説明

ショーケース

【課題】ショーケースのコーナー部に取り付けられるバンパーの脱落を防止することができるショーケースを提供すること。
【解決手段】ケース本体3のコーナー部6に取り付けられた湾曲状のコーナートリム7と、コーナートリム7を介して互いに連設される一対の直線状のガードレール4と、を備えるショーケースであって、コーナートリム7と各ガードレール4との外面に、略水平方向に連続する凹溝8,20を形成するとともに、各凹溝8,20に、バンパー9,21が連続的に嵌め込まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売店舗等に設置される商品陳列用のショーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のショーケースには、ショッピングカートの衝突からショーケースの化粧板を保護するために、ショーケースの外装板に設けられた蟻溝に弾性を有する合成樹脂材製のバンパーが取り付けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、このような樹脂製バンパーは、ショーケースのコーナー部にも取り付けられるようになっている。特に、コーナー部には、様々な方向からショッピングカートが衝突されるため、コーナーバンパーを螺着するネジに対して引き抜き力が加わり易くなっており、コーナーバンパーが脱落し易くなっている。このコーナーバンパーの脱落を防止するために、コーナー部外面に金具を螺着し、この金具に対してコーナーバンパーを螺着するようにしている(例えば、特許文献2及び3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2600028号公報(第2頁、第3図)
【特許文献2】特許第3802255号公報(第4頁、第2図)
【特許文献3】特許第3802263号公報(第4頁、第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2及び3に記載のショーケースにあっては、コーナーバンパーの取り付け強度は向上するものの、ショッピングカートがコーナーバンパーに衝突した際に、コーナーバンパーに加わった衝撃力が上下左右のいずれの方向にも加わるようになり、この衝撃力によってコーナーバンパーを螺着するネジに対して様々な方向に引き抜き力が加わり、ネジの劣化や磨耗が激しくなり、コーナーバンパーが脱落し易くなるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、ショーケースのコーナー部に取り付けられるバンパーの脱落を防止することができるショーケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明のショーケースは、
ケース本体のコーナー部に取り付けられた湾曲状のコーナートリムと、該コーナートリムを介して互いに連設される一対の直線状のガードレールと、を備えるショーケースであって、
前記コーナートリムと前記各ガードレールとの外面に、略水平方向に連続する凹溝を形成するとともに、該各凹溝に、バンパーが連続的に嵌め込まれることを特徴としている。
この特徴によれば、コーナー部に様々な方向からショッピングカートが衝突されても、コーナー部のバンパーの上下縁部が凹溝の上下内面により保持されるため、バンパーに加わった衝撃力が広がる際に、その衝撃力が凹溝によって抑えられ、バンパーの保持力が向上するようになり、ショーケースのコーナー部に取り付けられるバンパーの脱落を防止することができる。
【0008】
本発明のショーケースは、
前記バンパーは、前記各ガードレールの凹溝に嵌め込まれるラインバンパーと、前記コーナートリムの凹溝に嵌め込まれるコーナーバンパーと、から構成され、該コーナーバンパーの両端部の裏面側には、隣接するガードレールの凹溝に延びる延設片が形成され、該各延設片が隣接するガードレールにそれぞれ固定されることを特徴としている。
この特徴によれば、ラインバンパーとコーナーバンパーとに分割されて、各々のバンパーに加わる衝撃力が隣接するバンパーに伝達され難くなり、かつコーナーバンパーは、隣接するガードレールに固定されるため、コーナーバンパーの保持力が向上するようになり、ショーケースのコーナー部に取り付けられるコーナーバンパーの脱落を防止することができる。
【0009】
本発明のショーケースは、
前記バンパーは、前記各ガードレールの凹溝に嵌め込まれるラインバンパーと、前記コーナートリムの凹溝に嵌め込まれるコーナーバンパーと、から構成され、該コーナーバンパーの両端部の表面側には、隣接するラインバンパーの端部を被装するコーナーカバー部が形成されることを特徴としている。
この特徴によれば、ラインバンパーとコーナーバンパーとに分割されて、各々のバンパーに加わる衝撃力が隣接するバンパーに伝達され難くなり、かつラインバンパーの端部がコーナーカバー部により被装され、ラインバンパーが脱落し難くなるとともに、バンパーの見栄えも向上される。
【0010】
本発明のショーケースは、
前記ガードレールの凹溝は、略蟻溝形状に形成されるとともに、前記ラインバンパーの裏面側に、前記ガードレールの凹溝に嵌合される上下の突出片が形成されることで、該ラインバンパーの断面視形状が前記ガードレールの凹溝に嵌合されたときに略補形をなし、かつ前記コーナートリムの凹溝は、その上下幅寸法が間口と奥部とでほぼ同一寸法であるとともに、前記コーナーバンパーの断面視形状が前記コーナートリムの凹溝に略補形をなしていることを特徴としている。
この特徴によれば、ラインバンパーの突出片が撓み易くなり、各ガードレールの蟻溝形状の凹溝に取り付け易くなるばかりか、突出片が撓むことによってラインバンパーにショッピングカートが衝突したときの衝撃力を吸収でき、かつコーナートリムの凹溝の上下幅寸法が間口と奥部でほぼ同一寸法で、この凹溝にコーナーバンパーが略補形をなすことで、コーナーバンパーから凹溝の内面に加わる衝突力が凹溝の間口と奥部でほぼ均等に加わるようになり、その衝撃力を凹溝によって抑えてコーナーバンパーの撓みや変形等を防止できる。
【0011】
本発明のショーケースは、
前記ガードレールは、上部ガードレール部材と下部ガードレール部材とから構成され、該上下の各ガードレール部材が重なる積重部により、前記凹溝の奥部を形成するとともに、該積重部がケース本体に対して固定されることを特徴としている。
この特徴によれば、バンパーにショッピングカートが衝突した際に、その衝撃力が最も集中する凹溝の奥部を強固に形成できるとともに、この奥部を形成する積重部がケース本体に対して固定されるため、バンパーに加わる衝突力が直線的にケース本体に向かうようになり、ガードレールが上下に揺れずに衝撃力を受けることができ、ガードレールの破損等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例におけるショーケースを示す斜視図である。
【図2】ガードレールとラインバンパーを示す縦断側面図である。
【図3】コーナートリムを示す斜視図である。
【図4】コーナーバンパーを取り付けた状態のコーナートリムを示す斜視図である。
【図5】コーナーバンパーを表面側から見た状態を示す斜視図である。
【図6】コーナーバンパーを裏面側から見た状態を示す斜視図である。
【図7】コーナートリムを示す平面図である。
【図8】コーナートリムを示す正面図である。
【図9】ガードレールを示す斜視図である。
【図10】ラインバンパーを取り付けた状態のガードレールを示す斜視図である。
【図11】連設部用エンド部材を示す斜視図である。
【図12】端部用エンド部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係るショーケースを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0014】
実施例に係るショーケースにつき、図1から図12を参照して説明する。以下、図2の紙面左側をショーケースの正面側(前方側)とし、図7の紙面下側をショーケースの正面側(前方側)として説明する。
【0015】
図1の符号1は、スーパーマーケットなどの商品販売店舗等に設置される本発明の適用されたショーケースである。このショーケース1は、平面視で略四角形状をなしており、その内部に冷凍・冷蔵機ユニット(図示略)を備え、陳列する商品を冷凍・冷蔵しながら陳列できる。また、ショーケース1は左右に2つのユニット2に分割できるようになっており、工場にて製造された各ユニットは、設置店舗に搬入された後に一体的に組み合わせられるようになっている。
【0016】
図1に示すように、ショーケース1の四方の外周壁3には、床面から所定の高さ位置に、直線状のガードレール4が設けられている。このガードレール4は、ショッピングカート(図示略)などの衝突から外周壁3の化粧板5を保護するために設けられている。更に、ショーケース1のコーナー部6(角部)にも、ガードレール4と同様に外周壁3を保護する湾曲状コーナートリム7が設けられている。尚、ガードレール4及びコーナートリム7が破損しても外周壁3から容易に取り外しが行えるようになっている。
【0017】
図2に示すように、ガードレール4の表面形状は、外方に向かって突出する略山型形状をなしており、ガードレール4の突端部には、凹溝状に形成されたライン溝8(ガードレールの凹溝)が、ガードレール4の長手方向の全体に渡って設けられている。このライン溝8には、弾力性を有する合成樹脂製のラインバンパー9が長手方向の全体に渡って嵌合されている。尚、ラインバンパー9は押出成形により製造され、その長手方向の全体に渡って同一形状をなしている。
【0018】
また、ライン溝8は、その上下幅寸法が間口8a(外方側)よりも奥部8b(底面側)が大となっている略蟻溝形状に形成される。そして、ラインバンパー9の裏面側には、ライン溝8に嵌合される上下の突出片10が形成されている。ラインバンパー9をライン溝8に嵌合させる際に、突出片10は撓むようになっている。尚、ラインバンパー9の断面視形状は、ライン溝8に嵌合されたときにライン溝8と略補形をなすようになっている。
【0019】
更に、ラインバンパー9の裏面側には、突出片10により形成される空隙部11が設けられるとともに、ラインバンパー9の前後方向の中央部に補強板部12が形成され、この補強板部12よりも前方側に中空部13が形成されている。更に尚、ラインバンパー9の表面には、最も外方に突出された垂直面9aと、この垂直面9aの上部に形成された傾斜面9bと、が形成されている。
【0020】
ラインバンパー9の表面側にショッピングカートが衝突した際には、ラインバンパー9が前後方向に押し潰されるように変形して、その衝突力を吸収するとともに、上下の突出片10が上下に広がるようになり、ラインバンパー9がライン溝8から脱落しないようになっているとともに、衝突力がライン溝8の上下内面8cによって抑えられるようになっている。
【0021】
図2に示すように、ガードレール4は、一枚の金属板体を屈曲して形成された上部ガードレール部材14と、同様に形成された下部ガードレール部材15と、から構成されている。また、ショーケース1の外周壁3(ケース本体)を構成する断熱材16には、ハット型金具17がネジ18により取り付けられている。このハット型金具17の突端部に上部ガードレール部材14の下部が取り付けられるとともに、下部ガードレール部材15の上部が取り付けられ、上下の各ガードレール部材14,15が重なる部位(積重部)がネジ19によりハット型金具17に固定される。そして、この重なる部位(積重部)により、ライン溝8の奥部8bが形成される。
【0022】
図3に示すように、一対のガードレール4は、コーナートリム7を介して互いに連設されている。コーナートリム7の表面形状は、ガードレール4の表面形状と同様に、外方に向かって突出する略山型形状をなしており(図8参照)、コーナートリム7及びガードレール4が一体的に水平方向に連続するデザインとなっている。
【0023】
コーナートリム7の突端部には、溝状に形成されたコーナー溝20(コーナートリムの凹溝)が、コーナートリム7の水平方向の全体に渡って設けられている。このコーナー溝20には、弾力性を有する合成樹脂製のコーナーバンパー21が水平方向の全体に渡って嵌合される(図4参照)。尚、コーナーバンパー21は金型成形により製造されている。
【0024】
図7に示すように、コーナートリム7は、平面視で湾曲された形状となっている。更に、図8に示すように、コーナートリム7のコーナー溝20内には、コーナートリム7を外周壁3に取り付けるためのネジ(図示略)を挿通させるネジ挿通孔22,23が形成されている(図3参照)。このネジ挿通孔22,23は所定の2箇所に設けられ、それぞれ別方向からネジ(図示略)を挿通してコーナートリム7を外周壁3に螺着できるようになっている。
【0025】
図3に示すように、コーナートリム7及びガードレール4を外周壁3に取り付ける際には、先ずコーナートリム7とハット型金具17を外周壁3に取り付けて、その後、ガードレール4を構成する上部ガードレール部材14と下部ガードレール部材15との順で取り付けるようになっている。
【0026】
また、コーナートリム7の両端部には、隣接するガードレール4と重なる重畳部24,25が設けられている。一方の重畳部24には、上部ガードレール部材14及び下部ガードレール部材15の端部に形成された折曲部14a,15aが係合される係合溝24aが形成されている(図3参照)。
【0027】
また、図3及び図7に示すように、コーナー溝20は、その上下幅寸法が間口20a(外方側)と奥部20b(底面側)とでほぼ同一寸法となっている(図8参照)。つまりコーナー溝20の上下内面20cは略水平面となっている。尚、コーナーバンパー21の断面視形状は、ライン溝8と略補形をなすようになっている。更に尚、コーナーバンパー21の表面には、ラインバンパー9の表面と同様に、最も外方に突出された垂直面21aと、この垂直面21aの上部に形成された傾斜面21bと、が形成されている(図5参照)。
【0028】
図6に示すように、コーナーバンパー21の両端部の裏面側には、隣接するガードレール4のライン溝8に向かって延びる延設片26,27が形成されている。一方の延設片26には、ネジ(図示略)が挿通される貫通孔26aが形成されるとともに、他方の延設片27にも、ネジ(図示略)が配置される切欠溝27aが形成されている。
【0029】
尚、コーナーバンパー21の裏面には、コーナー溝20のネジ挿通孔22に挿入されて、コーナーバンパー21の位置決めができる位置決め凸部28が設けられている。コーナーバンパー21をコーナー溝20に取り付ける際には、位置決め凸部28をコーナー溝20のネジ挿通孔22に挿入してコーナーバンパー21の位置決めをし、この状態で一方の延設片26の貫通孔26aにネジ(図示略)を挿通して、一方のガードレール4のライン溝8内のネジ孔29に螺着する。
【0030】
そして、他方の延設片27の切欠溝27aにネジ(図示略)を配置して、他方のガードレール4のライン溝8内のネジ孔30に螺着する。尚、他方の延設片27に切欠溝27aが設けられることによって、製造誤差等によりコーナーバンパー21の固定用のネジの配置箇所が多少ずれていても許容できるようになっている。
【0031】
図5に示すように、コーナーバンパー21の両端部の表面側には、隣接するラインバンパー9の端部の表面全体を被装するコーナーカバー部31が形成されている。コーナーカバー部31は薄板状に形成されて撓み易くなっている。
【0032】
コーナーバンパー21及びラインバンパー9をコーナー溝20及びライン溝8に取り付ける際には、先ずコーナーバンパー21をコーナー溝20に取り付けて、その後、ライン溝8にラインバンパー9を嵌合させつつ、ラインバンパー9の端部を、コーナーバンパー21の延設片26,27とコーナーカバー部31との間に圧入するようになっている。このときコーナーカバー部31を撓ませることで容易にラインバンパー9の端部を圧入できるようになっている。
【0033】
尚、ラインバンパー9の突出片10により形成される空隙部11に、コーナーバンパー21の延設片26,27が配置されるようになっており(図2参照)、ラインバンパー9に加わった衝撃力が、延設片26,27に直接伝達されないようになり、コーナーバンパー21の脱落を防止することができる。尚、ラインバンパー9とコーナーバンパー21とに分割されているため、各々のバンパー9,21に加わる衝撃力が隣接するバンパー9,21に伝達され難くなっている。
【0034】
図1及び図10に示すように、ショーケース1の左右のユニット2が連設された連設部32においても、各ガードレール4が一体的に連続するデザインとなっている。図9に示すように、左右に連設された各ガードレール4のライン溝8の連設部位には、弾力性を有する合成樹脂製の連設部用エンド部材33が取り付けられる。尚、連設部用エンド部材33は金型成形により製造されている。
【0035】
図11に示すように、連設部用エンド部材33は、ラインバンパー9の端部が当接される板状部34と、この板状部34の裏面側に形成されてライン溝8の奥部8bに固定される固定片35と、この板状部34の表面側に形成されてラインバンパー9の端部の表面を被装するラインカバー部36と、この板状部34の略中央部から左右側方に突出される中央凸部37と、を有している。
【0036】
また、固定片35には、ネジ38が配置される切欠溝35aが形成されている。更に、固定片35とラインカバー部36と中央凸部37のそれぞれが、板状部34から略左右方向に延設されて、正面視において連設部用エンド部材33の形状が左右対称をなす形状となっている。
【0037】
尚、ラインカバー部36は薄板状に形成されて撓み易くなっている。連設部用エンド部材33及びラインバンパー9をライン溝8に取り付ける際には、先ず連設部用エンド部材33をコーナー溝20に取り付けて、その後、ライン溝8にラインバンパー9を嵌合させつつ、ラインバンパー9の端部を、連設部用エンド部材33の固定片35とラインカバー部36との間に圧入するようになっており、このときラインカバー部36を撓ませることで容易にラインバンパー9の端部を圧入できるようになっている。そして、各ラインバンパー9の端部同士が互いに突き合わされ、これらラインバンパー9の端部同士の間に板状部34が配置される。
【0038】
また、ラインバンパー9の突出片10により形成される空隙部11に、連設部用エンド部材33の固定片35が配置されるようになっており(図2及び図11参照)、ラインバンパー9に加わった衝撃力が、固定片35に直接伝達されないようになり、連設部用エンド部材33の脱落を防止することができる。更に尚、ラインバンパー9の中空部13に、連設部用エンド部材33の中央凸部37が配置されるようになっており(図2及び図11参照)、ラインバンパー9の脱落を防止することができる。
【0039】
また、図12に示すように、前述した連設部用エンド部材33以外にも、端部用エンド部材39を用いることができる。この端部用エンド部材39は、ショーケース1のユニット2の端部側に仕切板を設けたり、ユニット2単体で使用したりする場合を想定しており、ガードレール4のライン溝8の端部に設けられる。尚、端部用エンド部材39は、前述した連設部用エンド部材33と同様に、弾力性を有する合成樹脂製の部材となっている。
【0040】
また、端部用エンド部材39は、ラインバンパー9の端部が当接される板状部40と、この板状部40の一方の側面の裏面側に形成されてライン溝8の奥部8bに固定される固定片41と、この板状部40の一方の側面の表面側に形成されてラインバンパー9の端部の表面を被装するラインカバー部42と、この板状部40の一方の側面の略中央部から側方に突出される中央凸部43と、を有している。また、固定片41には、ネジ44が配置される切欠溝41aが形成されている。
【0041】
尚、これら端部用エンド部材39の板状部40と固定片41とラインカバー部42と中央凸部43との機能等は、前述した連設部用エンド部材33のものと同一となっているので説明を省略する。
【0042】
以上、本実施例におけるショーケース1では、コーナートリム7と各ガードレール4との外面に、略水平方向に連続するコーナー溝20及びライン溝8を形成するとともに、コーナー溝20に、コーナーバンパー21が嵌め込まれることで、コーナー部6に様々な方向からショッピングカートが衝突されても、コーナー部6のコーナーバンパー21の上下縁部がコーナー溝20の上下内面20cにより保持されるため、コーナーバンパー21に加わった衝撃力が広がる際に、その衝撃力がコーナー溝20によって抑えられ、コーナーバンパー21の保持力が向上するようになり、ショーケース1のコーナー部6に取り付けられるコーナーバンパー21の脱落を防止することができる。
【0043】
また、コーナーバンパー21の両端部の裏面側には、隣接するガードレール4のライン溝8に延びる延設片26,27が形成され、各延設片26,27が隣接するガードレール4にそれぞれ固定されることで、コーナーバンパー21は、隣接するガードレール4に固定されるため、コーナーバンパー21の保持力が向上するようになり、ショーケースのコーナー部6に取り付けられるコーナーバンパー21の脱落を防止することができる。
【0044】
また、コーナーバンパー21の両端部の表面側には、隣接するラインバンパー9の端部を被装するコーナーカバー部31が形成されることで、ラインバンパー9の端部がコーナーカバー部31により被装され、ラインバンパー9が脱落し難くなるとともに、バンパー9,21の見栄えも向上される。
【0045】
また、ガードレール4のライン溝8は、略蟻溝形状に形成されるとともに、ラインバンパー9の裏面側に、ガードレール4のライン溝8に嵌合される上下の突出片10が形成されることで、ラインバンパー9の断面視形状がガードレール4のライン溝8に嵌合されたときに略補形をなすことで、ラインバンパー9の突出片10が撓み易くなり、各ガードレール4の蟻溝形状のライン溝8に取り付け易くなるばかりか、突出片10が撓むことによってラインバンパー9にショッピングカートが衝突したときの衝撃力を吸収でき、かつコーナートリム7のコーナー溝20の上下幅寸法が間口20aと奥部20bでほぼ同一寸法で、このコーナー溝20にコーナーバンパー21が略補形をなしていることで、コーナーバンパー21からコーナー溝20の内面20cに加わる衝突力がコーナー溝20の間口20aと奥部20bでほぼ均等に加わるようになり、その衝撃力をコーナー溝20によって抑えてコーナーバンパー21の撓みや変形等を防止できる。
【0046】
また、ガードレール4は、上部ガードレール部材14と下部ガードレール部材15とから構成され、上下の各ガードレール部材14,15が重なる積重部により、ライン溝8の奥部8bを形成するとともに、この奥部8bがショーケース1の外周壁3に対して固定されることで、ラインバンパー9にショッピングカートが衝突した際に、その衝撃力が最も集中するライン溝8の奥部8bを強固に形成できるとともに、この奥部8bを形成する積重部がショーケース1の外周壁3に対して固定されるため、ラインバンパー9に加わる衝突力が直線的に外周壁3に向かうようになり、ガードレール4が上下に揺れずに衝撃力を受けることができ、ガードレール4の破損等を防止することができる。
【0047】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0048】
例えば、前記実施例では、ラインバンパー9とコーナーバンパー21とがそれぞれ別部材となっているが、これらのバンパー9,21を可撓性を有する材質で一体的に形成して、コーナートリムと各ガードレールとの外面の凹溝8,20に連続的に嵌め込むようにしてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 ショーケース
3 外周壁(ケース本体)
4 ガードレール
6 コーナー部
7 コーナートリム
8 ライン溝(凹溝)
8a 間口
8b 奥部
8c 内面
9 ラインバンパー
10 突出片
11 空隙部
14 上部ガードレール部材
15 下部ガードレール部材
17 ハット型金具(ケース本体)
20 コーナー溝(凹溝)
20a 間口
20b 奥部
20c 内面
21 コーナーバンパー
24,25 重畳部
26,27 延設片
31 コーナーカバー部
33 連設部用エンド部材
34 板状部
35 固定片
35a 切欠溝
36 ラインカバー部
37 中央凸部
39 端部用エンド部材
40 板状部
41 固定片
41a 切欠溝
42 ラインカバー部
43 中央凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース本体のコーナー部に取り付けられた湾曲状のコーナートリムと、該コーナートリムを介して互いに連設される一対の直線状のガードレールと、を備えるショーケースであって、
前記コーナートリムと前記各ガードレールとの外面に、略水平方向に連続する凹溝を形成するとともに、該各凹溝に、バンパーが連続的に嵌め込まれることを特徴とするショーケース。
【請求項2】
前記バンパーは、前記各ガードレールの凹溝に嵌め込まれるラインバンパーと、前記コーナートリムの凹溝に嵌め込まれるコーナーバンパーと、から構成され、該コーナーバンパーの両端部の裏面側には、隣接するガードレールの凹溝に延びる延設片が形成され、該各延設片が隣接するガードレールにそれぞれ固定されることを特徴とする請求項1に記載のショーケース。
【請求項3】
前記バンパーは、前記各ガードレールの凹溝に嵌め込まれるラインバンパーと、前記コーナートリムの凹溝に嵌め込まれるコーナーバンパーと、から構成され、該コーナーバンパーの両端部の表面側には、隣接するラインバンパーの端部を被装するコーナーカバー部が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のショーケース。
【請求項4】
前記ガードレールの凹溝は、略蟻溝形状に形成されるとともに、前記ラインバンパーの裏面側に、前記ガードレールの凹溝に嵌合される上下の突出片が形成されることで、該ラインバンパーの断面視形状が前記ガードレールの凹溝に嵌合されたときに略補形をなし、かつ前記コーナートリムの凹溝は、その上下幅寸法が間口と奥部とでほぼ同一寸法であるとともに、前記コーナーバンパーの断面視形状が前記コーナートリムの凹溝に略補形をなしていることを特徴とする請求項2または3に記載のショーケース。
【請求項5】
前記ガードレールは、上部ガードレール部材と下部ガードレール部材とから構成され、該上下の各ガードレール部材が重なる積重部により、前記凹溝の奥部を形成するとともに、該積重部がケース本体に対して固定されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のショーケース。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2011−251020(P2011−251020A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127418(P2010−127418)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】