説明

スイッチ

【課題】乗員が車両に搭載された機器、を操作するためのスイッチの操作を容易に行うことができるスイッチを提供することを目的とする。
【解決手段】車両に搭載された機器、を操作するためのスイッチであって、車両の室内のインストルメントパネルのパネル面12から突出し、パネル面12に対して固定されている突起13と、突起13に設けられ、人体との間の静電容量変化を出力する電極部17と、を備えることを特徴とする。突起13は、パネル面12から突出するように立ち上がる側面14を有し、電極部17は側面14に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチに関する。特に、車両に搭載された機器、を操作するためのスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転操作ノブを回転させることによってスイッチの操作を行うロータリー方式のスイッチが広く知られている。例えば、車両において、車両用エアコンの温度調節を行うためのスイッチやカーオーディオの音量を調節するためのスイッチをロータリースイッチで構成するという技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。これらのロータリースイッチは、車両室内のインストルメントパネル面に設けられている。
【0003】
しかし、従来のロータリースイッチは、回転操作ノブのような可動部材が設けられるために部品点数が多く、構造が複雑となるためにスイッチの組み立て作業が煩わしいという問題があった。そこで、パネル面に設けられるスイッチを静電容量型スイッチで構成するということが考えられる。そのようにすれば、回転操作ノブのような回転部材が不要となり、スイッチの構成を簡素化できる(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
図16は、パネル面に設けられるスイッチを静電容量型スイッチで構成した場合の平面図である。薄いシート状のセンサ電極11は、パネル面10に直接熱圧着されている。図16に示す複数のセンサ電極11を順になぞるように指を動かすと、指(人体)と、指(人体)が近づいたセンサ電極11と、の間の静電容量が変化する。このときの静電容量の変化を検出することによって、スイッチの操作量や操作方向を検出できる。
【0005】
【特許文献1】特開2007−80778号公報
【特許文献2】特開平06−111695号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
パネル面に設けられるスイッチを静電容量型スイッチで構成した場合、パネル面10に設けられたセンサ電極11の厚さは非常に薄いために、パネル面10の凹凸は極めて小さいものとなる。そうすると、車両の運転中において、乗員がパネル面10に視線を向けずに、センサ電極11を探し当てることは非常に困難であった。また、乗員がパネル面10に視線を向けずにセンサ電極11をなぞって、スイッチ操作を行うことも非常に困難であった。
【0007】
本発明は、上述した問題のうち少なくとも1つを解決することができるスイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、車両に搭載された機器、を操作するためのスイッチであって、車両の室内のパネル面から突出し、パネル面に対して固定されている突起と、突起に設けられ、人体との間の静電容量変化を出力する電極と、を備えることを特徴とする。かかる構成によれば、車両の運転中において、乗員はパネル面の方に手を延ばせば容易に突起を掴むことができる。そうすると、乗員は、パネル面に視線を向けなくとも突起を容易に探し当てることができる。
【0009】
本発明のスイッチであって、突起は、パネル面から突出するように立ち上がる側面を有し、突起の側面に電極を設けることもできる。乗員は、車両の運転中にパネル面に視線を向けなくても、突起を掴んでその外周面を指でなぞることができる。これにより、乗員はパネル面に視線を向けなくてもスイッチの操作を容易に行うことができる。また、突起の上面に電極を設けることもできる。また、従来のロータリー方式のスイッチは回転操作ノブなどの回転部分を有していたが、本発明に係る突起はパネル面に固定されて動かない。本発明の構成によれば、スイッチ自体は動かない状態で、スイッチの操作を行うことができる。これにより、乗員に新しい操作感覚を与えることができる。また、スイッチはパネル面に固定されているため、パネルとスイッチとの一体感が図られ、意匠性が向上する。
【0010】
本発明のスイッチであって、突起は、下段の上面から次の段の側面が順次突出するように形成された複数段の段付き形状であり、複数段の少なくとも1つの段の側面に電極を設けることもできる。また、複数段の少なくとも1つの段の上面に電極を設けることもできる。また、上面に設けられた電極を分割することもできる。そのようにすれば、簡易な構成で突起に複数のスイッチを設けることができる。
【0011】
本発明のスイッチであって、突起は、パネル正面から見て楕円形状であることが好ましい。かかる構成によれば、パネル正面から見た突起の短軸方向のパネル面のスペースは小さくて済む。
【0012】
本発明のスイッチであって、突起の側面の少なくとも一部は、パネル面の内側又は外側へ向けて湾曲していることが好ましい。例えば、突起の側面を、人間の指の形状とほぼ同一の形状とすることもできる。これにより、スイッチの操作性を向上させることができる。また、本発明のスイッチであって、突起は中空であり、電極は、突起の内面に取り付けられていることがセンサ保護の観点からも好ましい。また、突起は、車両のインストルメントパネルのパネル面に設けることもできる。また、パネル面には、スイッチの操作状態を表示するための表示部を設けることもできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、車両に搭載された機器、を操作するためのスイッチの操作性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[第1実施形態]
(構成)
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。図1は、本実施形態に係る車両のインストルメントパネルの平面図を示す。パネル面12には、車両用エアコンの温度調節操作を行うための突起13が設けられている。また、パネル面12には、エアコンの設定温度を表示するための図示しないインジケーターが設けられている。乗員は、インジケーターを見ることで、現在のエアコンの設定温度を確認できる。図2は、図1のA−A断面を示す図面である。図2に示すように、突起13は、パネル面12から突出するように立ち上がり、パネル面12に固定されている側面14と、上面15と、を含む。突起13はプラスチック等の誘電体からなり、中空に形成されている。また、図1に示すように、上面15の外面にはスイッチの操作部分を示すマーク16が印刷されている。図1のハッチングされた領域がマーク16を示す。
【0015】
再び図2に戻って説明する。図2に示すように、突起13の内面にはシート状の電極部17が設けられている。その詳細な態様については後述するが、シート状の電極部17にはセンサ電極が設けられ、そのセンサ電極はパネル面12の裏側に設けられた回路基板18上のコネクタ19に接続される。
【0016】
図3は、電極部17の展開平面図である。電極部17は、誘電体からなるシート20と、第1のセンサ電極21と、第2のセンサ電極22と、を含む。第1及び第2のセンサ電極21,22は、それぞれ導電性材料からなり、印刷、塗装、蒸着などによってシート20に薄膜状に形成されている。シート20は、第1のセンサ電極21が設けられる第1のシート部23と、第2のセンサ電極22が設けられる第2のシート部24と、を含む。
【0017】
図3に示すように、第2のシート部24は、折り曲げ線Aを境に突出している第1の領域25と、折り曲げ線AとBとの間に囲まれた第2の領域26と、折り曲げ線Bを境に突出している第3の領域27と、を有する。第2のセンサ電極22は、第2のシート部24の第1の領域25の表面に1つ設けられている。第2のシート部24は、折り曲げ線A及び折り曲げ線Bを基点として折り曲げられる。また、図3に示すように、第1のシート部23は、第2のシート部24の第2の領域26から突出するように延び、シート20は略T字形に形成されている。第1のセンサ電極21は、第1のシート部23の長手方向に沿ってその表面に複数個並んで設けられている。第1のセンサ電極21及び第2のセンサ電極22は、シート20上にパターニングされた配線28とそれぞれ接続されている。配線28は、第1のセンサ電極21及び第2のセンサ電極22から第2のシート部24の第3の領域27の端部29へ向かって延びている。
【0018】
図2〜図4を参照しながら、電極部17の突起13への取付態様について説明する。図4は、第2のシート部24を図3のC方向から見た図である。図4に示すように、第2のシート部24は、折り曲げ線Aを基点として山折りに曲げられる。図2に示すように、折り曲げられた第2のシート部24の第1の領域25の、第2のセンサ電極22が設けられていない裏面は、突起13の上面15の内面に貼り付けられる。第2のセンサ電極22は、突起13の上面15のマーク16と対応する位置に配置される。また、図2に示すように、第2のシート部24の第2の領域26の裏面と、第2の領域26から突出するように延びる第1のシート部23の、第1のセンサ電極21が設けられていない裏面は、突起13の側面14の内周面に貼り付けられる。複数個の第1のセンサ電極21は側面14の内周面に亘って配置される。さらに、図4において点線で示すように、第2のシート部24は、折り曲げ線Bを基点として山折りに曲げられる。図2に示すように、折り曲げられた第2のシート部24の第3の領域27は、回路基板18上に設けられたコネクタ19へ向かって延び、第1のセンサ電極21及び第2のセンサ電極22から延びる配線28はコネクタ19に接続される。
【0019】
図5は、本実施形態の制御系のブロック図を示す。第1のセンサ電極21A〜F及び第2のセンサ電極22は、制御コントローラ30に接続されている。制御コントローラ30は、パネル面12の裏側の回路基板18上に設けられている。制御コントローラ30は、車両用エアコン装置31と接続されている。乗員が、突起13の側面14の外周面を指でなぞる場合は、乗員の指と、乗員の指が近づいた第1のセンサ電極21A〜Fと、の間の静電容量が変化する。制御コントローラ30は、この静電容量の変化を検出し、それに基づいてスイッチの操作量や操作方向を決定する。制御コントローラ30は、スイッチの操作量や操作方向に基づいてエアコン装置31を制御する。制御コントローラ30は、静電容量変化が検出された第1のセンサ電極21の数に応じてスイッチの操作量を決定することができる。
【0020】
例えば、乗員が、側面14の外周面を指で時計回りの方向になぞって、図5に示す第1のセンサ電極21Aと、その右隣に配置された第1のセンサ電極21Bの静電容量がそれぞれ変化した場合について説明する。このとき、乗員は側面14に指を触れながらその外周面をなぞってもよいし、側面14に指を近接させた状態でその外周面に沿って指を動かしてもよい。乗員の指は、最初に第1のセンサ電極21Aに近づき、乗員の指と、第1のセンサ電極21Aと、の間の静電容量が変化する。この静電容量変化は、第1のセンサ電極21Aから制御コントローラ30へ出力される。次に、乗員の指は、第1のセンサ電極21Aの右隣に配置された第1のセンサ電極21Bに近づき、乗員の指と、第1のセンサ電極21Bと、の間の静電容量が変化する。この静電容量変化は、第1のセンサ電極21Bから制御コントローラ30へ出力される。静電容量変化が検出された第1のセンサ電極21の数は2個であり、制御コントローラ30は、このときの車両用エアコンの温度設定操作量は±1度分であると決定することができる。
【0021】
また、第1のセンサ電極21Aの静電容量が変化した後に、第1のセンサ電極21Aの右隣に配置された第1のセンサ電極21Bの静電容量が変化しているので、制御コントローラ30は、このときの操作方向は時計回りの方向であると判断する。制御コントローラ30は、操作方向が時計回りの方向であると判断した場合は、そのときの操作量に応じてエアコンの設定温度を上昇させるようにエアコン装置31を制御する。一方、制御コントローラ27は、操作方向が反時計回りの方向であると判断した場合は、そのときの操作量に応じてエアコンの設定温度を下げるようにエアコン装置31を制御する。
【0022】
一方、乗員の指が、突起13の上面15のマーク16に近接すると、乗員の指と、上面15の内面に配置された第2のセンサ電極21と、の間の静電容量が変化する。制御コントローラ30は、この静電容量の変化を検出して、乗員の指がマーク16に近接したか否かの判定を行う。制御コントローラ30は、その判定に基づいてエアコン装置31を制御する。例えば、制御コントローラ30は、乗員の指がマーク16に近接したと判定した場合は、エアコン装置31を起動させることができる。
【0023】
本実施形態においては、突起13は、車両用エアコンを操作するためのものであるが、これに限らず、突起13は、車両に搭載された機器を操作するためのものであればよい。例えば、突起13は、カーオーディオの音量などを操作するものであってもよい。また、本実施形態においては、突起13は、車両のインストルメントパネルのパネル面12に設けられているが、これに限らず、車両の室内に存在するパネル面に設けることができる。例えばコンソールボックス上やオーバーヘッドに突起13を設けてもよい。また、本実施形態においては、パネル面12には、エアコンの設定温度を表示するためのインジケーターが設けられているが、これに限らず、パネル面12には、スイッチの操作状態を表示する表示部を設けることができる。また、本実施形態においては、突起13の上面15及び側面14の両方に電極部17を設けているが、何れか一方のみに電極部17を設けてもよい。また、本実施形態においては、電極部17は、突起13の上面15の内面及び突起13の側面14の内周面に設けられているが、電極部14は、突起13の上面15の外面又は突起13の側面14の外周面に設けてもよい。また、本実施形態においては、誘電体からなるシートにセンサ電極を設けて電極部17を構成し、それを突起13に設けているが、これに限らず、誘電体からなるシート20を設けずに、センサ電極を突起13に直接設けるという態様であってもよい。
【0024】
また、本実施形態においては、第1のセンサ電極21は、第1のシート部23に複数個設けられているが、これに限らず、第1のセンサ電極21は、乗員の指(人体)との間の静電容量変化を出力するものであればよい。例えば、図6に示すように、第1のセンサ電極21は、第1のシート部23に少なくとも1つ設けられ、その第1のセンサ電極21は、第1のシート部23の長手方向に沿って、その電極面積が変化するものであってもよい。
【0025】
(作用・効果)
本実施形態においては、車両に搭載された機器、の操作を行うための突起13は、車両のパネル面12から突出し、パネル面12に固定されている。突起13には、乗員の指(人体)との間の静電容量変化を出力する電極18,19が設けられている。本実施形態の構成によれば、車両の運転中において、乗員はパネル面12の方に手を延ばせば容易に突起13を掴むことができる。そうすると、乗員はパネル面12に視線を向けずに突起13を探し当てることが容易にできる。また、例えば突起13は、パネルの正面から見た車両のセンター位置であって、かつ乗員の肩の高さ位の位置に設けることができる。これにより、乗員はパネル面12に視線を向けずに突起13を探し当てることが一層容易にできる。
【0026】
また、本実施形態においては、突起13は、パネル面12から突出するように立ち上がる側面14を有し、第1のセンサ電極21は、その側面14に設けられている。乗員は、車両の運転中にパネル面12に視線を向けなくても、突起13を掴んでその外周面を指でなぞることができる。また、本実施形態においては、突起13の上面15にも第2のセンサ電極21が設けられている。乗員は、車両の運転中にパネル面12に視線を向けなくても、突起13を掴んでその上面15に指を近接させることができる。本実施形態の構成によれば、乗員は、車両の運転中にパネル面12に視線を向けなくても、スイッチの操作を容易に行うことができる。また、本実施形態においては、突起13はパネル面12に固定されて動かない。すなわち、スイッチ自体は動かない状態で、スイッチの操作を行うことができる。これにより、乗員に新しい操作感覚を与えることができる。また、突起13はパネル面12に固定されているため、パネルとスイッチとの一体感が図られ、意匠性が向上する。
【0027】
また、本実施形態においては、第2のセンサ電極22は、突起13の上面15のマーク16に対応するようにして上面15に1つ設けられているが、これに限らず、第2のセンサ電極22を複数個に分割し、その分割された電極22を複数のマーク16に対応させてもよい。例えば、図7に示すように、第2のセンサ電極22を2つに分割することができる。このとき、図8に示すように、突起13の上面15にマーク16を2つ設け、2つに分割された電極22を、2つのマーク16A,Bに対応させることができる。かかる態様によれば、突起13の上面15に配置できるスイッチの数を増やすことができる。
【0028】
また、本実施形態においては、図1に示すように、突起13はパネル面12の正面から見て円形状であるが、これに限らず、図9に示すように、突起13はパネル面12の正面から見て楕円形状としてもよい。この場合、パネル正面から見た突起13の短軸方向のパネル面12のスペースは小さくて済む。また、例えば図10に示すように、パネル面12に複数の突起13を、その短軸方向が一致するように並べて設けたときに、互いに隣り合う突起13の短軸方向の距離Pを、パネル面12の正面から見た突起13の形状が円形状である場合に比べて小さくすることができる。また、互いに隣り合う突起13の間隔tは、少なくとも乗員の指が1本通過できる程度の間隔であればよい。
【0029】
また、本実施形態においては、図2に示すように、突起13の側面14は、パネル面12からほぼ直線的に立ち上がっているが、これに限らず、側面14の少なくとも一部は、パネル面12の外側又は内側へ向かって湾曲しているという態様であってもよい。例えば、図11に示すように、突起13の側面14は、上面15の外周縁全体からパネル面の内側へ向かって湾曲させることができる。このとき、側面14を、人間の指の形状とほぼ同一の形状とすることもできる。これにより、スイッチの操作性を向上させることができる。なお、側面14の少なくとも一部がパネル面12の外側又は内側へ向かって湾曲していればよく、例えば、側面14は、上面15の外周縁の一部がパネル面12の内側へ向かって湾曲し、上面15の外周縁の他の部分はパネル面12に向かって直線的に延びるものであってもよい。
【0030】
また、本実施形態においては、突起13は中空であって、電極は、前記突起の内面に取り付けられている。かかる構成によれば、センサ電極に水や埃が接触することを防止できるため、センサ保護の観点から好ましい。また、例えば、突起13の上面15をパネル面12の曲面に沿った形状とすることもできる。これにより、意匠性が向上する。
【0031】
[別の実施形態]
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明に係る突起13は、例えば、下段の上面から次の段の側面が順次突出するように形成された複数段の段付き形状とすることもできる。図12は、本発明の別の実施形態に係る突起13の斜視図である。図12において、突起13は2段形状とされている。突起13は、パネル面12から突出するように立ち上がり、パネル面12に固定された第1の側面14Aと、第1の上面15Aと、第1の上面15Aから突出するように立ち上がる第2の側面14Bと、第2の上面Bと、を有する。第1の上面15Aと第2の上面15Bには、それぞれスイッチのマーク16A,Bが印刷されている。
【0032】
図13は、本発明の別の実施形態に係る電極部17の展開平面図である。シート20は、第1のセンサ電極21が設けられる第1のシート部23A,Bと、第2のセンサ電極22A,Bが設けられる第2のシート部24と、を有する。第2のシート部24は、折り曲げ線Dを境に突出している第1の領域32と、折り曲げ線DとEとの間に囲まれた第2の領域33と、折り曲げ線EとFとの間に囲まれた第3の領域34と、折り曲げ線FとGとの間に囲まれた第4の領域35と、折り曲げ線Gを境に突出している第5の領域36と、を有する。第2のセンサ電極22A,Bは、第2のシート部24の第1の領域32と第3の領域34の表面にそれぞれ1個ずつ設けられている。第2のシート部24は、折り曲げ線D,E,F,Gを基点として折り曲げられる。また、図13に示すように、第1のシート部23Aは、第2のシート部24の第2の領域33から突出するように延び、第1のシート部23Bは、第2のシート部24の第4の領域35から突出するように延びている。第1のセンサ電極21は、第1のシート23A,23Bの長手方向に沿ってそれぞれの表面に複数個並んで設けられている。
【0033】
図14は、第2のシート部24を図13に示すH方向から見た図である。図15は、突起13の断面図である。図13〜図15を参照しながら、電極部17の突起13への取付態様について説明する。図14の(1)で示すように、第2のシート部24は、折り曲げ線Dを基点として山折りに曲げられる。図15に示すように、その折り曲げられた第2のシート部24の第1の領域32の、第2のセンサ電極22Aが設けられていない裏面は、突起13の第2の上面15Bの内面に貼り付けられる。第2のセンサ電極22Aは、第2の上面15Bのマーク16Bと対応する位置に配置される。また、第2のシート部24の第2の領域33の裏面と、第2の領域33から突出するように延びる第1のシート部23Aの、第1のセンサ電極21が設けられていない裏面は、第2の側面14Bの内周面に貼り付けられる。複数個の第1のセンサ電極21は側面14Bの内周面に亘って配置される。
【0034】
また、図14の(2)で示すように、第2のシート部24は、折り曲げ線Eを基点として谷折りに曲げられる。図15に示すように、その折り曲げられた第2のシート部24の第3の領域34の、第2のセンサ電極22Bが設けられていない裏面は、突起13の第1の上面15Aの内面に貼り付けられる。第2のセンサ電極22Bは、第1の上面15Aのマーク16Aと対応する位置に配置される。また、図14の(3)で示すように、第2のシート部24は、折り曲げ線Fを基点として山折りに折り曲げられる。図15に示すように、その折り曲げられた第2のシート部24の第4の領域35の裏面と、第4の領域35から突出するように延びる第1のシート部23Bの、第1のセンサ電極21が設けられていない裏面は、第1の側面14Aの内周面に貼り付けられる。複数個の第1のセンサ電極21は第1の側面14Aの内周面に亘って配置される。さらに、図14の(4)で示すように、第2のシート部24は、折り曲げ線Gを基点として山折りに曲げられる。図15に示すように、折り曲げられた第2のシート部24の第5の領域36は、回路基板18上に設けられたコネクタ19へ向かって延びる。第1のセンサ電極21及び第2のセンサ電極22から延びる配線28はコネクタ19に接続される。
【0035】
例えば、突起13の一段目を、車両用エアコンを操作するためのスイッチとして構成し、突起13の2段目をカーオーディオを操作するためのスイッチとして構成することができる。かかる構成によれば、簡易な構成で突起13に複数のスイッチを設けることができる。
【0036】
また、上述の実施形態と同様に、第1の上面15A又は第2の上面15Bに設けられた第2のセンサ電極22は、複数個に分割することもできる。また、第1の側面14A及び第2の側面14Bは、少なくとも一部がパネル面12の外側又は内側へ向かって湾曲していればよい。また、上述の説明では突起13は2段形状であるが、これに限らず、突起12は、下段の上面から次の段の側面が順次突出するように形成された複数段の段付き形状であればよく、例えば3段形状とすることもできる。なお、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本実施形態に係る車両のインストルメントパネルの平面図である。
【図2】図1のA−A断面を示す図面である。
【図3】本実施形態に係る電極部の展開平面図である。
【図4】本実施形態に係る電極部を図3に示すC方向から見た図である。
【図5】本実施形態に係る制御系のブロック図である。
【図6】他の実施例に係る電極部の展開平面図である。
【図7】他の実施例に係る電極部の展開平面図である。
【図8】他の実施例に係る突起の平面図である。
【図9】他の実施例に係る突起の平面図である。
【図10】他の実施例に係る突起の平面図である。
【図11】他の実施例に係る突起の断面図である。
【図12】本発明の別の実施形態に係る突起の斜視図である。
【図13】本発明の別の実施形態に係る電極部の展開平面図である。
【図14】本発明の別の実施形態に係る電極部を図12のH方向から見た図である。
【図15】本発明の別の実施形態に係る突起の断面図である。
【図16】パネル面に設けられるスイッチを静電容量型スイッチで構成した場合の平 面図である。
【符号の説明】
【0038】
10 パネル面、11 センサ電極、12 パネル面、13 突起、14 側面、15 上面、16 マーク、17 電極部、18 回路基板、19 コネクタ、20 シート、21 第1のセンサ電極、22 第2のセンサ電極、23 第1のシート部、24 第2のシート部、25 第1の領域、26 第2の領域、27 第3の領域、28 配線、29 端部、30 制御コントローラ、31 エアコン装置、32 第1の領域、33 第2の領域、34 第3の領域、35 第4の領域、36 第5の領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された機器、を操作するためのスイッチであって、
前記車両の室内のパネル面から突出し、前記パネル面に対して固定されている突起と、
前記突起に設けられ、人体との間の静電容量変化を出力する電極と、を備えることを特徴とするスイッチ。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチであって、
前記突起は、前記パネル面から突出するように立ち上がる側面を有し、
前記電極は、前記側面に設けられていることを特徴とするスイッチ。
【請求項3】
請求項2に記載のスイッチであって、
前記電極は、前記突起の上面にも設けられていることを特徴とするスイッチ。
【請求項4】
請求項1に記載のスイッチであって、
前記突起は、下段の上面から次の段の側面が順次突出するように形成された複数段の段付き形状であり、
前記電極は、前記複数段の少なくとも1つの段の側面に設けられていることを特徴とするスイッチ。
【請求項5】
請求項4に記載のスイッチであって、
前記電極は、前記複数段の少なくとも1つの段の上面にも設けられていることを特徴とするスイッチ。
【請求項6】
請求項3又は5に記載のスイッチであって、
前記上面に設けられた前記電極は、複数に分割されていることを特徴とするスイッチ。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1つに記載のスイッチであって、
前記突起は、前記パネルの正面から見て楕円形状であることを特徴とするスイッチ。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1つに記載のスイッチであって、
前記側面の少なくとも一部は、前記パネル面の内側又は外側へ向けて湾曲していることを特徴とするスイッチ。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか1つに記載のスイッチであって、
前記突起は中空であり、
前記電極は、前記突起の内面に取り付けられていることを特徴とするスイッチ。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか1つに記載のスイッチであって、
前記突起は、車両のインストルメントパネルのパネル面に設けられることを特徴とするスイッチ。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか1つに記載のスイッチであって、
前記パネル面には、スイッチの操作状態を表示するための表示部が設けられていることを特徴とするスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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