説明

シート状血行促進材及びその製造方法

【課題】 十分なマイナスイオンの発生により、持続性を持った血行促進効果が得られ、身体の各部に貼付しやすい柔軟性のある素材からなり、化学繊維などを使用せずに、天然素材からなり安心して使用できる、血行促進材、マイナスイオン発生材を提供することを課題とするものである。
【解決手段】 織布、不織布、紙、あるいは合成樹脂シートよりなるベースシートのいずれか一方、又は両方の面に、天然鉱石を微粉末状に粉砕したパウダーを配合してなる接着剤を薄い層状、又は点在状に形成してなることを特徴とするシート状血行促進材とし、また、天然接着剤に対して20〜80重量%の0.1〜1.0μmに微粉砕した天然鉱石パウダーを混合してマイナスイオン発生組成物を製造し、天然繊維から成るシートのいずれか一方、又は両方の面に、該マイナスイオン発生組成物を塗布して薄膜層を形成することを特徴とするシート状血行促進材の製造方法とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足の裏や、ひじ、ひざの周囲、肩、腰などの身体の患部に貼り付けて使用し、患部の血行を促進することに有効なシート状血行促進材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、健康器具として、血行を促進し、肩こりや腰痛などを緩和する目的で種々の器具が開発されている。
【0003】
サリチル酸メチル、メントールのような薬効成分を粘着剤の中に練り混んで、これを薄い基布の表面に塗布した膏薬が一般に用いられている。また、湿布剤や磁気製品、遠赤外線放射製品、マイナスイオン発生製品なども広く市販されている。
【0004】
特開平2004−315592号公報では、マイナスイオンを発生する鉱物の微粉末を粘着剤中に分散、配合した粘着性シート状物とし、人体の皮膚に直接貼付することが可能で、マイナスイオンを照射することができ、血行を促進することで体温の上昇。自然治癒力の向上を図ることができる粘着性のシート状物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−315592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、薬効成分を練り込んだ粘着剤を薄い層状をなすように基布の表面に塗布した貼付シート類は既に知られている。しかしながら、これら従来の膏薬や、血行促進用貼付シートを用いたとしても、効能に持続性がなく比較的短時問で効果が薄れるという問題点があり、満足し得る充分な血行促進効果は期待できなかった。
【0007】
また、上記のマイナスイオンを発生させるシート状物においては、希土類元素酸化物を多く含む鉱物として、モナズ石、バストネス石などを使用するが、マイナスイオンの発生量は、500〜1000個/cm2程度であり、十分なマイナスイオンの発生量とはいえない。
【0008】
本発明は、十分なマイナスイオンの発生により、持続性を持った血行促進効果が得られ、身体の各部に貼付しやすい柔軟性のある素材からなり、化学繊維などを使用せずに、天然素材からなり安心して使用できる、血行促進材、マイナスイオン発生材を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は諸課題を解決するために、請求項1では、織布、不織布、紙、あるいは合成樹脂シートよりなるベースシートのいずれか一方、又は両方の面に、天然鉱石を微粉末状に粉砕したパウダーを配合してなる接着剤を薄い層状、又は点在状に形成してなることを特徴とするシート状血行促進材とするものである。
【0010】
該ベースシートに用いる織布、不織布、紙は、天然素材のものが好ましい。
【0011】
該天然鉱石パウダーを混合する接着剤は、いずれの接着剤でも良いが、天然接着剤が好ましい。例えば、天然素材からなる水性ボンドや(株)イオン製の天然接着剤などが使用できる。
【0012】
また、天然鉱石パウダーを配合した接着剤による薄膜層の形成には、刷毛塗りやスプレー塗布などいずれの方法により、形成しても良く、表面が微小凹凸状を呈するように点在状に形成してもよい。また、網状や筋状に形成しても良い。
【0013】
請求項2では、前記の天然鉱石によるパウダーの平均粒径が0.1〜1.0μmの微粉末であることを特徴とするシート状血行促進材とするものである。
【0014】
微粉末とすることで、マイナスイオンの発生面積が増え、発生量が強化され、かつが均一となる。
【0015】
請求項3では、前記の天然鉱石のパウダーの配合割合が接着剤に対して20〜80重量%であることを特徴とするシート状血行促進材とするものである。
【0016】
配合割合が20%以下では、十分なマイナスイオンの発生は期待できない。80%以上では、発生量の変化はほとんどない。
【0017】
請求項4では、シート表面において、マイナスイオンの発生が2000〜2500個/cm2であることを特徴とするシート状血行促進材とするものである。
【0018】
血行促進に効果を発揮するマイナスイオンの発生量としては、1000個/cm2以上が好ましく、実用的な治療効果としては、2000個/cm2以上が良い。
【0019】
請求項5では、天然接着剤に対して20〜80重量%の0.1〜1.0μmに微粉砕した天然鉱石パウダーを混合してマイナスイオン発生組成物を製造し、天然繊維から成るシートのいずれか一方、又は両方の面に、該マイナスイオン発生組成物を塗布して薄膜層を形成することを特徴とするシート状血行促進材の製造方法とするものである。
【0020】
請求項6では、前記の天然繊維シートに対するマイナスイオン発生組成物の塗布量は、10cm2に対して0.05〜0.1gであることを特徴とするシート状血行促進材の製造方法とするものである。
【0021】
塗布量が0.05g以下では、マイナスイオンの発生による十分な血行促進効果は期待できない。0.1g以上では、マイナスイオンの発生が2500個/cm2以上となり、血行促進効果は十分である。
【0022】
請求項7では、水性塗料に対して、0.1〜1.0μmに微粉砕した天然鉱石パウダーが10〜30重量%混合されており、マイナスイオンの発生が1500〜1700個/cm2であることを特徴とするマイナスイオン発生塗料とするものである。
【0023】
水性塗料は、天然素材による水性塗料が好ましい。微粉末にすることにより、マイナスイオンの発生面積が増大し、発生量が強化され、均一に発生する。
【発明の効果】
【0024】
本発明は以下の効果を奏する。
1)天然鉱石のパウダーであり、持続性を持った血行促進材を提供できる。
【0025】
2)ベースシートが柔軟性素材であるため、皮膚に直接貼り付けても違和感がなく、使いやすい。
【0026】
3)裁断して使用できるので、患部のサイズに合わせて適切なサイズで使用できる。
【0027】
4)微粉末パウダーのため、表面の質感がよく、肌触りが良い。
【0028】
5)マイナスイオンが十分に発生しており、血行促進効果が高い。
【0029】
6)天然繊維に僅かな塗布量で効果的な血行促進材を提供できる。
【0030】
7)製作が容易である。
【0031】
8)マイナスイオン発生量の高い塗料を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明によるシート状血行促進材の製造工程を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明によるシート状血行促進材の製造工程を示すフロー図である。
【0034】
1)天然鉱石採取
天然鉱石を採取し、土や汚れを水洗いする。
【0035】
2)微粉砕処理
天然鉱石を粒径が0.05〜0.1μmに粉砕処理装置で微粉砕し、天然石パウダーを得る。
【0036】
3)天然接着剤
天然素材による水性木工ボンドを準備する。
【0037】
4)希釈処理
上記の水性木工ボンドに水で希釈する。スプレー塗布が可能な程度に希釈する。
【0038】
5)混合処理
上記の天然石パウダー500gと、天然接着剤1kgとを混合する。
【0039】
6)マイナスイオン発生組成物
混合処理により、水溶性の接着剤溶液によるマイナスイオン発生組成物が得られる。
【0040】
7)天然繊維に塗布
天然繊維(綿100%の生地)に上記のマイナスイオン発生組成物をスプレー装置により、薄く均一に塗布する。10cm2にマイナスイオン発生組成物が0.1g程度となるように、薄く塗布する。
【0041】
8)乾燥処理
塗布後、自然乾燥させる。繊維に影響がないものであれば、温風乾燥装置などの乾燥手段を使用しても良い。
【0042】
9)裁断処理
使用する身体の患部に合わせて、適度な大きさ、及び形状に裁断する。膝あてとして使用する場合には、円形に裁断すると良い。肩用の場合には、方形に裁断しても良い。
【0043】
次にこの花茶の使用例について説明する。図2は、本発明の花茶の使用例を示す概略図である。
【0044】
10)シート状血行促進材
裁断処理により、適度な形状とサイズに裁断してシート状血行促進材の完成となる。
【0045】
このようにして製造されたシート状血行促進材は、肩こりや腰痛など血行促進により緩和できる身体の患部に貼付することにより、マイナスイオン効果により症状が改善するものである。
【0046】
また、ブラジャーのパットポケットに、本シート状血行促進材を円形に裁断したものを入れて使用することができる。女性の肩こりの原因の多くは、ブラジャーの吊り紐によるものといわれている。本シート状血行促進材を使用することにより、マイナスイオン効果により血行がよくなり、肩こりが改善される。
【0047】
本シート状血行促進材は、天然素材を使用しているため、抗菌・消臭作用もある。また、女性の乳がんにも予防効果が期待できる。
【0048】
また、上記の天然石パウダーを水性塗料に混合することにより、マイナスイオン発生塗料とすることができる。
【0049】
水性塗料18kgに天然石パウダーを3kg混合してマイナスイオン塗料とした。この塗料を室内の壁面にスプレー塗布した。
【0050】
近年、住宅の内壁材の化学物質によるシック症候群などが問題となっているが、本マイナスイオン塗料を塗布することにより、室内にマイナスイオンを発生させるとともに、内壁材の中の化学物質を中和する働きもある。
【産業上の利用可能性】
【0051】
マイナスイオン発生組成物として、種々のものに混合することが可能である。電化製品の電磁波消去用のプレートや、携帯電話機の電磁波防止フィルムなどにも多品種に応用可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 天然鉱石採取
2 微粉末処理
3 混合処理
4 天然鉱石採取
5 希釈工程
6 混合処理
7 天然繊維に塗布
8 乾燥処理
9 裁断処理
10 シート状血行促進材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
織布、不織布、紙、あるいは合成樹脂シートよりなるベースシートのいずれか一方、又は両方の面に、天然鉱石を微粉末状に粉砕したパウダーを配合してなる接着剤を薄い層状、又は点在状に形成してなることを特徴とするシート状血行促進材。
【請求項2】
前記の天然鉱石によるパウダーの平均粒径が0.1〜1.0μmの微粉末であることを特徴とする請求項1に記載のシート状血行促進材。
【請求項3】
前記の天然鉱石のパウダーの配合割合が接着剤に対して20〜80重量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート状血行促進材。
【請求項4】
シート表面において、マイナスイオンの発生が2000〜2500個/cm2であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの項に記載のシート状血行促進材。
【請求項5】
天然接着剤に対して20〜80重量%の0.1〜1.0μmに微粉砕した天然鉱石パウダーを混合してマイナスイオン発生組成物を製造し、天然繊維から成るシートのいずれか一方、又は両方の面に、該マイナスイオン発生組成物を塗布して薄膜層を形成することを特徴とするシート状血行促進材の製造方法。
【請求項6】
前記の天然繊維シートに対するマイナスイオン発生組成物の塗布量は、10cm2に対して0.05〜0.1gであることを特徴とする請求項5に記載のシート状血行促進材の製造方法。
【請求項7】
水性塗料に対して、0.1〜1.0μmに微粉砕した天然鉱石パウダーが10〜30重量%混合されており、マイナスイオンの発生が1500〜1700個/cm2であることを特徴とするマイナスイオン発生塗料。

【図1】
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【公開番号】特開2010−279518(P2010−279518A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−134659(P2009−134659)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(300070789)
【Fターム(参考)】