説明

シュリンク包装装置及びシュリンク包装装置の温度制御方法

【課題】缶体をシュリンク包装する際に、フードの温度を適切に制御することができる温度制御装置及び温度制御方法を提供する。
【解決手段】シュリンク包装装置100は、パレット積載物5に嵌装された熱収縮フィルム53を加熱してシュリンク包装するものであって、前記パレット積載物5を下流に搬送する搬送処理部6と、下方が開口した形状で昇降作動され、前記パレット積載物5のシュリンク包装がなされるシュリンク包装処理位置に搬入された前記パレット積載物5を囲うように下降するフード2と、前記フード2に備えられるヒーター21と、前記ヒーター21の表面温度を検出する表面温度検出部121と、前記表面温度検出部121で検出された前記ヒーター21の表面温度に基づいて、前記パレット積載物5の前記シュリンク包装処理位置への搬入を許可する制御部11と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶体をシュリンク包装する際に、フードの温度を適切に制御することができる温度制御装置及び温度制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数段に積層されてなるパレット積載物を囲うようにフードが下降し、フード内に配置されたヒーターによってパレット積載物に嵌装してあるシュリンクフィルムを加熱してシュリンク包装するシュリンク包装装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−168744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数段に積層されてなるような高さのあるパレット積載物に対応したシュリンク包装装置では、フード内の上部及び下部で温度差が生じやすく、フード内の温度がばらついてパレット積載物のシュリンクフィルムに穴が開くなどの不良が生じる問題があった。
【0005】
また、シュリンク包装装置の運転条件が連続運転である時は、断続的に運転させた場合と比較してフード内の温度が低下して、シュリンクフィルムの張りが緩くなってしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した技術背景に鑑み、缶体をシュリンク包装する際に、フード内の温度を適切に制御することができるシュリンク包装装置の提供を目的とする。
【0007】
即ち、本発明は下記[1]〜[11]に記載の構成を有する。
【0008】
[1] パレット積載物に嵌装された熱収縮フィルムを加熱してシュリンク包装するシュリンク包装装置であって、
前記パレット積載物を下流に搬送する搬送処理部と、
下方が開口した形状で昇降作動され、前記パレット積載物のシュリンク包装がなされるシュリンク包装処理位置に搬入された前記パレット積載物を囲うように下降するフードと、
前記フードに備えられるヒーターと、
前記ヒーターの表面温度を検出する表面温度検出部と、
前記表面温度検出部で検出された前記ヒーターの表面温度に基づいて、前記パレット積載物の前記シュリンク包装処理位置への搬入を許可する制御部と、
を備えることを特徴とするシュリンク包装装置。
【0009】
[2] 前記表面温度検出部は、前記フードの外部から前記ヒーターの表面温度を検出する非接触温度センサからなることを特徴とする前項1に記載のシュリンク包装装置。
【0010】
[3] 前記フードの内部温度を検出する内部温度検出部を備え、
前記制御部は、前記内部温度検出部の検出値に基づいて、前記ヒーターを制御することを特徴とする前項1または2に記載のシュリンク包装装置。
【0011】
[4] 前記制御部は、前記内部温度検出部の検出値に基づいて、前記フードの内部温度が一定温度となるようにPID制御を行うことによって前記ヒーターを制御することを特徴とする前項3に記載のシュリンク包装装置。
【0012】
[5] 前記パレット積載物の温度を検出するパレット温度検出部を備え、
前記制御部は、前記パレット温度検出部の検出値に基づいて、前記フードが下降している時間を制御することを特徴とする前項1〜4のいずれかに記載のシュリンク包装装置。
【0013】
[6] 前記フードの内部側壁に配された前記ヒーターからの熱線を前記パレット積載物に反射させるための反射板を備え、
前記反射板は、反射した前記ヒーターからの熱線を前記パレット積載物の底部に放射させることを特徴とする前項1〜5のいずれかに記載のシュリンク包装装置。
【0014】
[7] 上昇した前記フードの下方に送風機を備え、
前記送風機は、前記フードの内部に送風することを特徴とする前項1〜6のいずれかに記載のシュリンク包装装置。
【0015】
[8] パレット積載物に嵌装された熱収縮フィルムを加熱してシュリンク包装するシュリンク包装装置の温度制御方法であって、
搬送処理部の前記パレット積載物を下流に搬送する搬送工程と、
下方が開口した形状で昇降作動されるフードが、前記パレット積載物のシュリンク包装がなされるシュリンク包装処理位置に搬入された前記パレット積載物を囲うように下降するフード下降工程と、
前記フードに設けられたヒーターによって前記熱収縮フィルムを加熱する加熱包装工程と、
前記ヒーターの表面温度を検出する表面温度検出工程と、
前記表面温度検出工程で検出された前記ヒーターの表面温度に基づいて、前記パレット積載物の前記シュリンク包装処理位置への搬入を許可する搬入許可判定工程と、
を含むことを特徴とする温度制御方法。
【0016】
[9] 前記フードの内部温度を検出する内部温度検出工程を含み、
前記内部温度検出工程での検出値に基づいて、前記ヒーターを制御することを特徴とする前項8に記載の温度制御方法。
【0017】
[10] 前記内部温度検出部の検出値に基づいて、前記フードの内部温度が一定温度となるようにPID制御を行うことによって前記ヒーターを制御することを特徴とする前項9に記載の温度制御方法。
【0018】
[11] 前記パレット積載物の温度を検出して監視するパレット温度検出工程を含み、
前記パレット温度検出工程での検出値に基づいて、前記フードが下降している時間を制御することを特徴とする前項8〜10に記載の温度制御方法。
【発明の効果】
【0019】
上記[1]に記載の発明によれば、フードに備えたヒーターの表面温度を検出してパレット積載物の搬入を許可するように構成されているので、シュリンク包装装置の運転条件が変わっても、所定の温度条件でパレット積載物が搬入されるように制御することができ、熱収縮フィルムの張りのバラつきを防止することができる。また、熱収縮フィルムの張り不良が低減することで、熱収縮フィルムの張り直し作業が減少するので製造時の作業効率が向上する。
【0020】
上記[2]に記載の発明によれば、表面温度検出部が非接触温度センサからなるので、接触式センサよりも広範囲に亘ってヒーターの表面温度を監視することができる。また、瞬時にヒーターの表面温度を検出することができるので製造ラインでの処理時間に影響を及ぼさない。
【0021】
上記[3]に記載の発明によれば、フードの内部温度の検出値に基づいてヒーターが制御されるように構成されているので、フードの内部の温度が均一に保持されるようになり、熱収縮フィルムの部分的な張りのバラつきを低減させることができる。
【0022】
上記[4]に記載の発明によれば、フードの内部温度の検出値に基づいてフードの内部温度が一定温度となるようPID制御が行われるように構成されているので、フードの内部温度のバラつきや変動がより低減され、安定した温度制御を行うことができる。これにより、熱収縮フィルムの部分的な張りのバラつきをより低減させることができる。
【0023】
上記[5]に記載の発明によれば、パレット積載物の温度に基づいてフードの下降時間を制御してシュリンク包装するように構成されているので、パレット積載物をシュリンク包装するために必要な加熱時間を充分に確保することができ、温度が低下したパレット積載物を加熱する場合であっても熱収縮フィルムの張りが緩くなってしまうことがない。
【0024】
上記[6]に記載の発明によれば、ヒーターからの熱線をパレット積載物の底部に反射させる反射板を設置するように構成されているので、ヒーターの熱が比較的当たり難いパレット積載物の底面部分であっても充分に加熱することができ、確実にパレット積載物底部のシュリンク包装を行うことができる。
【0025】
上記[7]に記載の発明によれば、上昇したフードの下方に送風機を備えて構成されているので、フードの温度が所定の温度を超過した場合には、フードの内部に送風して冷却させることができる。また、フード内の上方及び下方の内部空気を循環させて内部温度を均一化させることができる。
【0026】
上記[8]に記載の発明によれば、フードに備えたヒーターの表面温度を検出してパレット積載物の搬入を制御するように構成されているので、シュリンク包装装置の運転条件が変わっても、所定の温度条件でパレット積載物が搬入されるように制御することができ、熱収縮フィルムの張りのバラつきを防止することができる。また、熱収縮フィルムの張り不良が低減することで、熱収縮フィルムの張り直し作業が減少するので製造時の作業効率が向上する。
【0027】
上記[9]に記載の発明によれば、フードの内部温度の検出値に基づいてヒーターが制御されるように構成されているので、フードの内部の温度が均一に保持されるようになり、熱収縮フィルムの部分的な張りのバラつきを低減させることができる。
【0028】
上記[10]に記載の発明によれば、フードの内部温度の検出値に基づいてフードの内部温度が一定温度となるようPID制御が行われるように構成されているので、フードの内部温度のバラつきや変動がより低減され、安定した温度制御を行うことができる。これにより、熱収縮フィルムの部分的な張りのバラつきをより低減させることができる。
【0029】
上記[11]に記載の発明によれば、パレット積載物の温度に基づいてフードの下降時間を制御してシュリンク包装するように構成されているので、パレット積載物をシュリンク包装するために必要な加熱時間を充分に確保することができ、温度が低下したパレット積載物を加熱する場合であっても熱収縮フィルムの張りが緩くなってしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のシュリンク包装装置の構成について説明する説明図である。
【図2】図1に係るシュリンク包装装置に備えた温度制御装置の一例について説明する簡略化ブロック図である。
【図3】図1に係るシュリンク包装装置におけるシュリンク包装作業の一例を説明する説明図である。
【図4】図1に係るシュリンク包装装置におけるシュリンク包装作業の一例を説明する説明図である。
【図5】図1に係るシュリンク包装装置における反射板の一例について説明する説明図である。
【図6】図1に係るシュリンク包装装置における送風機の一例について説明する説明図である。
【図7】図1に係るシュリンク包装装置における各検出部の検出結果に基づく制御部の処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】図1に係るシュリンク包装装置における温度制御を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0032】
図1は、シュリンク包装装置100の構成を説明する説明図、図2は、図1のシュリンク包装装置100に備えた温度制御装置1の一例について説明する簡略化ブロック図、図3,4は、図1のシュリンク包装装置100におけるシュリンク包装作業の一例を説明する説明図、図5は、図1のシュリンク包装装置100における反射板3の一例について説明する説明図、図6は、図1のシュリンク包装装置100における送風機4の一例について説明する説明図、図7は、図1に係るシュリンク包装装置における各検出部の検出結果に基づく制御部の処理を説明するためのフローチャート、図8は、図1のシュリンク包装装置100における温度制御を説明するためのフローチャートである。
【0033】
シュリンク包装装置100は、パレット積載物5に嵌装された熱収縮フィルム53、熱収縮性のあるポリエチレンなどの所謂シュリンクフィルムを加熱することで熱収縮させてシュリンク包装するための装置である。
【0034】
本実施形態のパレット積載物5とは、具体的には、飲料などを充填する容器となる複数の缶体52を敷き詰めた層と、シート状の合紙などからなる層とが、複数段交互にパレット51上に積層されてなるものである。図中のパレット積載物5の上部にも、缶体52を敷き詰めた層と合紙の層とが積層されているが、簡略化のため省略して図示している。
【0035】
以降では、図1〜6に基づいて、缶体52が積層されたパレット積載物5をシュリンク包装するシュリンク包装装置100を一例として説明する。
【0036】
尚、図面上での差異は僅差であるが、シュリンク包装するためにパレット積載物5に嵌装する熱収縮フィルム53は、パレット積載物5の寸法よりもやや大きい寸法に形成されており、シュリンク包装された後の熱収縮フィルム53は、パレット積載物5に密着した状態となっている。
【0037】
シュリンク包装装置100は、ベルトコンベアなどからなる搬送処理部6と、下方が開口した形状で昇降作動されるフード2と、フード2に備えられるヒーター21と、ヒーター21を制御する温度制御装置1と、を備えて構成され、パレット51に製品を積載したパレット積載物5をシュリンク包装して下流に搬送するものである。
【0038】
(搬送処理部)
搬送処理部6は、ギヤードモーターなどが設けられた搬送処理駆動部と、搬送処理駆動部を制御する駆動制御部を備える。
【0039】
搬送処理部6は、搬送処理駆動部によって駆動され、搬送処理部6上に載置されたパレット積載物5を下流に搬送する。図1に示す矢印の示す方向が、パレット積載物5が搬送される方向である。
【0040】
搬送処理部6の上流から下流に至るまでの間にはテーブルリフト61が設けられ、当該テーブルリフト61にパレット積載物5が移送された後、テーブルリフト61を上昇させて搬送処理部6の上面高さよりも高くパレット積載物5を持ち上げた状態で、パレット積載物5のシュリンク包装がなされる。
【0041】
テーブルリフト61が設けられ、パレット積載物5のシュリンク包装がなされる位置をシュリンク包装処理位置と定義する。
【0042】
(フード)
フード2は、耐熱・断熱構造の側壁及び上壁で形成された下方が開口した形状であり、昇降用柱22に支持されて、電動モーターなどの駆動用モーターによって昇降用柱22に沿って上下動可能に構成される。
【0043】
昇降用柱22には、フード稼働域の上限及び下限を検出する位置検出部が設けられ、位置検出部の検出結果に基づいて、図示しないフード制御部によってフード2の上下動操作が制御される。
【0044】
フード2は、シュリンク包装処理位置に移送され、テーブルリフト61で持ち上げられた状態のパレット積載物5を囲うように下降して、パレット積載物5を覆うことができる寸法に形成されている。
【0045】
例えば、本実施例におけるフード2の具体的な寸法を説明すると、シュリンク包装されるパレット積載物5の水平断面寸法が、約1130mm×1440mm、テーブルリフト61で持ち上げられた状態の全体の最大高さが約2300mmである場合に、フード2の水平断面寸法は約2080mm×2380mm、高さは約3050mmに設定される。
【0046】
フード2の内部には、熱収縮フィルム53を加熱するためのヒーター21が設けられ、フード制御部によってヒーター21の制御がなされる。
【0047】
当該ヒーター21には、赤外線ヒーターなどが用いられ、フード2の内壁の下方に設けられる。本実施形態では、内壁下方の4面に対して、線状の赤外線ヒーターを複数本で一組とするヒーター21が、上部ヒーター21a及び下部ヒーター21bの2列で配置されている。
【0048】
ヒーター21には、線状ヒーターが用いられるのであってもよいし、パネルヒーターであってもよく、シュリンク包装可能な温度設定とすることができるヒーターとして構成されていれば、特に限定されるものではない。
【0049】
(温度制御装置)
温度制御装置1には、フード2の温度状態などを検出するための複数のセンサを有する温度検出部12と、温度検出部12からの検出結果に基づいてフード2の温度状態などを監視して制御する制御部11が備えられている。
【0050】
制御部11は、CPUと、CPUで実行される制御プログラムが格納された不揮発性メモリからなる記憶部と、上述した各検出部121,122,123、温度制御装置1外部に設置されたフード2のフード制御部及び搬送処理部6の駆動制御部と信号線或いは通信線を介して通信可能に構成される入出力部などを備えて構成されている。記憶部には、ヒーター21の制御などに必要な制御情報も格納されている。尚、記憶部には、不揮発性メモリ以外にRAMなどの揮発性メモリを備えるのであってもよい。
【0051】
当該入出力部を備えることにより、制御部11は、例えば、フード制御部にヒーター21の制御指示などを通知し、フード制御部は、制御部11にフード2の昇降状態を通知する。また、制御部11は、駆動制御部に駆動指示などを通知し、駆動制御部は、搬送処理部の駆動状態を通知することができる。
【0052】
温度検出部12は、表面温度検出部121と、内部温度検出部122及びパレット温度検出部123を備え、各検出部121,122,123で検出された結果が通信線などを介して制御部11と通信可能に構成されている。
【0053】
表面温度検出部121、内部温度検出部122及びパレット温度検出部123は、フード2の温度状態などを検出するためのセンサをそれぞれ備え、各センサにより検出された計測結果が制御部11に通知されるように構成される。
【0054】
フード2内部には、フード2内部の温度を検出する内部温度検出部122が備えられ、フード2の外部には、フード2に設けられたヒーター21の表面温度を検出するための表面温度検出部121と、パレット積載物5の温度を検出するパレット温度検出部123と、が備えられる。
【0055】
各検出部121,122,123の検出結果に基づいて、パレット積載物5の搬入制御及びヒーター21の制御がなされ、フード2が下降してパレット積載物5を加熱している時間である下降停止継続時間などが決定される。
【0056】
(表面温度検出部)
表面温度検出部121は、フード2のヒーター21の表面温度を検出して、制御部11に検出結果を通知する。
【0057】
表面温度検出部121は、例えば、赤外線温度センサなどの非接触温度センサなどからなり、フード2の外部の所定位置からフード2のヒーター表面の温度を検出する。
【0058】
表面温度検出部121が非接触温度センサからなるので、瞬時にヒーター21の表面温度を検出することができるので製造ラインでの処理時間に影響を及ぼさない。
【0059】
接触式センサを用いる場合と比較すると、ヒーター21の表面温度を広範囲に亘って監視することができるので、表面温度検出部121は、非接触温度センサなどからなることが好ましいが、接触式センサを用いるのであってもよい。
【0060】
例えば、非接触温度センサは、上限位置で上昇待機するフード2よりも下方に備えられ、下方の遠隔位置からフード2内部のヒーター21の表面温度が検出される。
【0061】
制御部11は、表面温度検出部121によって検出されたヒーター21の表面温度に基づいて、パレット積載物5の搬入を許可する。
【0062】
図7(a)に基づいて詳述すると、例えば、制御部11は、表面温度検出部121によって検出されたヒーター21の表面温度をチェックし(SA1)、ヒーター21の表面温度が期待する温度である、或いは期待する温度範囲にあると判定すると(SA2)、パレット積載物5のシュリンク包装位置への搬入を許可するように判定する(SA3)。
【0063】
パレット積載物5の搬入を許可すると判定すると、制御部11は、パレット積載物5を搬入させるよう搬送処理部の駆動制御部に通知する(SA4)。
【0064】
一方、制御部11は、ステップSA2で、非接触温度センサが検出したヒーター21の表面温度が期待する温度でない、或いは期待する温度範囲にないと判定すると、パレット積載物5の搬入を許可せず、ヒーター21の表面温度が期待温度、或いは期待する温度範囲となるまでパレット積載物5を待機させるように判定する。この場合、制御部11は駆動制御部に通知を行わなくてもよい。
【0065】
より具体的な一例として、制御部11は、表面温度検出部121によって検出された下部ヒーター21bの表面温度が所定温度(例えば、355℃)以上であると判定すると、パレット積載物5のシュリンク包装位置への搬入を許可するように判定して駆動制御部に駆動指示を通知し、シュリンク包装位置に搬入されたパレット積載物5をフード2で囲うように下降させてシュリンク包装を行えばよい。
【0066】
一方、制御部11は、表面温度検出部121によって検出された下部ヒーター21bの表面温度が所定温度(例えば、355℃)未満であると判断すると、パレット積載物5の搬入を許可しないように判定して、ヒーター21の表面温度が上昇するまでパレット積載物5の搬入を待機させればよい。
【0067】
フード2に備えたヒーター21の表面温度を検出してパレット積載物5のシュリンク包装位置への搬入を許可するように構成されているので、シュリンク包装装置100の運転条件が変わっても、所定の温度条件でパレット積載物5が搬入されるように制御することができ、熱収縮フィルムの張りのバラつきを防止することができる。また、熱収縮フィルム53の張り不良が低減することで、熱収縮フィルム53の張り直し作業が減少するので製造時の作業効率が向上する。
【0068】
尚、図1には、2つの表面温度検出部121を上流側・下流側双方に設けてフード2のヒーター21の表面温度を検出するように示しているが、単一の表面温度検出部121でヒーター21の表面温度を検出するのであってもよいし、ヒーター21の4側面の温度それぞれを検出する4つの表面温度検出部121を設けて表面温度を検出するように構成するのであってもよい。
【0069】
(内部温度検出部)
内部温度検出部122は、フード2の内部温度を検出して、制御部11に検出結果を通知する。
【0070】
内部温度検出部122には、サーミスタや熱電対などの接触式温度センサが設けられる。接触式温度センサは、フード2の内部の所定位置に備えられて、フード2の内部温度を検出する。
【0071】
例えば、フード2内部では、上方側の内部温度が上昇しやすいことから、接触式温度センサは、フード2内部の上方且つ中央寄りに備えられることが好ましい。このような構成とすることで、シュリンク包装処理時において上方側の上昇した内部温度によって熱収縮フィルム53に穴が開くなどの不良を低減することが出来る。
【0072】
制御部11は、内部温度検出部122によって検出されたフード2の内部温度に基づいてヒーター21を制御することによって、フード2の内部温度を制御する。
【0073】
例えば、制御部11は、内部温度検出部122によって検出されたフード2の内部温度が所定の温度よりも高いと判定すると、ヒーター21を制御してフード2の内部温度を低下させるように判定する。
【0074】
また、制御部11は、内部温度検出部122によって検出されたフード2の内部温度が、所定の温度よりも低いと判定すると、ヒーター21を制御してフード2の内部温度を上昇させるように判定する。
【0075】
図7(b)に基づいて詳述すると、例えば、制御部11は、内部温度検出部122によって検出されたフード2の内部温度をチェックし(SB1)、フード2の内部温度が所定の温度(例えば、164℃)よりも高いと判定すると(SB2)、上部ヒーター21a及び下部ヒーター21bをオフしてフード2の内部温度を低下させるように判定する(SB3)。
【0076】
ステップSB3でフード2の内部温度を低下させるように判定すると、制御部11は、上部ヒーター21a及び下部ヒーター21bをオフするようにフード制御部に通知して、フード2の内部温度を低下させるとともに(SB4)、後述の送風機4を所定時間(例えば、15秒)オンして(SB5)、フード2の内部を冷却しつつ、フード2の内部温度を均一化する。
【0077】
一方、制御部11は、内部温度検出部122によって検出されたフード2の内部温度が所定の温度(例えば、154℃)よりも低いと判定すると(SB6)、上部ヒーター21a及び下部ヒーター21bをオンにしてフード2の内部温度を上昇させるように判定する(SB7)。
【0078】
ステップSB4でフード2の内部温度を上昇させるように判定すると、制御部11は、上部ヒーター21a及び下部ヒーター21bをオンするようにフード制御部に通知して、フード2の内部温度を上昇させる(SB8)。
【0079】
フード2の内部温度の検出値に基づいて、ヒーター21が制御されるように構成されているので、フード2の内部の温度が均一に保持されるようになり、熱収縮フィルム53の部分的な張りのバラつきを低減させることができる。
【0080】
尚、上述ではヒーター21をオンオフ制御するための基準となる所定の温度が異なる温度として説明したが、所定の温度が同一の温度であってもよい。
【0081】
また、上部ヒーター21a及び下部ヒーター21bをオンオフ制御に限定しなくてもよい。例えば、フード2の内部温度を低下させるように制御する場合には、上部ヒーター21a及び下部ヒーター21bの温度をフード2の内部温度を低下させるのに充分な所定の低温度に設定し、フード2の内部温度を上昇させるように制御する場合には、上部ヒーター21a及び下部ヒーター21bの温度をフード2の内部温度を上昇させるのに充分な所定の高温度に制御するのであってもよい。
【0082】
上述では、制御部11によってヒーター21a,21bがオンオフ制御されることでフード2の内部温度を制御するように説明したが、さらに、制御部11は、内部温度検出部122が検出したフード2の内部温度に基づいて、ヒーター21の温度が所定温度或いは所定の温度範囲(例えば、154℃〜157℃)となるようPID制御を行うことで、温度制御の精度をより向上させることができる。
【0083】
具体的には、制御部11は、目標とするフード2の内部温度に対応したヒーター21の目標設定温度を求める。ヒーター21の目標設定温度は、例えば、目標とするフード2の内部温度に対応するヒーター21の設定温度が決められて、予め記憶部に格納されたマップデータに基づいて求めればよい。
【0084】
内部温度検出部122が検出したフード2の内部温度に基づいて、現在のフード2の内部温度と、フード2の内部温度の目標値との温度差を求める。
【0085】
制御部11は、求められた温度差に基づいて、フード2の内部温度を目標温度とするためにPID制御を利用した演算によってヒーター21に供給すべき電力を求め、演算によって求められたヒーター21に供給すべき電力に対応する制御値を示す制御情報をフード制御部に通知する。
【0086】
フード制御部は、制御部11から通知された制御情報に基づいてヒーター21に供給する電力量を設定することで、フード2の内部温度が所定の温度範囲となるように制御される。
【0087】
制御部11は、例えば、シュリンク包装作業前のパレット積載物5がシュリンク包装処理位置に搬入されるまでの状態、及びシュリンク包装作業後にパレット積載物5が下流側に搬送されてから次のシュリンク包装作業が行われるまでフード2が上昇位置で停止した状態で、フード2の内部温度が所定温度となるようにPID制御を行う。
【0088】
一方、後述するシュリンク包装の直前のパレット積載物5のパレット温度が検出されている場合には、フード2がシュリンク包装位置にあるパレット積載物5を囲うように下降してシュリンク包装がなされている際に、制御部11によるPID制御は行われない。
【0089】
例えば、シュリンク包装がなされる間、フード2の内部温度よりもパレット温度が低温度であるためにフード2の内部温度が低下した場合であっても、PID制御が行われないので温度制御処理時間が短縮されて、フード2の内部温度を迅速に所定温度に到達させることができる。従って、フード2の内部温度の過剰な上昇により、熱収縮フィルムの張り不良が生じることのないよう、後述するようにパレット積載物5のパレット温度に基づいた下降停止継続時間が設定されてシュリンク包装処理がなされる。
【0090】
内部温度検出部122によって検出されたフード2の内部温度値に基づいて、内部温度が一定温度となるようPID制御するように構成されているので、内部温度の変動がより低減され、安定した温度制御を行うことができる。これにより、熱収縮フィルムの部分的な張りのバラつきをより低減させることができる。
【0091】
(パレット温度検出部)
パレット温度検出部123は、搬入されるパレット積載物5の温度であるパレット温度を検出して、制御部11に検出値を通知する。
【0092】
パレット温度検出部123には、表面温度検出部121と同様に非接触温度センサが設けられ、所定位置からパレット温度を検出する。
【0093】
パレット温度は、フード2の内部温度に影響するため、個々のパレット温度を加味してシュリンク包装がなされる必要がある。そのため、シュリンク包装処理位置に搬入されるパレット積載物5のパレット温度に基づいて、フード2が下降してパレット積載物5を加熱している時間である下降停止継続時間が設定される。
【0094】
下降停止継続時間は、パレット積載物5がシュリンク包装処理の直前に検出されたパレット温度に基づいて設定されることが最も好ましく、以降では、パレット温度検出部123が、フード2の配置されたシュリンク包装処理位置よりも上流側位置でパレット温度を検出するように構成された場合について説明する。
【0095】
図1に示すように、例えば、パレット温度検出部123は、シュリンク包装処理位置よりも上流側位置の上方からパレット温度を検出するように設置される。
【0096】
制御部11は、パレット温度検出部123によって検出されたパレット温度に基づいて、フード2の下降停止継続時間を決定する。
【0097】
下降停止継続時間Tは以下に示す式で求められる。
T=Tmax−K×t ・・・・(1)
T:下降停止継続時間(sec)
max:最大下降停止継続時間(sec)
K:係数
t:パレット温度(℃)
【0098】
最大下降停止継続時間Tmax及び係数Kは、場内雰囲気温度、ヒーター21の特性、フード2の内部温度の設定値、熱収縮フィルム53の種類及びパレット積載物5の寸法などから適宜設定されるものである。
【0099】
尚、場内雰囲気温度は、シュリンク包装処理がなされる場所において、図示しない温度センサなどで計測される温度を意味する。
【0100】
図7(c)に基づいて詳述すると、例えば、制御部11は、パレット温度検出部123によって検出されたパレット積載物5のパレット温度の通知がなされると、パレット温度をチェックし(SC1)、当該パレット温度に基づいて式(1)を用いることによりフード2の下降停止継続時間を算出する(SC2)。
【0101】
パレット積載物5の温度に基づいてフード2の下降時間を制御するように構成されているので、パレット積載物5をシュリンク包装するために必要な加熱時間を充分に確保することができ、温度が低下したパレット積載物5を加熱する場合であっても熱収縮フィルム53の張りが緩くなってしまうことがない。
【0102】
(反射板)
シュリンク包装装置100は、反射板3を設けてヒーター21の熱線を反射させ、パレット積載物5の底面に放射されるように構成することで、パレット積載物5の底面に熱収縮フィルム53をより適切に装着させることができる。
【0103】
例えば、本実施形態では、フード2の4側面下部に、ステンレス板などから形成された反射板3を設ける。さらに、フード2の反射板3と搬送処理部6との隙間を埋めるようにして、搬送処理部6にも反射板3が設けられる。
【0104】
図5に示すように、反射板3として、フード2の内側4面の下部に取り付けられ、下部ヒーター21bの輻射熱がパレット積載物5の底面に反射するように屈曲形成されてなる上部反射板31と、搬送処理部6の進行方向両側方に取り付けられ、上部ヒーター21aの輻射熱がパレット積載物5の底面に反射するように形成されてなる下部反射板32とが設けられる。
【0105】
フード2或いは搬送処理部6何れかに反射板3を取り付けてパレット積載物5の底面を加熱する構成であってもよいが、フード2及び搬送処理部6の両方に反射板3が取り付けられることにより、上部ヒーター21a及び下部ヒーター21bからの輻射熱を余すことなく、より有効活用してパレット積載物5の底面に反射させることができる。
【0106】
尚、上部反射板31及び下部反射板32と上部ヒーター21a及び下部ヒーター21bとの対応関係は、上述に限定されるものではなく、ヒーター21からの熱線が反射板3を利用してパレット積載物5の底面に放射されるような対応関係にあればよい。また、反射板3の構成についてもこれに限定されるものではない。
【0107】
ヒーター21からの熱線をパレット積載物5の底部に反射させる反射板3を設置するように構成されているので、ヒーター21の熱が比較的当たり難いパレット積載物5の底面部分であっても充分に加熱することができ、確実にパレット51の底部のシュリンク包装を行うことができる。
【0108】
(送風機)
シュリンク包装装置100は、フード2の下方に配置され、フード2の開口部へ送風可能に構成された送風機4を配置して構成することで、フード2の内部を冷却し、また、フード2の内部温度を均一化するように構成されるのであってもよい。
【0109】
例えば、パレット積載物5のシュリンク包装作業が完了して、シュリンク包装されたパレット積載物5がシュリンク包装処理位置から搬出された後、上昇位置で停止した状態のフード2の内部温度が所定の温度を超過すると、制御部11は、送風機4に設けたファン41を所定の時間(例えば、15秒)稼働させて、複数設けた送風口42からフード2内に送風するように構成する。
【0110】
本実施形態では、搬送処理部6の搬送方向両側方に、ファン41と複数の送風口42を備えた送風機4を設けている。フード2の内部を冷却して、フード2の内部温度をより均一化し易い構成となるので、搬送処理部6の両側方対象位置に送風機4を設けることが好ましいが、この構成に限定されるものではない。
【0111】
フード2の下方に送風機4を備えて構成されることで、フード2の温度が所定の温度を超過した場合には、フード2の内部に送風して冷却させることができる。また、フード2内の上方及び下方の内部空気を循環させるので、内部温度を均一化させることができる。
【0112】
送風機4には、サーキュレーターなどが好適に利用される。送風温度については特に限定されるものではないが、より高い冷却効果を得るには低温度で送風されることが好ましい。
【0113】
(温度制御方法)
図8に示すフローチャートに基づいて、シュリンク包装装置100における温度制御方法について説明する。
【0114】
シュリンク包装作業を行っていない場合に、フード2は、搬送処理部6に載置されたパレット積載物5がシュリンク包装位置に搬入されるまで、上限位置で上昇待機している。
【0115】
フード2が待機している間にも、表面温度検出部121は、フード2の外部からヒーター21の表面温度を検出して制御部11に検出結果を通知し、内部温度検出部122は、フード2の内部でフード2の内部温度を検出して制御部11に検出結果を通知している。
【0116】
その状態で、表面温度検出部121によって検出されたヒーター21の表面温度が所定の温度を満たしているか制御部11によって監視され(表面温度検出工程)、且つ内部温度検出部122によって検出されたフード2の内部温度が所定の温度範囲を満たしているか制御部11によって監視される(内部温度検出工程)(S11)。
【0117】
ステップS11で、制御部11は、ヒーター21の表面温度が所定の温度であり、且つフード2の内部温度が所定の温度範囲であれば、パレット積載物5の搬入を許可するように判定する(搬入許可判定工程)(S12)。
【0118】
制御部11は、パレット積載物5を搬入するよう搬送処理部6の駆動制御部に通知する。搬入されたパレット積載物5は、シュリンク包装処理位置のテーブルリフト61に移載されて上昇させられる。
【0119】
パレット積載物5がシュリンク包装処理位置に搬入されると、制御部11はフード制御部にフード2を下降するように通知し、フード2はフード制御部によってパレット積載物5を囲うように徐々に下降する(フード下降工程)。パレット積載物5に嵌装された熱収縮フィルム53は、フード2の下降に伴いヒーター21によって加熱され、上方から徐々に収縮されてパレット積載物5に装着され始める(加熱包装工程)(S13)。
【0120】
フード2が下限位置まで下降したことをフード制御部から通知されると、制御部11は、パレット温度検出工程で検出されたパレット温度に基づいて予め算出した下降停止継続時間だけフード2を下限位置で停止させる(S14)。フード2が下限位置で停止することで、更に熱収縮フィルム53を収縮させてパレット積載物5に装着させる。
【0121】
少なくとも、パレット積載物5のパレット温度を検出するパレット温度検出工程がパレット温度検出部123によって行われた後にパレット積載物5が搬入され、当該パレット温度検出工程で検出されたパレット温度に基づいた下降停止継続時間が制御部11によって算出された後にフード2が下限位置まで下降される。パレット積載物5に嵌装された熱収縮フィルム53は、パレット温度を加味して算出された下降停止継続時間でヒーター21によって加熱されて収縮される。
【0122】
フード2の下限位置での停止時間が下降停止継続時間に達すると(S15)、制御部11はフード制御部にフード2の上昇指示を通知して、フード制御部はフード2の上昇を開始する(S16)。ステップS15で、下降停止継続時間に満たなければ、制御部11は、下降停止継続時間に達するまで下限位置でフード2を待機する。
【0123】
制御部11は、フード2が上限位置まで上昇して停止したことが通知されると(S17)、パレット積載物5を下流に搬送させて、ステップS11に戻り、再び表面温度検出工程及び内部温度検出工程を実行して温度条件のチェックが行われる。
【0124】
従って、シュリンク包装処理がなされることで、フード2の内部温度が所定の温度よりも高くなってしまった場合であっても、送風機4をオンしてフード2内部を冷却し、フード2の内部温度を低下させることができる。
【0125】
尚、ステップS12において、ヒーター21の表面温度が所定の温度範囲を満たし、パレット積載物5が搬入されてフード2が下降する以前は、フード2の内部温度が一定となるようにPID制御が行われる。
【0126】
上述では、表面温度検出部121、内部温度検出部122及びパレット温度検出部123が温度制御装置1に設けられるように説明したが、この構成に限定されるものではない。例えば、表面温度検出部121、内部温度検出部122及びパレット温度検出部123が、フード2に設けられるように構成するのであってもよいし、上述した検出部121,122,123のうち何れかの検出部のみ、或いは2つの検出部のみを備える構成であってもよい。
【0127】
また、各検出部121,122,123での検出値に基づいて制御部11が判定などを行うように説明したが、各検出部121,122,123が検出値に基づいて判定を行い、判定結果を制御部11に通知するように構成するのであってもよい。
【0128】
例えば、上述した表面温度検出部121に更にマイクロコンピューターなどで構成される制御実行部を設け、検出したヒーター21の表面温度が期待する温度でない、或いは期待する温度範囲にあると判定すると、制御部11にパレット積載物5がシュリンク包装処理位置へ搬入許可状態にあることを通知するように構成すればよい。残りの検出部122,123に関しても同様に構成することで、制御部11の処理が各検出部121,122,123に分散されることになり、制御部11の処理負荷が低減されることになる。
【0129】
送風機4は制御部11によって制御されるように説明したが、これに限定されるものではなく、送風機4に別途制御部を設けて制御されるのであってもよいし、フード2及びヒーター21を制御するフード制御部によって制御されるのであってもよい。
【0130】
以上説明したように、フード2のヒーター21の表面温度を検出してパレット積載物5の搬入を制御するように構成されているので、シュリンク包装装置100の運転条件が変わっても、所定の温度条件でパレット積載物5が搬入されるように制御することができるので、熱収縮フィルムの張りのバラつきを防止することができる。また、熱収縮フィルム53の張り不良が低減することで、熱収縮フィルム53の張り直し作業が減少するので製造時の作業効率が向上する。
【0131】
上述したパレット積載物5はパレット51に缶体52が積層されたものと説明したが、これに限定されるものではなく、フード2を用いてシュリンク包装されるものであれば本発明に適用可能である。
【0132】
上述の説明中の数値については、いずれも設計事項であり、実施例に限定されるものではない。
【0133】
以上説明した実施形態は、本発明の一例に過ぎず、本発明の作用効果を奏する範囲において具体的構成などを適宜変更設計できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0134】
1…温度制御装置
2…フード
3…反射板
4…送風機
5…パレット積載物
6…搬送処理部
21…ヒーター
121…表面温度検出部
122…内部温度検出部
123…パレット温度検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレット積載物に嵌装された熱収縮フィルムを加熱してシュリンク包装するシュリンク包装装置であって、
前記パレット積載物を下流に搬送する搬送処理部と、
下方が開口した形状で昇降作動され、前記パレット積載物のシュリンク包装がなされるシュリンク包装処理位置に搬入された前記パレット積載物を囲うように下降するフードと、
前記フードに備えられるヒーターと、
前記ヒーターの表面温度を検出する表面温度検出部と、
前記表面温度検出部で検出された前記ヒーターの表面温度に基づいて、前記パレット積載物の前記シュリンク包装処理位置への搬入を許可する制御部と、
を備えることを特徴とするシュリンク包装装置。
【請求項2】
前記表面温度検出部は、前記フードの外部から前記ヒーターの表面温度を検出する非接触温度センサからなることを特徴とする請求項1に記載のシュリンク包装装置。
【請求項3】
前記フードの内部温度を検出する内部温度検出部を備え、
前記制御部は、前記内部温度検出部の検出値に基づいて、前記ヒーターを制御することを特徴とする請求項1または2に記載のシュリンク包装装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記内部温度検出部の検出値に基づいて、前記フードの内部温度が一定温度となるようにPID制御を行うことによって前記ヒーターを制御することを特徴とする請求項3に記載のシュリンク包装装置。
【請求項5】
前記パレット積載物の温度を検出するパレット温度検出部を備え、
前記制御部は、前記パレット温度検出部の検出値に基づいて、前記フードが下降している時間を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシュリンク包装装置。
【請求項6】
前記フードの内部側壁に配された前記ヒーターからの熱線を前記パレット積載物に反射させるための反射板を備え、
前記反射板は、反射した前記ヒーターからの熱線を前記パレット積載物の底部に放射させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシュリンク包装装置。
【請求項7】
上昇した前記フードの下方に送風機を備え、
前記送風機は、前記フードの内部に送風することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のシュリンク包装装置。
【請求項8】
パレット積載物に嵌装された熱収縮フィルムを加熱してシュリンク包装するシュリンク包装装置の温度制御方法であって、
搬送処理部の前記パレット積載物を下流に搬送する搬送工程と、
下方が開口した形状で昇降作動されるフードが、前記パレット積載物のシュリンク包装がなされるシュリンク包装処理位置に搬入された前記パレット積載物を囲うように下降するフード下降工程と、
前記フードに設けられたヒーターによって前記熱収縮フィルムを加熱する加熱包装工程と、
前記ヒーターの表面温度を検出する表面温度検出工程と、
前記表面温度検出工程で検出された前記ヒーターの表面温度に基づいて、前記パレット積載物の前記シュリンク包装処理位置への搬入を許可する搬入許可判定工程と、
を含むことを特徴とする温度制御方法。
【請求項9】
前記フードの内部温度を検出する内部温度検出工程を含み、
前記内部温度検出工程での検出値に基づいて、前記ヒーターを制御することを特徴とする請求項8に記載の温度制御方法。
【請求項10】
前記内部温度検出部の検出値に基づいて、前記フードの内部温度が一定温度となるようにPID制御を行うことによって前記ヒーターを制御することを特徴とする請求項9に記載の温度制御方法。
【請求項11】
前記パレット積載物の温度を検出して監視するパレット温度検出工程を含み、
前記パレット温度検出工程での検出値に基づいて、前記フードが下降している時間を制御することを特徴とする請求項8〜10に記載の温度制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−52901(P2013−52901A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192051(P2011−192051)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000186854)昭和アルミニウム缶株式会社 (155)