説明

スイッチ回路及びそれを用いた超音波診断装置

【目的】 対象回路の接続の切り換えを行うスイッチ回路において、信号の洩れを少なくすると共に、消費電力を小さくすることにより回路規模を小形化し、且つオフセット電圧を小さくする。
【構成】 高耐圧アナログスイッチ41〜4nの二つの電界効果トランジスタ8a,8bの共通接続されたソースに接続したスイッチングダイオード14を抵抗13を介して駆動する電源として定電流回路17を用い、上記二つの電界効果トランジスタ8a,8bがオフ動作時に上記定電流回路17に接続された抵抗13の一端が接地した状態となるようにしたものである。これにより、信号の洩れを少なくすると共に、消費電力を小さくして回路規模を小形化し、且つオフセット電圧を小さくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、信号の洩れを少なくすると共に、消費電力を小さくすることにより回路規模を小形化し、且つオフセット電圧を小さくすることができるスイッチ回路、及びこのスイッチ回路を送波パルス発生器から印加される送波パルスと探触子から出力される受波信号との切り換えを行う切換スイッチとして用いた超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の超音波診断装置は、特開平2-136134号公報に記載され、図4に示すように、例えば短冊状に形成された複数の振動子素子11,12,…,1nが吸音材の上に隣接して配列され超音波を送受波する探触子2と、この探触子2内の各振動子素子11〜1nに所定の遅延時間を与えて超音波打ち出しの駆動パルスを印加するn個の送波パルス発生器31,32,…,3nと、縦形の二重拡散電界効果トランジスタ(以下「VD MOS FET」と略称する)を逆直列接続して成る高耐圧アナログスイッチ41,42,…,4nを用い上記探触子2の振動子素子11〜1nと送波パルス発生器31〜3nとの接続の切り換えを行う切換スイッチ5とを有して成っていた。
【0003】ここで、上記切換スイッチ5として用いられる高耐圧アナログスイッチ41〜4nは、符号41を付して示す第一の高耐圧アナログスイッチの内部回路図に示すような構成とされている。すなわち、二つのVD MOS FET8a及び8bと、発光ダイオード9及び光起電ダイオードアレイ10からなる光結合回路を有し入力端子Aからの制御信号に応じて光起電電流を発生する入力部11と、上記二つのVD MOS FET8a,8bのオフ時に動作してゲートとソース間を短絡しそのオフ動作を早めるFETゲートの制御部12と、高電圧源−Vから上記二つのVD MOS FET8a,8bのソースに共通接続された抵抗13と、上記高電圧源−Vより電位の低いバイパスコンデンサCを設けた低インピーダンス電圧源−V2に接続されたスイッチングダイオード14と、前記探触子2と接続する信号線の対地インピーダンスを低くするために上記の抵抗13より十分小さい抵抗又はインダクタ15とから成っている。なお、符号16a,16bは、それぞれ各VD MOS FET8a,8bの寄生ダイオードを示している。また、上記高電圧源−Vは、他の入力端子B側のVD MOS FET8cと抵抗13′とこの抵抗13′に接続された高電圧源−V1とから成る回路より供給される構成となっている。
【0004】次に、上記のように構成された図4に示す高耐圧アナログスイッチ41〜4nの動作について説明する。まず、制御信号が入力端子に印加されると、第一の光結合回路の発光ダイオード9が光を発し、この光が光起電ダイオードアレイ10に入射して光起電電流を発生し、VD MOS FET8a,8bのゲートとドレイン間の静電容量を充電する。そして、この充電によりゲート電圧が上昇してVDMOS FET8a,8bをオンさせる。これにより、送波パルス発生器31,32,…と探触子2の振動子素子11,12,…とが接続され、上記送波パルス発生器31,32,…からの駆動パルスが該当するチャンネルの振動子素子11,12,…に印加され、その振動子素子11,12,…から超音波が送波される。このとき、上記VD MOS FET8a,8bのソースの直流電圧は、他の入力端子Bに一の入力端子Aの信号と同期して印加される制御電圧によりその入力端子B側のVD MOS FET8cがオンするため、ほぼ接地電位となる。すなわち、高電圧源−Vの電位はほぼ接地電位となるので、スイッチングダイオード14はオフとなると共に、入出力信号端の直流電位はほぼ接地電位となる。
【0005】次に、上記入力端子Aから制御信号が除かれると、光結合回路の発光ダイオード9からの発光が止まり光起電ダイオードアレイ10には光が入射しないので、上記光起電ダイオードアレイ10は光起電電流を発生せず、FETゲートの制御部12がスイッチ動作してVD MOS FET8a,8bのゲートとソース間を短絡することにより、ゲートの電荷を放電させて上記VD MOS FET8a,8bをオフさせる。これにより、送波パルス発生器31,32,…と探触子2の振動子素子11,12,…とが遮断され、該当するチャンネルの振動子素子11,12,…からの超音波の送波が停止される。このとき、上記VD MOS FET8a,8bはオフとされているので、そのVD MOS FET8a,8bのソース電位は高電圧源−V1に近くなる。この状態では、スイッチングダイオード14のアノードの電位は−V2であり、この電位は上記高電圧源−V1より低いので、上記スイッチングダイオード14はオンとなる。このスイッチングダイオード14には、V2,V1間の電位差と抵抗13,13′とにより決まる電流が流れ、このときの上記スイッチングダイオード14の動作抵抗が十分小さくなるように設計すると、二つVD MOS FET8a,8bからの信号の洩れは上記スイッチングダイオード14に流れて、探触子2内の振動子素子11,12,…,1nへの洩れを少なくすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従来の超音波診断装置における切換スイッチ5として用いられる高耐圧アナログスイッチ41〜4nは、探触子2内の振動子素子11〜1nへの信号の洩れを少なくするため、スイッチングダイオード14の動作抵抗が十分小さくなるように設計して、二つのVD MOS FET8a,8bからの信号の洩れは上記スイッチングダイオード14に流れるようにしていたので、該スイッチングダイオード14に流れる電流が大きくなるものであった。この場合、入力端子B側も含めて三つのVD MOS FET8a,8b,8cがオン時に上記スイッチングダイオード14に流れる電流は、上記入力端子B側に供給される高電圧源の電位差V1と抵抗13′とで決まる。従って、上記スイッチングダイオード14に流れる電流を小さくするには、上記抵抗13′の値を大きくする必要がある。ところが、この抵抗13′の値を大きくすると、上記スイッチングダイオード14の動作電流が小さくなりすぎることがあるので、該抵抗13′の値を大きくするには限界がある。一方、上記抵抗13′の値を小さくすると、流れる電流が大きくなると共に消費電力が大きくなり、抵抗器も大形化して回路規模が大きくなり、オフセット電圧も高くなるものであった。このことから、切換スイッチ5が大形化して超音波診断装置の全体も大形化するものであった。
【0007】そこで、本発明は、このような問題点に対処し、信号の洩れを少なくすると共に、消費電力を小さくすることにより回路規模を小形化し、且つオフセット電圧を小さくすることができるスイッチ回路、及びこのスイッチ回路を送波パルス発生器から印加される送波パルスと探触子から出力される受波信号との切り換えを行う切換スイッチとして用いた超音波診断装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明によるスイッチ回路は、二つの電界効果トランジスタを逆直列接続して成る高耐圧アナログスイッチを用い、上記二つの電界効果トランジスタのゲート信号を制御すると共に、これらの電界効果トランジスタの共通接続されたソースにオフ動作時に低インピーダンス電源で逆バイアスするため、上記高耐圧アナログスイッチの二つの電界効果トランジスタの共通接続されたソースにスイッチングダイオードを接続して成り、対象回路の接続の切り換えを行うスイッチ回路において、上記スイッチングダイオードを抵抗を介して駆動する電源として定電流回路を用いると共に、上記二つの電界効果トランジスタがオフ動作時に上記定電流回路に接続された抵抗の一端が接地した状態となるようにしたものである。
【0009】また、関連発明としての超音波診断装置は、複数の振動子素子が配列され超音波を送受波する探触子と、この探触子内の各振動子素子に所定の遅延時間を与えて超音波打ち出しの駆動パルスを印加する送波パルス発生器と、この送波パルス発生器から上記探触子へ印加される送波パルスと該探触子からの受波信号とを切り換える切換スイッチと、この切換スイッチを介して出力される探触子からの受波信号を増幅する受信増幅器と、この受信増幅器からの受波信号に所定の遅延時間を与える遅延回路を有しこれらの遅延回路で位相が揃えられた受波信号を加算して出力する整相回路と、この整相回路で整相された信号を検波する検波器と、この検波器からの出力信号を画像として表示する表示装置とを備えて成る超音波診断装置において、上記切換スイッチとして、上記手段のスイッチ回路を用いたものである。
【0010】
【作用】上記のように構成されたスイッチ回路は、高耐圧アナログスイッチの二つの電界効果トランジスタの共通接続されたソースに接続したスイッチングダイオードを抵抗を介して駆動する電源として定電流回路を用い、上記二つの電界効果トランジスタがオフ動作時に上記定電流回路に接続された抵抗の一端が接地した状態となるように動作する。これにより、信号の洩れを少なくすると共に、消費電力を小さくして回路規模を小形化し、且つオフセット電圧を小さくすることができる。
【0011】また、上記のように構成された超音波診断装置は、送波パルス発生器から探触子へ印加される送波パルスと該探触子からの受波信号とを切り換える切換スイッチとして、前記のスイッチ回路を用いることにより、装置全体を小型化することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明によるスイッチ回路の実施例を示す回路図である。このスイッチ回路は、例えば超音波診断装置において送波パルス発生器31〜3nから探触子2へ印加される送波パルスと該探触子2からの受波信号との切り換えを行う切換スイッチ5として用いるもので、縦形の二重拡散電界効果トランジスタ(VD MOS FET)8a,8bを逆直列接続して成る高耐圧アナログスイッチ41,42,…,4nを用い、上記VD MOS FET8a,8bのゲート信号を光結合回路で制御すると共に、これらのVD MOS FET8a,8bの共通接続されたソースにオフ動作時に低インピーダンス電源で逆バイアスして、対象回路の接続の切り換えを行うものである。
【0013】ここで、本発明においては、上記切換スイッチ5として用いられる高耐圧アナログスイッチ41〜4nは、符号41を付して示す第一の高耐圧アナログスイッチの内部回路図に示すような構成とされている。すなわち、二つのVD MOS FET8a及び8bと、発光ダイオード9及び光起電ダイオードアレイ10からなる光結合回路を有し入力端子Aからの制御信号に応じて光起電電流を発生する入力部11と、上記二つVD MOS FET8a,8bのオフ時に動作してゲートとソース間を短絡しそのオフ動作を早めるFETゲートの制御部12と、高電圧源−Vから上記二つのVD MOS FET8a,8bのソースに共通接続された抵抗13と、上記高電圧源−Vより電位の低いバイパスコンデンサCを設けた低インピーダンス電圧源−V2に接続されたスイッチングダイオード14と、前記探触子2と接続する信号線の対地インピーダンスを低くするために上記の抵抗13より十分小さい抵抗又はインダクタ15とから成っている。なお、符号16a,16bは、それぞれ各VD MOS FET8a,8bの寄生ダイオードを示している。また、上記高電圧源−Vは、他の入力端子B側のVD MOS FET8cと定電流回路17とこの定電流回路17に接続された高電圧源−V1とから成る回路より供給される構成となっている。すなわち、上記スイッチングダイオード14を抵抗13を介して駆動する電源として定電流回路17を用いたものである。
【0014】上記定電流回路17の具体的な回路構成としては、例えば図2に示すようになっている。すなわち、同図(a)に示すように、二つのトランジスタQ1,Q2と抵抗R1とを組み合わせて構成されたもの、あるいは同図(b)に示すように、一つのトランジスタQ3と三つの抵抗R2,R3,R4とを組み合わせて構成されたものなどがある。
【0015】次に、上記のように構成された図1に示す高耐圧アナログスイッチ41〜4nの動作について説明する。まず、制御信号が入力端子Aに印加されると、光結合回路の発光ダイオード9が光を発し、この光が光起電ダイオードアレイ10に入射して光起電電流を発生し、VD MOS FET8a,8bのゲート容量を充電する。そして、この充電によりゲート電圧が上昇してVD MOS FET8a,8bをオンさせる。これにより、送波パルス発生器31,32,…と探触子2の振動子素子11,12,…とが接続され、上記送波パルス発生器31,32,…からの駆動パルスが該当するチャンネルの振動子素子11,12,…に印加され、その振動子素子11,12,…から超音波が送波される。ここで、図4に示す従来の高耐圧アナログスイッチ41〜4nの動作においては、二つのVD MOS FET8a,8bをオンにした場合、前記スイッチングダイオード14に流れる電流iは、他の入力端子B側の高電圧源−V1に接続された抵抗13′の値をR′すると、i=V1/R′ …(1)
で与えられる。
【0016】次に、前記入力端子Aから制御信号が除かれると、光結合回路の発光ダイオード9からの発光が止まり光起電ダイオードアレイ10には光が入射しないので、上記光起電ダイオードアレイ10は光起電電流を発生せず、制御部12がスイッチ動作してVD MOS FET8a,8bのゲートとソース間を短絡することにより、ゲートの電荷を放電させて上記VD MOS FET8a,8bをオフさせる。これにより、送波パルス発生器31,32,…と探触子2の振動子素子11,12,…とが遮断され、該当するチャンネルの振動子素子11,12,…からの超音波の送波が停止される。ここで、図4R>4に示す従来の高耐圧アナログスイッチ41〜4nの動作においては、二つのVD MOS FET8a,8bをオフにした場合、該VD MOS FET8a,8bのソースは零電位となり、前記スイッチングダイオード14に流れる電流i′は、上記ソースに共通接続された抵抗13の値をRとすると、i′=(V2−V1)/(R+R′) …(2)
となる。この場合、前記抵抗13′で消費される電力Pは、P=i2・R′=V1・i …(3)
となる。
【0017】一方、図1に示す本発明の高耐圧アナログスイッチ41〜4nの動作において、前記の抵抗13′に代えて、二つのVD MOS FET8a,8bがオフ時にスイッチングダイオード14に流れる電流i′に等しい電流を供給する定電流回路17を用いると、この定電流回路17で消費される電力P′は、P′=V1・i′ …(4)
となる。いま、具体例として、例えばV1=150V,V2=120V,R=33KΩ,R′=51KΩとすると、電流は前述の式(1)及び(2)からi=3mA,i′=0.35mAとなり、消費電力は式(3)及び(4)からP=0.45W,P′=0.053Wとなる。このことから、本発明によれば、従来回路の約1/9の消費電力P′に大幅減少できる。
【0018】また、図1において、VD MOS FET8a,8b,8cがオンの時のオフセット電圧は、他の入力端子B側のVD MOS FET8cに流れる電流i′と、該VD MOS FET8cのオン抵抗とによって決まる。この場合、上述のようにVD MOS FET8cに流れる電流i′が従来回路より大幅に減少できることから、オフセット電圧も大幅に減少することができる。いま、具体例としてV1,V2,R,R′の各値を上述のような数値とし、上記VD MOS FET8cのオン抵抗を8Ωとすると、オフセット電圧は、図4に示す従来回路では24mVになるが、図1に示す本発明では2.8mVとなる。すなわち、本発明によれば、従来回路の約1/8のオフセット電圧に大幅減少できる。
【0019】なお、図1においては、二つのVD MOS FET8a,8bをオン、オフ動作させるため、発光ダイオード9及び光起電ダイオードアレイ10からなる光結合回路を有する入力部11により上記VD MOS FET8a,8bのゲートとソース間に電位を与えるようになっているが、本発明はこれに限らず、上記入力部11及び制御部12の代わりに高耐圧のFETを用い電位をシフトする回路を用いてもよい。
【0020】図3は図1に示すスイッチ回路の関連発明としての超音波診断装置の実施例を示すブロック図である。この超音波診断装置は、超音波を利用して被検体の診断部位について断層像を得るもので、例えば電子リニア走査型とされており、短冊状に形成された複数の振動子素子11〜1nが配列され超音波を送受波する探触子2と、この探触子2内の各振動子素子11〜1nに所定の遅延時間を与えて超音波打ち出しの駆動パルスを印加する送波パルス発生器3と、この送波パルス発生器3から上記探触子2へ印加される送波パルスと該探触子2からの受波信号とを切り換える切換スイッチ5と、この切換スイッチ5を介して出力される探触子2からの受波信号を時間と共に利得を変化させて増幅する受信増幅器6a〜6eと、この各受信増幅器6a〜6eからの出力信号に所定の遅延時間を与える複数の遅延回路7a〜7eを有しこれらの遅延回路7a〜7eで位相が揃えられた受波信号を加算する加算器18を備えた整相回路19と、この整相回路19で整相された信号を検波する検波器20と、この検波器20からの出力信号を画像として表示する表示装置21とを備えて成る。
【0021】なお、図3においては、切換スイッチ5は例えば五つに分けられた振動子素子群を一端方から順次選択してそれぞれ次段の受信増幅器6a〜6eに接続するようになっており、上記五つの振動子素子群を順次切り換えて並進させるようになっている。従って、受信増幅器は5個(6a〜6e)設けられている。また、上記各構成要素の動作は、制御部22からの制御信号で制御されるようになっている。
【0022】ここで、本発明においては、上記切換スイッチ5としては、図1に示す回路構成とされ、信号の洩れを少なくすると共に、消費電力を減少させ、回路規模の小型化を図ることができる高耐圧アナログスイッチ41〜4nから成るスイッチ回路が用いられている。このような構成により、本発明の超音波診断装置においては、上記切換スイッチ5として図1に示すスイッチ回路(41〜4n)を用いることにより、装置全体の小型化を図ることができる。
【0023】
【発明の効果】本発明によるスイッチ回路(図1参照)は以上のように構成されたので、高耐圧アナログスイッチの二つの電界効果トランジスタの共通接続されたソースに接続したスイッチングダイオードを抵抗を介して駆動する電源として定電流回路を用い、上記二つの電界効果トランジスタがオフ動作時に上記定電流回路に接続された抵抗の一端が接地した状態となるようにできる。これにより、信号の洩れを少なくすると共に、消費電力を小さくして回路規模を小形化し、且つオフセット電圧を小さくすることができる。また、上記二つの電界効果トランジスタのソースの直流電位は接地電位に近くなり、本発明のスイッチ回路のオン、オフ動作に伴うオフセット電位の変動がほとんどなく、スイッチ切換時のノイズの発生も小さくすることができる。
【0024】また、本発明による超音波診断装置(図3参照)は以上のように構成されたので、送波パルス発生器から探触子へ印加される送波パルスと該探触子からの受波信号とを切り換える切換スイッチとして、前記のスイッチ回路を用いることにより、装置全体を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスイッチ回路の実施例を示す回路図である。
【図2】上記スイッチ回路における定電流回路の具体的な回路構成を示す回路図である。
【図3】図1に示すスイッチ回路の関連発明としての超音波診断装置の実施例を示すブロック図である。
【図4】従来の超音波診断装置における切換スイッチを示す回路図である。
【符号の説明】
1〜1n…振動子素子
2…探触子
3,31〜3n…送波パルス発生器
1〜4n…高耐圧アナログスイッチ
5…切換スイッチ
6a〜6n…受信増幅器
8a,8b,8c…VD MOS FET
9…発光ダイオード
10…光起電ダイオードアレイ
11…入力部
12…制御部
13…抵抗
14…スイッチングダイオード
15…抵抗又はインダクタ
17…定電流回路
19…整相回路
20…検波器
21…表示装置
22…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 二つの電界効果トランジスタを逆直列接続して成る高耐圧アナログスイッチを用い、上記二つの電界効果トランジスタのゲート信号を制御すると共に、これらの電界効果トランジスタの共通接続されたソースにオフ動作時に低インピーダンス電源で逆バイアスするため、上記高耐圧アナログスイッチの二つの電界効果トランジスタの共通接続されたソースにスイッチングダイオードを接続して成り、対象回路の接続の切り換えを行うスイッチ回路において、上記スイッチングダイオードを抵抗を介して駆動する電源として定電流回路を用いると共に、上記二つの電界効果トランジスタがオフ動作時に上記定電流回路に接続された抵抗の一端が接地した状態となるようにしたことを特徴とするスイッチ回路。
【請求項2】 複数の振動子素子が配列され超音波を送受波する探触子と、この探触子内の各振動子素子に所定の遅延時間を与えて超音波打ち出しの駆動パルスを印加する送波パルス発生器と、この送波パルス発生器から上記探触子へ印加される送波パルスと該探触子からの受波信号とを切り換える切換スイッチと、この切換スイッチを介して出力される探触子からの受波信号を増幅する受信増幅器と、この受信増幅器からの受波信号に所定の遅延時間を与える遅延回路を有しこれらの遅延回路で位相が揃えられた受波信号を加算して出力する整相回路と、この整相回路で整相された信号を検波する検波器と、この検波器からの出力信号を画像として表示する表示装置とを備えて成る超音波診断装置において、上記切換スイッチとして、請求項1記載のスイッチ回路を用いたことを特徴とする超音波診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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