説明

シート収容体

【課題】折り重ねられている状態で収容空間内に収容されているウェットシートの利便性を向上させる技術を提供する。
【解決手段】収容空間に収容されるウェットシート20は、1つのシートを折り返し線(30a1、30a2)、(30b1+30b2)、(30c1+30c2)および30dに沿って折り返すことによって、シートを構成する複数の部分シート30A1a、30A3a、30B1b、30B2a、30B3bが重ねられて形成されている。各折り返し線は、シートを2つ折りする2つ折り用折り返し線(30a1、30a2)の一方の端部30yの周りの領域20Xでは、2つ折り用折り返し線(30a1、30a2)の両側のシート部分のみが重ねられるように設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容空間にウェットシート等のシート状物品を収容するシート収容体に関し、特に、シート状物品をシート収容体から取り出して使用する際の利便性を高めるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
おむつを交換する際にお尻を拭くためあるいは皮膚等に付着した汚れを落とすために、ウェットシート等の種々のシート状物品が用いられている。ウェットシートは、例えば、不織布に水や薬剤等の液体が含浸されたものである。ウェットシートを使用する際には、2つ折り状態で使用されることが多い。そこで、従来、ウェットシートを、2つ折り状態で取り出すことができるシート収容体が提案されている(特許文献1)。この従来のシート収容体は、収容空間と、収容空間内に収容されている複数のウェットシートと、収容空間内に収容されているウェットシートを取り出すための開口部と、開口部を開閉する蓋部材を有している。ウェットシートは、1枚のシートを、複数回折り返し線に沿って折り返した状態で収容空間内に収容されている。また、各ウェットシートは、1枚のシートを2つ折りするための2つ折り用折り返し線の一部が開口部に露出するように収容空間内に収容されている。この従来のシート収容体では、開口部に露出している2つ折り用折り返し線の一部を摘んで引き出すことにより、ウェットシートを2つ折り状態で取り出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−279343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のシート収容体は、収容空間内に収容されているウェットシートを取り出すための開口部と、開口部を開閉する蓋部材が必要である。このため、従来のウェットシートを、収容空間内に1つのウェットシートを収容する、個包装のシート収容体として構成する場合には、高価になる。
一方、フィルムによって形成されている密閉収容空間内に従来のウェットシートを1つ収容することによって個包装のシート収容体を構成することが考えられる。このシート収容体では、フィルムを切断することによって、収容空間内に収容されているウェットシートを取り出す。しかしながら、従来のウェットシートは、シートを2つ折りするための2つ折り用折り返し線を含む領域では、2つ折り用折り返し線の両側のシート部分だけでなく他のシート部分も重ねられている。このため、ウェットシートを収容空間から取り出した後、両手を使って2つ折り状態にする必要があり、面倒である。
本発明は、このような問題点に鑑みて創案されたものであり、折り返し線に沿って折り返す操作を複数回行った状態で収容空間内に収容されているシートの利便性を高めることができる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のシート収容体は、収容空間と、収容空間内に収容されている少なくとも1つのシートを有している。シートは、折り返し線に沿って折り返す操作を複数回行うことによって、シートを構成する複数のシート部分が重ねられた状態で収容区間内に収容されている。折り返し線としては、典型的には、直線状(略直線状を含む)の折り返し線が用いられる。
シートとしては、例えば、繊維材料により形成され、柔らかい種々のシートを用いることができる。典型的には、繊維材料をシート状に形成した基材(例えば、不織布、ガーゼ、コットンシート、ティッシュペーパー)に液体(例えば、アルコール、消毒液、化粧水)等を含浸させたウェットシートが用いられる。
シートは、複数のシート部分が重ねられた状態において、シートを2つ折りするための2つ折り用折り返し線の少なくとも一方の端部の周りの領域では、2つ折り用折り返し線の両側の2つのシート部分のみが重ねられている。「2つ折り用折り返し線の少なくとも一方の端部の周りの領域」は、シートが2つ折りされた状態で、シートを指で摘むことができる広さを有するのが好ましい。この領域は、摘み部として用いられる。なお、摘み部として用いられる領域を除く領域におけるシート部分の重ね枚数は、シートを2つ折り用折り返し線に沿って折り返した時の面積(使用時の面積)と、折り返し線に沿って折り返す操作を複数回行った時の面積(収容空間内に収容時の面積)等を考慮して適宜設定される。例えば、8枚のシート部分や12枚のシート部分が重ねられるように折り返される。
シート収容体としては、好適には、開口部を有していない密閉された収容空間を有するシート収容体が用いられる。収容空間内には、折り返された1つあるいは複数のシートを収容することができる。なお、開口部を有していない密閉された収容空間を有するシート収容体を用いる場合には、収容空間内に、折り返された1つのシートを収容するのが好ましい。
シートを使用する際には、2つ折り用折り返し線の少なくとも一方の端部(摘み部)を指で摘んで引き出すことにより、シートを収容空間から取り出す。そして、摘み部を指で摘んだ状態でシートを振る。これにより、収容空間から取り出したシートは、2つ折り状態となる。
本発明では、複数回折り返したシートを収容空間内に収容している。これにより、シート収容体を小型化することができる。また、摘み部(2つ折り用折り返し線の少なくとも一方の端部の周りの領域)を指で摘んで収容空間から引き出して振ることによって、収容空間から取り出したシートを2つ折り状態にすることができ。これにより、収容空間から取り出したシートの利便性を高めることができる。
【0006】
本発明の異なる形態では、2つ折り用折り返し線の少なくとも一方の端部の周りの領域(摘まみ部)は、当該少なくとも一方の端部からの距離が5mm以内である領域を含んでいる。少なくとも一方の端部からの距離が5mm以内である領域としては、例えば、少なくとも一方の端部を中心とする、半径5mmの扇形領域や、少なくとも一方の端部を1つの頂点とする、1辺の長さが5mmである四角形領域が設定される。
本形態では、少なくとも一方の端部からの距離が5mm以内の領域が摘み部に含まれているため、大部分の使用者は、摘み部を指で摘んで振る操作を容易に行うことができる。
【0007】
本発明の他の異なる形態では、収容空間は、接合されたフィルムによって形成されている。典型的には、フィルムを重ねた状態で、収容空間を形成する部分の外周を接合することによって、密閉状態の収容空間が形成される。「フィルムを重ねる」態様には、別々のフィルムを重ねる態様や、1枚のフィルムを折り畳む態様が含まれる。フィルムとしては、好適には、加熱することによって融着可能な種々の熱融着フィルムが用いられる。勿論、接着剤等を用いて接合可能なフィルムを用いることもできる。なお、液体が含浸されているシートを収容空間内に収容する場合には、シートの湿潤状態を保持可能(乾燥を防止可能)なフィルムが用いられる。本形態の「密閉状態の収容空間」は、「蓋部材により開閉可能な開口部を有していない収容空間」を意味する。
そして、接合されたフィルムの外周には、収容空間を開口する操作を容易にするための切り込みが形成されている。切り込みを形成する位置は、切り込みの箇所でフィルムを切断して収容空間を開口した時に、使用者が、収容空間に収容されているシートの摘み部を指で容易に摘むことができる位置、すなわち、2つ折り用折り返し線の少なくとも一方の端部が配置されている箇所(摘み部が配置されている箇所)の近傍に設定される。
本形態では、接合されたフィルムによってシート収容体を構成しているため、開口部を形成する作業や、開口部を開閉する蓋部材を設ける作業が不要である。これにより、シート収容体を安価に製造することができる。また、密閉された収容空間を形成するフィルムに切り込みが形成されている。これにより、収容空間を容易に開口することができる。また、摘み部の近傍に切り込みが形成されている。これにより、切り込みの箇所でフィルムを切断するだけで、摘み部を指で容易に摘むことができる。
【0008】
本発明のさらに他の異なる形態では、シートは、第1の方向に沿って平行に延びている一対の第1の辺と、第1の方向に交差する第2の方向に沿って平行に延びている一対の第2の辺からなる四角形を有している。四角形には、例えば、第1の片の長さが第2の片の長さより短い長方形、第1の片の長さと第2の片の長さが等しい正方形等が含まれる。なお、四角形は、略四角形であればよく、厳密に四角形でなくてもよい。長方形や正方形のシートでは、第2の方向は、第1の方向に直交(略直交を含む)する。そして、2つ折り用折り返し線は、第1の片の中央(略中央を含む)を通り、第2の方向に沿って延びている。本形態では、シートを、第1の方向に延びる折り返し線および第2の方向に延びる折り返し線に沿って折り返すのが好ましい。
本形態では、四角形を有しているシートを折り返しているため、複数のシート部分が重ねられた状態における面積を小さくすることができる。
【0009】
本発明のさらに他の異なる形態では、収容空間内に収容されるシートに液体が含浸されている。
液体としては、例えば、アルコール、消毒液、化粧水等が用いられる。シートに液体を含浸させる方法としては、好適には、折り返す前に液体を含浸させる方法が用いられるが、折り返した後に液体を含浸させる方法を用いることもできる。
本形態では、複数回折り返されているとともに液体が含浸されている(ウェット状態の)シートを収容空間から取り出す操作および2つ折り状態にする操作を、両手を濡らすことなく、容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のシート収容体では、複数回折り返された状態で収容空間内に収容されているシートを収容空間から取り出す操作および取り出したシートを2つ折り状態にする操作を容易に行うことができる。これにより、複数回折り返された状態で収容空間内に収容されているシートの利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のシート収容体の第1の実施の形態の正面図である。
【図2】第1の実施の形態のシート収容体の収容空間に収容するウェットシートを形成する方法を説明する図である。
【図3】第1の実施の形態のシート収容体の収容空間に収容するウェットシートを形成する方法を説明する図である。
【図4】第1の実施の形態のシート収容体の収容空間に収容するウェットシートを形成する方法を説明する図である。
【図5】第1の実施の形態のシート収容体の収容空間に収容するウェットシートの概略図である。
【図6】図5のVI線矢視図である。
【図7】図5のVII線矢視図である。
【図8】第2の実施の形態のシート収容体の収容空間に収容するウェットシートを形成する方法を説明する図である。
【図9】第2の実施の形態のシート収容体の収容空間に収容するウェットシートを形成する方法を説明する図である。
【図10】第2の実施の形態のシート収容体の収容空間に収容するウェットシートを形成する方法を説明する図である。
【図11】第2の実施の形態のシート収容体の収容空間に収容するウェットシートの概略図である。
【図12】図11のXII線矢視図である。
【図13】図11のXIII線矢視図である。
【図14】第3の実施の形態のシート収容体の収容空間に収容するウェットシートを形成する方法を説明する図である。
【図15】第3の実施の形態のシート収容体の収容空間に収容するウェットシートを形成する方法を説明する図である。
【図16】第3の実施の形態のシート収容体の収容空間に収容するウェットシートの上面図である。
【図17】第4の実施の形態のシート収容体の収容空間に収容するウェットシートを形成する方法を説明する図である。
【図18】第4の実施の形態のシート収容体の収容空間に収容するウェットシートを形成する方法を説明する図である。
【図19】第4の実施の形態のシート収容体の収容空間に収容するウェットシートの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態は、密閉されている(開口部を有していない)収容空間内に1つのウェットシートを収容する、個包装のシート収容体について説明する。
先ず、第1の実施の形態のシート収容体10を、図1〜図7を参照して説明する。なお、図1は、第1の実施の形態のシート収容体10の正面図である。図2〜4は、第1の実施の形態のシート収容体10の収容空間内に収容するウェットシート20を形成する方法を説明する図である。図5は、ウェットシート20の概略図であり、図6は、図5のVI線矢視図であり、図7は、図5のVII線矢視図である。
【0013】
本実施の形態のシート収容体10は、収容空間12を有しているとともに、収容空間内にウェットシート20が収容されている。
収容空間12は、重ねたフィルムを、収容空間12を形成する部分の外周に沿って接合することによって密閉状態に形成されている。本実施の形態では、収容空間を形成するフィルムとして、加熱することによって融着可能なフイルム(「熱癒着フィルム」という)が用いられている。また、本実施の形態では、ウェットシート20を形成するシート30に液体が含浸されている(湿潤状態にある)ため、熱融着フィルムとして、ウェットシート20を形成するシート30の湿潤状態を保持可能(乾燥を防止可能)なフィルムを用いられている。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂により形成される保護層、アルミニウムにより形成される湿潤保持層(乾燥防止層)、二軸延伸ポリプロピレン樹脂により形成される熱融着層(ヒートシール層)が積層された積層フィルム(ラミネートフィルム)が用いられる。
このような熱融着フィルムを用いて収容空間12を形成するには、収容空間12の外周のシール部11において、熱融着層(二軸延伸ポリプロプレン樹脂層)が対向するように、熱融着フィルムを重ねる。本実施の形態では、1枚の熱融着フィルムを、熱融着層が対向するように折り返すことによって、熱融着フィルムを重ねている。そして、重ねた熱融着フィルムを、収容空間12を形成する部分の外周に沿って熱融着(シール)する。本実施の形態では、熱融着フィルの折り返し部を除く、収容空間12を形成する部分の外周に沿って熱融着する。
また、重ねた熱融着フィルムには、ウェットシート20の摘み部20X(詳しくは後述する)が配置されている箇所の近傍に切り込み13が形成される。切り込み13は、密閉状態の収容空間12を容易に開口することができるようにするためのものである(詳しくは後述する)。
本実施の形態のシート収容体10は、[75mm(図1の上下方向の長さ)×62mm(図1の左右方向の長さ)]の長方形に形成されている。また、シール部11は、5mmの幅に形成されている。
収容空間12が本発明の「収容空間」に対応し、切り込み13が本発明の「切り込み」に対応する。
【0014】
なお、熱融着フィルムを重ねる方法としては、別々の熱融着フィルムを重ねる方法を用いることもできる。この場合には、重ねた熱融着フィルを、収容空間12を形成する部分の外周全体に沿って熱融着する。
また、熱融着フィルムの保護層は省略することができる。また、熱融着フィルムの湿潤保持層(乾燥防止層)は、ウェットシート20を形成するシート30の湿潤状態を維持することができればよく、アルミニウム層に限定されない。また、熱融着フィルムの熱融着層は、加熱されることによって融着されればよく、二軸延伸ポリプロピレン樹脂層に限定されない。
【0015】
次に、本実施の形態のシート収容体10の収容空間12内に収容されるウェットシート20を説明する。
ウェットシート20は、1枚のシート30を折り返し線に沿って折り返す操作を複数回行うことによって形成されている。すなわち、各折り返し線の両側のシート部分が重ねられて形成されている。また、シート30として、繊維材料をシート状に形成した基材(例えば、不織布、ガーゼ、コットンシート、ティッシュペーパー)に液体(例えば、アルコール、消毒液、化粧水)等が含浸されたシートが用いられている。本実施の形態では、シート30は、坪量が55g/mである基材を用いている。また、シート30は、基材重量の250%の液体含浸量を有している。
なお、ウェットシート20は、シート30を複数回折り返すことによって、シート30を構成する複数の部分シートが重ねられているため、「シート重ね体」ということもできる。
ウェットシート20を形成するシート30が、本発明の「シート」に対応する。
【0016】
ウェットシート20を形成する方法の一例を以下に説明する。
本実施の形態で用いられているシート30は、図2に示されているように長方形を有している。すなわち、シート30は、第1の方向(図2では上下方向)に延びている、長さW1を有する一対の短辺31および33と、第1の方向と直交(略直交を含む)する第2の方向(図2の左右方向)に延びている、長さL1を有する一対の長辺32および34からなる長方形を有している。本実施の形態では、シート30は、[短辺の長さW1(=100mm)×長辺の長さL1(=190mm)]の長方形に形成されている。なお、MD方向(繊維長方向)にシート30の短辺31および33を設定し、CD方向(繊維長と直交する方向)にシート30の長辺32および34を設定するのが好ましい。
シート30の短辺31および33が延びている方向(図2のy方向)が本発明の「第1の方向」に対応し、シート30の長辺32および34が延びている方向(図2のx方向)が本発明の「第2の方向」に対応する。なお、図2の紙面前後方向が本発明の「シートを構成する複数のシート部材が重ねられる方向(第3の方向)」に対応する。
【0017】
先ず、長辺32および34の中央(シート30の、第2の方向の中央)で、第1の方向に平行な折り返し線30aに沿って、図2に示されている矢印の方向に折り返す(第1回目の折り返し)。これにより、折り返し線30aの両側のシート部分30Aと30Bが折り返し線30aに沿って折り返されて重ねられ、2つ折り状態となる。シート30を2つ折り状態にする折り返し線30aが、本発明の「2つ折り用折り返し線」に対応する。折り返し線30aは、厳密に長辺32および34の中央でなくてもよい。
折り返し線30aに沿った折り返しによって、図3に示されているように、折り返し線30aの両側のシート部分30A[W1×片32a(34a)の長さL2]と30B[W1×片32b(34b)の長さL2]が重ねられる。本実施の形態では、L2が95mmに設定されている。
【0018】
次に、シート部分30Aおよび30Bを、第1の方向に平行な折り返し線30bに沿って図3に示されている矢印の方向に折り返す(第2回目の折り返し)とともに、第1の方向に平行な折り返し線30cに沿って図3に示されている矢印の方向に折り返す(第3回目の折り返し)。
折り返し線30bに沿った折り返しによって、図4に示されているように、折り返し線30bの両側のシート部分[(30A2+30A3)と(30B2+30B3)の2相]とシート部分[30A1と30B1の2相]が重ねられる。すなわち、折り返し線30bに沿って折り返すことによって、シート部分(30B2+30B3)、(30A2+30A3)、30A1および30B1が重ねられた4つ折り状態となる。
また、折り返し線30bに沿った折り返しによって、図4に示されているように、折り返し線30cの両側のシート部分[30A3と30B3の2相]とシート部分[30A2と30B2の2相]が重ねられる。ここで、シート部分[30A2と30B2の2相]は、折り返し線30bに沿った折り返しによって、シート部分[30A1と30B1の2相]に重ねられている。このため、折り返し線30cに沿った折り返しによって、シート部分30A3、30B3、30B2、30A2、30A1および30B1が重ねられた6つ折り状態となる。図4では、シート部分[30A1(W1×片32a1(34a1)の長さL3)+30B1(W1×片32b1(34b1)の長さL3)]と、シート部分[30A2(W1×片32a2(34a2)の長さL4+30B2(W1×片32b2(34b2)の長さL4]と、シート部分[30A3(W1×片32a3(34a3)の長さL3+30B3(W1×片32b3(34b3)の長さL3)]が重ねられている。
本実施の形態では、折り返し線30a(2つ折り用折り返し線)に平行(第1の方向に平行)な折り返し線30bと30cの位置(折り返し線30aと30bの間隔L3、折り返し線30bと30cの間隔L4、折り返し線30cと短辺31(33)の間隔L4)は、折り返し線30aより折り返し線30b(30c)側の、設定間隔L5の領域(図6参照)において、折り返し線30a(2つ折り用折り返し線)の両側のシート部分30Aと30Bのみが重なるように設定される。
本実施の形態では、[L2=L3+2×L4]、[L4=L3−L5](L3>L4)を満足するように、L3が35mm、L4が30mm、L5が5mmに設定されている。
【0019】
次に、折り返し線30aの方向(第1の方向)と直交する第2の方向に平行な折り返し線30dに沿って図4に示されている矢印の方向に折り返す(第4回目の折り返し)。折り返し線30dに沿った折り返しによって、図5に示されているように、折り返し線30dの両側のシート部分[30A3a、30B3a、30B2a、30A2a、30A1a、30B1aの6相]とシート部分[30A3b、30B3b、30B2b、30A2b、30A1b、30B1bの6相]が重ねられる。すなわち、折り返し線30dに沿った折り返しによって、シート部分30A3a、30B3a、30B2a、30A2a、30A1a、30B1a、30A3b、30B3b、30B2b、30A2b、30A1bおよび30B1bが重ねられた12折り状態となる。図5では、シート部分30A1a(W2×片32a1の長さL3)、30A2a(W2×片32a2の長さL4)、30A3a(W2×片32a3の長さL4)、30B1a(W2×片32b1の長さL3)、30B2a(W2×片32b2の長さL4)、30B3a(W2×片32b3の長さL4)、30A1b(W3×片34a1の長さL3)、30A2b(W3×片34a2の長さL4)、30A3b(W3×片34a3の長さL4)、30B1b(W3×片34b1の長さL3)、30B2b(W3×片34b2の長さL4)および30B3b(W3×片34b3の長さL4)が重ねられている。
本実施の形態では、折り返し線30a(2つ折り用折り返し線)と直交する折り返し線30dの位置(折り返し線30dと片32の間隔W2、折り返し線30dと片34の間隔W3)は、折り返し線30aの両端部30x、30yに接続されている、第2の方向に延びている片32、34のうちの少なくとも一方の片から折り返し線30d側の、設定間隔W4の領域において、折り返し線30a(2つ折り用折り返し線)の両側のシート部分30Aと30Bのみが重なるように設定される。
本実施の形態では、[W1=W2+W3]、[W2=W3−W4](W3>W2)を満足するように、W2が45mm、W3が55mm、W4が10mmに設定されている。
折り返し線30aの一方の端部30yを含む、(L5×W4)の四角形の領域20Xは、使用者が指で摘む摘み部として用いられる。なお、大部分の使用者が、摘み部20Xを指で容易に摘むことができるようにするためには、折り返し線30aの一方の端部30yから5mm以内の領域を含むように領域20Xを設定するのが好ましい。本実施の形態では、L5およびW4を5mm以上に設定するのが好ましい。
【0020】
第1の実施の形態のシート収容体10では、シートを使用する際には以下の操作を行う。
先ず、収容空間12を形成しているフィルムを、切り込み13を利用して切断し、収容空間12を開口する。
次に、収容空間12内に収容されているウェットシート20の摘み部20Xを指で摘み、収容空間12から引き出す。ここで、本実施の形態では、切り込み13が、収容空間12内に収容されているウェットシート20の摘み部20Xが配置されている箇所の近傍に形成されている。このため、収容空間12を形成しているフィルムを少し切断するだけで、ウェットシート20の摘み部20Xを指で摘んで、収容空間12から取り出すことができる。したがって、ウェットシート20を収容空間12から取り出す操作が容易である。
次に、ウェットシート20を収容空間12から引き出した後、摘み部20Xを摘んでいる指を振る。ここで、摘み部20Xは、2つ折り用折り返し線30aの一方の端部30yを含んでおり、また、摘み部20Xの領域では、シート30を2つ折りするための2つ折り用折り返し線30aの両側のシート部分30Aと30Bのみが重ねられている。このため、摘み部20Xを摘んでいる指を振ると、折り返し線30a(2つ折り用折り返し線)以外の折り返し線30b、30c、30dに沿った折り返し状態が解除され、2つ折り状態となる。例えば、先ず、図4に示す状態となり、その後、図3に示されている2つ折り状態となる。このように、摘み部20Xを指で摘んだ状態でウェットシート20を振ることによってウェットシート20を2つ折り状態にすることができるため、両手を使用する必要がない。特に、収容空間12内にウェットシート20が収容されている場合には、摘み部20Xを摘む指以外が濡れないため、より利便性が高い。
そして、2つ折り状態となったウェットシート20を使用する。
【0021】
なお、第1の実施の形態のウェットシート20を形成する方法は、前述した方法に限定されない。
例えば、折り返し線30aに沿って折り返す方法は、図2に示されている矢印と異なる方向、例えば、シート部分30Aと30Bの異なる面が接触する方向であってもよい。
折り返し線30bおよび30cに沿って折り返す方法は、図3に示されている方向と異なる方向、例えば、シート部分30Aと30Bが接触する方向であってもよい。第1の方向に平行な折り返し線30bおよび30cの位置、すなわち、折り返し線30aと30bの間隔L3、折り返し線30bと30cの間隔L4、折り返し線30cと片31の間隔L4は適宜変更可能である。
折り返し線30dに沿って折り返す方法は、図4に示されている矢印の方向と異なる方向、例えば、シート部分30A3aと30A3bが接触する方向であってもよい、第2の方向に平行な折り返し線30dの位置、すなわち、長辺32と折り返し線30dの間隔W2、折り返し線30dと片34の間隔W3は、適宜変更可能である。
折り返す順番は、適宜変更可能である。
シート部分30A2および30B2とシート部分30A3および30B3の幅(第2の方向に沿った長さL24)を等しく設定したが、異なる長さに設定してもよい。
【0022】
第2の実施の形態のシート収容体を、図8〜図13を参照して説明する。なお、第2の実施の形態のシート収容体の概略構成は、第1の実施の形態のシート収容体10と同様であるため、説明を省略する。図8〜10は、第2の実施の形態のシート収容体の収容空間に収容するウェットシート40を形成する方法を説明する図である。図11は、ウェットシート40の概略図であり、図12は、図11のXII線矢視図であり、図13は、図11のXIII線矢視図である。
ウェットシート40は、第1の実施の形態のウェットシート20と同様に、1枚のシート50を複数回折り返すことによって形成される。シート50としては、シート30と同様のシートを用いることができる。
【0023】
次に、ウェットシート40を形成する方法を説明する。
シート50は、図8に示されているように、第1の方向(図8では上下方向)に延びている、長さW11を有する一対の短辺51および53と、第1の方向と直交(略直交を含む)する方向(図8の左右方向)に延びている、長さL11を有する一対の長辺52および54からなる長方形を有している。
【0024】
先ず、長辺52および54の中央で、第1の方向に平行な折り返し線50aに沿って、図8に示されている矢印の方向に折り返す(第1回目の折り返し)。これにより、シート50は、折り返し線50aの両側のシート部分50Aと50Bが重ねられた2つ折り状態となる。折り返し線50aが、本発明の「2つ折り用折り返し線」に対応する。折り返し線50aに沿った折り返しによって、図9に示されているように、折り返し線50aの両側のシート部分50A[W11×片42a(44a)の長さL12]と50B[W11×片52b(54b)の長さL12]が重ねられる。
【0025】
次に、シート部分50Aおよび50Bを、第1の方向に平行な折り返し線50bに沿って図9に示されている矢印の方向に折り返す(第2回目の折り返し)。折り返し線50bに沿った折り返しによって、図10に示されているように、折り返し線50bの両側のシート部分[50A1(W11×片52a1(54a1)の長さL13)と50B1(W11×片52b1(54b1)の長さL13)の2相]とシート部分[50A2(W11×片52a2(54a2)の長さL14)と50B2(W11×片52b2(54b2)の長さL14)の2相]が重ねられ、4つ折り状態となる。
本実施の形態では、2つ折り用折り返し線50aに平行(第1の方向に平行)な折り返し線50bの位置(折り返し線50aと50bの間隔L13、折り返し線50bと短辺51および53の間隔L14)は、2つ折り用折り返し線50aより折り返し線50b側の、設定間隔L15の領域(図11参照)において、2つ折り用折り返し線50aの両側のシート部分50Aと50Bのみが重なるように設定される。本実施の形態では、[L12=L13+L14]、[L14=L13−L15](L13>L14)を満足するように設定されている。
【0026】
次に、2つ折り用折り返し線50aに直交する第2の方向に平行な折り返し線50cに沿って、図10に示されている矢印の方向に折り返す(第3回目の折り返し)。折り返し線50cに沿った折り返しによって、図11に示されているように、折り返し線50cの両側のシート部分[50B2a(W12×片52b2の長さL14)、50A2a(W12×片52a2の長さL14)、50A1a(W12×片52a1の長さL13)、50B1a(W12×片52b1の長さL13)の4相]とシート部分[50B2b(W13×片54b2の長さL14)、50A2b(W13×片54a2の長さL14)、50A1b(W13×片54a1の長さL13)、50B1b(W13×片54b1の長さL13)、の4相]が重ねられ、8つ折り状態となる。
本実施の形態では、2つ折り用折り返し線50aに直交する第2の方向に平行な折り返し線50cの位置(折り返し線50cと長辺52の間隔W12、折り返し線50cと長辺54の間隔W13)は、折り返し線50aの両端部に接合されている片52、54のうちの少なくとも一方の片から折り返し線50c側の、設定間隔W14の領域において、2つ折り用折り返し線50aの両側のシート部分50Aと50Bのみが重なるように設定される。本実施の形態では、[W11=W12+W13]、[W13=W12−W14](W12>W13)を満足するように設定されている。
折り返し線50aの一方の端部50xを含む、(L15×W14)の四角形の領域40Xは、使用者が指で摘む摘み部として用いられる。なお、大部分の使用者が、摘み部40Xを指で容易に摘むことができるようにするためには、折り返し線50aの一方の端部50xから5mm以内の領域を含むように領域40Xを設定するのが好ましい。本実施の形態では、L15およびW14を5mm以上に設定するのが好ましい。
【0027】
なお、第2の実施の形態のウェットシート40を形成する方法は、前述した方法に限定されない。
例えば、折り返し線50aに沿って折り返す方法は、図8に示されている矢印と異なる方向、例えば、シート部分40Aと40Bの異なる面が接触する方向であってもよい。
折り返し線50bに沿って折り返す方法は、図10に示されている矢印と異なる方向、例えば、シート部分50B1と50B2が接触する方向であってもよい。第1の方向に平行な折り返し線50bの位置、すなわち、折り返し線50aと50bの間隔L13、折り返し線50bと片51の間隔L14は適宜変更可能である。
折り返し線50cに沿って折り返す方法は、図10に示されている矢印の方向と異なる方向、例えば、シート部分40B2aと40B2bが接触する方向であってもよい。第2の方向に平行な折り返し線50cの位置、すなわち、片52と折り返し線50cの間隔W12、折り返し線50cと片54の間隔W13は、適宜変更可能である。
折り返す順番は、適宜変更可能である。
【0028】
第1および第2の実施の形態では、2つ折り後の折り返し操作を、2つ折り用折り返し線の両側のシート部分が重ねられた状態で行っている。2つ折り後の折り返し操作の少なくとも一部は、2つ折り返し用折り返し線の両側のシート部分それぞれで行うこともできる。
第3の実施の形態のシート収容体の収容空間に収容するウェットシート60を、図14〜図16を参照して説明する。なお、図14および15は、ウェットシート60を形成する方法を説明する図であり、図16は、ウェットシート60の上面図である。
ウェットシート60は、第1の実施の形態のウェットシート20と同様に、1枚のシート70を複数回折り返すことによって形成されている。シート70としては、シート30と同様のシートを用いることができる。なお、図14〜16には、全ての符号が図示されていない。
【0029】
シート70は、第1の方向に延びている、長さW21を有する一対の短辺71および73と、第1の方向と直交(略直交を含む)する第2の方向に延びている、長さL21を有する一対の長辺72および74からなる長方形を有している。
【0030】
先ず、長辺72および74の中央で、第1の方向に平行な折り返し線70aに沿って、折り返す(第1回目の折り返し)。これにより、シート70は、折り返し線70aの両側のシート部分70Aと70Bが重ねられた2つ折り状態となる。折り返し線70aが、本発明の「2つ折り用折り返し線」に対応する。折り返し線70aに沿った折り返しによって、図14に示されているように、折り返し線70aの両側のシート部分[70A(W21×片72a(74a)の長さL22)]とシート部分[70B(W21×片72b(74b)の長さL22)]が重ねられる。
【0031】
次に、シート部分70Aを、第1の方向(2つ折り用折り返し線70aの方向)に平行な折り返し線70bに沿って図14に示されている矢印の方向に折り返す(第2回目の折り返し)とともに、第1の方向に平行な折り返し線70cに沿って図14に示されている矢印の方向に折り返す(第3回目の折り返し)。
折り返し線70bに沿った折り返しによって、図15に示されているように、折り返し線70bの両側のシート部分[70A2+70A3]とシート部分70A1が重ねられる。折り返し線70bに沿った折り返しによって、シート部分70Aは、2つ折り状態となる。
また、折り返し線70bに沿った折り返しによって、図15に示されているように、折り返し線70cの両側のシート部分70A3とシート部分70A2が重ねられる。ここで、折り返し線70aに沿った折り返しによって、シート部分70A2と70A1が重ねられている。このため、折り返し線70cに沿った折り返しによって、シート部分70Aは、シート部分70A1、シート部分70A2およびシート部分70A3が重ねられた3つ折り状態となる。
【0032】
次に、シート部分70Bを、第1の方向(2つ折り用折り返し線70aの方向)に平行な折り返し線70dに沿って図14に示されている矢印の方向に折り返す(第4回目の折り返し)とともに、第1の方向に平行な折り返し線70eに沿って図14に示されている矢印の方向に折り返す(第5回目の折り返し)。
折り返し線70dに沿った折り返しによって、図15に示されているように、折り返し線70dの両側のシート部分[70B2+70B3]とシート部分70B1が重ねられる。ここで、折り返し線70dに沿った折り返しによって、シート部分70B2と70B1が重ねられている。このため、折り返し線70eに沿った折り返しによって、シート部分70Bは、シート部分70B1、シート部分70B2およびシート部分70B3が重ねられた3つ折り状態となる。
【0033】
以上の折り返し線70b、70c、70dおよび70eに沿った折り返しによって、シート70は、30A3(W21×L24)、30A2(W21×L24)、シート部分30A1(W21×L23)、シート部分30B1(W21×L23)、シート部分30B2(W21×L23)およびシート部分30B3(W21×L24)が重ねられた6つ折り状態となる。
本実施の形態では、2つ折り用折り返し線70aに平行な折り返し線70bおよび70cの位置(折り返し線70aと70bの間隔L23、折り返し線70bと70cの間隔L24、折り返し線70cと短辺71の間隔L24)は、2つ折り用折り返し線70aより折り返し線70b(70c)側の、設定間隔L25の領域(図15参照)において、2つ折り用折り返し線70aの両側のシート部分70Aと70Bのみが重なるように設定される。2つ折り用折り返し線70aに平行な折り返し線70dおよび70eの位置も同様に設定される。
本実施の形態では、[L22=L23+2×L24]、[L24=L23−L25](L23>L24)を満足するように設定されている。
【0034】
次に、2つ折り用折り返し線70aと直交する第2の方向に平行な折り返し線70fに沿って、図15に示されている矢印の方向に折り返す(第6回目の折り返し)。折り返し線70fに沿った折り返しによって、図16に示されているように、折り返し線70fの両側のシート部分[70A3a(W22×L24)、70A2a(W22×L24)、70A1a(W22×L23)、70B1a(W22×L23)、70B2a(W22×L24)、70B3a(W22×L24)の6相]とシート部分[70A3b(W23×L24)、70A2b(W23×L24)、70A1b(W23×L23)、70B1b(W23×L24)、70B2b(W23×L24)、70B3b(W23×L24)の6相]に重ねられる。すなわち、折り返し線70fに沿って折り返しによって、12折り状態となる。
本実施の形態では、2つ折り用折り返し線70aと直交する第2の方向に平行な折り返し線70fの位置(折り返し線70fと長辺72の間隔W22、折り返し線70fと長辺74の間隔W23)は、2つ折り用折り返し線70fの両端部70x、70yに接続されている長辺72、74のうちの少なくとも一方の長辺から2つ折り用折り返し線70f側の、設定間隔W24の領域において、2つ折り用折り返し線70aの両側のシート部分70Aと70Bのみが重なるように設定される。
本実施の形態では、[W21=W22+W23]、[W22=W23−W24](W23>W22)を満足するように設定されている。
折り返し線70aの一方の端部70yを含む、(L25×W24)の四角形の領域60Xは、使用者が指で摘む摘み部として用いられる。
シートを使用する際の操作は第1の実施の形態と同様である。
なお、2つ折り用折り返し線と平行な折り返し線70b、70c、70dおよび70eの位置や、2つ折り用折り返し線70aと直交する方向に平行な折り返し線70fの位置は、適宜変更可能である。また、折り返す順番は、適宜変更可能である。
【0035】
第4の実施の形態のシート収容体の収容空間に収容するウェットシートシート80を、図17〜図19を参照して説明する。なお、図17および18は、ウェットシートシート80を形成する方法を説明する図であり、図19は、ウェットシートシート80の上面図である。
ウェットシートシート80は、第1の実施の形態のウェットシートシート20と同様に、1枚のシート90を複数回折り返すことによって形成されている。シート90としては、シート30と同様のシートを用いることができる。なお、図17〜19には、全ての符号が図示されていない。
【0036】
シート90は、第1の方向に延びている、長さW31を有する一対の短辺91および93と、第1の方向と直交(略直交を含む)する第2の方向に延びている、長さL31を有する一対の長辺92および94からなる長方形を有している。
【0037】
先ず、長辺92および94の中央で、第1の方向に平行な折り返し線90aに沿って、折り返す(第1回目の折り返し)。これにより、シート90は、折り返し線90aの両側のシート部分90A(W31×片92a(94a)の長さL32)とシート部分90B(W31×片92b(94b)の長さL32)が重ねられた2つ折り状態となる。折り返し線90aが、本発明の「2つ折り用折り返し線」に対応する。
【0038】
次に、シート部分90Aを、2つ折り用折り返し線90aの方向(第1の方向)に平行な折り返し線90bに沿って、図17に示されている矢印の方向に折り返す(第2回目の折り返し)。折り返し線90bに沿った折り返しによって、図18に示されているように、折り返し線90bの両側のシート部分90A2とシート部分90A1が重ねられる。折り返し線90bに沿った折り返しによって、シート部分90Aは、2つ折り状態となる。
次に、シート部分90Bを、2つ折り用折り返し線90aの方向(第1の方向)に平行な折り返し線90cに沿って、図17に示されている矢印の方向に折り返す(第3回目の折り返し)。折り返し線90cに沿った折り返しによって、図18に示されているように、折り返し線90cの両側シート部分90B2とシート部分90B1が重ねられる。折り返し線90cに沿った折り返しによって、シート部分90Bは、2つ折り状態となる。
【0039】
以上の折り返し線90bおよび90cに沿った折り返しによって、シート90は、シート部分90A2(W31×L34)、シート部分90A1(W31×L33)、シート部分90B1(W31×L33)およびシート部分90B2(W31×L34)が重ねられた4つ折り状態となる。
本実施の形態では、2つ折り用折り返し線90aに平行な折り返し線90bの位置(折り返し線90aと90bの間隔L33、折り返し線90bと短辺91の間隔L24)および折り返し線90cの位置(折り返し線90aと90bの間隔L33、折り返し線90cと短辺93の間隔L24)は、2つ折り用折り返し線90aより折り返し線90b(90c)側の、設定間隔L35の領域(図18参照)において、2つ折り用折り返し線90aの両側のシート部分90Aと90Bのみが重なるように設定される。
本実施の形態では、[L32=L33+L34]、[L34=L33−L35](L32>L33)を満足するように設定されている。
【0040】
次に、2つ折り用折り返し線90aに直交する第2の方向に平行な折り返し線90dに沿って、図18に示されている矢印の方向に折り返す(第4回目の折り返し)。折り返し線90dに沿った折り返しによって、図19に示されているように、折り返し線90dの両側のシート部分[90A2a(W32×L34)、90A1a(W32×L33)、90B1a(W32×L33)、90B2a(W32×L34)の4相]とシート部分[90A2b(W33×L34)、90A1b(W33×L33)、90B1b(W33×L33)、90B2b(W33×L34)の4相]が重ねられる。
本実施の形態では、2つ折り用折り返し線90aの方向に直交する第2の方向に平行な折り返し線90dの位置(折り返し線90dと片92の間隔W32、折り返し線90dと片94の間隔W33)は、2つ折り用折り返し線90aの両端部90x、90yに接続されている長辺92、94のうちの少なくとも一方の長辺から2つ折り用折り返し線90d側の、設定間隔W34の領域において、2つ折り用折り返し線90aの両側のシート部分90Aと90Bのみが重なるように設定される。
本実施の形態では、[W31=W32+W33]、[W33=W32−W34](W32>W33)を満足するように設定されている。
折り返し線90aの一方の端部90xを含む、(L35×W34)の四角形の領域80Xは、使用者が指で摘む摘み部として用いられる。
シートを使用する際の操作は第1の実施の形態と同様である。
なお、第1の方向に平行な折り返し線90bおよび90cの位置や、第2の方向に平行な折り返し線90dの位置は、適宜変更可能である。
【0041】
以上説明したように、本発明のシート収容体では、収容空間内に収容されているウェットシートの摘み部を指で摘んで収容空間から引き出し、摘み部を指で摘んだ状態でウェットシートを振ることにより、ウェットシートを2つ折りにすることができる。これにより、複数回折り返された状態で収容空間内に収容されているウェットシートを、容易に2つ折り状態にすることができ。利便性が向上する。
【0042】
本発明は、実施の形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
例えば、液体が含浸されているシートを複数回折り返すことによってウェットシートを形成したが、液体が含浸されていないシートを複数回折り返した後、液体を含浸させることによってウェットシートを形成することもできる。
1枚のシートを複数回折り返してウェットシートを形成する方法としては、シートを2つ折りするための2つ折り用折り返し線の少なくとも一方の端部の周りの領域において、2つ折り用折り返し線の両側のシート部分のみが重ねられているウェットシートを形成することができる種々の方法を用いることができる。例えば、シートを、第1の方向に平行な2つ折り用折り返し線に沿って折り返し、また、第1の方向と交差する第2の方向に平行な他の折り返し線に沿って1回折り返すことによってウェットシートを形成する方法を用いることができる。
シート収容体、ウェットシート、ウェットシートを形成するシートの形状は、四角形に限定されない。
シート収容体の収容空間を形成する方法は、実施の形態で説明した方法に限定されない。例えば、熱融着フィルムのシール部を合わせて背中シール(センターシール)することによって筒状体を形成し、さらに、筒状体の両端部をエンドシールすることによって密閉状態の収容空間を形成する方法を用いることができる。なお、切り込みは、背中シール部やエンドシール部に形成してもよい。
シート収容体の収容空間内にウェットシートを収容する場合について説明したが、収容空間内には、1枚のシートを複数回折り返したシートを収容することができる。
【0043】
なお、本発明は、
「シートは、第1の方向に沿って延びる、少なくとも1つの第1の折り返し線と、第1の方向に交差する第2の方向に沿って延びる、少なくとも1つの第2の折り返し線に沿って折り返されており、
少なくとも1つの第1の折り返し線には、シートを2つ折りするための2つ折り用折り返し線が含まれており、
第1の折り返し線のうち、2つ折り用折り返し線を除く他の第1の折り返し線は、2つ折り用折り返し線より、他の第1の折り返し線側の設定距離の範囲内では、2つ折り用折り返し線の両側のシート部分のみが重ねられるように設定され、
第2の折り返し線は、2つ折り用折り返し線の少なくとも一方の端部に接続されているシート片より、第2の折り返し線側の設定距離の範囲内では、2つ折り用折り返し線の両側のシート部分のみが重ねられるように設定されている」構成を備えるシート収容体として構成することもできる。
【符号の説明】
【0044】
10 シート収容体
11 シール部
12 収容空間
13 切り込み
20、40、60、80 ウェットシート
20x、20y、40x、40y、60x、60y、80x、80y 端部
20X、40X、60X、80X 摘み部
30、50、70、90 シート
30a、30b、30c、30d、50a、50b、50c、70a、70b、70c、70d、70e、70f、90a、90b、90c、90d 折り返し線
31、33、51、53、71、73、91、93 短辺
32、34、52、54、72、74、92、94 長辺

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容空間と、前記収容空間内に収容されている少なくとも1つのシートを有し、前記シートは、折り返し線に沿って折り返す操作を複数回行うことによって、前記シートを構成する複数のシート部分が重ねられた状態で前記収容空間内に収容されているシート収容体であって、
前記シートは、前記複数のシート部分が重ねられた状態において、前記シートを2つ折りするための2つ折り用折り返し線の少なくとも一方の端部の周りの領域では、前記2つ折り用折り返し線の両側の2つのシート部分のみが重ねられていることを特徴とするシート収容体。
【請求項2】
請求項1に記載のシート収容体であって、
前記2つ折り用折り返し線の少なくとも一方の端部の周りの領域は、当該少なくとも一方の端部からの距離が5mm以内である領域を含んでいることを特徴とするシート収容体。
【請求項3】
請求項1または2に記載のシート収容体であって、
前記収容空間は、接合されたフィルムによって形成されており、
前記接合されたフィルムの外周には、前記2つ折り用折り返し線の少なくとも一方の端部が配置されている箇所の近傍に切り込みが形成されていることを特徴とするシート収容体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のシート収容体であって、
前記シートは、第1の方向に沿って延びている一対の第1の片と、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って延びている一対の第2の片からなる四角形を有しており、
前記2つ折り用折り返し線は、前記第1の片の中央を通り、前記第2の方向に沿って延びていることを特徴とするシート収容体。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のシート収容体であって、
前記シートに液体が含浸されていることを特徴とするシート収容体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2012−152473(P2012−152473A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15816(P2011−15816)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)