シューズ用ソールおよびシューズ
【課題】踵部分(50)を有してなるシューズ用ソールにおいて、費用効率的に製造でき、発泡材料を使用せずに踵部分に良好な緩衝特性を与える。
【解決手段】踵部分(50)が、足の踵に実質的に対応する形状を有するヒール・カップ(51)と、ヒール・カップ(51)の下に配置された複数の側壁(52)であって、他の側壁(52)とは別の後側壁を含む側壁と、側壁(52)の内の少なくとも1つを別の側壁(52)に連結する少なくとも1つの引張部材(53)とを有してなる。ヒール・カップ(51)、側壁(52)および少なくとも1つの引張部材(53)が単体として一体製造されている。
【解決手段】踵部分(50)が、足の踵に実質的に対応する形状を有するヒール・カップ(51)と、ヒール・カップ(51)の下に配置された複数の側壁(52)であって、他の側壁(52)とは別の後側壁を含む側壁と、側壁(52)の内の少なくとも1つを別の側壁(52)に連結する少なくとも1つの引張部材(53)とを有してなる。ヒール・カップ(51)、側壁(52)および少なくとも1つの引張部材(53)が単体として一体製造されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シューズ用ソール、特にミッドソール、およびシューズに関する。
【背景技術】
【0002】
シューズ、特にスポーツシューズのデザインにおいて、実現すべき、ある程度相反するデザイン目標が数多くある。一方では、スポーツシューズは、体に加わる負荷を緩衝し、生じた力に永久的に抵抗できるべきである。他方では、スポーツシューズは、アスリートの動きの軌道をできるだけわずかしか妨害しないように、軽量であるべきである。
【0003】
公知のスポーツシューズでは一般に、上述した所望の要件を満たすために、ソール区域に発泡材料を使用している。例えば、エチレン酢酸ビニル(EVA)から製造された発泡体は、地面からの反力を緩衝するのにうまく適した変形特性を有する。異なる密度を使用し、他のパラメータを変更することによって、そのような発泡体の動的性質は、異なるタイプのスポーツシューズにおける、または1つのスポーツシューズの異なる部分における異なる負荷を考慮して、幅広く変えることができる。
【0004】
しかしながら、発泡部材を持つシューズ用ソールには数多くの欠点がある。例えば、EVA発泡体の緩衝特性は、周囲の温度に著しく依存する。さらに、発泡緩衝部材の寿命は限られている。繰り返しの圧縮のために、発泡体のセル構造が劣化し、ソール部材が元の動的性質を失ってしまう。ランニング・シューズの場合、この影響は、約250km走った後に早くも生じてしまう。さらに、異なる密度を持つ発泡ソール部材を備えたシューズの製造には費用が非常にかかるので、均一なEVA発泡体から製造された連続ミッドソールしか備えていないシューズが製造されることが多い。特に、より大きな密度を持つ硬質発泡体の、比較的重い質量もさらに別の欠点である。最後に、より大きなデザインは同時に動的性質の望ましくない変化を伴うので、発泡材料のソール部材は、異なるシューズのサイズに適用するのが難しい。
【0005】
したがって、長年に亘り、公知の発泡材料を、軽い質量で同様のまたは良好な緩衝特性を与える他のソール構造であって、温度の影響を受けず、費用効率的に製造でき、長い寿命を持つソール構造により置き換えることが試みられてきた。
【0006】
例えば、本出願の出願人の特許文献1から5には、このタイプの構造が開示されている。それ以外に、類似のソール構造がコーヘン(Cohen)の特許文献6に開示されている。
【0007】
しかしながら、従来技術の発泡体を含まないソール・デザインは、これまで賛同を得ていない。主な理由は、EVA発泡体の優れた緩衝特性がそのようなデザインでは十分に達成されていないことにある。このことは、特に、ソールに作用する地面からの反力が、アスリートの体重の数倍を超えることがある最大値に到達する踵部分に当てはまる。
【特許文献1】独国特許出願公開第4114551A1号明細書
【特許文献2】独国公開DE−GBM9210113号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第4035416A1号明細書
【特許文献4】欧州特許第0741529B1号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第10234913A1号明細書
【特許文献6】独国特許出願公開第3810930A1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の課題は、費用効率的に製造でき、所望であれば、もはや発泡材料を使用する必要がないように、発泡材料を使用せずに踵部分に良好な緩衝特性を与えるシューズ用ソールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、踵部分を持つシューズ用ソールによりこの問題を解決する。この踵部分は、それぞれ、足の踵の形状に実質的に対応する形状を有する、ヒール・カップまたはヒール・リムを有してなる。踵部分はさらに、それぞれヒール・カップまたはヒール・リムの下に配置された複数の側壁、および少なくとも1つの側壁を別の側壁もしくはヒール・カップまたはヒール・リムに連結する少なくとも1つの引張部材を有する。ヒール・カップまたはヒール・リム、複数の側壁および少なくとも1つの引張部材は、単体として一体に製造される。
【0010】
それぞれヒール・カップまたはヒール・リム、その下に配置された側壁および連結引張部材の本発明の組合せのために、足の運びの周期における最初の地面の接触による荷重は、側壁の好ましく弾性的に曲がる剛性によるだけでなく、側壁の曲げに対して作用する引張部材の好ましくは弾性の伸張性によって効果的に緩衝される。
【0011】
上述した部材は、それぞれヒール・カップまたはヒール・リムと共に単体として設けられているので、高度の構造安定性が得られ、踵部分の変形運動中に踵がしっかりと導かれる。したがって、過度の回内や回外によって生じる足または膝の怪我が防げる。さらに、本発明により単体として提供すると、例えば、一種類以上の適切なプラスチック材料を用いて1つの部材を射出成形することによって、非常に費用効果的な製造が可能になる。試験により、本発明による踵部分が、発泡緩衝要素から製造された踵構造よりその4倍長い寿命を有することが示された。
【0012】
単体踵部分が、引張部材によって連結された外側壁および内側壁を有することが好ましい。その結果、上からの2つの側壁への圧力荷重が、引張部材への引張荷重に変換される。したがって、この引張部材の材料特性を変化させることによって、地面の反力に対する踵部分の動的応答特性を容易に変えることができる。したがって、ここに説明したシューズ用ソールによって、異なる種類のスポーツの要件またはある使用者の特別の要件に容易に応じられる。このことは、異なる複数の特性を持つシューズ用ソールに1つの射出成形型を使用すべきであるので、射出成形による単体部材の製造に関して特に当てはまる。
【0013】
単体踵部分が、ある実施の形態において、好ましくは中央切抜き(cut-out)を有する、好ましくは別個の後側壁を有することが好ましい。この切抜きのサイズと配列が、本発明によるシューズ用ソールの最初の地面との接触中の緩衝特性に影響を与える。引張部材が、後側壁を含む全ての側壁を連結することが好ましい。緩衝挙動はさらに、異なる厚さの側壁により、また側壁の湾曲を変更することにより、適応されるであろう。さらに別の可能性は、異なる材料、例えば、異なる硬度の材料を上述したように使用することである。
【0014】
後側壁の上述した切抜き以外に、他の側壁に代わりのまたは追加のさらに別の切抜きを配置してもよい(図示せず)。緩衝特性の適合以外に、質量を減少させることができる。踵部分の側壁と他の部材のデザインおよび切抜きの正確な配列は、限定部材モデルによって最適化される。
【0015】
特に好ましい実施の形態において、引張部材は、ヒール・カップの下に延在し、ヒール・カップの下面の中央領域に連結している。この追加の連結によって、単体踵部分の安定性がさらに増す。
【0016】
単体踵部分が、少なくとも2つの側壁の下側縁を連結する実質的に水平な接地面をさらに有することが好ましい。さらに、単体踵部分が、接地面から側壁に傾斜した向きで延在する少なくとも1つの補強部材を有することが好ましい。接地面の中央領域から側壁に延在する好ましくは少なくとも2つの補強部材であって、それぞれが引張部材として同じ区域で終わっている補強部材を好ましくは対称に配列することが特に好ましい。その結果、単体踵部分は、圧縮下での高い安定性につながり、ソールの動きを剪断変形させる、全体で骨組み状構造を有する。
【0017】
踵部分が発泡材料を含まないことが好ましい。しかしながら、緩衝特性をさらに改善するために、単体踵部分の空洞に発泡材料を充填することも考えられる。
【0018】
本発明によるシューズ用ソールのさらに別の改良が、従属請求項に定義されている。
【0019】
さらに別の態様によれば、本発明は、上述したシューズ用ソールの内の1つを含むシューズに関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明によるソールおよび踵部分の実施の形態を、スポーツシューズ用のソールを参照してさらに説明する。しかしながら、本発明は、良好な緩衝特性、軽量および長い寿命を有することが意図される他のタイプのシューズに用いても差し支えないことが理解されよう。
【0021】
図1aは、発泡緩衝部材を実質的に含まないソール10を備えたシューズ1の側面図を示している。ハニカム状形状の個々の緩衝部材20がソールの長手方向に沿って配列されて、発泡EVAミッドソールにより提供される、スポーツシューズに一般的な緩衝機能と誘導機能を提供しているのが分かる。個々の緩衝部材20の上側は、アッパー30の下側、またはシューズのアッパー30と緩衝部材20との間に配置される荷重配分プレート(図示せず)のいずれかに、接着、溶着などによって、付着されている。あるいは、個々の緩衝部材20は、荷重配分プレートと一体に製造されていても差し支えない。
【0022】
個々の緩衝部材20の下側が、図1bに例示されている、連続アウトソール40に類似の様式で連結されている。連続アウトソール40の代わりに、各緩衝部材20が別個のアウトソール・セクション(図示せず)を有していても差し支えない。本発明のシューズ用ソールのある実施の形態において、緩衝部材20は、特許文献5から知られているように、構造要素である。
【0023】
図1aおよび1bに示されたソール構造は、各足の運びの周期における最初の地面との接触中に最大の荷重にさらされる。ランナーのほとんどは、最初に、中足部分による転がしおよび前足部分による押出しの前に、踵で地面に接触する。したがって、図1aおよび1bの発泡体を含まないソール10の踵部分50は最大の荷重にさらされる。
【0024】
図2は、踵部分50の第1の実施の形態の詳細を示している。踵部分50は、以下詳細に説明されるように、シューズ用ソール10の他のデザインとは独立して使用できる。この踵部分は、例えば、上述した緩衝部材20の代わりに1つ以上の一般的な発泡緩衝部材(図示せず)が用いられているシューズ用ソールに用いてもよい。
【0025】
2つの実質的に垂直に延在する側壁52が、内側と外側で下方から、および後方から、踵(図示せず)を取り囲む、解剖学的形状のヒール・カップ51の下に配置されている。側壁52の一方が外側に延在し、他方が内側に延在している。側壁52はすでに、外側にわずかに湾曲した、すなわち、外から見たときに凸状である、踵部分50の初期構造にあることが好ましい。この湾曲は、踵部分50全体が圧縮されるとさらに増加する。
【0026】
引張部材53としてのほぼ水平の表面が、ヒール・カップ51の下に配置され、内側壁52の中心から外側壁52の中心に実質的に延在している。踵部分50への荷重の下(図2の垂直の矢印)、2つの側壁52が外側方向に湾曲すると、引張部材53が張力にさらされる(図2の水平の矢印)。その結果、例えば、ソール10の地面との接触中に、踵部分の動的応答特性が、側壁52の曲げ剛性と引張部材53の伸張性との組合せによって決まる第1の概算にある。例えば、より厚い引張部材53および/または使用される材料のために伸張に一層大きな力を必要とする引張部材53のために、踵部分50のより強力な緩衝特性が得られる。
【0027】
以下にさらに説明する、引張部材53および補強部材61、並びに側壁52および踵部分50のさらに別の構成部材は、説明する好ましい実施の形態において、平面部材として提供される。しかしながら、そのようなデザインは必ずしも必要ない。反対に、例えば、引張支柱などとして、前記部材の1つ以上を別のデザインで提供することも認められる。
【0028】
引張部材53が、側壁の湾曲の中心点で側壁52に連結されていることが好ましい。引張部材がないと、踵部分への荷重中に、外側に最大の膨らみが生じるであろうから、ここでは引張部材が最も効果的である。一般に5〜10mmの範囲にある好ましくは平面の引張部材の厚さは、例えば、約5%から15%だけ、側壁に向かって徐々に増加する。引張部材53は、2つの側壁の間の中央で最小の厚さを有する。引張部材53と側壁52との間の連結のこのような補強によって、この位置で材料が破損する虞が減る。
【0029】
さらに、図2は、引張部材53およびヒール・カップ51の下面が、好ましい実施の形態において、中央領域55で連結されていることを示している。特に、踵部分50への剪断荷重の場合、そのような荷重は、走る向きを突然変えるときに起こるので(例えば、バスケットボールなどのスポーツにおけるように)、ヒール・カップ51と引張部材53との連結が有利であることが分かった。バスケットボール・シューズに特に適した別の実施の形態を、後に図11a、11bを参照してさらに説明する。
【0030】
さらに、図2および3は、骨組みにおけるように、ヒール・カップ51の下で踵部分50を安定化させるように働く追加の表面を開示している。内側壁と外側壁52の下側の縁を連結する接地面60が見える。上側縁でヒール・カップ51と、中央で引張部材53と共に、接地面60が、内側壁および外側壁52の構造を画成する。それゆえ、接地面はさらに、高く跳躍した後の着地などのピーク荷重の場合、踵部分50が壊れるのを防ぐのに寄与する。
【0031】
さらに、追加のソール層、例えば、図1aおよび1bに示すようなアウトソール40、または追加の緩衝層(図示せず)を接地面60に取り付けても差し支えない。そのようなさらに別の緩衝層は、上述した踵部分上に、代わりにまたは追加に配置されていてもよい。
【0032】
単体踵部分50の接地面60はそれ自体、アウトソールの機能を直接有し、適切なプロファイル(図示せず)を有していてよい。このことは、特別に軽量のシューズを提供すべき場合に、特に意味のあることである。図2および3に示したように、接地面60の外周は、例えば、比較的幅の狭いシューズのために接地面により広い領域を提供すべき場合、側壁52の下側の縁を超えている。
【0033】
さらに、図2および3は、接地面の中央から外側の傾斜した向きで側壁52にほぼ延在する2つの補強部材61を開示している。補強部材61は引張部材53の真下で側壁52に係合している。補強部材61はそれによって、踵部分50への圧力荷重の下で側壁52の変形を追加に安定化する。さらに、有限要素分析に関する研究によって、補強部材61が、上述した剪断荷重にさらされた場合、踵部分50を著しく安定化することが示された。
【0034】
図4および5は、図2および3の踵部分50の後方部分を示している。踵部分50の後端、それゆえシューズ用ソール10の後端を形成する実質的に垂直な後側壁70が示されている。側壁52の場合におけるように、後側壁70は、踵部分50が圧縮されたときに、外側に湾曲する。したがって、引張部材53も、上から(例えば、図5の垂直の矢印)の荷重の場合、後側壁70のさらなる湾曲によって、引張部材53が後方に伸張するように(例えば、図5の水平の矢印)後側壁70に連結されている。
【0035】
後側壁70の場合でも、引張部材53は中央区域に実質的に係合している。図2から5の実施の形態においては、補強部材61は後側壁70には連結していないが、補強部材61を、側壁52と同様に、後側壁70に延在させて、踵部分50をさらに補強することが考えられる。
【0036】
さらに、図5はこの実施の形態のさらなる詳細を示している。接地面60の最後方セクション65は、地面との接触および滑らかな転がり(roll off)を促進するようにわずかに上方に角度が付けられている。
【0037】
図6から8は、先に詳述した実施の形態の改変を示している。以下において、図2から5の踵部分と比較したこれらの実施の形態の差のみを説明する。
【0038】
図6は、切抜き71が後側壁70に配置されている踵部分を示している。切抜き71の形状とサイズが、地面との接触中の踵部分50の剛性に影響を与えることができる。このことが図9および10に示されている。図9は、INSTRON測定装置を用いてある距離だけ踵部分50を垂直に圧縮するのに必要な力(Y軸)を示している。このINSTRON測定装置は、張力、圧縮、曲げおよび摩擦などの下での材料の性質を試験するための、当業者に公知の一般的な試験機器である。両方の実施の形態はほぼ線形のグラフを示している、すなわち、緩衝特性は滑らかであり、6mmまでの大きいゆがみでさえも、踵部分50はつぶれない。より詳しい検査によって、図6の踵部分50が、切抜き71のために、わずかに低い剛性を有する、すなわち、同じゆがみで、わずかに小さい復元力になることが示されている。
【0039】
類似の結果が角負荷試験により得られた。その結果が図10に示されている。この検査において、プレートは、最初に、ソールの平面に関して30°の角度で踵部分50の後方縁と接触している。その後、角度を減少させて、踵部分50の復元力を測定する。このとき、踵部分50は、プレートの回転点に関して固定されたままである。この検査構成は、地面との接触および転がりの最中の状況を、単独の垂直荷重よりも現実的な様式で反映している。
【0040】
ここでも、後側壁70に切抜き71を有する実施の形態は、図2〜5の実施の形態よりもわずかに小さい復元力を提供している。両方の実施の形態について、このグラフは、広い範囲に亘り(23°まで)ほぼ線形である。
【0041】
図2〜6の実施の形態はシューズ用ソール10の縦軸に関して実質的に対称であるが、図7はさらに別の実施の形態の正面図を示している。ここでは、側壁52’は、他の側壁52よりも高い。より高い側壁52’が踵部分50の内側か外側に配置されているかに応じて、例えば、回内や回外の影響を弱めるために、足を、地面との接触中に特定の方向にもっていくことができる。
【0042】
最後に、図8a〜hは、本発明のさらに別の複数の実施の形態の正面図を開示しており、ここでは、上述した部材が改変されている。
【0043】
− 図8aにおいて、ヒール・カップ51の下に、2つの別個の構造体が内側と外側に配置されている。その結果、外側壁と内側壁52,並びに独立した内側と外側の引張部材53”に加えて、2つの追加の中央側壁52”が得られる。また、この実施の形態において、接地面60”が2つの部分に分割されている。
【0044】
− 図8bは、補強部材61を持たず、ヒール・カップ51’および引張部材53’の間の連結を持たない単純な実施の形態を示している。そのような構成は、上述した実施の形態よりも軽量であり、軟らかい。しかしながら、剪断荷重に対する安定性が低い。
【0045】
− 反対に、図8cの実施の形態は、ヒール・カップ51’と接地面60との間の空洞を対角線上に架橋している4つの補強部材61’が一緒に与えられているので、特に安定である。
【0046】
− 図8d〜8fの実施の形態は、図2〜5の上述した実施の形態に類似している。しかしながら、追加の補強部材61’が、それ自体は引張部材53’に直接は連結されていないヒール・カップ51の中央領域55’と引張部材53’との間に延在するように配置されている。これら3つの実施の形態は、補強部材61’から引張部材53’への接続が異なっている。図8dの実施の形態において、接続点は、引張部材53”の外側と内側の縁にあるが、図8e、および特に図8fの実施の形態においては、引張部材53’の中央にさらに動かされている。
【0047】
− 図8gおよび8hの実施の形態は、第1の引張部材53の下に第2の引張部材53’を有する。第1の引張部材53はこれらの実施の形態においてはわずかに上方に湾曲しているが、第2の引張部材53’は下方に向いた湾曲を有する。図8gの実施の形態において、第2の引張部材53’は、第1の引張部材53と同様の様式で、内側壁と外側壁との間の全距離を架橋している。図8hの実施の形態において、第2の引張部材53’は、実質的に補強部材61の中点間に延在している。
【0048】
図11aおよび11bは、特にバスケットボール・シューズに使用するのに適した、さらに好ましい実施の形態を示している。図11aから直ちに分かるように、バスケットボールにおいて生じる著しい圧縮と剪断荷重に対して構造体を補強するために、2つの追加の内側壁56が設けられている。図11bは、この実施の形態が、上述したように、より高い圧縮安定性を達成する連続した後側壁70を有することを示している。概して、比較的平らな構成で特に安定な構造が得られる。これは、必要であれば、追加の内側側壁56(図示せず)の配置によってさらに補強してもよい。
【0049】
図12は、連続したヒール・カップ51の代わりに、ヒール・リム51”が配置されているさらに別の実施の形態を示している。踵部分の緩衝動作中に足をしっかりと導くために、上述した実施の形態からのヒール・カップ51のように、ヒール・リム51”は解剖学的形状を有する、すなわち、人間の踵の形状に実質的に対応する湾曲を有する。したがって、ヒール・リムも、足を内側と外側から、そして後方から取り囲む。ヒール・リムは、実施の形態に応じて、異なるサイズのものであってよい中央の切抜き58だけ、ヒール・カップとは異なる。この差によって、特別な緩衝特徴を達成するために、踵の踵骨の真下のさらに別の緩衝部材の、例えば、発泡材料の配置が可能になる。
【0050】
最後に、図13の実施の形態において、上述した実施の形態のわずかに曲げられた側壁52の代わりに、角度のついた側壁52”’が用いられている。さらに、この実施の形態の引張部材は、2つの側壁52”’を直接連結していないが、2つの引張部材53”’のの各々が1つの側壁52”’をヒール・カップ51に連結している。図13と図12の点線は、これらの2つの実施の形態において追加の接地面60を提供してもよいことを示している。
【0051】
上述したヒール・カップ50の改変を複数考えられることが分かる。したがって、上述した実施の形態は例示と考えるべきであり、ヒール・カップ、側壁、引張部材、補強部材および接地面の組合せがさらにたくさんある。
【0052】
最後に、上述した部材の構成から生じる複数の空洞を、緩衝のために用いてもよい。この目的のために、空洞は気密様式で封止されていても、または、例えば、発泡材料、ゲルなどから製造された追加の緩衝部材が空洞の内部に配置されて(図示せず)いてもよい。
【0053】
踵部分の下の骨格状構造の幾何学的配置は別にして、踵部分の動的性質を決定するのは、材料の選択である。踵部分の一体に連結された部材は、適切な熱可塑性ウレタン(TPU)を射出成形することによって製造することが好ましい。所望であれば、高い引張荷重にさらされる、引張部材などの特定の部材は、踵部分50の残りとは異なるプラスチック材料から製造して差し支えない。単体踵部分50にさらに別のプラスチック材料を使用することは、いくつかのスプルーを持つ適切な射出成形器具によって、または1つのスプルーによる共射出成形によって、もしくは二種類以上のプラスチック材料の連続射出成形によって、容易に達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1a】本発明によるシューズの実施の形態の側面図
【図1b】本発明によるシューズの実施の形態の底面図
【図2】図1のシューズ用ソールの踵部分の第1の実施の形態の詳細正面図
【図3】図2の踵部分の斜視図
【図4】図2の踵部分の背面図
【図5】図2の踵部分の側面図
【図6】踵部分のさらに別の実施の形態の背面図
【図7】踵部分のさらに別の実施の形態の正面図
【図8】踵部分のさらに別の実施の形態の概略図
【図9】図2および図6の踵部分の実施の形態の垂直変形特性を比較するグラフ
【図10】踵部分の接触縁への負荷の下での図2および図6の踵部分の実施の形態の変形特性を比較するグラフ
【図11a】バスケットボール・シューズに特に適した、踵部分のさらに別の実施の形態の斜視図
【図11b】バスケットボール・シューズに特に適した、踵部分のさらに別の実施の形態の背面図
【図12】ヒール・カップの代わりのヒール・リムを有するさらに別の実施の形態の概略図
【図13】側壁とヒール・カップとの間に延在する、引張部材および角度付き側壁を有するさらに別の実施の形態の概略図
【符号の説明】
【0055】
1 シューズ
10 ソール
20 緩衝部材
40 アウトソール
50 踵部分
【技術分野】
【0001】
本発明は、シューズ用ソール、特にミッドソール、およびシューズに関する。
【背景技術】
【0002】
シューズ、特にスポーツシューズのデザインにおいて、実現すべき、ある程度相反するデザイン目標が数多くある。一方では、スポーツシューズは、体に加わる負荷を緩衝し、生じた力に永久的に抵抗できるべきである。他方では、スポーツシューズは、アスリートの動きの軌道をできるだけわずかしか妨害しないように、軽量であるべきである。
【0003】
公知のスポーツシューズでは一般に、上述した所望の要件を満たすために、ソール区域に発泡材料を使用している。例えば、エチレン酢酸ビニル(EVA)から製造された発泡体は、地面からの反力を緩衝するのにうまく適した変形特性を有する。異なる密度を使用し、他のパラメータを変更することによって、そのような発泡体の動的性質は、異なるタイプのスポーツシューズにおける、または1つのスポーツシューズの異なる部分における異なる負荷を考慮して、幅広く変えることができる。
【0004】
しかしながら、発泡部材を持つシューズ用ソールには数多くの欠点がある。例えば、EVA発泡体の緩衝特性は、周囲の温度に著しく依存する。さらに、発泡緩衝部材の寿命は限られている。繰り返しの圧縮のために、発泡体のセル構造が劣化し、ソール部材が元の動的性質を失ってしまう。ランニング・シューズの場合、この影響は、約250km走った後に早くも生じてしまう。さらに、異なる密度を持つ発泡ソール部材を備えたシューズの製造には費用が非常にかかるので、均一なEVA発泡体から製造された連続ミッドソールしか備えていないシューズが製造されることが多い。特に、より大きな密度を持つ硬質発泡体の、比較的重い質量もさらに別の欠点である。最後に、より大きなデザインは同時に動的性質の望ましくない変化を伴うので、発泡材料のソール部材は、異なるシューズのサイズに適用するのが難しい。
【0005】
したがって、長年に亘り、公知の発泡材料を、軽い質量で同様のまたは良好な緩衝特性を与える他のソール構造であって、温度の影響を受けず、費用効率的に製造でき、長い寿命を持つソール構造により置き換えることが試みられてきた。
【0006】
例えば、本出願の出願人の特許文献1から5には、このタイプの構造が開示されている。それ以外に、類似のソール構造がコーヘン(Cohen)の特許文献6に開示されている。
【0007】
しかしながら、従来技術の発泡体を含まないソール・デザインは、これまで賛同を得ていない。主な理由は、EVA発泡体の優れた緩衝特性がそのようなデザインでは十分に達成されていないことにある。このことは、特に、ソールに作用する地面からの反力が、アスリートの体重の数倍を超えることがある最大値に到達する踵部分に当てはまる。
【特許文献1】独国特許出願公開第4114551A1号明細書
【特許文献2】独国公開DE−GBM9210113号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第4035416A1号明細書
【特許文献4】欧州特許第0741529B1号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第10234913A1号明細書
【特許文献6】独国特許出願公開第3810930A1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の課題は、費用効率的に製造でき、所望であれば、もはや発泡材料を使用する必要がないように、発泡材料を使用せずに踵部分に良好な緩衝特性を与えるシューズ用ソールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、踵部分を持つシューズ用ソールによりこの問題を解決する。この踵部分は、それぞれ、足の踵の形状に実質的に対応する形状を有する、ヒール・カップまたはヒール・リムを有してなる。踵部分はさらに、それぞれヒール・カップまたはヒール・リムの下に配置された複数の側壁、および少なくとも1つの側壁を別の側壁もしくはヒール・カップまたはヒール・リムに連結する少なくとも1つの引張部材を有する。ヒール・カップまたはヒール・リム、複数の側壁および少なくとも1つの引張部材は、単体として一体に製造される。
【0010】
それぞれヒール・カップまたはヒール・リム、その下に配置された側壁および連結引張部材の本発明の組合せのために、足の運びの周期における最初の地面の接触による荷重は、側壁の好ましく弾性的に曲がる剛性によるだけでなく、側壁の曲げに対して作用する引張部材の好ましくは弾性の伸張性によって効果的に緩衝される。
【0011】
上述した部材は、それぞれヒール・カップまたはヒール・リムと共に単体として設けられているので、高度の構造安定性が得られ、踵部分の変形運動中に踵がしっかりと導かれる。したがって、過度の回内や回外によって生じる足または膝の怪我が防げる。さらに、本発明により単体として提供すると、例えば、一種類以上の適切なプラスチック材料を用いて1つの部材を射出成形することによって、非常に費用効果的な製造が可能になる。試験により、本発明による踵部分が、発泡緩衝要素から製造された踵構造よりその4倍長い寿命を有することが示された。
【0012】
単体踵部分が、引張部材によって連結された外側壁および内側壁を有することが好ましい。その結果、上からの2つの側壁への圧力荷重が、引張部材への引張荷重に変換される。したがって、この引張部材の材料特性を変化させることによって、地面の反力に対する踵部分の動的応答特性を容易に変えることができる。したがって、ここに説明したシューズ用ソールによって、異なる種類のスポーツの要件またはある使用者の特別の要件に容易に応じられる。このことは、異なる複数の特性を持つシューズ用ソールに1つの射出成形型を使用すべきであるので、射出成形による単体部材の製造に関して特に当てはまる。
【0013】
単体踵部分が、ある実施の形態において、好ましくは中央切抜き(cut-out)を有する、好ましくは別個の後側壁を有することが好ましい。この切抜きのサイズと配列が、本発明によるシューズ用ソールの最初の地面との接触中の緩衝特性に影響を与える。引張部材が、後側壁を含む全ての側壁を連結することが好ましい。緩衝挙動はさらに、異なる厚さの側壁により、また側壁の湾曲を変更することにより、適応されるであろう。さらに別の可能性は、異なる材料、例えば、異なる硬度の材料を上述したように使用することである。
【0014】
後側壁の上述した切抜き以外に、他の側壁に代わりのまたは追加のさらに別の切抜きを配置してもよい(図示せず)。緩衝特性の適合以外に、質量を減少させることができる。踵部分の側壁と他の部材のデザインおよび切抜きの正確な配列は、限定部材モデルによって最適化される。
【0015】
特に好ましい実施の形態において、引張部材は、ヒール・カップの下に延在し、ヒール・カップの下面の中央領域に連結している。この追加の連結によって、単体踵部分の安定性がさらに増す。
【0016】
単体踵部分が、少なくとも2つの側壁の下側縁を連結する実質的に水平な接地面をさらに有することが好ましい。さらに、単体踵部分が、接地面から側壁に傾斜した向きで延在する少なくとも1つの補強部材を有することが好ましい。接地面の中央領域から側壁に延在する好ましくは少なくとも2つの補強部材であって、それぞれが引張部材として同じ区域で終わっている補強部材を好ましくは対称に配列することが特に好ましい。その結果、単体踵部分は、圧縮下での高い安定性につながり、ソールの動きを剪断変形させる、全体で骨組み状構造を有する。
【0017】
踵部分が発泡材料を含まないことが好ましい。しかしながら、緩衝特性をさらに改善するために、単体踵部分の空洞に発泡材料を充填することも考えられる。
【0018】
本発明によるシューズ用ソールのさらに別の改良が、従属請求項に定義されている。
【0019】
さらに別の態様によれば、本発明は、上述したシューズ用ソールの内の1つを含むシューズに関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明によるソールおよび踵部分の実施の形態を、スポーツシューズ用のソールを参照してさらに説明する。しかしながら、本発明は、良好な緩衝特性、軽量および長い寿命を有することが意図される他のタイプのシューズに用いても差し支えないことが理解されよう。
【0021】
図1aは、発泡緩衝部材を実質的に含まないソール10を備えたシューズ1の側面図を示している。ハニカム状形状の個々の緩衝部材20がソールの長手方向に沿って配列されて、発泡EVAミッドソールにより提供される、スポーツシューズに一般的な緩衝機能と誘導機能を提供しているのが分かる。個々の緩衝部材20の上側は、アッパー30の下側、またはシューズのアッパー30と緩衝部材20との間に配置される荷重配分プレート(図示せず)のいずれかに、接着、溶着などによって、付着されている。あるいは、個々の緩衝部材20は、荷重配分プレートと一体に製造されていても差し支えない。
【0022】
個々の緩衝部材20の下側が、図1bに例示されている、連続アウトソール40に類似の様式で連結されている。連続アウトソール40の代わりに、各緩衝部材20が別個のアウトソール・セクション(図示せず)を有していても差し支えない。本発明のシューズ用ソールのある実施の形態において、緩衝部材20は、特許文献5から知られているように、構造要素である。
【0023】
図1aおよび1bに示されたソール構造は、各足の運びの周期における最初の地面との接触中に最大の荷重にさらされる。ランナーのほとんどは、最初に、中足部分による転がしおよび前足部分による押出しの前に、踵で地面に接触する。したがって、図1aおよび1bの発泡体を含まないソール10の踵部分50は最大の荷重にさらされる。
【0024】
図2は、踵部分50の第1の実施の形態の詳細を示している。踵部分50は、以下詳細に説明されるように、シューズ用ソール10の他のデザインとは独立して使用できる。この踵部分は、例えば、上述した緩衝部材20の代わりに1つ以上の一般的な発泡緩衝部材(図示せず)が用いられているシューズ用ソールに用いてもよい。
【0025】
2つの実質的に垂直に延在する側壁52が、内側と外側で下方から、および後方から、踵(図示せず)を取り囲む、解剖学的形状のヒール・カップ51の下に配置されている。側壁52の一方が外側に延在し、他方が内側に延在している。側壁52はすでに、外側にわずかに湾曲した、すなわち、外から見たときに凸状である、踵部分50の初期構造にあることが好ましい。この湾曲は、踵部分50全体が圧縮されるとさらに増加する。
【0026】
引張部材53としてのほぼ水平の表面が、ヒール・カップ51の下に配置され、内側壁52の中心から外側壁52の中心に実質的に延在している。踵部分50への荷重の下(図2の垂直の矢印)、2つの側壁52が外側方向に湾曲すると、引張部材53が張力にさらされる(図2の水平の矢印)。その結果、例えば、ソール10の地面との接触中に、踵部分の動的応答特性が、側壁52の曲げ剛性と引張部材53の伸張性との組合せによって決まる第1の概算にある。例えば、より厚い引張部材53および/または使用される材料のために伸張に一層大きな力を必要とする引張部材53のために、踵部分50のより強力な緩衝特性が得られる。
【0027】
以下にさらに説明する、引張部材53および補強部材61、並びに側壁52および踵部分50のさらに別の構成部材は、説明する好ましい実施の形態において、平面部材として提供される。しかしながら、そのようなデザインは必ずしも必要ない。反対に、例えば、引張支柱などとして、前記部材の1つ以上を別のデザインで提供することも認められる。
【0028】
引張部材53が、側壁の湾曲の中心点で側壁52に連結されていることが好ましい。引張部材がないと、踵部分への荷重中に、外側に最大の膨らみが生じるであろうから、ここでは引張部材が最も効果的である。一般に5〜10mmの範囲にある好ましくは平面の引張部材の厚さは、例えば、約5%から15%だけ、側壁に向かって徐々に増加する。引張部材53は、2つの側壁の間の中央で最小の厚さを有する。引張部材53と側壁52との間の連結のこのような補強によって、この位置で材料が破損する虞が減る。
【0029】
さらに、図2は、引張部材53およびヒール・カップ51の下面が、好ましい実施の形態において、中央領域55で連結されていることを示している。特に、踵部分50への剪断荷重の場合、そのような荷重は、走る向きを突然変えるときに起こるので(例えば、バスケットボールなどのスポーツにおけるように)、ヒール・カップ51と引張部材53との連結が有利であることが分かった。バスケットボール・シューズに特に適した別の実施の形態を、後に図11a、11bを参照してさらに説明する。
【0030】
さらに、図2および3は、骨組みにおけるように、ヒール・カップ51の下で踵部分50を安定化させるように働く追加の表面を開示している。内側壁と外側壁52の下側の縁を連結する接地面60が見える。上側縁でヒール・カップ51と、中央で引張部材53と共に、接地面60が、内側壁および外側壁52の構造を画成する。それゆえ、接地面はさらに、高く跳躍した後の着地などのピーク荷重の場合、踵部分50が壊れるのを防ぐのに寄与する。
【0031】
さらに、追加のソール層、例えば、図1aおよび1bに示すようなアウトソール40、または追加の緩衝層(図示せず)を接地面60に取り付けても差し支えない。そのようなさらに別の緩衝層は、上述した踵部分上に、代わりにまたは追加に配置されていてもよい。
【0032】
単体踵部分50の接地面60はそれ自体、アウトソールの機能を直接有し、適切なプロファイル(図示せず)を有していてよい。このことは、特別に軽量のシューズを提供すべき場合に、特に意味のあることである。図2および3に示したように、接地面60の外周は、例えば、比較的幅の狭いシューズのために接地面により広い領域を提供すべき場合、側壁52の下側の縁を超えている。
【0033】
さらに、図2および3は、接地面の中央から外側の傾斜した向きで側壁52にほぼ延在する2つの補強部材61を開示している。補強部材61は引張部材53の真下で側壁52に係合している。補強部材61はそれによって、踵部分50への圧力荷重の下で側壁52の変形を追加に安定化する。さらに、有限要素分析に関する研究によって、補強部材61が、上述した剪断荷重にさらされた場合、踵部分50を著しく安定化することが示された。
【0034】
図4および5は、図2および3の踵部分50の後方部分を示している。踵部分50の後端、それゆえシューズ用ソール10の後端を形成する実質的に垂直な後側壁70が示されている。側壁52の場合におけるように、後側壁70は、踵部分50が圧縮されたときに、外側に湾曲する。したがって、引張部材53も、上から(例えば、図5の垂直の矢印)の荷重の場合、後側壁70のさらなる湾曲によって、引張部材53が後方に伸張するように(例えば、図5の水平の矢印)後側壁70に連結されている。
【0035】
後側壁70の場合でも、引張部材53は中央区域に実質的に係合している。図2から5の実施の形態においては、補強部材61は後側壁70には連結していないが、補強部材61を、側壁52と同様に、後側壁70に延在させて、踵部分50をさらに補強することが考えられる。
【0036】
さらに、図5はこの実施の形態のさらなる詳細を示している。接地面60の最後方セクション65は、地面との接触および滑らかな転がり(roll off)を促進するようにわずかに上方に角度が付けられている。
【0037】
図6から8は、先に詳述した実施の形態の改変を示している。以下において、図2から5の踵部分と比較したこれらの実施の形態の差のみを説明する。
【0038】
図6は、切抜き71が後側壁70に配置されている踵部分を示している。切抜き71の形状とサイズが、地面との接触中の踵部分50の剛性に影響を与えることができる。このことが図9および10に示されている。図9は、INSTRON測定装置を用いてある距離だけ踵部分50を垂直に圧縮するのに必要な力(Y軸)を示している。このINSTRON測定装置は、張力、圧縮、曲げおよび摩擦などの下での材料の性質を試験するための、当業者に公知の一般的な試験機器である。両方の実施の形態はほぼ線形のグラフを示している、すなわち、緩衝特性は滑らかであり、6mmまでの大きいゆがみでさえも、踵部分50はつぶれない。より詳しい検査によって、図6の踵部分50が、切抜き71のために、わずかに低い剛性を有する、すなわち、同じゆがみで、わずかに小さい復元力になることが示されている。
【0039】
類似の結果が角負荷試験により得られた。その結果が図10に示されている。この検査において、プレートは、最初に、ソールの平面に関して30°の角度で踵部分50の後方縁と接触している。その後、角度を減少させて、踵部分50の復元力を測定する。このとき、踵部分50は、プレートの回転点に関して固定されたままである。この検査構成は、地面との接触および転がりの最中の状況を、単独の垂直荷重よりも現実的な様式で反映している。
【0040】
ここでも、後側壁70に切抜き71を有する実施の形態は、図2〜5の実施の形態よりもわずかに小さい復元力を提供している。両方の実施の形態について、このグラフは、広い範囲に亘り(23°まで)ほぼ線形である。
【0041】
図2〜6の実施の形態はシューズ用ソール10の縦軸に関して実質的に対称であるが、図7はさらに別の実施の形態の正面図を示している。ここでは、側壁52’は、他の側壁52よりも高い。より高い側壁52’が踵部分50の内側か外側に配置されているかに応じて、例えば、回内や回外の影響を弱めるために、足を、地面との接触中に特定の方向にもっていくことができる。
【0042】
最後に、図8a〜hは、本発明のさらに別の複数の実施の形態の正面図を開示しており、ここでは、上述した部材が改変されている。
【0043】
− 図8aにおいて、ヒール・カップ51の下に、2つの別個の構造体が内側と外側に配置されている。その結果、外側壁と内側壁52,並びに独立した内側と外側の引張部材53”に加えて、2つの追加の中央側壁52”が得られる。また、この実施の形態において、接地面60”が2つの部分に分割されている。
【0044】
− 図8bは、補強部材61を持たず、ヒール・カップ51’および引張部材53’の間の連結を持たない単純な実施の形態を示している。そのような構成は、上述した実施の形態よりも軽量であり、軟らかい。しかしながら、剪断荷重に対する安定性が低い。
【0045】
− 反対に、図8cの実施の形態は、ヒール・カップ51’と接地面60との間の空洞を対角線上に架橋している4つの補強部材61’が一緒に与えられているので、特に安定である。
【0046】
− 図8d〜8fの実施の形態は、図2〜5の上述した実施の形態に類似している。しかしながら、追加の補強部材61’が、それ自体は引張部材53’に直接は連結されていないヒール・カップ51の中央領域55’と引張部材53’との間に延在するように配置されている。これら3つの実施の形態は、補強部材61’から引張部材53’への接続が異なっている。図8dの実施の形態において、接続点は、引張部材53”の外側と内側の縁にあるが、図8e、および特に図8fの実施の形態においては、引張部材53’の中央にさらに動かされている。
【0047】
− 図8gおよび8hの実施の形態は、第1の引張部材53の下に第2の引張部材53’を有する。第1の引張部材53はこれらの実施の形態においてはわずかに上方に湾曲しているが、第2の引張部材53’は下方に向いた湾曲を有する。図8gの実施の形態において、第2の引張部材53’は、第1の引張部材53と同様の様式で、内側壁と外側壁との間の全距離を架橋している。図8hの実施の形態において、第2の引張部材53’は、実質的に補強部材61の中点間に延在している。
【0048】
図11aおよび11bは、特にバスケットボール・シューズに使用するのに適した、さらに好ましい実施の形態を示している。図11aから直ちに分かるように、バスケットボールにおいて生じる著しい圧縮と剪断荷重に対して構造体を補強するために、2つの追加の内側壁56が設けられている。図11bは、この実施の形態が、上述したように、より高い圧縮安定性を達成する連続した後側壁70を有することを示している。概して、比較的平らな構成で特に安定な構造が得られる。これは、必要であれば、追加の内側側壁56(図示せず)の配置によってさらに補強してもよい。
【0049】
図12は、連続したヒール・カップ51の代わりに、ヒール・リム51”が配置されているさらに別の実施の形態を示している。踵部分の緩衝動作中に足をしっかりと導くために、上述した実施の形態からのヒール・カップ51のように、ヒール・リム51”は解剖学的形状を有する、すなわち、人間の踵の形状に実質的に対応する湾曲を有する。したがって、ヒール・リムも、足を内側と外側から、そして後方から取り囲む。ヒール・リムは、実施の形態に応じて、異なるサイズのものであってよい中央の切抜き58だけ、ヒール・カップとは異なる。この差によって、特別な緩衝特徴を達成するために、踵の踵骨の真下のさらに別の緩衝部材の、例えば、発泡材料の配置が可能になる。
【0050】
最後に、図13の実施の形態において、上述した実施の形態のわずかに曲げられた側壁52の代わりに、角度のついた側壁52”’が用いられている。さらに、この実施の形態の引張部材は、2つの側壁52”’を直接連結していないが、2つの引張部材53”’のの各々が1つの側壁52”’をヒール・カップ51に連結している。図13と図12の点線は、これらの2つの実施の形態において追加の接地面60を提供してもよいことを示している。
【0051】
上述したヒール・カップ50の改変を複数考えられることが分かる。したがって、上述した実施の形態は例示と考えるべきであり、ヒール・カップ、側壁、引張部材、補強部材および接地面の組合せがさらにたくさんある。
【0052】
最後に、上述した部材の構成から生じる複数の空洞を、緩衝のために用いてもよい。この目的のために、空洞は気密様式で封止されていても、または、例えば、発泡材料、ゲルなどから製造された追加の緩衝部材が空洞の内部に配置されて(図示せず)いてもよい。
【0053】
踵部分の下の骨格状構造の幾何学的配置は別にして、踵部分の動的性質を決定するのは、材料の選択である。踵部分の一体に連結された部材は、適切な熱可塑性ウレタン(TPU)を射出成形することによって製造することが好ましい。所望であれば、高い引張荷重にさらされる、引張部材などの特定の部材は、踵部分50の残りとは異なるプラスチック材料から製造して差し支えない。単体踵部分50にさらに別のプラスチック材料を使用することは、いくつかのスプルーを持つ適切な射出成形器具によって、または1つのスプルーによる共射出成形によって、もしくは二種類以上のプラスチック材料の連続射出成形によって、容易に達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1a】本発明によるシューズの実施の形態の側面図
【図1b】本発明によるシューズの実施の形態の底面図
【図2】図1のシューズ用ソールの踵部分の第1の実施の形態の詳細正面図
【図3】図2の踵部分の斜視図
【図4】図2の踵部分の背面図
【図5】図2の踵部分の側面図
【図6】踵部分のさらに別の実施の形態の背面図
【図7】踵部分のさらに別の実施の形態の正面図
【図8】踵部分のさらに別の実施の形態の概略図
【図9】図2および図6の踵部分の実施の形態の垂直変形特性を比較するグラフ
【図10】踵部分の接触縁への負荷の下での図2および図6の踵部分の実施の形態の変形特性を比較するグラフ
【図11a】バスケットボール・シューズに特に適した、踵部分のさらに別の実施の形態の斜視図
【図11b】バスケットボール・シューズに特に適した、踵部分のさらに別の実施の形態の背面図
【図12】ヒール・カップの代わりのヒール・リムを有するさらに別の実施の形態の概略図
【図13】側壁とヒール・カップとの間に延在する、引張部材および角度付き側壁を有するさらに別の実施の形態の概略図
【符号の説明】
【0055】
1 シューズ
10 ソール
20 緩衝部材
40 アウトソール
50 踵部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
踵部分(50)を有してなるシューズ用ソール(10)において、前記踵部分(50)が、
a. 足の踵に実質的に対応する形状を有するヒール・カップ(51,51’)またはヒール・リム(51”)、
b. 前記ヒール・カップまたは前記ヒール・リムの下に配置された複数の側壁(52,52’,52”,52”’,70)であって、他の側壁(52,52’,52”,52”’)と別の後側壁(70)を含む側壁、
c. 前記側壁(52,52’,52”,52”’,70)の内の少なくとも1つを別の側壁(52,52’,52”,52”’,70)または前記ヒール・カップ(51,51’)または前記ヒール・リム(51”)に連結する少なくとも1つの引張部材(53,53”,53”’)、
を有してなり、
d. 前記ヒール・カップ(51,51’)または前記ヒール・リム(51”)、前記複数の側壁(52,52’,52”,52”’,70)および少なくとも1つの引張部材(53,53”,53”’)が単体として一体製造されている、
ことを特徴とするシューズ用ソール(10)。
【請求項2】
前記踵部分(50)が、前記引張部材(53)に接続された外側壁および内側壁(52,52’,52”)を含むことを特徴とする請求項1記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項3】
前記踵部分(50)が、前記他の側壁(52,52’,52”,52”’)とは別の後側壁(70)をさらに含むことを特徴とする請求項1または2記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項4】
前記側壁(52,52’,52”,52”’,70)の少なくとも1つが切抜き(71)を含むことを特徴とする請求項3記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの側壁(52,52’,52”,52”’,70)が前記切抜き(71)を複数含むことを特徴とする請求項4記載のシューズ用ソール。
【請求項6】
前記引張部材(53,53”’)が前記側壁(52,52’,52”’,70)の全てを連結していることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項7】
前記側壁(52,52’,52”,52”’,70)の少なくとも1つが、外側に向いて湾曲していることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項8】
前記引張部材(53,53”,53”’)が、前記側壁(52,52’,52”,52”’,70)の少なくとも2つの各々と、該側壁(52,52’,52”,52”’,70)のそれぞれの実質的に中央で係合していることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項9】
前記引張部材(53)が前記ヒール・カップ(51)の下に延在し、該ヒール・カップ(51)の中央領域(55)で該ヒール・カップの下面に接続されていることを特徴とする請求項1から8いずれか1項記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項10】
前記踵部分(50)が、前記複数の側壁(52,52’,52”,52”’,70)の下側縁を連結する実質的に水平な接地面(60,60”)をさらに含むことを特徴とする請求項1から9いずれか1項記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項11】
前記接地面の外周が、前記側壁(52,52’,52”,52”’,70)の前記下側縁を超えていることを特徴とする請求項10記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項12】
前記踵部分(50)が、前記接地面(60,60”)から前記側壁(52,52’,52”,52”’,70)に傾斜した向きで延在する少なくとも1つの補強部材(61,61’)をさらに含むことを特徴とする請求項10または11記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項13】
前記少なくとも1つの補強部材(61)が前記接地面(60,60”)の中央領域から前記側壁(52,52’,52”,52”’,70)に延在することを特徴とする請求項12記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの補強部材(61,61”)が、実質的に前記補強部材(53)と同じ領域において、前記側壁(52,52’,52”,52”’,70)で終わることを特徴とする請求項12または13記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項15】
前記ヒール・カップ(51,51’)または前記ヒール・リム(51”)および/または側壁(52,52’,52”,52”’,70)および/または前記補強部材(53,53”,53”’)および/または前記補強部材(61,61’)が異なる厚さを有することを特徴とする請求項1から14いずれか1項記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項16】
前記踵部分(50)が、熱可塑性ウレタン(TPU)を射出成形することによって製造されることを特徴とする請求項1から15いずれか1項記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項17】
前記踵部分(50)が、いくつかのプラスチック材料を多成分射出成形することによって製造できることを特徴とする請求項1から16いずれか1項記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項18】
前記踵部分(50)が発泡材料を含まないことを特徴とする請求項1から17いずれか1項記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項19】
請求項1から18いずれか1項記載のシューズ用ソール(10)を有するシューズ(1)。
【請求項1】
踵部分(50)を有してなるシューズ用ソール(10)において、前記踵部分(50)が、
a. 足の踵に実質的に対応する形状を有するヒール・カップ(51,51’)またはヒール・リム(51”)、
b. 前記ヒール・カップまたは前記ヒール・リムの下に配置された複数の側壁(52,52’,52”,52”’,70)であって、他の側壁(52,52’,52”,52”’)と別の後側壁(70)を含む側壁、
c. 前記側壁(52,52’,52”,52”’,70)の内の少なくとも1つを別の側壁(52,52’,52”,52”’,70)または前記ヒール・カップ(51,51’)または前記ヒール・リム(51”)に連結する少なくとも1つの引張部材(53,53”,53”’)、
を有してなり、
d. 前記ヒール・カップ(51,51’)または前記ヒール・リム(51”)、前記複数の側壁(52,52’,52”,52”’,70)および少なくとも1つの引張部材(53,53”,53”’)が単体として一体製造されている、
ことを特徴とするシューズ用ソール(10)。
【請求項2】
前記踵部分(50)が、前記引張部材(53)に接続された外側壁および内側壁(52,52’,52”)を含むことを特徴とする請求項1記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項3】
前記踵部分(50)が、前記他の側壁(52,52’,52”,52”’)とは別の後側壁(70)をさらに含むことを特徴とする請求項1または2記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項4】
前記側壁(52,52’,52”,52”’,70)の少なくとも1つが切抜き(71)を含むことを特徴とする請求項3記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの側壁(52,52’,52”,52”’,70)が前記切抜き(71)を複数含むことを特徴とする請求項4記載のシューズ用ソール。
【請求項6】
前記引張部材(53,53”’)が前記側壁(52,52’,52”’,70)の全てを連結していることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項7】
前記側壁(52,52’,52”,52”’,70)の少なくとも1つが、外側に向いて湾曲していることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項8】
前記引張部材(53,53”,53”’)が、前記側壁(52,52’,52”,52”’,70)の少なくとも2つの各々と、該側壁(52,52’,52”,52”’,70)のそれぞれの実質的に中央で係合していることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項9】
前記引張部材(53)が前記ヒール・カップ(51)の下に延在し、該ヒール・カップ(51)の中央領域(55)で該ヒール・カップの下面に接続されていることを特徴とする請求項1から8いずれか1項記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項10】
前記踵部分(50)が、前記複数の側壁(52,52’,52”,52”’,70)の下側縁を連結する実質的に水平な接地面(60,60”)をさらに含むことを特徴とする請求項1から9いずれか1項記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項11】
前記接地面の外周が、前記側壁(52,52’,52”,52”’,70)の前記下側縁を超えていることを特徴とする請求項10記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項12】
前記踵部分(50)が、前記接地面(60,60”)から前記側壁(52,52’,52”,52”’,70)に傾斜した向きで延在する少なくとも1つの補強部材(61,61’)をさらに含むことを特徴とする請求項10または11記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項13】
前記少なくとも1つの補強部材(61)が前記接地面(60,60”)の中央領域から前記側壁(52,52’,52”,52”’,70)に延在することを特徴とする請求項12記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの補強部材(61,61”)が、実質的に前記補強部材(53)と同じ領域において、前記側壁(52,52’,52”,52”’,70)で終わることを特徴とする請求項12または13記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項15】
前記ヒール・カップ(51,51’)または前記ヒール・リム(51”)および/または側壁(52,52’,52”,52”’,70)および/または前記補強部材(53,53”,53”’)および/または前記補強部材(61,61’)が異なる厚さを有することを特徴とする請求項1から14いずれか1項記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項16】
前記踵部分(50)が、熱可塑性ウレタン(TPU)を射出成形することによって製造されることを特徴とする請求項1から15いずれか1項記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項17】
前記踵部分(50)が、いくつかのプラスチック材料を多成分射出成形することによって製造できることを特徴とする請求項1から16いずれか1項記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項18】
前記踵部分(50)が発泡材料を含まないことを特徴とする請求項1から17いずれか1項記載のシューズ用ソール(10)。
【請求項19】
請求項1から18いずれか1項記載のシューズ用ソール(10)を有するシューズ(1)。
【図1a】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図12】
【図13】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−218308(P2006−218308A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−33972(P2006−33972)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【出願人】(503052173)アディダス インターナショナル マーケティング ベー ヴェー (23)
【氏名又は名称原語表記】adidas International Marketing B.V.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【出願人】(503052173)アディダス インターナショナル マーケティング ベー ヴェー (23)
【氏名又は名称原語表記】adidas International Marketing B.V.
【Fターム(参考)】
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