説明

ショーケース

【課題】強度を確保しつつ、収納室の容量を増加させる。
【解決手段】商品を収納する収納室が内部に形成された本体部3と、本体部3の前面の下端部を横方向に延び、本体部3に着脱可能に固定される前側フレーム11と、前端が前側フレーム11に固定され、底面が前側フレームの上面より下方に配置されるとともに、収納室の下方で本体部3の内部と外部との間をスライド可能なスライドベース5と、スライドベース5に載置され本体部3に収納される冷却ユニット6と、を含んでショーケースを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品等の物品を収納するショーケースに係り、特に、冷却ユニット等の構造物を内蔵したショーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストア等の店舗には、一般的に、アイス等の商品を陳列するために冷却機能を備えたショーケースが設置されている。このようなショーケースのように物品を収納しかつ冷却機能を有するものにおいて、その本体部から前方にスライド可能なスライドベースが設けられる場合がある。このものでは、スライドベースの上に冷却ユニットが載置されており、スライドベースを前方にスライドさせて冷却ユニットを本体部から外部に引き出して露出させることにより、冷却ユニットのメンテナンスや修理を容易に行うことができる(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−310474号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような冷却機能を備えたショーケースでは、通常、商品の収納室の下方に冷却ユニットが内蔵されている。このように、収納室の下方に冷却ユニットが内蔵されている場合では、収納室の容量を確保するために、スライドベースをショーケースの本体部の下端に設け冷却ユニットを極力下方に配置させることが望ましい。
しかしながら、ショーケースの下端部には、本体部の強度を確保するために、ショーケースの前端部を幅方向に延びるフレームが備えられている。このようなフレームが備えられたショーケースでは、スライドベースを前方にスライドしたときにフレームに干渉しないように、スライドベースをフレームの上方に配置せざるを得ない。したがって、冷却ユニットがフレームより上方に位置することとなるので、収納室の高さが抑制されて容量が減少してしまう。
【0004】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、強度を確保しつつ、冷却ユニット等の構造物を載置したスライドベースを極力下方に配置してショーケースの収納室の容量を増加させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、物品を収納する収納室が内部に形成された本体部と、前記本体部の一側面の下端部を横方向に延び、前記本体部に着脱可能に固定されるフレームと、一側端が前記フレームに固定され、底面が前記フレームの上面より下方に配置されるとともに、前記収納室の下方で前記本体部の内部と外部との間をスライド可能なスライドベースと、前記スライドベースに載置され前記本体部に収納される構造物と、を含んでショーケースを構成することを特徴とする。
【0006】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記構造物が前記収納室内を冷却する冷却ユニットであることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記スライドベースを、前記底面が遮蔽されかつ上面が開口した箱形状に形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の請求項1のショーケースによれば、スライドベースの底面がフレームの上面より下方に位置しているので、構造物がフレームの上面より下方で搭載される。したがって、構造物を本体部の下端近傍まで下方に配置可能となるので、構造物の上方に形成される収納室を上下方向に拡大させて、収納室の容量を増加させることができる。
また、フレームを本体部に固定することにより本体部の強度を確保することができる。一方、本体部からフレームを取り外すことにより、フレームに固定されているスライドベースがスライド可能となるので、スライドベースに搭載されている構造物を本体部から外部に引き出し、構造物のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0008】
また、請求項2のショーケースによれば、冷却ユニットを内蔵したショーケースの収納室の容量を増加させることができる。
また、請求項3のショーケースによれば、スライドベースは底板が遮蔽されかつ上面が開口した箱形状に形成されているので、構造物から水滴等の液体が落下してもスライドベース上に貯留され、それより下方に流出することなく、床の汚染を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るショーケースの全体図である。
図1に示すように、コンビニエンスストア、スーパーストア等の店舗に設置され、アイス等の商品を陳列するために用いられるショーケース1には、商品を収納する収納室2が備えられている。収納室2は、ショーケース1の本体部3の内部に形成されている。本体部3の上部には、収納室2内に商品を出し入れするために、開口部4が設けられている。本体部3の下部には、前方にスライド可能なスライドベース5が収納されている。スライドベース5には、収納室2内を冷却する冷却ユニット6が載置されている。スライドベース5の収納時には、冷却ユニット6は収納室2の下方に位置している。
【0010】
図2にスライドベース5の取付構造の斜視図を示すように、スライドベース5は、本体部3の下部に設けられた本体側フレーム10に挿入されて、本体部3内に収納されている。本体側フレーム10は、角管状の右側フレーム10aの後端部と左側フレーム10bの後端部とを後側フレーム10cによって接続して全体がコの字状に形成されている。詳しくは、右側フレーム10aは本体部3の右側部を奥行き方向(図面上では左右方向)に延び、左側フレーム10bは本体部3の左側部を奥行き方向に延び、後側フレーム10cは本体部3の後部を幅方向(図面上では奥行き方向)に延びるように本体部3の下端部に配置されている。
【0011】
右側フレーム10aの前端部と左側フレーム10bの前端部との間には、前側フレーム11がボルト12により着脱可能に固定されている。前側フレーム11は、例えば断面がコの字の棒状に形成されており、開口部が下方を向くように配置されている。なお、前側フレーム11は、本発明のフレームに該当する。
図3に示すように、右側フレーム10a及び左側フレーム10bの底部には、本体部3の幅方向内側に向かって延出する鍔状の受け部材14a、14bが夫々設けられている。受け部材14a、14bは、右側フレーム10a及び左側フレーム10bの各前端部から後端部に亘って形成されており、スライドベース5を支持する機能を有する。
【0012】
また、後側フレーム10cには、その上面から前方に延出する鍔状の押さえ部材15が設けられている。この押さえ部材15は、格納時におけるスライドベース5の後端部を上方から押さえ、スライドベース5を本体部3に確実に固定する機能を有する。
図4に示すように、スライドベース5の前端は、上記前側フレーム11に溶接等によって固着されている。スライドベース5は、上方が開口した箱形状に形成されており、その底面5a上に冷却ユニット6が載置されている。スライドベース5は、水滴等の液体が底板5aの上面に落下した場合、そこから更に下方に(即ち、床に)流出しないように底板5aが遮蔽されている。また、図5に図4のA矢視図としてスライドベース5の取付位置を側面図で示すように、スライドベース5の底面5aは、前側フレーム11の上面11aより下方に位置している。
【0013】
以上のような構成のショーケース1では、図6に示すように、ボルト12を外し、スライドベース5を前方に引き出すことによって、冷却ユニット6を本体部3から外部に露出させることができる。これにより、冷却ユニット6のメンテナンスや修理を容易に行うことができる。一方、本体側フレーム10と前側フレーム11とをボルト12により締結することによって、本体部3の強度が確保される。これは、フォークリフトでショーケース1を持ち上げるときに特に有効である。
【0014】
そして、ショーケース1では、スライドベース5の底面5aは、前側フレーム11の上面11aより下方に位置しているので、冷却ユニット6が前側フレーム11の上面11aより下方で搭載可能となる。したがって、冷却ユニット6を床面近傍まで下方に配置することが可能となり、収納室2を上下方向に拡大させて、収納室2の容量を増加させることができる。
【0015】
また、スライドベース5の底板5aは遮蔽されており水滴等の液体がその上面に落下しても更に下方に流出しないので、例えば結露により冷却ユニット6の表面に付着した水滴がスライドベース5上に落下した場合に、水滴はスライドベース5上に貯留され、床に流出することなく、床の汚染が防止される。この水滴は、上記のように結露に起因する場合では少量であるので、スライドベース5に貯留されてもやがて蒸発し、スライドベース5から溢れることはない。
【0016】
更に、スライドベース5上にスポンジ等のような液体を吸収するシートを張り付けてもよい。これにより、スライドベース5上での液体の貯留性が向上するので、液体が床に更に流出し難くなる。
また、本実施形態では、スライドベース5上に冷却ユニット6が載置されているが、これに限定されるものではなく、収納室2の下方で本体部3に内蔵され、かつ本体部3から外部に引き出す必要のある構造物であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るショーケースの全体図である。
【図2】スライドベースの取付構造を示す斜視図である。
【図3】本体側フレームの構造を示す斜視図である。
【図4】スライドベース及び前側フレームの構造を示す斜視図である。
【図5】スライドベースの取付位置を示す側面図である。
【図6】スライドベース引き出し時の構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0018】
1 ショーケース
2 収納室
3 本体部
5 スライドベース
5a 底面
6 冷却ユニット
11 前側フレーム
11a 上面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納する収納室が内部に形成された本体部と、
前記本体部の一側面の下端部を横方向に延び、前記本体部に着脱可能に固定されるフレームと、
一側端が前記フレームに固定され、底面が前記フレームの上面より下方に配置されるとともに、前記収納室の下方で前記本体部の内部と外部との間をスライド可能なスライドベースと、
前記スライドベースに載置され前記本体部に収納される構造物と、
を含んで構成されることを特徴とするショーケース。
【請求項2】
前記構造物は、前記収納室内を冷却する冷却ユニットであることを特徴とする請求項1に記載のショーケース。
【請求項3】
前記スライドベースは、前記底面が遮蔽されかつ上面が開口した箱形状に形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のショーケース。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−14513(P2008−14513A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−183271(P2006−183271)
【出願日】平成18年7月3日(2006.7.3)
【出願人】(000001845)サンデン株式会社 (1,791)
【Fターム(参考)】