
粉末還元パラチノースとして、例えば、粉末パラチニットGSP又は粉末パラチニットPNPを挙げることができる。
粉末還元パラチノースの代わりに、還元パラチノースの粉砕微粉末をシーディング剤として用いてもよい。当該粉砕微粉末の原料として使用される還元パラチノースは、例えばパラチニットPNタイプ又はパラチニットGSタイプを使用できる。
【0029】
上記ショートニングの代わりに、植物性油脂も用いられうる。植物性油脂としては、具体的には、菜種、大豆、ヒマワリ種子、綿実、落花生、米糠、米、コーン、サフラワー、オリーブ、ゴマ、ラッカセイ、ベニバナ、シソ、ヒマワリ、胡麻、アマ、カカオ、ヤシ、アブラヤシ、沙羅双樹、ブドウ種子、エゴマ、藻類、各種ナッツなどから採取した植物油脂、あるいは必要に応じて水素添加、分別、エステル交換などを施した加工油などが挙げられるがこれらに限定されない。また、これらは単独で用いてもよく、または2つ以上の混合物を使用することもできる。
【0030】
上記乳化剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、クエン酸あるいは乳酸等の有機酸モノグリセリド、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチンなどを挙げることができるがこれらに限定されない。また、これらは単独で用いてもよく、または2つ以上の混合物を使用することもできる。
【0031】
上記ゼラチン溶液、粉末還元パラチノース、クエン酸又はアスコルビン酸、フレーバー、果汁パウダー、高甘味度甘味料及び色素はほぼ同時に添加してもよく、あるいは、これらの添加順は適宜変更されてもよい。
【0032】
ゼラチンとして、豚由来、牛由来、魚由来などのタイプのゼラチンが用いられうる。フレーバー及び果汁パウダーは、ソフトキャンディの目的とする嗜好性に合わせて適宜選択されうる。高甘味度甘味料として、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム、ステビア甘味料又はそれらの混合物が用いられうる。色素は、ソフトキャンディの目的とする見栄えに合わせて適宜選択されうる。
【0033】
水は、ソフトキャンディ等の食品製造に使用可能なものであれば、いかなるものであってもよい。
【0034】
下記に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものでない。
【0035】
[実施例1]
原材料全体に対して12.2重量%のクエン酸を配合するシュガーレスソフトキャンディの製造及び経時安定性評価
【0036】
(シュガーレスソフトキャンディの製造)
シュガーレスソフトキャンディの原料配合を表1に示す。糖アルコール固形分総重量に対するクエン酸配合量は20.7重量%である。
パラチニットGS(三井製糖株式会社)、還元水飴(SE-30、物産フードサイエンス株式会社)及び水を混合し、約140℃まで煮詰めた。次に、煮詰めた混合物を100℃以下まで冷却し、その後乳化剤(P-1020V、第一工業製薬株式会社)、ショートニング(MO-70、太陽油脂株式会社)を加えてよく混合した。ここにゼラチン溶液を添加し、よく混合した。ゼラチン溶液は、ゼラチン(AHP-250、新田ゼラチン株式会社)をゼラチン溶解水に溶解したものである。粉末還元パラチノース(粉末パラチニットGSP、三井製糖株式会社)、クエン酸、フレーバー(グレープフレーバー A-8610/P、小林香料株式会社)、果汁パウダー(グレープジュースパウダー、小林香料株式会社)、アセスルファムカリウム(サネット、キリン協和フーズ株式会社)、色素(ガーデニアン・バイオレットG、三井製糖株式会社)を順に混合し、そして、ハンドミキサーで十分に混合した。当該混合物を40℃程度の人肌に冷却後、プーリングして結晶化を促進した。50℃で一晩エージングした後、さらにプーリングして成型し、ソフトキャンディを得た。
当該ソフトキャンディ中のクエン酸含有量は13.1重量%であった。当該ソフトキャンディ中の還元パラチノース含有量は37.7重量%であった。
【0037】
[比較例1]
実施例1の配合において、パラチニットGSの代わりに砂糖(三井製糖株式会社)を用い、及び粉末還元パラチノースの代わりに砂糖粉糖を用いて、ソフトキャンディを製造した。その配合を表1に示す。当該ソフトキャンディの製造方法は、実施例1と同じである。
[比較例2]
実施例1の配合において、パラチニットGSの代わりに還元麦芽糖(商品名レシス、LESYS、三菱商事フードテック株式会社)を用い、及び粉末還元パラチノースの代わりに還元麦芽糖(レシス)粉末を用いて、ソフトキャンディを製造した。その配合を表1に示す。当該ソフトキャンディの製造方法は、実施例1と同じである。
【0038】
【表1】
【0039】
(ソフトキャンディの経時安定性評価)
実施例1、比較例1及び比較例2のソフトキャンディの経時安定性を夫々評価した。当該評価は、ソフトキャンディを温度35℃及び湿度75%で7日間保存し、その重量増加率の測定及び経時的な変化の観察による。図1は、ソフトキャンディの重量増加率を示す。重量増加率は、ソフトキャンディの成型時の重量を基準とし且つ成型時を0時間とし、その後の各経過時間における重量の変化を百分率で表したものである。実施例1のソフトキャンディを同じ配合量で3回製造し、夫々について重量増加率を測定した。これらの測定結果は、図1において、夫々GS1、GS2及びGS3として示されている。150時間後におけるそれらの重量増加率は、夫々5.4%、5.2%及び4.8%であった。比較例1及び2のソフトキャンディの150時間後における重量増加率は、夫々26.9%及び10.7%であった。
【0040】
図2は、ソフトキャンディの経時的な変化の観察結果を示す。比較例1のソフトキャンディ(図2において「F(砂糖)」と示される)では6時間後にすでに溶出が観察された。7日間の保存後、比較例1のソフトキャンディは、ソフトキャンディとしての形を失い、液状になった。比較例2のソフトキャンディ(図2において「D(レシス)」と示される)においても6時間後に溶出が観察された。7日間の保存後、比較例2のソフトキャンディは液状になった。
一方、実施例1のソフトキャンディ(図2において「A(GS SE-30)」と示される)では6時間後並びに7日間後のいずれでも成型当初の形のままである。
【0041】
上記の結果から、クエン酸量を10%超の場合、パラチニットGSを用いたソフトキャンディは、砂糖又は還元麦芽糖を用いたソフトキャンディと夫々比較して経時的に安定である。
【0042】
[実施例2A〜2B]
(原材料全体に対し2重量%又は5重量%のクエン酸を配合するシュガーレスソフトキャンディ)
実施例2A及び実施例2Bは、実施例1のソフトキャンディの配合におけるクエン酸の量を夫々2%又は5%としたものである。ソフトキャンディの製造方法は、実施例1と同様である。その配合を表2及び表3に示す。糖アルコール固形分総重量に対するクエン酸配合量は、2%及び5%の場合について夫々2.7%及び6.8%である。
製造されたソフトキャンディ中のクエン酸含有量は2%及び5%の場合について夫々2.2%及び5.4%であった。製造されたソフトキャンディ中の還元パラチノース含有量は2%及び5%の場合について夫々53.3%及び51.3%であった。
【0043】
[比較例3A〜3B]
比較例3A及び比較例3Bは、比較例1のソフトキャンディの配合におけるクエン酸量を夫々2%及び5%としたものである。その配合を表2及び表3に示す。ソフトキャンディの製造方法は、実施例1と同様である。
【0044】
[比較例4A〜4B]
比較例4A及び比較例4Bは、比較例2のソフトキャンディの配合におけるクエン酸量を夫々2%及び5%としたものである。その配合を表2及び表3に示す。ソフトキャンディの製造方法は、実施例1と同様である。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
[参考例1〜3]
参考例1は、実施例1のソフトキャンディの配合におけるクエン酸の量を1%としたものである。参考例1のソフトキャンディは、クエン酸の量が1%であることから、通常の酸味度である。ソフトキャンディの製造方法は、実施例1と同様である。その配合を表4に示す。糖アルコール固形分総重量に対するクエン酸配合量は1.3%である。
製造されたソフトキャンディ中のクエン酸含有量は1.1%であった。製造されたソフトキャンディ中の還元パラチノース含有量は53.9%であった。
参考例2又は参考例3は、参考例1のパラチニットGSを砂糖又は還元麦芽糖とし且つパラチニットGSPを粉糖又は還元麦芽糖粉末としたものである。ソフトキャンディの製造方法は、参考例1と同様である。その配合を表4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】
(ソフトキャンディの経時安定性評価)
実施例2A及び2B、比較例2A及び2B、比較例3A及び3B、並びに参考例1〜3のソフトキャンディ夫々について、実施例1と同様に経時安定性評価を行った。
【0050】
図3は、ソフトキャンディの重量増加率の結果を示す。図3のうち、A、B及びCは夫々、クエン酸配合量が2%、5%及び1%のソフトキャンディの結果である。
クエン酸配合量が2%の場合
パラチニットGSのソフトキャンディ(実施例2A)の147時間後における重量増加率は4.3%であった。砂糖を用いたソフトキャンディ(比較例3A)及び還元麦芽糖を用いたソフトキャンディ(比較例4A)の147時間後における重量増加率は夫々8.3%及び14.0%であった。
クエン酸配合量が5%の場合
パラチニットGSのソフトキャンディ(実施例2B)の124時間後における重量増加率は4.5%であった。砂糖を用いたソフトキャンディ(比較例3B)及び還元麦芽糖を用いたソフトキャンディ(比較例4B)の124時間後における重量増加率は夫々14.4%及び13.7%であった。
A及びBのいずれにおいても、パラチニットGSを用いたソフトキャンディは比較例のソフトキャンディと比べて重量増加率が小さかった。
クエン酸配合量が1%の場合
パラチニットGSのソフトキャンディ(参考例1)の171時間後における重量増加率は3.9%であった。砂糖を用いたソフトキャンディ(参考例2)及び還元麦芽糖を用いたソフトキャンディ(参考例3)の171時間後における重量増加率は夫々7.2%及び13.4%であった。
【0051】
図4は、ソフトキャンディの経時的な変化の観察結果を示す。図4のうち、A、B及びCは、夫々クエン酸配合量が2%、5%及び1%のソフトキャンディの結果を示す。
クエン酸配合量が2%の場合
還元麦芽糖を用いたソフトキャンディは6時間で溶解し、14日目では形をとどめていなかった。砂糖を用いたソフトキャンディは14日目に輪郭が溶解し、その溶解の程度はクエン酸量が1%の場合よりも大きかった。それに対して、パラチニットGSを用いたソフトキャンディは、28日目でもなお成型時の形を維持した。なお、還元麦芽糖又は砂糖を用いたソフトキャンディは14日目で液体状になっていたために、これらのソフトキャンディについての28日目の写真を撮影していない。
クエン酸配合量が5%の場合
還元麦芽糖を用いたソフトキャンディは6時間後にほぼ形をとどめておらず液体状になった。砂糖を用いたソフトキャンディは7日ではほとんど形をとどめておらず液体状になっていた。それに対して、パラチニットを用いたソフトキャンディは、28日目でもなお成型時の形を維持した。なお、還元麦芽糖又は砂糖を用いたソフトキャンディは7日目で液体状になっていたために、これらのソフトキャンディについての28日目の写真を撮影していない。
クエン酸配合量が1%の場合
還元麦芽糖を用いたソフトキャンディは6時間で溶解した。砂糖を用いたソフトキャンディは28日目に輪郭が溶解した。それに対して、パラチニットGSを用いたソフトキャンディは、28日経過後でもなお成型時の形を維持した。
【0052】
上記の結果から、クエン酸量を2%、5%及び1%のいずれの場合であっても、砂糖又は還元麦芽糖を用いたソフトキャンディと比較して、パラチニットGSを用いたソフトキャンディは経時的に安定である。
【0053】
[実施例3]
原材料全体に対して10.3重量%のクエン酸を配合し且つ粉末還元パラチノース及びフォンダンを用いたシュガーレスソフトキャンディ
【0054】
(シュガーレスソフトキャンディの製造)
実施例1のソフトキャンディの配合におけるクエン酸の量を10.3%とし且つ粉末還元パラチノース及びパラチニットフォンダンを用いた以外は、実施例1と同様にしてソフトキャンディを製造した。その配合を表5に示す。糖アルコール固形分総重量に対するクエン酸配合量は21.3重量%である。
製造されたソフトキャンディ中のクエン酸含有量は10.9重量%であった。製造されたソフトキャンディ中の還元パラチノース含有量は41.8重量%であった。
【0055】
【表5】
【0056】
(ソフトキャンディの経時安定性評価)
製造したソフトキャンディについて、実施例1と同様に経時安定性評価を行った。
【0057】
図5は、ソフトキャンディの重量増加率の結果を示す。実施例3のソフトキャンディの150時間後における重量増加率は9.4%であった。
【0058】
[実施例4]
アスコルビン酸を配合するシュガーレスソフトキャンディ
【0059】
実施例1のソフトキャンディの配合におけるクエン酸をアスコルビン酸にした以外は、実施例1と同様にしてシュガーレスソフトキャンディを製造した。その配合を表6に示す。糖アルコール固形分総重量に対するアスコルビン酸配合量は、4.0%である。
製造されたソフトキャンディ中のアスコルビン酸含有量は3.3%であった。製造されたソフトキャンディ中の還元パラチノース含有量は52.6重量%であった。
【0060】
[比較例5]
比較例2のソフトキャンディの配合におけるクエン酸をアスコルビン酸にした以外は、比較例2と同様にしてソフトキャンディを製造した。その配合を表6に示す。
【0061】
【表6】
【0062】
(ソフトキャンディの経時安定性評価)
実施例4及び比較例5で夫々製造したソフトキャンディについて、実施例1と同様に経時安定性評価を行った。
【0063】
図6は、ソフトキャンディの重量増加率の結果を示す。実施例4のソフトキャンディの7日後における重量増加率は3.3%であった。
【0064】
図7は、ソフトキャンディの経時的な変化の観察結果を示す。実施例4のソフトキャンディ(図7において「GS アスコルビン酸」と示される)は、6日経過後でもなお成型時の形を維持した。比較例5のソフトキャンディ(図7において「レシス アスコルビン酸」と示される)は、6時間後に表面が液状になり、4日後には形をとどめておらず、液状であった。
【0065】
[実施例5]
パラチニットPNを配合するシュガーレスソフトキャンディ
【0066】
実施例5A及び実施例5Bは、実施例1のソフトキャンディの配合におけるパラチニットGSをパラチニットPNとし且つクエン酸の量を夫々5%又は10%としたものである。ソフトキャンディの製造方法は、実施例1と同様である。その配合を表7に示す。糖アルコール固形分総重量に対するクエン酸配合量は5%及び10%の場合について夫々、6.8%及び14.4%である。
製造されたソフトキャンディ中のクエン酸含有量は5%及び10%の場合について夫々、5.4%及び10.8%であった。製造されたソフトキャンディ中の還元パラチノース含有量は5%及び10%の場合について夫々51.3%及び48.2%であった。
【0067】
【表7】
【0068】
(ソフトキャンディの経時安定性評価)
実施例5A及び5Bのソフトキャンディ夫々について、実施例1と同様に経時安定性評価を行った。
【0069】
図8は、ソフトキャンディの重量増加率の結果を示す。図8において、実施例5A及び5Bの結果は夫々、「PN クエン酸10%」及び「PN クエン酸5%」として示される。実施例5A及び実施例5Bのソフトキャンディの5日後における重量増加率は夫々4.1%及び2.8%であった。
【0070】
図9は、ソフトキャンディの経時的な変化の観察結果を示す。図9において、実施例5A及び5Bの結果は夫々、「PN クエン酸10%」及び「PN クエン酸5%」として示される。実施例5A及び5Bのソフトキャンディは、3日経過後でもなお成型時の形を維持した。
【0071】
[実施例6]
パラチニットGSを含むシュガーレスソフトキャンディ
【0072】
実施例6A及び6Bは、実施例1のソフトキャンディの配合における、はじめに溶解するパラチニットGSの配合量を還元水飴固形分に対して夫々30%又は25%としたものである。ソフトキャンディの製造方法は、実施例1と同様である。その配合を表8に示す。糖アルコール固形分総重量に対するクエン酸配合量は、5%及び10%の場合について夫々6.8%及び6.8%である。
製造されたソフトキャンディ中のクエン酸含有量は、パラチニットGSの量が30%及び25%の場合について夫々、5.4%及び5.4%であった。製造されたソフトキャンディ中の還元パラチノース含有量は、パラチニットGSの量が30%及び25%の場合について夫々31.1%及び27.6%であった。
【0073】
【表8】
【0074】
(ソフトキャンディの経時安定性評価)
実施例6A及び6Bで夫々製造したソフトキャンディについて、実施例1と同様に経時安定性評価を行った。
【0075】
図10は、ソフトキャンディの重量増加率の結果を示す。実施例6A(GS30%)及び実施例6B(GS25%)のソフトキャンディの4日後における重量増加率は、夫々3.9%及び4.1%であった。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クエン酸、アスコルビン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される酸味料と、
6−O−α−D−グルコピラノシル−D−ソルビトール(以下、「1,6−GPS」とする)及び1−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニトール(以下、「1,1−GPM」とする)の混合物と、ここで、当該混合物の1,6−GPSと1,1−GPMとの割合が40重量%:60重量%〜99重量%:1重量%である、
を含むソフトキャンディであって、
ソフトキャンディの重量に対して、2〜23重量%の当該酸味料及び25〜70重量%の当該混合物を含む上記ソフトキャンディ。
【請求項2】
当該酸味料を2.2〜15重量%含む、請求項1に記載のソフトキャンディ。
【請求項3】
当該混合物を30〜65重量%含む、請求項1又は2に記載のソフトキャンディ。
【請求項4】
当該酸味料がクエン酸である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のソフトキャンディ。
【請求項5】
当該酸味料がアスコルビン酸である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のソフトキャンディ。
【請求項6】
クエン酸、アスコルビン酸、それらの塩及びそれらの混合物からなる群から選択される酸味料と、
6−O−α−D−グルコピラノシル−D−ソルビトール(以下、「1,6−GPS」とする)及び1−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニトール(以下、「1,1−GPM」とする)の混合物と、ここで、当該混合物の1,6−GPSと1,1−GPMとの割合が40重量%:60重量%〜99重量%:1重量%である、
非結晶性糖アルコールと
を含むソフトキャンディの製造方法であって、
上記混合物及び上記非結晶性糖アルコールの固形分総重量に対して2〜35重量%の当該酸味料を、上記混合物と上記非結晶性糖アルコールとを含むソフトキャンディの生地に配合することを含む上記製造方法。
【請求項7】
当該固形分総重量に対して2.6〜25重量%の当該酸味料を配合することを含む、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
当該酸味料がクエン酸である、請求項6又は7に記載の製造方法。
【請求項9】
当該酸味料がアスコルビン酸である、請求項6又は7に記載の製造方法。
【請求項1】
クエン酸、アスコルビン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される酸味料と、
6−O−α−D−グルコピラノシル−D−ソルビトール(以下、「1,6−GPS」とする)及び1−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニトール(以下、「1,1−GPM」とする)の混合物と、ここで、当該混合物の1,6−GPSと1,1−GPMとの割合が40重量%:60重量%〜99重量%:1重量%である、
を含むソフトキャンディであって、
ソフトキャンディの重量に対して、2〜23重量%の当該酸味料及び25〜70重量%の当該混合物を含む上記ソフトキャンディ。
【請求項2】
当該酸味料を2.2〜15重量%含む、請求項1に記載のソフトキャンディ。
【請求項3】
当該混合物を30〜65重量%含む、請求項1又は2に記載のソフトキャンディ。
【請求項4】
当該酸味料がクエン酸である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のソフトキャンディ。
【請求項5】
当該酸味料がアスコルビン酸である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のソフトキャンディ。
【請求項6】
クエン酸、アスコルビン酸、それらの塩及びそれらの混合物からなる群から選択される酸味料と、
6−O−α−D−グルコピラノシル−D−ソルビトール(以下、「1,6−GPS」とする)及び1−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニトール(以下、「1,1−GPM」とする)の混合物と、ここで、当該混合物の1,6−GPSと1,1−GPMとの割合が40重量%:60重量%〜99重量%:1重量%である、
非結晶性糖アルコールと
を含むソフトキャンディの製造方法であって、
上記混合物及び上記非結晶性糖アルコールの固形分総重量に対して2〜35重量%の当該酸味料を、上記混合物と上記非結晶性糖アルコールとを含むソフトキャンディの生地に配合することを含む上記製造方法。
【請求項7】
当該固形分総重量に対して2.6〜25重量%の当該酸味料を配合することを含む、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
当該酸味料がクエン酸である、請求項6又は7に記載の製造方法。
【請求項9】
当該酸味料がアスコルビン酸である、請求項6又は7に記載の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−72295(P2011−72295A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230375(P2009−230375)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(501190941)三井製糖株式会社 (52)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(501190941)三井製糖株式会社 (52)
【Fターム(参考)】
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