シリコーンオイルの噴射構造

【課題】シリコーンオイルの希釈に環境や人体に有害な溶剤を用いることなく、かつ、安全面において問題のあるLPGや炭酸ガス等を用いずに空気圧により噴射できるシリコーンオイルの噴射構造を提供することにある。
【解決手段】蓋部30によるポンピング動作により圧縮空気aを容器本体10内に圧送することにより、容器本体10内の空気圧を加圧し、かつ、噴射ボタン部26を押下することにより連続噴射可能な噴射器であって、この噴射器内には、25℃における粘度が50mm2 /sのジメチルシリコーンオイルを10〜50wt%と、25℃における粘度が4.0mm2 /sの環状ポリジメチルシロキサンを90〜50wt%とを混合したシリコーンオイル混合液を充填する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーンオイルの噴射構造であって、特に、LPGや炭酸ガス等を用いることなく空気圧により噴射する滑走性、離型性のよいシリコーンオイルの噴射構造である。
【背景技術】
【0002】
シリコーンオイルは、多用途に用いられるが、主に、離型性、滑走性を高めるために用いられている。例えば、製本業界において、印刷された紙の束を手作業で台の上を滑らせて次工程の裁断まで運ぶことがあるが、この台にシリコーンオイルを塗布し滑走性を高めることにより、運搬作業を容易にするということが行われている。また、金型にシリコーンオイルを予め塗布しておき、離型性を高めるということも行われている。
【0003】
従来、このシリコーンオイルを塗布する方法としては、刷毛によってシリコーンオイルを塗布するという方法もあったが、より簡易に均一にシリコーンオイルを塗布できるものとして、シリコーンオイルを噴射して塗布するというものがあった。
【0004】
この従来のシリコーンオイルの噴射構造として、高粘度のシリコーンオイルを塩素系溶剤や炭化水素系溶剤で希釈し、これをスプレー缶に入れ、更にこのスプレー缶にLPGや炭酸ガス等のガスを充填し、このガス圧でスプレー缶内のシリコーンオイルを噴射するというものがある。
【0005】
しかしながら、上記のような従来のシリコーンオイルの噴射構造にあっては、溶剤を用いてシリコーンオイルを希釈するため、噴射の際にこの溶剤が飛び散ったり、また、この溶剤は噴射後において揮発するため人体に悪影響を及ぼすばかりでなく、引火する可能性もあり安全面においても問題があった。
【0006】
更に、LPGや炭酸ガス等のガスを使用しているため、引火の危険性もあり更に安全面において問題があった。
【0007】
なお、上記した従来技術は、文献公知発明に係るものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、シリコーンオイルの希釈に環境や人体に有害な溶剤を用いることなく、かつ、安全面において問題のあるLPGや炭酸ガス等を用いずに空気圧により噴射できる滑走性、離型性のよいシリコーンオイルの噴射構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、噴射器内部に貯留されたシリコーンオイルを噴射器外部に噴射するシリコーンオイルの噴射構造であって、
上記噴射器は、容器本体、シリンダ、ノズル装着部、スプリング部、ノズルステム、逆止弁、噴射ボタン部、蓋部を備え、
上記容器本体は、有底部を有するとともに上端に開口部を形成してなり、
上記シリンダは、上記容器本体の内側に挿入固着されるとともに内筒と外筒を設け、この両筒の間にガイド溝を設けてなり、かつ外筒の外周縁上部に第1のフランジ、及び内筒の内周縁上部に第2のフランジが設けられ、上記第2のフランジに空気孔を形成してなり、
上記ノズル装着部は、上記シリンダの内筒内壁に環状突起を介して固着されるとともに中央部に収容室が形成され、かつ、上記環状突起に空気穴を設けてなり、
上記スプリング部は、上記ノズル装着部に上下スライド可能に取り付けられるとともに、下端に螺旋状のバネ部を一体形成し、かつ上端中央部に係止穴を形成してなり、
上記ノズルステムは、上記スプリング部の係止穴の内周に固着される支持部と、この支持部の上部に一体に設けられるとともに縦穴およびこの縦穴の下端に連通する横穴を備える支持筒とからなり、
上記逆止弁は、上記ノズルステムの横穴上方と上記内筒の第2のフランジの間に取り付けられるリング状の弾性部材からなり、
上記噴射ボタン部は、その上方側縁に噴射口を有するとともに、上記シリンダの第2のフランジの上方に位置し、この第2のフランジとの間にギャップを介して、上記ノズルステムの支持筒外周に上下動可能に取り付けられてなり、
上記蓋部は、上記内筒と外筒間に設けられたガイド溝に沿って上下動する筒状のピストンが設けられてなるとともに、上記噴射ボタン部の上方に配置された状態のときに、上記噴射ボタン部に対してポンピング可能に設けられ、
上記シリコーンオイルは、25℃における粘度が50mm2 /sのジメチルシリコーンオイルを10〜50wt%と、25℃における粘度が4.0mm2 /sの環状ポリジメチルシロキサンを90〜50wt%とを混合したものであり、
上記蓋部によるポンピング動作後、この蓋部を取り外した状態で、上記噴射ボタン部を押下することにより、上記シリコーンオイルを上記噴射ボタン部の噴射口から連続噴射することを特徴とする。
【0010】
このジメチルシリコーンオイルは、化学名がポリジメチルシロキサンであり、化学式又は構造式が以下のものを言う。

【0011】
一方、環状ポリジメチルシロキサンは、化学名が環状ポリアルキルシロキサンであり、化学式又は構造式が以下のものを言う。

[ (CH)SiO]
【0012】
また、この25℃における粘度が50mm2 /sのジメチルシリコーンオイルとしては、例えば、GE東芝シリコーン株式会社製のTSF451−50があり、25℃における粘度が4.0mm2 /sの環状ポリジメチルシロキサンとしては、例えば、GE東芝シリコーン株式会社製TSF405がある。
【0013】
また、ここで言う噴射は、シリコーンオイルをある方向へ向けて噴出することを言い、霧状に噴出させる噴霧も含む。
【0014】
25℃における粘度が50mm2 /sのジメチルシリコーンオイル(高粘度シリコーンオイル)が多すぎると噴射できなくなる。一方、25℃における粘度が4.0mm2 /sの環状ポリジメチルシロキサン(低粘度シリコーンオイル)があまり多すぎると安全面において問題があり、更に、滑走性も落ちるので上記のような混合比が好適である。
【発明の効果】
【0015】
このように、シリコーンオイルを噴射するのに、容器本体内の空気をピストン・シリンダ機構により加圧することが出来る噴射器を用いたことから、LPGや炭酸ガス等が不要となるので引火の危険性もなく安全である。
【0016】
また、ポンピング動作により加圧できる構成を採用したので、シリコーンオイルの残量が少なくなった場合においても、ポンピング動作をすることにより、再度容器本体内の空気を加圧でき、良好な噴射を可能とする。
【0017】
また、本発明においては、蓋部によるポンピング動作後、この蓋部を取り外した状態で噴射ボタン部を押下することにより噴射されるという構成を採用したため、噴射の度に加圧する必要がなく、連続噴射が可能であり操作性がよい。
【0018】
また、本発明においては、内筒と外筒との間に設けられたガイド溝に沿って上下動する筒状のピストンを採用したことから、ポンピング作業時において、ピストンが、内面側と外面側の両側面においてガイドされているので、ピストンがぐらつかず操作性が良く、加圧が好適に行える。
【0019】
更に、容器本体内に貯留させるシリコーンオイルを、25℃における粘度が50mm2 /sのジメチルシリコーンオイルを10〜50wt%と、25℃における粘度が4.0mm2 /sの環状ポリジメチルシロキサンを90〜50wt%とを混合したものとしたことから、溶剤が不要で、環境や人体に悪影響を及ぼさないシリコーンオイルの噴射が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下本発明のシリコーンオイルの噴射構造を、図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0021】
本発明のシリコーンオイルの噴射構造は、噴射器とこの噴射器内部に貯留されたシリコーンオイル混合液よりなる。
【0022】
まず、本発明の噴射器の全体構造について図1及び図2を用いて説明する。図1は、この噴射器の構成部品の取付構造を示した斜視図であり、図2は、加圧時の噴射器の真横断面図である。
【0023】
この噴射器は、容器本体10、シリンダ21、ノズル装着部22、スプリング部23、ノズルステム24、逆止弁25、噴射ボタン部26及び蓋部30を備えている。
【0024】
容器本体10は、図1に示す通り、有底部10aを有するとともに、上端には円筒状の取付け部10bを有している。この取付け部10bは、円筒状に形成されており、上端に開口部10b−1を有するとともに、外周壁面には雄ねじが形成されている。
【0025】
シリンダ21は、図2に示すように、中央に設けられた内筒21aと、この内筒21aを取り囲むように外周に設けられた外筒21bとから構成されている。両筒間には、ガイド溝21cが設けられている。また、内筒21aの内周縁上部には円盤状の第2のフランジ21eが設けられており、この第2のフランジ21eの中央部には、中央孔21e−1が設けられているとともに、この中央孔21e−1の周りには、空気孔21e−2が放射状に4つ形成されている。他方、外筒21bの外周縁上部にはリング状の第1のフランジ21dが設けられている。
【0026】
ノズル装着部22は、中央部に設けられた収容室22aと、この収容室22aの外周面に固着された環状突起22bとから構成されている。この環状突起22bには、圧縮された空気が通る空気穴22b−1が設けられており、この環状突起22bを介してノズル装着部22は、上記シリンダ21の内筒21aの内壁に固着されている。また、このノズル装着部22の下端部には、ノズル27が嵌合装着されている。このノズル27は、細長状の管であり、容器本体10内にシリコーンオイル混合液が貯留された状態においては、このノズル27の下端はシリコーンオイル混合液内に浸されている。
【0027】
スプリング部23は、ノズル装着部22の収容室22a内に上下スライド可能に取り付けられるとともに、摺動隙間が形成されており、下端には螺旋状のバネ部23bが一体形成されており、かつ上端中央部には係止穴23aが形成されている。また、このバネ部23bは、圧縮状態で取り付けられ、常時上方に付勢している。
【0028】
ノズルステム24は、スプリング部23の係止穴23aの内周に固着される支持部24aと、この支持部24aの上部に一体形成された支持筒24bとから構成されている。この支持筒24bには、中央部に縦穴24b−1が形成されているとともに、この縦穴24b−1の下端と交差して連通するように横穴24b−2が形成されている。このノズルステム24の支持筒24bは、第2のフランジ21eの中央孔21e−1に摺動可能に嵌合装着されるとともに、バネ部23bの弾性力によりノズルステム24は常時上方に付勢されている。なお、ノズルステム24の支持部24aが係止穴23aの内周に固着される際には、この係止穴23aの内周面が横穴24b−2を塞がないようにして構成されている。
【0029】
逆止弁25は、リング状の弾性部材から形成されており、ノズルステム24が、横穴24b−2と第2のフランジ21eの間に位置するように、支持筒24bの下方に嵌合固着されている。逆止弁25の裏面とノズル装着部22の上部端面とは当接しており、また、スプリング部23の上部端面もバネ部23bの弾性力により、この逆止弁25の裏面と当接している。この逆止弁25は、上記のように弾性部材からなり、また、この逆止弁25は、空気孔21e−2を開閉するよう機能する。
【0030】
噴射ボタン部26は、図2に示すように、上方側縁に形成された噴射口26aと、吸い上げられたシリコーンオイル混合液をこの噴射口26aまで運ぶ液体流路26bとから構成されている。この噴射ボタン部26は、この液体流路26bの下端部にノズルステム24の支持筒24bが嵌合固着されることにより、シリンダ21の第2のフランジ21eとの間にギャップGを有するようにして、この第2のフランジ21eの上方に取り付けられている。
【0031】
蓋部30は、図1に示すように、本体キャップ31と、ピストン32とから構成されている。この本体キャップ31は、中空に形成されているとともに、裏面中央部には、ボス31aが形成されており、このボス31aを介してピストン32とは取り外し可能に固着されている。この本体キャップ31は、噴射器を使用しない場合には、容器本体10のキャップとして機能する。また、ピストン32は、中空円筒に形成されているとともに、その円周が、内筒21aの円周より大きく、かつ外筒21bの円周より小さく形成されており、ガイド溝21c内に沿って上下動可能に形成されている。
【0032】
また、本発明における噴射器においては、図1及び図4の状態1に示すように、上記した構成部品が一体となる構造のものであるので、次にこの一体構造について図1及び2を用いて説明する。
【0033】
まず、容器本体10の開口部10b−1からシリンダ21を、下端部側から、第1のフランジ21dの裏面が、容器本体10の開口端面10b−2に載置されるまで挿入する。次に、上部に開口部を有し内壁面に雌ねじを設けてなる円筒状のバルブキャップ40を、容器本体10の取付け部10bの上方から覆い被せ、このバルブキャップ40を取付け部10bとねじ止め固着すると、開口端面10b−2に載置された第1のフランジ21dがこの取付け部10bとバルブキャップ40間に取り付けられ、このシリンダ21は、容器本体10内に取り付けられる。このシリンダ21には、上記各構成部品の説明で説明したように、ノズル27が固着されたノズル装着部22と、スプリング部23と、ノズルステム24と、逆止弁25と、噴射ボタン部26とが固着されているので(図1の20参照)、この各構成部品が固着されたシリンダ21と容器本体10は固着され一体となる。なお、上記したように、シリンダ21のガイド溝21cには、ピストン32が挿入されるので、このバルブキャップ40の開口部の内径は、このガイド溝21cを塞がないように、外筒21bの内径より大きく形成されている。
【0034】
次に、これらと蓋部30との一体構造について説明する。
【0035】
上記状態において、噴射ボタン部26にピストン32の開口部を覆い被せるようにして、垂直下方に蓋部30を押下する。すると、このピストン32は、内筒21aを内包するようにガイド溝21c内を押下するとともに、ピストン32の端部は外筒21b内壁面を摺動する。更にピストン32が押下すると、本体キャップ31の下方端部が容器本体10と接触し、図4の状態1に示す状態となり、噴射器の全ての構成部品が一体となる。なお、上記噴射器の容器本体内には、高粘度シリコーンオイルと低粘度シリコーンオイルとを混合したシリコーンオイル混合液が充填されている。
【0036】
次に、容器本体10内に入れられるシリコーンオイル混合液の構造について説明する。
【0037】
高粘度シリコーンオイルとして、25℃における粘度が50mm2 /sのジメチルシリコーンオイルを10〜50wt%、低粘度シリコーンオイルとして、25℃における粘度が4.0mm2 /sの環状ポリジメチルシロキサンを90〜50wt%とした。
【0038】
このジメチルシリコーンオイルは、化学名がポリジメチルシロキサンであり、化学式又は構造式が以下のものを言う。

【0039】
一方、環状ポリジメチルシロキサンは、化学名が環状ポリアルキルシロキサンであり、化学式又は構造式が以下のものを言う。

[ (CH)SiO]
【0040】
本発明者は、上記ジメチルシリコーンオイルとして、GE東芝シリコーン株式会社製TSF451−50、上記低粘度シリコーンオイルとしてGE東芝シリコーン株式会社製TSF405を用いて実験を行った。TSF451−50が多すぎると噴射性が悪くなり、一方、このTSF451−50が少なすぎると滑走性、離型性が悪くなることが判明した。
【0041】
また、TSF405はTSF451−50より価格が高いので、コスト面、滑走性及び安全面を総合的に勘案してみると、25℃における粘度が50mm2 /sのジメチルシリコーンオイルを10〜50wt%と、25℃における粘度が4.0mm2 /sの環状ポリジメチルシロキサンを90〜50wt%と、を混合したシリコーンオイル混合液を容器本体内に充填させるのがより好適であることを、本発明者は知見した。
【0042】
本発明は、上記のように構成されており、以下その動作説明をする。
【0043】
上記説明した噴射器を用いてシリコーンオイル混合液を噴射するにあたっては、図4に示すように、まず、噴射器の全ての構成部品が一体化された状態(状態1)から、噴射器の蓋部30を上下にポンピング動作をすることにより容器本体内を加圧する(状態2)。次に、加圧が終了したら蓋部を外し(状態3)、噴射ボタン部の頭部を押下する。すると、シリコーンオイル混合液が外部に噴射される(状態4)。以下に更に詳しく説明する。
【0044】
まず、図2を用いて噴射器の容器本体内の加圧動作について説明をする。
【0045】
上記のように、蓋部30に設けられたピストン32を、容器本体10の開口部10b−1の上方から挿入させ、ガイド溝21c内において、このピストン32の端部が外筒21bの内壁面に摺動するように、この蓋部30を上下に繰り返しポンピングさせる。
【0046】
すると、このピストン32がガイド溝21c内を下方に移動する際に、このピストン32内の空気は圧縮される。この圧縮された空気aは、噴射ボタン部26と第2のフランジ21eとの間のギャップGを通り、内筒21aの空気孔21e−2を通って逆止弁25に作用する。これにより、逆止弁25は図2の点線に示すように下方に撓み、この撓んだ逆止弁25の外周縁と内筒21aとの間に微小隙間が生じる。従って、逆止弁25に作用している圧縮空気aは、その微小隙間を通って、逆止弁25の下方に抜け、更に、その圧縮空気aは、空気穴22b−1を通って、容器本体10内のシリコーンオイル混合液面まで達し、このシリコーンオイル混合液面を加圧する。このようにして、圧縮空気aを容器本体10内に圧送し、これにより、容器本体10内の空気を加圧する。なお、逆止弁25は、その弾性復帰力と容器本体10内の内圧により、図2の実線に示すような状態に戻り、圧縮空気aの逆流を防止する。
【0047】
次に、図3を用いてシリコーンオイル混合液の噴射動作を説明する。
【0048】
上記容器本体10内が加圧され、収容室22a内にシリコーンオイル混合液が貯留された状態で、噴射ボタン部26の頭部を押すと、この噴射ボタン部26が押し下げられるとともに、これに連動してノズルステム24も押し下げられる。
【0049】
これにより、ノズルステム24と固着されたスプリング部23のバネ部23bが縮み、スプリング部23もノズルステム24に連動して押し下げられる。また、ノズルステム24が押し下げられると、逆止弁25もノズルステム24に連動して押し下げられる。この際、逆止弁25の中央部はノズルステム24と一緒に押し下げられる一方、逆止弁25の外周縁は、容器本体10内の空気の圧力により、上方に押し上げられる。これにより、逆止弁25はすり鉢状に弾性変形する。
【0050】
上記のように逆止弁25が弾性変形すると、スプリング部23の上端部の端面及びノズル装着部22の上端部の端面Sと、逆止弁25の裏面との間に隙間が生じる。このような隙間が発生すると、容器本体10内の底部に溜まっているシリコーンオイル混合液は、容器本体10内の圧縮空気により、ノズル27、収容室22a内、スプリング部23と収容室22aとの間の摺動隙間、スプリング部23の上端部の端面及びノズル装着部22の上端部の端面Sと逆止弁25の裏面との間の隙間、横穴24b−2、縦穴24b−1および液体流路26bをその順に通って、噴射口26aから外部へ噴射する。このように噴出するシリコーンオイル混合液は、スプリング部23の上端部の端面及びノズル装着部22の上端部の端面Sと逆止弁25の裏面との間の隙間を通過するときに、圧縮空気aが混合される。
【0051】
容器本体10内の空気およびシリコーンオイル混合液には圧力がかかっているので、上記隙間から係止穴23aに容器本体10内の圧縮空気が流入するとともに、シリコーンオイル混合液もスプリング部23の外表面とノズル装着部22の内壁面との間の隙間を通って係止穴23aに流入する。
【0052】
この係止穴23aに流入した空気とシリコーンオイル混合液は、圧力が掛かっているので、更に、空気圧の低い方に流出する。即ち、シリコーンオイル混合液と空気は、横穴24b−2及びこれに連通する縦穴24b−1を通って、更に、この縦穴24b−1と連通する液体流路26bを通って、噴射口26aから噴射されることとなる。
【0053】
噴射ボタン部26の頭部の押圧を解除すると、スプリング部23のバネ力によりノズルステム24が上方に押し上げられる。そして、このノズルステム24の上方移動と、逆止弁25自身の弾性復帰力と、容器本体10内の内圧とにより、逆止弁25は図2の実線で示すように噴射ボタン部26押下前の状態に戻る。これにより、逆止弁25の裏面側に生じていた前記隙間が閉じ、シリコーンオイルの噴射が停止する。
【0054】
加圧されたシリコーンオイル混合液は、圧力の低いノズル27内に圧送され、ノズル27内を下方端部から上方端部まで流れ、収容室22a内に流出し貯留される。この収容室22a内に流出したシリコーンオイル混合液は、上記したようにノズル装着部22の上方端部及びスプリング部23の上方端部が、逆止弁25の裏面と当接しているので、この収容室22a内から外部に流出しない。
【0055】
以上のように、本発明における噴射器は、蓋部によるポンピング動作後、この蓋部を取り外した状態で、上記噴射ボタン部を押下することにより、上記シリコーンオイルを上記噴射ボタン部の噴射口から噴射するという構造なので、噴射ボタン部を押下し続け、かつ、容器本体内の空気圧が0にならない限り、容器本体内のシリコーンオイル混合液の連続噴射が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】噴射器の構成部品の取付構造を表した斜視図。
【図2】加圧工程時における噴射器内の真横断面図。
【図3】噴射時における容器本体内の真横断面図。
【図4】加圧して噴射するまでの動作説明図。
【符号の説明】
【0057】
10 容器本体
10a 有底部
10b 取付け部
10b−1 開口部
10b−2 開口端部
21 シリンダ
21a 内筒
21b 外筒
21c ガイド溝
21d 第1のフランジ
21e 第2のフランジ
21e−1 中央孔
21e−2 空気孔
22 ノズル装着部
22a 収容室
22b 環状突起
22b−1 空気穴
23 スプリング部
23a 係止穴
23b バネ部
24 ノズルステム
24a 支持部
24b 支持筒
24b−1 縦穴
24b−2 横穴
25 逆止弁
26 噴射ボタン部
26a 噴射口
26b 液体流路
27 ノズル
30 蓋部
31 本体キャップ
32 ピストン
40 バルブキャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴射器内部に貯留されたシリコーンオイルを噴射器外部に噴射するシリコーンオイルの噴射構造であって、
上記噴射器は、容器本体、シリンダ、ノズル装着部、スプリング部、ノズルステム、逆止弁、噴射ボタン部、蓋部を備え、
上記容器本体は、有底部を有するとともに上端に開口部を形成してなり、
上記シリンダは、上記容器本体の内側に挿入固着されるとともに内筒と外筒を設け、この両筒の間にガイド溝を設けてなり、かつ外筒の外周縁上部に第1のフランジ、及び内筒の内周縁上部に第2のフランジが設けられ、上記第2のフランジに空気孔を形成してなり、
上記ノズル装着部は、上記シリンダの内筒内壁に環状突起を介して固着されるとともに中央部に収容室が形成され、かつ、上記環状突起に空気穴を設けてなり、
上記スプリング部は、上記ノズル装着部に上下スライド可能に取り付けられるとともに、下端に螺旋状のバネ部を一体形成し、かつ上端中央部に係止穴を形成してなり、
上記ノズルステムは、上記スプリング部の係止穴の内周に固着される支持部と、この支持部の上部に一体に設けられるとともに縦穴およびこの縦穴の下端に連通する横穴を備える支持筒とからなり、
上記逆止弁は、上記ノズルステムの横穴上方と上記内筒の第2のフランジの間に取り付けられるリング状の弾性部材からなり、
上記噴射ボタン部は、その上方側縁に噴射口を有するとともに、上記シリンダの第2のフランジの上方に位置し、この第2のフランジとの間にギャップを介して、上記ノズルステムの支持筒外周に上下動可能に取り付けられてなり、
上記蓋部は、上記内筒と外筒間に設けられたガイド溝に沿って上下動する筒状のピストンが設けられてなるとともに、上記噴射ボタン部の上方に配置された状態のときに、上記噴射ボタン部に対してポンピング可能に設けられ、
上記シリコーンオイルは、25℃における粘度が50mm2 /sのジメチルシリコーンオイルを10〜50wt%と、25℃における粘度が4.0mm2 /sの環状ポリジメチルシロキサンを90〜50wt%とを混合したものであり、
上記蓋部によるポンピング動作後、この蓋部を取り外した状態で、上記噴射ボタン部を押下することにより、上記シリコーンオイルを上記噴射ボタン部の噴射口から連続噴射する
ことを特徴とするシリコーンオイルの噴射構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−7199(P2006−7199A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−65939(P2005−65939)
【出願日】平成17年3月9日(2005.3.9)
【特許番号】特許第3688705号(P3688705)
【特許公報発行日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(504207514)株式会社Bookman社 (1)
【出願人】(504207525)