説明

ジョイントコネクタ組立体

互いに回路基板によって連結され、接続端子によって第三コネクタと接続される第一コネクタおよび第二コネクタと、を含むジョイントコネクタ組立体がここに開示される。前記回路基板は、主体部ハウジングの上部領域に配置された前記第一コネクタおよび前記第二コネクタの下に配置された前記第三コネクタ上の中央に実装され、前記第三コネクタは、前記主体部ハウジングの下部領域に配置される前記主体部ハウジングと一体形成される。前記主体部ハウジングの上部領域は、それぞれ前記第一コネクタおよび前記第二コネクタ用の第一コネクタリセプタクルおよび第二コネクタリセプタクルを規定する。カバー部材が、前記回路基板を覆うように前記回路基板の下面に取り付けられる。本ジョイントコネクタ組立体は大きさを小さくされている。コネクタ同士が互いに電線無しで接続され、全てのコネクタが前記主体部ハウジングに挿入されるので、前記ジョイントコネクタ組立体を小スペースに据え付けることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジョイントコネクタ組立体に関し、特に、複数の接続線を用いなくとも接続端子だけでなく回路基板の直接接続によって複数のコネクタ同士が互いに電気的に接続され、これら構成部品が主体部ハウジングに実装されるジョイントコネクタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、コネクタは、コネクタハウジングと接続端子とからなり、例えば、洗濯機、冷蔵庫、乗り物などの電源回路に幅広く用いられている。そのようなコネクタが電気・電子機器に適用されると、数多くの個々の部品同士を前もって組み立て可能にしておき、その後生じた組立体を最終製品へ挿入することで、上述の機器の製造だけでなく維持および修理についてもかなり簡易なものとしている。
【0003】
一方のコネクタが他方のコネクタと接続することが望まれる場合には、両コネクタにそれぞれ備えられた端子が電気的に接続される。ここで、一方のコネクタに多くの端子が備えられ、他方のコネクタが複数端子に連続して接続されるバスバータイプの端子が備えられるものを考慮する。このコネクタはジョイントコネクタと称される。ジョイントコネクタは、電子製品内の様々な構成部品を互いに連結するために用いられる。
【0004】
乗り物に使用可能なコネクタに関して具体例を挙げると(図8A参照)、複数の電源線が、乗り物のボディフレームパネル700の前面、後面、右側面、左側面に向かって据え付けられ、コネクタ機構710によって乗り物の構成部品に接続される。例えば、複数の電源線が乗り物の前部領域に据え付けられるエンジンに接続されるエンジン線721、乗り物の左側領域および右側領域に据え付けられる空調機器に接続される空調線723、および乗り物の後部領域に据え付けられる音響機器に接続される音響線725を含んでもよい。
【0005】
上述したように、コネクタ機構710は、上述のエンジン線721、空調線723、音響線725へそれぞれ接続される第一コネクタ711、第二コネクタ713および第三コネクタ715を含む。第一コネクタ711、第二コネクタ713および第三コネクタ715には、第一コネクタ711、第二コネクタ713および第三コネクタ715同士をそれぞれ接続する第一コネクタ線711’、第二コネクタ線713’および第三コネクタ線715’が備えられる。
【0006】
図8Bを参照すると、コネクタ機構710は、乗り物のボディフレームパネル700に開けられた据え付け穴701を通じて挿入されることによって、乗り物のボディフレームパネル700の一表面に据え付けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の構成において、乗り物の前部領域および後部領域に接続された様々な電源線721,723,725は、乗り物の限られた狭いスペース内で非常に複雑な配置となるので、コネクタおよび電線の組立効率の低下を招く。
【0008】
さらにコネクタ機構710が道具を用いて据え付けられる際に、道具と摩擦接触することや、ツールの操作のために必要となる間隙を与えるために片側に折り曲げられることで、様々な電線が損傷してしまう場合がある。
【0009】
さらには、乗り物の構造的制限のため、複数の電線が同じ箇所に据え付けられ、鋭く曲げられるので、配置的に金属疲労による電線の損傷が避けられない。
【0010】
同じ箇所に複数の電線が据え付けられると、電線間の摩擦接触によってさらに損傷が酷くなってしまう。
【0011】
図8Bに示されるように、コネクタ710は、乗り物のボディフレームパネル700に開けられた据え付け穴701を通じて挿入されるので、据え付け穴701を覆うための別の部材が必要となる。ゆえに、据え付け工程数が増加してしまい、乗り物のボディフレームパネル700の強度も低下してしまう。
【0012】
それゆえに、本発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一目的は、複数のコネクタ同士が接続端子だけでなく回路基板によって接続されるジョイントコネクタ組立体を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、互いに接続される際に、上部領域に受容される第一コネクタおよび第二コネクタがそれぞれ下部領域に受容される第三コネクタに接続されるジョイントコネクタ組立体を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、ジョイントコネクタ組立体における複数のコネクタのいくつかが一体的に形成されている主体部ハウジングを提供することである。
本発明の別の目的は、主体部ハウジングに連結された第一コネクタ、第二コネクタおよび第三コネクタが互いに接続されるコネクタ連結ユニットを提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、スライド部材が第一コネクタおよび第二コネクタに連結され、第一コネクタおよび第二コネクタがスライド部材の下方移動を通じて主体部ハウジングに挿入されるためのジョイントコネクタ組立体を提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、スライド部材がレバー部材と係合し、レバー部材の回転と関連して下方向へ移動することで、第一コネクタおよび第二コネクタの接続端子が第三コネクタと同時に接続されることが可能になるジョイントコネクタ組立体を提供することである。
【0017】
本発明の別の目的は、乗り物のボディフレームに直接的に連結可能な、または、ブラケットによって乗り物のボディフレームに連結可能な主体部ハウジングを備えるジョイントコネクタ組立体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明によれば、上述およびその他の目的は、互いに回路基板によって連結された第一コネクタおよび第二コネクタと、前記第一コネクタおよび前記第二コネクタに隣接して配置され、接続端子によってそれぞれ前記第一コネクタおよび前記第二コネクタに直接接続された第三コネクタを含むジョイントコネクタ組立体によって達成できる。
【0019】
前記回路基板は、前記第一コネクタおよび前記第二コネクタの下に配置され、かつ、前記第三コネクタ上に実装されていてもよい。
【0020】
前記第一コネクタおよび前記第二コネクタは、主体部ハウジングの上部領域に配置され、
前記第三コネクタは、前記主体部ハウジングの下部領域に配置されるように前記主体部ハウジングと一体形成され、
前記主体部ハウジングの上部領域が、それぞれ前記第一コネクタおよび前記第二コネクタが据え付けられる第一コネクタリセプタクルおよび第二コネクタリセプタクルを規定し、
前記回路基板は、前記第一コネクタおよび前記第二コネクタの下の前記第三コネクタの中央に実装され、
カバー部材が、前記回路基板を覆うように前記回路基板の下面に取り付けられてもよい。
【0021】
前記主体部ハウジングは、前記第一コネクタおよび前記第二コネクタがそれぞれ前記第三コネクタに接続可能とするように、前記第一コネクタおよび前記第二コネクタを前記第一コネクタリセプタクルおよび前記第二コネクタリセプタクル内へ挿入するためのコネクタ連結ユニットを備えてもよい。
【0022】
前記コネクタ連結ユニットは、
前記主体部ハウジングの両側面に備えられ、前記第一コネクタおよび前記第二コネクタの両側面端部に形成された凹部内へ挿入可能となるように、上端部に形成された突起を備え、前記第一コネクタおよび前記第二コネクタが前記主体部ハウジングの上部領域へ挿入されるための複数のスライド部材と、
各スライド部材の下端部と係合する両端を備え、前記主体部ハウジングの前面から上側に回転するように構成されたるレバー部材を含んでもよい。
【0023】
前記スライド部材の下端部は、直線状に配置された歯部を備え、
前記レバー部材の両端部は、前記直線状に配置された歯部と係合するように、環状に配置された歯部を備えてもよい。
【0024】
前記主体部ハウジングは、前記主体部ハウジングが乗り物のボディフレームの実装面と連結可能となるように、実装面連結構造を後面に備えてもよい。
【0025】
前記実装面連結構造は、
前記主体部ハウジングの前記後面に形成された連結ガイドと、
前記連結ガイドが挿入される連結レールと、乗り物のシャーシの前記実装面と連結するための乗り物のボディフレーム連結部材を備えるブラケットを含んでもよい。
【0026】
前記実装面連結構造は、
前記主体部ハウジングが前記乗り物のボディフレームの前記実装面と直接連結することを可能にするように、前記主体部ハウジングの前記後面に形成された乗り物のボディフレーム連結部材を含んでもよい。
【0027】
本発明のジョイントコネクタ組立体によれば、第一コネクタ、第二コネクタおよび第三コネクタが接続端子だけでなく互いに回路基板によって連結されるのでジョイントコネクタ組立体の大きさを小さくすることができる。
【0028】
さらに、本発明によれば、第一コネクタおよび第二コネクタが主体部ハウジングに受容され、特に第三コネクタが主体部ハウジングに一体形成されるので、ジョイントコネクタ組立体を小スペースに据え付け可能である。
【0029】
さらに、第三コネクタにおける接続端子は、第一コネクタおよび第二コネクタの接続端子と直接接続され、かつ、第一コネクタおよび第二コネクタが互いに回路基板によって連結されるので、各コネクタ同士を接続する付加的な電線は不要であるので、ジョイントコネクタ組立体が簡易な構造となる。
【0030】
さらに、主体部ハウジングの上部領域に配置された第一コネクタおよび第二コネクタは、主体部ハウジングの下部領域に配置された第三コネクタにそれぞれ接続されるので、たとえ、目的物の個々の前部領域および後部領域に電線が接続されたとしても、電線を鋭く曲げることによって各コネクタに接続された電線が損傷してしまうことを防止することが可能になる。
【0031】
本発明によれば、電気的干渉の危険性無しに接続端子が複数のコネクタを同時に電気的に接続することを実現させる一方で、第一コネクタおよび第二コネクタを主体部ハウジングに連結可能とするコネクタ連結ユニットが提供される。
【0032】
さらに、本発明によれば、ジョイントコネクタが配置される主体部ハウジングが、目的となる実装面に連結された実装面連結ユニットに接続される。これによって、乗り物のボディフレームの目的となる実装面に従来開けられていた据え付け穴を不要にでき、ゆえに、乗り物のボディーフレームの耐久性を損なうことなく、主体部ハウジングを任意の乗り物に簡易に据え付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、本発明のジョイントコネクタの電気的接続を説明する概略図である。
【図2】図2は、本発明のジョイントコネクタ組立体の分解斜視図である。
【図3】図3は、本発明のジョイントコネクタ組立体に含まれる回路基板とカバー部材の連結関係を説明する分解斜視図である。
【図4】図4は、本発明のジョイントコネクタ組立体における主体部ハウジングに第一コネクタが連結される状態を示す斜視図である。
【図5】図5は、本発明のジョイントコネクタ組立体における主体部ハウジングに第一コネクタおよび第二コネクタが連結される状態を示す斜視図である。
【図6】図6は、本発明のジョイントコネクタ組立体におけるレバー部材が完全に第一コネクタおよび第二コネクタと連結するように回転する状態を示す斜視図である。
【図7】図7は、本発明のジョイントコネクタ組立体に接続される電線を示す斜視図である。
【図8A】図8Aは、従来のコネクタの構成と作動を示す図である。
【図8B】図8Bは、従来のコネクタの構成と作動を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の上述の目的、特徴および効果は、添付の図面を用いて以下詳述されることでより明確に理解される。
【0035】
本発明の例示的な実施形態は、添付の図面を参照して詳述される。
【0036】
図1は、本発明のジョイントコネクタの電気的接続を説明する概略図である。図2は、本発明のジョイントコネクタ組立体の分解斜視図である。図3は、本発明のジョイントコネクタ組立体に含まれる回路基板とカバー部材の連結関係を説明する分解斜視図である。
【0037】
図示されるように、本発明のジョイントコネクタは、例えば、互いに電気的に接続される第一コネクタ10、第二コネクタ20および第三コネクタ30など、複数のコネクタを含む。第一コネクタ10と第三コネクタの一部は、第一接続端子10’と第三接続端子30’の一部とを通じて互いに直接的に接続される。同様に、第二コネクタ20と第三コネクタの残りの部分は、第二接続端子20’と第三接続端子30’とを通じて互いに直接的に接続される。さらに、回路基板410の回路基板接続端子411によって、第一コネクタ10と第二コネクタ20が互いに接続される。
【0038】
例えば、電力分配装置3から分配された電力は、第一コネクタ10および第二コネクタ20を通じて第三コネクタ30へ伝送される。電力は、回路基板410を通じて第一コネクタ10から第二コネクタ20へ伝送されてもよい。第一コネクタ10、第二コネクタ20および第三コネクタ30を通じての電力伝送経路は、伝送される信号種に基づいて様々な態様で決められる。
【0039】
上述した第一コネクタ10、第二コネクタ20および第三コネクタ30は、図2に示されるジョイントコネクタ組立体を構成する。
【0040】
ジョイントコネクタ組立体は、第一コネクタ10および第二コネクタ20が上部領域に配置され、第三コネクタ30が下部領域に配置され、第一コネクタ10と第二コネクタ20とを接続するための主体部ハウジング40を含む。第三コネクタ30が主体部ハウジング40と一体形成され、回路基板410が第三コネクタ30の中央に実装される。
【0041】
主体部ハウジング40は、第一コネクタ10と第二コネクタ20の挿入のための第一コネクタリセプタクル100と第二コネクタリセプタクル200を上部領域に一体的に規定している。第三コネクタ30は、主体部ハウジング40の中央に配置され、主体部ハウジング40を上部領域と下部領域とに垂直に分けている。
【0042】
図3に示されるように、第三コネクタ30は、第一コネクタ10および第二コネクタ20の底面に近接して配置され、主体部ハウジング40の前部領域および後部領域に分離して配置される。分離された第三コネクタ30間、すなわち第三コネクタ30間の中央部に、回路基板410が挿入され、固定されている。
【0043】
好適には、カバー部材420が、回路基板410の下面にさらに取り付けられ、第一コネクタ10、第二コネクタ20および第三コネクタ30の接続端子10’,20’,30’が回路基板410における回路基板接続端子411との電気的干渉することを防止する。
【0044】
第三コネクタ30間に挿入される回路基板410と接触する第三コネクタ30は、連結突起31,33を備える。連結突起31,33は、カバー部材420を固定するために用いられる。回路基板410の下面を覆うカバー部材420は、連結突起31,33に対応する連結凹部423,425を備える。本実施形態において、回路基板410が第三コネクタ30と連結するためのカバー部材420と同様の連結凹部を備えてもよいことが当然に理解される。
【0045】
再度図2を参照すると、端子保護部材600は、主体部ハウジング40内に実装されている。端子保護部材600は、第一コネクタ10、第二コネクタ20および第三コネクタ30の接続端子10’,20’,30’と回路基板410の回路基板接続端子411における挿入の際の曲がりによる端子損傷を防止する。
【0046】
端子保護部材600のさらに詳細な役割について考慮すると、各コネクタから外側へ突出する接続端子は、各コネクタを搭載する際に、または、コネクタがコネクタ間の電気的接続が成される際に曲がってしまう危険性がある。端子保護部材600は、第一コネクタ10、第二コネクタ20および第三コネクタ30の接続端子10’,20’,30’と回路基板410の回路基板接続端子411の挿入位置に対応した位置に開けられた複数の穴601を備える。よって、コネクタが実装または設置される際に、対応する接続端子が穴601に挿入されるので、子保護部材600が曲がってしまう危険性がないように接続端子を保護することが可能になる。
【0047】
主体部ハウジング40は、コネクタ連結ユニット500をさらに備える。コネクタ連結ユニット500は、第一コネクタリセプタクル100および第二コネクタリセプタクル200に挿入された第一コネクタ10および第二コネクタ20と主体部ハウジング40の下部領域に一体的に形成された第三コネクタ30とを連結させる。
【0048】
コネクタ連結ユニット500は、複数のスライド部材510およびレバー部材520を含む。スライド部材510は、それぞれ第一コネクタリセプタクル100および第二コネクタリセプタクル200における対向する側面にそれぞれ備えられる。レバー部材520は、スライド部材510と連結して回転するように構成されることで、第一コネクタ10および第二コネクタ20を第一コネクタリセプタクル100および第二コネクタリセプタクル200へ挿入させる。
【0049】
スライド部材510は、主体部ハウジング40の両横側面に規定されたスライド部材受容溝41内に挿入される。スライド部材510の下端部は、各スライド部材受容溝41の直下において、主体部ハウジング40の底面に開けられたスリット45を通じて主体部ハウジング40の外側に露出する。
【0050】
スライド部材510は、レバー部材520と連結した連結部材であり、レバー部材520が下方移動することで、第一コネクタ10および第二コネクタ20を第一コネクタリセプタクル100および第二コネクタリセプタクル200に挿入する。スライド部材510は、突起511を上端部に備えている。第一コネクタ10および第二コネクタ20は、それらの対向する端部に、スライド部材510の突起511に対応する凹部11,21が備えられている。凹部11,21は、突起511を囲むように構成される。スライド部材510の突起511が第一コネクタ10および第二コネクタ20の凹部11,21へ一旦完全に挿入されると、スライド部材510が第一コネクタ10および第二コネクタ20と連結される。
【0051】
第一コネクタ10および第二コネクタ20をスライド部材510の突起511へ容易に嵌合可能とするために、図2に参照されるように、各凹部11,21における突起511が挿入開始される挿入口は、突起511よりも幅広でもよい。
【0052】
より具体的には、凹部11の入り口の下端部が突起511の下端部よりも幅広であるように構成されるが、突起511の幅と等しくするために、凹部11の幅が突起511の挿入方向に沿って次第に減少していくようにされる。
【0053】
上述の構成において、凹部11の挿入口が突起511よりも幅広であることから凹部11と突起511との間に間隙が生じて、第一コネクタ10が不意に移動してしまうことを防止するために、突起511は、突起511と嵌合する凹部11の挿入口に対応した位置において、挿入線515を備える。好適には、凹部11が突起511よりも幅広であったとしても、挿入線515は、凹部11の挿入口に対応した形状を有することで、第一コネクタ10の凹部11の挿入口と連結されることによって、第一コネクタ10とスライド部材510との間の間隙をなくす。
【0054】
各スライド部材510は、下端部に直線状の歯部513が備えられる。直線状の歯部513は、主体部ハウジング40の対応するスリット45を通じて、主体部ハウジング40の外側に露出する。
【0055】
レバー部材520は、U字形状であり、対応するスライド部材510における直線状の歯部513に対応するように、右端部および左端部の両方それぞれに環状の歯部523を備える。
【0056】
レバー部材520の環状の歯部523は、スライド部材510の下端部に形成され主体部ハウジング40の対応するスリット45を通じて主体部ハウジング40の外側に露出する直線状の歯部513と係合するように構成される。それゆえにレバー部材520が回転すると、直線状の歯部513と環状の歯部523との係合によってレバー部材520に連結されたスライド部材510は、主体部ハウジング40を下方へスライドする。
【0057】
ここで、第一コネクタ10および第二コネクタ20とスライド部材510の上端部との連結順序を考慮すると、第一に、第一コネクタ10が主体部ハウジング40の後端部に連結するために突起511と嵌合し、次いで第二コネクタ20が主体部ハウジング40の前端部に連結するために突起511と嵌合する。
【0058】
レバー部材520は、レバー部材520の回転半径を抑制するために、両横側面において、第一回転抑制穴525および第二回転抑制穴527を備える。レバー部材520の回転半径を抑制するために、第二コネクタ20は、両横側面において、第一回転抑制穴525に挿入するための第一回転抑制突起23を備え、かつ、主体部ハウジング40は、両横側面において、第二回転抑制穴527に挿入するための第二回転抑制突起46を備える。ここで、第一回転抑制突起23は、各スライド部材510の外面に固定された第二コネクタ20の特定部に形成されている。
【0059】
主体部ハウジング40は、両横側面の上端部および下端部において、レバー部材520の回転を防止するための第一回転防止突起49aおよび第二回転防止突起49bをさらに備える。具体的には、第一回転防止突起49aおよび第二回転防止突起49bの一対は、下側の回転位置に保持されたレバー部材520が不意に上方へ回転してしまうことを防止するために、レバー部材520の両側面のどちらかを捕捉するよう機能する。それゆえ、第一回転防止突起49aおよび第二回転防止突起49bは、外力が及ばないときに回転してしまう危険性無しにレバー部材520の両側面のどちらかを支持するよう機能することができる。しかしながら、第一コネクタ10および第二コネクタ20を第三コネクタ30に連結させようとし、使用者が外力でレバー部材520を回転させる場合には、レバー部材520は、第一回転防止突起49aを通過して上方へ回転可能である。
【0060】
このようにして、レバー部材520は、スライド部材510を下方移動させるために主体部ハウジング40の前面まで下方へ回転した後、レバー部材520の第一回転抑制穴525および第二回転抑制穴527に第二コネクタ20の第一回転抑制突起23および主体部ハウジング40の第二回転抑制突起46が挿入されるまで、上方へ回転可能となる。
【0061】
また、主体部ハウジング40は、後面において、主体部ハウジング40を乗り物のボディフレームにおける目的となる実装面に連結する実装面連結構造を備えている。
【0062】
実装面連結構造は、主体部ハウジング40の後面に備えられる連結ガイド47と連結レール51を備えるブラケット50とを含む。連結ガイド47は、ブラケット50を主体部ハウジング40に連結可能とするように連結レール51にスライド可能に挿入される。ブラケット50は、後面から突出する複数の連結部材53をさらに備える。連結部材53は、乗り物のボディフレームの実装面に開けられた小連結穴へきつく挿入されることで、ブラケット50が乗り物のボディフレームに連結される。
【0063】
それゆえ、ブラケット50は、一方の面において主体部ハウジング40の後面と連結され、もう一方の面において乗り物のボディフレームの実装面に連結され、ゆえに、主体部ハウジング40と乗り物のボディフレームを連結する。
【0064】
図示しないが、別の実施形態においては、主体部ハウジング40を乗り物のボディフレームとブラケット50を用いることなく直接連結可能にするために、乗り物のボディフレームにおける小連結穴に挿入される連結部材53が、主体部ハウジング40の後面に備えられてもよい。または、主体部ハウジング40の連結ガイド47が挿入される連結レール51が、乗り物のボディフレームの実装面に備えられてもよい。
【0065】
上述の構成を備えるジョイントコネクタ組立体における第一コネクタ10、第二コネクタ20および第三コネクタ30の連結順序について詳述する。
【0066】
図4は、本発明のジョイントコネクタ組立体における主体部ハウジングに第一コネクタが連結される状態を示す斜視図である。図5は、本発明のジョイントコネクタ組立体における主体部ハウジングに第一コネクタおよび第二コネクタが連結される状態を示す斜視図である。図6は、本発明のジョイントコネクタ組立体におけるレバー部材が完全に第一コネクタおよび第二コネクタと連結するように回転する状態を示す斜視図である。
【0067】
最初に、第一コネクタ10、第二コネクタ20の接続端子10’,20’を回路基板410の回路基板接続端子411に接続可能とするために、主体部ハウジング40と一体形成された第三コネクタ30の中央部に回路基板410が実装される。この場合において、第一コネクタ10の接続端子10’も対応する第三コネクタ30の接続端子30’と接続され、第二コネクタ20の接続端子20’も対応する第三コネクタ30の接続端子30’と接続されることが当然に理解される。
【0068】
カバー部材420は、カバー部材420の連結凹部423,425がコネクタ30における連結突起31,33に挿入されることで回路基板410の下面に装着される。カバー部材420は、回路基板410の回路基板接続端子411が第三コネクタ30の接続端子30’と電気的に干渉してしまうことを防止するように機能する。
【0069】
さらに、端子保護部材600が、第三コネクタ30と回路基板410上に配置されるように、上側から主体部ハウジング40へ挿入される。
【0070】
次に、図4に示すように、第一コネクタ10の両横側面に形成された凹部11は、主体部ハウジング40の両横側面に挿入されるスライド部材510の突起511と嵌合する。この場合、凹部11の入り口は、第一コネクタ10の容易な据え付けを可能とするために、突起511より大きくされている。第一コネクタ10の凹部11が突起511と一旦嵌合すると、突起511の特定部に形成された挿入線515が凹部11と密に連結され、ゆえに、突起511と凹部11との間の間隙をなくすことができる。
【0071】
次に、図5を参照すると、第一コネクタ10と同様に、第二コネクタ20の両横側面において形成された凹部21は、スライド部材510の突起511の前端部に嵌合される。
【0072】
この場合、第一コネクタ10および第二コネクタ20は、第一コネクタリセプタクル100および第二コネクタリセプタクル200に挿入されるのではなく、所定の距離間を保ちながら第一コネクタリセプタクル100および第二コネクタリセプタクル200の上面に着座する。
【0073】
次に、図6を参照すると、使用者がレバー部材520を主体部ハウジング40の上部まで回転させると、レバー部材520の環状の歯部523と係合する直線状の歯部513を備えるスライド部材510は、レバー部材520の環状の歯部523がスライド部材510の直線状の歯部513に沿って回転することで、下方向へ移動する。この場合、レバー部材520は、第二コネクタ20の第一回転抑制突起23が第一回転抑制穴525に、主体部ハウジング40の第二回転抑制突起46が第二回転抑制穴527に挿入されるまで回転し、それゆえに、スライド部材510の移動方向を下方へと案内するように機能する。
【0074】
上述の工程において、端子保護部材600、第一コネクタ10および第二コネクタ20は、第一コネクタリセプタクル100および第二コネクタリセプタクル200内へ下方に移動する。その結果、第一コネクタ10、第二コネクタ20の接続端子10’,20’は、損傷する危険性無しに端子保護部材600の穴601内へ挿入され、同時に第三コネクタ30の接続端子30’に直接接続される。さらに、回路基板410の回路基板接続端子411は、第一コネクタ10、第二コネクタ20の接続端子10’,20’と接続する。
【0075】
このようにして、第一コネクタ10および第二コネクタ20は、回路基板410によって互いに電気的に接続される。第一コネクタ10と第三コネクタ30との間の電気的接続および第二コネクタ20と第三コネクタ30との間の電気的接続は、各接続端子10’,20’,30’によってなされる。
【0076】
図7は、本発明のジョイントコネクタ組立体に接続される電線を示す図である。
【0077】
上述したように、各コネクタ10,20,30が互いに電気的に接続されるジョイントコネクタ組立体1の主体部ハウジング40は、ブラケット50によって乗り物のボディフレームの目的となる実装面に直接装着されてもよく、乗り物のボディフレームの実装面に直接装着されてもよい。
【0078】
例えば、本発明のジョイントコネクタ組立体1における第一コネクタ10、第二コネクタ20および第三コネクタ30にそれぞれ接続される第一電線19、第二電線29および第三電線39は、図示されるように配置される。ゆえに、ジョイントコネクタ組立体1をより容易に据え付けることができ、据え付けられたジョイントコネクタ組立体1の大きさを小さくすることができる。
【0079】
様々な実施形態が本発明を実施するための最良の実施形態として記載された。
【0080】
本発明は、洗濯機や冷蔵庫、乗り物など、様々な電気・電子機器の電源回路に用いられるジョイントコネクタ組立体に適用可能である。
【0081】
本発明の好適な実施形態が例示的な目的において開示されたが、添付の特許請求の範囲に開示された発明の範囲および目的を逸脱しない限り、当業者であれば様々な変更、付加、置換を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0082】
1・・・ジョイントコネクタ組立体
10・・・第一コネクタ
20・・・第二コネクタ
30・・・第三コネクタ
40・・・主体部ハウジング
47・・・連結ガイド
50・・・ブラケット
51・・・連結レール
100・・・第一コネクタリセプタクル
200・・・第二コネクタリセプタクル
410・・・回路基板
411・・・回路基板接続端子
420・・・カバー部材
510・・・スライド部材
511・・・突起
513・・・直線状の歯部
520・・・レバー部材
523・・・環状の歯部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョイントコネクタ組立体であって、
互いに回路基板によって連結された第一コネクタおよび第二コネクタと、
前記第一コネクタおよび前記第二コネクタに隣接して配置され、接続端子によってそれぞれ前記第一コネクタおよび前記第二コネクタに直接接続された第三コネクタを含むジョイントコネクタ組立体。
【請求項2】
前記回路基板は、前記第一コネクタおよび前記第二コネクタの下に配置され、かつ、前記第三コネクタ上に実装されている請求項1記載のジョイントコネクタ組立体。
【請求項3】
前記第一コネクタおよび前記第二コネクタは、主体部ハウジングの上部領域に配置され、
前記第三コネクタは、前記主体部ハウジングの下部領域に配置されるように前記主体部ハウジングと一体形成され、
前記主体部ハウジングの上部領域が、前記第一コネクタおよび前記第二コネクタがそれぞれ据え付けられる第一コネクタリセプタクルおよび第二コネクタリセプタクルを規定し、
前記回路基板は、前記第一コネクタおよび前記第二コネクタの下の前記第三コネクタの中央に実装され、
カバー部材が、前記回路基板を覆うように前記回路基板の下面に取り付けられる請求項1記載のジョイントコネクタ組立体。
【請求項4】
前記主体部ハウジングは、前記第一コネクタおよび前記第二コネクタがそれぞれ前記第三コネクタに接続可能とするように、前記第一コネクタおよび前記第二コネクタを前記第一コネクタリセプタクルおよび前記第二コネクタリセプタクル内へ挿入するためのコネクタ連結ユニットを備える請求項3記載のジョイントコネクタ組立体。
【請求項5】
前記コネクタ連結ユニットは、
前記主体部ハウジングの両側面に備えられ、前記第一コネクタおよび前記第二コネクタの両側面端部に形成された凹部内へ挿入可能となるように、上端部に形成された突起を備え、前記第一コネクタおよび前記第二コネクタが前記主体部ハウジングの上部領域へ挿入されるための複数のスライド部材と、
各スライド部材の下端部と係合する両端を備え、前記主体部ハウジングの前面から上側に回転するように構成されたるレバー部材を含む請求項4記載のジョイントコネクタ組立体。
【請求項6】
前記スライド部材の下端部は、直線状の歯部を備え、
前記レバー部材の両端部は、前記直線状の歯部と係合するように、環状の歯部を備える請求項5記載のジョイントコネクタ組立体。
【請求項7】
前記主体部ハウジングは、前記主体部ハウジングが乗り物のボディフレームの実装面と連結可能となるように、実装面連結構造を後面に備える請求項3記載のジョイントコネクタ組立体。
【請求項8】
前記実装面連結構造は、
前記主体部ハウジングの前記後面に形成された連結ガイドと、
前記連結ガイドが挿入される連結レールと、乗り物のシャーシの前記実装面と連結するための乗り物のボディフレーム連結部材を備えるブラケットを含む請求項7記載のジョイントコネクタ組立体。
【請求項9】
前記実装面連結構造は、
前記主体部ハウジングが前記乗り物のボディフレームの前記実装面と直接連結することを可能にするように、前記主体部ハウジングの前記後面に形成された乗り物のボディフレーム連結部材を含む請求項7記載のジョイントコネクタ組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【公表番号】特表2013−520766(P2013−520766A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553806(P2012−553806)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【国際出願番号】PCT/KR2011/000109
【国際公開番号】WO2011/102602
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(503473149)タイコ エレクトロニクス アンプ コリア リミテッド (21)
【住所又は居所原語表記】1191 Shinsang‐ri,Jinryang‐eub,Kyungsan‐si,Kyungsangbuk‐do 712‐838 Republic of Korea