説明

シューズ式ローラースケートの車輪座装置

【課題】 部材の点数を減らすことができると共に、車輪座装置の全体構造を簡単化にすることができ、製造時における操作または組立の手順を減らすことができ、車輪座装置の操作性を確保できるシューズ式ローラースケートの車輪座装置を提供する。
【解決手段】 車輪座41の第一端辺は枢着部材33によって靴底本体1の基座3に枢着され、第二端辺は回動自在に上記車輪43に連接される。単一係止部材42は車輪座を選択的に収容位置または展開位置に係止させる。単一係止部材の主板421は靴底本体の基座に係止され、さらに二個の歯部422によって車輪座を収容位置または展開位置に係止したりまたは解放したりすることができる。車輪座装置には他に押圧桿14が含まれ、押圧桿によって単一係止部材を作動させることにより、上記車輪座を解放させることができる。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、シューズ式ローラースケートの車輪座装置に関するもので、特に単一係止部材を使用することによって車輪座装置全体の構造を簡単化にすると共に、車輪座装置の操作の確実性を確保することができるシューズ式ローラースケートの車輪座装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種のものにあっては、下記のようなものになっている。
【0003】
シューズ式ローラースケートの製造技術は切換自在なシューズ式ローラースケートの技術に進んでおり、従来の切換自在なシューズ式では歩行用シューズからローラースケートに切り換えることができる。そして切換自在式の車輪座は切換自在式のシューズとは一体になって固設するように設置されるため、さらに進んで一体成形の切換自在式のシューズを改良する必要性があり、さらに操作を簡単化にする必要もある。
【0004】
本出願人が2000年9月21日付で出願したアメリカ特許出願番号第09/666,454号「ローラースケートシューズの基座の構造」で開示したものの基座の構造は、少なくとも二個の区画室を有する基座、上記基座に設置された底板、およびそれぞれ区画室に設置された複数個の車輪座装置により構成される。
上記底板には底側に形成された複数個の車輪が含まれ、各車輪は車輪と結合した区画室に収容される。各車輪座装置は第一端辺を有して上記底板の底側に設置された回転座、第一端辺を有して上記回転座の第二端辺に枢着された車輪座、および回動自在に上記車輪座の第二端辺に設置された車輪により構成される。各車輪座は使用しない時においては上記区画室に連接された収容位置に回転することができ、そしてスケートを行なおうとする時、各車輪座を操作位置に回転させることにより、各車輪座を車輪と連結する底側に当接させることができると同時に、回動自在に各車輪座に附着された上記車輪は上記基座の外部に展開することができるため、スケートを行なうことができる。さらに、基座の構造には第一弾性部材、係止部材および第二弾性部材が含まれ、第一弾性部材には上記回転座に附着された第一端辺と上記車輪座の枢着部材に附着された第二端辺が形成されるため、上記車輪座を上記基座の収容位置まで加圧することができる。係止部材にはピンに設置された第一端辺と上記枢着部材が貫穿するための第二端辺が含まれる。
第二弾性部材は上記ピンに嵌設され、上記係止部材の係止体を他方の位置まで加圧することにより、上記車輪座に係止されるのを解放することができるため、上記車輪座および車輪が上記基座の外部へ展開されてスケートを行なう時、上記車輪座が上記基座内部の収容位置に移動するのを避けることができるように構成されている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
前述したアメリカ特許出願番号第09/666,454号「ローラースケートシューズの基座の構造」については、車輪座装置の第一弾性部材と第二弾性部材はその他の装置と一体になるように結合しなければならず、例えば、枢着部材とピンを結合しなければならないため、車輪座装置全体の構造は複雑になるという問題点があった。と同時に、車輪座装置に嵌設された第一弾性部材と第二弾性部材の結合体は製造上において複数個の操作または組立の手順が必要になるという問題点もあった。
【0006】
本考案は、このような問題点に鑑みて考案したものであって、その目的とするところは、単一係止部材によって車輪座装置を選択的に定位することができるため、部材の点数を減らすことができると共に、車輪座装置の全体構造を簡単化にすることができるシューズ式ローラースケートの車輪座装置を提供しようとするものである。
【0007】
本考案の第二の目的は、単一係止部材によって製造時においての操作または組立の手順を減らすことができるシューズ式ローラースケートの車輪座装置を提供しようとするものである。
【0008】
本考案の第三の目的は、単一係止部材は構造上において靴底本体の基座に係止されるため、車輪座装置の操作の確実性を確保することができるシューズ式ローラースケートの車輪座装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案によるシューズ式ローラースケートの車輪座装置は、下記のようになるものである。すなわち、 本考案のシューズ式ローラースケートの車輪座装置は、靴底本体の収容室に収容されると共に、車輪座、単一係止部材および車輪により構成される。車輪座には第一端辺と第二端辺が含まれ、第一端辺は基座に枢着されることにより、展開位置および収容位置の間に切り換えられることができる。単一係止部材には少なくとも一個の歯部が含まれ、歯部によって上記車輪座を係脱自在に展開位置または収容位置に係止させるように選択することができる。車輪は回動自在に車輪座の第二端辺に連接されることにより、スケートを行なうことができる。
【0010】
また、本考案のシューズ式ローラースケートの車輪座装置は、下記のように構成することもできる。
1.基座には長溝が凹設され、長溝は滑動自在に単一係止部材の主板を係止することができるように形成される。
2.単一係止部材は縦長のフレームからなる。
3.車輪座には二個の溝縁が予定された位置に設けられることにより、係脱自在に単一係止部材の歯部を係止することができるため、車輪座を収容位置または展開位置に係止させるように選択することができる。
4.押圧桿を更に含み、押圧桿によって単一係止部材を作動させることができると共に、押圧桿は伸びて孔に進入し、孔は靴底本体の収容室と連通して連結することができる。
5.押圧桿に二個の端辺が形成され、第一端辺は靴底本体の外周壁から露出するように形成され、第二端辺は単一係止部材と連接するように形成される。
6.弾性部材を更に含み、弾性部材は押圧桿に嵌設される。
7.車輪座は少なくとも一個のアーム部を有するフレームからなる。
8.車輪座は少なくとも二個のアーム部を有するフレームからなり、二個のアーム部は互いに平行して基板によって連結されるように形成される。
【0011】
【考案の実施の形態】
本考案の実施の形態について、以下、図面を参照して説明する。
【0012】
図1,2は本考案の実施例によるシューズ式ローラースケートの分解斜視図とシューズ式ローラースケートが収容位置に係止された状態の部分断面図で、本考案のシューズ式ローラースケートは、通常、靴底本体1、底板2、二個の基座3および二個の車輪座装置4により構成される。靴底本体1は二個の収容室11と框座12を含み、各收容室11には開口部が形成され、框座12に底板2を二個の収容室11の間に設置させることができる。各收容室11には孔13が穿設され、孔13によって靴底本体1の外周壁に連通することができる。押圧桿14には第一端辺と第二端辺が形成され、第一端辺は靴底本体1の外周壁から露出するように形成され、第二端辺は伸びて収容室11に進入するように形成される。弾性部材15は押圧桿14に嵌設される。基座3は基座3と結合した収容室11に収容されるため、車輪座装置4を収容したり展開したり係止したりすることができる。基座3には上壁31と環状壁32が含まれ、環状壁32には枢着部材33が枢着するための二個の軸孔が穿設され、上壁31の内周壁には長溝34凹設される。
【0013】
再び図1,2を参考し、本考案の実施例によるシューズ式ローラースケートの車輪座装置4は、主に、車輪座41、単一係止部材42および車輪43により構成される。車輪座41は框状に形成され、車輪座41には少なくとも一個のアーム部411が形成され、最良な実施の形態として二個のアーム部411が形成され、二個のアーム部411は互いに平行して基板412によって連結される。アーム部411は予定された位置には二個の溝縁413と414が形成される。車輪座41には第一端辺と第二端辺が含まれ、第一端辺は枢着部材33によって基座3に枢着されることができるため、展開位置および収容位置の間に切り換えられることができ、第二端辺は回動自在な車輪43と連接することにより、スケートをすることができる。単一係止部材42は縦長のフレームからなり、縦長のフレームには主板421と少なくとも一個の歯部422が形成され、最良な実施形態として二個の歯部422が形成される。組立てた後、単一係止部材42の主板421と基座3の長溝34は縦方向で結合するように形成されることにより、単一係止部材42は長溝34の中に制限されると共に、係止位置および解放位置の間で縦方向への滑動を行うことができる。このように、車輪座41は基座3に枢着されると共に、収容位置または展開位置に係止されるように選択することができる。
【0014】
図2,3は本考案の実施例によるシューズ式ローラースケートの収容位置に係止された状態の部分断面図とその3−3線に沿った断面図で、車輪座41が後へ収容位置まで移動して収容室11に進入した時、溝縁413は単一係止部材に近寄るように形成される。車輪座41が後へ所定の位置まで移動した時、単一係止部材42の歯部422は解放されて車輪座41の溝縁413に係止されることにより、車輪座装置4全体は靴底本体1の収容室11内部の収容位置に係止するように形成される。単一係止部材42は車輪座41を係止して展開位置に戻るのを防止することができる。
【0015】
図4は本考案の実施例によるシューズ式ローラースケートの単一係止部材が押圧されて展開位置から解放された状態の部分断面図で、最初に車輪座装置4はやはり収容位置に位置される。図4に示す如く、押圧桿14が軸方向へ押圧されて孔13に沿って適当な距離を移動することにより、単一係止部材42の歯部422は車輪座41の溝縁413を解放する。故に、車輪座41を収容位置から靴底本体1の収容室11外部の展開位置に切り換えることができる。
【0016】
図5は本考案の実施例によるシューズ式ローラースケートの展開位置に係止された状態の部分断面図で、車輪座41が前へ展開位置まで移動した時、単一係止部材42はやはり車輪座41から解放された関係を保っている。車輪座41が前へ所定の位置まで移動した時、単一係止部材42の歯部422は解放されて車輪座41の溝縁414を係止するように形成されるため、車輪座装置4全体は靴底本体1の収容室11外部の展開位置に係止される。
【0017】
【考案の効果】
本考案によれば、単一係止部材によって車輪座装置を選択的に定位することができるため、部材の点数を減らすことができると共に、車輪座装置の全体構造を簡単化にすることができる。また、単一係止部材によって製造時においての操作または組立の手順を減らすことができる。さらに、単一係止部材は構造上において靴底本体の基座に係止されるため、車輪座装置の操作の確実性を確保することができるという利点がある。
【0018】
本考案は、その精神及び必須の特徴事項から逸脱することなく他のやり方で実施することができる。従って、本明細書に記載した好ましい実施例は例示的なものであり、限定的なものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の実施例によるシューズ式ローラースケートの分解斜視図である。
【図2】 本考案の実施例によるシューズ式ローラースケートの収容位置に係止された状態の部分断面図である。
【図3】 図2の3−3線に沿った断面図である。
【図4】 本考案の実施例によるシューズ式ローラースケートの単一係止部材が押圧されて展開位置から解放された状態の部分断面図である。
【図5】 本考案の実施例によるシューズ式ローラースケートの展開位置に係止された状態の部分断面図である。
【符号の説明】
1 靴底本体 11 収容室
12 框座 13 孔
14 押圧桿 15 弾性部材
2 底板
3 基座 31 上壁
32 環状壁 33 枢着部材
34 長溝
4 車輪座装置 41 車輪座
411 アーム部 412 基板
413 溝縁 414 溝縁
42 単一係止部材 421 主板
422 歯部 43 車輪

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 靴底本体(1)の収容室(11)に収容されると共に、車輪座(41)、単一係止部材(42)および車輪(43)により構成されるシューズ式ローラースケートの車輪座装置であって、上記車輪座(41)には第一端辺と第二端辺が含まれ、第一端辺は基座(3)に枢着されることにより、展開位置および収容位置の間に切り換えられることができ、上記単一係止部材(42)は少なくとも一個の歯部(422)を含み、歯部(422)によって上記車輪座(41)を上記展開位置または収容位置に係脱自在に係止させるように選択することができ、上記車輪(43)は回動自在に上記車輪座(30)の第二端辺に連接されることにより、スケートを行なうことができるように形成されることを特徴とするシューズ式ローラースケートの車輪座装置。
【請求項2】 上記基座(3)には長溝(34)が凹設され、長溝(34)は滑動自在に単一係止部材(42)の主板(421)を係止することができるように形成されることを特徴とする請求項1記載のシューズ式ローラースケートの車輪座装置。
【請求項3】 上記単一係止部材(42)は縦長のフレームからなることを特徴とする請求項1記載のシューズ式ローラースケートの車輪座装置。
【請求項4】 上記車輪座(41)には二個の溝縁(413,414)が所定の位置に設けられることにより、単一係止部材(42)の歯部(422)を係脱自在に係止することができるため、車輪座(41)を上記収容位置または展開位置に係止させるように選択することができることを特徴とする請求項1記載のシューズ式ローラースケートの車輪座装置。
【請求項5】 押圧桿(14)を更に含み、押圧桿(14)によって上記単一係止部材(42)を作動させることができると共に、押圧桿(14)は伸びて孔(13)に進入し、孔(13)は靴底本体(1)の収容室(11)と連通して連結することができることを特徴とする請求項1記載のシューズ式ローラースケートの車輪座装置。
【請求項6】 上記押圧桿(14)には二個の端辺が形成され、第一端辺は上記靴底本体(1)の外周壁から露出するように形成され、第二端辺は上記単一係止部材(42)と連接するように形成されることを特徴とする請求項5記載のシューズ式ローラースケートの車輪座装置。
【請求項7】 弾性部材(15)を更に含み、弾性部材(15)は上記押圧桿(14)に嵌設されることを特徴とする請求項5記載のシューズ式ローラースケートの車輪座装置。
【請求項8】 上記車輪座(41)は少なくとも一個のアーム部(411)を有するフレームからなることを特徴とする請求項1記載のシューズ式ローラースケートの車輪座装置。
【請求項9】 上記車輪座(41)は少なくとも二個のアーム部(411)を有するフレームからなり、二個のアーム部(411)は互いに平行して基板(412)によって連結されるように形成されることを特徴とする請求項8記載のシューズ式ローラースケートの車輪座装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【登録番号】実用新案登録第3084478号(U3084478)
【登録日】平成13年12月19日(2001.12.19)
【発行日】平成14年3月22日(2002.3.22)
【考案の名称】シューズ式ローラースケートの車輪座装置
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2001−5819(U2001−5819)
【出願日】平成13年9月3日(2001.9.3)
【出願人】(599005756)