説明

シート束搬送装置

【課題】本発明は、簡易な構造でシート束を容易に搬送可能なシート束搬送装置等を提供する。
【解決手段】本発明のシート束搬送装置Sは、複数枚のシート2aを直立状態で重ね合わせたシート束2を支持するとともに、搬送経路として機能するシート束支持手段12と、前記搬送経路に沿って移動可能な第1の移動体25と、前記第1の移動体25を移動させるための駆動手段26と、当該第1の移動体25に取り付けられ、前記シート束2を後方から押圧して前記搬送経路上を移動させるシート束押圧手段29と、前記シート束2の前方を付勢する第1の付勢手段40と、前記第1の付勢手段40が取り付けられ、前記シート束2の移動による押圧力により前記搬送経路に沿って移動可能な第2の移動体36と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、シート束を搬送するシート束搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、菓子容器やカップ麺容器など紙製の容器の製造工程において、当該容器の上面を塞ぐシート状のフタ材は、シートに印刷された絵柄を複数重ね合わせたシート束を打抜装置で所定形状に打ち抜いて成形した後、その成型されたシート束の各シートの適否が作業員によって検査(検品)される。
【0003】
また、一般的に上記に示すようなシートを所定形状に打ち抜く打抜工程と、成形されたシートの適否を検査する検品工程は別工程で行われる。
【0004】
具体的には、打抜装置の排出口から、シートを直立させた状態で複数重ねあわされたシート束がガイドに沿って押し出されて排出され、そのシート束が作業者によって検品するための作業場まで運搬されて検品作業が行われる。
【0005】
一方、シート束を搬送する装置として、例えば、製本処理において、シート束を搬送するシート束搬送装置が存在する(特許文献1参照)。このシート束搬送装置は、複数のシートをトレイに集積し、当該集積されたシート束をグリップで把持し、ガイドレールなどを用いて当該グリップで把持されたシート束を所定の場所まで移送するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−276967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように従来のシート束の運搬は、人手により行われていたため、作業者が、打抜工程におけるシートの打抜作業にあわせて検品の作業を行う必要が生じるとともに、打抜装置から排出されるシートを作業場まで運搬する必要があるため、作業者への負担が大きく、作業をスムーズに行いにくいなどの問題がある。
【0008】
また、人手による搬送では、シート束が崩れやすく作業者は細心の注意をはらう必要があり作業者への負担が大きく、また、シート束が大型であると重量が嵩むため重労働となるなどの問題がある。
【0009】
そこで、本願発明では、簡易な構造でシート束を容易に搬送可能なシート束搬送装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載のシート束搬送装置は、複数枚のシートを直立状態で重ね合わせたシート束を支持するとともに、搬送経路として機能するシート束支持手段と、前記搬送経路に沿って移動可能な第1の移動体と、前記第1の移動体を移動させるための駆動手段と、当該第1の移動体に取り付けられ、前記シート束を後方から押圧して前記搬送経路上を移動させるシート束押圧手段と、前記シート束の前方を付勢する第1の付勢手段と、前記第1の付勢手段が取り付けられ、前記シート束の移動による押圧力により前記搬送経路に沿って移動可能な第2の移動体と、を備えていることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、シート束を後方から押圧して搬送する際に当該シート束の前方を付勢するように構成されているため、シート束を安定して搬送することが可能である。
【0012】
また、請求項2に記載のシート束搬送装置は、請求項1に記載のシート束搬送装置において、前記シート束押圧手段を前記シート束側に常に付勢する第2の付勢手段を更に備え、前記シート束押圧手段の先端部には、回転可能な回転体が設けられ、前記回転体は、前記移動体の移動によりシート束の端部を超えたときに、前記シート束の端面に臨むことを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、第1の移動体の移動制御のみでシート束を搬送させることができる。
【0014】
また、請求項3に記載のシート束搬送装置は、請求項1、又は2に記載のシート束搬送装置において、前記シート束支持手段によって支持される複数のシート束の、各シート束の間に設けられる仕切体を備え、前記仕切体は、前記搬送経路上に自立可能であって、前記シート束押圧手段の先端部を受け入れるための溝が形成されていることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、シート束の間に仕切体を介在させ、当該仕切体の溝に前記シート束押圧手段の先端部(回転体)を挿入させることで、シート束の後端面に前記シート束押圧手段の先端部が配置されるため、複数のシート束が直列的に配列されている場合に、最前列のシート束のみを容易に搬送することができる。
【0016】
また、請求項4に記載のシート束搬送装置は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシート束搬送装置において、前記シート束支持手段は、搬送方向に延びる一対のレールを備え、各レールは、前記シート束の下方側面に当該レールの面が接するように斜めに傾けて設けられていることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、シート束を下方から支持可能であるとともに、左右へのシート束の脱落を防止できる。
【0018】
また、請求項5に記載のシート束搬送装置は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシート束搬送装置において、前記第2の移動体は、前記搬送経路から除々に離れる方向に移動し、前記第1の付勢手段の先端部には、回転可能な回転体が設けられ、前記回転体は、前記シート束の搬送開始時にはシート束の前端面に配置され、搬送終了前には前記シート束の上面に配置されることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、シート束の搬送中は、前後方向で当該シート束を押圧するため安定してシート束を搬送可能であり、搬送終了後は第1の付勢手段がシート束の上面に配置されるためシート束を搬送経路から取り出しやすい。
【0020】
また、請求項6に記載のシート束搬送装置は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシート束搬送装置において、前記移動体には、錘が吊り下げられた糸状体が搬送方向後方に調張されて取り付けられていることを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、錘の自重によりシート束の前方を第1の付勢手段により常に付勢することができるため、シート束を後方から押圧するための駆動手段のみで安定してシート束を搬送することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、簡易な構造でシート束を安定して所定の位置まで搬送することができるとともに、当該シート束を容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明が適用されたシート束搬送装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】シート束の全体構成を示す斜視図である。
【図3】レール上に載置された仕切体の全体構成を示す斜視図である。
【図4】シート束搬送装置の全体構成を示す正面図である。
【図5】図4のX部分の拡大図である。
【図6】図4のA−A断面を示す図である。
【図7】シート束搬送装置の動作例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本願を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。以下に説明する実施の形態は、例えば、菓子容器、カップ麺容器など紙製の容器の製造工程における打抜工程と検品工程の間に配置するシート束の搬送手段に本願を適用したものである。なお、以下の説明において打抜装置については従来から存在する一般的な構成を適用するためその説明を省略するものとする。
【0025】
−シート束搬送装置の構成等−
図1は本発明が適用されたシート束搬送装置の全体構成を示す斜視図である。
【0026】
図1に示すように、本実施形態のシート束搬送装置Sは、打抜装置Tの排出口T1から排出されるシート束2を受け入れて、次工程である検品作業場U近傍まで搬送する搬送部10を備える。このシート束2は、所定の形状(例えば、略円形状)に成型されたシートの束であって、図2に示すように、図示しない打抜装置を用いて、所定形状のシート2aを複数枚重ねた状態で打ち抜くことによって成型される。当該シート束2は、例えば、図2に示すように、100枚毎にダンボール紙4が挿入され、全体として500枚のシート2aで1ロットを形成する。
【0027】
搬送部10は、打抜装置Tから排出されるシート束2を受け入れて、搬送方向に順次整列させるシート束受入部11と、検品作業場U近傍に作業者が取り出し易いようにシート束2を排出するシート束排出部50と、を備える。検品作業場Uで作業する作業者は、当該シート束排出部50に排出されたシート束2を受け取り、検品作業を行う。なお、シート束2は、複数のシート2aが直立して重ね合わされた状態で打抜装置Tから排出される。
【0028】
図1及び図4に示すように、シート束受入部11は、打抜装置Tから排出されるシート束2を下方から支持し、検品作業場U近傍まで延びる一対のレール12、12(本願のシート束支持手段として機能する)を備えている。当該レール12、12は、打抜装置Tの排出部T1からシート束排出部50に受け渡すまでの搬送経路を形成する。このレール12、12は、例えば角柱を並列に配置して設けられており、複数のシート束2を直列的に順次整列することができる長さを有している。レール12の長さは打抜装置Tと検品作業場Uまでの距離によって設定される。また、レール12、12は、図1に示すように、シート束2の下側側面に1の面が接するように斜めに傾けて設けられている。このようにレール12、12を配置することでシート束2を下方から支持可能であるとともに、搬送中における左右へのシート束2の脱落を防止できる。
【0029】
図1及び図3に示すように、レール12、12上に整列された各シート束2の間には、シート束2毎に仕切る仕切体として機能する仕切りブロック15が作業員によって配置される。図3及び図6に示すように、この仕切りブロック15は、左右下方が各レール12、12の傾き角と同じ角度分の傾斜を有して形成されている。また、当該仕切りブロック15は、レール12、12上に自立可能に形成されているとともに、その下端部略中央には、その周面から上方に向かって延びる溝16が形成されている。また、図3に示すように、仕切りブロック15の一側面には仕切りブロック15を運搬又はレール12上を移動するための取っ手17が設けられている。さらに、仕切りブロック15の上面左右には、その上面から垂直方向下面に向かって図示しない貫通孔が形成されており、その貫通孔には貫通ネジ18が設けられている。仕切りブロック15は、この貫通ネジ18を締め付ける方向に回転させることにより、当該貫通ネジ18の先端を貫通孔の下端面よりも下方に突出させ一対のレール12、12に接触させて当該レール12上に固定可能となっている。
【0030】
図1に示すように、レール12、12の下方及び前後には基台21が設けられ、当該基台21には、図4に示すように、搬送方向に延びる空気圧で駆動するロッドレスシリンダ等のアクチュエータ26(本願の駆動手段として機能する)が設けられている。当該アクチュエータ26には、移動体25(本願の第1の移動体として機能する)が設けられ、アクチュエータ26の駆動によって当該移動体25をレール12に沿って移動可能である。
【0031】
図5及び図6に示すように、移動体25には、曲折されたレバー27が枢軸を介してその先端部を上下方向に回動可能に設けられており、そのレバー27の先端には、回転コロ29(本願の回転体及びシート束押圧手段として機能する)が枢軸を介して取り付けられている。また、レバー27と移動体25には、当該レバー27を上方向(シート束2側)に常に付勢する第2の付勢手段としての引っ張りバネ28が掛け渡されており、その引張力によってレバー27が上方に持ち上げられ回転コロ29がシート束2の下面に押し付けられる。なお、移動体25には、当該レバー27の上方への移動を規制するためのストッパ30が設けられており、レバー27の一部が当該ストッパ30に接触することでレバー27の位置が規定される。例えば、図5の実線に示すように、回転コロ29がシート束2の下面に押し付けられた状態において、アクチュエータ26を駆動して移動体25を移動し、図5の二点鎖線に示すように、当該回転コロ29を仕切りブロック15の下方まで移動させると、当該回転コロ29が仕切りブロック15の溝16に嵌まり込むようになっている。
【0032】
ここで、シート束2を移動する動作例について説明する。上記に示すように、まず、当該移動体25を仕切りブロック15の下方まで移動すると、回転コロ29がシート束2の端部を超えたときに、仕切りブロック15の溝16に受け入れられて、当該回転コロ29が搬送すべきシート束2の後端面に臨む。そして、アクチュエータ26を駆動して当該移動体25を搬送方向へと移動させることによってシート束2は回転コロ29を含むレバー27によって後方から前方へと押圧されて搬送経路上を移動する。
【0033】
一方、図1及び図4に示すように、レール12の上方には、当該レール12に沿うようにして基台35が設けられており、当該基台35は搬送方向に向かって上方に傾斜するように設けられている。当該基台35には、その基台35の側面に形成された図示しない溝部を介して移動可能な移動体36(本願の第2の移動体として機能する)が設けられている。当該移動体36には、後方に設けられている回転可能な図示しない滑車などを介して端部に錘38が取り付けられた糸状のワイヤ37(糸状体)が調張されて取り付けられている。当該錘38は空中に吊り下げられて配置され、移動体36には常に搬送方向と反対方向に荷重がかかっている。
【0034】
当該移動体36には、枢軸39を介して設けられた回転体40(本願の第1の付勢手段として機能する)が搬送経路上方に設けられており、この回転体40は、搬送経路上を移動するシート束2の前方を付勢する。
【0035】
具体的には、回転体40がシート束2の前端面に接触し、シート束2の搬送方向への移動にともなって、移動体36が錘38の自重に抗して搬送方向に移動する。この時、シート束2は、前後方向から押圧されるため、安定して搬送経路上を搬送される。
【0036】
更に、シート束2が搬送方向に移動すると、移動体36は、搬送経路から除々に離れる方向(上方向)に移動し、回転体40がシート束2の前端面からシート束2の上面へと移動する。その後、シート束2はシート束排出部50に排出され、回転体40は、当該シート束2との接触が解かれる。シート束2がシート束排出部50に排出されると、移動体36が錘38の自重により後方へと移動し、当該シート束2の後方に整列されている他のシート束2の前端面に接触する。
【0037】
このように本実施形態のシート束搬送装置Sは、動力が移動体36を移動するためのアクチュエータ26のみで良い。よって、製造コスト及びランニングコストの低減を容易に図れ、しかも安定してシート束2を搬送することができる。
【0038】
シート束排出部50は、所定の基台21に図示しない枢軸を介して回動可能に設けられた一対のレール51、51を備えている。当該レール51は、シート束受入部11に備えられているレール12に延長するように延びて設けられており、例えば角柱を傾けて並列に配置されている。また、レール51は、1つのシート束2を受け入れる分の長さを有している。また、レール51と基台21には、エアーシリンダなどのアクチュエータ53が掛け渡されて配置され、当該エアーシリンダの伸縮によってレール51の後方が下がり、レール51が傾斜するようになっている。
【0039】
また、レール51、51の下方には、当該レール51に沿って図示しない基台が設けられており、当該基台には、その基台上を移動可能に取り付けられたストッパ59が設けられている。
【0040】
また、レール51,51の下方には、これらのレール51、51に沿って図示しない基台が設けられており、この基台には、基台上を移動可能に取り付けられた移動体55が設けられている。この移動体55は、レール51、51間から上方に突設されており、この移動体55には、ワイヤ57の一端が固定され、このワイヤ57の他端には、シート束2の搬送方向上流側に設けられた図示しない滑車などを介して錘58が固着されている。この錘58は空中に吊り下げられて配置され、移動体55には常に搬送方向と反対方向に荷重がかかっている。
【0041】
また、レール51、51には、シート束2の位置を規定するためのストッパ59が設けられている。当該ストッパ59は、レール51、51上を移動可能に設けられており、例えば、レール51に沿って配置されたロッドレスシリンダに取り付けられ、当該ロッドレスシリンダの駆動によりストッパ59を移動することができる。
【0042】
このようにして構成されたシート束排出部50によれば、レール51、51上にシート束2が排出されると、移動体55に当該シート束2の先端部が接触し、更にシート束2の移動により移動体55を押圧し、移動体55が錘58の自重に抗して搬送方向に移動する。この時、シート束2は、前後方向から押圧されるため、安定して搬送される。
【0043】
また、シート束2はストッパ59によってその移動が規制される。シート束2がストッパ59にあたると、アクチュエータ53が駆動し、当該レール51の後方を下げてレール51が傾斜する。このように、当該レール51を傾斜させてシート束2を傾斜させることで、作業者は、レール51からシート束2を容易に取り出して検品作業場Uに移動することができる。
【0044】
−シート束搬送装置の動作等−
次に、本実施形態のシート束搬送装置の一連の動作例について図7を用いて説明する。なお、理解し易いように、図1及び図4に示す部材の符号を説明中に付与する。
【0045】
図7(a)に示すように、打抜装置Tにより所定形状に成形されたシート束2が打抜装置Tの排出部T1からシート束受入部11のレール12上に連続的に排出される。この時、最前列のシート束2の前方は、レール12の上方に設けられた移動体36に取り付けられている回転体40により付勢される。また、打抜装置Tを管理する作業者により、搬送方向に沿って順次整列されている各シート束2の間に仕切りブロック15が挿入される。
【0046】
次に、図7(b)に示すように、アクチュエータ26を駆動して、移動体25を仕切りブロック15の下方まで移動すると、回転コロ29がシート束2の端部を超えたときに、仕切りブロック15の溝16に受け入れられて、当該回転コロ29が搬送すべきシート束2の後端面に臨む。
【0047】
図7(c)に示すように、更に、アクチュエータ26を駆動して、移動体25を搬送方向へと移動させると、シート束2は回転コロ29を含むレバー27によって後方から前方へと押圧されて搬送経路上を移動する。また、シート束2が搬送経路上を移動している最中は、レール12の上方に設けられた移動体36に取り付けられている回転体40がシート束2の前方を常に付勢し続ける。よって、シート束2は、前後方向から押圧されているため、安定して搬送経路上を搬送される。
【0048】
次に、図7(d)に示すように、更に、アクチュエータ26を駆動して、移動体25を搬送方向へと移動させると、シート束2はシート束排出部50のレール51上に排出される。この時、シート束2の前方は、移動体55に当接し、移動体55による後方への押圧力により常に後方へ付勢されつつ、ストッパ59に突き当たるまで移動する。よって、シート束2は、前後方向から押圧されているため、安定してシート束排出部50に排出される。
【0049】
次に、図7(e)に示すように、アクチュエータ53を駆動して、当該レール51の後方を下げて当該レール51を傾斜させる。そして、検品作業場Uの作業員によりレール51からシート束2が取り出されると、錘58の自重により移動体55がストッパ59を押圧しながらシート束排出部11の入口近傍まで移動する。なお、シート束2の搬送に関して、以下、上記作業が繰り返される。
【0050】
このように構成された本実施形態のシート束搬送装置によれば、シート束を必要なときに必要なシート束数を自由に安定させて搬送させることが可能であるとともに、作業者の負担を軽減できる。
【0051】
また、エアーによる1動力のみで構成されていることから搬送装置を安価で製造することができるとともに、故障しにくい装置とすることができる。
【0052】
さらに、打抜装置の作業者は、仕切体を各シート束の間に挿入する時以外は、後工程を気にせずに生産することができるので作業者の負担を軽減することができる。
【0053】
なお、本実施形態は一形態であって、この形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、シート束2の後端面下方を押圧して当該シート束2を搬送するように構成されているが、仕切りブロック15の溝16の位置や基台、移動体25、レバー27の位置を変更してシート束2の後端面側方を押圧するようにしても構わない。
【符号の説明】
【0054】
S シート束搬送装置
12 レール
15 仕切体
25、36 移動体
26 アクチュエータ
29 回転コロ
40 回転体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のシートを直立状態で重ね合わせたシート束を支持するとともに、搬送経路として機能するシート束支持手段と、
前記搬送経路に沿って移動可能な第1の移動体と、
前記第1の移動体を移動させるための駆動手段と、
当該第1の移動体に取り付けられ、前記シート束を後方から押圧して前記搬送経路上を移動させるシート束押圧手段と、
前記シート束の前方を付勢する第1の付勢手段と、
前記第1の付勢手段が取り付けられ、前記シート束の移動による押圧力により前記搬送経路に沿って移動可能な第2の移動体と、
を備えていることを特徴とするシート束搬送装置。
【請求項2】
前記シート束押圧手段を前記シート束側に常に付勢する第2の付勢手段を更に備え、
前記シート束押圧手段の先端部には、回転可能な回転体が設けられ、
前記回転体は、前記移動体の移動によりシート束の端部を超えたときに、前記シート束の端面に臨むことを特徴とする請求項1に記載のシート束搬送装置。
【請求項3】
前記シート束支持手段によって支持される複数のシート束の、各シート束の間に設けられる仕切体を備え、
前記仕切体は、
前記搬送経路上に自立可能であって、
前記シート束押圧手段の先端部を受け入れるための溝が形成されていることを特徴とする請求項1、又は2に記載のシート束搬送装置。
【請求項4】
前記シート束支持手段は、搬送方向に延びる一対のレールを備え、
各レールは、前記シート束の下方側面に当該レールの面が接するように斜めに傾けて設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシート束搬送装置。
【請求項5】
前記第2の移動体は、前記搬送経路から除々に離れる方向に移動し、
前記第1の付勢手段の先端部には、回転可能な回転体が設けられ、
前記回転体は、前記シート束の搬送開始時にはシート束の前端面に配置され、搬送終了前には前記シート束の上面に配置されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシート束搬送装置。
【請求項6】
前記移動体には、錘が吊り下げられた糸状体が搬送方向後方に調張されて取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシート束搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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