ジッパーを開閉する装置
ジッパーの開閉を補助するための装置を提供する。この装置は、相互に配向したガイド角を形成する第1及び第2の分岐したガイド経路を有する本体部と、つまみ部とを備える。第1及び第2のガイド経路は、それらのガイド角に対応するように、ジッパースライダーの前方でジッパー走行路の閉角度を減少させるため、ジッパースライダーの前方での、ガイド経路に沿ったジッパー走行路の、スライドするがインターロックしない動作のためにジッパー走行路のそれぞれを受け入れる。つまみ部は、ジッパーの少なくとも一部に沿って、本体部の手動引っ張り動作を許容すべく本体部に取り付けられており、操作者がジッパースライダーを閉方向にスライドさせる間、ジッパースライダーのプルタブと当該つまみ部とを同時的に掴むことができるよう、ジッパースライダーのプルタブに対して同一方向に向けて配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はジッパーを開閉する装置に関し、特に圧迫長靴下(又は圧迫ストッキング)のジッパーに取り付けられた開閉装置であって、ジッパーを閉方向に手動で引っ張るための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ジッパーは衣服(着用物)を着用させ、身体に固定する手段として事実上全てのタイプの衣服に使用されている。多くの場合ジッパーは、必要に応じてジッパーが開口部を容易に上下できるよう、比較的に緩くフィットする衣服の開口部を閉めるために使用されている。他のタイプの衣服では、開口部は特に当初のジッパー位置にてジッパーにさらに強力な力を必要とする。これらの着用物タイプには、ブーツ、ジャケット、財布、バックパックおよび一部の靴下製品が含まれる。
【0003】
本願の特定開示内容および好適実施態様は、患者の脚に通常使用される、血流を増加させるために一般的に着用される圧迫長靴下に関する。しかしながら、本発明は圧迫長靴下に限定されず、ジッパーの閉動作が補助となるどのような衣服または製品にも利用できる。治療用法での圧迫長靴下機能は、患者の脚周囲にきつくフィットすることで、血流速度を増加させて下肢の血液プールを減少させる。このため、圧迫長靴下は形状化されたプラスチックパネル部分として製造されることが多く、辺縁のジッパーは長靴下が肢部(手足)を圧迫して包囲するように閉じられる。肢部を圧迫する必要性から、これらのタイプの衣服のジッパーは、衣服のタイトなフィットのために閉じることが困難であることが多い。多くの場合、着用者は他人の補助を必要とし、一人が伸縮性パネルの両側の縁部を保持するために両手を使用し、もう一人が長靴下を脚周囲に取り付けるようジッパーを長手方向に沿って引っ張る。
【0004】
場合によっては、ジッパーを閉じる角度が増大すると、ジッパースライダーがジッパーを閉める方向に移動されるにつれて、ジッパー走行路に作用する横断方向の応力がだんだん大きくなり、ジッパー部材に強力な応力かかる。場合によっては応力が非常に大きいため、ジッパーはある位置を越えて閉められない。また場合によっては、ジッパーは損傷するか、あるいは閉動作中にジッパースライダーが一方または両方のジッパー走行路から外れることがある。プライヤまたは長形ホックなどのジッパースライダーを係合させる工具を使用して、さらに大きな力をジッパーに適用させてジッパーを動かすこともできる。これらの工具はジッパー部材に相当な力をかけるが、力を減ずるわけではなく、ジッパーの閉じ角によって生じる閉動作への抵抗に打ち克とうとするだけであるため、この増加した力はジッパー損傷の可能性を高める。
【0005】
従って、ジッパー走行路を十分に鋭角に維持することができ、ジッパーの損傷を回避しながらジッパーの手動移動を比較的に容易にさせる、ジッパースライダーの移動を補助するための装置が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】(特になし)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的の一つは、ジッパーの開閉を補助するためのジッパー補助装置を提供することにある。
【0008】
本発明の別な目的は、ジッパーの閉角度を減少させることで、ジッパーへの応力を減少させる補助装置を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに別な目的は、ジッパーで閉じてその後に外すことができる衣服または製品に容易に取り付けできるジッパー補助装置の提供である。
【0010】
本発明のさらに別な目的は、異なるサイズのジッパーにフィットする十分な順応性を有するジッパー補助装置の提供である。
【0011】
本発明のさらに別な目的は、持ち運びできるジッパー補助装置の提供である。
【0012】
本発明のさらに別な目的は、ジッパーから外せるジッパー補助装置の提供である。
【0013】
本発明のさらに別な目的は、他人の補助無しで着用者に衣服を着用させるジッパー補助装置の提供である。
【0014】
本発明のさらに別な目的は、ジッパーを効率的に閉じるために必要な力を減少させるジッパー補助装置の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の及びそのための目的や利点は、次のような装置を提供することで達成できる。即ち、ジッパーの開閉を補助するための装置は、ジッパースライダーがジッパー走行路に沿って開閉方向のそれぞれに移動するとき、選択的に両側のインターロック可能なジッパー走行路を分離および接続することによって、ジッパーを開閉するジッパースライダーを有する。この装置は、ガイド経路のガイド角に対応するように、ジッパースライダーの前方でジッパー走行路の閉角度を減少させるよう、ジッパースライダーの前方でガイド経路に沿ったジッパー走行路をスライドするが、インターロックしない動作を提供するための、ジッパー走行路のそれぞれを受領するように互い方向に配向したガイド角を有する第1および第2の分岐した誘導経路(ガイド経路)を有する本体部を含んでいる。つまみ部は、ジッパーの少なくとも一部を通って本体部の相互引張り動作を許容すべく本体部に取り付けられている。つまみ部は、操作者がジッパースライダーを閉方向にスライドさせる間、ジッパースライダーのプルタブとつまみ部とを同時的に掴むことができるよう、一般的にはジッパースライダーのプルタブに対して同一方向に延びる配向性で配置されている。
【0016】
別の実施態様によれば、本体部はくさび形である。別の実施態様では、第1および第2の分岐ガイド経路は、本体部の中央線の両側にそれぞれ対称形状の凹状面を形成する。
【0017】
別の実施態様によれば、本体部は、本体部に取り付けられているつまみ部を受領する開口部を含んでいる。
【0018】
別の実施態様によれば、それぞれのガイド経路は、それぞれのジッパー走行路をそれぞれのガイド経路内に受領および保持させるために各ガイド経路の周辺部に形成された比較的に狭目のアクセス用スロット(アクセス溝)をさらに含んでいる。
【0019】
別の実施態様によれば、本体部は、本装置のジッパー走行路との整合を補助および維持するよう、本体部の引っ張り動作中にジッパーにスライド支持を提供するための、ジッパースライダーのインターロックポイントに配置された整合プレートをさらに含んでいる。
【0020】
別の実施態様によれば、各ガイド経路は、各ジッパー走行路の進入および退去を容易にするため、各ガイド経路の端部に斜面をさらに含んでいる。
【0021】
別の実施態様によれば、本体部は、ジッパースライダーをその中に受領するため、ジッパースライダーの形状に近似する形状のノッチを含んでいる。
【0022】
別の実施態様によれば、ノッチはアクセスプレートの基端部に形成されている。
【0023】
別の実施態様によれば、本装置は、つまみ部と概ね重なり、ジッパープルタブに取り付けられたジッパープルタブ延出部材を含んでいる。
【0024】
別の実施態様によれば、本装置は、患者の手足周囲でスライド移動させる隙間を提供するため、ノッチの反対側の面に形成された弓形凹部を含んでいる。
【0025】
本発明の別の実施態様によれば、ジッパースライダーがジッパー走行路を通って開閉方向のそれぞれに動くとき、両側のインターロック可能な一対のジッパー走行路を選択的に分離および接続することによってジッパーを開閉するジッパースライダーを有する形態である、ジッパーの開閉を補助するための装置が提供される。この装置は、ジッパースライダー前方でジッパー走行路の閉角度を減少させるよう、ジッパースライダー前方のガイド経路に沿ったジッパー走行路をスライドするがインターロックしない動作のために、ジッパー走行路のそれぞれを受領する第1および第2のガイド経路を有する本体部を含んでいる。つまみ部は、ジッパーの少なくとも一部に沿って本体部の引っ張り動作を許容すべく本体部に取り付けられている。ジッパースライダーを受領するためにジッパースライダーの形状に近似するノッチが本体部に形成されている。つまみ部は、操作者がジッパースライダーを閉方向にスライドさせる間、ジッパースライダーのプルタブとつまみ部とを同時的に掴むことができるよう、ジッパースライダーのプルタブに対して概ね同一方向に延びる配向性で配置されている。
【0026】
別の好適な実施態様によれば、ジッパースライダーが走行路を通って開閉方向のそれぞれに動くとき、両側のインターロック可能な一対のジッパー走行路を選択的に分離および接続することによってジッパーを開閉するためのジッパースライダーを有する形態である、ジッパーの閉動作を補助するための方法が提供される。この方法は、ジッパースライダーの前方でジッパー走行路の閉角度を減少させるためにインターロック可能な一対の走行路を選択的に接続する中央ジッパースライダーの前方でガイド経路に沿ってスライドするがインターロックしないようにジッパー走行路のそれぞれを受領する第1及び第2の分岐ガイド経路を有する本体部を含んだ装置を提供するステップを含んでいる。つまみ部は、本体部の手動での引っ張り運動を許容すべく本体部に取り付けられており、各走行路をガイド経路のそれぞれに挿入させる。本装置はジッパースライダーの手前にスライドし、本体部に取り付けられているつまみ部とジッパースライダーのプルタブは、ジッパーを閉じるためにジッパー走行路に沿って手動で掴まれて移動される。
【0027】
別の実施態様によれば、各走行路を各ガイド経路に挿入するステップは同時的に実施される。
【0028】
別の実施態様によれば、各走行路を各ガイド経路に挿入するステップは順番に実施される。
【0029】
本発明の目的の一部については前述した。その他の目的および利点は、以下の図面を参考にしつつ、下記の説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に従う、ジッパーの使用を補助する装置の斜視図である。
【図2】図2は、ジッパー補助装置の正面図である。
【図3】図3は、ジッパー補助装置の側面図である。
【図4】図4は、ジッパー補助装置の背面図である。
【図5】図5は、ジッパー補助装置の上面図である。
【図6】図6は、圧迫長靴下のジッパー走行路の取付位置に取り付けられたジッパー補助装置を示す斜視図である。
【図7A】図7Aは、圧迫長靴下のジッパー走行路に取り付けられ、ジッパー走行路の最下部に位置するジッパー補助装置の前面図である。
【図7B】図7Bは、圧迫長靴下のジッパー走行路に取り付けられた、ジッパー走行路の最下部に位置するジッパー補助装置とジッパーのプルタブの前面図である。
【図7C】図7Cは、図7Aのジッパー補助装置の拡大図である。
【図8】図8は、圧迫長靴下のジッパー走行路の最下部に取り付けられ、ジッパーを閉じるために着用者の指によって上方に引っ張られている状態を示すジッパー補助装置の側面図である。
【図9】図9は、圧迫長靴下のジッパー走行路の中間部にあるジッパー補助装置であって、ジッパーを閉じるために着用者の指によって上方に引っ張られている状態を示す側面図である。
【図10】図10は、圧迫長靴下のジッパー走行路の最上部にあるジッパー補助装置であって、ジッパーを閉じるために着用者の指によって上方に引っ張られている状態を示す前面側斜視図である。
【図11】図11は、ジッパー補助装置が圧迫長靴下のジッパー走行路から外されており、圧迫長靴下は完全に閉じられた状態を示す前面側斜視図である。
【図12】図12は、本発明の別実施例によるジッパー補助装置とジッパープルタブ延出部材の斜視図である。
【図13】図13は、本発明の別実施例による着脱式ジッパー補助装置の別の斜視図である。
【図14】図14は、本発明の別実施例によるジッパー補助装置の別の斜視図である。
【図15】図15は、本発明の別実施例によるジッパー補助装置の別の斜視図である。
【図16】図16は、本発明の別実施例によるジッパー補助装置の別の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図面を参考にして、図1から図11に符号10で示された、本発明によるジッパーの開閉を補助する装置(以降、「ジッパー補助装置」と呼ぶ)について説明する。ジッパー補助装置10は、好適にはくさび形の本体部12と、本体部12の両側に形成された一対のガイド経路14,16とを含んでいる。リング形状のつまみ部22が本体部12に接続されており、本体部12を引っ張るよう、1本または2本の指をつまみ部22に挿入することによって手動操作を可能にしている。本体部12は、ジッパー2を容易に閉じるため、走行路6と8を十分に密着させて本体部12を引っ張ることができれば、どのような形状でもよい。
【0032】
ジッパー補助装置10は、患者または操作者が図6から図11に示す圧迫長靴下製品1を開閉するよう、一対の走行路6,8に沿ってジッパー2を引っ張る動作を補助する。走行路6,8は典型的には圧迫長靴下6,8に縫い合わされている。中央スライダー4は、ジッパー2を操作すべく走行路6,8をインターロックするため、一対の走行路6,8の各歯部をインターロックするように作用する。スライダー4は、スライダー4を引っ張るためのタブ5を含んでいる。タブ5は開口部5aを含んでいる。
【0033】
図6から図11に示すように、圧迫長靴下1は患者の脚周囲に密着してフィットしてその治療目的を提供(達成)するものであり、よって脚周囲で圧迫長靴下1の両端を係合させるためにはジッパー2に相当程度の引っ張り力を必要とする。この相当程度の引っ張り力はジッパー2またはジッパー走行路6,8を損傷させることがある。
【0034】
本体部12は、プラスチック、金属その他の公知のどのような適切な材料によっても形成できる。本体部12は図1と同一形状である必要はなく、ジッパー2が閉じられるとき、ジッパー走行路6,8が分岐する角度を減少させるように概ね分岐したガイド経路14,16(guide channels)を有するどのような形状も有効であろう。本体部12は図1に示す一対の空隙部を含むことができる。この空隙部は美観目的であったり、材料を節約したり、本体部12の強靭性を変更させることができる。本体部12は、本体部12の取付端部に位置する整合プレート24をさらに含んでいる。本体部12にはノッチ20が形成されており、ジッパースライダー4がノッチ20内に受領されるよう、ジッパースライダー4に近似する形状を有している。整合プレート24は中央スライダー4の下をスライドし、中央スライダー4を受領するよう設計されている。このように、整合プレート24は走行路6,8の下をスライドすることで中央スライダー4に誘導支援を提供する。
【0035】
つまみ部22は、本体部12に形成された開口部25内にフィットする保持リング26によって本体部12に接続されている。保持リング26は、着用者が様々な角度からつまみ部22に容易にアクセスできるよう、つまみ部22を回転させる。実施態様によっては、リング26は不要であり、つまみ部22は本体部12の開口部25に直接取り付けることができる。前述のように、つまみ部22はリング形状で図示されているが、掴むことができるか、または1本以上の指を挿入させるどのような形状も適切である。
【0036】
一対のガイド経路14,16は本体部12の両側に配置されている。経路14及び16の各々は、くさび形の本体部12の中心部に略凹状に示されているが、その他の形状に製造することもできる。経路14,16はそれぞれジッパー走行路6,8の歯部を受領するよう筒形状となっている。経路14,16は本体部12と同じ材料で形成されているか、または本体部12と一体的に形成できる別の材料でも形成できる。好適には、ガイド経路14,16は、それぞれ金属などの耐久性があり低摩擦の材料で形成されるが、オプションでデルリン(登録商標)(Delrin)、テフロン(登録商標)又はその他のどのような好適な材料でも形成することもできる。ガイド経路14,16はそれぞれ各ガイド経路から延び出るそれぞれのアクセススロット(アクセス溝)28,30を含むこともできる。アクセススロット28,30はジッパー走行路6,8の一方をそれぞれ受領する。このように、アクセススロット28,30およびガイド経路14,16はジッパー走行路6,8の輪郭形状と近似しており、ガイド経路16,18内にジッパー走行路を有する。アクセススロット28,30、および経路14,16はそれぞれジッパー走行路6,8が閉じられる角度を減少させることで応力と摩擦力の集中を減ずるように設計されており、図8に示すようにそれらの当初角度間の緩やかな移行を提供している。好ましくは、アクセススロット28,30も耐久性のある低摩擦の材料で形成される。経路14,16は、経路14,16の上端に傾斜面15,17をそれぞれ含んでおり、ジッパー走行路6,8を容易に進入および退去させる。
【0037】
くさび形の本体部12とつまみ部22は、例えば図7Bに示すように操作者がつまみ部22とジッパースライダーのプルタブ5を同時的に掴むことができるよう、ジッパースライダー4のプルタブ5はつまみ部22に対して概ね重なって共に延びる方向性を有している。ジッパースライダーのプルタブ5は概ねつまみ部22と重なるか、または共に延びる構成であるが、その他の状況では図12から図16に示すようにジッパープルタブ延出部材80を利用することが適当な場合もある。プルタブ延出部材80は一対の離間したフランジ82を含んでおり、それらは、一対の離れたフランジ82を接続するピン81で架け渡されている(図15,16参照)。ピン81は一対の離れたフランジ82の一方に固定されており、一対の離れたフランジ82の他方に形成された対応する開口部にフィットするように設計されている。タブ開口部5aが一対の離れたフランジ82間をスライドしてピン81を受領するよう、ピン81に取り付けられていない方のフランジ82が一対の離れたフランジ82間に開口部を提供すべく可曲性となるよう、一対のフランジ82は可撓性である。フランジ82はその後に解放され、ピン81は一対のフランジ82のうちの他方のフランジに形成された対応する開口部内にフィットする。プルタブ延出部材80はその後プルタブ5に固定される。つまみ部84はつまみ部22のようにリング形状でよく、その中に1本または2本の指を挿入することができ、一対のフランジ82に取り付けられており、図7Bに示すように上方に裏返されたときにつまみ部22と概ね重なるか共に延びる位置となる大きさになっている。図12から図16にかけて示す実施例では、プルタブ延出部材80のつまみ部84とジッパー補助装置10のつまみ部22は、操作者の指がつまみ部22と84の両方を容易に通る大きさである。
【0038】
図7Cに示すように、ジッパー補助装置10はジッパー走行路6と8との間の当初角度を減少させるように作用し、徐々で一貫したジッパーの閉じ角度αを維持してジッパー走行路6,8にかかる応力を減少させる。ジッパーの閉じ角度αは本体部12のサイズにより変動する。一対のガイド経路14,16は、合同で角度αを形成するそれぞれのガイド角度βを形成する。好適な実施例では、角度αはガイド経路14と16の最上部から計測して好適には約50度である。ガイド経路14と16の凹形状のため、相対的なジッパー閉じ角度αは、ジッパー経路6,8がジッパー走行路14,16を移動するときにだんだん大きくなる。
【0039】
衣服1が着用される肢部に隙間を提供するため、ジッパー補助装置10の片面には弓形くぼみ27が形成されている。弓形くぼみ27はノッチ20を有する面の反対側の面に形成されている。
【0040】
圧迫長靴下1のジッパー補助装置の操作は、図6から図11にかけて示されている。図6に示すように、ジッパー2の中央スライダー4は好適には完全にジッパーが開かれた位置にある。ジッパー補助装置10はその後、図6で最も上方に示されている、ジッパー走行路6と8のジッパーが開かれた位置の付近に配置される。各走行路6,8はジッパー補助装置10の各ガイド経路14,16の付近に配置される。両走行路6,8をガイド経路14,16の両方に同時的に挿入することもできるが、着用者はガイド経路14又は16に走行路6又は8をそれぞれ挿入し、その後、他方の走行路6又は8をガイド経路14又は16にそれぞれ挿入することを望むであろう。図7に示すようにジッパー補助装置10はその後、ジッパー補助装置10がジッパー2に接近するまでジッパー走行路6,8をスライド下降する。ジッパー補助装置10の整合プレート24は中央スライダー4の裏側をスライドすることでジッパー2に追加の支持を提供する。図6から図11にかけて示すように、プルタブ5の延長が必要な場合、ジッパープルタブ延出部材80のつまみ部84がつまみ部22と概ね重なるか共に延びるべく整合するよう、ジッパープルタブ5を延長させるためにジッパープルタブ延出部材80がタブ5に取り付けられる。別の実施例では、ジッパー補助装置10とプルタブ5は、延出部材80が不要な大きさとしてもよい。
【0041】
図8に示すように、延出部材80のつまみ部84とジッパー補助装置10のつまみ部22が略同心となるように、ジッパー延出部材80がジッパー補助装置10と概ね重なるか、または同一方向に向くと、着用者は、図8,図9および図10に連続して示すように、ジッパー補助装置10をジッパー走行路6,8に沿ってジッパー2を閉じるように本体12のつまみ部22と延出部材80のつまみ部84を引っ張る。ジッパー補助装置10がジッパー走行路6,8の最上部の閉じ位置に到達すると、ジッパー補助装置10はその後、ジッパープルタブ5またはジッパープルタブ延出部材80(使用されている場合)を解放することでジッパー2から外される。このように延出部材80は図11に示すように下方にはじかれ、ジッパー補助装置10は衣服1および延出部材80から引っ張られて離れる。
【0042】
ジッパープルタブ延出部材80が使用される場合には、その部材80を設置するステップと逆順序で外される。別実施態様では、衣服はジッパープルタブ延出部材80を装着した状態で販売されてもよく、延出部材80は使用中もジッパープルタブ5に取り付けたままであってもよい。
【0043】
ジッパー補助装置の別実施例は、図12から図16に符号100で示されている。ジッパー補助装置100は、くさび形の本体部112と、その本体部112両側に形成された一対のガイド経路114,116を含んでいる。つまみ部122は、本体部112に形成された開口部125と相互接続するように提供されている。
【0044】
各ガイド経路114,116はそれぞれにアクセススロット(アクセス溝)128,130を有する。さらに各ガイド経路114,116は、ジッパー走行路6,8の出入りを容易にするための傾斜面114,117を有する。本体部112は、本体部112の接続端にそれぞれ配置された整合プレート124を含んでいる。整合プレート124はジッパー2の中央スライダー4の裏側をスライドし、受領するように設計されている。このようにして、整合プレート124は走行路6,8の裏側をスライドし、中央スライダー4を導く補助を提供する。
【0045】
以上、いくつかの実施例によるジッパー補助装置について説明した。本発明の多様な詳細についてはその範囲から逸脱することなく変更することができる。更に、前述した本発明の好適実施例と最良実施態様は例示的なものであり、本発明を限定するものではない。本発明の範囲は「特許請求の範囲」によって定められる。
【符号の説明】
【0046】
2 ジッパー
4 ジッパーの中央スライダー
6,8 ジッパーの走行路
10 ジッパー補助装置
12 本体部
14,16 ガイド経路
20 ノッチ
22 つまみ部(ハンドル)
24 整合プレート
25 開口部
27 弓形くぼみ(弓形凹部)
28,30 アクセススロット(アクセス溝)
80 ジッパープルタブ延出部材
【技術分野】
【0001】
本発明はジッパーを開閉する装置に関し、特に圧迫長靴下(又は圧迫ストッキング)のジッパーに取り付けられた開閉装置であって、ジッパーを閉方向に手動で引っ張るための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ジッパーは衣服(着用物)を着用させ、身体に固定する手段として事実上全てのタイプの衣服に使用されている。多くの場合ジッパーは、必要に応じてジッパーが開口部を容易に上下できるよう、比較的に緩くフィットする衣服の開口部を閉めるために使用されている。他のタイプの衣服では、開口部は特に当初のジッパー位置にてジッパーにさらに強力な力を必要とする。これらの着用物タイプには、ブーツ、ジャケット、財布、バックパックおよび一部の靴下製品が含まれる。
【0003】
本願の特定開示内容および好適実施態様は、患者の脚に通常使用される、血流を増加させるために一般的に着用される圧迫長靴下に関する。しかしながら、本発明は圧迫長靴下に限定されず、ジッパーの閉動作が補助となるどのような衣服または製品にも利用できる。治療用法での圧迫長靴下機能は、患者の脚周囲にきつくフィットすることで、血流速度を増加させて下肢の血液プールを減少させる。このため、圧迫長靴下は形状化されたプラスチックパネル部分として製造されることが多く、辺縁のジッパーは長靴下が肢部(手足)を圧迫して包囲するように閉じられる。肢部を圧迫する必要性から、これらのタイプの衣服のジッパーは、衣服のタイトなフィットのために閉じることが困難であることが多い。多くの場合、着用者は他人の補助を必要とし、一人が伸縮性パネルの両側の縁部を保持するために両手を使用し、もう一人が長靴下を脚周囲に取り付けるようジッパーを長手方向に沿って引っ張る。
【0004】
場合によっては、ジッパーを閉じる角度が増大すると、ジッパースライダーがジッパーを閉める方向に移動されるにつれて、ジッパー走行路に作用する横断方向の応力がだんだん大きくなり、ジッパー部材に強力な応力かかる。場合によっては応力が非常に大きいため、ジッパーはある位置を越えて閉められない。また場合によっては、ジッパーは損傷するか、あるいは閉動作中にジッパースライダーが一方または両方のジッパー走行路から外れることがある。プライヤまたは長形ホックなどのジッパースライダーを係合させる工具を使用して、さらに大きな力をジッパーに適用させてジッパーを動かすこともできる。これらの工具はジッパー部材に相当な力をかけるが、力を減ずるわけではなく、ジッパーの閉じ角によって生じる閉動作への抵抗に打ち克とうとするだけであるため、この増加した力はジッパー損傷の可能性を高める。
【0005】
従って、ジッパー走行路を十分に鋭角に維持することができ、ジッパーの損傷を回避しながらジッパーの手動移動を比較的に容易にさせる、ジッパースライダーの移動を補助するための装置が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】(特になし)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的の一つは、ジッパーの開閉を補助するためのジッパー補助装置を提供することにある。
【0008】
本発明の別な目的は、ジッパーの閉角度を減少させることで、ジッパーへの応力を減少させる補助装置を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに別な目的は、ジッパーで閉じてその後に外すことができる衣服または製品に容易に取り付けできるジッパー補助装置の提供である。
【0010】
本発明のさらに別な目的は、異なるサイズのジッパーにフィットする十分な順応性を有するジッパー補助装置の提供である。
【0011】
本発明のさらに別な目的は、持ち運びできるジッパー補助装置の提供である。
【0012】
本発明のさらに別な目的は、ジッパーから外せるジッパー補助装置の提供である。
【0013】
本発明のさらに別な目的は、他人の補助無しで着用者に衣服を着用させるジッパー補助装置の提供である。
【0014】
本発明のさらに別な目的は、ジッパーを効率的に閉じるために必要な力を減少させるジッパー補助装置の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の及びそのための目的や利点は、次のような装置を提供することで達成できる。即ち、ジッパーの開閉を補助するための装置は、ジッパースライダーがジッパー走行路に沿って開閉方向のそれぞれに移動するとき、選択的に両側のインターロック可能なジッパー走行路を分離および接続することによって、ジッパーを開閉するジッパースライダーを有する。この装置は、ガイド経路のガイド角に対応するように、ジッパースライダーの前方でジッパー走行路の閉角度を減少させるよう、ジッパースライダーの前方でガイド経路に沿ったジッパー走行路をスライドするが、インターロックしない動作を提供するための、ジッパー走行路のそれぞれを受領するように互い方向に配向したガイド角を有する第1および第2の分岐した誘導経路(ガイド経路)を有する本体部を含んでいる。つまみ部は、ジッパーの少なくとも一部を通って本体部の相互引張り動作を許容すべく本体部に取り付けられている。つまみ部は、操作者がジッパースライダーを閉方向にスライドさせる間、ジッパースライダーのプルタブとつまみ部とを同時的に掴むことができるよう、一般的にはジッパースライダーのプルタブに対して同一方向に延びる配向性で配置されている。
【0016】
別の実施態様によれば、本体部はくさび形である。別の実施態様では、第1および第2の分岐ガイド経路は、本体部の中央線の両側にそれぞれ対称形状の凹状面を形成する。
【0017】
別の実施態様によれば、本体部は、本体部に取り付けられているつまみ部を受領する開口部を含んでいる。
【0018】
別の実施態様によれば、それぞれのガイド経路は、それぞれのジッパー走行路をそれぞれのガイド経路内に受領および保持させるために各ガイド経路の周辺部に形成された比較的に狭目のアクセス用スロット(アクセス溝)をさらに含んでいる。
【0019】
別の実施態様によれば、本体部は、本装置のジッパー走行路との整合を補助および維持するよう、本体部の引っ張り動作中にジッパーにスライド支持を提供するための、ジッパースライダーのインターロックポイントに配置された整合プレートをさらに含んでいる。
【0020】
別の実施態様によれば、各ガイド経路は、各ジッパー走行路の進入および退去を容易にするため、各ガイド経路の端部に斜面をさらに含んでいる。
【0021】
別の実施態様によれば、本体部は、ジッパースライダーをその中に受領するため、ジッパースライダーの形状に近似する形状のノッチを含んでいる。
【0022】
別の実施態様によれば、ノッチはアクセスプレートの基端部に形成されている。
【0023】
別の実施態様によれば、本装置は、つまみ部と概ね重なり、ジッパープルタブに取り付けられたジッパープルタブ延出部材を含んでいる。
【0024】
別の実施態様によれば、本装置は、患者の手足周囲でスライド移動させる隙間を提供するため、ノッチの反対側の面に形成された弓形凹部を含んでいる。
【0025】
本発明の別の実施態様によれば、ジッパースライダーがジッパー走行路を通って開閉方向のそれぞれに動くとき、両側のインターロック可能な一対のジッパー走行路を選択的に分離および接続することによってジッパーを開閉するジッパースライダーを有する形態である、ジッパーの開閉を補助するための装置が提供される。この装置は、ジッパースライダー前方でジッパー走行路の閉角度を減少させるよう、ジッパースライダー前方のガイド経路に沿ったジッパー走行路をスライドするがインターロックしない動作のために、ジッパー走行路のそれぞれを受領する第1および第2のガイド経路を有する本体部を含んでいる。つまみ部は、ジッパーの少なくとも一部に沿って本体部の引っ張り動作を許容すべく本体部に取り付けられている。ジッパースライダーを受領するためにジッパースライダーの形状に近似するノッチが本体部に形成されている。つまみ部は、操作者がジッパースライダーを閉方向にスライドさせる間、ジッパースライダーのプルタブとつまみ部とを同時的に掴むことができるよう、ジッパースライダーのプルタブに対して概ね同一方向に延びる配向性で配置されている。
【0026】
別の好適な実施態様によれば、ジッパースライダーが走行路を通って開閉方向のそれぞれに動くとき、両側のインターロック可能な一対のジッパー走行路を選択的に分離および接続することによってジッパーを開閉するためのジッパースライダーを有する形態である、ジッパーの閉動作を補助するための方法が提供される。この方法は、ジッパースライダーの前方でジッパー走行路の閉角度を減少させるためにインターロック可能な一対の走行路を選択的に接続する中央ジッパースライダーの前方でガイド経路に沿ってスライドするがインターロックしないようにジッパー走行路のそれぞれを受領する第1及び第2の分岐ガイド経路を有する本体部を含んだ装置を提供するステップを含んでいる。つまみ部は、本体部の手動での引っ張り運動を許容すべく本体部に取り付けられており、各走行路をガイド経路のそれぞれに挿入させる。本装置はジッパースライダーの手前にスライドし、本体部に取り付けられているつまみ部とジッパースライダーのプルタブは、ジッパーを閉じるためにジッパー走行路に沿って手動で掴まれて移動される。
【0027】
別の実施態様によれば、各走行路を各ガイド経路に挿入するステップは同時的に実施される。
【0028】
別の実施態様によれば、各走行路を各ガイド経路に挿入するステップは順番に実施される。
【0029】
本発明の目的の一部については前述した。その他の目的および利点は、以下の図面を参考にしつつ、下記の説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に従う、ジッパーの使用を補助する装置の斜視図である。
【図2】図2は、ジッパー補助装置の正面図である。
【図3】図3は、ジッパー補助装置の側面図である。
【図4】図4は、ジッパー補助装置の背面図である。
【図5】図5は、ジッパー補助装置の上面図である。
【図6】図6は、圧迫長靴下のジッパー走行路の取付位置に取り付けられたジッパー補助装置を示す斜視図である。
【図7A】図7Aは、圧迫長靴下のジッパー走行路に取り付けられ、ジッパー走行路の最下部に位置するジッパー補助装置の前面図である。
【図7B】図7Bは、圧迫長靴下のジッパー走行路に取り付けられた、ジッパー走行路の最下部に位置するジッパー補助装置とジッパーのプルタブの前面図である。
【図7C】図7Cは、図7Aのジッパー補助装置の拡大図である。
【図8】図8は、圧迫長靴下のジッパー走行路の最下部に取り付けられ、ジッパーを閉じるために着用者の指によって上方に引っ張られている状態を示すジッパー補助装置の側面図である。
【図9】図9は、圧迫長靴下のジッパー走行路の中間部にあるジッパー補助装置であって、ジッパーを閉じるために着用者の指によって上方に引っ張られている状態を示す側面図である。
【図10】図10は、圧迫長靴下のジッパー走行路の最上部にあるジッパー補助装置であって、ジッパーを閉じるために着用者の指によって上方に引っ張られている状態を示す前面側斜視図である。
【図11】図11は、ジッパー補助装置が圧迫長靴下のジッパー走行路から外されており、圧迫長靴下は完全に閉じられた状態を示す前面側斜視図である。
【図12】図12は、本発明の別実施例によるジッパー補助装置とジッパープルタブ延出部材の斜視図である。
【図13】図13は、本発明の別実施例による着脱式ジッパー補助装置の別の斜視図である。
【図14】図14は、本発明の別実施例によるジッパー補助装置の別の斜視図である。
【図15】図15は、本発明の別実施例によるジッパー補助装置の別の斜視図である。
【図16】図16は、本発明の別実施例によるジッパー補助装置の別の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図面を参考にして、図1から図11に符号10で示された、本発明によるジッパーの開閉を補助する装置(以降、「ジッパー補助装置」と呼ぶ)について説明する。ジッパー補助装置10は、好適にはくさび形の本体部12と、本体部12の両側に形成された一対のガイド経路14,16とを含んでいる。リング形状のつまみ部22が本体部12に接続されており、本体部12を引っ張るよう、1本または2本の指をつまみ部22に挿入することによって手動操作を可能にしている。本体部12は、ジッパー2を容易に閉じるため、走行路6と8を十分に密着させて本体部12を引っ張ることができれば、どのような形状でもよい。
【0032】
ジッパー補助装置10は、患者または操作者が図6から図11に示す圧迫長靴下製品1を開閉するよう、一対の走行路6,8に沿ってジッパー2を引っ張る動作を補助する。走行路6,8は典型的には圧迫長靴下6,8に縫い合わされている。中央スライダー4は、ジッパー2を操作すべく走行路6,8をインターロックするため、一対の走行路6,8の各歯部をインターロックするように作用する。スライダー4は、スライダー4を引っ張るためのタブ5を含んでいる。タブ5は開口部5aを含んでいる。
【0033】
図6から図11に示すように、圧迫長靴下1は患者の脚周囲に密着してフィットしてその治療目的を提供(達成)するものであり、よって脚周囲で圧迫長靴下1の両端を係合させるためにはジッパー2に相当程度の引っ張り力を必要とする。この相当程度の引っ張り力はジッパー2またはジッパー走行路6,8を損傷させることがある。
【0034】
本体部12は、プラスチック、金属その他の公知のどのような適切な材料によっても形成できる。本体部12は図1と同一形状である必要はなく、ジッパー2が閉じられるとき、ジッパー走行路6,8が分岐する角度を減少させるように概ね分岐したガイド経路14,16(guide channels)を有するどのような形状も有効であろう。本体部12は図1に示す一対の空隙部を含むことができる。この空隙部は美観目的であったり、材料を節約したり、本体部12の強靭性を変更させることができる。本体部12は、本体部12の取付端部に位置する整合プレート24をさらに含んでいる。本体部12にはノッチ20が形成されており、ジッパースライダー4がノッチ20内に受領されるよう、ジッパースライダー4に近似する形状を有している。整合プレート24は中央スライダー4の下をスライドし、中央スライダー4を受領するよう設計されている。このように、整合プレート24は走行路6,8の下をスライドすることで中央スライダー4に誘導支援を提供する。
【0035】
つまみ部22は、本体部12に形成された開口部25内にフィットする保持リング26によって本体部12に接続されている。保持リング26は、着用者が様々な角度からつまみ部22に容易にアクセスできるよう、つまみ部22を回転させる。実施態様によっては、リング26は不要であり、つまみ部22は本体部12の開口部25に直接取り付けることができる。前述のように、つまみ部22はリング形状で図示されているが、掴むことができるか、または1本以上の指を挿入させるどのような形状も適切である。
【0036】
一対のガイド経路14,16は本体部12の両側に配置されている。経路14及び16の各々は、くさび形の本体部12の中心部に略凹状に示されているが、その他の形状に製造することもできる。経路14,16はそれぞれジッパー走行路6,8の歯部を受領するよう筒形状となっている。経路14,16は本体部12と同じ材料で形成されているか、または本体部12と一体的に形成できる別の材料でも形成できる。好適には、ガイド経路14,16は、それぞれ金属などの耐久性があり低摩擦の材料で形成されるが、オプションでデルリン(登録商標)(Delrin)、テフロン(登録商標)又はその他のどのような好適な材料でも形成することもできる。ガイド経路14,16はそれぞれ各ガイド経路から延び出るそれぞれのアクセススロット(アクセス溝)28,30を含むこともできる。アクセススロット28,30はジッパー走行路6,8の一方をそれぞれ受領する。このように、アクセススロット28,30およびガイド経路14,16はジッパー走行路6,8の輪郭形状と近似しており、ガイド経路16,18内にジッパー走行路を有する。アクセススロット28,30、および経路14,16はそれぞれジッパー走行路6,8が閉じられる角度を減少させることで応力と摩擦力の集中を減ずるように設計されており、図8に示すようにそれらの当初角度間の緩やかな移行を提供している。好ましくは、アクセススロット28,30も耐久性のある低摩擦の材料で形成される。経路14,16は、経路14,16の上端に傾斜面15,17をそれぞれ含んでおり、ジッパー走行路6,8を容易に進入および退去させる。
【0037】
くさび形の本体部12とつまみ部22は、例えば図7Bに示すように操作者がつまみ部22とジッパースライダーのプルタブ5を同時的に掴むことができるよう、ジッパースライダー4のプルタブ5はつまみ部22に対して概ね重なって共に延びる方向性を有している。ジッパースライダーのプルタブ5は概ねつまみ部22と重なるか、または共に延びる構成であるが、その他の状況では図12から図16に示すようにジッパープルタブ延出部材80を利用することが適当な場合もある。プルタブ延出部材80は一対の離間したフランジ82を含んでおり、それらは、一対の離れたフランジ82を接続するピン81で架け渡されている(図15,16参照)。ピン81は一対の離れたフランジ82の一方に固定されており、一対の離れたフランジ82の他方に形成された対応する開口部にフィットするように設計されている。タブ開口部5aが一対の離れたフランジ82間をスライドしてピン81を受領するよう、ピン81に取り付けられていない方のフランジ82が一対の離れたフランジ82間に開口部を提供すべく可曲性となるよう、一対のフランジ82は可撓性である。フランジ82はその後に解放され、ピン81は一対のフランジ82のうちの他方のフランジに形成された対応する開口部内にフィットする。プルタブ延出部材80はその後プルタブ5に固定される。つまみ部84はつまみ部22のようにリング形状でよく、その中に1本または2本の指を挿入することができ、一対のフランジ82に取り付けられており、図7Bに示すように上方に裏返されたときにつまみ部22と概ね重なるか共に延びる位置となる大きさになっている。図12から図16にかけて示す実施例では、プルタブ延出部材80のつまみ部84とジッパー補助装置10のつまみ部22は、操作者の指がつまみ部22と84の両方を容易に通る大きさである。
【0038】
図7Cに示すように、ジッパー補助装置10はジッパー走行路6と8との間の当初角度を減少させるように作用し、徐々で一貫したジッパーの閉じ角度αを維持してジッパー走行路6,8にかかる応力を減少させる。ジッパーの閉じ角度αは本体部12のサイズにより変動する。一対のガイド経路14,16は、合同で角度αを形成するそれぞれのガイド角度βを形成する。好適な実施例では、角度αはガイド経路14と16の最上部から計測して好適には約50度である。ガイド経路14と16の凹形状のため、相対的なジッパー閉じ角度αは、ジッパー経路6,8がジッパー走行路14,16を移動するときにだんだん大きくなる。
【0039】
衣服1が着用される肢部に隙間を提供するため、ジッパー補助装置10の片面には弓形くぼみ27が形成されている。弓形くぼみ27はノッチ20を有する面の反対側の面に形成されている。
【0040】
圧迫長靴下1のジッパー補助装置の操作は、図6から図11にかけて示されている。図6に示すように、ジッパー2の中央スライダー4は好適には完全にジッパーが開かれた位置にある。ジッパー補助装置10はその後、図6で最も上方に示されている、ジッパー走行路6と8のジッパーが開かれた位置の付近に配置される。各走行路6,8はジッパー補助装置10の各ガイド経路14,16の付近に配置される。両走行路6,8をガイド経路14,16の両方に同時的に挿入することもできるが、着用者はガイド経路14又は16に走行路6又は8をそれぞれ挿入し、その後、他方の走行路6又は8をガイド経路14又は16にそれぞれ挿入することを望むであろう。図7に示すようにジッパー補助装置10はその後、ジッパー補助装置10がジッパー2に接近するまでジッパー走行路6,8をスライド下降する。ジッパー補助装置10の整合プレート24は中央スライダー4の裏側をスライドすることでジッパー2に追加の支持を提供する。図6から図11にかけて示すように、プルタブ5の延長が必要な場合、ジッパープルタブ延出部材80のつまみ部84がつまみ部22と概ね重なるか共に延びるべく整合するよう、ジッパープルタブ5を延長させるためにジッパープルタブ延出部材80がタブ5に取り付けられる。別の実施例では、ジッパー補助装置10とプルタブ5は、延出部材80が不要な大きさとしてもよい。
【0041】
図8に示すように、延出部材80のつまみ部84とジッパー補助装置10のつまみ部22が略同心となるように、ジッパー延出部材80がジッパー補助装置10と概ね重なるか、または同一方向に向くと、着用者は、図8,図9および図10に連続して示すように、ジッパー補助装置10をジッパー走行路6,8に沿ってジッパー2を閉じるように本体12のつまみ部22と延出部材80のつまみ部84を引っ張る。ジッパー補助装置10がジッパー走行路6,8の最上部の閉じ位置に到達すると、ジッパー補助装置10はその後、ジッパープルタブ5またはジッパープルタブ延出部材80(使用されている場合)を解放することでジッパー2から外される。このように延出部材80は図11に示すように下方にはじかれ、ジッパー補助装置10は衣服1および延出部材80から引っ張られて離れる。
【0042】
ジッパープルタブ延出部材80が使用される場合には、その部材80を設置するステップと逆順序で外される。別実施態様では、衣服はジッパープルタブ延出部材80を装着した状態で販売されてもよく、延出部材80は使用中もジッパープルタブ5に取り付けたままであってもよい。
【0043】
ジッパー補助装置の別実施例は、図12から図16に符号100で示されている。ジッパー補助装置100は、くさび形の本体部112と、その本体部112両側に形成された一対のガイド経路114,116を含んでいる。つまみ部122は、本体部112に形成された開口部125と相互接続するように提供されている。
【0044】
各ガイド経路114,116はそれぞれにアクセススロット(アクセス溝)128,130を有する。さらに各ガイド経路114,116は、ジッパー走行路6,8の出入りを容易にするための傾斜面114,117を有する。本体部112は、本体部112の接続端にそれぞれ配置された整合プレート124を含んでいる。整合プレート124はジッパー2の中央スライダー4の裏側をスライドし、受領するように設計されている。このようにして、整合プレート124は走行路6,8の裏側をスライドし、中央スライダー4を導く補助を提供する。
【0045】
以上、いくつかの実施例によるジッパー補助装置について説明した。本発明の多様な詳細についてはその範囲から逸脱することなく変更することができる。更に、前述した本発明の好適実施例と最良実施態様は例示的なものであり、本発明を限定するものではない。本発明の範囲は「特許請求の範囲」によって定められる。
【符号の説明】
【0046】
2 ジッパー
4 ジッパーの中央スライダー
6,8 ジッパーの走行路
10 ジッパー補助装置
12 本体部
14,16 ガイド経路
20 ノッチ
22 つまみ部(ハンドル)
24 整合プレート
25 開口部
27 弓形くぼみ(弓形凹部)
28,30 アクセススロット(アクセス溝)
80 ジッパープルタブ延出部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジッパースライダーを有するジッパーの開閉を補助するための装置であって、
当該ジッパーのジッパースライダーは、ジッパー走行路に沿って開閉方向のそれぞれに移動するときに、対をなす両側のインターロック可能なジッパー走行路を選択的に分離および接続することによって当該ジッパーを開閉するスライダーであり、
本ジッパー補助装置は、
(a)それぞれにガイド角を形成する第1及び第2の分岐したガイド経路を有してなる本体部であって、
前記第1及び第2のガイド経路は、それらガイド経路のガイド角に対応するように、前記ジッパースライダーの前方でジッパー走行路の閉角度を減少させるため、前記ジッパースライダーの前方での、当該ガイド経路に沿った前記ジッパー走行路の、スライドするがインターロックしない動作のために、それぞれのジッパー走行路を受け入れるためのガイド経路である、本体部と、
(b)前記ジッパーの少なくとも一部に沿って、前記本体部の手動引っ張り動作を許容すべく前記本体部に取り付けられたつまみ部であって、
操作者が前記ジッパースライダーを閉方向にスライドさせるときに、前記ジッパースライダーのプルタブと当該つまみ部とを同時に掴むことができるよう、前記ジッパースライダーの前記プルタブに対して同じ方向に向けて配置されている、つまみ部と、
を備えてなることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記本体部はくさび形であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の分岐したガイド経路は、前記本体部の中央線の両側に凹状面を形成していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記本体部は、当該本体部に取り付けられているつまみ部を受領する開口部を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
それぞれのガイド経路は、それぞれのジッパー走行路をそれぞれのガイド経路内に受領および保持させるために、各ガイド経路の周辺部に形成された相対的に狭目のアクセス用スロットを更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記本体部は、本装置のジッパー走行路との整合を補助し維持するため、前記本体部の引っ張り動作中にジッパーにスライド支持を提供するために、ジッパースライダーのインターロックポイントに配置された整合プレートを更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
各ガイド経路は、各ジッパー走行路の進入および退去を容易にするため、各ガイド経路の端部に斜面を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記本体部は、前記ジッパースライダーをその中に受領するため、前記ジッパースライダーの形状に近似する形状のノッチを備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ジッパースライダーがアクセスプレートに向けてノッチに進入すべくスライドできるように、前記ノッチはアクセスプレートの基端部に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
ほぼ前記つまみ部と共に延び、且つジッパープルタブに取り付けられたジッパープルタブ延出部材を更に備えてなることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
患者の手足周囲でスライド移動できるよう隙間を提供するため、前記ノッチの反対側の面に形成された弓形凹部を更に備えてなることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
ジッパースライダーを有するジッパーの開閉を補助するための装置であって、
当該ジッパーのジッパースライダーは、ジッパー走行路に沿って開閉方向のそれぞれに移動するときに、対をなす両側のインターロック可能なジッパー走行路を選択的に分離および接続することによって当該ジッパーを開閉するスライダーであり、
本ジッパー補助装置は、
(a)第1及び第2の分岐したガイド経路を有してなる本体部であって、
前記第1及び第2のガイド経路は、前記ジッパースライダー前方で前記ジッパー走行路の閉角度を減少させるよう、前記ジッパースライダー前方のガイド経路に沿った前記ジッパー走行路をスライドするがインターロックしない動作を提供するため、それぞれのジッパー走行路を受け入れるためのガイド経路である、本体部と、
(b)前記ジッパーの少なくとも一部に沿って前記本体部の引っ張り動作を許容すべく前記本体部に取り付けられたつまみ部と、
(c)前記ジッパースライダーを受領するために前記ジッパースライダーの形状に近似するよう前記本体部に形成されたノッチと、
を備え、
(d)前記つまみ部は、操作者が前記ジッパースライダーを閉方向にスライドさせるときに、前記ジッパースライダーのプルタブと前記つまみ部とを同時に掴むことができるよう、前記ジッパースライダーの前記プルタブに対して概ね同一方向に向けて配置されている、ことを特徴とする装置。
【請求項13】
前記本体部はくさび形であることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1及び第2の分岐したガイド経路は、前記本体部の中央線の両側にそれぞれ対称形状の凹状面を形成していることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記本体部は、当該本体部に取り付けられているつまみ部を受領する開口部を含んでいることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項16】
それぞれのガイド経路は、それぞれのジッパー走行路をそれぞれのガイド経路内に受領および保持させるために、各ガイド経路の周辺部に形成された相対的に狭目のアクセス用スロットを更に備えていることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記本体部は、本装置のジッパー走行路との整合を補助し維持するよう、前記本体部の引っ張り動作中にジッパーにスライド支持を提供するための、ジッパースライダーのインターロックポイントに配置された整合プレートを更に備えていることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項18】
各ガイド経路は、各ジッパー走行路の進入および退去を容易にするため、各ガイド経路の端部に斜面を更に備えていることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項19】
ジッパープルタブを延出させるよう、ほぼ前記つまみ部と共に延び、且つ前記ジッパープルタブに取り付けられたジッパープルタブ延出部材を更に備えてなることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項20】
患者の手足周囲でスライド移動させる隙間を提供するため、前記ノッチの反対側の面に形成された弓形凹部を更に備えてなることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項21】
ジッパースライダーを有するジッパーの閉動作を補助するための方法であって、
当該ジッパーのジッパースライダーは、ジッパー走行路に沿って開閉方向のそれぞれに動くときに、対をなす両側のインターロック可能なジッパー走行路を選択的に分離および接続することによってジッパーを開閉するスライダーであり、
本方法は、
(a)第1及び第2の分岐したガイド経路を有する本体部を含んだ装置を提供するステップであって、
前記第1及び第2のガイド経路は、前記ジッパースライダーの前方で前記ジッパー走行路の閉角度を減少させるよう、インターロック可能な一対の走行路を選択的に接続する中央ジッパースライダーの前方で、ガイド経路に沿ってスライドするがインターロックしないように前記ジッパー走行路のそれぞれを受け入れるためのガイド経路であり、
前記本体部の手動での引っ張り運動を許容すべく、つまみ部が前記本体部に取り付けられている、装置提供ステップと、
(b)各ジッパー走行路を前記ガイド経路のそれぞれに挿入させるステップと、
(c)本装置を前記ジッパースライダーの手前にスライドさせるステップと、
(d)前記本体部に取り付けられている前記つまみ部と前記ジッパースライダーのプルタブとを掴むステップと、
(e)前記ジッパーを閉じるために前記ジッパー走行路に沿って、前記つまみ部の手動操作によって本装置を移動させるステップと、
を含んでいることを特徴とする方法。
【請求項22】
前記各ジッパー走行路を各ガイド経路に挿入するステップは、同時的に実施されることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記各ジッパー走行路を各ガイド経路に挿入するステップは、順番に実施されることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項1】
ジッパースライダーを有するジッパーの開閉を補助するための装置であって、
当該ジッパーのジッパースライダーは、ジッパー走行路に沿って開閉方向のそれぞれに移動するときに、対をなす両側のインターロック可能なジッパー走行路を選択的に分離および接続することによって当該ジッパーを開閉するスライダーであり、
本ジッパー補助装置は、
(a)それぞれにガイド角を形成する第1及び第2の分岐したガイド経路を有してなる本体部であって、
前記第1及び第2のガイド経路は、それらガイド経路のガイド角に対応するように、前記ジッパースライダーの前方でジッパー走行路の閉角度を減少させるため、前記ジッパースライダーの前方での、当該ガイド経路に沿った前記ジッパー走行路の、スライドするがインターロックしない動作のために、それぞれのジッパー走行路を受け入れるためのガイド経路である、本体部と、
(b)前記ジッパーの少なくとも一部に沿って、前記本体部の手動引っ張り動作を許容すべく前記本体部に取り付けられたつまみ部であって、
操作者が前記ジッパースライダーを閉方向にスライドさせるときに、前記ジッパースライダーのプルタブと当該つまみ部とを同時に掴むことができるよう、前記ジッパースライダーの前記プルタブに対して同じ方向に向けて配置されている、つまみ部と、
を備えてなることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記本体部はくさび形であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の分岐したガイド経路は、前記本体部の中央線の両側に凹状面を形成していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記本体部は、当該本体部に取り付けられているつまみ部を受領する開口部を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
それぞれのガイド経路は、それぞれのジッパー走行路をそれぞれのガイド経路内に受領および保持させるために、各ガイド経路の周辺部に形成された相対的に狭目のアクセス用スロットを更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記本体部は、本装置のジッパー走行路との整合を補助し維持するため、前記本体部の引っ張り動作中にジッパーにスライド支持を提供するために、ジッパースライダーのインターロックポイントに配置された整合プレートを更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
各ガイド経路は、各ジッパー走行路の進入および退去を容易にするため、各ガイド経路の端部に斜面を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記本体部は、前記ジッパースライダーをその中に受領するため、前記ジッパースライダーの形状に近似する形状のノッチを備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ジッパースライダーがアクセスプレートに向けてノッチに進入すべくスライドできるように、前記ノッチはアクセスプレートの基端部に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
ほぼ前記つまみ部と共に延び、且つジッパープルタブに取り付けられたジッパープルタブ延出部材を更に備えてなることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
患者の手足周囲でスライド移動できるよう隙間を提供するため、前記ノッチの反対側の面に形成された弓形凹部を更に備えてなることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
ジッパースライダーを有するジッパーの開閉を補助するための装置であって、
当該ジッパーのジッパースライダーは、ジッパー走行路に沿って開閉方向のそれぞれに移動するときに、対をなす両側のインターロック可能なジッパー走行路を選択的に分離および接続することによって当該ジッパーを開閉するスライダーであり、
本ジッパー補助装置は、
(a)第1及び第2の分岐したガイド経路を有してなる本体部であって、
前記第1及び第2のガイド経路は、前記ジッパースライダー前方で前記ジッパー走行路の閉角度を減少させるよう、前記ジッパースライダー前方のガイド経路に沿った前記ジッパー走行路をスライドするがインターロックしない動作を提供するため、それぞれのジッパー走行路を受け入れるためのガイド経路である、本体部と、
(b)前記ジッパーの少なくとも一部に沿って前記本体部の引っ張り動作を許容すべく前記本体部に取り付けられたつまみ部と、
(c)前記ジッパースライダーを受領するために前記ジッパースライダーの形状に近似するよう前記本体部に形成されたノッチと、
を備え、
(d)前記つまみ部は、操作者が前記ジッパースライダーを閉方向にスライドさせるときに、前記ジッパースライダーのプルタブと前記つまみ部とを同時に掴むことができるよう、前記ジッパースライダーの前記プルタブに対して概ね同一方向に向けて配置されている、ことを特徴とする装置。
【請求項13】
前記本体部はくさび形であることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1及び第2の分岐したガイド経路は、前記本体部の中央線の両側にそれぞれ対称形状の凹状面を形成していることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記本体部は、当該本体部に取り付けられているつまみ部を受領する開口部を含んでいることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項16】
それぞれのガイド経路は、それぞれのジッパー走行路をそれぞれのガイド経路内に受領および保持させるために、各ガイド経路の周辺部に形成された相対的に狭目のアクセス用スロットを更に備えていることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記本体部は、本装置のジッパー走行路との整合を補助し維持するよう、前記本体部の引っ張り動作中にジッパーにスライド支持を提供するための、ジッパースライダーのインターロックポイントに配置された整合プレートを更に備えていることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項18】
各ガイド経路は、各ジッパー走行路の進入および退去を容易にするため、各ガイド経路の端部に斜面を更に備えていることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項19】
ジッパープルタブを延出させるよう、ほぼ前記つまみ部と共に延び、且つ前記ジッパープルタブに取り付けられたジッパープルタブ延出部材を更に備えてなることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項20】
患者の手足周囲でスライド移動させる隙間を提供するため、前記ノッチの反対側の面に形成された弓形凹部を更に備えてなることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項21】
ジッパースライダーを有するジッパーの閉動作を補助するための方法であって、
当該ジッパーのジッパースライダーは、ジッパー走行路に沿って開閉方向のそれぞれに動くときに、対をなす両側のインターロック可能なジッパー走行路を選択的に分離および接続することによってジッパーを開閉するスライダーであり、
本方法は、
(a)第1及び第2の分岐したガイド経路を有する本体部を含んだ装置を提供するステップであって、
前記第1及び第2のガイド経路は、前記ジッパースライダーの前方で前記ジッパー走行路の閉角度を減少させるよう、インターロック可能な一対の走行路を選択的に接続する中央ジッパースライダーの前方で、ガイド経路に沿ってスライドするがインターロックしないように前記ジッパー走行路のそれぞれを受け入れるためのガイド経路であり、
前記本体部の手動での引っ張り運動を許容すべく、つまみ部が前記本体部に取り付けられている、装置提供ステップと、
(b)各ジッパー走行路を前記ガイド経路のそれぞれに挿入させるステップと、
(c)本装置を前記ジッパースライダーの手前にスライドさせるステップと、
(d)前記本体部に取り付けられている前記つまみ部と前記ジッパースライダーのプルタブとを掴むステップと、
(e)前記ジッパーを閉じるために前記ジッパー走行路に沿って、前記つまみ部の手動操作によって本装置を移動させるステップと、
を含んでいることを特徴とする方法。
【請求項22】
前記各ジッパー走行路を各ガイド経路に挿入するステップは、同時的に実施されることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記各ジッパー走行路を各ガイド経路に挿入するステップは、順番に実施されることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2012−528669(P2012−528669A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513919(P2012−513919)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/046554
【国際公開番号】WO2010/141029
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(501356226)ビーエスエヌ メディカル,インク. (17)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/046554
【国際公開番号】WO2010/141029
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(501356226)ビーエスエヌ メディカル,インク. (17)
【Fターム(参考)】
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