説明

スイッチ装置および車両

【課題】使い勝手の良いスイッチ装置等を提供することである。
【解決手段】スイッチ装置10は、操作子(スイッチノブ34)と、操作子に対する第1の操作を検出する第1検出手段(ロックスイッチ56)と、操作子に対する第2の操作を検出する第2検出手段(静電容量式タッチスイッチ62)と、第1検出手段が第1の操作を検出した場合と第2検出手段が第2の操作を検出した場合とで出力時間を異ならせて出力信号を出力する出力部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスイッチ装置および当該スイッチ装置を備えた車両に係る。
【背景技術】
【0002】
図6に従来のハザードスイッチ装置210を説明する断面図を示す。従来のハザードスイッチ装置210では、基板216上に筒形状のスイッチホルダ222が立設されており、当該スイッチホルダ222の開口を覆って蓋状のスイッチノブ234が設けられている。スイッチノブ234は操作パネル248の開口に挿入されている。スイッチノブ234は、基板216に設けられたロックスイッチ256と係止されている。スイッチノブ234を押下する度に、ロックスイッチ256がオフ状態からオン状態に、またはオン状態からオフ状態に切り替わる。ロックスイッチ256がオン状態のときに、不図示のハザードランプがオン状態になり点滅する。なお、かかるハザードスイッチ装置と同様のスイッチ装置が下記特許文献1に記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−196270号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ハザードランプを少しの間だけオンしたい場合がある。例えば、高速道路等で車が渋滞している場合、最後尾に着いた車がハザードランプを数回点滅させて後続車に注意を喚起するケースや、車線変更の時、駐車場や交差点から進入する時に道を譲ってくれた後続車に対してハザードランプを数回点滅させてお礼の意思表示をするケースが挙げられる。
【0005】
従来のハザードスイッチ装置210では、少しの時間だけハザードランプをオンしたい場合であっても、スイッチノブ234を2回、押下する必要がある。状況によっては、この2回の押下操作自体が不便に感じられる場合がある。また、誤操作防止のために押下の度にスイッチノブ234の位置確認をするのが不便に感じられる場合もある。また、スイッチノブ234の位置確認動作は例えば車両の運転中においては脇見運転に繋がってしまう。例えば上記例示のケースでは運転手はハンドル動作などを行いながら、スイッチを操作したり、また焦って操作しているため、脇見運転につながりやすい。
【0006】
ここで、例えばハザードランプの点滅時間別にスイッチ装置210を複数設ければ、便利になるかもしれない。しかし、スイッチ装置210の個数増加によって、例えば所望とは違うスイッチ装置210を誤って操作してしまう可能性が高くなると考えられる。また、スイッチ装置210の個数増加によって個々のスイッチノブ234のサイズが小さくなると、上記誤操作を引き起こしやすくなると考えられる。つまり、点滅時間別にハザードスイッチ装置210を設けても、逆に使い勝手が悪くなる可能性がある。
【0007】
上記の種々の問題点は、ハザードスイッチ装置210以外のスイッチ装置についても同様であり、また、車載用のスイッチ装置に限られるものではない。
【0008】
本発明の目的は、使い勝手の良いスイッチ装置およびそれを備えた車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るスイッチ装置は、操作子と、前記操作子に対する第1の操作を検出する第1検出手段と、前記操作子に対する第2の操作を検出する第2検出手段と、前記第1検出手段が前記第1の操作を検出した場合と前記第2検出手段が前記第2の操作を検出した場合とで出力時間を異ならせて出力信号を出力する出力部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
ここで、前記出力部は、前記第1検出手段が前記第1の操作を検出した場合には前記出力信号を、前記第1の操作が再度検出されるまで出力し続け、前記第2検出手段が前記第2の操作を検出した場合には前記出力信号を、予め設定された所定時間だけ出力することが好ましい。
【0011】
また、前記第1検出手段は、押しボタン式スイッチと、レバー式スイッチと、ダイヤル式スイッチのうちのいずれか1つで構成され、前記第2検出手段は、静電容量式タッチスイッチと、感圧式タッチスイッチと、赤外線式タッチスイッチのうちのいずれか1つで構成されていることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る車両は、前記スイッチ装置と、前記スイッチ装置に接続された車載装置と、を備えることを特徴とする。
【0013】
ここで、前記車載装置は、前記スイッチ装置によって、オン状態からオフ状態への切り替えまたはオフ状態からオン状態への切り替えが制御されることが好ましい。
【0014】
また、前記車載装置は、ハザードランプと、ウィンドウワイパと、パワーウィンドウと、オーディオビジュアル機器と、ヘッドライトと、照明機器と、空調機器のうちのいずれか1つであることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
上記構成によれば、単一の(同一の)操作子に対する操作の使い分けによって、スイッチ装置の信号出力時間を異ならせることができる。このため、状況に応じた出力の使い分けを単一の操作子で行うことができるので、使い勝手の良いスイッチ装置を提供することができる。また、操作子ごとに検出手段を1つずつ設けた構成に比べて例えば操作子の個数削減や操作子のサイズ拡大等を図ることが可能であるので、この観点からも使い勝手の良いスイッチ装置を提供することができる。
【0016】
また、当該スイッチ装置を備えることにより、車載装置の使い勝手が良好な車両を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
図1および図2に実施の形態に係るスイッチ装置10の一例を説明する断面図および平面図をそれぞれ示す。図1は図2中の1−1線での断面図に相当する。ここでは、スイッチ装置10が車両に設けられ、車載装置であるハザードランプのオン状態(点滅状態)とオフ状態(消灯状態)とを切り替えるために使用される場合を例示する。しかし、後述のように、スイッチ装置10は種々の用途に適用可能である。
【0019】
スイッチ装置10は、基板16と、スイッチホルダ22と、スイッチノブ34とを含んでいる。基板16は例えばECU(Electric Control Unit:電子制御ユニット)の基板である。例えば、スイッチホルダ22は全体として筒形状をしており、スイッチノブ34は全体としてスイッチホルダ22の筒開口部を塞ぐ蓋形状をしている。スイッチホルダ22およびスイッチノブ34は例えば樹脂で構成されている。
【0020】
スイッチホルダ22は、ここでは複数の側壁部24を有しており、これらの側壁部24によって開口部が矩形の筒形状が形成されている。なお、矩形筒形状に限られるものではなく、例えば円筒形状に構成することも可能である。スイッチホルダ22は、側壁部24を基板16に立設させた状態で、基板16上に設けられている。スイッチホルダ22は、側壁部24の基板16側縁部に足部26を有し、当該足部26を利用して基板16に取り付けられている。
【0021】
スイッチノブ34は複数の側壁部36と上面部38とを有している。側壁部36は、スイッチホルダ22の外側においてスイッチホルダ22の側壁部24に対向し、当該スイッチホルダ22を内部に収容可能な筒形状を形成している。側壁部36による筒形状において基板16から遠い側の開口部は、上面部38によって塞がれている。上面部38は、いわゆる化粧面であり、スイッチ装置10がハザードランプ用であることを示す図形が表示されている(図2参照)。
【0022】
スイッチノブ34は、スイッチ装置10をユーザが操作するための操作子として、操作パネル48に設けられている。すなわち、スイッチノブ34は、上面部38をユーザ側に向けて、操作パネル48の正面部50の開口部に挿入されている。
【0023】
ここで、スイッチノブ34およびスイッチホルダ22は側壁36,24にガイドレール40およびガイド溝28をそれぞれ有している。このため、ガイドレール40およびガイド溝28によって、スイッチノブ34はスイッチホルダ22の筒軸方向の移動、換言すれば基板16へ近づく方向および基板16から遠ざかる方向への移動がガイドされる。
【0024】
また、スイッチノブ34は側壁部36の基板16側の縁部に、スイッチホルダ22の反対側へ張り出したつば部42を有し、また、操作パネル48は上記開口部の縁部に基板16側に突出した立設部52を有している。このため、スイッチノブ34のつば部42と操作パネル48の立設部52との当接によって、スイッチノブ34の上記移動の範囲が規制される。
【0025】
スイッチノブ34は、上面部38から、側壁部36が構成する筒状部分の内側へ突出した突起部44を有している。突起部44は、スイッチノブ34がスイッチホルダ22に装着された状態では、スイッチホルダ22の内側に位置している。
【0026】
スイッチ装置10は、さらに、第1検出手段56と、第2検出手段62と、導電性両面テープ66と、フレキシブル基板68と、コネクタ70と、光源90とを含んでいる。
【0027】
第1検出手段56は、スイッチノブ34に対するユーザの操作、ここではスイッチノブ34を押下する操作を検出する手段である。第1検出手段56として、ここでは押しボタン式(プッシュ式)スイッチの一種であるロックスイッチを例示するが、押しボタン式の他の種類のスイッチを用いることも可能であるし、また、例えばレバー式、ダイヤル式等の他の操作方式のスイッチを用いることも可能である。なお、ロックスイッチ56は、押下によって押下状態がロックされ(保持され)、再度の押下によって押下状態のロックが解除される。以下では説明を分かりやすくするために、第1検出手段56をロックスイッチ56と呼ぶことにする。
【0028】
ロックスイッチ56は、スイッチホルダ22の筒形状内部において基板16に取り付けられており、基板16の不図示の配線に接続されている。また、ロックスイッチ56は、そのスイッチ押下方向をスイッチノブ34の上記移動方向(基板16に垂直な方向)に一致させた状態で基板16上に設けられ、スイッチノブ34の突起部44に係止されている。このため、スイッチノブ34を押下すると、ロックスイッチ56はオフ状態(開状態)からオン状態(閉状態)またはオン状態からオフ状態へ変化する(遷移する)。すなわち、ロックスイッチ56はスイッチノブ34が押下される度にオン状態とオフ状態とが切り替わる。したがって、ロックスイッチ56の状態変化(状態遷移)によって、スイッチノブ34に対する押下操作を検出することが可能である。
【0029】
第2検出手段62は、スイッチノブ34に対する上記とは異なる操作、ここではスイッチノブ34にユーザが触れたことを検出する手段である。第2検出手段62として、ここでは静電容量式タッチスイッチを例示するが、例えば感圧式タッチスイッチ、赤外線式タッチスイッチ等の他の操作方式のスイッチを用いることも可能である。なお、以下では説明を分かりやすくするために、第2検出手段62をタッチスイッチ62と呼び、ユーザがスイッチノブ34に触れる操作をタッチ操作と呼ぶことにする。
【0030】
タッチスイッチ62は、例えば導電膜64によって構成可能である。導電膜64はスイッチノブ34の外面に設けられており、ここでは、ユーザが触れる部分である上面部38から、側壁部36およびつば部42にわたっている。また、導電膜64は、つば部42において基板16側まで設けられており、当該基板16側部分において導電性両面テープ66を介してフレキシブル基板68と電気的に接続されている。フレキシブル基板68は基板16上のコネクタ70に接続され、当該コネクタ70は基板16の不図示の配線を介して後述の出力部80(図3参照)に接続されている。
【0031】
なお、例えば、導電性両面テープ66を用いずに、導電膜64とフレキシブル基板68とを溶着、半田付け等してもよい。また、コネクタ70を用いずに、フレキシブル基板68と基板16の配線とを溶着、半田付け等してもよい。
【0032】
ユーザがスイッチノブ34の上面部38上の導電膜64に触れると、すなわちタッチ操作をすると、導電膜64の電位、換言すれば静電容量が変化する。すなわち、タッチスイッチ62を構成する導電膜64の電位変化によって、タッチ操作を検出することができる。この電位変化、換言すればタッチ操作を検出したことを示す信号は、導電性両面テープ66とフレキシブル基板68とコネクタ70を介して、後述の出力部80(図3参照)に伝達される。なお、ユーザがスイッチノブ34(の導電膜64)に触れた状態をタッチスイッチ62のオン状態に対応させ、逆に触れていない状態をタッチスイッチ62のオフ状態に対応させることにする(後述の図5参照)。
【0033】
導電膜64は、例えば金属、透明導電材料、導電性樹脂等の各種の導電性材料によって構成することができ、当該導電性材料の蒸着、塗布、貼付等によってスイッチノブ34上に設けることができる。また、ユーザが触れたことを検出可能である限り、スイッチノブ34自体を各種の導電性材料で構成してもよい。また、ここでは上記のように導電膜64がスイッチノブ34の外面に設けられる場合を例示するが、例えばスイッチノブ34の裏側(換言すればスイッチホルダ22に向いた面)に導電膜64を設けてもよく、この構成によれば例えば爪等でひっかいて導電膜64が傷つくのを防止することができる。
【0034】
光源90は、スイッチホルダ22の筒形状内部において基板16に取り付けられており、基板16の不図示の配線に接続されている。光源90として例えばLED(Light Emitting Diode)を適用することができる。光源90はスイッチノブ34の上面部38、すなわち化粧面(図2参照)を照明する。
【0035】
図3にスイッチ装置10の回路構成の一例を説明する概略図を示す。図3の例では、スイッチ装置10はさらに、信号処理部82と、トランジスタ84と、抵抗92と、トランジスタ94と、これらの要素80,82,84,92,94を後述の所定関係に接続する配線とを含んでいる。なお、要素80,82,84,92,94および配線は、基板16(図1参照)に設けられてECUを構成するが、図1では図示を省略している。また、図3ではロックスイッチ56を模式的に図示している。
【0036】
信号処理部82は、例えば論理回路や、いわゆるマイクロコンピュータで構成可能であり、後述の各種信号処理を実行する。トランジスタ84,94はここではNPNトランジスタを例示するが、PNPトランジスタ、MOSトランジスタ等の他のスイッチング素子を利用することも可能である。
【0037】
図3の構成例では、トランジスタ94のコレクタは抵抗92を介して光源90のカソードに接続され、光源90のアノードは電源電位に接続されている。また、トランジスタ94のエミッタは接地され、トランジスタ94のベースは信号処理部82に接続されている。信号処理部82は外部入力信号を受信し、当該信号に応じてトランジスタ94のベース電流を制御する。例えば、信号処理部82は、スモールライト(車幅灯等の補助灯)やヘッドライトの点灯(オン状態)に連動した信号を上記外部入力信号として受信し、当該信号受信に応じてトランジスタ94にベース電流を流す。これにより、光源90に電流が流れ、光源90によってスイッチノブ34(図1および図2参照)が照明される。
【0038】
また、ロックスイッチ56の一方の端子は接地されている。ロックスイッチ56の他方の端子は、トランジスタ84のコレクタに接続されているとともに、フラッシャーリレー98に接続されている。トランジスタ84のエミッタは接地され、トランジスタ84のベースは信号処理部82に接続されている。ここで、ロックスイッチ56とトランジスタ84とフラッシャーリレー98とが接続されたノードNは、スイッチ装置10の出力端子に相当する。
【0039】
なお、フラッシャーリレー98は、ハザードランプ100に接続されており、ハザードランプのオン状態とオフ状態とを制御する。ここではフラッシャーリレー98への入力信号の電圧が接地電位の場合に、ハザードランプ100がオン状態になる場合を例示する。
【0040】
また、信号処理部82とタッチスイッチ62とが導電性両面テープ66とフレキシブル基板68とコネクタ70とを介して接続されている。
【0041】
ここで、上記に例示したスイッチ装置10では、信号処理部82と、トランジスタ84と、出力ノードNとを含んで出力部80が構成される。出力部80は、ロックスイッチ56がスイッチノブ34に対する押下操作を検出した場合と、タッチスイッチ62がスイッチノブ34に対するタッチ操作を検出した場合とで、ノードNから出力する信号(ここではハザードランプ100をオン状態にするための信号)の出力時間を異ならせる。上記例示の構成の場合、ロックスイッチ56が上記押下操作を検出したときには、出力部80は上記出力信号を、押下操作が再度検出されるまで出力し続ける。これに対して、タッチスイッチ62が上記タッチ操作を検出したときには、出力部80は上記出力信号を、予め設定された所定時間だけ出力する。これにより、ハザードランプ100がオン状態にある時間すなわち点滅する時間が押下操作とタッチ操作とによって異なる。かかる動作を図4および図5の模式図も参照して以下に詳述する。
【0042】
上記のように、ロックスイッチ56は接地電位と出力ノードNとを結ぶ配線の途中に挿入されており(図3参照)、また、出力ノードNに接続されたフラッシャーリレー98は入力信号電圧が接地電位の場合にハザードランプ100をオン状態に制御する。ロックスイッチ56は、スイッチノブ34が押下されるとオフ状態からオン状態またはオン状態からオフ状態に変化し、スイッチノブ34が再度、押下されるまで変化後の状態を保持する(図4参照)。
【0043】
したがって、上記構成の出力部80は、オフ状態にあるロックスイッチ56が押下されるとハザードランプ100をオン状態にする信号を出力し始め、かつその出力を持続し、再度の押下操作によって当該出力信号の出力を停止することができる。その結果、ハザードランプ100は、2回の押下操作の間の時間中、オン状態になる。
【0044】
他方、ユーザがスイッチノブ34(の導電膜64)に触れると、タッチスイッチ62がオン状態になる(図5参照)。すなわち、スイッチノブ34に対するタッチ操作が検出される。タッチ操作の検出は信号処理部82へ伝達される(図3参照)。信号処理部82は、タッチ操作の検出信号を受信すると、トランジスタ84にベース電流を流して当該トランジスタ84をオン状態にする。これにより、トランジスタ84を介して出力ードNが接地電位になり、フラッシャーリレー98の制御の下、ハザードランプ100はオン状態になる。
【0045】
信号処理部82がトランジスタ84にベース電流を流す時間Tは予め設定されており、例えばハザードランプ100が2回点滅する時間に設定されている。このため、所定時間Tの経過後はトランジスタ84がオフ状態になり、ハザードランプ100がオフ状態になる。
【0046】
したがって、上記構成の出力部80は、タッチ操作が検出されるとハザードランプ100をオン状態にする信号を出力し始め、上記設定時間Tの間、当該出力信号を出力し続け、設定時間Tの経過後に当該出力信号の出力を停止することができる。その結果、ハザードランプ100は、タッチ操作の後の所定時間Tの間だけオン状態になる。
【0047】
上記設定時間Tの計時は例えば信号処理部82に付与された、または外部に別個設けられたタイマ機能を、信号処理部82が利用することによって可能である。また、設定時間Tの値をユーザによって変更できるように、または変更できないように、スイッチ装置10を構成することが可能である。
【0048】
スイッチ装置10によれば、上記のように、単一の(同一の)スイッチノブ34に対する操作の使い分けによって、信号出力時間を異ならせることができる。このため、状況に応じた出力の使い分け、すなわちハザードランプ100の継続的点滅と一時的点滅との状況に応じた使い分けを、単一のスイッチノブ34で行うことができ、便利である。このとき、タッチ操作によれば出力状態を戻すための操作が不要なので、押下操作とタッチ操作との使い分けによってスイッチ操作の回数を減らせることができる。
【0049】
また、例えばハザードランプ100を一定時間だけ点滅させたい場合、ユーザは、タッチ操作を行えばよく、ハザードランプ100を消灯するためにスイッチノブ34に視線を向ける必要がない。これにより、特に車両の運転中においては脇見運転を減らすことができる。
【0050】
また、スイッチ装置10によれば、スイッチノブごとにロックスイッチ等を1個ずつ設けた構成に比べて、例えばスイッチノブの個数を削減することが可能であり、この点からも使い勝手が向上する。また、例えば、スイッチノブの個数削減によって空いたスペースを使って、スイッチノブ34のサイズを拡大することが可能である。大きいスイッチノブ34によれば、所望とは違うスイッチノブを選択するのを防ぐことができ、使い勝手が向上する。
【0051】
このように、スイッチ装置10によればスイッチ装置自体の使い勝手を向上させることができ、それによって使い勝手の良いハザードランプ100、換言すればハザードランプの使い勝手が良い車両を提供することができる。
【0052】
スイッチ装置10の適用は上記例示のハザードランプ100に限られるものではない。例えばウィンドウワイパ、パワーウィンドウ、オーディオビジュアル(AV)機器、ヘッドライト、照明機器、空調機器等の車載装置のオン状態とオフ状態との切り替えにもスイッチ装置10を適用することが可能である。例えばオーディオビジュアル機器の場合、ミュート機能のオン状態とオフ状態との切り替えにスイッチ装置10を適用可能である。
【0053】
また、上記ではハザードランプ100等をオフ状態からオン状態に切り替える場合を例示したが、オン状態からオフ状態へ切り替える場合にもスイッチ装置10を応用することが可能である。例えばオン状態(点灯状態)にあるヘッドライトを継続的または一時的にオフ状態(消灯状態)へ切り替える構成にスイッチ装置10を応用可能である。
【0054】
また、スイッチ装置10による動作状態の切り替えは、オン状態とオフ状態との切り替えに限られるものではない。例えば照明機器の明るさや空調機器の風量を強状態と弱状態とを切り替える場合にもスイッチ装置10を応用することが可能である。また、例えばヘッドライトの配光方向についてハイビーム状態とロービーム(またはノーマルビーム)状態との切り替えにもスイッチ装置10を応用可能である。
【0055】
また、スイッチ装置10による制御対象は車載装置に限られるものではない。
【0056】
上記各種場合にもスイッチ装置10による使い勝手の良さが発揮される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施の形態に係るスイッチ装置を説明する断面図である。
【図2】実施の形態に係るスイッチ装置を説明する平面図である。
【図3】実施の形態に係るスイッチ装置の回路構成例を説明する概略図である。
【図4】実施の形態に係るスイッチ装置の動作を説明する模式図である。
【図5】実施の形態に係るスイッチ装置の動作を説明する模式図である。
【図6】従来のハザードスイッチを説明する断面図である。
【符号の説明】
【0058】
10 スイッチ装置、34 スイッチノブ(操作子)、56 ロックスイッチ(第1検出手段)、62 静電容量式タッチスイッチ(第2検出手段)、80 出力部、100 ハザードランプ(車載装置)、T 所定時間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作子と、
前記操作子に対する第1の操作を検出する第1検出手段と、
前記操作子に対する第2の操作を検出する第2検出手段と、
前記第1検出手段が前記第1の操作を検出した場合と前記第2検出手段が前記第2の操作を検出した場合とで出力時間を異ならせて出力信号を出力する出力部と、
を備えることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチ装置であって、
前記出力部は、
前記第1検出手段が前記第1の操作を検出した場合には前記出力信号を、前記第1の操作が再度検出されるまで出力し続け、
前記第2検出手段が前記第2の操作を検出した場合には前記出力信号を、予め設定された所定時間だけ出力することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のスイッチ装置であって、
前記第1検出手段は、押しボタン式スイッチと、レバー式スイッチと、ダイヤル式スイッチのうちのいずれか1つで構成され、
前記第2検出手段は、静電容量式タッチスイッチと、感圧式タッチスイッチと、赤外線式タッチスイッチのうちのいずれか1つで構成されていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスイッチ装置と、
前記スイッチ装置に接続された車載装置と、
を備えることを特徴とする車両。
【請求項5】
請求項4に記載の車両であって、
前記車載装置は、前記スイッチ装置によって、オン状態からオフ状態への切り替えまたはオフ状態からオン状態への切り替えが制御されることを特徴とする車両。
【請求項6】
請求項4または5に記載の車両であって、
前記車載装置は、ハザードランプと、ウィンドウワイパと、パワーウィンドウと、オーディオビジュアル機器と、ヘッドライトと、照明機器と、空調機器のうちのいずれか1つであることを特徴とする車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−16207(P2009−16207A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−177457(P2007−177457)
【出願日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(000185617)小島プレス工業株式会社 (515)