説明

シングルリード楽器用リガチャー

【課題】紐全体に均等な力を加えることができ、リードをマウスピースに対して均一な圧力で押し付けることができるようにしたシングルリード楽器用リガチャーを提供する。
【解決手段】マウスピース11の外周に複数回折り返し巻回されリード12をマウスピース11に固定する紐14と、この紐14が折り返し挿通される複数の紐挿通用孔18a〜18h、22a〜22gをそれぞれ有する一対の締付け部材15、16と、これらの締付け部材15、16の両端部をそれぞれ連結し、両締付け部材の間隔を狭めることにより前記紐14を緊締する一対の連結部材17とでリガチャー13を構成する。紐14の締付け部材15、16の紐挿通用孔18a〜18h、22a〜22gに折り返し挿通されているC字状の紐部分は、マウスピース11とリード12を緊締する緊締部を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マウスピースにリードを固定するシングルリード楽器用リガチャーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
サクソフォーン、クラリネット等のシングルリード楽器は、マウスピースにリードをリガチャー(締め具)によって固定し、息を吹き込む際リードが振動することにより発音するように構成されている。
【0003】
リガチャーにおける固定部材の材質としては、大別するとステンレス、銅、銀、真鍮等の金属製のもの(例えば、特許文献1参照)と、紐、皮革、布等の非金属製のものとが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
固定部材を金属製としたリガチャーでは、リードをマウスピースに対して強固に固定できる利点を有する反面、リードの振動によるリガチャーの共振を完全には抑えることができず、音色が硬くなったり、濁りが生じる。一方、固定部材を非金属製としたリガチャーでは、リードの振動によって共振しないため、金属製の固定部材に比べて音の濁りを減少させることができ、軽やかで優しい音色を得ることができる。
【0005】
【特許文献1】特開2001−75556号公報
【特許文献2】特開2006−163382号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した特許文献2に記載されているリガチャーは、複数本の紐と、これらの紐に固定されたプレートと、各紐の両端が連結された一対の締付け部材と、これらの締付け部材を連結する1本のねじ体とを備え、このねじ体の締付け操作によって一対の締付け部材を互いに接近させることにより紐を緊締し、プレートをリードに固定するようにしている。このため、複数本の紐を同じ締付け力で緊締することが難しく、いずれか一方の紐が緩んでいるとプレートをリードに対して安定した状態で固定することができず、また締付け部材をマウスピースに接触させているので、リードの振動がマウスピースを介して締め付け部材やねじ体に伝達されると、これらが楽器の音色に悪影響を及ぼすという問題があった。
【0007】
また、図9に示すように、リガチャー1を紐2だけで構成し、この紐2をマウスピース3とリード4に手で複数回巻き付けてリード4をマウスピース3に固定したものも知られている。しかし、このようなリガチャー1においては、紐2を巻き付けて両端を固定する作業が煩わしく、時間が掛かるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、紐全体に均等な力を加えることができ、リードをマウスピースに対して均一な圧力で押し付けることができるようにしたシングルリード楽器用リガチャーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、マウスピースの外周に複数回折り返し巻回されリードを前記マウスピースに固定する紐と、この紐が折り返し挿通される複数の紐挿通用孔をそれぞれ有する一対の締付け部材と、これらの締付け部材の両端部をそれぞれ連結し、両締付け部材の間隔を狭めることにより前記紐を緊締する一対の連結部材とを備えたものである。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記紐の締付け部材による折り返し部がマウスピースの外周面に沿って折り返されることにより、前記締付け部材を前記マウスピースとリードから離間させているものである。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記一対の締付け部材の紐挿通用孔は、締付け部材の軸線に対して傾斜し、その傾斜方向が互いに逆になるように形成された斜孔からなるものである。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記連結部材が、両締付け部材の端部に形成された取付孔に挿通されるねじ体と、このねじ体の一端に螺合するナットとで構成されているものである。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記締付け部材の紐挿通用孔が、紐のマウスピースに対する巻回ピッチの2倍の間隔で形成されているものである。
【0014】
さらに、本発明は、上記発明において、前記紐のマウスピースとリードを緊締する緊締部が密接して配列されているものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明においては、剛体がマウスピースとリードに接触せず、紐のみによって締め付けているから、リードの振動によって共振せず、締付け部材および連結部材への振動の伝達を完全に遮断する。したがって、軽やかで濁りのない音色を得ることができ、楽器の音質を向上させることができる。
【0016】
本発明においては、紐の折り返し部によって締付け部材をマウスピースから離間させているので、リードの振動がマウスピースを介して締付け部材や連結部材に伝達されることがなく、これら部材の共振を防止することができる。
【0017】
本発明においては、一対の締付け部材は連結部材の締め付け操作によって接近させることにより、紐に張力を付与する。この紐の張力は、マウスピースとリードを締め付ける(緊締)締付け力(緊締力)として作用する。紐は締付け部材の紐挿通用孔に移動可能に折り返し挿通されているので、張力によって移動することにより、マウスピースにテーパがあったとしても緊締力は紐全体にわたって均一となる。したがって、リードを均一な圧力でマウスピースに押し付けることができ、音質の良好な音を発生させることができる。
【0018】
本発明においては、一対の締付け部材の紐挿通用孔が締付け部材の軸線に対して傾斜した斜孔であって、その傾斜方向が逆になるように形成されているので、マウスピースとリードに対して紐の緊締部を整列させることができる。
【0019】
また、本発明においては、紐挿通用孔のピッチが紐の巻回ピッチの2倍であるため、紐を一定のピッチで折り返し巻回することができる。
【0020】
また、本発明においては、紐のマウスピースとリードを緊締する緊締部を密接させているので、外観体裁がよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1はクラリネットの発音部とリガチャーの分解斜視図、図2はリガチャーをマウスピースに装着した状態を示す上下反転させた平面図、図3はリガチャーをマウスピースに装着した状態を示す底面図、図4は図2のIV−IV線断面図、図5は第1の締付け部材の断面図、図6は第2の締付け部材の断面図、図7は連結部材の正面図、図8は第1、第2の締付け部材の紐挿通用孔に対する紐の折り返し挿通を説明するための図である。これらの図において、10はシングルリード楽器であるクラリネットの発音部で、マウスピース11とリード12とで構成され、リード12をリガチャー13によってマウスピース11の外周に着脱可能に固定している。
【0022】
前記マウスピース11は、一般にベークライトや合成樹脂によって一体に形成されたもので、前端側(演奏者側)が嘴状に尖った円錐形の本体11Aと、この本体11Aの吹込管側端面に一体に突設された筒状の接続部11Bとからなり、本体11Aの下面には平坦部(テーブル)11Cと、吹込口11Dとが形成されている。平坦部11Cは、リード12が固定される部分で、本体11Aの一部に形成され、前端側に前記吹込口11Dが形成されている。前記接続部11Bは、マウスピース11をクラリネットの図示を省略した吹込管に着脱自在に接続するための部分である。
【0023】
前記リード12は、天然の葦、合成樹脂等によって略長方形の板状体に形成されており、基端部12Aが前記リガチャー13によってマウスピース11の平坦部11Cに固定され、先端部12Bが薄肉の振動部を形成し前記吹込口11Dを覆っている。
【0024】
前記リガチャー13は、マウスピース11の本体11Aの外周とリード12の基端部12Aに複数回折り返し巻回され、リード12を前記マウスピース11の平坦部11Cに固定する紐14と、この紐14が複数回折り返し挿通される一対の締付け部材(以下、第1、第2の締付け部材という)15、16と、これらの締付け部材15、16の間隔を狭めることにより前記紐14を緊締する一対の連結部材17、17とで構成されている。
【0025】
図5において、前記第1の締付け部材15は、円柱状に形成され、8つの紐挿通用孔18a〜18hと、前後一対からなる取付孔19、19とを有している。紐挿通用孔18a〜18hは、紐14の外径より若干大きい孔径を有し、第1の締付け部材15の軸線方向に並設されている。また、紐挿通用孔18a〜18hは、軸線が第1の締付け部材15の軸線に対して同一角度で傾斜した斜孔からなり、紐14のマウスピース11とリード12に対する巻回ピッチP1 の2倍の間隔P2 をおいて形成されている。さらに、紐挿通用孔18a〜18hのうち、両端の2つの紐挿通用孔18a、18hは、紐14の抜けを防止するために異径孔に形成されている。すなわち、紐挿通用孔18aは、大径孔部18a-1と小径孔部18a-2とで構成されている。同じく、紐挿通用孔18hは、大径孔部18h-1と小径孔部18h-2とで構成されている。ただし、紐挿通用孔18aは、リガチャー13をマウスピース11とリード12に装着したとき、大径孔部18a-1が小径孔部18a-2より外側に位置するように形成され、紐挿通用孔18hは、大径孔部18h-1が小径孔部18h-2より内側に位置するように形成されている。残り6つの紐挿通用孔18b〜18gは、全て同一で、紐14の外径より若干大きく、両端の紐挿通用孔18a、18hの小径孔部18a-2、18h-2と同一の孔径を有している。
【0026】
前記紐14の各端部14a、14bには、図8に示すように第1の締付け部材15の紐挿通用孔18a、18hからの抜けを防止するために、小径孔部18a-2、18h-2より大きい球状の抜け防止部20、21がそれぞれ形成され、大径孔部18a-1、18h-1内にそれぞれ収納されている。このような抜け防止部20、21は、紐14が熱可塑性樹脂の場合、各端部14a、14bに熱を加えて軟化させた後、冷却して球状に硬化させることにより容易に形成することができる。一方、天然繊維の場合は、結び目をつくって抜け防止部とすればよい。
【0027】
前記一対の取付孔19は、第1の締付け部材15の各端部に、軸線が第1の締付け部材15の軸線と直交するようにそれぞれ形成されている。また、これらの取付孔19は、前記紐挿通用孔18a〜18hと同一平面内に位置するように形成されている。さらに、各取付孔19の一端部には、大径の座繰り孔19aが形成されている。座繰り孔19aは、紐挿通用孔18aの大径孔部18a-1側に位置するように形成されている。
【0028】
図6において、前記第2の締付け部材16は、第1の締付け部材15と同一の長さと太さの円柱状に形成されてはいるが、全て同一の孔径からなる7つの紐挿通用孔22a〜22gが形成されている点で異なっている。これらの紐挿通用孔22a〜22gは、紐14の外径より若干大きく、前記第1の締付け部材15の紐挿通用孔18a、18hの小径孔部18a-2、18h-2、および紐挿通用孔18b〜18gの孔径と同一の孔径を有し、締付け部材16の軸線方向に並設されている。また、紐挿通用孔22a〜22gは、軸線が第2の締付け部材16の軸線に対して同一角度で傾斜した斜孔からなり、紐14のマウスピース11とリード12に対する巻回ピッチP1 の2倍の間隔P2 をおいて形成されている。また、これらの紐挿通用孔22a〜22gの傾斜角度は、第1の締付け部材15の紐挿通用孔18a〜18hの傾斜角度と同一ではあるが、逆方向に傾斜している。
【0029】
さらに、第2の締付け部材16には、前後一対の取付孔23、23が形成されている。これらの取付孔23は、第1の締付け部材15の取付孔19と同一形状で、第2の締付け部材16の各端部に、軸線が第2の締付け部材16の軸線と直交するようにそれぞれ形成されている。また、各取付孔23には大径の座繰り孔23aがそれぞれ形成されている。この座繰り孔23aは、第1、第2の締付け部材15、16を平行に配置して紐14を紐挿通用孔18a〜18h、22a〜22gに折り返し挿通したとき、取付孔23の外側となる開口端縁側に形成されている。
【0030】
図7において、前記連結部材17は、ねじ本体24Aと頭部24Bとからなるねじ体24と、このねじ本体24Aの先端部に形成された雄ねじ部24Cに螺合する円筒状のナット25とで構成されている。
【0031】
このようなリガチャー13によってリード12をマウスピース11の平坦部11Cに固定する際には、予めリガチャー13を図1に示す形状に組み立てる。組み立てに際しては、図3および図8に示すようにリガチャー13をマウスピース11に装着した状態と同じ状態になるように第1、第2の締付け部材15、16を水平かつ平行に配置する。すなわち、取付孔19、23の座繰り孔19a、23aが外側を向くように第1、第2の締付け部材15、16を配置し、紐挿通用孔18a〜18hと紐挿通用孔22a〜22gの傾斜方向を逆にする。
【0032】
次に、紐14を図8に示すように第1、第2の締付け部材15、16の紐挿通用孔18a〜18h、22a〜22gに順次折り返し挿通する。紐14を挿通する際には、予め紐14の挿入側端14aとは反対側の端(他端)14bに抜け防止部21を加熱軟化または結び目によって形成しておく。抜け防止部21を形成した後、紐14の挿入側端14aを第1の締付け部材15の紐挿通用孔18aに第1の締付け部材15の外側から挿通し、抜け防止部21を紐挿通用孔18aの大径孔部18a-1に係入する。
【0033】
紐挿通用孔18aに挿通された紐14は、下方に垂れ下がり、挿入側端14aが第2の締付け部材16の下方に導かれる。そして、挿入側端14aを第2の締付け部材16の紐挿通用孔22aに外側から挿通して折り返し再び第1の締付け部材15の下方に導く。そして、挿入側端14aを第1の締付け部材15の紐挿通用孔18bに外側から挿通して折り返し第2の締付け部材16の下方に導き、紐挿通用孔22bに外側から挿通して折り返し第1の締付け部材15の下方に導く。
【0034】
このようにして、紐14を第1、第2の締付け部材15、16の紐挿通用孔18a〜18gと第2の締付け部材16の紐挿通用孔22a〜22gに交互に順次挿通して折り返し、第1の締付け部材15の下方に導かれた挿入側端14aを紐挿通用孔18hに外側から挿通した後、加熱軟化または結び目によって抜け防止部20を形成し、紐挿通用孔18hの大径孔部18h-1内に収納する。
【0035】
次に、紐挿通用孔18aと22aとの間の紐部分A1 、紐挿通用孔18bと22aとの間の紐部分A2 、紐挿通用孔18bと22bとの間の紐部分A3 、・・・紐挿通用孔18hと22gとの間の紐部分A14を略均等な長さに調整し、マウスピース11とリード12を緊締する部分(以下、緊締部ともいう)とする。緊締部A1 〜A14の長さ調整は、適宜な太さの棒または指を緊締部A1 〜A14の上に載せてこれらを下方に強制的に押し下げて移動させることにより容易に行なうことができる。このようにして緊締部A1 〜A14の長さを調整すると、緊締部A1 〜A14はマウスピース11の最大外径より若干大きい円弧形状(C字形状)となる。ただし、第1、第2の締付け部材15、16の間隔によっては、V字状またはU字状に近い形状となって垂れ下がる。
【0036】
次に、第1、第2の締付け部材15、16を一対の連結部材17、17によって連結する。すなわち、ねじ体24を第1、第2の締付け部材15、16の取付孔19、23にそれぞれ挿通し、その雄ねじ部24Cにナット25をそれぞれ螺合することにより、両締付け部材15、16を連結することができ、もってリガチャー13の組み立てが完了する。
【0037】
組み立てられたリガチャー13をマウスピース11に装着するときは、マウスピース11を上下に反転させて平坦部11Cの上にリード12を位置決めして載置した後、再びマウスピース11を反転させてリード12を下にする。一方、リガチャー13は正常な状態で保持し、垂下している緊締部A1 〜A14の空間内にマウスピース11とリード12を、マウスピース11の前端側から差込み、緊締部A1 〜A14を互いに重なり合わないように、望ましくは図3に示すように隙間なく整列させてリード12の発音部12Aより後方側に位置させる。
【0038】
次に、この状態でナット25を締め付けて第1、第2の締付け部材15、16の間隔を狭め、紐14に張力を付与する。これにより、紐14の緊締部A1 〜A14が小径化してマウスピース11とリード12を緊締し、リード12をマウスピース11に固定する。このとき、紐14の第1、第2の締付け部材15,16による折り返し部分14C(図4)はすべて摺動により移動可能であるため、ねじ体24を締め付けたとき、緊締部A1 〜A14の長さが全体的に調整されて均一な張力が加わり、マウスピース11とリード12を均等な締付け力で緊締することができ、良好な音質を得ることができる。すなわち、緊締部A1 〜A14の一部が緩んでいると、リード12ががたつき音質に悪影響を及ぼすが、本発明によるリガチャー13によればそのおそれがない。
【0039】
また、紐14の折り返し部14Cを第1、第2の締付け部材15、16の外周面に沿って折り返し、この折り返し部14Cによって図4に示すように第1、第2の締付け部材15、16をマウスピース11から離間させ、言い換えればマウスピース11と第1、第2の締付け部材15、16を非接触な状態に保持しているので、リード12の振動がマウスピース11を介して締付け部材15、16や連結部材17に伝達されるのを防止することができる。このため、これら部材がリード12の振動によって共振することがなく、楽器の音質を向上させることができる。
【0040】
なお、上記した実施の形態は、1本の紐14を第1、第2の締付け部材15、16の紐挿通用孔18a〜18h、22a〜22gに折り返し挿通した例を示したが、本発明はこれに何ら特定されるものではなく、前後2本の紐を用いてリード12の前半側と後半側を別々に緊締するようにしてもよい。
【0041】
また、上記した実施の形態は、第1の締付け部材15に8つの紐挿通用孔18a〜18hを設け、第2の締付け部材16に7つの紐挿通用孔22a〜22gを設けた例を示したが、その数に何ら特定されるものではなく、適宜増減することができる。
また、紐14の各端部を第1、第2の締付け部材15、16に係止したが、いずれか一方の締付け部材に両端を係止させてもよい。
【0042】
また、本発明は、紐14の長さを変えることであらゆるサイズのマウスピース、例えばクラリネット、バスクラリネット、Ebクラリネット等にも取付けることができる。
【0043】
さらに、上記した実施の形態は、2種類の締付け部材15、16を用いた例を示したが、これは紐挿通通用孔18a〜18hと22a〜22hのピッチが半ピッチずれるためであり、これに何ら特定されるものではなく、製造コストを低減するために一種類の締付け部材を2本用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】サクソフォーンの発音部とリガチャーの上下反転させた分解斜視図である。
【図2】リガチャーをマウスピースに装着した状態を示す平面図である。
【図3】リガチャーをマウスピースに装着した状態を示す底面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】第1の締付け部材の断面図である。
【図6】第2の締付け部材の断面図である。
【図7】連結部材の正面図である。
【図8】第1、第2の締付け部材の紐挿通用孔に対する紐の折り返し挿通を説明するための図である。
【図9】リガチャーの従来例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0045】
10…発音部、11…マウスピース、12…リード、13…リガチャー、14…紐、14C…折り返し部、15…第1の締付け部材、16…第2の締付け部材、17…連結部材、18a〜18h…紐挿通用孔、20、21…抜け防止部、22a〜22g…紐挿通用孔、19、23…取付孔、24…ねじ体、25…ナット、A1 〜A14…緊締部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マウスピースの外周に複数回折り返し巻回されリードを前記マウスピースに固定する紐と、この紐が折り返し挿通される複数の紐挿通用孔をそれぞれ有する一対の締付け部材と、これらの締付け部材の両端部をそれぞれ連結し、両締付け部材の間隔を狭めることにより前記紐を緊締する一対の連結部材とを備えたことを特徴とするシングルリード楽器用リガチャー。
【請求項2】
請求項1記載のシングルリード楽器用リガチャーにおいて、
前記紐の締付け部材による折り返し部は、マウスピースの外周面に沿って折り返されることにより、前記締付け部材を前記マウスピースとリードから離間させていることを特徴するシングルリード楽器用リガチャー。
【請求項3】
請求項1または2記載のシングルリード楽器用リガチャーにおいて、
前記一対の締付け部材の紐挿通用孔は、締付け部材の軸線に対して傾斜し、その傾斜方向が互いに逆になるように形成された斜孔であることを特徴とするシングルリード楽器用リガチャー。
【請求項4】
請求項1〜3のうちのいずれか一項記載のシングルリード楽器用リガチャーにおいて、
前記連結部材は、両締付け部材の端部に形成された取付孔に挿通されるねじ体と、このねじ体の一端に螺合するナットとで構成されていることを特徴とするシングルリード楽器用リガチャー。
【請求項5】
請求項1〜4のうちのいずれか一項記載のシングルリード楽器用リガチャーにおいて、
前記締付け部材の紐挿通用孔は、紐のマウスピースに対する巻回ピッチの2倍の間隔で形成されていることを特徴とするシングルリード楽器用リガチャー。
【請求項6】
請求項1〜5のうちのいずれか一項記載のシングルリード楽器用リガチャーにおいて、
前記紐のマウスピースとリードを緊締する緊締部は、密接して配列されていることを特徴とするシングルリード楽器用リガチャー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−300674(P2009−300674A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−154156(P2008−154156)
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)