説明

ジェットバスの空気取込み管

【課題】配管が簡単であると共に浴槽毎に異なったりせず、更に、浴槽の外壁面を断熱材で覆う場合に配管を避けるために断熱材に形成する切除部が大きくならずにすむジェットバスの空気取込み配管部を提供する。
【解決手段】浴槽1の異なる側壁11b、11cに設けた複数の吐出口3から空気が混入した浴水を吐出させるジェットバスの空気取込み管6であって、異なる側壁11b、11c毎に該側壁11b、11cに設けた吐出口3へ供給する空気取入れ口60を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽に設けた吐出口から空気が混入した浴水を吐出させるジェットバスの空気取込み管の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、浴槽内の人体に向けて気泡を混入した浴水を噴出するジェットバスが用いられている。
【0003】
ジェットバスは、図2、図3に示すように、浴槽1の側壁11に吸入口と吐出口3とを形成すると共に、吸入口と吐出口3とを接続する循環配管4を浴槽1とエプロン(不図示)の間に配設し、循環配管4の途中に浴水を搬送するためのポンプ(不図示)を配設して浴水の経路が形成してある。吸入口は浴槽1内に横たわった人体の横の側壁11aに形成してあり、吐出口3は人体の腰部や足部に対応する前後の側壁11b、11cにそれぞれ設けてあり、腰部や足裏に向けて浴水を噴出するようになっている。
【0004】
また、浴水に気泡を混入させるための空気取込み配管部6’が設けてある。空気取込み配管部6’は、下流側の端部を循環配管4の吐出口3の近傍に接続すると共に、上流側の端部を浴槽1のフランジ部に形成した空気取入れ口60に接続してあり、循環配管4を浴水が流れる際に、空気取入れ口60、空気取込み配管部6を介して浴室内の空気が吸引されて浴水中に混入されるようになっている。
【特許文献1】特開平6−134017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この従来のジェットバスにあっては、一つの空気取入れ口60から取入れた空気を空気取込み配管部6’を介して両吐出口3へ送るものであるが、このため空気取込み配管部6’が長くなってストレート管やエルボ管を多数組み合わせた複雑な構造となって高価となってしまうと共に浴槽1毎に異なる配管となってしまい、更に、浴槽1の外壁面を断熱材で覆う場合に、配管を避けるために断熱材を切除する部分が大きくなって、浴槽1の断熱性が損なわれてしまう、という問題があった。
【0006】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、配管が簡単であると共に浴槽毎に異なったりせず、更に、浴槽の外壁面を断熱材で覆う場合に配管を避けるために断熱材を切除する部分が大きくならずにすむジェットバスの空気取込み配管部を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために本発明は、浴槽1の異なる側壁11b、11cに設けた複数の吐出口3から空気が混入した浴水を吐出させるジェットバスの空気取込み管6であって、異なる側壁11b、11c毎に該側壁11b、11cに設けた吐出口3へ供給する空気取入れ口60を設けて成ることを特徴とするものである。
【0008】
このような構成とすることで、配管が簡単であると共に浴槽1毎に異なったりせず、更に、浴槽1の外面を断熱材で覆う場合に配管を避けるために断熱材を切除する部分が大きくならずにすむものである。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、浴槽1の異なる側壁11b、11cに設ける吐出口3をそれぞれ対をなすように設け、前記対をなす吐出口3を接続する接続管61と、接続管61の途中に設けられる分岐継手62と、分岐継手62の分岐部62aに一端が接続されると共に途中に逆止弁63が設けられて且つ他端が開放されて空気取入れ口60となる管部64とで構成されることを特徴とするものである。
【0010】
このような構成とすることで、一対の吐出口3を設ける場合に簡単な構成で空気取込み管6を構成することができる。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、管部64をフレキシブル管で形成して成ることを特徴とするものである。
【0012】
このような構成とすることで、断熱材を浴槽1の外面に取り付けた後でも、断熱材を切除したりすることなくフレキシブル管からなる管部64を曲げて断熱材の外側に沿わせて配置することができ、浴槽1の断熱性を確保することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るジェットバスの空気取込み管にあっては、配管が簡単であると共に浴槽1毎に異なったりしないため施工コストが削減できると共に、浴槽の外面を断熱材で覆う場合に配管を避けるために断熱材を切除する部分が大きくならずにすんで、断熱材による保温面積を大きくして浴槽の断熱性を確保することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について図1に基づいて説明する。
【0015】
本ジェットバスでは、浴槽1の左右のいずれかの一側壁11aに吸入口2を形成し、前後の側壁11b、11cに一対ずつ吐出口3を形成するものである。ここで、前後左右は浴槽1に人体(不図示)が横たわった状態での方向をいうものとする。後ろの側壁11cに形成した吐出口3は、人体の腰部に左右両方から浴水を噴出するもので、前の側壁11bに形成した吐出口3は、左右の足裏に向けて浴水を噴出するように形成するものである。
【0016】
吸入口2と吐出口3とには循環配管4が接続されると共に、該循環配管4の途中にポンプ5を配設するもので、これら循環配管4とポンプ5は、浴槽1とエプロン(不図示)の間の空間に配設される。ポンプ5は浴槽1の外面に固定したり床面に設置した架台に載置固定される。
【0017】
そして、この循環配管4に接続される本発明の空気取込み管6について説明する。
【0018】
空気取込み管6は、浴槽1の異なる側壁11毎に該側壁11に設けた吐出口3へ供給する空気取入れ口60を形成するもので、本実施形態では、前後の側壁11b、11cのそれぞれ一対の吐出口3を接続する接続管61と、接続管の途中に設けられる三方継手である分岐継手62と、分岐継手62の三つの分岐部(ポート)のうち前記接続管61に接続されない分岐部62aに一端が接続されると共に途中に逆止弁63が設けられて且つ他端が開放されて空気取入れ口60となる管部64とで構成される。管部64に逆止弁63を設けたことで、空気取入れ口60がフランジ部よりも下方に位置していても、浴水の上面が空気取入れ口60の上方に上昇した場合でも浴水が空気取入れ口60から溢れ出ることがないものである。また、管部64はフレキシブル管で形成してあり、断熱材を浴槽1の外面に取り付けた後で、フレキシブル管からなる管部64を曲げて断熱材の外側に沿わせてテープで固定してある。
【0019】
このような構成とすることで、従来のように、一つの空気取入れ口60から取入れた空気を空気取込み配管部を介して異なる側壁11b、11cに形成した各吐出口3へ送ろうとすると、異なる側壁11b、11cにまたがって配管を施すため長くなり、複雑な構造となって高価になると共に浴槽1毎に異なる配管となってしまい、更に、浴槽1の外壁面を断熱材で覆う場合に、配管を避けるために断熱材を切除する部分が大きくなって、浴槽1の断熱性が損なわれてしまう、といったことがなく、配管が簡単であると共に浴槽1毎に異なったりせず、浴槽1の外面を断熱材で覆う場合に配管を避けるために断熱材を切除する部分が大きくならずにすむものである。
【0020】
また、管部64をフレキシブル管で形成することで、断熱材を浴槽1の外面に取り付けた後でも、断熱材を切除したりすることなくフレキシブル管からなる管部64を曲げて断熱材の外側に沿わせて配置することができ、浴槽1の断熱性を確保することができる。
【0021】
また、空気取込み管6の接続管61で一対の吐出口3を接続するのではなく、三方継手からなる分岐継手62のうちの二つの分岐部(ポート)を直接循環配管4の吐出口3の部分に連結し、接続管61をなくしてもよい。これにより、接続管61を省くことができて空気取込み管6をより一層簡素にすることができる。
【0022】
またなお、本発明のように浴槽1の異なる側壁11b、11cにそれぞれ吐出口3を設ける場合でなくても、上実施形態と同様に、一側壁11に形成した一対の吐出口3を接続する接続管61と、接続管の途中に設けられる三方継手である分岐継手62と、分岐継手の三つの分岐部のうち前記接続管61に接続されない分岐部62aに一端が接続されると共に途中に逆止弁63が設けられて且つ他端が開放されて空気取入れ口60となる管部64とで構成される空気取込み管6を設けることで、従来のように浴槽1のフランジ部に形成した空気取入れ口60から循環配管4に至る空気取込み配管部を配設する必要がないため、配管が長く複雑な構造となって高価になると共に浴槽1毎に異なる配管となってしまうことがなく、更に、浴槽1の外壁面を断熱材で覆う場合に、配管を避けるために断熱材を切除する部分が大きくなって浴槽1の断熱性が損なわれてしまう、といったこともないものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態の斜視図である。
【図2】従来のジェットバスの側面図である。
【図3】従来のジェットバスの平面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 浴槽
11a 側壁
11b 側壁
11c 側壁
2 吸入口
3 吐出口
4 循環配管
5 ポンプ
6 空気取込み配管部
60 空気取入れ口
61 接続管
62 分岐継手
63 逆止弁
64 管部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽の異なる側壁に設けた複数の吐出口から空気が混入した浴水を吐出させるジェットバスの空気取込み管であって、異なる側壁毎に該側壁に設けた吐出口へ供給する空気取入れ口を設けて成ることを特徴とするジェットバスの空気取込み管。
【請求項2】
浴槽の異なる側壁に設ける吐出口をそれぞれ対をなすように設け、前記対をなす吐出口を接続する接続管と、接続管の途中に設けられる分岐継手と、分岐継手の分岐部に一端が接続されると共に途中に逆止弁が設けられて且つ他端が開放されて空気取入れ口となる管部とで構成されることを特徴とする請求項1記載のジェットバスの空気取込み管。
【請求項3】
管部をフレキシブル管で形成して成ることを特徴とする請求項2記載のジェットバスの空気取込み管。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−167461(P2007−167461A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−371065(P2005−371065)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(505154956)松下電工バス&ライフ株式会社 (306)
【Fターム(参考)】