説明

シート受具、光源装置及び表示装置

【課題】光源の個数が低減され、光源と光学シートとの離隔距離が比較的長い場合においても、柱形部を大径に形成することなくシート受具の全長を長くすることができ、柱形部の耐強度を確保することができるとともに、シート受具周りに影が現れないようにすることができるシート受具、光源装置及び表示装置を提供する。
【解決手段】略円錐形をなし光学シート7の撓みを制限する柱形部51と、該柱形部51を光学シート7の周縁部を支持する支持体1に取付ける取付部との間に、柱形部51の長さ方向に対して両側方へ傾斜する二つの光反射面52a,52bを有し、且つ該光反射面52a,52bの前記長さ方向と直交する方向の幅が、前記柱形部51における基端の直径の約1〜4倍である光反射部52を配し、光反射面52a,52bにて反射する反射光により、柱形部51周りの影を打ち消すようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置が備える光学シートの撓みを制限するシート受具、表示装置の光源として使用される光源装置及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン等の表示装置は、画像を表示する表示面を前側に有する表示部の後側に光源装置が配されており、該光源装置と表示部との間に、光源装置の光源が発光した光を前記表示部へ入射する光学シートが配されている。
【0003】
光源装置は直方体をなし、光学シートの周縁部を支持する筺体と、該筺体内に上下に離隔して並置される複数の光源と、該光源及び前記光学シートの間で、隣合う光源間に取付けられ、前記光学シートのシート面に先端が接触して該光学シートの撓みを制限するシート受具とを備える(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
シート受具は、円錐形をなす柱形部及び該柱形部の基端に連なり、前記筺体における隣合う光源間に取付けられる取付板部とを有し、柱形部の先端が光学シートの一面に接触することにより、該光学シートの撓みを制限し、光学シートと前記光源との間の距離をほぼ均等に保つことができるように構成されている。
【0005】
また、表示装置は、表側に表示面を有する表示部と、直管状をなし、並置される複数の蛍光ランプ及び該蛍光ランプを収容支持する筺体を有する光源装置と、該光源装置及び前記表示部の間に配され、蛍光ランプが発光した光が入光される光学シートとを備え、前記筺体内における蛍光ランプ間に、二つの光反射面を有する断面V字形をなし、蛍光ランプが発光した光を前記光学シートに向けて反射させる柱形光反射体を配し、該柱形光反射体の頂部に、光学シートのシート面に先端が接触して該光学シートの撓みを制限する支持突起が設けられている(例えば、特許文献2参照)。柱形光反射体は蛍光ランプとほぼ等しい長さに形成され、二つの光反射面が蛍光ランプと平行となるように配されており、該柱形光反射体の長さ方向の中間に支持突起が一体成形されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−210337号公報
【特許文献2】特開2004−12728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のように離隔して並置される複数の光源、及びシート受具を有する光源装置が使用された表示装置にあっては、光源の並置間隔を狭くすることにより、シート受具における柱形部の周りに影が現れないようにすることができる。しかし、光源の個数が増加するため、コストが高くなる。
【0008】
光源の個数を低減し、光源の並置間隔を広くした構成において、シート受具における柱形部の周りに影が現れないようにするには、光源と光学シートとの離隔距離を長くする必要がある。この場合、シート受具における柱形部の長さを長くし、光学シートの撓みを制限する必要がある。
【0009】
しかし、シート受具における柱形部の長さが長くなると、光学シートの撓み荷重に対する柱形部の強度が低下し、また、光学シートとの接触部にキシミ音等の異音が発生し易くなるため、柱形部の長さを長くするとともに、柱形部を大径に形成し、柱形部の耐強度を高くする必要がある。
【0010】
ところが、柱形部が大径になると、隣合う光源の一方が発光した光にて柱形部の一側面が照射されたとき、柱形部の他側面側に該柱形部の影が現れ、隣合う光源の他方が発光した光にて柱形部の他側面が照射されたとき、柱形部の一側面側に該柱形部の影が現れ、この影が表示部の表示面に現れることになるという問題がある。
【0011】
また、特許文献2のように蛍光ランプとほぼ等しい長さに形成された柱形光反射体の頂部に支持突起が設けられている表示装置にあっては、隣合う光源が発光した光が柱形光反射体の二つの光反射面にて反射し、この反射光が支持突起の一側面側及び他側面側を照射することになる。しかし、二つの光反射面にて反射した反射光は蛍光ランプに沿って一様であるため、隣合う光源の一方が発光した光にて支持突起の一側面が照射されたとき、支持突起の他側面側に該支持突起の影が現れ、隣合う光源の他方が発光した光にて支持突起の他側面が照射されたとき、支持突起の一側面側に該支持突起の影が現れ、この影が表示部の表示面に現れ、輝度むらが発生するという問題がある。また、柱形光反射体は蛍光ランプとほぼ等しい長さであるため、光反射体が大型となり、また、表示装置の大きさに対応した大きさの光反射体を使用する必要があり、光反射体の汎用性もない。
【0012】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、主たる目的は光源の個数が低減され、光源と光学シートとの離隔距離が比較的長い場合においても、柱形部を大径に形成することなくシート受具の全長を長くすることができ、柱形部の耐強度を確保することができるとともに、シート受具における柱形部の周りに影が現れないようにすることができるシート受具、光源装置及び表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るシート受具は、略錐形をなし、光学シートのシート面に先端が接触して該光学シートの撓みを制限する柱形部及び該柱形部を、前記光学シートの周縁部を支持する支持体に取付ける取付部を有するシート受具において、前記柱形部の長さ方向に対して側方へ傾斜する二つの光反射面を有し、且つ該光反射面の前記長さ方向と直交する方向の幅が、前記柱形部における基端の直径の約1〜4倍である光反射部を前記柱形部及び取付部の間に配してあることを特徴とする。
【0014】
この発明にあっては、柱形部と取付部との間に光反射部があるため、柱形部を大径に形成することなく全長を長くすることができるとともに、光学シートの撓み荷重に対する強度を得ることができる。しかも、光反射部の二つの光反射面は、柱形部における基端の直径の約1〜4倍の幅であるため、二つの光反射面にて反射した反射光が柱形部の一側面側及び他側面側を照射することになり、柱形部の周りに影が現れるのをなくすることができる。即ち、隣合う光源の一方が発光した光にて柱形部の一側面が照射されたとき、柱形部の他側面側に該柱形部の影が現れ、隣合う光源の他方が発光した光にて柱形部の他側面が照射されたとき、柱形部の一側面側に該柱形部の影が現れることになるが、柱形部の一側面側に現れる影を、一方の光反射面にて反射した反射光により打ち消すことができ、柱形部の他側面側に現れる影を、他方の光反射面にて反射した反射光により打ち消すことができ、柱形部の周りに影が現れるのをなくすることができる。尚、二つの光反射面の幅が、前記基端の直径の1倍未満である場合、二つの光反射面にて反射した反射光が柱形部の両側面側を十分に照射することができないため、柱形部の周りに影が現れ易い。また、二つの光反射面の幅が、前記基端の直径の4倍を超える場合、柱形部における一側面及び他側面間の周面側に影が現れ易い。
【0015】
また、本発明に係るシート受具は、前記二つの光反射面の幅は5〜20mmである構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、二つの光反射面の幅は5〜20mmであるため、二つの光反射面にて反射した反射光が柱形部の一側面及び他側面を照射することになり、柱形部の周りに影が現れないようにすることができる。尚、二つの光反射面の幅が5mm未満である場合、二つの光反射面にて反射した反射光が柱形部の両側面側を十分に照射することができないため、柱形部の周りに影が現れ易い。また、二つの光反射面の幅が20mmを超える場合、柱形部における一側面及び他側面間の周面側に輝度むらが発生し易い。
【0016】
また、本発明に係るシート受具は、前記二つの光反射面は、前記長さ方向に対して30〜60度傾斜している構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、二つの光反射面にて柱形部周りへ反射する光量を比較的多くすることができるため、柱形部の周りに影がより一層現れない。尚、長さ方向に対して30度未満の傾斜である場合、柱形部の周面と離隔する方向へ反射する光量が多くなり、柱形部の周りに影が発生し易くなり、柱形部周りの輝度を均一化することができない。また、長さ方向に対して60度を超える傾斜である場合、柱形部の周面にて二次反射する光量が多くなり、柱形部の周りに影が現れ易くなり、柱形部周りの輝度を均一化することができない。
【0017】
また、本発明に係るシート受具は、前記光反射部は、前記二つの光反射面と略平行の内面を有する貫通孔が開設されている構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、光源が発光した光が光反射部の貫通孔を透過するため、光反射部周りの輝度をより一層均一化できる。
【0018】
また、本発明に係るシート受具は、前記貫通孔の内面は、前記傾斜する方向へ凸条部を配してある構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、光学シートの撓み荷重に対する光反射部の強度を高めることができる。
【0019】
また、本発明に係るシート受具は、前記二つの光反射面の周縁部は粗面である構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、光源が発光した光を二つの光反射面にて柱形部の一側面側及び他側面側へ整反射させるとともに、光反射面の粗面にて乱反射させ、整反射光の周りに乱反射光を発生させることができるため、柱形部周りの輝度をより一層均等化できる。
【0020】
また、本発明に係る光源装置は、並置される複数の光源と、該光源及び光源が発光した光が入光される光学シートを支持する支持体と、該支持体における前記光源間に取付けられる前述した発明のシート受具とを備えることを特徴とする。
この発明にあっては、柱形部と取付部との間に光反射部を有し、該光反射部が柱形部を取付部から離隔させているシート受具の取付部が支持体に取付けられるため、並置される光源の個数を低減した場合においても、柱形部を大径に形成することなくシート受具の全長を長くすることができるとともに、光学シートの撓み荷重に対する強度を確保することができ、しかも、隣合う光源が発光する光を二つの光反射面にて反射させ、柱形部周りを照射し得るため、柱形部の周りに影が現れないようにすることができる。
【0021】
また、本発明に係る光源装置は、前記光源は円柱形をなし、前記シート受具は、隣合う光源間の中央部に、前記二つの光反射面が前記光源と平行的となるように配されている構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、柱形部と取付部との間に光反射部を有し、該光反射部が柱形部を取付部から離隔させてあるシート受具の取付部が、該シート受具の二つの光反射面が光源と平行的となるように隣合う光源間の中央部に取付けられるため、並置される光源の個数を低減した場合においても、隣合う光源が発光する光を二つの光反射面にて効率的に反射させ、柱形部周りを効率よく照射することができるため、柱形部の周りに影が現れないようにすることができる。
【0022】
また、本発明に係る光源装置は、前記光源は円柱形をなし、該光源の長さ方向中間部を挾持し、前記支持体に取付けられる複数のクリップを備え、前記シート受具は、隣合う光源の間に、前記クリップに対して前記光源の長さ方向へ離隔して配されている構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、円柱形をなす光源上にクリップを配し、隣合う光源の間で、且つクリップに対して光源の長さ方向へ離隔した位置にシート受具を配してあるため、並置される光源の個数を低減した場合においても、クリップに影響されることなくシート受具の周りに影が現れるのをなくすることができ、また、シート受具に影響されることなくクリップ周りに影が現れないようにすることができる。
【0023】
また、本発明に係る光源装置は、前記シート受具は、前記二つの光反射面が前記光源と平行的となるように配されている構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、クリップに対して光源の長さ方向へ離隔した位置に配するシート受具を、該シート受具の二つの光反射面が光源と平行的となるように隣合う光源間に取付けられるため、隣合う光源が発光する光を二つの光反射面にて効率的に反射させ、柱形部周りを効率よく照射することができる。因って、柱形部の周りに影が現れないようにすることができる。
【0024】
また、本発明に係る表示装置は、一側に表示面を有する表示部と、該表示部の他側に配されている前述した発明の光源装置と、前記光源が発光した光を前記表示部へ入射する光学シートとを備えることを特徴とする。
この発明にあっては、柱形部と取付部との間に光反射部を有し、柱形部を大径に形成することなく全長を長くすることができるシート受具にて光学シートの撓みを制限することができるため、並置される光源の個数を低減した場合においても、シート受具周りに影が現れるのをなくすることができ、光源が照射する照射範囲全体の輝度を均一化できる。
【発明の効果】
【0025】
以上詳述したように本発明によれば、柱形部と取付部との間に光反射部があり、該光反射部が柱形部を取付部から離隔させてあるため、柱形部を大径に形成することなく全長を長くすることができるとともに、光学シートの撓み荷重に対する強度を得ることができ、しかも、シート受具の周りに影が現れるのをなくすることができる。
【0026】
また、本発明によれば、柱形部と取付部との間に光反射部があり、該光反射部が柱形部を取付部から離隔させてあるシート受具の取付部が前記支持体に取付けられるため、並置される光源の個数を低減した場合においても、柱形部を大径に形成することなくシート受具の全長を長くすることができるとともに、光学シートの撓み荷重に対する強度を確保することができ、また、隣合う光源が発光する光を光反射部にて反射させ、柱形部周りを照射し得るため、シート受具の周りに影が現れないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る光源装置の構成を示す正面図である。
【図2】本発明に係る光源装置の一部を拡大した斜視図である。
【図3】本発明に係る光源装置の構成を示す一部を拡大した断面図である。
【図4】本発明に係る光源装置の支持体の構成を示す正面図である。
【図5】本発明に係る光源装置が備えるシート受具の構成を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る光源装置の光源が発光した光とシート受具との関係を示す説明図である。
【図7】本発明に係る光源装置の光源が発光した光とシート受具との関係を示す説明図である。
【図8】本発明に係る光源装置を備える表示装置の構成を示す断面図である。
【図9】本発明に係る光源装置が備えるシート受具の他の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は本発明に係る光源装置の構成を示す正面図、図2は光源装置の一部を拡大した斜視図、図3は光源装置の構成を示す一部を拡大した断面図である。
【0029】
図に示した光源装置は、箱形の直方体をなし、開放側の端部に光学シートの周縁部を支持する支持体1と、円柱形をなし、支持体1内に上下にほぼ等間隔で並置される複数の光源2と、該光源2の両端部を支持体1の内側に保持するホルダ3,3と、光源2の長さ方向中間を挾持し、支持体1内に取付けられる合成樹脂製の複数のクリップ4と、支持体1内に取付けられ、光学シートの撓みを制限する合成樹脂製のシート受具5とを備える。支持体1の内面部は、光源2が発光した光を支持体1の開放側へ反射させるべき光反射面になっている。光反射面は支持体1自体が反射する面である他、支持体1と別個の光反射層であってもよい。
【0030】
図4は支持体の構成を示す正面図である。支持体1は金属板を成形してなり、長方形をなす板部11と、該板部11の周縁に連なる枠部12とを有し、板部11には、クリップ4を取付けるための複数の第1の取付孔13と、シート受具5を取付けるための複数の第2の取付孔14とが開設されている。
【0031】
第1の取付孔13は、図4に示すように各光源2の長さ方向中央部分と対向する位置に前記長さ方向へ交互に偏倚させて開設されている。第2の取付孔14は、図4に示すように隣合う光源2,2間の中央部分で、且つクリップ4に対して光源2の長さ方向へ離隔する位置に開設されている。第1及び第2の取付孔13,14は丸形をなしている。また、第1の取付孔13は光源2の個数に対応して設けられており、第2の取付孔14は光源2の個数に関係なく光源2の並置方向へ離隔して設けられている。また、第2の取付孔14は支持体1における二つの対角上のうち、一方の対角上の2箇所に配してある。
【0032】
光源2は、円柱形をなし両端部に電極を有する冷陰極管であり、夫々の光源2の電極にインバータ回路基板が接続され、パルス幅変調信号により明るさが制御されるように構成されている。
【0033】
クリップ4は支持体1の反射面に対向し、矩形をなす基板41と、光源2の長さ方向中間部が嵌合挾持される挾持部42と、基板41の他面に突設され、第1の取付孔13に挿嵌係止される取付部43とを有し、耐熱性及び光反射性に優れているポリカーボネートにより一体成形されている。挾持部42は光源2の並置方向へ離隔して対向し、光源2を挾持する二つの挾持片を有する。取付部43は板状の突片の先端に二つの爪部を有し、爪部が第1の取付孔13の孔縁部に係止される。
【0034】
図5はシート受具の構成を示す斜視図である。シート受具5は、光学シートのシート面に先端が接触して該光学シートの撓みを制限する柱形部51と、該柱形部51の基端に連なり、光源が発光した光を柱形部51の一側面側及び他側面側へ反射させる、換言すると光学シートに向けて反射させる光反射部52と、該光反射部52に連なり、第2の取付孔14に挿嵌係止される取付部53とを有し、光反射性に優れているポリカーボネートにより一体成形されている。
【0035】
柱形部51は、光反射部52に連なる基端から先端へ容積が漸次減少する略円錐形をなしている。柱形部51の基端の直径は約4〜5mmである。柱形部51における基端部の一側面51a及び他側面51b間の周面は前記長さ方向に沿って欠除され、該基端部の断面形状は非円形であるが、その他、円形の断面形状であってもよい。
【0036】
光反射部52は、取付部53から柱形部51の基端へ柱形部51の長さ方向と直交する方向の断面の内容積が漸次減少し、柱形部51の長さ方向に対して両側方へ傾斜する二つの光反射面52a,52bを有する側面視楔形状をなす。光反射面52a,52bの前記長さ方向と直交する方向の幅は5〜20mm、好ましくは約10mmであり、光反射面52a,52bの幅方向中央部に柱形部51を配してあり、該柱形部51の基端が光反射面52a,52bに亘って結合されている。光反射面52a,52bは柱形部51の長さ方向に対して約45度傾斜している。また、光反射面52a,52bの幅は、柱形部51の基端の直径の約1〜4倍、好ましくは約2倍である。
【0037】
光反射部52は、二つの光反射面52a,52bと略平行の内面を有する三角形状の貫通孔54が開設されており、該貫通孔54の内面の幅方向中央部に、前記傾斜する方向へ凸条部55を配してあり、光反射面52a,52b部分は断面略T字形をなし、光反射部52の剛性を高めてある。
【0038】
取付部53は、一面が光反射部52の基端に連なり、他面が支持体1の反射面に対向する基板53aと、該基板53aの他面に突設されている板状突片53bと、該板状突片53bの先端に連なる二つの爪部53cとを有し、爪部53cが第2の取付孔14の孔縁部に係止される。
【0039】
以上のように構成された光源装置Aは、支持体1の第1の取付孔13にクリップ4の取付部43が挿嵌係止され、また、支持体1内に複数の光源2が並置され、該光源2の両端部がホルダ3,3にて支持体1内に保持されるとともに、光源2の中間部がクリップ4の挾持部42に挿嵌挾持される。また、支持体1の第2の取付孔14にシート受具5の取付部53が挿嵌係止される。
【0040】
第1の取付孔13に取付けられたクリップ4は、図1に示すように光源2の長さ方向へ交互に偏倚して配され、第2の取付孔14に取付けられたシート受具5は、図1に示すように支持体1における一方の対角上の2箇所で、且つクリップ4に対して光源2の長さ方向へ離隔した箇所に、光反射面52a,52bが光源2と平行的に対向するように配される。
【0041】
光源2が発光した光はクリップ4、シート受具5及び支持体1内の光反射面を照射する。クリップ4は支持体1内の光反射面に対する長さが比較的短く、クリップ4自体も光反射性に優れている合成樹脂製であるため、前記光反射面にて反射される光によりクリップ4の周りの輝度は均一化できる。
【0042】
シート受具5は支持体1内の反射面に対する長さが比較的長いけれども、柱形部51と取付部53との間に光反射部52を有し、柱形部51を大径に形成することなくシート受具5の全長を長くすることができる。
【0043】
図6、図7は光源が発光した光とシート受具との関係を示す説明図である。隣合う光源2,2の一方だけが発光した場合、図6、図7に示すように柱形部51の一側面51a及び一方の光反射面52aが照射され、柱形部51の他側面51b及び他方の光反射面52bは照射されないため、柱形部51の他側面51b側及び他方の光反射面52b側に影が現れる。
【0044】
隣合う光源2,2の他方だけが発光した場合、図6、図7に示すように柱形部51の他側面51b及び他方の光反射面52bが照射され、柱形部51の一側面51a及び一方の光反射面52aは照射されないため、柱形部51の一側面51a側及び一方の光反射面52a側に影が現れる。
【0045】
隣合う光源2,2の夫々が発光することにより、図7に示すように柱形部51の一側面51a、他側面51b及び二つの光反射面52a,52bが照射される。因って、柱形部51の一側面51a側及び一方の光反射面52a側に現れる影を、一方の光反射面52aにて反射する光が打ち消し、柱形部51の他側面51b側及び他方の光反射面52b側に現れる影を、他方の光反射面52bにて反射する光が打ち消す。この際、柱形部51の長さ方向に対して約45度傾斜している光反射面52a,52bは、柱形部51における基端の直径の約1〜4倍の幅に形成されており、また、隣合う光源2,2間の中央部分に光反射面52a,52bが光源2,2と平行的となるようにシート受具5が配されているため、光反射面52a,52bに照射された光は、図7に矢印するように光反射面52a,52bにて約45度の角度で反射し、反射光が柱形部51の一側面51a側及び他側面51b側を効率よく照射することができる。因って、柱形部51の周りに影が現れるのをなくすることができ、光源2が照射する照射範囲全体の輝度を均一化できる。
【0046】
また、シート受具5はクリップ4に対して光源2の長さ方向へ離隔する位置に配してあるため、クリップ4に影響されることなく柱形部51及び光反射部52の周りに影が現れないようにすることができる。
【0047】
図8は光源装置を備える表示装置の構成を示す断面図である。光源装置Aは例えば液晶テレビジョン等の液晶表示装置に使用される。
【0048】
液晶表示装置は、図8に示すように前側に表示面を有し略直方体をなす表示部6と、該表示部6の後側に配置された光源装置Aと、該光源装置A及び表示部6の間に配され、光源2が発光した光を表示部6へ入射する光学シート7と、表示部6の周縁部及び光源装置Aの後側を被覆するキャビネット8とを有する。
【0049】
表示部6は、前後側に偏光板が貼着されている表示パネル61と、該表示パネル61の周縁部を前後で挾持して保持する前保持枠体62及び後保持枠体63とを有し、周縁部が支持体1の開放側の端部に支持されている。
【0050】
光学シート7は、光源2が発光した光を拡散する比較的厚肉で、透光性及び可撓性を有する拡散板と、反射偏光シート、プリズムシート、拡散シート等の比較的薄肉で、透光性及び可撓性を有する合成樹脂シートとが積層された積層体であり、表示部6に対応して略直方形に形成されており、周縁部が支持体1の開放側の端部に支持されている。
【0051】
光学シート7の周縁部を支持する支持体1に取付けられているシート受具5は、図3に示すように光学シート7の中央側部分と対向する位置で、柱形部51の先端が光学シート7の一面と接触する程度の僅少距離にて対向し、光学シート7の撓みを制限し、光学シート7と光源2との間の距離を均等に保っている。
【0052】
光源2が発光した光は光学シート7、クリップ4、シート受具5及び支持体1内の反射面を照射する。この照射により、クリップ4の周りの輝度を均一化できるとともに、シート受具5における柱形部51及び光反射部52夫々の周りの輝度を均一化することができる。
【0053】
図9は光源装置が備えるシート受具の他の構成を示す斜視図である。このシート受具5aは、二つの光反射面52a,52bの周縁部を粗面とし、光反射面52a,52bに照射された光を粗面部52cにて乱反射させ、光反射面52a,52bにて柱形部51の一側面51a側及び他側面51b側へ整反射させる整反射光の周りに乱反射光を発生させるように構成したものである。
【0054】
粗面部52cは、微小の凹凸を有する梨地とし、粗面部52cにおける中央側(光反射面52a,52bの中央側)と周縁側との粗さを異ならせ、例えば中央側を精細又は鏡面とし、周縁側を粗くすることで、乱反射の状態を変え、整反射光の周りが、ぼかした反射光となるように構成されている。
【0055】
この実施の形態にあっては、二つの光反射面52a,52bにて反射された整反射光の周りが、ぼかされた反射光となるため、柱形部51の周りの輝度をより一層均等化でき、柱形部51の周りにより一層影が現れないようにすることができる。
【0056】
その他の構成及び作用は図1乃至図7に示す光源装置と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0057】
尚、以上説明した実施の形態では、円柱形をなす光源2を備える構成としたが、その他、光源2は、発光ダイオードであってもよく、光源2の構成は特に制限されない。
【0058】
また、以上説明した実施の形態では、支持体1における二つの対角上のうち、一方の対角上の2箇所にシート受具5を配したが、その他、シート受具5は支持体1における二つの対角上の夫々2箇所又は3箇所以上に配してある構成としてもよく、シート受具5の個数及び配置箇所は特に制限されない。
【0059】
また、以上説明した実施の形態では、柱形部51の長さ方向に対して約45度傾斜する光反射面52a,52bを有する構成としたが、その他、光反射面52a,52bは30〜60度の傾斜角であればよい。
【0060】
また、以上説明した実施の形態において、柱形部51は、光反射部52に連なる基端から先端へ容積が漸次減少する円錐形とするのが好ましいが、その他、基端側が円柱形をなし、先端側が円錐形をなす形態としてもよく、柱形部51は略錐形であればよい。
【0061】
また、以上説明した実施の形態では、貫通孔を有する光反射部52としたが、その他、光反射部52は貫通孔がない構成であってもよい。また、貫通孔を有する場合、該貫通孔の形状は特に制限されない。
【0062】
また、以上説明した実施の形態では、シート受具5をポリカーボネート製としたが、その他、光反射性の高い合成樹脂製であればよいし、また、光反射性の高い塗料が塗布されている構成としてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 支持体
2 光源
4 クリップ
5,5a シート受具
51 柱形部
52 光反射部
52a,52b 光反射面
53 取付部
54 貫通孔
55 凸条部
6 表示部
7 光学シート
A 光源装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略錐形をなし、光学シートのシート面に先端が接触して該光学シートの撓みを制限する柱形部及び該柱形部を、前記光学シートの周縁部を支持する支持体に取付ける取付部を有するシート受具において、前記柱形部の長さ方向に対して側方へ傾斜する二つの光反射面を有し、且つ該光反射面の前記長さ方向と直交する方向の幅が、前記柱形部における基端の直径の約1〜4倍である光反射部を前記柱形部及び取付部の間に配してあることを特徴とするシート受具。
【請求項2】
前記二つの光反射面の幅は5〜20mmである請求項1記載のシート受具。
【請求項3】
前記二つの光反射面は、前記長さ方向に対して30〜60度傾斜している請求項1又は2記載のシート受具。
【請求項4】
前記光反射部は、前記二つの光反射面と略平行の内面を有する貫通孔が開設されている請求項1から3のいずれか一つに記載のシート受具。
【請求項5】
前記貫通孔の内面は、前記傾斜する方向へ凸条部を配してある請求項4記載のシート受具。
【請求項6】
前記二つの光反射面の周縁部は粗面である請求項1から5のいずれか一つに記載のシート受具。
【請求項7】
並置される複数の光源と、該光源及び光源が発光した光が入光される光学シートを支持する支持体と、該支持体における前記光源間に取付けられる請求項1から6のいずれか一つに記載のシート受具とを備えることを特徴とする光源装置。
【請求項8】
前記光源は円柱形をなし、前記シート受具は、隣合う光源間の中央部に、前記二つの光反射面が前記光源と平行的となるように配されている請求項7記載の光源装置。
【請求項9】
前記光源は円柱形をなし、該光源の長さ方向中間部を挾持し、前記支持体に取付けられる複数のクリップを備え、前記シート受具は、隣合う光源の間に、前記クリップに対して前記光源の長さ方向へ離隔して配されている請求項7記載の光源装置。
【請求項10】
前記シート受具は、前記二つの光反射面が前記光源と平行的となるように配されている請求項9記載の光源装置。
【請求項11】
一側に表示面を有する表示部と、該表示部の他側に配されている請求項7から10のいずれか一つに記載の光源装置と、前記光源が発光した光を前記表示部へ入射する光学シートとを備えることを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−161016(P2010−161016A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−3684(P2009−3684)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】