説明

シュリンクフィルム検査装置及びシュリンクフィルム検査方法

【課題】シュリンクフィルムの収縮不良を検出することのできるシュリンクフィルム検査装置を提供する。
【解決手段】容器4に装着されたシュリンクフィルム3を検査するシュリンクフィルム検査装置1において、容器4に装着されたシュリンクフィルム3の画像を取得するカメラ26と、取得した画像の所定領域内でのエッジを検出し、検出結果に基づいてシュリンクフィルム3の装着不良を判定する画像センサ33と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シュリンクフィルムの装着不良を検査するシュリンクフィルム装置及びシュリンクフィルム検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料、食品、調味料、医薬品、化粧品又は日用品等の容器(壜、ボトル缶、合成樹脂ボトル等)の胴部やキャップ部には、シュリンクフィルムが装着されている。胴部にシュリンクフィルムを装着させるのは、例えば商品名の表示のためであり、キャップ部にシュリンクフィルムを装着させるのは、例えばキャップ部の衛生性の保持や封緘性を高めるためである。
【0003】
このようなシュリンクフィルムは、容器に装着された後、熱を加えて収縮させることで容器に密着される。そしてこの収縮工程において、シュリンクフィルムの不均一な収縮、穴開き又は破れといった装着不良が発生することがあるため、収縮工程の後にシュリンクフィルムの装着状態の検査が行われている。
【0004】
このようなシュリンクフィルムの検査に関する技術としては、上部照明からの光を、シュリンクフィルムが巻かれていないペットボトルの上部からシュリンクフィルムの内側面に投光して反射させると共に、下部照明からの光をシュリンクフィルムが巻かれていないペットボトルの下部からシュリンクフィルムの内側面に投光して反射させ、各照明からの光による反射部位と反対側に位置するシュリンクフィルムの部位の外側面からの画像をカメラによって取得し、その取得画像を検査装置へ出力し、検査装置でカメラからの取得画像を解析してシュリンクフィルムの状態を検査する技術が存在する(特許文献1参照)。また、ベルトコンベア両脇の照明からの光をシュリンクフィルムが巻かれていないペットボトルの下部に当て、不透明な液体からなる内容物で乱反射させることにより、内容物を散乱発光させ、散乱発光状態においてペットボトル周面の画像をカメラで取得し、その取得画像を検査装置へ出力して画像解析する技術もある(特許文献2参照)。この技術によれば、散乱発光する内容物からの光がシュリンクフィルムによって遮断され、シュリンクフィルムの部位が暗部として観測され、一方、シュリンクフィルムに穴が開口している場合、散乱発光する内容物からの光はこの穴を通過するため、この穴部分が明部として観測される。
【0005】
【特許文献1】特開2005−289393号公報
【特許文献2】特開2005−280766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1及び2に記載の発明は、シュリンクフィルムに対して容器内側から外側に向って光を当て、光を通さないシュリンクフィルムの正常部を暗部、光を通すシュリンクフィルムの穴や破れといった不良部を明部として検査している。したがってシュリンクフィルムの穴や破れは検出できるが、シュリンクフィルムの収縮の不均一によりシュリンクフィルムに印刷された文字が歪んだり不鮮明になったりしている状態を検出することはできない。また容器のシュリンクフィルムが装着されていない部分から容器内部に光が照射され、シュリンクフィルムの内側で反射した光又は容器内部で散乱した散乱光が、シュリンクフィルムの検査部分に容器内部から外側に向って当るように調整することは容易ではなく、照射する光の角度や照度が検査結果に与える影響が大きいといった問題がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、シュリンクフィルムの収縮不良をも検出し、光の角度や照度が検査結果に与える影響の少ない、シュリンクフィルム検査装置及び検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のシュリンクフィルム検出装置は、容器(4)に装着されたシュリンクフィルム(3)を検査するシュリンクフィルム検査装置(1)において、容器(4)に装着されたシュリンクフィルム(3)の画像を取得する画像取得手段(26)と、前記取得した画像の所定領域内でのエッジを検出し、検出結果に基づいて前記シュリンクフィルム(3)が装着不良か否かを判定する判定手段(13、33)と、を備えたことにより上述した課題を解決する。
【0009】
シュリンクフィルムが熱収縮する際に収縮不良が発生すると、シュリンクフィルムに印刷されている文字や図柄等の鮮明度が低下したり歪んだりする。そのようなシュリンクフィルムの画像を取得し、所定領域内において画像のエッジを検出すると、熱収縮が正常に行われたシュリンクフィルムと比較してエッジの状態が変化する。したがって、検出されたエッジを、例えば正常に装着されたシュリンクフィルムのエッジの状態と比較することにより、シュリンクフィルムの装着不良を判定することができる。
【0010】
本発明のシュリンクフィルム検査装置(1)の一形態において、前記判定手段(13、33)は、前記エッジの数から前記シュリンクフィルム(3)に装着不良を生じている否かを判定することができる。シュリンクフィルムが熱収縮する際に収縮不良が発生し、シュリンクフィルムに印刷されている文字や図柄等の鮮明度が低下したり歪んだりすると、エッジの数が低下する。したがって、エッジの数を計測し、例えば正常な場合のエッジの数と比較することによって、熱収縮による装着不良を生じているか否かを容易に検出することができる。
【0011】
また、本発明のシュリンクフィルム検査装置(1)の一形態において、前記判定手段(13、33)は、前記エッジの間隔から前記シュリンクフィルム(3)に装着不良を生じているか否か判定することができる。シュリンクフィルムが熱収縮する際に収縮不良が発生し、シュリンクフィルムに印刷されている文字や図柄等が歪んだりすると、エッジとエッジとの間の幅、すなわちエッジの間隔が変化する。したがってエッジの間隔を測定し、正常な場合のエッジの間隔と比較することによって容易に熱収縮による装着不良を検出することができる。
【0012】
更に、本発明のシュリンクフィルム検査装置(1)の一形態において、前記シュリンクフィルム(3)が模様を有し、前記エッジが前記模様のエッジであってもよく、また、前記シュリンクフィルムの模様が文字であってもよい。
【0013】
また、本発明の一形態において、前記シュリンクフィルム検査装置(1)は、前記判定手段(13,33)により装着不良と判定された容器(4)に対して警報を発する警報発生手段(14)を更に備えてもよい。これによるとシュリンクフィルムが装着不良を生じた容器か否かを警報によって知ることができ、不良品の排除が容易になる。
【0014】
更に、本発明の一形態において、前記シュリンクフィルム(3)が容器(4)のキャップ部(5)に装着されるものであり、前記シュリンクフィルムの検査装置は、前記シュリンクフィルム(3)が熱収縮される前に前記容器(4)の高さに基づいて重複被りの有無を検出する重複被り検出手段(11,20)を更に備えてもよい。シュリンクフィルムがキャップ部に2つ以上被さっている重複被りの容器も製品として好ましくないため排除する必要があるが、上述の判定手段は収縮不良を判定するものであるため、このような重複被りの容器か否かを判定することはできない。しかし、容器のキャップにシュリンクフィルムが2つ以上被さっている重複被りの容器の場合、熱収縮前において容器の高さが高いため、このような状態を検出することにより、重複被りの容器も検出することができる。
【0015】
また、本発明のシュリンクフィルム検査方法は、容器に装着されたシュリンクフィルム(3)を検査するシュリンクフィルム検査方法において、容器に装着されたシュリンクフィルム(3)の画像を取得する画像取得工程と、前記取得した画像の所定領域内のエッジを検出し、検出結果に基づいて前記シュリンクフィルム(3)が装着不良を生じているか否かを判定する判定工程と、を備えることにより上述した課題を解決する。
【0016】
シュリンクフィルムが熱収縮する際に収縮不良が発生すると、シュリンクフィルムに印刷されている文字や図柄等の鮮明度が低下したり歪んだりする。そのようなシュリンクフィルムの画像を取得し、所定領域内において画像のエッジを検出すると、熱収縮が正常に行われたシュリンクフィルムと比較して、エッジ数やエッジ間隔等が変化する。したがって、検出されたエッジを基に、例えば正常に装着されたシュリンクフィルムのエッジの数や幅と比較することにより、シュリンクフィルムの装着不良を判定することができる。
【0017】
なお、本発明のシュリンクフィルム検査方法の一形態において、前記判定工程が、前記エッジの数から前記シュリンクフィルム(3)に装着不良が生じているか否か判定することができる。シュリンクフィルムが熱収縮する際に収縮不良が発生し、シュリンクフィルムに印刷されている文字や図柄等の鮮明度が低下したり歪んだりすると、エッジの数が低下する。したがって、エッジの数を計測し、正常な場合のエッジの数と比較することによって容易に熱収縮による装着不良を検出することができる。
【0018】
また、本発明のシュリンクフィルムの検査方法の一形態において、前記エッジの間隔から前記シュリンクフィルム(3)に装着不良が生じているか否かを判定することができる。シュリンクフィルムが熱収縮する際に収縮不良が発生し、シュリンクフィルムに印刷されている文字や図柄等が歪んだりすると、エッジとエッジとの間の幅、すなわちエッジの間隔が変化する。したがってエッジの間隔を測定し、正常な場合のエッジの間隔と比較することによって容易に熱収縮による装着不良を検出することができる。
【0019】
更に、本発明のシュリンクフィルムの検査方法の一形態において、前記シュリンクフィルム(3)が模様を有し、前記エッジが前記模様のエッジであってもよく、また、前記シュリンクフィルムの模様が文字であってもよい。
【0020】
また、本発明の一形態において、前記シュリンクフィルム検査方法は、前記判定工程により装着不良と判定された容器に対して警報を発する警報発生工程を更に備えてもよい。これによるとシュリンクフィルムが装着不良を生じた容器か否かを警報によって知ることができ、不良品の排除が容易になる。
【0021】
更に、本発明の一形態において、前記シュリンクフィルム(3)が容器(4)のキャップ部(5)に装着されるものであり、前記シュリンクフィルム検査工程は、前記シュリンクフィルム(3)が熱収縮される前に前記容器(4)の高さに基づいて重複被りを検出する重複被り検出工程を更に備えてもよい。シュリンクフィルムがキャップ部に2つ以上被さっている重複被りの容器も製品として好ましくないため排除する必要があるが、上述の判定工程は収縮不良を判定するものであるため、このような重複被りの容器か否かを判定することはできない。しかし、容器のキャップにシュリンクフィルムが2つ以上被さっている重複被りの容器の場合、熱収縮前において容器の高さが高いため、このような状態を検出することにより、重複被りの容器も検出することができる。
【0022】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0023】
以上、説明したように、本発明のシュリンクフィルム検査装置及びシュリンクフィルムの検査方法によれば、シュリンクフィルムを外側から撮影した画像を基にエッジを検出し、それによってシュリンクフィルムの装着不良を判定しているため、シュリンクフィルムの収縮不良を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の好適な実施形態にかかるシュリンクフィルム検査装置1について説明する。図1は、シュリンクフィルム検査装置1及び当該シュリンクフィルム検査装置1内に配置されるシュリンクトンネル2の平面概略図である。図2は、シュリンクフィルム検査装置1の上流の、シュリンクフィルム3を容器4のキャップ部5に装着する装着工程(a)、シュリンクフィルム検査装置1で行われる検査工程(b),(d)、及びシュリンクトンネル2で行われる収縮工程(c)を示した図である。なお、図2(a)で示したようにシュリンクフィルム3の装着工程で容器4のキャップ部5にシュリンクフィルム3が装着されるが、シュリンクフィルム検査装置1への搬入時にシュリンクフィルム3はまだ熱収縮されておらず、シュリンクフィルム3はキャップ部5に被さっているが、まだ密着していない状態である。
【0025】
図1に戻りシュリンクフィルム検査装置1は、容器4が搬送される搬送ライン10と、その搬送ライン10の上流側に設けられた、シュリンクトンネル2を通過する前にシュリンクフィルム3を検査する、重複被り検出手段である第1のシュリンクフィルム検査部11と、シュリンクトンネル2を通過した後にシュリンクフィルム3を検査する第2のシュリンクフィルム検査部12とを備えている。また、第1のシュリンクフィルム検査部11と第2のシュリンクフィルム検査部12との間にシュリンクトンネル2が配置されている。シュリンクフィルム検査装置1は更に、第1のシュリンクフィルム検査部11及び第2のシュリンクフィルム検査部12に接続され、これらを制御及びこれらからの情報を処理するための処理手段である処理部13と、当該処理部13に接続され、不良であると判断された容器4に対して警報を発するための警報発生手段である警報部14と、警報が発せられた容器4を排除する排除部15とを備える。
【0026】
シュリンクフィルム検査装置1の搬送ライン10は、図示しない駆動機構によって駆動され、上流から下流へと容器4を搬送する搬送コンベア18を備える。この搬送コンベア18は、シュリンクトンネル2内も連続して通過している。
【0027】
第1のシュリンクフィルム検査部11は、図1及び図2(b)で示したように光電センサ20を備える。この光電センサ20は搬送コンベア18の一側に設けられた送受光部21と他側に設けられた反射板22とを有し、送受光部21から発射された光が反射板22によって反射されて送受光部21に戻ってくるようになっている。そしてその光路Lに光を遮るものが存在した場合、光が遮断され、その遮断物の存在が検知される。この光電センサ20の垂直方向の取付け高さHは、容器4のキャップ部5にシュリンクフィルム3が1つだけ被さっている場合には光路が遮られず、図2(b)で示したようにシュリンクフィルム3が2以上被さった重複被りの状態の場合には、そのシュリンクフィルム3によって容器4全体としての高さが高くなることにより光路Lが遮られる位置に取り付けられる。なお、本形態では反射板を有する光電センサを用いたが、これに限定されず、例えば投光部と受光部が対向して配置される透過型の光電センサを用いてもよい。
【0028】
なお、シュリンクフィルム3の重複被りの状態は、図2(a)で示した上流のシュリンクフィルム3の装着工程での供給ミス等により発生する。そして、第1のシュリンクフィルム検査部11をシュリンクトンネル2の上流に配置し、シュリンクフィルム3が熱収縮される前にシュリンクフィルム3の重複被りの容器4を検出するのは以下の理由による。それは、この重複被りの容器4は製品として好ましくないため良品と区別する必要があるが、熱収縮される際に歪みやずれが生じない場合、後述する第2のシュリンクフィルム検査部12でのエッジ検出結果の判定の際に良品との区別ができない。そのため、熱収縮前の状態で重複被りの容器の高さが高いことを利用し、このような容器4を、シュリンクフィルム3がシュリンクトンネル2を通過して熱収縮される前に検出するためである。
【0029】
また、この光電センサ20は処理部13に接続されており、光電センサ20により、重複被りの容器4が検知された場合、この情報が処理部13に送られ、更にこの処理部13から後述するように容器4が装着不良であることを示す信号が警報部14に送られ、その容器4が警報部14を流れたときに警報を発するようになっている。なお、本実施形態で第1のシュリンクフィルム検査部11は光電センサ20を備えるが、これに限定されず、容器4が所定高さ以上か以下かを検知できればよく、例えば、LEDやレーザを利用した他のセンサであってもよい。
【0030】
シュリンクトンネル2は第1のシュリンクフィルム検査部11の下流に設けられており、ヒータ(不図示)及び送風機構(不図示)を備える。そして、図2(c)で示したように、ヒータで加熱された空気Aを、シュリンクフィルムが装着された容器4のキャップ部5に吹き付けることによりシュリンクフィルム3を熱収縮させてキャップ部5に密着させものである。
【0031】
シュリンクトンネル2の下流には、搬送ライン10に沿って第2のシュリンクフィルム検査部12が設けられている。この第2のシュリンクフィルム検査部12は、搬送コンベア18に載置された容器4が通過した時にその通過を検知するタイミングセンサ25と、タイミングセンサ25によって検知された容器4が視野を通過するときに容器4の側面を撮影するための画像取得手段であるCCDカメラ26と、容器4を上面から照らすLEDリング27とを備え、それらは遮光用のカバー28内に配置されている。
【0032】
第2のシュリンクフィルム検査部12のタイミングセンサ25、CCDカメラ26、及びLEDリング27はそれぞれ処理部13に接続されており、この処理部13内には、CCDカメラ26の信号を増幅するアンプ30、LEDリング27の明るさ等を調整するコントローラ31、CCDカメラ26の画像を表示する液晶モニタ32及び画像を処理するための判定手段である画像センサ33が備えられている。画像センサ33は、設定した液晶モニタ32画面上の計測領域内で任意方向にスキャンが可能で、その領域内において画像の濃度が所定の値を超えて変化するエッジを検出することができる。また、このエッジ検出は濃度の絶対値ではなく変化量によって行うことが可能である。
【0033】
処理部13は更に警報部14に接続されており、警報部14は警報ランプ及び警報ブザー(不図示)を備える。この警報ランプ及び警報ブザーは処理部13からの情報により、シュリンクフィルム3の装着不良を生じている容器4が搬送コンベア18を流れて警報部14の位置を通過するときに点灯し及び鳴るようになっている。
【0034】
排出部15は警報部14と搬送ライン10を介して対抗する側に設けられている。この排出部15には作業者が待機しており、警報部14の警報ランプが点灯及び/又は警報ブザーが鳴ったときに搬送コンベア18上の容器4を排除することができるようになっている。
【0035】
次に、動作について説明する。まず図2(a)で示したようにシュリンクフィルム検査装置1の上流においてシュリンクフィルム3が装着される。なお、本形態では作業者によりキャップ部5にシュリンクフィルム3が被せられるが、シュリンクフィルム装着装置を配置して自動的に被せるようにしてもよい。
【0036】
このシュリンクフィルム3の装着の際、シュリンクフィルム3が、2以上被さることがある。この2以上のシュリンクフィルム3が被さった重複被りの容器4は、シュリンクフィルム3が1つだけ被さった正常な状態の容器4よりも高さが高くなる。この状態でシュリンクフィルム検査装置1に容器4が搬入され、搬送コンベア18上を流れて第1のシュリンクフィルム検査部11を通過するとき、第1のシュリンクフィルム検査部11の光電センサ20の光路Lが遮られて重複被りの状態であることが検知される。そしてこの情報は処理部13に送られる。
【0037】
次に、シュリンクフィルム3が1つだけ被さった正常な状態の容器4及び重複被りの容器4は共に、シュリンクトンネル2を通過する。この際、ヒータで加熱された空気Aがシュリンクフィルム3に吹き付けられてシュリンクフィルム3が熱収縮し、シュリンクフィルム3がキャップ部5に密着される。
【0038】
そしてシュリンクトンネル2を通過した容器4が、次に第2のシュリンクフィルム検査部12に搬入され、タイミングセンサ25の間を通過すると、容器4の通過が検知され、この通過情報が処理部13に送られ、処理部13からCCDカメラ26へと瞬時に指令が伝達される。そして容器4がCCDカメラ26の位置を通過する際に、CCDカメラ26が作動し、シュリンクフィルム3が密着されたキャップ部5の画像が側面から撮影される。なお、この撮影の際の照明となるLEDリング27の明るさの調整等は、事前にコントローラ31によってなされている。そして撮影後の容器4は更に搬送コンベア18によって下流に運ばれ、CCDカメラ26からの画像信号は処理部13のアンプ30によって増幅されて液晶モニタ32によって表示される。
【0039】
図3は液晶モニタ32により表示される画像のイメージを示したものである。シュリンクフィルム3が良好に熱処理された場合、図3(a)に示したように、表示される文字(図では「abcd」)が明瞭に表れる。しかし熱処理が良好になされなかった収縮不良容器の場合、図3(b)に示したように文字は崩れ、不鮮明となる。この画像に対して、キャップ部5の側面を水平にスキャンし、明から暗に変化するエッジを検出した結果を図4に示す。ここで、エッジ検出は濃度の絶対値にではなく変化量によって行われるため、撮影時の照度変化に影響を受けにくい。
【0040】
シュリンクフィルム3が良好に熱処理された場合、文字が鮮明であり、例えば図4(a)に示す場合、エッジの数は7である。一方、収縮不良容器4の場合、文字は崩れて不鮮明になり、例えば図4(b)に示す場合エッジの数は4となる。そしてその計数結果は、画像センサによって処理され、予め設定した閾値を例えば7と設定し、7より少ないものは収縮不良と判定するようにすると、図4(b)の容器4は収縮不良と判定される。このように収縮不良と判定された場合、処理部13から信号が警報部14に送られる。そして、図4(b)で示したようなエッジ数が閾値に満たない収縮不良容器4及び第1のシュリンクフィルム検査部11で検知された重複被りの容器4が搬送コンベア18を搬送して、警報部14を通過するとき、警報ランプが点灯及び/又は警報ブザーが鳴る。なお、この場合警報ランプ及び警報ブザーは、第1のシュリンクフィルム検査部11で検出された重複被りの容器4と第2のシュリンクフィルム検査部12で検出された収縮不良容器4とに対して同じように警報を発してもよく、また、例えば一方は警報ランプで他方は警報ブザーというように異なる警報を発するようにしてもよい。
【0041】
そしてこの警報ランプ及び警報ブザーにより重複被りの容器又は収縮不良容器である不良容器の通過を認識した作業者は、対象となる不良容器を搬送コンベア18から排除する。なお、本形態では、不良容器の排除をこのように人手によって行っているが、これに限定されず、自動的に不良容器を排除する排除装置を備えていてもよい。また、この不良容器を検出した場合、シュリンクフィルム検査装置1の前後の工程の搬送ラインの発停指示やライン速度の増減指示を選択的に行うこともできる。
【0042】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本形態ではキャップに装着されたシュリンクフィルムに対する形態について説明したが、これに限定されず、胴部に装着されるシュリンクフィルムであってもよく、第1のシュリンクフィルム検査部11を含まない形式であってもよい。また、本形態ではエッジの数を計数することにより不良か否かを判断したが、これに限定されず、エッジとエッジとの幅やエッジパターンにより不良か否かを判断することもできる。更に、シュリンクフィルムの模様は文字に限定されず、数字、記号、図形、図柄、線(縦線、横線等)、点などであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一形態にかかるシュリンクフィルム検査装置の平面概略図。
【図2】シュリンクフィルム検査装置等で行われる各種工程を示した図。
【図3】液晶モニタによる画像のイメージを示した図。
【図4】図3の画像に対してエッジを検出した結果を示した図。
【符号の説明】
【0044】
1 シュリンクフィルム検査装置
2 シュリンクトンネル
3 シュリンクフィルム
4 容器
5 キャップ部
11 第1のシュリンクフィルム検査部(重複被り検出手段)
12 第2のシュリンクフィルム検査部
13 処理部(判定手段)
14 警報部(警報発生手段)
20 光電センサ(重複被り検出手段)
26 CCDカメラ(画像取得手段)
33 画像センサ (判定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に装着されたシュリンクフィルムを検査するシュリンクフィルム検査装置において、
容器に装着されたシュリンクフィルムの画像を取得する画像取得手段と、
前記取得した画像の所定領域内でのエッジを検出し、検出結果に基づいて前記シュリンクフィルムが装着不良を生じているか否かを判定する判定手段と、
を備えたことを特徴とするシュリンクフィルム検査装置。
【請求項2】
前記判定手段が、前記検出されたエッジの数から前記シュリンクフィルムに装着不良が生じているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のシュリンクフィルム検査装置。
【請求項3】
前記判定手段が、前記検出されたエッジの間隔から前記シュリンクフィルムに装着不良が生じているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のシュリンクフィルム検査装置。
【請求項4】
前記シュリンクフィルムが模様を有し、前記エッジが該模様のエッジであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシュリンクフィルム検査装置。
【請求項5】
前記シュリンクフィルムの模様が文字であることを特徴とする請求項4に記載のシュリンクフィルム検査装置。
【請求項6】
前記判定手段により装着不良と判定された容器に対して警報を発する警報発生手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシュリンクフィルム検査装置。
【請求項7】
前記シュリンクフィルムが容器のキャップ部に装着されるものであり、前記シュリンクフィルムが熱収縮される前に前記容器の高さに基づいて重複被りの有無を検出する重複被り検出手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のシュリンクフィルム検査装置。
【請求項8】
容器に装着されたシュリンクフィルムを検査するシュリンクフィルム検査方法において、
容器に装着されたシュリンクフィルムの画像を取得する画像取得工程と、
前記取得した画像の所定領域内でのエッジを検出し、検出結果に基づいて前記シュリンクフィルムが装着不良を生じているか否かを判定する判定工程と、
を備えたこと特徴とするシュリンクフィルム検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−290715(P2007−290715A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−117339(P2006−117339)
【出願日】平成18年4月21日(2006.4.21)
【出願人】(392032100)キリンエンジニアリング株式会社 (54)