説明

シート敷設装置

【課題】農業用シートの畝への安定した被膜作業を手間無く行うことを可能とするとともに、畝からの農業用シートの取外し作業の手間も低減されるシート敷設装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、被覆対象となる畝Uの左右最外端側に畝Uの裾側に沿う係止溝Dをそれぞれ形成する一対の溝形成手段26を備え、圃場面側に繰出された農業用シート16を係止溝D内に順次押込んで係止する押込手段28を前記一対の溝形成手段26の真後ろ側にそれぞれ設け、畝U方向への走行に伴って前記畝Uに農業用シート16を被覆するシート敷設装置であって、係止溝D内で折返されて農業用シート16の端が係止溝Dから露出するように、繰出された農業用シート16における端よりも左右内側部分を係止溝D内に押込む位置に各押込手段28を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、畝方向への走行に伴って畝に農業用シートを被覆するシート敷設装置に関する。
【背景技術】
【0002】
保温や保水や防虫等を目的として、畝に農業用シートを被覆することが、作物の有効な栽培方法の1つとして知られている。従来は、この農業用シートの畝への敷設作業を手作業で行っていたが、これでは手間が増加して品質の良い作物を低コストで生産することが困難になるという問題があった。
【0003】
これに対して、被覆対象となる畝の左右最外端側に畝の裾側に沿う係止溝をそれぞれ形成する一対の溝形手段を備え、圃場面側に繰出された農業用シートを係止溝内に順次押込んで係止する押込手段を前記一対の溝形成手段の真後ろ側にそれぞれ設け、畝方向への走行に伴って前記畝に農業用シートを被覆する特許文献1に示すシート敷設装置が公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−289093号公報(第6頁、第8図)
【特許文献2】特開2008−187977号公報(第3−5頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記文献のシート敷設装置は、農業用シートの端部側が係止溝内に係止されるため、畝を農業用シートによって安定的に被覆できる一方で、農業用シートの端部が係止溝に押込まれた後に土寄せが行われ、該端部が土中に完全に埋設されるため、生育の所定段階において農業用シートを畝から取外す際に手間がかかることがあり、作物の生産コストを低く抑えることが困難になる場合がある。
【0006】
本発明は、農業用シートの畝への安定した被膜作業を手間無く行うことを可能とするとともに、畝からの農業用シートの取外し作業の手間も低減されるシート敷設装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため本発明は、第1に、被覆対象となる畝Uの左右最外端側に畝Uの裾側に沿う係止溝Dをそれぞれ形成する一対の溝形成手段26を備え、圃場面側に繰出された農業用シート16を係止溝D内に順次押込んで係止する押込手段28を前記一対の溝形成手段26の真後ろ側にそれぞれ設け、畝U方向への走行に伴って前記畝Uに農業用シート16を被覆するシート敷設装置であって、係止溝D内で折返されて農業用シート16の端が係止溝Dから露出するように、繰出された農業用シート16における端よりも左右内側部分を係止溝D内に押込む位置に各押込手段28を配置したことを特徴としている。
【0008】
第2に、繰出された農業用シート16を左右方向押込手段28側に案内するガイド部58を、押込手段28の前側に配置したことを特徴としている。
【0009】
第3に、畝Uの側方に配置されたサイドカバー53の前端側が溝形成手段26の真後側に配置するように該サイドカバー53を配置し、サイドカバー53の該前端側に係止溝D内に挿入される挿入部54aを形成したことを特徴としている。
【0010】
第4に、挿入部54aの下端部に上記係止溝Dの底側の左右幅を拡大させる底側形成部59を設けたことを特徴としている。
【0011】
第5に、農業用シート16を畝U側に押圧するように背面視下方に向って左右内側に傾斜した押圧輪68を押込手段28の後側に配置したことを特徴としている。
【0012】
第6に、側面視押込手段28の前方斜め上方側に左右方向のガイドローラ29を軸回りに回転自在に支持し、該ガイドローラ29を全長が農業用シート16の左右幅よりも短くなるように形成し、ガイドローラ29の回転作動に伴って後方斜め下方側に案内される農業用シート16に弾力的に当接する棒状の当接体83を、ガイドローラ29の左右端側にそれぞれ設けたことを特徴としている。
【0013】
第7に、農業用シート16が巻付けられた左右方向のシートロール18を該農業用シート16が繰出されるように軸回りに回転自在に支持し、該シートロール18の左右位置を変更調整する平行リンク機構27を設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、畝の裾側に沿う係止溝に係止された状態で該畝に安定的に被覆される農業用シートは、係止溝内で折返され、その左右端が係止溝から露出しているため、この左右端側を引張り上げる等によって、農業用シートの畝からの取外し作業を容易に行うことが可能になる。
【0015】
また、繰出された農業用シートを左右方向押込手段側に案内するガイド部を、押込手段の前側に配置すれば、農業用シートを、上記所定姿勢で、より安定的に係止溝に係止可能になる。
【0016】
また、畝の側方に配置されたサイドカバーの前端側が溝形成手段の真後側に配置するように該サイドカバーを配置し、サイドカバーの該前端側に係止溝内に挿入される挿入部を形成すれば、挿入部によって、さらに安定的に係止溝を形成可能になる他、サイドカバーに挿入部を設けるため、挿入部を設けるために別途部材を用意する必要が無い。
【0017】
さらに、挿入部の下端部に上記係止溝の底側の左右幅を拡大させる底側形成部を設ければ、農業用シートを、上記所定姿勢で、より効率的に係止溝内に押込むことが可能になる。
【0018】
なお、農業用シートを畝側に押圧するように背面視下方に向って左右内側に傾斜した押圧輪を押込手段の後側に配置すれば、より安定的に農業用シートを畝に被覆することができる。
【0019】
また、側面視押込手段の前方斜め上方側に左右方向のガイドローラを軸回りに回転自在に支持し、該ガイドローラを全長が農業用シートの左右幅よりも短くなるように形成し、ガイドローラの回転作動に伴って後方斜め下方側に案内される農業用シートに弾力的に当接する棒状の当接体を、ガイドローラの左右端側にそれぞれ設ければ、繰出される際の農業用シートの弛みを、効率的に防止可能になる。
【0020】
また、農業用シートが巻付けられた左右方向のシートロールを該農業用シートが繰出されるように軸回りに回転自在に支持し、該シートロールの左右位置を変更調整する平行リンク機構を設ければ、作業環境に対応させて農業用シートの繰出し状態を容易に変更できるため、汎用性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明が適用されたトラクタの全体側面図である。
【図2】シート敷設装置の側面図である。
【図3】シート敷設装置の平面図である。
【図4】シート敷設装置の背面図である。
【図5】(A)は、溝形成ディスクによる係止溝の形成状態を示す背面図であり、(B)は、押込ディスク及び押圧輪による農業用シートの被膜作業の様子を示す背面図であり、(C)は、端側が係止溝に係止された農業用シートの状態を示す背面図である。
【図6】(A)は、支持機構の構成を示す要部平面図であり、(B)は、規制機構の構成を示す要部正面図である。
【図7】ロール軸の構成を示す要部平断面図である。
【図8】(A)は、シート敷設装置の未使用時の側面図であり、(B)は平畝Uに農業用シート16を敷設する場合の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明が適用されたトラクタの全体側面図であり、作業車両の一種であるトラクタは、左右一対の前輪1,1及び後輪2,2を有する走行機体3の後部に、リンク機構4を介して作業機の一種であるシート敷設装置6を連結することにより構成されており、圃上に複数並列された畝Uの形成方向に車体を前進走行させ、この畝U方向への前進走行に伴ってシート敷設作業を行う。
【0023】
走行機体3は、4つの車輪1,2によって支持された前後方向の車台7上の前側半部に図示しないエンジンをカバーする開閉自在なボンネット8を設け、車台7上のボンネット8の後方に操縦部9を設置することにより構成されている。操縦部9は、座席11と、座席11の前方に配されたステアリングハンドル12と、ステアリングハンドル12の側方に前後揺動操作可能に支持された切換レバー13と、座席11の側方に前後揺動操作可能に支持された変速レバー14とを備えている。
【0024】
座席11に着座したオペレータは、前後進切換レバー13の前後揺動操作によって車体の前後進切換を行うとともに、変速レバー14の前後揺動操作によって走行変速操作を行う他、ステアリングハンドル12によって操向操作を行う。
【0025】
次に、シート敷設装置6の構成を詳述する。
図2乃至4は、シート敷設装置の側面図、平面図及び背面図である。本トラクタでは、走行機体3が複数(図示する例では2つ)の畝Uを跨ぐように、左右で隣合う畝Uの間に凹状形成された谷部Tに、左右の前輪1,1及び左右の後輪2,2を位置させた状態で、車体を前進走行させ、該前進走行に伴って、走行機体3の幅方向に延びるシート敷設装置6から農業用シート16を繰出し、該繰出された農業用シート16を畝Uに被覆する。
【0026】
このシート敷設装置6は、走行機体3の機体幅よりも長い左右幅を有し、その左右方向中央部(中央部)が背面視で走行機体3の左右中央部(中央部)に位置しているため、シート敷設装置6の左側部分及び右側部分が、背面視で、走行機体3から横方向に突出している。これによって、該シート敷設装置6は、走行機体3が跨ぐ畝Uの数よりも多い数(図示する例では4つ)の畝Uに一気に農業用シート16を被覆できる。
【0027】
ちなみに、図示する各畝Uは、背断面視山形に湾曲した高畝であり、左右の谷部T近傍に最も低い裾部u1が形成され、左右方向中央部に最も高い頂部u2が形成される。この他、農業用シート16は保温効果や防霜効果が高くフレキシブルに変形可能な不織布であり、該農業用シート16を左右方向に延びる円筒状の心材17(図7参照)の外周に巻付けることにより横方向に円柱状をなすシートロール18を構成している。
【0028】
車体の前進走行に伴って畝Uへの農業用シート16の被覆作業を行うため、該シート敷設装置6は、左右幅方向全体に亘り形成される横方向の主フレーム19と、主フレーム19の左右方向中央(中央)側に設置されてリンク機構4に連結される複数の連結ピン21,22と、主フレーム19側から下方側に延設された上下方向の支柱23を介して回転自在に支持された側面視円形の接地輪24と、被覆対象となる複数の畝Uの内で最も左右方向外側に位置する畝U(最外側畝U)における左右外側の裾部u2側(裾側)に係止溝Dを形成する円盤状の溝形成ディスク(溝形成手段)26と、支持機構27を介して自身の軸回りに回転自在に支持される上述のシートロール18と、該シートロール18からの農業用シート16を上記係止溝D内に押込んで係止する円盤状の押込ディスク(押込手段)28と、シートロール18からの農業用シート16を押込ディスク28側に案内する左右方向のガイドローラ29と、予備のシートロール18が載置支持される左右一対のロールステー31とを備えている。
【0029】
上記主フレーム19は、左右方向に延びる角柱状(さらに具体的には四角柱状)の金属製の横フレーム32と、横フレーム32の左右両端側からさらに左右外側にそれぞれ延設される横方向の延長フレーム33とから構成される。左右の各延長フレーム33は、横フレーム32と略同一の断面形状を有する左右方向の角柱状に成形された金属製部材であって、左右内側半部が平面視で横フレーム32とラップするようにして横フレーム32の上面側に当接され、固定具34によって両者が定着固定されている。
【0030】
上記複数の連結ピン21,22について説明すると、主フレーム19の左右対称位置には、前方斜め下方側に延びるロア側ブラケット36がそれぞれ突設され、主フレーム19の左右方向中央部には、前方斜め上方側に延びる左右一対のトップ側ブラケット37が一体的に突設されており、平面視で左右のロア側ブラケット36,36の間に配された一対の上記トップ側ブラケット37によって、左右方向のトップ側ピン21の両端部を係脱自在に支持固定するとともに、左右の各ロア側ブラケット36に左右方向のロア側連結ピン22の左右内側端部が係脱自在に片持ち支持されている。
【0031】
一方、リンク機構4は、左右一対の前後方向のロアリンク38,38と、平面視左右のロアリンク38,38の間に配置され該ロアリンク38の上方側に位置する前後方向トップリンク39とから構成されている。このロアリンク38及びトップリンク39は、上下揺動自在に前端部が走行機体3に取付支持され、左右のロアリンク38は、走行機体3側に支持された左右のリフトアーム41にそれぞれリフトロッド42を介して吊下げ支持され、このリフトアーム41が図示しない油圧シリンダの伸縮によって上下揺動駆動されることにより、ロアリンク38及びトップリンク39の上下揺動位置が調整される。
【0032】
そして、左右の各ロアリンク38の後端部に対応する左右の各ロア側連結ピン22を軸回りに回動自在に挿通させるとともに、各トップリンク39の後端部にトップ側連結ピン21を軸回りに回動自在に挿通させることにより、シート敷設装置6が走行機体3に上下高さ調整可能に連結される。ちなみに、このシート敷設装置6の高さ調整に際しては、左右のロアリンク38の上下揺動調整に伴って、トップリンク39前端部とトップ側連結ピン21との距離が変化するが、トップリンク39を軸方向に伸縮調整することによって、この距離変化に対応させる。
【0033】
上記接地輪24は左右の後輪2の真後ろ側に遊転状態で支持され、この左右の各接地輪4は背面視前後輪1,2とラップする位置に配されている。言換えると、前後輪1,2及び接地輪24は、同一の谷部Tに接地されている。この接地輪24の支持構造について説明すると、上述した支柱23は、接地輪24毎に設けられ、各支柱23の上端部側は、接地側固定具43を介して軸方向に移動調整可能に主フレーム19に取付固定され、この各支柱23の下端部からは後方に向かって接地側ブラケット44が一体的に延設され、この各接地側ブラケット44後端部に接地輪24が回転自在に支持されている。そして、この左右の接地輪24を圃場の谷部Tにそれぞれ接地させることにより、シート敷設装置6の略全体の荷重がかかる主フレーム19を左右バランス良く支持している。
【0034】
上記溝形成ディスク26は、平面視で、左右一対の最外側畝Uにおける左右外側の裾側にそれぞれ配置され、この左右の各溝形成ディスク26は、板状部材を背面視逆U字状に湾曲形成することによりなる形成側ブラケット46の下端部に、左右方向の形成軸47によって、遊転状態で支持されている。上述の接地輪24が圃場の谷部Tに接地されると、溝形成ディスク26の下端側が側面視で圃場の土中に所定量挿入され、該状態の溝形成ディスク26が車体の前進走行に伴って回転作動することにより、最外側畝Uの裾側(谷部T又は谷部T近傍)に、該畝Uに沿って係止溝Dが凹設される。
【0035】
また、溝形成ディスク26の周縁部26aは、径方向外側に向かって次第に厚みが薄くなる正面視楔状に形成されて鋭く尖っており、この周縁部26aによって係止溝Dの形成が円滑に行われるように構成されている。この他、形成側ブラケット46には、溝形成ディスク26の最外側畝U側(内側)側面に近接する掻落し体となる板状のスクレーパ48が設置されている。このスクレーパ48は、溝形成ディスク26の回転作動に伴って、溝形成ディスク26の側面側に付着した泥等を掻落すように構成されている。
【0036】
この各溝形成ディスク26の支持構造について説明すると、形成側ブラケット46上端から上方に一体的に突出する上下方向の支持杆49の上端側を、主フレーム19における近い側の延長フレーム33中途部から後方に延設された形成側固定具51に、挿通状態で軸方向に移動調整可能に取付固定することにより、該溝形成ディスク26が主クレーム19側に支持されている。この支持杆49の軸方向の移動調整によって、溝形成ディスク26の対地高さが変更され、係止溝Dの深さを調整する。ちなみに、この形成側固定具51は、横フレーム32と延長フレーム33とを前後から挟持して定着させる定着具としても機能している。
【0037】
また、この左右の各支持杆49の中途部には、後方に延びるカバーブラケット52が一体的に取付固定されており、左右のカバーブラケット52には、最外側畝Uの外側側方を覆うサイドカバー53がそれぞれボルト固定されている。左右の各サイドカバー53は、カバーブラケット52から溝形成ディスク26を避けるようにして後方斜め下方に傾斜した支持カバー54と、支持カバー54の中途部の外側側面に取付固定されたサブカバー56と、支持カバー54の内側側面に取付固定されたメインカバー57とから構成されている。
【0038】
メインカバー57は、支持カバー54から側面視上方及び後方側に延長された前後方向のカバー体であって、最外側畝Uの外側側面に沿うように上端部全体が左右内側に曲げ形成される。一方、支持カバー54の後部側及びサブカバー56は、下部に対して上部が左右外側に曲げ形成されている。このため、支持カバー54及びサブカバー56と、メインカバー57とにより、背面視楔状のガイド部58が形成され、このガイド部58は上述した溝形成ディスク26の真後ろ側に位置している。以上により、該左右のガイド部58は、車体の前進走行に伴って後方側に繰出される農業用シート16の左右端側を、それぞれ楔の底側に落し込むようにして、左右方向押込ディスク28側及び係止溝D側に案内するように構成されている。
【0039】
さらに、サイドカバー53が係止溝D内に挿入されるように、サイドカバー53下端部の前後方向全体を溝形成ディスク26の真後ろ側に配置することにより、サイドカバー53の支持カバー54前端部に、係止溝D内に挿入される挿入部54aを形成している。この挿入部54a下端部の上下位置は溝形成ディスク26の下端部の上下位置と略一致しており、係止溝D内に挿入された際には係止溝Dの底側に位置した状態になり、挿入部54aの該下端部には底側形成部59が設けられている。この挿入部54aは、溝形成ディスク26の左右幅と略同一か、又は若干幅広に形成され、底側形成部59はさらにこれよりも幅広に形成されているため、溝形成ディスク26の回転作動によって形成された係止溝Dの左右幅(特に底側の左右幅)は、挿入部54a及び底側形成部59によって拡大される。
【0040】
上記押込ディスク28は、左右の溝形成ディスク26,26の真後ろ側における上記ガイド部26よりもさらに後方側にそれぞれ配置されている。押込ディスク28の支持構造について説明すると、左右の延長フレーム33左右外側寄り箇所に配設された左右方向の揺動軸61回りに上下揺動可能に支持された前後方向の係止側アーム62と、各係止側アーム62の後端部に上端部が取付固定された上下方向の係止側ロッド63と、各係止側ロッド63の下端部に左右外側端部が取付固定されて左右方向に延びる係止側ステー64と、各係止側ステー64の左右内側端部に前端部が支持された前後方向の押込側支持棒66と、各押込側支持棒66の後端部に上端部が支持された押込側ロッド67とが本シート敷設装置6には設けられおり、左右の押込ディスク28は、左右の対応する各押込側ロッド67の下端部にそれぞれ遊転状態で支持されている。
【0041】
接地輪24が圃場の谷部Tに接地されている際に、係止側アーム62が最下方位置まで揺動されると、押込ディスク28の下端側が係止溝D内に挿入されるように、該押込ディスク28の高さが設定されている。ちなみに、この際の押込ディスク28の係止溝Dへの挿入深さは、係止溝Dの深さよりも若干浅くなる。そして、各係止側アーム62と主フレーム19との間に介設された引張スプリング等の弾性部材65によって、係止側アーム62は下方揺動側に弾性的に付勢され、無負荷状態の際には最下方位置で保持される。
【0042】
このため、車体の前進走行時、ガイド部58によって押込ディスク28の下端側まで案内されてくる農業用シート16の端側は、回転作動する押込ディスク28によって、順次係止溝D内に弾性的に押込まれ、係止されていく。
【0043】
また、この各押込ディスク28後側の外側側方に、近接状態で、押圧輪68が遊転状態で支持されている。左右の押圧輪68,68は、背面視下方に向かって互いに近づくように左右内側に傾斜した姿勢で、支持されており、左右両端側が係止溝Dに係止された農業用シート16及び係止溝D近傍の土等を、最外側畝Uの左右外側裾部u1側に押圧するように構成されている。
【0044】
この押圧輪68の支持構成について説明すると、各押圧輪68は、近い側の係止側ステー64の中途部に後方突出する押圧側アーム69を上下揺動可能に支持し、該押圧側アーム69の後端部に上下方向の押圧側ロッド71の上端側と取付固定し、左右の各押圧側ロッド71の下端部に対応する各押圧輪68を回転自在に支持している。この押圧側アーム69と、係止側ステー64との間には引張スプリング72が設けられており、該引張スプリング72によって押圧側アーム69は、農業用シート16等を押圧する側である下方揺動側に付勢されている。
【0045】
また、この左右の各係止側アーム62は、前部寄りの箇所が屈曲されており、この屈曲部分に側面視円状の係合リング73が一体形成されている。左右の係止側アーム62の係合リング73の間にワイヤ等を架渡し、このワイヤの左右中央部分をクレーンのフック部に引掛けて係合させることにより、クレーンによる吊上げ搬送が可能になり、走行機体3から取外した状態の本シート敷設置装置6を、トラック等の荷台に積む作業や、該荷台から降ろす作業を容易に行うことが可能になる。
【0046】
さらに、各係止側ロッド63には、後方突出する前後方向の操作レバー74が設置されており、本シート敷設装置6の後方側の作業者は、該操作レバー74を把持し、係止側アーム62を上下揺動させて押込ディスク28及び押圧輪68を上下動させることにより、押圧・押圧解除操作や、押込・押込解除操作を行うことが容易になる。
【0047】
上記ガイドローラ29は、左右方向に延びる円柱状に成形され、その外周面側がスポンジ等の弾性変化可能な部材で構成されている。ガイドローラ29の全長は、シートロール18(農業用シート16)の全長に比べて短く設定されており、ガイドローラ29の中心の左右位置がシートロール18の中心の左右位置と一致するように配置構成される。
【0048】
該ガイドローラ29は、左側の係合側アーム62及び係合側ロッド63と、右側の係合側アーム62及び係合側ロッド63との間に配置された左右一対のガイド側アーム76及びガイド側ロッド77によって、自身に軸回りに回転可能に支持されている。
【0049】
具体的には、左右一対のガイド側アーム76,76は、全体が上下回動するように基端側が、左右方向の回動軸78を介して主フレーム19の左右対称位置にそれぞれ支持されており、各ガイド側アーム76の先端部には、ガイド側アーム76の交差方向(図示する例では直行方向)に延びるガイド側ロッド77の基端部が、ガイド側固定具79によって取付固定されている。
【0050】
左右の回動軸78は同一軸心上に配置されるとともに該左右のガイド側アーム76は先端側同士が左右方向の連結杆81によって連結されているため、左側のガイド側アーム76及びガイド側ロッド77と、右側のガイド側アーム76及びガイド側ロッド77とは、常に同一の姿勢を保持しながら、上記回動軸78回りに上下回動される。
【0051】
そして、左右のガイド側ロッド77の先端部間に、ガイドローラ29を、自身の軸回りに回転自在に架設支持している。ちなみに、この連結杆81を把持することによって、ガイド側アーム76の回動軸78回りの回動操作を容易に行うことが可能になる。
【0052】
また、該回動軸78回りの回動操作によってガイドローラ29は、ガイド側アーム76の先端側が後方に突出してガイド側ロッド77の先端側が下方の延出された状態であるガイド状態と、ガイド側アーム76の先端側が上方側に突出してガイド側ロッド77の先端側が後方に延出された状態である退避状態との切換可能に構成されている。そして、ガイド側アーム76の基端側には、ガイド状態と退避状態のそれぞれで各ガイド側アーム76及び各ガイド側ロッド77の姿勢の固定・固定解除を行うロックピン82が係脱自在に設けられている。
【0053】
ガイド状態時、ガイドローラ29は側面視でシートロール18の真下側且つ押込ディスク28の前方斜め上方側に位置している。このため、該ガイド状態時のガイドローラ29は、シートロール18から下方側に繰出された農業用シート16に後面側から弾力的に当接して前方側にテンションを付与するとともに、回転作動によって当接した農業用シート16を後方斜め下方側のガイド部58側(押込ディスク28側)まで弛み無く案内するように構成されている。
【0054】
一方、退避姿勢時、ガイドローラ29は、主フレーム19の真上側に退避してシートロール18の後方側を大きく開放させるように構成されており、これによって、シートロール18の着脱作業の容易化を図るとともに、メインテンス性を向上させている。
【0055】
また、上述の各ガイド側固定具79は、ガイド側アーム76の軸方向に移動調整可能に固定されるとともに、上述の各ガイド側ロッド77は、自身の軸方向に移動調整可能にガイド側固定具79に挿通固定される。このため、ガイド状態時のガイドローラ29は、前後及び上下に位置調整可能であり、この位置調整によって、作業状態や圃場の状態に応じて、ガイドする農業用シート16に適切なテンションを付与することが可能になる。このため、農業用シート16の弛みをより効率的に防止できるとともに、より安定したガイドを行うことが可能になる。
【0056】
さらに、左右の各ガイド側ロッド77の先端部(ガイドローラ29の左右の各端側)には、外側側方に突出した紐状(棒状)の当接体83が上下一対で設けられている。この上下一対の当接体83は、突出端側である先端部に向かって互いに上下で近づく他、それぞれ先端側に向かって後方に湾曲形成されている。この各当接体83は、少なくとも先端側が弾性変形可能に構成されており、ガイドローラ29によって後方斜め下方側に案内される農業用シート16に後面側から弾力的に当接し、農業用シート16が弛むのを、さらに効率的に防止している。ちなみに、このように当接体83と当接させるためには、上述したように、ガイドローラ29の全長を、シートロール18の全長よりも短くする必要がある。
【0057】
上記シートロール18は、上述したように支持機構27を介して主フレーム19側に支持されるが、この支持機構27は、シートロール18を左右に平行移動させる平行リンクを構成している。このため、シートロール18からの繰出し位置が適切できない場合には、左右位置の微調整を行うことにより、農業用シート16の繰出し位置を適切に保持することが可能になる。
【0058】
上記ロールステー31は、左右の各延長フレーム33の左右内側端部にステー側固定具84を介して下端側が取付固定された上下方向のロール支柱86と、各ロール支柱86の上端部に設置された側面視U字状のロール受部87とから構成されている。この左右のロール受部87に予備のシートロール18を架渡すように載置して支持する。左右のステー側固定具84は、横フレーム32と、左右の延長フレーム33とをそれぞれ締着固定させる締着具としても機能している。
【0059】
以上のように構成されるシート敷設装置6は、走行機体3に非オフセット状態で左右バランス良く連結され、溝形成ディスク26と、底側形成部59を有する挿入部54aと、押込ディスク28と、押圧輪68とを1組として、左右にそれぞれ1組づつ設けられており、左右の各組の溝形成ディスク26と挿入部54aと押込ディスク28とが前後一直線上に並べられている。
【0060】
溝形成ディスク26および押込ディスク28および押圧輪68は、圃場面または農業用シート16側との接当によって、動力を必要とすると無く、車体の前進走行に伴って正転方向に回転される。このため、走行機体3側のエンジン側動力の回転動力を、PTO軸等により、シート敷設装置6側に伝動する必要が無い。一方、農業用シート16も、シートロール18から本シート敷設装置6の後方側に繰出された部分が圃場側に係止される等ことにより、車体の前進走行に伴ってシートロール18から自動的に繰出し作動される状態になる。
【0061】
このようにして、前進走行に伴って、シートロール18から農業用シート16が繰出されるとともに、溝形成ディスク26および押込ディスク28および押圧輪68が正転側に回転作動されることにより、係止溝Dの形成作業と、係止溝Dへの農業用シート16の係止とが同時に行われ、左右並列された複数畝Uへの被覆作業が円滑且つ迅速に行われる。
【0062】
次に、図5に基づき、本シート敷設装置6を用いて、畝Uに農業シート16を被覆する手段について説明する。
図5(A)は、溝形成ディスクによる係止溝の形成状態を示す背面図であり、(B)は、押込ディスク及び押圧輪による農業用シートの被膜作業の様子を示す背面図であり、(C)は、端側が係止溝に係止された農業用シートの状態を示す背面図である。
【0063】
畝Uの形成方向に車体を前進走行させると、溝形成ディスク26の回転作動によって、各最外側畝Uの左右外側の裾部側u2に係止溝Dが凹設され、該係止溝Dの左右幅が挿入部54aの底側形成部59等によって拡大される。続いて、車体の前進に伴い圃場面側に順次繰出される農業用シート16の左右端側は、ガイド部58によって、押込ディスク28真下側に案内され、その後、係止溝D内に一部が挿入された該押込ディスク28の正転側への回転作動によって該係止溝D内の押込まれて係止される。
【0064】
この際、農業用シート16における端よりも所定距離左右方向内側箇所を、押込ディスク28によって係止溝Dに押込むように、該押込ディスク28の左右位置が設定されており、この配置構成によって農業用シート16が係止溝D内で折返され、左右の各端が係止溝Dから上方側に露出した状態になる。ちなみに、このように、農業用シート16の左右端を係止溝Dから露出状態とするため、該所定距離の値が設定されるが、具体的には、農業用シート16の係止溝D内への挿入量よりも大きい値に設定される。
【0065】
続いて、押圧輪68によって、農業用シート16及びその近傍の土等を、最外側畝U側に押圧することにより、係止溝Dの開放端側が幅狭になって略閉じされた状態になり、係止溝Dに農業用シート16が確実に係止せしめられる。
【0066】
そして、農業用シート16の係止溝Dから突出した露出部16aを、作業者が引張上げることにより、農業用シート16の畝U裾側の係止を解除して、複数畝Uに被覆された農業用シート11を迅速に取外すことが可能になる。また、この際、畝Uからの取外しと同時に、農業用シート16を巻き直してシートロールを形成することもできる。
【0067】
次に、図2,6及び7に基づき、シートロール18の構成を詳述する。
図6(A)は、支持機構の構成を示す要部平面図であり、(B)は、規制機構の構成を示す要部正面図である。シートロール18を支持する支持機構27は、主フレーム19の左右最外端側(図示する例では、)からそれぞれ後方に突出する左右一対の支持アーム88,88と、左右の支持アーム88,88の後端側間に自身の軸回りに回転自在に支持される左右方向の前記シートロール18とを備えている。
【0068】
各支持アーム88の前端部は、主フレーム19に左右回転自在に支持されている一方で、左右の支持アーム88の後端部には、シートロール18の軸心に挿通されて該シートロールを左右の支持アーム88間に支持する左右方向のロール軸89の左右端側がそれぞれ左右回動自在に支持される。以上、支持機構27は、ロール軸89、左右の支持アーム88,88及び主フレーム19によって、シートロール18を横方向に平行移動させる平行リンクを構成している。
【0069】
この左右の各支持アーム88の後端部からは、後方に向かって前後方向のレバー操作具91が一体的に延設され ている。この左右の各レバー操作具91は、支持アーム88の前端側を支点に該支持アーム88と一体で左右揺動するように構成されている。連結固定された支持アーム88と、レバー操作具91とは、全体として、側面視楔状をなしている。
【0070】
該構成の支持機構27には、各支持アーム88及びレバー操作具91が真後ろ側を向いた基本姿勢で、シートロール18の左右平行移動を規制する規制機構92が設けられている。規制機構92は、主フレーム19の左右一方側端から後方に一体的に突設された前後方向のロック側フレーム93と、ロック側フレーム93の後端部に固設された上下方向の筒状部94と、筒状部94に上下スライド移動可能に挿入支持された棒状の切換部材96とを備えている。
【0071】
切換部材96は、上下方向に延びた下部及び中途部に対して、上部が逆U字状に曲げ形成されており、この切換部材96の逆U字状部分の中央部からは下方に向って棒状の規制体97が突設されている。この切換部材96は、筒状部94に上下動可能に挿通された部分の軸回りに回動可能である。
【0072】
そして、まず、支持アーム88の基本姿勢への切換を行い、その後、この切換部材96の全体を上方移動させ、続けて、上部側が内側側方に向くように切換部材96を回動させた後、切換部材96を下方に移動させると、切換部材96の上部と、規制体97との間に、基本姿勢の支持アーム88が位置し、両部材に挟まれて左右揺動が規制されたロック状態になる。一方、このロック状態から、切換部材96の全体を上方移動させ、続けて、上部側が外側側方に向くように切換部材96を回動させると、上記ロック状態が解除され、レバー操作具91の左右揺動によって、シートロール18を自由に左右方向に平行移動させることが可能なロック解除状態になる。
【0073】
図7は、ロール軸の構成を示す要部平断面図である。図2,6及び7に示すように、各支持アーム88後端部の上側に側面視U字状の支持体98を固設し、この左右の支持体98に、軸受部99を介して、ロール軸89の左右端部をそれぞれ軸回りに回転自在に支持している。
【0074】
ロール軸89は、両側が開放された左右方向に延びる円筒状の主軸101と、主軸101の両端に挿入固定される支持軸102とから構成されている。
【0075】
主軸101の左右対称位置には、円盤状の位置決め部材103がそれぞれ設けられている。シートロール18は、その心材17の内周面側に主軸101を挿通させ、上記左右の位置決め部材103によって、心材17(シートロール18)の左右両端が挟持されることにより、左右位置が固定又は略固定された状態で、主軸101に取付支持されている。
【0076】
左右の各支持軸102は、自身の軸方向に対して斜めに傾斜する面によって内側軸104と、外側軸106とに左右分割形成されている。
【0077】
左右内側に配される内側軸104は、合成樹脂によって一体成形され、軸心を貫くネジ孔104aが穿設されており、内側軸104の外周を主軸101の内周側に嵌合挿入した状態で、上述した位置決め部材103によって、主軸101の内周側に着脱可能に固定されている。ちなみに、位置決め部材103による内側軸104の主軸101側への固定・固定解除は、位置決め部材103に設置されたロックレバー107の回動操作によって行うが、このロックレバー107による固定・固定解除によって、位置決め部材103自体の主軸101側への固定・固定解除も行われる。
【0078】
左右外側に配される外側軸106は、内側軸104と同一の外径を有する外筒軸106aと、該外筒軸106aの内径と略同一又は若干小さい外径を有する内筒軸106bとから構成されている。内側軸104と同一軸心となって支持軸102の一部を構成する上記外筒軸106a及び内筒軸106bの左右外側端部には、それぞれ径方向外側に延びるフランジ部が一体的に形成されている他、この内筒軸106bは、外筒軸106aの内周面側に嵌合挿入される。
【0079】
外筒軸106a及び内筒軸106bのフランジ部の間に軸受部99を位置させた状態で、内筒軸106bの内周側にノブ付ボルト108を挿通すると、該挿入したボルト108の先端部が、内側軸104まで達して該内側軸104のネジ孔104aに係合挿入される。この状態で、ボルト108を締付けることにより、外筒軸106aと内筒軸106bとが締着されて一体的な外側軸106を形成し、該外側軸106と内側軸104の斜面が略完全に重なり合い一体的な支持軸102を構成するとともに、軸受部99が外筒軸106a及び内筒軸106bのフランジ部間に挟持される。この支持軸102は、上述したように、位置決め部材103によって、主軸101に固定されるめ、この固定状態では、主軸101と支持軸102とが一体回転する状態になる。
【0080】
一方、上述の構成によれば、ノブ108aを把持してノブ付ボルト108の内側軸104のネジ孔106aからの係合を解除すると、支持軸102が内側軸104と外側軸106とに分離され、これに伴って、外側筒106から軸受部99を取外すことも可能になる。以上により、主軸101及び内側軸104が装着された状態で、シートロール18を、左右の支持アーム88から取外すことが可能なる。このため、主軸101、位置決め部材103及び左右の内側軸104が装着された状態のシートロール18を、上述した左右のロールステー31,31に保持させる。このことにより、シートロール18の着脱作業を迅速に行うことが可能になる。
【0081】
次に、図8に基づき、シート敷設装置6の他の使用形態について説明する。
図8(A)は、シート敷設装置の未使用時の側面図であり、(B)は平畝Uに農業用シート16を敷設する場合の背面図である。同図(A)に示すように、本シート敷設装置6を走行機体3から取外して収容しておく際には、接地側固定具43に、設置輪24の代わりに、スタンド109を装着し、これによって、地面に接地させた際の安定性を向上させる。また、同図(B)に示すように、本シート敷設装置6は、高畝Uばかりでなく、平畝Uにも農業用シート16を敷設することが可能である。具体的には、サイドカバー53の種類を上下高さが低いものに変更したり、農業用シート16の繰出し位置をより低くするため、ガイドローラ29の上下高さを低くしたりする調整を行う。このようにして、平畝にも高畝にも対応可能であるため、汎用性が高い。ちなみに、平畝は、頂部u2が高畝に比べてフラットに形成され、頂点の高さも高畝よりは低くなっている。
【符号の説明】
【0082】
16 農業用シート(不織布)
18 シートロール
26 溝形成ディスク(溝形成手段)
27 支持機構(平行リンク機構,平行リンク)
28 押込ディスク(押込手段)
29 ガイドローラ
53 サイドカバー
54a 挿入部
58 ガイド部
59 底側形成部
68 押圧輪
83 当接体
D 係止溝D
U 畝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆対象となる畝(U)の左右最外端側に畝(U)の裾側に沿う係止溝(D)をそれぞれ形成する一対の溝形成手段(26)を備え、圃場面側に繰出された農業用シート(16)を係止溝(D)内に順次押込んで係止する押込手段(28)を前記一対の溝形成手段(26)の真後ろ側にそれぞれ設け、畝(U)方向への走行に伴って前記畝(U)に農業用シート(16)を被覆するシート敷設装置であって、係止溝(D)内で折返されて農業用シート(16)の端が係止溝(D)から露出するように、繰出された農業用シート(16)における端よりも左右内側部分を係止溝(D)内に押込む位置に各押込手段(28)を配置したシート敷設装置。
【請求項2】
繰出された農業用シート(16)を左右方向押込手段(28)側に案内するガイド部(58)を、押込手段(28)の前側に配置した請求項1に記載のシート敷設装置。
【請求項3】
畝(U)の側方に配置されたサイドカバー(53)の前端側が溝形成手段(26)の真後側に配置するように該サイドカバー(53)を配置し、サイドカバー(53)の該前端側に係止溝(D)内に挿入される挿入部(54a)を形成した請求項1又は2の何れかに記載のシート敷設装置。
【請求項4】
挿入部(54a)の下端部に上記係止溝(D)の底側の左右幅を拡大させる底側形成部(59)を設けた請求項3に記載のシート敷設装置。
【請求項5】
農業用シート(16)を畝(U)側に押圧するように背面視下方に向って左右内側に傾斜した押圧輪(68)を押込手段(28)の後側に配置した請求項1乃至4の何れかに記載のシート敷設装置。
【請求項6】
側面視押込手段(28)の前方斜め上方側に左右方向のガイドローラ(29)を軸回りに回転自在に支持し、該ガイドローラ(29)を全長が農業用シート(16)の左右幅よりも短くなるように形成し、ガイドローラ(29)の回転作動に伴って後方斜め下方側に案内される農業用シート(16)に弾力的に当接する棒状の当接体(83)を、ガイドローラ(29)の左右端側にそれぞれ設けた1乃至5に記載のシート敷設装置。
【請求項7】
農業用シート(16)が巻付けられた左右方向のシートロール(18)を該農業用シート(16)が繰出されるように軸回りに回転自在に支持し、該シートロール(18)の左右位置を変更調整する平行リンク機構(27)を設けた請求項1乃至6の何れかに記載のシート敷設装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−10656(P2012−10656A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151629(P2010−151629)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】