説明

ジップファスナー用止具

【課題】実用的なジップファスナー及びジップファスナーに止具を形成する方法を提供すること。
【解決手段】 本発明のジップファスナー2は、一対のテープ4、6と、当該テープ4、6の隣接縁部20、22に沿って設けられた噛合エレメント12、14とからなり、止具26が成型されるギャップ28を形成するため、テープは、一部切除されると共に、噛合エレメント12、14から離れる方向で、テープ縁部20、22に延びる止具26が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジップファスナーに止具を取り付けることに関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は、特に成型された噛合エレメントを備えたジップファスナーに関するものであるが、本発明は、ファスナーテープの縁部の所定の位置に挟着された金属製のエレメントにも使用することが出来るのである。
【0003】
本発明は、耐水性スライドファスナーに役に立つのである。特に、ファスナーテープの一面において、噛合エレメントの面の上に、複数の耐水性層が互いに当接し、水の浸入を防ぐシールを形成する耐水性スライドファスナーのために役立つのである。このような耐水性スライドファスナーは、例えば、欧州特許出願公開第1175842号明細書及び欧州特許出願公開第1057423号明細書に開示されている。
【0004】
他のタイプの耐水性ファスナーも知られている。例えば、国際公開第03/037132号パンフレットには、成型された噛合エレメントの中間の面に当接する耐水性層が配されていることが開示されている。又、特開2004−321547号公報には、より強固な耐水性又は気密性のシールを形成するために強い力で耐水性層が連結されることが記載されている。
【0005】
ジップファスナーに止具を形成するために色々な方法が存在する。本発明は、特に、噛合エレメント列の端部においてファスナーテープが連結されている閉鎖型の止具、更に具体的に言えば、下止具を形成することに関するものである。本発明は、又、開口型の端部、特に上止具を形成するためにも役立つのである。前記下止及び上止は、スライドファスナーの開閉を操作するスライダーが抜け落ちないようにするために形成される。
【0006】
一般には、1本又は2本のファスナーテープに金属片を挟着することによって止具を形成する。下止具については、止具部材は、二本のテープを連結するように架橋して設け、上止具については、テープの縁部に金属部材を挟着して設ける。又は、各テープの縁部で噛合エレメントの端部に上止具を設けて開口型の止具としても良いのである。止具の取付を容易にするため、噛合エレメント列にギャップを形成しても良い。特に連続コイルタイプの噛合エレメントが使用された場合には、ギャップは、エレメントを除去することによって形成しても良いし、エレメントがテープ縁部に成型又は挟着されているディスクリートタイプのエレメント(単体エレメント)の間にギャップ即ちスペースを作ることによって簡単に形成することが出来る。
【0007】
連続コイルタイプの噛合エレメントについては、止具を形成するために噛合エレメント自体を使用する多数の試みが為されてきた。これらの試みは、一般に、(下止具については)対向するエレメントを連結した状態で溶融するため、又は、(上止具を形成するためには)テープ縁部において上端部の隣接するエレメントを溶融するため、例えば、英国特許出願公開第1270179号明細書に記載されているようなエレメントの溶融を伴うものであった。
【特許文献1】欧州特許出願公開第1175842号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1057423号明細書
【特許文献3】国際公開第03/037132号パンフレット
【特許文献4】特開2004−321547号公報
【特許文献5】英国特許出願公開第1270179号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、一般的に、従来のこのようにエレメントを溶融して止具を作ると、止具の形状が満足の行かないものになるという結果が生じたのである。
【課題を解決しようとする手段】
【0009】
本発明の第1の特徴においては、ジップファスナーは、一対のファスナーテープと、当該テープの隣接縁部に沿って設けられた噛合エレメントとからなるジップファスナー2において、当該ファスナーテープは、当該噛合エレメントの末端位置に、当該ファスナーの噛合エレメントから離れる方向で、当該テープ縁部に沿って延びる止具が設けられるのである。
止具が設けられているテープ縁部間には、大形ギャップが設けられていることが好ましく、当該大形ギャップは、噛合エレメントが存在する領域におけるテープの対向する縁部間のギャップよりも大きい。
【0010】
大形ギャップは、ファスナーテープの対面する縁部を切除することによって形成されていることが好ましい。噛合エレメントは、連続するコイルによって形成されていること、及び、当該コイルは、ファスナーテープの縁部とともに切除されていることが好ましい。
【0011】
成型材料は、当該ファスナーの少なくとも一方側においてテープ面の上に延びていることが好ましい。
【0012】
ファスナーは、耐水性ファスナーであることが好ましく、ファスナーテープの一方側又は両側には耐水性材料の層が設けられていることが好ましい。耐水シール構造を形成するために、当該耐水性層は、互いに当接していることが好ましい。
【0013】
止具の材料は、テープの一面をカバーするように延びていることが好ましい。止具の材料は、耐水性層の隣接する領域をカバーするように延びていることが好ましい。止具の成型材料は、テープの一端まで延びていることが好ましく、テープ長さの延長部を形成していることが好ましい。成型材料は、噛合エレメントから離れたテープの外側縁部まで延びていることが好ましい。成型材料の厚みは、テープの外側縁部の方向にテーパーしていてもよい。
【0014】
テープを貫通して孔が設けられていることが好ましい。止具の成型材料は、当該孔を貫通して延びている。テープの止具を成型するための金型の位置づけピンを収容するためテープに孔を設けることが好ましい。止具は、下止具であることが好ましい。
【0015】
本発明の別の特徴においては、テープ縁部の噛合エレメントの上端部には上止具が設けられており、当該テープ縁部は止具によってカバーされている領域において切除されている。
【0016】
本発明の更に別の特徴においては、止具は、テープを連結するためにファスナーテープの対向する縁部の間を成型することによって形成される。止具を成型する前に対向する縁部の間に大型ギャップを形成するため一つ又は両方の縁部を切除してもよい。止具を成型する前に止具の領域においてテープ縁部から噛合エレメントを削除しても良い。エレメントは、当該エレメントが取り付けられているテープ領域とともに切除することが好ましい。
【0017】
止具は、テープの噛合エレメントのうちの末端のエレメントに近いことが好ましい。止具は、末端のエレメントと重合していても良く、末端のエレメントを包持していてもよい。
【0018】
本発明の更に別の特徴においては、ジップファスナーに止具を形成する方法が提供される。当該方法は、ファスナーテープの縁部を切除する工程と当該ファスナーテープの切除された縁部に止具を成型する工程とからなる。
【0019】
本発明の他の好ましい特徴は、以下の発明の詳細な説明及びここに添付した特許請求の範囲を読めば明白になる。
【実施例】
【0020】
本発明は、添付図面を参考に実施例を例として以下に詳しく説明する。先ず図1及び図2に関して説明するが、これらの図面は、欧州特許出願公開第1057423号明細書に示されている一般型の耐水性ジップファスナーを示している。一対のファスナーテープ4、6は、ポリエステル材料で編成又は織成されたテープ層5、7で形成されている。当該技術分野において周知であるように、テープ層5、7の下面16、18には、テープ層の隣接する縁部20、22に噛合エレメント12、14が縫着されている。噛合エレメント12、14は、テープ4、6が形成されると同時に織込み又は編込みされてもよいのである。テープ層5、7の上面にはポリウレタンのようなエラストマー性を備える耐水性材料で作られた耐水性層8、10が設けられている。これらの層の材料は、互いに容易に連結することができるように相容性である。相容性とは、互いに接着しやすい性質を有することである。耐水性層8、10は、テープ層5、7に接着剤又は熱を使用して所定の位置でラミネート状に連結されてもよい。テープ層5、7の上に耐水性層8、10を押出成型することによって耐水性層8、10を形成することが好ましい。図3及び図5に観られるように、耐水性層8、10は、ファスナーエレメント12、14の面の上で中心線24の位置で当接し、耐水シールを形成している。ここまで説明してきた構造は、当該技術分野においては周知の構造である。
【0021】
噛合エレメント12、14は、図示を省略するスライダーによって噛合、解除される。前記スライダーは、ファスナーテープ面に平行な上翼部、下翼部を備え、それらが案内柱によって連結されている。ここでスライダーについては代表的な形状を記載したが、この形状に限定されないのはもちろんである。図1及び図2には、参照番号26で示されている成型された下止具が示されている。
【0022】
先ず、図3及び図4を参照して止具26の構成を説明する。図3及び図4は、止具26を形成する前の状態のジップファスナー2を示している。図3及び図4からわかるように、ファスナーテープ4、6の一部が切除されて、噛合エレメントの末端位置33から下方に延びるテープ縁部20、22の対向する縁部領域30、32の間に大きいギャップ28が残る。この切除された領域は、噛合エレメント12、14及びこれらの噛合エレメントを支持しているテープ縁部を完全に除去する程十分に広く、残ったエレメント12、14の末端位置33からファスナーテープ4、6の端部40、42まで下方に延びている。このため、噛合状態のジップファスナー2では、ギャップ部28におけるテープ縁部間の間隔は、噛合エレメントの噛合状態の幅寸法よりも大きい。ギャップ28は、例えば、プレスを使って打ち抜くことによって、ナイフ等を使用することによって、テープ縁部をシールするため加熱切断をすることによって、又はレーザーを使用する等の色々な方法のうちのどれか一つの方法で切除されれば良いのである。
【0023】
次に、図1及び図2を参照するとわかるように、所定の位置に止具26を成型することによってギャップ28が充填される。図1及び図2には、好ましい形態の止具26が示されている。成型工程の際に耐水性層8、10と連結させるために、止具26は、耐水性層8、10と相容性のある材料で成型される。そして、この場合、ポリウレタンが好ましい。止具26の材料は、成型工程の際にテープ層5、7とも連結させるため、テープ層5、7の材料とも相容性のあることが好ましい。上に述べたように、耐水性層8、10自体は、テープ層5.7に押出成型される際にファスナーテープ4、6と連結するようにファスナーテープ4、6の材料と相容性がある。止具26は、耐水性層8、10の上面36、38の上に延びている上側部分44を備えた止具胴体34を有している。止具胴体34は、又、テープ層5、7の下面16、18の下に延びている下側部分46も有している。止具胴体34は、噛合エレメント12、14の末端位置33の上にある噛合エレメントの最後の一つ又は二つ及びこの領域にあるテープ4、6の上面及び下面の双方を包含する即ちカバーするように延びている。止具胴体34によって、噛合エレメント12、14の噛合解除を行う図示しないスライダーの抜け止めが為される。
【0024】
図6に示されているように、止具胴体34は、テープ4、6の対向縁部30、32の間にあるギャップ28を充填する。止具胴体34は、又、生地テープ4、6の下面16、18及び耐水性層8、10の上面36、38に載置され接着されるため、テープ縁部30、32に重なり合っている。
【0025】
図1について述べるが、止具26の材料は、耐水性層8、10の上面36、38をカバーするように延び、相容性のある耐水性層8、10の上面36、38と接着する層52を形成している。当該層52は、エレメント12、14を離れたテープ4、6の外側縁部48、50まで延びており、図2に示されているように、縁部の周りに延びて、テープの幅を多少増大させてもよい。図2に示されているように、止具26の材料は、生地層4、6の下面16、18をカバーするように延びる層54を形成するが、層52よりもカバーして延びる程度は小さいのである。層54は、止具胴体34の下側部分46から、ファスナーテープ4、6の下側方向で、一対のファスナーテープ4、6の互いに対向する縁部20、22に沿って延びており、縁部20、22間に充填されて成型されている。止具本体34の上側部分44及び下側部分46は、前記上面36、38と接着する層52と下面16、18をカバーする層54よりも突出している。
【0026】
止具26の材料は、テープ4、6の端部40、42まで下方に延びており、テープ4、6の長さを長くし、テープ端部40、42にシールを形成する領域56を形成するため、テープ端部40、42を越えて延びている。端部領域56は、耐水性層8、10と層62との間に生地層5、7をサンドイッチ状に配するためにテープ端部40、42の周りに延びていてもよいのである。
【0027】
図1及び図2には、金型内の支持ピン(図9及び図10を参照)が成型時にテープ4、6を所定位置に保持するために働いた層52に形成された小さい孔58と層62に形成された孔64が示されている。テープ4、6の下側コーナーに形成された孔60(図3及び4)は、金型においてテープを固定位置に保持する位置づけピンのためのものである。図2には、又、成型時にエレメント12、14を所定位置に保持するために働く位置づけピンによって止具胴体34の下側部分46に形成された孔が示されている。図3及び図4に関して述べると、止具胴体34の意図された位置において噛合エレメント12、14の夫々の側方に貫通孔66が形成されている。噛合エレメント12、14の末端位置33においてファスナーテープに止具胴体34を把持する把持力を強めるために、止具胴体34の材料はこれらの貫通孔66を貫通して表裏面を連結している。
【0028】
大型ギャップ28は、テープ端部40、42まで延びているけれども、当該ギャップ28は、端部40、42まで到達せずに終了しても良いのである。しかしより魅力的な仕上げとなるように、テープ端部40、42まで延びる領域において噛合エレメントの全てを除去するのが好ましいのである。これによって、噛合エレメントなどによる凹凸が無くなり、着用者にとってはより快適になるのである。
【0029】
次に、図7について説明する。図7は、隣接する縁部80、82に沿ってコイルタイプの噛合エレメント76、78を縫着した織成又は編成のファスナーテープ72、74からなるジップファスナー70を開示している。ファスナーテープは、図1乃至図6と同様である。一方のテープ72の上に開口タイプの止具84が既に成型されている。止具84、84´は、一部スライダー内に入り込み、スライダーに当接して抜け止めする。図面は、領域86においてその縁部領域82が切除され、切除された領域は、噛合エレメント76、78が存在する領域におけるテープ72、74の縁部間の隙間よりも大きく、そのため、コイルエレメント78の端縁よりも陥没した縁部88を形成するためにコイルエレメント78を除去しテープ74に(点線で図示された)開放型の止具84’を成型する前の状態にある他方のテープ74を示している。止具84、84’は、各噛合エレメント列の端部にある末端位置89より下にある最後の2〜3個の噛合エレメントをカバーしている。又、止具84、84´の上側延長部は、コイルエレメント78を除去した縁部88に沿って覆い、ファスナーテープ72、74の端部まで延びている。
【0030】
このように、上止具においても、噛合エレメントごとに切除した縁部として、上止具を形成することで、噛合エレメントなどによる凹凸が無くなり、又、止具から縁出する延長部が、テープ縁部をカバーすることで、止具の取付強度を向上するとともに、テープ縁部との凹凸を小さく、又は、平面的なものとでき、着用者が快適に着用することが出来る。又、図7に示すファスナーテープの反対面側に形成される図1乃至図6に表す層52のような、テープ表面に形成される層と相俟って、テープ縁部を止具とファスナーテープとが平面的に形成できる。
【0031】
次に、図8について説明する。この図は、二本の織成又は編成テープ94、96を連結する閉鎖型の上止具92を備えたジップファスナー90を示しており、これらのファスナーテープ94、96は、対向するテープ縁部102、104に沿ってコイルタイプの噛合エレメント98、100を備えている。噛合エレメント98、100とこれを支持するテープ縁部102、104は、噛合エレメント98、100の端縁より陥没したテープ縁部108、110を形成するため末端位置106の上で切除されている。末端位置106において及び切除されたテープ縁部108、110に沿い、且つテープ縁部間に配されて端部側の噛合エレメントをカバーするように止具92が成型されている。
【0032】
図1乃至図6で説明した下止と同様に、この上止具92によって、ファスナーテープが連結されている。上止具92は、端部の噛合エレメントをカバーし、且つ、スライダーが抜けることを防止する止具胴体101を備え、止具胴体101は逆U字状を呈し、これによって中央に噛合エレメント98、100方向に開口した凹部107が形成される。凹部107は、スライダーが止具胴体に接触するときに、スライダーに備える案内柱が収容される空間でもある。又、上止具92の止具胴体101の両側部に一体に形成され、ファスナーテープ上面に延出するヒレ部103、105を形成することで、上止具92がファスナーテープと、より強力に取り付けられる。尚、図8ではその裏面側が開示されていないが、図1の止具26の層52のように、ファスナーテープをカバーして接着していることが好ましい。
【0033】
図9及び図10は、インサート成型によって、即ち、ファスナー端部を成型孔124、126に配し、次に、当該成型孔124、126に止具26の材料を注入するインサート成型によって、ジップファスナーの端部に止具を形成するための金型半体120、122を概略的に示している。この発明による方法において、上に記載されたように、ファスナー2の端部にギャップ28が形成され、位置づけ孔60も端部40、42に形成される。ファスナー端部は、層5、7が成型孔124の底面128に対面した状態で、且つ、孔60がピン130に合致するような位置で配される。切断されたファスナーの端部噛合エレメントは、止具胴体46を形成する成型孔134においてピン132によって支持される。金型半体が連結されるので、溶融したプラスチック材料が、入口138を通って、上止具胴体44の形状を形成するために働く成型孔140に注入される間、金型半体122に設けられたピン136はファスナーを所定位置に保持するのである。
【0034】
以上、コイルタイプの噛合エレメントに関して本発明を説明してきたが、本発明は、(例えば、出願人のVISLON(登録商標)印のファスナーのような)成型された噛合エレメントを備えたファスナーにも適用することが出来ることを理解すべきである。このような成型ファスナーを切断する代わりに、製造の際にエレメントチェーンにギャップを形成し、従って、止具を所定位置に成型する前に対向するテープ縁部の間により大きなギャップを形成したいと考えている位置でテープ縁部のみを除去する事も可能である。
【0035】
以上の発明の詳細な説明の欄には色々な具体例が記載されているけれども、これらの具体例は、本発明の範囲を限定するように解釈すべきではなく、本発明の好ましい実施例を単にいくつか提供しているものと解釈すべきである。
従って、本発明の技術的範囲は、記載された実施例に判断するものではなく、むしろ添付の特許請求の範囲及びその均等物によって判断すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】 図1は、本発明の実施例を構成する耐水性ファスナーの正面図である。
【図2】 図2は、図1のファスナーの裏面図である。
【図3】 図3は、図1のファスナーの正面図であるが、下止具を所定位置に成型する工程の前の状態を示している。
【図4】 図4は、図1のファスナーの裏面図であるが、下止具を所定位置に成型する工程の前の状態を示している。
【図5】 図5は、図3のV−V線に沿って切った断面図である。
【図6】 図6は、図1のVI−VI線に沿って切った断面図である。
【図7】 図7は、本発明の実施例を構成する開口型の止具を示している。
【図8】 図8は、本発明の実施例を構成する閉鎖型の上止具を示している。
【図9】 図9は、本発明の実施例を構成する止具を成型するための金型半体を概略的に示している。
【図10】 図10は、本発明の実施例を構成する止具を成型するための金型半体を概略的に示している。
【符号の説明】
【0037】
2 耐水性ジップファスナー
4、6 ファスナーテープ、生地テープ
5、7 テープ層
8、10 耐水性層
12、14 噛合エレメント
16 下面
18 下面
20、22 隣接縁部
24 中心線
26 成型下止具
28 大形ギャップ
30、32 対向する縁部領域
33 末端位置
34 胴体部
36、38 上面
38 ギャップ
40、42 端部
44 上側部分
46 下側部分
48、50 外側縁部
52 層
56 領域
58 小孔
60 孔
64 孔
66 孔
70 ジップファスナー
72、74 ファスナーテープ
76 コイルタイプ噛合エレメント
78 コイルタイプ噛合エレメント
80 隣接縁部
82 隣接縁部
84’ 開きタイプ止具
84 止具
86 領域
88 支持テープ縁部
89 末端位置
90 ジップファスナー
92 閉鎖上止具
94 ファスナーテープ
96 ファスナーテープ
98、100 コイルタイプ噛合エレメント
102、104 支持テープ縁部
108、110 切欠きテープ縁部
120、122 金型半分
124、126 成型孔
130 ピン
132 ピン
134 孔
136 ピン
140 孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のファスナーテープ(4、6、72、74、94、96)と、当該テープ(4、6、72、74、94、96)の隣接縁部(20、22、80、82、108、110)に沿って設けられた噛合エレメント(12、14、76、78、98、100)とからなるジップファスナー(2)において、当該ファスナーテープ(4、6、72、74、94、96)は、当該噛合エレメント(12、14、76、78、98、100)の末端位置(33、89、106)に、当該ファスナー(2)の噛合エレメント(12、14、76、78、98、100)から離れる方向で、当該テープ縁部(20、22、80、82、108、110)に沿って延びる止具(26、84、84´、92)が設けられることを特徴とするジップファスナー。
【請求項2】
ファスナーテープ(4、6、94、96)は、テープ縁部(20、22、108、110)の間において、前記止具(26、92)によって連結されていることを特徴とする請求項1に記載されたジップファスナー。
【請求項3】
噛合エレメント(76、78)の末端位置(89)の近傍に開放型の止具(84、84´)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載されたジップファスナー。
【請求項4】
止具(26)が設けられているテープ縁部(20、22)間には、ギャップ部(28)が設けられており、当該ギャップ部(28)は、噛合エレメント(12、14)が存在する領域におけるファスナーテープ(4、6)の縁部間の隙間よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載されたジップファスナー。
【請求項5】
前記ギャップ部(28)は、ファスナーテープ(4、6)の縁部(20、22)を切除することによって形成されていることを特徴とする請求項4に記載されたジップファスナー。
【請求項6】
前記ギャップ部(28)を形成するために両方のファスナーテープ(4、6)の対面する縁部(20、22)が切除されていることを特徴とする請求項5に記載されたジップファスナー。
【請求項7】
開放型の止具(84、84´)によって、当該テープ縁部をカバーしていることを特徴とする請求項3のいずれか一つに記載されたジップファスナー。
【請求項8】
両方のファスナーテープ7(2、74)の対面する縁部(80、82)が切除されていること及び、両方のテープ縁部(80、82)には開放型の止具(84、84´)が設けられていることを特徴とする請求項3に記載されたジップファスナー。
【請求項9】
当該ファスナー(2)の噛合エレメント(12、14)は、連続するコイルによって形成されていること、及び、当該コイルは、ファスナーテープ(4、6)の縁部(20、22)とともに切除されていることを特徴とする請求項5、6、7又は8に記載されたジップファスナー。
【請求項10】
止具(26)を成型した成型材料は、当該ファスナー(2)の少なくとも一方側においてテープ面の上に延びていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載されたジップファスナー。
【請求項11】
ジップファスナー(2)は、耐水性ファスナー(2)であること、及び、ファスナーテープ(4、6)は、当該ファスナーテープ(4、6)のテープ層(5、7)の一方側又は両側に設けられた耐水性材料の層(8、10)を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載されたジップファスナー。
【請求項12】
耐水シール構造を形成するために、当該耐水性層(8、10)は、互いに当接していることを特徴とする請求項10に記載されたジップファスナー。
【請求項13】
止具(26)の材料は、テープ(4、6)の一面をカバーするように延びていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載されたジップファスナー。
【請求項14】
止具(26)の材料は、耐水性層(8、10)の隣接する領域をカバーするように延びていることを特徴とする請求項11又は12に記載されたジップファスナー。
【請求項15】
止具(26)の成型材料は、ファスナーテープ(4、6)の一端まで延びていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一つに記載されたジップファスナー。
【請求項16】
止具(26)の成型材料は、テープ長さ方向に延びる延長部(56)を形成していることを特徴とする請求項15に記載されたジップファスナー。
【請求項17】
テープ(4、6)を貫通して孔(66)が設けられていること、及び、止具(26)の成型材料は、当該孔(66)を貫通して延びていることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一つに記載されたジップファスナー。
【請求項18】
止具(26)をファスナーテープ(4、6)に成型するための金型(120)の位置づけピン(130、130)を収容するため、ファスナーテープ(4、6)には、孔60が設けられていることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一つに記載されたジップファスナー。
【請求項19】
止具(84、84’)は、一つ以上の噛合エレメント(76、78)を包持していることを特徴とする先行する請求項のいずれか一つに記載されたジップファスナー。
【請求項20】
ジップファスナー(2)に止具を形成する方法であって、当該方法は、ファスナーテープ(4、6)の縁部(20、22)を切除する工程と、当該ファスナーテープ(4、6)の切除された縁部に止具(26)を成型する工程とから成ることを特徴とするジップファスナーに止具を形成する方法。
【請求項21】
夫々のファスナーテープ(4、6)の切除された縁部に止具(26)を成型する前に、対向する縁部(20、22)の間にギャップ部(28)を形成するために一対のファスナーテープ(4、6)の対向するテープ縁部(20、22)の一方又は両方が切除されることを特徴とする請求項20に記載されたジップファスナーに止具を形成する方法。
【請求項22】
止具(26)を成型する前に、止具(26)の領域においてテープ縁部(20、22)から噛合エレメント(12、14)を切除することを特徴とする請求項20又は21に記載されたジップファスナーに止具を形成する方法。
【請求項23】
噛合エレメント(12、14)は、当該噛合エレメント(12、14)が取り付けられているテープ領域とともに切除されることを特徴とする請求項22に記載されたジップファスナーに止具を形成する方法。
【請求項24】
当該ファスナーテープ(4、6)には、耐水性層(8、10)が設けられていること、及び、止具(26)は、当該耐水性層(8、10)と相溶性である材料で成型され、止具(26)を形成する材料は、耐水性層(8、10)の面をカバーするように延びていることを特徴とする請求項20〜23のいずれか一つに記載されたジップファスナーに止具を形成する方法。
【請求項25】
ファスナーテープ(4、6)において止具(26)が成型される噛合エレメント(12、14)の端部の近傍には孔が形成されており、これによって、止具(26)を形成する材料は、当該孔を通って流れることを特徴とする請求項20〜24のいずれか一つに記載されたジップファスナーに止具を形成する方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate