説明

ショーケースの棚照明装置

【課題】従来のランプホルダーを使わずに、蛍光灯を商品陳列棚の下面側に簡単装着できるように取付け構造を改良したショーケースの棚照明装置を提供する。
【解決手段】上下段に並べて本体ケースの庫内に配した商品陳列棚5の下面に直管型蛍光灯6を装着したショーケースの棚照明装置で、前記蛍光灯に透明樹脂製の保護管8を被せた上で、両端の口金6aにソケットを接続して所定位置に固定支持したものにおいて、蛍光灯6を前記保護管8に嵌挿した上で、該保護管を商品陳列棚の長手方向に沿って棚板の下面に敷設した補強材兼用の凸状ブラケット5bと棚板の前縁に取付けた棚タグモール7の後端縁部7aとの間に挟み込んで固定するようにし、具体的には前記保護管8が蛍光灯6も一回り大径な弾性変形が可能な円管で、商品陳列棚の下面に設けたブラケット5bと棚タグモール7の後端縁部7aとの間の差し渡し間隔dを保護管の管径φよりも狭く設定し、保護管8の弾性を利用して蛍光灯6を定位置に挟持固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多段形ショーケースに適用する庫内の棚照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
まず、頭記した多段型ショーケースの全体構造を図2に示す。図において、1は前面開放形本体ケースの外箱、2は内箱、3は冷却器、4は庫内ファンであり、庫内には上下段に並べて商品陳列棚5が架設され、各段の商品陳列棚5ごとに棚板の下面側に直管型の蛍光灯6を配備してその下段棚上に陳列した商品(不図示)を照明するようにしている。
次に、商品陳列棚5の棚板下面に架設した前記蛍光灯6の従来における支持構造を図3,図4に示す(例えば、特許文献1参照)。すなわち、図示のように商品陳列棚5は、その前縁に棚タグモール7を装着し、棚板の裏面には商品陳列棚5の長手方向に沿って断面V字形のチャンネル鋼板で作られた補強ブラケット5aが敷設されている。
ここで、前記ブラケット5aの前面側壁面には、その長手方向に沿った複数箇所にC形のランプホルダー9をそのクリップ部9aを介して固定し、蛍光灯6には破損防止用に透明樹脂製の保護管8を被せた上で前記ランプホルダー9に挟み込んで所定位置に固定支持するようにしている。また、蛍光灯6の両端に設けた口金のプラグ端子6aには側方からソケット10を差し込み、ハーネス11を介して電源に接続している。なお、図4で12は商品陳列棚6の前端に敷設したフェンスで、棚板の前端と棚タグモール7との間に差し込んで固定している。また、前記のソケット10は商品陳列棚6に固定せずにハーネス11の先端にぶら下げて配置し、蛍光灯6の交換,ソケット10の差し込み作業が楽に行えるようにしている。
【特許文献1】特開平9−285369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記した従来の蛍光灯支持構造は、外見上で次記のような課題を残す。すなわち、庫内の上段側に並ぶ商品陳列棚6に装着した蛍光灯6については、蛍光灯6を支持しているランプホルダー9の先端がショーケースの前方から剥き出しに見え、これが目障りになってショーケースの外観を損なうことが指摘されている。かかる点、両端のソケット10を棚板に固定し、蛍光灯6をソケット10の間に跨がって架設すれば前記のランプホルダー9が不要になるが、ソケット10が固定式であるとショーケースに商品を陳列したままの状態で蛍光灯6の交換,ソケットとの接続作業がやり難くくなるほか、ソケットの構造も複雑化してコスト高となる。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目的は前記課題を解決し、外見上の目障りとなるランプホルダーを使わずに、蛍光灯を商品陳列棚の下面側に簡単装着できるように取付け構造を改良したショーケースの棚照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明によれば、上下段に並べて本体ケースの庫内に配した商品陳列棚の下面に直管型蛍光灯を装着したショーケースの棚照明装置であり、前記蛍光灯に透明樹脂製の保護管を被せた上で、両端の口金にソケットを接続して所定位置に固定支持したものにおいて、
蛍光灯を前記保護管に嵌挿した上で、該保護管を商品陳列棚の長手方向に沿って棚板の下面に敷設した補強材兼用のブラケットと棚板の前縁に取付けた棚タグモールの後端縁との間に挟み込んで固定するものとし(請求項1)、具体的には前記保護管が蛍光灯よりも一回り大径な弾性変形が可能な円管で、商品陳列棚の下面に設けた凸状のブラケットと棚タグモールの後端縁との間の差し渡し間隔を保護管の管径よりも狭く設定し、保護管の弾性を利用して蛍光灯を定位置に挟持固定させる(請求項2)。
【発明の効果】
【0005】
上記の支持構造によれば、外見の体裁を損なう従来構造のランプホルダーを使わずに保護管の弾性を活用して蛍光灯を簡単な操作で商品陳列棚の下面側定位置に装着できる。これにより、外見上の体裁が向上するほか、ランプホルダーの部品,取付け工数も不要になってコスト低減に寄与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態を図1に示す実施例に基づいて説明する。なお、図中で図3〜図5に対応する部材には同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
すなわち、図示実施例では直管形蛍光灯6をその管径よりも一回り大きな透明樹脂製の保護管8に嵌挿した上で、この保護管8を商品陳列棚5の前端に取付けた棚タグモール7の後端縁部7aとその背後に平行して棚板の下面に敷設した補強材兼用のV字形ブラケット5bとの間に下方から押し込んで挟持固定するようにしている。ここで、保護管8は弾性変形が可能な樹脂製の円管であり、その管径をφとして、棚タグモール7の後端縁部7aとブラケット5bの壁面との間の差し渡し間隔dが保護管8の管径φよりも多少狭く(d<φ)なるように設定しておく。また、図示例のブラケット5bは、図3に示した従来構造の補強ブラケット5aと同様な断面V形のチャンネル鋼板で作られているが、その断面形状は図示形状に限定されるものではなく、例えば前壁面を凹状に湾曲形成して挟み込んだ保護管8の保持性を高めるようにしてもよい。なお、蛍光灯6の両端口金6aには図3に示した従来構造と同様な吊り下げ式のソケット10を差し込んで電源に接続するようにする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施例による棚照明装置の蛍光灯取付け構造図
【図2】多段形ショーケース全体の構成図
【図3】従来装置おける蛍光灯の取付け構造図で、(a)は側面図、(b)は正面図
【図4】図3の斜視図
【符号の説明】
【0008】
1 本体ケースの外箱
5 商品陳列棚
5b 補強材兼用のブラケット
6 蛍光灯
7 棚タグモール
7a 後端縁部
8 保護管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースの庫内に配した商品陳列棚の下面に直管型蛍光灯を装着したショーケースの棚照明装置であり、前記蛍光灯に透明樹脂製の保護管を被せた上で、両端の口金にソケットを接続して所定位置に固定支持したものにおいて、
蛍光灯を前記保護管に嵌挿した上で、該保護管を商品陳列棚の長手方向に沿って棚板の下面に敷設した補強材兼用のブラケットと棚板の前縁に取付けた棚タグモールの後端縁との間に挟み込んで固定したことを特徴とするショーケースの棚照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の棚照明装置において、保護管が蛍光灯よりも一回り大径な弾性変形が可能な円管であり、商品陳列棚の下面に設けた凸状のブラケットと棚タグモールの後端縁との間の差し渡し間隔を保護管の管径よりも狭く設定したことを特徴とするショーケースの棚照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−264399(P2008−264399A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−114799(P2007−114799)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】