説明

シートパレット

【課題】従来の合成樹脂から形成されたシートパレットと同等の性能を備え、かつ石油資源由来のプラスチックの使用量を極力低減させる。
【解決手段】シートパレットは、石化資源由来の第1の熱可塑性樹脂(A)と、植物由来の第2の熱可塑性樹脂(B)と、第1及び第2の熱可塑性樹脂の双方に対して相溶性または分散性を示す第3の熱可塑性樹脂(C)と、からなるコンパウンド樹脂層を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシートパレットに関し、特にシートパレットの組成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物流輸送の際に積載物を積載するパレットとして、木製のパレットやプラスチック製のパレットが多く用いられてきた。しかし、近年の物流量の拡大化に伴い、積載効率や輸送効率を向上させて物流の効率化を図るため、特許文献1に開示されているようなシートパレットが使用されるようになってきた。シートパレットは、積載物が積載されるシート部と、このシート部の辺から一体に延びたタブ部とを有する。シートパレットに積載された積載物をフォークリフトで扱うには、プッシュプルアタッチメントを備えたフォークリフトが用いられ、フォークリフトのプラテン上への積載物の積み下ろしは、タブ部をプッシュプルアタッチメントで把持し、プッシュプルアタッチメントをプラテン上で進退動作させることで行う。
【0003】
シートパレットは、それ自身が軽量であるため、空のシートパレットを一人の作業者で容易に運んだり操作したりすることができ、工場内での作業の効率化に貢献する。木製のパレットと違って、シート状の薄いパレットであるので、積載効率が高く、倉庫スペースの有効利用と物流システムにかかるエネルギー効率が高い。さらにシートパレットは、ポリオレフィン樹脂等の合成樹脂から形成されることが多いが、このような合成樹脂は安価で入手し易いだけでなく、リサイクルもし易い。このような理由によって、近年シートパレットの需要が伸びている。
【特許文献1】特開2000−108087号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、地球環境保護、石油資源由来のプラスチックの廃棄物処理問題などの観点から、廃棄物の削減を行ない循環型の社会を実現させようとする動きがますます活発になってきている。プラスチックシートは、石油資源から作られるので将来的な生産量に限界があるだけでなく、石油資源からプラスチックを製造する際に大量のCO2を排出するので、地球温暖化の一要因になっている。従って、石油資源由来のプラスチックの使用量を極力低減させたシートパレットを開発することは、循環型の社会の実現に寄与する。しかし、このようなシートパレットであっても、従来と同等の性能(引張強度、伸び等)を備えていなければ、市場に受け入れられることは困難である。
【0005】
本発明は、従来の合成樹脂から形成されたシートパレットと同等の性能を備え、かつ石油資源由来のプラスチックの使用量を極力低減させた、環境対応型のシートパレットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のシートパレットは、石化資源由来の第1の熱可塑性樹脂と、植物由来の第2の熱可塑性樹脂と、第1及び第2の熱可塑性樹脂の双方に対して相溶性または分散性を示す第3の熱可塑性樹脂と、からなるコンパウンド樹脂層を有している。
【0007】
植物由来の熱可塑性樹脂は、天然資源から生成される植物を原料とした、いわゆるバイオマスの一種である。バイオマスとは、一般的には、家畜排せつ物や生ゴミ、木くずなどの動植物から生まれた再生可能な有機性資源であると定義されている(農林水産省ホームページより)。バイオマスが使用し終わり焼却処分されるとCO2が排出されるが、植物が成長する過程でCO2が吸収されるため、トータルではCO2の増加にはならない。このためバイオマスの利用ではCO2の増加はなく(カーボンニュートラル)、現在問題となっているCO2の増加を抑制する効果がある。
【0008】
植物由来の熱可塑性樹脂は引張強度が小さいなどの課題を有しており、シートパレットとして好適に利用できる特性が得られない。しかし、本願発明者は、鋭意検討の結果、石化資源由来の熱可塑性樹脂(第1の熱可塑性樹脂)と植物由来の熱可塑性樹脂(第2の熱可塑性樹脂)とを、相溶性または分散性を示す第3の熱可塑性樹脂で相溶化または分散させることで、第1の熱可塑性樹脂が持っているシートパレットとしての優れた機械的特性を維持したまま、石油資源由来のプラスチックの使用量を低減可能であることを見出した。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、従来の合成樹脂から形成されたシートパレットと同等の性能を備え、かつ石油資源由来のプラスチックの使用量を極力低減させた、環境対応型のシートパレットを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態によるシートパレットの斜視図である。図1に示すように、シートパレット1は、好ましくは正方形の板状のシート部1aと、このシート部1aの1辺から一体に延びたタブ部1bとを有する。シート部1aは、その上面に積載物が積載される部分である。タブ部1bは、積載物が積載されたシートパレット1をフォークリフトで取り扱う際に、フォークリフトに装着されたプッシュプルアタッチメントによって把持される部分である。図1ではシート部1aの一つの辺のみからタブ部1bが延びているが、シート部1aの互いに対向する2辺、隣り合う2辺、あるいは3辺など、複数の辺からそれぞれタブ部1bを延出させることもできる。
【0012】
本発明のシートパレットは以下のように使用することができる。まず、図2(a)に示すように、ターンテーブル(図示せず)等の上にシートパレット1を載置し、上方からシートパレット1上に複数の段ボール等からなる積載物21を降ろす。このとき、シートパレット1は積載物21よりも平面寸法の大きいものを使用する。次に、運送中の荷崩れ防止や他の積載物を傷つけることを防止するため、図2(b)に示すように、シートパレット1のタブ部1bの部分を除いた余剰部1cを積載物21の底辺に沿って上方に折り曲げ、図2(c)に示すように、折り曲げた余剰部1cをストレッチフィルム22で固定する。ターンテーブルにあらかじめ積載物21が嵌合するような凹部を設けておけば、積載物21を凹部に落とし込むだけで余剰部1cの折り返しが可能となる。余剰部1cの出張り長さ(折り返し幅)Wは特に限定されないため、一つのサイズのシートパレットを広範なサイズの積載物に適用することができる。タブ部を含めたシートパレットの全周をフィルムで巻き込んでもよい。この場合はフォークリフトで取り扱う際に、タブ部の部分だけを解放する。
【0013】
積載物が積載されたシートパレット1の取り扱い時には、まず、フォークリフトに装着されたプッシュプルアタッチメントによってタブ部1bを把持し、この状態でプッシュプルアタッチメントをフォークリフトのプラテンの根元側に引き寄せる。これによりタブ部1bが引っ張られ、シートパレット1がプラテン上を滑りながら移動する。そして、積載物が積載されたシートパレット1をプラテン上に載せたままフォークリフトを所望の場所まで移動させ、プッシュプルアタッチメントを押し戻す。これにより、シートパレット1はプラテン上から降ろされる。
【0014】
シートパレット1は、石化資源由来の第1の熱可塑性樹脂(A)と、植物由来の第2の熱可塑性樹脂(B)と、第1及び第2の熱可塑性樹脂の双方に対して相溶性または分散性を示す第3の熱可塑性樹脂(C)と、からなるコンパウンド樹脂層から形成されている。
【0015】
第1の熱可塑性樹脂(A)はポリオレフィン系熱可塑樹脂であり、特に、ポリエチレン(PE)樹脂またはポリプロピレン(PP)樹脂等のポリオレフィン系樹脂が好適に用いられる。ポリエチレンには、極低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが含まれる。
【0016】
第2の熱可塑性樹脂(B)はポリ乳酸系重合体(PLA)である。ポリ乳酸系重合体としては、ポリ乳酸の他、乳酸とエステル形成能を有するモノマーとの共重合体を挙げることができる。ポリ乳酸系重合体は、天然物抽出物やこれらの誘導体や変性体の他、バイオマス原料から得られるモノマー、オリゴマー、またはこれらの誘導体や変性体を用いて合成される縮重合物、または、バイオマス原料以外を原料とする合成物であってもよい。
【0017】
上記ポリ乳酸系重合体としては、具体的には、L−乳酸、またはD−乳酸を重合した、ポリL−乳酸、ポリD−乳酸、L−乳酸とD−乳酸の共重合体のポリ乳酸を挙げることができる。また、乳酸共重合体としては、乳酸とエステル形成能を有するヒドロキシカルボン酸、グリコール、ジカルボン酸等の共重合体を挙げることができる。エステル形成能を有するモノマーとしては、例えば、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシエナント酸、ヒドロキシカプリル酸、ヒドロキシペラルゴン酸、ヒドロキシカプリン酸等のヒロドキシカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ピナコール等のグリコール等を挙げることができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】
ポリ乳酸または上記共重合体の合成は、乳酸または乳酸とエステル形成能を有するモノマーとの脱水重縮合によることができる。乳酸の環状2量体であるラクチドまたはラクチドとヒドロキシカルボン酸等の環状物を、開環共重合して製造することもできる。
【0019】
第3の熱可塑性樹脂(C)はポリオレフィンの主鎖または側鎖にカルボン酸基またはその誘導体を含有する変性重合体が好ましい。これらの例として、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート等のグリコールと脂肪族ジカルボン酸とからなる脂肪族、ポリエステルポリ(ブチレンサクシネート/アジペート/テレフタレート)、ポリ(ブチレンサクシネート/テレフタレート)、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン等を挙げることができる。特に、エチレン−メタアクリル酸重合体とポリブチレンサクシネートの混合物が望ましい。
【0020】
これらの樹脂は上述のように、第1及び第2の熱可塑性樹脂(A),(B)の双方に対して相溶性または分散性を示す。ここで相溶性とは、第1及び第2の熱可塑性樹脂(A),(B)の各々に親和性を有して混和物となる性質をいい、分散性とは、第1及び第2の熱可塑性樹脂(A),(B)の各々の中に微粒子の状態で散在する性質をいう。上記の熱可塑性樹脂はこのような相溶性または分散性を示すものである。この相溶性または分散性によって、第1の熱可塑性樹脂(A)の機械的諸特性を維持したまま、第1の熱可塑性樹脂(A)と第2の熱可塑性樹脂(B)との混合物を得ることができる。
【0021】
第1の熱可塑性樹脂(A)はわずかな量でも引張強度、伸び等の機械的特性を高めることができるため、最低1重量部あればよい。特に、後述する多層積層構造(図3参照)の場合、機械的特性の調整は第1の熱可塑性樹脂(A)からなる表面層で調整可能であるため、コンパウンド樹脂層における第1の熱可塑性樹脂(A)の含有量は大きな自由度を持っている。ただし、石化資源由来の樹脂の使用量を減らすという観点からは80重量部以下程度に抑えることが望ましい。
【0022】
第2の熱可塑性樹脂(B)は、石化資源由来の樹脂の使用量を減らすという観点からは最低でも20重量部あることが好ましいが、機械的特性の確保の観点からは99重量部以下に抑えることが望ましい。
【0023】
第3の熱可塑性樹脂(C)は、相溶性または分散性を確保するために1重量部以上、より好ましくは2重量部以上であることが望ましい。相溶性または分散性は第3の熱可塑性樹脂(C)の含有量の増加に従い向上するが、効果とコストのバランスからは30重量部程度以下、より好ましくは20重量部程度以下とすることが望ましい。上述したエチレン−メタアクリル酸重合体とポリブチレンサクシネートの混合物を用いる場合、各々が5重量部、合計10重量部とすることが望ましい。
【0024】
本発明の他の実施形態に係るシートパレットは、コンパウンド樹脂層の片面または両面に第1の熱可塑性樹脂(A)からなる表面層を有している。図3にこのような多層積層構造のシートパレットの概略構成図を示す。シートパレットにおいては、引張強度や伸びだけでなく、摩擦係数や剛性も重要である。図3(a)に示すシートパレット1’の例では、コンパウンド樹脂層11の裏面S2はポリエチレン、ポリプロピレン等からなる表面層12で覆われている。プラテンに面する裏面S2は、シートパレットのスムーズな動きを実現するため、摩擦力(摩擦係数)がなるべく小さいことが望ましい。また、シートパレットは、ハンドリング上、強度だけでなく適正な範囲の剛性を備えていることが望ましい。さらに、シートパレットにより大きな引張強度が求められる場合もある。裏側表面層12はこのような要求を満たすために設けられている。裏側表面層12はコンパウンド樹脂層を形成する第1の熱可塑性樹脂(A)と同じ樹脂からなっている。これによって、表面層とコンパウンド樹脂層とは熱圧着等により、接着剤を用いることなく接合されるため、製造工程の簡略化につながる。
【0025】
図3(b)は、他の実施形態の、多層積層構造のシートパレットの概略構成図を示す。この例では、図3(a)の構成に加えて、シートパレット1”の積載物の搭載される積載面S1に摩擦係数の大きな滑り防止層13が設けられている。滑り防止層13は、例えば直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン・メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)、アイオノマー樹脂からなる群より選ばれ、もしくはこれらの混合物からなる。このような滑り防止層13を設けることによって、積載物が不用意に動いたり、荷崩れを起こしたりすることを防止できる。
【0026】
積層構造の構成は図3の例に限定されず、例えば、コンパウンド樹脂層の両面に同一の表面層を設けてもよく、この場合、2つの表面層の膜厚は異なっていてもよい。ポリ乳酸系重合体を含むコンパウンド樹脂層は加水分解しやすく、耐久性で不利となる場合があるが、両面に表面層を設けることで、耐久性に優れたシートパレットを実現することができる。
【0027】
シートパレットは、以下のようにして製造することができる。図4は、コンパウンド樹脂層のみからなるシートパレットの製造過程を示す概略図である。まず、押出し成形機A1によって合成樹脂製の帯状原反6を形成し、ローラーA2で所定の厚さに整えて送り出す(工程A)。成型工程における押出し条件は、積層樹脂フィルムの種類や混合割合、混合するポリオレフィンの種類と混合割合によって適宜調整される。典型的な成形条件は、押出機温度が200〜300℃、ダイ温度が200〜280℃、冷却ロール温度が50〜100℃、成形速度が2〜10m/分である。
【0028】
次に、送り出された帯状原反6の送り出し方向に沿った両側縁を、スリッターB1を用いて切り揃えて所定の幅に形成し、カッターB2を用いて、帯状原反6を送り出し方向に所定幅で切断分離し、略方形状のシート素材7を作成する(工程B)。切断する前に、帯状原反6に、送り出し方向に沿って罫書きばり9で罫書き線8aを入れておく。
【0029】
次に、押し切型刃C1を用いて、シート素材7のコーナー部を切り落とし整形し、押し型C2を用いて、罫書き線8aを折り曲げ、折り曲げ罫線8を形成する(工程C)折り曲げ罫線8は図1のシート部1aとタブ部1bとの境界線を形成し、シートパレットに荷物を積載する際の積み込み制限位置表示線として利用される。
【実施例】
【0030】
ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)を第1の熱可塑性樹脂(A)として、ポリ乳酸樹脂(PLA)を第2の熱可塑性樹脂(B)として用い、相溶化剤(第3の熱可塑性樹脂(C))として、エチレン−メタアクリル酸重合体(5重量部)とポリブチレンサクシネート(5重量部)の混合物(合計10重量部)を添加して、2軸押出機を用いて220℃にて常法にて溶融混錬した。その後、約3mmの直径で水中に押出し、固化させ、次いで3mm長に切断し、樹脂コンパウンドを得た。ポリエチレン及びポリプロピレンとポリ乳酸樹脂の混合比率は表1に示す通りである。
【0031】
その後、この樹脂コンパウンドを用いて、図4に示したシートパレットの製造装置でシートパレットを作成した。押出し機の温度は220℃、ダイ温度は220℃、冷却ロール温度は80℃に設定し、成形速度5m/分にて厚み0.7mmのシートパレットを作製した。また、比較例として、従来から公知であるポリプロピレン製のシートパレットを作成した。
【0032】
作製したシートパレットの物性は、以下の要領で測定した。
試験片形状:JIS2号ダンベル
線間初期長;25mm
標線間隔:6mm
試験速度:50mm/分
伸びは、応力歪曲線より、降伏点の応力と伸びを求めて評価した。結果を表1に示す。表中、MDは縦方向(シートパレットの引張方向)、CDは横方向を意味する。
【0033】
【表1】

【0034】
これより、ポリ乳酸樹脂を含むシートパレットは従来構成のポリプロピレン製のシートパレットとほぼ同等の引張強さ及び伸びを示すことが確認された。本実施例からは、第1の熱可塑性樹脂(A)は30重量部以上、75重量部以下、第2の熱可塑性樹脂(B)は25重量部以上、70重量部以下で良好な結果が得られている。
【0035】
また、コンパウンド樹脂層の両面を当該コンパウンド樹脂層の第1の熱可塑性樹脂(A)を構成する樹脂と同一の材料で形成された表面層で覆った3層シートについても同様の試験を行った。具体的には、第1の熱可塑性樹脂(A)としてポリエチレンを用いた場合には、表面層としてポリエチレンを用い、第1の熱可塑性樹脂(A)としてポリプロピレンを用いた場合には、表面層としてポリプロピレンを用いた。膜厚は、コンパウンド樹脂層が0.7mm、上下の表面層が各々0.15mmとした。これらの場合も、表1に示す通り、引張強さ、伸びとも良好な結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態によるシートパレットの斜視図である。
【図2】本発明のシートパレットの使用方法を示す概念図である。
【図3】多層積層構造のシートパレットの模式的断面図である。
【図4】コンパウンド樹脂層のみからなるシートパレットの製造過程を示す概略図である。
【符号の説明】
【0037】
1,1’,1” シートパレット
1a シート部
1b タブ部
1c 余剰部
11 コンパウンド樹脂層
12 表面層
13 滑り防止層
21 積載物
S1 積載面
S2 裏面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
石化資源由来の第1の熱可塑性樹脂と、植物由来の第2の熱可塑性樹脂と、前記第1及び第2の熱可塑性樹脂の双方に対して相溶性または分散性を示す第3の熱可塑性樹脂と、からなるコンパウンド樹脂層を有するシートパレット。
【請求項2】
前記第1の熱可塑性樹脂はポリオレフィン系熱可塑樹脂であり、
前記第2の熱可塑性樹脂はポリ乳酸系重合体であり、
前記第3の熱可塑性樹脂はポリオレフィンの主鎖または側鎖にカルボン酸基またはその誘導体を含有する変性重合体である、
請求項1に記載のシートパレット。
【請求項3】
前記第1の熱可塑性樹脂はポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂である、請求項2に記載のシートパレット。
【請求項4】
前記第1の熱可塑性樹脂は1重量部以上、80重量部以下であり、
前記第2の熱可塑性樹脂は20重量部以上、99重量部以下であり、
前記第3の熱可塑性樹脂は1重量部以上、30重量部以下である、
請求項2または3に記載のシートパレット。
【請求項5】
前記第1の熱可塑性樹脂は30重量部以上、75重量部以下であり、
前記第2の熱可塑性樹脂は25重量部以上、70重量部以下であり、
前記第3の熱可塑性樹脂は10重量部である、
請求項3に記載のシートパレット。
【請求項6】
前記コンパウンド樹脂層の少なくとも一方の面に前記第1の熱可塑性樹脂からなる表面層を有している、請求項1から5のいずれか1項に記載のシートパレット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−1055(P2010−1055A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−161981(P2008−161981)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【出願人】(504249824)新日石プラスト株式会社 (11)
【Fターム(参考)】