説明

スイッチ電源へのフィードバックを備えた被変調電源ステージ

所望の電源電圧を表す基準信号に応じて複数の電源電圧のうちの1つを選択するための選択手段と、調整された電源電圧を生成するために、選択された電源電圧と修正信号とを結合するための結合手段と、基準信号および調整された電源電圧に応じて修正信号を生成するように適合された調整手段とを備えた電圧供給段であって、選択手段が、結合手段への入力のうちの1つから誘導される信号にさらに応じて複数の電源電圧のうちの上記1つを選択するようになされた電圧供給段が開示される。
図訳

図1
102 スイッチ電源
104 フィルタ
112 負荷
114 ACアンプ

図2
#1 従来技術

図3
302 スイッチ電源
304 スイッチ電源コントローラ
316 基準
328 PI制御

図4
302 スイッチ電源
304 スイッチ電源コントローラ
328 PI制御

図5
302 スイッチ電源
304 スイッチ電源コントローラ
328 PI制御
404 振幅調整
406 微分器
411 相関器

図6
302 スイッチ電源
304 スイッチ電源コントローラ
328 PI制御
404 振幅調整
406 微分器
411 相関器

図7
302a、302b スイッチ電源ステージ
304 スイッチ電源コントローラ
306 フィードバック制御段

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は被変調電源ステージに関し、詳細には、低周波スイッチ電源の選択を制御するための入力が提供されるようにフィードバックループが接続されるステージに関する。フィードバックは、低周波スイッチ電源ステージの出力から提供することができ、あるいは高周波修正ステージの出力から提供することができる。
【背景技術】
【0002】
包絡線トラッキング(ET)ならびに包絡線除去および回復(EER)により、電力増幅器動作の効率、詳細には、大きい波高率を有する直交周波数分割多重化(OFDM)などの信号を使用した電力増幅器動作の効率を著しく改善することができることは当業者に知られている。しかしながら、これらの技法には大きい電力および広い帯域幅が必要であり、そのため、これらの技法の適用には大きな困難が伴うことも同じく知られている。これらの困難は、とりわけ、離散コンポーネントの数を最少化しなければならず、また、磁場が大きくなること(large dimensioned magnetics)を回避しなければならない携帯型無線端末に適用する場合に侮り難いものになる。
【0003】
一見単純な解決法は、変調器を高速応答線形レギュレータにすることであろう。しかしながら、この解決法は、電力増幅器が浪費する電力を線形レギュレータが浪費する電力に単純に置き換えているにすぎず、したがって効率の正味の改善には寄与していない。
【0004】
効率を少しでも改善するために、スイッチモード電源の後段に低ドロップアウト(LDO)高速応答線形レギュレータを備えたいくつかの従来技術の実施態様が知られている。これにより、スイッチモード動作に固有の誤差が除去される。しかしながら、これは、平方自乗平均(RMS)誤差より著しく大きくなり得るスイッチモード誤差のピークを許容するだけの十分な範囲が線形レギュレータになければならない点で問題である。これは、LDOにおける大きな持続的散逸(standing dissipation)の原因になっている。
【0005】
GB2398648に開示されている技法は、この問題を著しく改善している。図1は、この実施態様を示したものである。図1には、有効な電力変換手段として使用されている典型的なスイッチモード電源の図が示されている。これは一例として示したものであり、本発明は、このタイプのトポロジーに限定されないことに留意されたい。
【0006】
DC−DCスイッチ電源102に入力ライン118から提供された基準波形は、フィルタ回路網104によってフィルタリングされた後、必要波形に近似される。
【0007】
フィルタは、磁気エネルギーを蓄積するためのインダクタ106、および電気エネルギーを蓄積するためのコンデンサ108を備えている。真の合計を与えることができる変圧器110が使用されており、例えば信号を加算および減算して、修正増幅器114からの平均修正値をゼロに設定することにより、大きな持続的散逸を除去することができる。変圧器の出力は、負荷112に出力を提供する。
【0008】
変圧器110の出力は、修正増幅器114に入力を提供するためにフィードバックされており、修正増幅器114は、もう1つの入力としてライン116上で基準信号を受け取る(この基準信号は、ライン118の基準信号と同じ信号源であっても、あるいはそれから誘導されたものであってもよい)。変圧器は、スイッチ電源電圧と修正増幅器の出力とを結合し、修正された出力電圧を提供する。
【0009】
図1の構成が抱えている潜在的な問題は、変圧器の望ましくないインダクタンスを介した修正電流の分流を防止するために、変圧器110に大きい自己インダクタンスを持たせなければならないことである。これは、一般的には大きいフェライトコアを使用しなければならないことを意味している。これは、無線インフラストラクチャ実施態様の場合には許容可能であるが、携帯型送受話器実施態様の場合、あるいはサイズが制限される可能性のあるあらゆる実施態様にとっては、これを許容することはとりわけ困難である。
【0010】
図1の電源ステージは、極めて効率的な動作が可能であるが、この回路が切り替えることができるのは、2つのレベルの間のみであり、中間レベルは、エネルギー蓄積要素であるインダクタ106およびコンデンサ108のフィルタリング作用によってのみ得ることができる。
【0011】
低周波出力の場合(周波数がスイッチング周波数よりはるかに低い場合)、この構造は、トラッキングを実施することは可能であるが、この回路が提供することができるトラッキングは、高い周波数では不十分になることがある。また、高い周波数では、今後、スイッチング関連製品の実質的なブレークスルーがある。前記電力変換回路が変調器として使用される場合、エネルギー蓄積要素が、何らかの周波数で負荷に対して大きいインピーダンスを示すことになる並列共振タンクを形成する。
【0012】
図2は、この効果を示したものである。急激に変化する電流需要に対するエネルギー蓄積要素の反作用により、電力増幅器部分に波形204が生成されている。これは、望ましい波形202と比較すると、大きく誤ったトラッキングを示している。また、出力インピーダンスが大きいため、負荷が不安定になることもある。
【0013】
従来技術によるスイッチモード変調器の例については、米国特許第5905407号、第6054914号、第6198374号、第6300826号、第6583664号、第6661210号、第6661217号、第6710646号、第6792252号および米国特許出願第2002/0008574号を参照されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、改良型被変調電源ステージを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一態様では、所望の電源電圧を表す基準信号に応じて複数の電源電圧のうちの1つを選択するための選択手段と、調整された電源電圧を生成するために、選択された電源電圧と修正信号とを結合するための結合手段と、基準信号および調整された電源電圧に応じて修正信号を生成するように適合された調整手段とを備えた電圧供給段であって、選択手段が、結合手段への入力のうちの1つから誘導される信号にさらに応じて複数の電源電圧のうちの1つを選択するようになされた、電圧供給段が提供される。
【0016】
結合手段へ選択された電源電圧および修正信号を結合する信号が入力される。選択された電源電圧は選択手段の出力であって、スイッチ電圧電源であることが好ましい。修正信号は調整手段の出力である。
【0017】
結合手段への入力のうちの1つから誘導される信号は、選択手段の出力であってもよい。
結合手段への入力のうちの1つから誘導される信号は、調整手段の出力であってもよい。
【0018】
フィードバック制御段は、結合手段への入力のうちの1つから誘導された信号を選択手段に提供することができる。フィードバック制御段は、第1の入力として基準信号を受け取り、また、第2の入力として結合手段への入力のうちの1つを受け取るように適合させることができ、さらに、調整された基準信号を選択手段に提供するために、結合手段への入力のうちの1つに応じて基準信号を調整するように適合させることができる。
【0019】
一実施形態では、フィードバック制御段は、基準信号から選択手段の出力を減算するための減算器と、減算された信号を受け取り、かつ、修正された出力を生成するための比例−積分(PI)コントローラと、PIコントローラの修正された出力を基準信号に加算し、調整された基準信号であるフィードバック制御段の出力を形成するための加算器とを備えることができる。
【0020】
別の実施形態では、フィードバック制御段は、調整手段の出力を受け取り、かつ、修正された出力を生成するための比例−積分(PI)コントローラと、PIコントローラの修正された出力を基準信号に加算し、調整された基準信号であるフィードバック制御段の出力を形成するための加算器とを備えることができる。
【0021】
結合手段はインダクタを備えていることが好ましく、また、調整手段は電圧−電流変換器を備えていることが好ましく、選択された電源電圧によって提供されるインダクタに流れる電流を調整するために、修正信号を表す電流がインダクタの第2の端子に注入され、このようにして調整された電流がインダクタの第2の端子に接続されている負荷に流れ、それにより、前記負荷の両端間に調整された電源電圧が展開する。
【0022】
電圧供給段は、修正基準信号を提供するために、基準信号を調整するための基準調整段を備えていることが好ましい。選択手段は、修正基準信号に応じて選択するように適合させることができる。フィードバック制御手段は、修正基準信号に応じて、結合手段への入力のうちの1つから誘導される信号を提供するように適合させることができる。
【0023】
基準調整段は、基準信号の振幅と選択された電源電圧の振幅の差に応じて基準信号の振幅を調整するための手段を備えることができる。基準信号の振幅を調整するための手段は、基準信号と選択された電源電圧の間の振幅誤差を決定するための相関器と、前記誤差に応じて基準信号を修正するための振幅調整ブロックとを含むことができる。基準調整段は、結合手段に流れる電流を最大化し、それにより調整手段に流れる電流を最小化するために、結合手段に流れる電流を制御するための手段を備えることができる。
【0024】
電流の流れを制御するための手段は、インダクタに流れる電流を決定し、かつ、その決定に応じて、基準信号を受け取り、その微分バージョンを生成するようになされた微分器の係数を修正するための制御信号を提供するための相関器を含むことができる。微分器は、振幅調整された基準信号を入力として受け取り、微分された、振幅調整された基準信号を生成するように構成することができ、基準調整段は、さらに、振幅調整された基準信号と、微分された、振幅調整された基準信号とを加算して修正基準信号を形成するための加算器を備えている。
【0025】
移動無線デバイスのためのトラッキング被変調電源ステージには、定義されている電圧供給段が含まれていることが好ましい。
【0026】
また、本発明の一態様では、電源電圧を生成するための方法であって、所望の電源電圧を表す基準信号に応じて、複数の電源電圧のうちの1つを選択するステップと、調整された電源電圧を生成するために、選択された電源電圧と修正信号とを結合するステップと、基準信号および調整された電源電圧に応じて修正信号を生成するステップと、結合ステップへの入力信号のうちの1つをフィードバック信号として提供するステップとを含み、選択ステップが、フィードバック信号に応じて複数の電源電圧のうちの1つを選択するようにさらになされた方法が提供される。
【0027】
提供ステップは、選択手段の出力をフィードバック信号として提供することができる。提供ステップは、調整手段の出力をフィードバック信号として提供することができる。
この方法は、さらに、結合手段への入力のうちの1つから誘導された信号を選択手段に提供するためにフィードバック信号を制御するステップを含むことができる。
【0028】
フィードバックを制御するステップは、第1の入力として基準信号を受け取り、また、第2の入力として結合ステップへの入力のうちの1つを受け取るステップと、調整された基準信号を選択ステップに提供するために、結合ステップへの入力のうちの1つに応じて基準信号を調整するステップとを含むことができる。
【0029】
フィードバックを制御するステップは、基準信号から選択手段の出力を減算するステップと、減算された信号を受け取り、かつ、比例−積分(PI)修正出力を生成するステップと、調整された基準信号を形成するために修正出力を基準信号に加算するステップとを含むことができる。
【0030】
フィードバックを制御するステップは、調整手段の出力を受け取り、かつ、比例−積分(PI)修正出力を生成するステップと、調整された基準信号を形成するために修正出力を基準信号に加算するステップとを含むことができる。
【0031】
結合手段はインダクタを備えることができ、また、調整手段は電圧−電流変換器を備えることができ、この方法は、さらに、選択された電源電圧によって提供されるインダクタに流れる電流を調整するために、修正信号を表す電流をインダクタの第2の端子に注入するステップを含むことができ、このようにして調整された電流がインダクタの第2の端子に接続されている負荷に流れ、それにより、前記負荷の両端間に調整された電源電圧が展開する。
【0032】
この方法は、さらに、修正基準信号を提供するために基準信号を調整するステップを含むことができる。
選択ステップは、修正基準信号に応じて選択するように適合させることができる。
【0033】
制御ステップは、修正基準信号に応じて、結合ステップへの入力のうちの1つから誘導される信号を提供するように適合させることができる。
調整ステップは、基準信号の振幅と選択された電源電圧の振幅の差に応じて基準信号の振幅を調整するステップを含むことができる。
【0034】
基準信号の振幅を調整するステップは、基準信号と選択された電源電圧の間の振幅誤差を決定するステップと、前記誤差に応じて基準信号を修正するステップとを含むことができる。
調整ステップは、結合手段に流れる電流を最大化し、それにより調整手段に流れる電流を最小化するために、結合手段に流れる電流を制御するステップを含むことができる。
【0035】
電流の流れを制御するステップは、インダクタに流れる電流を決定するステップと、その決定に応じて微分器の係数を修正するための制御信号を提供するステップとを含むことができ、微分器は、基準信号を受け取り、その微分バージョンを生成するように構成される。
【0036】
この方法は、さらに、振幅調整された基準信号を入力として微分器で受け取るステップと、微分された、振幅調整された基準信号を生成するステップとを含むことができ、調整ステップには、さらに、修正基準信号を形成するために、振幅調整された基準信号と、微分された、振幅調整された基準信号とを加算するステップが含まれている。
【0037】
他の態様では、本発明により、第1の電圧信号と第2の電圧信号を結合して結合電圧信号を提供するための結合器であって、第1の電圧信号に接続された第1の端子を有するインダクタと、第2の電圧端子に接続された負荷と、入力部分で第2の電圧信号を受け取り、かつ、第2の電圧信号を表す電流を出力部分に生成するための変換手段であって、その出力がインダクタの第2の端子に接続された変換手段とを備え、結合された第1および第2の電圧を表す電流が負荷に生成され、したがって結合された電圧信号が負荷の両端間に展開する結合器が提供される。
【0038】
結合器は、さらに、インダクタの第2の端子に接続されたコンデンサを備えることができ、インダクタとコンデンサが相俟って、結合された信号のためのL−Cフィルタを形成する。
【0039】
変換手段は電圧−電流変換器であってもよい。
負荷は電力増幅器であってもよく、また、結合された電圧は、電力増幅器のための電源電圧である。
被変調電圧電源は、定義されている結合器を備えることができ、また、さらに、基準信号に応じて複数の電源電圧のうちの1つを選択するための選択手段を備えることができ、選択された電源は第1の電圧信号であり、変換手段は、基準信号に応じた第2の電圧信号および結合された電圧信号を備えた修正信号を生成するための調整手段である。
【0040】
また、本発明の一態様では、第1の電圧信号と第2の電圧信号を結合して結合電圧信号を提供するための方法であって、第1の電圧信号をインダクタの第1の端子に接続するステップと、負荷をインダクタの第2の端子に接続するステップと、第2の電圧信号を該第2の電圧信号を表す電流に変換するステップと、第2の電圧信号を表す電流をインダクタの第2の端子に提供するステップとを含み、結合された第1および第2の電圧を表す電流が負荷に生成され、したがって結合された電圧信号が負荷の両端間に展開する方法が提供される。
【0041】
第2の電圧信号を表す電流をインダクタの第2の端子に提供するステップは、インダクタの第2の端子に電流を注入するステップを含むことができる。
本発明の他の態様では、本発明により、所望の電源電圧を表す基準信号に応じて複数の電源電圧のうちの1つを選択するための選択手段と、選択された電源電圧と修正信号を結合し、調整された電源電圧を生成するための結合手段と、基準信号および調整された電源電圧に応じて修正信号を生成するように適合された修正手段と、基準信号の振幅と選択された電源電圧の振幅の差に応じて基準信号の振幅を調整するための調整手段と、結合手段に流れる電流を制御して該結合手段に流れる電流を最大化し、それにより修正手段を流れる必要のある電流を最小化するための微分手段とを備えた電圧供給段が提供される。
【0042】
調整手段は、基準信号と選択された電源電圧の間の振幅誤差を決定するための相関器と、前記誤差に応じて基準信号を修正するための振幅調整ブロックとを含むことができる。
結合手段に流れる電流を制御して該結合手段に流れる電流を最大化し、それにより修正手段に流れる電流を最小化するための手段は、インダクタに流れる電流を決定し、かつ、その決定に応じて微分器の係数を修正するための相関器を含むことができる。
【0043】
振幅調整ブロックは、基準信号を受け取って、振幅調整された基準信号を生成することができ、微分器は、振幅調整された基準信号を受け取って、その微分バージョンをその出力に生成し、また、加算器は、振幅調整された基準信号と修正された微分基準信号を加算し、被変調電源ステージで使用される基準信号を提供する。
【0044】
また、この他の態様では、本発明により、被変調電源電圧を生成するための方法であって、所望の電源電圧を表す基準信号に応じて複数の電源電圧のうちの1つを選択するステップと、調整された電源電圧を生成するために、選択された電源電圧と修正信号を結合するステップと、基準信号および調整された電源電圧に応じて修正信号を生成するステップと、基準信号の振幅と選択された電源電圧の振幅の差に応じて基準信号の振幅を調整するステップと、結合手段に流れる電流を最大化し、それにより修正手段を流れる必要のある電流を最小化するために、結合手段に流れる電流を微分によって制御するステップとを含む方法が提供される。
【0045】
調整ステップは、基準信号と選択された電源電圧の間の振幅誤差を決定するステップと、前記誤差に応じて基準信号を修正するステップとを含むことができる。
結合手段に流れる電流を最大化し、それにより修正手段に流れる電流を最小化するために結合手段に流れる電流を制御するステップは、インダクタに流れる電流を決定するステップと、決定ステップに応じて微分器の係数を修正するステップとを含むことができる。
【0046】
振幅調整ブロックは、基準信号を受け取って、振幅調整された基準信号を生成することができ、微分器は、振幅調整された基準信号を受け取って、その微分バージョンをその出力に生成することができ、また、加算器は、振幅調整された基準信号と修正された微分基準信号を加算し、被変調電源ステージで使用される基準信号を提供する。
定義されている、あるいは以下の説明の中で考察されている本発明のすべての態様および特徴は、個々に、あるいは任意の組合せで実施することができる。
以下、本発明について、一例として添付の図を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】従来技術による低周波スイッチ電源および高周波誤差修正を含んだ被変調電源ステージを示す図である。
【図2】図1などの従来技術の構造が抱えている問題を示す図である。
【図3】本発明の第1の例示的実施形態による被変調電源ステージにおける改善を示す図である。
【図4】第1の実施形態の好ましい実施態様に対する変形例を示す図である。
【図5】第1の実施形態の好ましい実施態様に対する他の変形例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態の一例示的実施態様を示す図である。
【図7】本発明の実施形態の一例示的実施態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明について、一例として本発明を様々な実施形態で応用したものを参照して説明する。本発明の範囲は、何らかの特定の実施形態の実施詳細の細目に限定されないことは当業者には理解されよう。
【0049】
本発明による広義の原理は、追加フィードバック経路を提供することである。フィードバック経路は、スイッチ電源に入力を提供する。
【0050】
フィードバック経路の準備は、2つの広義の実施形態のうちの1つに基づいている。第1の広義の実施形態では、フィードバック経路は、スイッチ電源の出力、すなわち粗経路の出力を起点としている。第2の広義の実施形態では、フィードバック経路は、修正経路の出力を起点としている。したがって、スイッチ電源と修正信号を結合するための結合器段への入力から誘導される入力がスイッチ電源ステージに提供される。このフィードバックによって低周波数における誤差が小さくなり、したがって結合器段の帯域幅を狭くすることができる。
【0051】
以下、図3を参照して、第1の広義の実施形態の実施態様のための第1の構造について説明する。添付の図において、他の図に示されている要素に対応する要素には、すべて同様の符号が使用されている。
【0052】
全体的に符号300で示されている図3の被変調電源ステージは、スイッチ電源ステージ302、スイッチ電源コントローラ304、修正増幅器310、結合器段308、フィードバック制御段306、コンデンサ312および負荷314を備えている。
【0053】
図3の被変調電源ステージ300は、入力ライン316上に提供される基準信号に応じて、負荷314への出力ライン318上に被変調電源を提供する。負荷314は電力増幅器であってもよい。
【0054】
スイッチ電源コントローラ304は、フィードバック制御段306から入力信号を受け取る。スイッチ電源コントローラ304は、フィードバック制御段306からの信号に応じてスイッチ電源302を制御し、ライン320上にスイッチ電源出力を提供する。ライン320上のスイッチ電源出力は、結合器段308に第1の入力を提供する。
【0055】
フィードバック制御段306は2つの入力を受け取り、第1の入力は、ライン320上のスイッチ電源ステージ302の出力からライン322上に提供され、また、第2の入力は、入力ライン316上の基準信号によって提供される。フィードバック制御段306は、スイッチ電源コントローラ304に修正入力を提供するために、受け取った基準信号をフィードバック信号に応じて調整するように動作する。
【0056】
結合器段308への第2の入力は、修正増幅器310の出力によって提供される。修正増幅器310は、第1の入力としてライン316上の基準信号を受け取り、また、第2の入力として、ライン318上の結合器段308の出力からなるライン324上のフィードバック信号を受け取る。
【0057】
任意選択のコンデンサ312は、出力ライン318と接地の間に接続されている。
【0058】
第1の実施形態による図3の構造例では、結合器段308は変圧器として実施されている。変圧器は、第1の巻線340および第2の巻線342を有している。第1の巻線340の第1のタップは、ライン320上のスイッチ電源ステージ302の出力に接続されている。第1の巻線340の第2のタップは、ライン318上に出力信号を提供する。
【0059】
第2の巻線342の第1のタップは、修正増幅器310の出力を受け取るように接続されている。第2の巻線342の第2のタップは接地に接続されている。変圧器は、このようにしてスイッチ電源の出力と修正増幅器の出力を結合し、修正されたスイッチ電源をその出力に生成する。
【0060】
フィードバック制御段306は、ライン316上の基準信号の改良型バージョンをスイッチ電源コントローラ304の入力に提供するために、スイッチ電源の出力からのライン322上でのフィードバックを利用するように動作する。フィードバック制御段306には、減算器326、加算器330およびPI制御ブロック328が含まれている。
【0061】
減算器は、一方の入力としてライン316上の基準信号を受け取り、また、もう一方の入力として322上のフィードバック信号を受け取る。ライン316上の基準信号からライン322上のフィードバック信号が減算され、PI制御ブロック328に入力が提供される。PI(比例−積分)コントローラの実施態様は、当分野でよく知られている。
【0062】
PI制御ブロック328の出力は、加算器330への第1の入力を形成しており、加算器330への第2の入力は、ライン316上の基準信号によって提供される。加算器は、PI制御ブロック328の出力を基準信号316に加算し、フィードバック制御段306の出力として、スイッチ電源コントローラ304のための修正された基準信号を生成する。加算器330は、フィードフォワード要素をフィードバック制御に加えており、これは、振幅が大きい信号を取り扱う場合に必要である。
【0063】
フィードバック制御段306は、レベルの差を減算手段326を使用して知覚することによって動作する。減算器326からの出力レベルがPI制御ブロック328によって知覚され、かつ、両方のレベルが可能な限り近くなるよう、スイッチ電源コントローラ304に対する入力レベルに低速調整トリムを提供するために使用される。
【0064】
ライン322上のスイッチ電源ステージ経路に提供されるフィードバックにより、ライン320上のスイッチ電源出力中の低周波誤差が除去されるため、他のいかなる方法で可能であるよりも小さいデバイスとして結合器段308を実施することができる。
【0065】
スイッチ電源コントローラ304は、適切な電源電圧が選択されるよう、当分野で知られている技法に従ってスイッチ電源を制御する。スイッチ電源コントローラは、その入力ライン上の信号に従ってスイッチ電源302を制御し、その信号は、図に示されている構造の場合、フィードバック制御段306の出力によって提供される。
【0066】
修正構造では、結合器段308は、変圧器としてではなく、インダクタとして実施されている。図4は、この修正実施態様を示したものである。
図4に示されているように、結合器段308は、スイッチ電源ステージ302の出力ライン320に接続された第1の端子を有するインダクタ402を備えている。インダクタ402の第2の端子は、ライン318上に出力信号を提供する。
【0067】
結合器段308をインダクタとして実施することにより、結合機能を達成するための追加修正が提供される。図3の修正増幅器310は、図4の修正増幅器410に置き換えられている。修正増幅器410は、出力ライン318に接続されているインダクタ402の端子に電流を注入する電流出力をライン412上に提供する。これにより、ライン318上に修正被変調電源電圧を得るために修正信号とスイッチ電源信号を結合する機能が提供される。
【0068】
図4の例示的構造のインダクタ402は2つの機能を有している。第1に、インダクタは、スイッチ電源信号と修正(すなわち調整)信号を結合している。第2に、インダクタ402は、コンデンサ312と結合して、図1のインダクタ106およびコンデンサ108によって提供されるL−Cフィルタを提供することができる。
【0069】
GB2398648の構成と比較すると、インダクタ402の磁化または自己インダクタンスは、図3の変圧器構造の場合のように望ましくはないが必要な追加手段としてではなく、回路機能の一部として使用されている。図1に示されているL−C構造が提供される場合、インダクタ106はインダクタ402を実施することができ、また、コンデンサ108はコンデンサ312を実施することができる。したがって結合器は既存の回路を使用して実施される。これは、出力結合回路の帯域幅要求事項が著しく緩和されることを示唆している。
【0070】
図3のアーキテクチャと図4のアーキテクチャの間のもう1つの重大な相違は、出力電流のほとんどが、修正増幅器によって提供されるのではなく、スイッチ電源ステージによってインダクタ402を介して分流されることである。
【0071】
一般に、図4を参照すると、スイッチ電源302は、ライン316上の基準信号電圧に対応するスイッチ電源を選択するために、スイッチ電源制御ブロック304の制御の下で1組の電圧の間を切り替えている。修正増幅器410は、調整すなわち修正信号を電流として提供しており、この電流が、ライン318上のインダクタ402の出力に流れる、スイッチ電源電圧を表す電流に追加される。ライン318上の調整された電流は、負荷314のための調整された電源電圧を展開する。
【0072】
図4の追加要素は、図3の構造の動作を改善するための好ましい要素として提供される。電流注入修正増幅器を備えたインダクタとしての結合器段308の実施態様は、ライン322上に提供されるフィードバックには無関係である。この構造は、場合によっては、スイッチ電源ステージのためのフィードバックの準備には無関係に有利に実施することができる。
【0073】
図5を参照すると、一例示的構造におけるさらに他の修正が示されている。図5を参照すると、図5に示されている被変調電源ステージ500は、基準調整段403を追加で備えている。
【0074】
基準調整段は、入力としてライン316上の基準信号を受け取るように適合されている。基準調整段403は、追加として、ライン412上の修正増幅器410の出力から誘導された、ライン416上のフィードバック信号である入力をさらに受け取る。基準調整段403は、フィードバック制御段306への入力を形成する出力を生成する。図5の構造の場合、フィードバック制御段306は、ライン316上の基準信号を直接入力として受け取る代わりに、基準調整段402の出力として提供される、このような基準信号の修正バージョンを受け取る。
【0075】
基準調整段403には、振幅調整ブロック404、微分器ブロック406、加算器408、相関器411および2つの積分器413、414が含まれている。
【0076】
相関器411は、第1の入力としてライン316上の基準信号を受け取り、また、第2の入力としてライン416上の修正増幅器410の出力を受け取る。相関器は2つの出力を生成する。第1の出力は、積分器413を介して振幅調整ブロック403404に提供される。第2の出力は、積分器414を介して微分器ブロック406に提供される。
【0077】
振幅調整ブロックは、相関器411の積分された第1の出力とは別に、入力としてライン316上の基準信号を受け取る。微分器ブロック406は、第1の入力として振幅調整ブロック403の出力を受け取り、また、第2の入力として相関器411の第2の積分された出力を受け取る。加算器408は、第1の入力として振幅調整ブロック401404の出力を受け取り、また、第2の入力として微分器ブロック406の出力を受け取る。加算器408の出力は、基準調整段403の出力を形成しており、フィードバック制御段306への入力を提供する。
【0078】
相関器411は、ライン316上の基準信号電流と、ライン416上の修正増幅器410によって提供される電流とを相関させる。相関器411は、両方の入力信号が相関すると正の出力を提供し、また、両方の入力信号が相関していない場合、負の出力を提供する。相関器の入力に存在する別様に形状化されたフィルタ応答の選択に応じて、相関器411から2つの出力が生成される。したがって相関器は、図には示されていない手段によって、その入力信号が2組のフィルタのうちの一方に印加されるように制御される。
【0079】
微分器406は、相関器入力のフィルタ応答が帯域通過応答を有するように選択されると、相関器によって制御される。振幅調整ブロック404は、相関器入力のフィルタ応答が低域通過応答を有するように選択されると、相関器によって制御される。したがって相関器は2つの出力を生成し、それらの出力が積分器413および414への入力を形成している。
【0080】
積分器414は相関器の出力を積分し、積分器414による制御された方法での微分器406の微分器係数の操作を可能にしている。
基準調整段403は二重機能を提供する。第1の機能は微分器406によって提供され、また、第2の機能は振幅調整ブロック404によって提供される。
【0081】
通常、微分器406は、インダクタ402を通って流れる電流が最大になるように動作する。微分器406がこのように動作することにより、以下でさらに詳細に説明するように、修正増幅器410に引き渡す必要のある電流が最小化される。
【0082】
通常、振幅調整ブロック404は、以下でさらに詳細に説明するように、振幅を修正して修正増幅器をより容易に動作させることができるようにするために、修正増幅器410の要求事項を最小化するように動作する。
【0083】
インダクタ402の第1の端子の電圧は、a+b.dx/dtで近似することができるスイッチ電源302の出力であり、上式でaは変調器の望ましい信号出力、dx/dtは時間微分修正信号、bは時間微分修正信号の振幅である。
【0084】
インダクタの第2の端子の電圧は、望ましい変調器出力であるaで表すことができる電圧信号の可能な限り近くに維持されるよう、修正増幅器の作用によって修正される第1の端子の電圧である。
【0085】
微分器406は、負荷に引き渡される電圧信号の振幅成分bを制御するように動作する。相関器411は、インダクタ402に流れる電流に関する情報を微分器406に提供する。電圧レベルbが適切なレベルであることを保証するために、この電流情報に基づいて微分器の係数が調整される。次に、ブロック406における微分が変更される。したがって微分器は、望ましい電圧により近づくように信号を改善している。
【0086】
微分器406が存在しない場合、スイッチ電源フィードバック経路のため、インダクタ402を通って直流電流が流れることになる(交流電流は流れない)。微分器406は、直流電流が流れるだけではなく、電流の大部分がインダクタ402を通って流れることを保証するために提供される。
【0087】
電流相関器411は、修正増幅器410によって提供される交流電流と、ライン316上の基準信号の交流成分とを乗算している。基準信号の時間微分が低すぎる場合、修正増幅器電流は相関している。微分項が高すぎる場合、2つの信号の間には相関は存在していない。これを使用して、測定された負荷電流と微分項の間の連係を調整することができる。第二次数項は調整する必要はない。
【0088】
微分器406などの微分器の実施態様および微分器係数の適合は、当業者に知られている。
性能を改善するための微分器406の動作については、以下の通りにさらに理解することができる。
【0089】
スイッチ電源302は一次トラッキング要素として使用され、修正増幅器410は、微調整すなわち微修正を実施する。スイッチ電源302は、フィードバック経路322に基づく改良型トラッキングのための閉ループを実行している。若干の残留誤差がスイッチ電源の出力に依然として存在している可能性がある。修正増幅器は、スイッチング電源の出力に存在するこの残留誤差を除去するもう1つの閉ループを提供する。修正増幅器によって高周波誤差を除去することはできるが、インダクタ402の自己インダクタンスの効果が無効になるため、低周波修正は、その有効性が損なわれている。しかしながら、スイッチ電源ループは、低い周波数でより大きいループ利得を有しており、したがってより低い周波数における修正を省略することができる。
【0090】
基準調整段403は、両方のフィードバックループがインダクタ402の両側を強制的に等しくする場合に生じる問題に対処する。これは、インダクタ402の両端間の電圧を強制的にゼロにすることになる。その結果、修正増幅器410は、インダクタ402に流れる電流のうちのすべての交流部分をソースしなければならないことになる。
【0091】
インダクタ402を介して交流電流を強制的に流すためには、インダクタ402の両端間の電圧を、インダクタンスにインダクタ402を通って流れる電流の時間微分を乗じたものと等しくしなければならない。インダクタ402を通って流れる電流は、負荷314を通って流れる電流であり、定義により、包絡線トラッキング変調器の電圧出力は、この電流に従わなければならない。したがってスイッチ電源302への入力が時間微分項ならびに変調信号に従っている場合、スイッチ電源302は、直流電流に加えて交流電流の大部分を供給することができ、したがって修正増幅器410が引き渡さなければならない電力を小さくすることができる。
【0092】
出力部分に接続されているコンデンサ312は、インダクタ402の両端間の電圧の成分を、印加される変調電圧の第二次微分に等しくする。これは、理想的には、スイッチ電源302に印加される信号は、第1および第2の微分項を有していなければならないことを意味している。第2の微分項は、使用されるインダクタおよびコンデンサの値によって固定されるが、第1の微分は、負荷314によって引き出される電流の関数でもある。したがって負荷電流の何らかの測度が必要であり、微分項はこの負荷電流と連係している。
【0093】
負荷電流とこの微分項の間の連係は、上で説明したように相関器411によって確立される。
振幅調整ブロック404は、インダクタ402の両端間の直流信号の振幅がゼロであること、つまりインダクタの2つの端子の振幅がゼロであることを保証するように動作する。
【0094】
したがって振幅調整ブロック404は、aとaが等しくなるように試行するべく動作する。aとaが等しくなると、インダクタの第2の端子に展開する、負荷に引き渡すための電圧信号は、成分b.dx/dtによってのみ提供される。
このような目的が達成されると、修正増幅器は振幅修正を提供する必要はなく、修正増幅器の作業負荷が軽減される。
【0095】
基準調整段403は、これらの性能目的を達成するために提供される。
インダクタの端子部分の潜在的な振幅不平衡は、スイッチ電源302からの出力と、ライン316上の修正増幅器410の入力に現れる基準信号との間の潜在的な振幅不平衡によるものである。このような振幅不平衡は、とりわけ低い周波数で大きな電流がインダクタ402に流れる原因になる。低周波数におけるフィードバック制御段306への入力をライン302上のスイッチ出力に強制的に等しくする振幅調整ブロック404はこの問題に対処しており、したがってインダクタの端子部分に展開する電圧は整合している。
【0096】
振幅調整ブロック404は、振幅誤差を表す相関信号に応じて、ライン316上の基準信号の振幅を調整している。相関信号は、積分器413を介して相関器411から提供される。したがって、加算器408への入力として、また、微分器406への入力として、振幅調整された基準信号が振幅調整ブロック404によって提供される。
【0097】
基準調整段403によって提供される制御機能は、有利には、結合器段308がインダクタとして実施されるかどうかには無関係である。
基準調整段403の二重機能は、次のように要約することができる。
相関器の一方の出力が、振幅調整ブロック404によって、微分器に提供され、かつ、基準調整段の出力として提供される信号の振幅を制御するために使用される。
【0098】
相関器のもう一方の出力が、微分器によって、インダクタを通って流れる電流を制御して、修正増幅器がインダクタのための電流を提供しなければならない状態を回避するために使用される。
【0099】
次に、図6を参照して、本発明の第2の広義の実施形態の実施態様のための一例示的構造について説明する。
【0100】
図6に関しては、図5の構造が、フィードバック制御段306へのフィードバックがスイッチ電源ステージの出力からではなく、修正増幅器の出力から提供されるように修正されている。したがってフィードバック制御段306は、ライン412上の修正増幅器の出力から誘導されるライン602上のフィードバック信号を受け取る。
【0101】
この構造の場合、減算器326が不要であるため、フィードバック制御段が修正されている。したがってライン602上のフィードバック信号がPI制御ブロック328への入力を形成し、PI制御ブロック328が加算器330への入力を形成している。加算器330のもう一方の入力は、この場合も基準調整段403の出力によって提供される。
【0102】
図6の構造は、好ましい例示的構造を示したもので、基準調整段403が提供され、また、結合器段308はインダクタとして実施されている。しかしながら、フィードバック制御段306のためのフィードバック信号を修正増幅器の出力から提供する原理は、基準調整段403が実施される構造、あるいは結合器段308がインダクタとして実施される構造に限定されない。基準調整段403は省略することができ、また、結合器段308は、変圧器などの他の手段によって実施することができる。
【0103】
様々な実施形態では、特徴の組合せが開示されており、また、本発明の適用性または実施態様は、このような特徴の組合せに限定されないことに留意されたい。したがって、本明細書において説明されている、フィードバック信号を結合段への入力から準備する広義の原理は、結合器段の特定の実施態様に限定されない。同様に、結合器段の入力からスイッチ電源ステージへのフィードバック信号の実施態様は、本明細書において示されている基準調整段の実施態様に限定されない。
【0104】
同様に、本明細書において説明されている基準調整段を、結合器段の実施態様には無関係に、被変調電源ステージの中で実施することによって利点を得ることができる。基準調整段は、結合器段がインダクタとして実施される場合など、本明細書において説明されている他の特徴と組み合わせた場合に特定の利点を有しているが、その有用性は、このような特定の実施態様に限定されない。
【0105】
さらに、インダクタとしての結合器段の実施態様は、本明細書において示されている他の任意の態様の細目に限定されないことに留意されたい。インダクタとしての結合器段の実施態様は、結合器の入力からスイッチ電源ステージへフィードバックが提供される構造に限定されないが、このような特徴と組み合わせて使用することによって利点が得られる。
【0106】
同様に、結合器段およびインダクタの実施態様は、基準調整段が提供されるどのような構造にも限定されないが、この場合も、インダクタとしての結合器段を基準調整段と組み合わせて実施することによって利点を得ることができる。
【0107】
最後に、結合器への入力からスイッチ電源ステージへのフィードバックの特定の実施態様は、結合器段の特定の実施態様には無関係であり、また、基準調整段が提供されるか否かに無関係であることに留意されたい。
【0108】
図7を参照すると、本明細書において説明されている例示的実施形態の原理による多相多重レベル電源構造が示されている。図7の構造には、図3に関連して上で説明したフィードバック構造が利用されており、スイッチ電源ステージへのフィードバックは、スイッチ電源ステージの出力から提供される。さらに、図7の構造には、上で説明した図4の構造の特徴が利用されており、結合器段308はインダクタとして実施されている。
【0109】
図7に示されている多相構造の場合、二重相構造であることが仮定されている。したがって2組のスイッチ電源ステージが提供される。個々のスイッチ電源ステージは、それまでの図のスイッチ電源ステージ302に対応しており、したがって図7には、それぞれそれまでの図のスイッチ電源ステージ302に対応している第1のスイッチ電源ステージ302aおよび第2のスイッチ電源ステージ302bが示されている。
【0110】
スイッチ電源コントローラ304は、これらの2つのスイッチ電源ステージ302aおよび302bのための共通のスイッチ電源制御信号を提供する。図3の構造の場合と同様、スイッチ電源コントローラ304は、フィードバック制御段306から入力信号を受け取る。
【0111】
フィードバック制御段306は、入力としてライン316上の基準信号を受け取り、また、追加としてスイッチ電源ステージの出力からフィードバック信号を受け取る。多相構造の例では、フィードバック制御段306に必要であるのは、これらのスイッチ電源ステージのうちの1つからの単一のフィードバック信号のみである。したがって図7の構造の場合、スイッチ電源ステージ302aの出力からフィードバック制御段306へのフィードバック信号の準備が示されている。
【0112】
スイッチ電源ステージ302aおよび302bの各々は、それぞれ対応する結合器段308aおよび308bに出力を提供する。結合器段308aおよび308bの各々は、例示的構造に関連して本明細書において既に説明した任意の結合器段に従って実施することができる。図7の好ましい構造では、結合器段308aおよび308bは、それぞれ要素402aおよび402bで識別されているインダクタとして実施されている。インダクタ402aおよび402bの各々の第1の端子は、それぞれ対応するスイッチ電源ステージ302aおよび302bから出力信号を受け取る。インダクタ402aおよび402bの第2の端子は、まとめて出力ライン318に接続されている。
【0113】
修正増幅器410は、ライン316上の基準信号を受け取って、インダクタ402aおよび402bの出力に注入される電流をライン412上に生成する。したがって修正増幅器410の出力およびインダクタ402a、402bの出力は、まとめて出力ラインに接続され、負荷に出力信号を引き渡している。
【0114】
以上の説明から、結合器段308aおよび308bの各々は、変圧器として実施することができることは理解されよう。対応する個々の変圧器の出力は、結合された多相信号をライン318上に提供するために、まとめて接続することができる。
【0115】
以上の説明から、修正増幅器410の出力からフィードバック制御段へフィードバック信号が提供されるように図7の構造を修正することができることは理解されよう。
【0116】
以上の説明から、図5および6に示されている基準調整段403などの基準調整段を含むべく図7の構造をさらに修正することができることは明らかであろう。
個々のスイッチ電源302aおよび302bは、複数の電圧、例えばVからVxの電圧のアレイを有することができ、xは、実行可能な2以上の任意の数字であってもよい。スイッチ電源302aおよび302bは、最も近い電圧を選択するスイッチ電源コントローラ304からドライブされる。
【0117】
実施形態では、スイッチ電源コントローラ304は、PWM、ヒステリシスまたはデルタシグマ変換器であってもよい。
好ましい構造では、スイッチ電源302aおよび302bは、スイッチングクロックの逆位相でクロックされる。
【0118】
以上の説明によれば、本発明を実施するための多数の実施形態が示されている。個々の実施形態の様々な要素は、個々に利用することも、あるいは説明されている他の要素と組み合わせて利用することもできる。本発明の範囲は、本明細書において説明されている任意の実施形態の細目に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって定義されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所望の電源電圧を表す基準信号に応じて複数の電源電圧のうちの1つを選択するための選択手段と、調整された電源電圧を生成するために、選択された電源電圧と修正信号とを結合するための結合手段と、前記基準信号および前記調整された電源電圧に応じて前記修正信号を生成するように適合された調整手段とを備えた電圧供給段であって、前記選択手段が、前記結合手段への入力のうちの1つから誘導される信号にさらに応じて前記複数の電源電圧のうちの前記1つを選択するようになされた、電圧供給段。
【請求項2】
前記結合手段への前記入力のうちの1つから誘導される前記信号が前記選択手段の出力である、請求項1に記載の電圧供給段。
【請求項3】
前記結合手段への前記入力のうちの1つから誘導される前記信号が前記調整手段の出力である、請求項1に記載の電圧供給段。
【請求項4】
前記結合手段への前記入力のうちの1つから誘導された前記信号を前記選択手段に提供するためのフィードバック制御段をさらに備えた、請求項1から3のいずれか一項に記載の電圧供給段。
【請求項5】
前記フィードバック制御段が、第1の入力として前記基準信号を受け取り、また、第2の入力として前記結合手段への前記入力のうちの1つを受け取るように適合され、さらに、調整された基準信号を前記選択手段に提供するために、前記結合手段への前記入力のうちの前記1つに応じて前記基準信号を調整するように適合された、請求項4に記載の電圧供給段。
【請求項6】
請求項4および請求項2に従属している場合、前記フィードバック制御段が、前記基準信号から前記選択手段の前記出力を減算するための減算器と、前記減算された信号を受け取り、かつ、修正された出力を生成するための比例−積分(PI)コントローラと、前記PIコントローラの前記修正された出力を前記基準信号に加算し、前記調整された基準信号である前記フィードバック制御段の出力を形成するための加算器とを備える、請求項5に記載の電圧供給段。
【請求項7】
請求項4および請求項3に従属している場合、前記フィードバック制御段が、前記調整手段の前記出力を受け取り、かつ、修正された出力を生成するための比例−積分(PI)コントローラと、前記PIコントローラの前記修正された出力を前記基準信号に加算し、前記調整された基準信号である前記フィードバック制御段の出力を形成するための加算器とを備える、請求項5に記載の電圧供給段。
【請求項8】
前記結合手段がインダクタを備え、また、前記調整手段が電圧−電流変換器を備え、前記インダクタに流れる、前記選択された電源電圧によって提供される電流を調整するために、前記修正信号を表す電流が前記インダクタの第2の端子に注入され、このようにして調整された電流が前記インダクタの前記第2の端子に接続されている負荷に流れ、それにより前記負荷の両端間に前記調整された電源電圧が展開する、前記請求項のいずれかに記載の電圧供給段。
【請求項9】
修正基準信号を提供するために、前記基準信号を調整するための基準調整段をさらに備えた、前記請求項のいずれかに記載の電圧供給段。
【請求項10】
請求項1から3または8のいずれか一項に従属している場合、前記選択手段が前記修正基準信号に応じて選択するように適合される、請求項9に記載の電圧供給段。
【請求項11】
請求項4から8のいずれか一項に従属している場合、前記フィードバック制御手段が、前記修正基準信号に応じて前記結合手段への前記入力のうちの1つから誘導される前記信号を提供するように適合される、請求項9に記載の電圧供給段。
【請求項12】
前記基準調整段が、前記基準信号の振幅と前記選択された電源電圧の振幅の差に応じて前記基準信号の振幅を調整するための手段を備えた、請求項9から11のいずれか一項に記載の電圧供給段。
【請求項13】
前記基準信号の振幅を調整するための前記手段が、前記基準信号と前記選択された電源電圧の間の振幅誤差を決定するための相関器と、前記誤差に応じて前記基準信号を修正するための振幅調整ブロックとを含む、請求項12に記載の電圧供給段。
【請求項14】
前記基準調整段が、前記結合手段に流れる電流を最大化し、それにより前記調整手段に流れる電流を最小化するために、前記結合手段に流れる電流を制御するための手段を備えた、請求項9から13のいずれか一項に記載の電圧供給段。
【請求項15】
前記電流の流れを制御するための前記手段が、前記インダクタに流れる電流を決定し、かつ、その決定に応じて、前記基準信号を受け取り、その微分バージョンを生成するようになされた微分器の係数を修正するための制御信号を提供するための相関器を含む、請求項14に記載の電圧供給段。
【請求項16】
請求項14および12ならびに13に従属している場合、前記微分器が、振幅調整された基準信号を入力として受け取り、微分された、振幅調整された基準信号を生成するようになされ、前記基準調整段が、さらに、前記振幅調整された基準信号と、前記微分された、振幅調整された基準信号とを加算して前記修正基準信号を形成するための加算器を備える、請求項15に記載の電圧供給段。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載の電圧供給段を含んだ、移動無線デバイスのためのトラッキング被変調電源ステージ。
【請求項18】
電源電圧を生成するための方法であって、所望の電源電圧を表す基準信号に応じて、複数の電源電圧のうちの1つを選択するステップと、調整された電源電圧を生成するために、選択された電源電圧と修正信号とを結合するステップと、前記基準信号および前記調整された電源電圧に応じて前記修正信号を生成するステップと、前記結合ステップへの入力信号のうちの1つをフィードバック信号として提供するステップとを含み、前記選択ステップが、前記フィードバック信号に応じて前記複数の電源電圧のうちの前記1つを選択するようにさらになされた方法。
【請求項19】
前記提供ステップが選択手段の出力を前記フィードバック信号として提供する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記提供ステップが調整手段の出力を前記フィードバック信号として提供する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
結合手段への入力のうちの1つから誘導された信号を前記選択手段に提供するために前記フィードバック信号を制御するステップをさらに含む、請求項18から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記フィードバックを制御する前記ステップが、第1の入力として前記基準信号を受け取り、また、第2の入力として前記結合ステップへの前記入力のうちの1つを受け取るステップと、調整された基準信号を前記選択ステップに提供するために、前記結合ステップへの前記入力のうちの前記1つに応じて前記基準信号を調整するステップとを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
請求項21および請求項19に従属している場合、前記フィードバックを制御する前記ステップが、前記基準信号から前記選択手段の出力を減算するステップと、前記減算された信号を受け取り、かつ、比例−積分(PI)修正出力を生成するステップと、前記調整された基準信号を形成するために前記修正出力を前記基準信号に加算するステップとを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
請求項21および請求項20に従属している場合、前記フィードバックを制御する前記ステップが、前記調整手段の出力を受け取り、かつ、比例−積分(PI)修正出力を生成するステップと、前記調整された基準信号を形成するために前記修正出力を前記基準信号に加算するステップとを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記結合手段がインダクタを備え、また、前記調整手段が電圧−電流変換器を備え、前記方法が、さらに、前記インダクタに流れる、前記選択された電源電圧によって提供される電流を調整するために、前記修正信号を表す電流を前記インダクタの第2の端子に注入するステップを含み、このようにして調整された電流が前記インダクタの前記第2の端子に接続されている負荷に流れ、それにより前記負荷の両端間に前記調整された電源電圧が展開する、請求項18から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
修正基準信号を提供するために前記基準信号を調整するステップをさらに含む、請求項18から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
請求項18から20または25のいずれか一項に従属している場合、前記選択ステップが前記修正基準信号に応じて選択するように適合される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
請求項21から25のいずれか一項に従属している場合、前記フィードバック制御ステップが、前記修正基準信号に応じて、前記結合ステップへの前記入力のうちの1つから誘導される信号を提供するように適合される、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記調整ステップが、前記基準信号の振幅と前記選択された電源電圧の振幅の差に応じて前記基準信号の振幅を調整するステップを含む、請求項26から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記基準信号の振幅を調整する前記ステップが、前記基準信号と前記選択された電源電圧の間の振幅誤差を決定するステップと、前記誤差に応じて前記基準信号を修正するステップとを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記調整ステップが、前記結合手段に流れる電流を最大化し、それにより前記調整手段に流れる電流を最小化するために、前記結合手段に流れる電流を制御するステップを含む、請求項26から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
電流の流れを制御する前記ステップが、前記インダクタに流れる電流を決定するステップと、その決定に応じて、前記基準信号を受け取り、その微分バージョンを生成するようになされた微分器の係数を修正するための制御信号を提供するステップとを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
請求項31および29ならびに30に従属している場合、振幅調整された基準信号を入力として前記微分器で受け取るステップと、微分された、振幅調整された基準信号を生成するステップとをさらに含み、前記調整ステップが、前記修正基準信号を形成するために、前記振幅調整された基準信号と、前記微分された、振幅調整された基準信号とを加算するステップをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
第1の電圧信号と第2の電圧信号を結合して結合電圧信号を提供するための結合器であって、前記第1の電圧信号に接続された第1の端子を有するインダクタと、第2の電圧端子に接続された負荷と、入力部分で前記第2の電圧信号を受け取り、かつ、前記第2の電圧信号を表す電流を出力部分に生成するための変換手段であって、その出力が前記インダクタの前記第2の端子に接続された変換手段とを備え、結合された第1および第2の電圧を表す電流が前記負荷に生成され、したがって前記結合された電圧信号が前記負荷の両端間に展開する結合器。
【請求項35】
前記インダクタの前記第2の端子に接続されたコンデンサをさらに備え、前記インダクタと前記コンデンサが相俟って、前記結合された信号のためのL−Cフィルタを形成する、請求項34に記載の結合器。
【請求項36】
前記変換手段が電圧−電流変換器である、請求項34または請求項35に記載の結合器。
【請求項37】
前記負荷が電力増幅器であり、前記結合された電圧が前記電力増幅器のための電源電圧である、請求項34から36のいずれか一項に記載の結合器。
【請求項38】
請求項34から37のいずれか一項に記載の結合器を備えた被変調電圧電源であって、基準信号に応じて複数の電源電圧のうちの1つを選択するための選択手段をさらに備え、選択された電源が前記第1の電圧信号であり、前記変換手段が、前記基準信号に応じた前記第2の電圧信号および前記結合された電圧信号を備えた修正信号を生成するための調整手段である被変調電圧電源。
【請求項39】
第1の電圧信号と第2の電圧信号を結合して結合電圧信号を提供するための方法であって、前記第1の電圧信号をインダクタの第1の端子に接続するステップと、負荷を前記インダクタの第2の端子に接続するステップと、前記第2の電圧信号を前記第2の電圧信号を表す電流に変換するステップと、前記第2の電圧信号を表す前記電流を前記インダクタの前記第2の端子に提供するステップとを含み、結合された第1および第2の電圧を表す電流が前記負荷に生成され、したがって前記結合された電圧信号が前記負荷の両端間に展開する方法。
【請求項40】
前記第2の電圧信号を表す電流を前記インダクタの前記第2の端子に提供するステップが、前記インダクタの前記第2の端子に電流を注入するステップを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
所望の電源電圧を表す基準信号に応じて複数の電源電圧のうちの1つを選択するための選択手段と、選択された電源電圧と修正信号を結合し、調整された電源電圧を生成するための結合手段と、前記基準信号および前記調整された電源電圧に応じて前記修正信号を生成するように適合された修正手段と、前記基準信号の振幅と前記選択された電源電圧の振幅の差に応じて前記基準信号の振幅を調整するための調整手段と、前記結合手段に流れる電流を制御して前記結合手段に流れる電流を最大化し、それにより前記修正手段を流れる必要のある電流を最小化するための微分手段とを備えた電圧供給段。
【請求項42】
前記調整手段が、前記基準信号と前記選択された電源電圧の間の振幅誤差を決定するための相関器と、前記誤差に応じて前記基準信号を修正するための振幅調整ブロックとを含む、請求項41に記載の被変調電源ステージ。
【請求項43】
前記結合手段に流れる電流を制御して前記結合手段に流れる電流を最大化し、それにより前記修正手段に流れる電流を最小化するための前記手段が、インダクタに流れる電流を決定し、かつ、その決定に応じて微分器の係数を修正するための相関器を含む、請求項41または請求項42に記載の被変調電源ステージ。
【請求項44】
請求項42に従属している場合、前記振幅調整ブロックが、前記基準信号を受け取って、振幅調整された基準信号を生成し、前記微分器が、前記振幅調整された基準信号を受け取って、その微分バージョンをその出力に生成し、また、加算器が、前記振幅調整された基準信号と修正された微分基準信号を加算し、前記被変調電源ステージで使用される前記基準信号を提供する、請求項43に記載の被変調電源ステージ。
【請求項45】
被変調電源電圧を生成するための方法であって、所望の電源電圧を表す基準信号に応じて複数の電源電圧のうちの1つを選択するステップと、調整された電源電圧を生成するために、選択された電源電圧と修正信号を結合するステップと、前記基準信号および前記調整された電源電圧に応じて前記修正信号を生成するステップと、前記基準信号の振幅と前記選択された電源電圧の振幅の差に応じて前記基準信号の振幅を調整するステップと、結合手段に流れる電流を最大化し、それにより修正手段を流れる必要のある電流を最小化するために、前記結合手段に流れる電流を微分によって制御するステップとを含む方法。
【請求項46】
前記調整ステップが、前記基準信号と前記選択された電源電圧の間の振幅誤差を決定するステップと、前記誤差に応じて前記基準信号を修正するステップとを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記結合手段に流れる電流を最大化し、それにより前記修正手段に流れる電流を最小化するために前記結合手段に流れる電流を制御するステップが、インダクタに流れる電流を決定するステップと、前記決定ステップに応じて微分器の係数を修正するステップとを含む、請求項45または請求項46に記載の方法。
【請求項48】
請求項46に従属している場合、振幅調整ブロックが、前記基準信号を受け取って、振幅調整された基準信号を生成し、前記微分器が、前記振幅調整された基準信号を受け取って、その微分バージョンをその出力に生成し、また、加算器が、前記振幅調整された基準信号と修正された微分基準信号を加算し、被変調電源ステージで使用される前記基準信号を提供する、請求項47に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−520416(P2011−520416A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507939(P2011−507939)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【国際出願番号】PCT/EP2009/055611
【国際公開番号】WO2009/135941
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(508184365)ヌジラ リミテッド (5)
【Fターム(参考)】