説明

スクレーパ

【課題】大きな剥離力を加え得るだけでなく剥離刃の出し入れや交換準備を片手で行い得るスクレーパの提供。
【解決手段】スクレーパ1は、板状の支持枠本体4と、該支持枠本体4の前縁から刃先部111が突出する状態で該支持枠本体4に取外し可能に取り付けられた剥離刃2と、前記支持枠本体4と協働して剥離刃2を挟持して剥離刃ホルダ3を構成する板状の支持枠補助体5であって、前縁53aから剥離刃2の刃先部11が突出する作業位置P1と、該作業位置P1よりも前縁側に突出するようにA1方向に変位され該前縁を含む部分が剥離刃2の刃先部11を蔽う剥離刃収納位置P2と、剥離刃2の取外しを許容すべく剥離刃2の大半の部分を露出させるように作業位置P1よりもA1方向に後退した剥離刃交換位置P3との間で、支持枠本体4に対して摺動可能に係合されたものとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクレーパに係り、より詳しくは、窓ガラスに付着した異物を除去するに適したスクレーパに係る。
【背景技術】
【0002】
一対の板状の支持枠体部からなる剥離刃ホルダと、該一対の支持枠体部の前縁部から刃先部が露出する状態で該一対の支持枠体部の間に挟まれた剥離刃と、該剥離刃の刃先部を露出させる作業位置と該剥離刃の刃先部を覆う剥離刃収容位置との間で可動に剥離刃ホルダに取付けられたカバー部材とを有するスクレーパは知られている(非特許文献1及び非特許文献2)。
【0003】
この種のスクレーパのうち非特許文献1のスクレーパでは、カバー部材は、剥離刃ホルダの一方の外表面上において、作業位置と剥離刃収容位置との間で「U」字状に変位可能であり、カバー部材はバネでUの二つの脚部の連結部に向かう向きに弾性偏移力を受け、Uの脚部の両端が安定な作業位置と剥離刃収容位置として規定される。
【0004】
このスクレーパでは、作業位置と剥離刃収容位置との間においてカバー部材を片手で変位可能であるとの説明があるけれども実際には片手での変位は容易でなく実際上両手を使う必要があるだけでなく、剥離刃の交換の際には、少なくとも、一対の板状の支持枠体部の間の連結(ネジ)を緩めて剥離刃の出し入れを行う必要がある。なお、剥離刃を一方の支持枠体部に係止させることにより該剥離刃を安定に支持しておこうとすると、一対の板状の支持枠体部を分離させた上で、剥離刃の交換をする必要がある。
【0005】
一方、非特許文献2のスクレーパでは、カバー部材は、一対の板状支持枠体部のうちの一方の支持枠体部の内表面に沿って進退・摺動可能なように取付けられ、剥離刃は一対の板状支持枠体部のうちの他方の支持枠体部の内表面側に係止されている。
【0006】
この非特許文献2のスクレーパでも、一対の板状支持枠体部の間で且つ剥離刃に圧接せしめられた状態で一方の支持枠体部の内表面に沿って進退・摺動することから、作業位置と剥離刃収容位置との間でカバー部材を変位させるために両手を使う必要があるだけでなく、剥離刃の交換の際には、一対の板状の支持枠体部を分離させた上で、剥離刃の交換をする必要がある。
【0007】
また、一対の板状の支持枠壁部及び一対の側壁部が一体的に形成されてなる剥離刃ホルダと、該枠体の板状穴部において出入り可能な剥離刃支持板及び該剥離刃支持板に支持された剥離刃とを備え、該剥離刃の刃先部を枠体の前縁から露出させる作業位置と該剥離刃の刃先部が剥離刃支持板のスリット状穴部内に入る剥離刃収容位置との間で剥離刃支持板が剥離刃ホルダに対して可動に取付けられたスクレーパも知られている(非特許文献3)。
【0008】
この非特許文献3のスクレーパでは、剥離刃を支持する剥離刃支持板自体が可動であるので、剥離の際の強い衝撃にも耐え得るように強固には剥離刃を支持し難い虞れがある。また、この非特許文献3のスクレーパでは、剥離刃が剥離刃支持板のスリット状穴部を出入りすることから、剥離刃の刃先部の近傍に異物が付着すると該異物がスリット状穴部を塞いで剥離刃支持板の出入りに支承が生じる虞れもある。更に、この非特許文献3のスクレーパでは、剥離刃の交換のためには、剥離刃支持板を作業位置を越えて更に突出させる必要があるだけでなく、元々剥離刃を該剥離刃支持板で支持していることから、剥離刃が外れ易い虞れがある。また、剥離刃を剥離刃ホルダ内に収納した状態から剥離作業をする状態に移行すべく剥離刃を押し出す際に、単に剥離刃の押し出し量が多少過大になるだけで、剥離刃の交換位置に達してしまって剥離刃を剥離刃ホルダから誤って外してしまう虞れも少なくない。
【0009】
なお、事前調査の範囲では、以上の非特許文献と同様な技術を開示した特許文献は見当たらず、特許文献としては、剥離刃を該剥離刃のホルダに交換可能に保持し得るようにしたことが開示されている程度であって、作業位置と収容位置との間で可動にする構造すら見当たらない(例えば、特許文献1〜3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】実開昭51−73864号公報
【特許文献2】実開平52−132400号公報
【特許文献3】実公昭49−36320号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】http://www.pikkabikan.com/1332_983.html(インターネット上のURL)等において、商品名「U−スライダー」として販売されているもの[平成21年10月5日検索]
【非特許文献2】http://ungerwindowcleaner.com/protrim10/(インターネット上のURL)等で商品名「ProTrim10」として表示されているもの[平成21年10月5日検索]
【非特許文献3】http://www.kanzawa.co.jp/product/scraper/02.html(インターネット上のURL)等で商品名「コンパクトスクレイパー」として表示されているもの[平成21年10月5日検索]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前記諸点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、大きな剥離力を加え得るだけでなく剥離刃の出し入れや交換準備を片手で行い得るスクレーパを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のスクレーパは、前記目的を達成すべく、板状の支持枠本体と、該支持枠本体の前縁から刃先部が突出する状態で該支持枠本体に取外し可能に取り付けられた剥離刃と、前記支持枠本体と協働して剥離刃を挟持して剥離刃ホルダを構成する板状の支持枠補助体であって、前縁から剥離刃の刃先部が突出する作業位置と、該作業位置よりも前縁側に突出するように変位され該前縁を含む部分が剥離刃の刃先部を蔽う剥離刃収納位置と、剥離刃の取外しを許容すべく剥離刃の大半の部分を露出させるように前記作業位置よりも後退した剥離刃交換位置との間で、支持枠本体に対して摺動可能に係合されたものとを有する。
【0014】
本発明のスクレーパでは、「支持枠本体と、剥離刃と」を有し、『剥離刃が支持枠本体に取り付けられている』ので、剥離刃を支持枠本体自体で支え得るから、剥離刃が受ける抵抗(負荷)が大きくても、該剥離刃によって大きな力(剥離力)を加えて、剥離作業を行い得る。また、本発明のスクレーパでは、『(前縁から刃先部が突出する状態で剥離刃が該支持枠本体に取外し可能に取り付けられた)板状の支持枠本体と板状の支持枠補助体とが協働して剥離刃を挟持して剥離刃ホルダを構成し』、該支持枠補助体が、「作業位置と、剥離刃収納位置と、剥離刃交換位置との間で、支持枠本体に対して摺動可能に係合され」ているので、支持枠本体に対して、支持枠補助体を摺動変位させるだけで、スクレーパを「作業位置、剥離刃収納位置及び剥離刃交換位置」に設定し得る。従って、スクレーパを、実際上片手で、「作業位置、剥離刃収納位置及び剥離刃交換位置」に設定し得る。即ち、本発明のスクレーパでは、実際上片手で、「(前縁から剥離刃の刃先部が突出する)作業位置」、「(該作業位置よりも前縁側に突出するように変位され該前縁を含む部分が剥離刃の刃先部を蔽う)剥離刃収納位置」及び「(剥離刃の取外しを許容すべく剥離刃の大半の部分を露出させるように前記作業位置よりも後退した)剥離刃交換位置」に設定され得る。従って、ビルの高層階の窓ガラスに付着した汚れその他の異物の剥離による除去のような高所等での作業も容易に行われ得る。
【0015】
本発明のスクレーパでは、典型的には、支持枠本体及び支持枠補助体の夫々が手先の挿入を許容する開口を備え、該開口に挿入した手先で二つの開口の縁を掴む(握る)と支持枠補助体が作業位置に設定されるように構成されている。
【0016】
その場合、「開口に挿入した手先で二つの開口の縁を掴む」だけで、支持枠本体に対して支持枠補助体を両者の開口が重なるように変位させ得、スクレーパの支持枠補助体を作業位置に設定し得る。従って、例えば、持ち運びのために、支持枠補助体が「(該作業位置よりも前縁側に突出するように変位され該前縁を含む部分が剥離刃の刃先部を蔽う)剥離刃収納位置」に設定されて刃先が隠されているスクレーパについて、「開口に挿入した手先で二つの開口の縁を掴む(握る)」だけで、スクレーパの支持枠補助体を作業位置に設定し得ることになり、収納・持ち運び用の状態にあったスクレーパについてその使用前に何ら特別の準備操作することなく、単に所定部位を掴むだけで作業を開始し得る。換言すれば、使用開始の便宜を予め考慮する必要がないので、収納・持ち運びの際には、刃先が隠されて安全が確保される剥離刃収納位置にしておけばよいから、安全性が一層高められることになる。また、逆に、剥離刃交換位置に設定して剥離刃の交換をした後においても、単に、「開口に挿入した手先で二つの開口の縁を掴む」だけで、スクレーパの支持枠補助体を作業位置に設定し得る。従って、剥離刃の交換の後、単に、所定部位を掴む(握る)だけで直ちに作業を始め乃至再開し得る。更に、この場合、作業位置が「開口に挿入した手先で二つの開口の縁を掴む」ことにより実現されることから、該作業位置が基準位置になり、該作業位置を基準として一方に動かされた際には剥離刃収納位置に設定され他方に動かされた際には剥離刃交換位置に設定されるので、誤って剥離刃交換位置に設定される虞れが少ない。なお、開口は、掴む(握る)指を通すことを可能にするだけではなく、スクレーパの全体を軽くしたり軽くみせるのに役立つ。
【0017】
本発明のスクレーパでは、典型的には、剥離刃が複数の穴を備え、該穴の夫々で支持枠本体の対応する小突起に係合されている。
【0018】
その場合、剥離刃が着脱可能に支持枠本体に取り付けられ得る。この場合、更に、剥離刃の後縁が係合される凹部を形成する庇状突起部を支持枠本体が更に備えていてもよい。但し、剥離刃の支持枠本体への固定は所望ならば他の手段によってもよい。
【0019】
本発明のスクレーパでは、典型的には、支持枠補助体が剥離刃交換位置を採るように支持枠本体に対して後退せしめられた際、剥離刃の後縁が支持枠補助体の前縁に対して取外し可能に係合している。
【0020】
その場合、剥離刃の交換が容易に行われ得るだけでなく、支持枠補助体が剥離刃交換位置に設定された際に、剥離刃が支持枠本体から外れる虞れが少ない。特に、「剥離刃が複数の穴を備え、該穴の夫々で支持枠本体の対応する小突起に係合されている」場合には、「支持枠補助体の前縁による剥離刃の後縁の係合」が更に加わることによって、支持枠補助体が剥離刃交換位置に設定された際に剥離刃が支持枠本体から外れる虞れが少ない状態で且つ剥離刃の交換(取外しと取付け)が容易に行われ得る。
【0021】
本発明のスクレーパでは、典型的には、支持枠補助体が剥離刃収納位置に設定された際に、該支持枠補助体を該剥離刃収納位置から剥離刃を露出させる他の位置に向かう移動を規制する係止手段を備える。
【0022】
その場合、剥離刃の刃先が覆われた状態にあるスクレーパの刃先が誤って露出する虞れが少なく、剥離刃が誤って露出することなく収納され得、剥離刃の収納が不完全になる虞れも少ない。この係止手段は、他の位置(作業位置や剥離刃交換位置)を採った際に安定に該位置に位置決めする手段と同様であってもよいけれども、そのような安定位置決め手段よりもより確実に当該位置に支持枠補助体を保ち得ることが好ましい。そのような係止手段は、例えば、支持枠補助体が前方に変位した位置を採る剥離刃収納位置において該支持枠補助体に対して相対的に後方に残っている支持枠本体に板バネ状部を形成しておくと共に該板バネ状部に係合突起部を形成しておき、剥離刃収納位置において支持枠補助体の後縁近傍の係止部に係止されるようにしたものからなる。その場合、強く握って初めて剥離刃収納位置から作業位置に向かって支持枠補助体及び支持枠本体を相対変位させ得る。
【0023】
このように剥離刃収納位置からのズレが規制されている場合、本発明のスクレーパでは、典型的には、支持枠補助体が作業位置及び剥離刃交換位置の夫々の位置を採る際、各位置において、剥離刃収納位置、作業位置及び剥離刃交換位置の中間の位置よりも安定に位置決めされるようにバネ負荷された係合片が対応する穴部に嵌り込むべく構成されている。
【0024】
その場合、作業位置や剥離刃交換位置から他の位置へ移行するために該作業位置や剥離刃交換位置を離れるのに対して抵抗(負荷)が大きくなるから、当該位置に安定に保持され易いだけでなく、他の状態ないし位置から作業位置や剥離刃交換位置に入るとき無負荷状態のように一旦抵抗(負荷)が小さくなりその後急にそれ以前よりも大きな抵抗(負荷)を受けることから、操作者(使用者ないし作業者)が一種の操作感ないしクリック感を感じ得、操作ミスが生じ難いだけでなく操作感がよい。この明細書では、(1)安定な位置から脱する際に抵抗が小さくなる前に大きな抵抗を受けること、及び(2)安定な位置に入る際に一旦抵抗が小さくなった後それ以上の変化に対して大きな抵抗を受けることの両方を、「クリック感」として説明している。但し、クリック感は、前者すなわち(1)のみを指しても、後者すなわち(2)のみを指してもよい。


剥離作業の際に剥離刃の露出状態が変わることなく確実に剥離作業が行われ得(作業位置にあるとき)、且つ剥離刃の不測の離脱・落下や剥離刃の取外し難さが生じる虞れがない(剥離刃交換位置にあること)。また、支持枠補助体が夫々の位置に設定されたことを操作者が確実に認識し得るから、剥離刃の交換の際に剥離刃が過度に露出されたり剥離刃の露出が不十分であったりする事態が生じる虞れも少ない。
【0025】
なお、このためには、例えば、支持枠本体及び支持枠補助体のうちの一方に相対移動方向に間隔をおいて穴部が形成され、支持枠補助体が作業位置及び剥離刃交換位置の夫々の位置を採る毎に、バネ負荷された(背面側においてバネで支えられた)状態で支持枠本体及び支持枠補助体のうちの他方に支持されたピン状突起が対応する穴部に嵌り込むように構成される。その場合、バネ負荷された突起及び一連の穴部は、幅方向の両側に一組づつ設けられる。また、剥離刃収納位置を採る際にも同様な構造(バネ負荷された係合片が穴部に嵌まり込む構造)を採るようにしてもよいけれども、剥離刃を収納した状態から剥離刃が露出する状態への移行は、刃物が隠れた状態から刃物が露出した状態への変化を伴うので、他の変化とは区別することが好ましく、同様な構造をとる場合には、例えば、穴部の深さや穴の両側の傾斜部の傾きを変えることが好ましい。なお、所望ならば、係合片を厚さ方向にバネ負荷する代わりに、例えば、板状の支持枠本体及び板状の支持枠補助体の延在面に平行な面内で且つ支持枠本体及び支持枠補助体の間の領域において揺動可能で一方向にバネ負荷されたレバーを設けておき、支持枠本体に対する支持枠補助体の相対変位に伴うレバーの回動に応じて、該レバーの腕部の一側に間隔をおいて形成された凹部にピンが嵌り込むようになっていてもよい。
【0026】
本発明のスクレーパでは、典型的には、支持枠補助体は、該支持枠補助体を作業位置から剥離刃収納位置に変位させる変位力を受ける力受容部を備える。
【0027】
その場合、支持枠本体に手の一部をかけておいて、手の他の部分で支持枠補助体の力受容部を押すだけで、該支持枠補助体を作業位置から剥離刃収納位置に変位させ得る。特に、上述の如く手の一部の挿入を許容する開口がある場合、支持枠補助体のうち該開口の後側縁部を指の一部で支え、力受容部に親指で押圧力を加えることにより、該支持枠補助体を作業位置から剥離刃収納位置に変位させ得る。ここで、力受容部は、典型的には、支持枠補助体の後端部に形成された凹部(力受容凹部、より詳しくは、凹部の底壁部)からなる。力受容凹部が形成されている場合、該凹部によって形成される領域に位置するように板バネ状係止部を支持枠本体に形成して(剥離刃収納位置において)凹部の底壁部に係止されるべく構成することも可能になる。但し、力受容部は、凹部の代わりに凸部であってもよく、支持枠補助体の他の部分に同様な又は他の形態の力受容部が形成されていてもよい。更に、力受容部が、支持枠補助体に形成される代わりに、支持枠本体に形成されていてもよい。
【0028】
本発明のスクレーパでは、典型的には、支持枠補助体は、該支持枠補助体を作業位置から剥離刃交換位置に変位させる変位力を受ける別の力受容部を備える。
【0029】
その場合、支持枠本体に手の一部をかけておいて、手の他の部分で支持枠補助体の前記別の力受容部を押すだけで、該支持枠補助体を作業位置から剥離刃交換位置に変位させ得る。例えば、上述の如く手の一部の挿入を許容する開口がある場合、支持枠本体の後端部を支えると共に、支持枠補助体のうち該開口の後側縁部を別の力受容部として該後縁部に親指で押圧力を加えることにより、該支持枠補助体を作業位置から剥離刃交換位置に変位させ得る。支持枠補助体を剥離刃収納位置から作業位置に変位させる場合にも同様な操作をしてもよいけれども、その場合には、上述の如く、単に、開口の後縁部を手で掴めばよい。
【0030】
本発明のスクレーパでは、典型的には、支持枠本体が幅方向両端のうち前縁よりも後ろの部位に一対の案内係合部を備え、支持枠補助体が幅方向両端に該案内係合部と係合する一対の被係合部を備える。
【0031】
その場合、支持枠本体の一対の案内係合部と支持枠補助体の一対の被係合部との係合は、剥離刃の存在に影響されることなく実現され得るので、支持枠本体と支持枠補助体との係合が、強固且つ(がたなく)安定に実現され得る。
【0032】
本発明のスクレーパでは、典型的には、係合部の前後方向の両端に、被係合部の前後方向の可動範囲を規定する係止部が形成されている。
【0033】
その場合、支持枠本体に対する支持枠補助体の可動範囲が容易且つ確実に正確に規定され得、剥離刃の収納(被覆)及び露出・交換が確実に行われ得る。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】支持枠補助体が作業位置にあって剥離用作業状態にある本発明の好ましい一実施例のスクレーパの斜視説明図。
【図2】図1のスクレーパを示したもので、(a)は図1においてIIA方向にみた平面説明図、(b)は図1においてIIB方向にみた側面説明図、(c)は図1においてIIC方向にみた背面説明図。
【図3】支持枠補助体が剥離刃収納位置にあって剥離刃収納状態にある図1のスクレーパの斜視説明図。
【図4】図3のスクレーパを示したもので、(a)は図3においてIVA方向にみた平面説明図、(b)は図3においてIVB方向にみた側面説明図、(c)は図3においてIVC方向にみた背面説明図。
【図5】支持枠補助体が剥離刃交換位置にあって剥離刃交換状態にある図1のスクレーパの斜視説明図。
【図6】図5のスクレーパを示したもので、(a)は図5においてVIA方向にみた平面説明図、(b)は図5においてVIB方向にみた側面説明図、(c)は図5においてVIC方向にみた背面説明図。
【図7】図1のスクレーパを構成する支持枠本体を示したもので、(a)は内表面側からみた平面説明図、(b)は(a)の支持枠本体をVIIB方向に見た側面説明図、(c)は(a)の支持枠本体をVIIC方向に見た側面説明図、(d)は(b)の支持枠本体をVIID方向に外表面側から見た背面説明図。
【図8】図1のスクレーパを構成する支持枠補助体を示したもので、(a)は外表面側から見た平面説明図、(b)は(a)の支持枠補助体をVIIIB方向に見た側面説明図、(c)は(a)の支持枠補助体をVIIIC方向に見た側面説明図、(d)は(b)の支持枠補助体を内表面側からVIIID方向に見た背面説明図。
【図9】図1の作業位置にある本発明の好ましい一実施例のスクレーパを手で把持して剥離作業を行っている状態を示した斜視説明図。
【図10】図1のスクレーパの支持枠補助体を作業位置から剥離刃収納位置に変位させる場合の持ち方(力の加え方)を示した斜視説明図。
【図11】図1のスクレーパを手で持って図3の剥離刃収納位置への設定が完了した状態を示した斜視説明図。
【図12】スクレーパを図3の剥離刃収納位置又は図5の剥離刃交換位置から図1の作業位置に戻すためにスクレーパを手で掴んだ状態を示した斜視説明図。
【図13】スクレーパの一部を手で掴んで該スクレーパを図1の作業位置から図5の剥離刃交換位置に変更している状態を示した斜視説明図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の好ましい一実施の形態を添付図面に示した好ましい一実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0036】
本発明の好ましい一実施例のスクレーパ1は、例えば、図1及び図2の(a)〜(c)からわかるように、剥離刃2と該剥離刃2を支える剥離刃ホルダ3とを有し、該剥離刃ホルダ3は、剥離刃2が係合された概ね板状の支持枠本体4と、該支持枠本体4に対して前後方向A1,A2に摺動可能に該支持枠本体4に係合された概ね板状の支持枠補助体5とを有する。
【0037】
剥離刃ホルダ3について詳述する前に、剥離刃2について、図6の(a)及び(b)等に基づいて、簡単に、説明する。
【0038】
剥離刃2は、外形が細長い長方形状の鋼の如き金属製の薄板10からなり、該薄板10の長辺の一側が刃先部11になっている。刃先部11は、図6の(a)及び(b)の例では、先端ほど薄くなるように尖っていて鋭利な刃物の形態をしている。但し、刃先部11が剥離を行い得る限り、先端が尖っていなくてもよい。なお、材料も金属ないし合金の代わりに、セラミック等他の材料であってもよい。
【0039】
剥離刃2は、また、長方形薄板10の前後方向Aの概ね中央部において、幅方向Bの中央部と該中央部から幅方向に等距離離れた箇所に、被係合部としての長穴12及び長穴13A,13B(両者を相互に区別しないとき又は総称するときは符号13で表す)を備える。被係合部となる長穴は二つ以上であれば数は異なっていてもよい。また、穴は、長穴の代わりに他の形状の穴でもよい。また、被係合部としては、所望ならば、穴の代わりに他の係合形状であってもよい。なお、剥離刃2は、後述のように、後縁14においても剥離刃ホルダ3に係合される。
【0040】
支持枠本体4および支持枠補助体5は、例えば、ポリカーボネートやポリアセタールの如く剛性が高くて機械的強度が高く且つ化学的特性に優れたエンジニアリングプラスチックからなる。支持枠本体4および支持枠補助体5は、剛性が高くて機械的強度が高く且つ化学的特性に優れた材料である限り、他のプラスチック材料でできていても、プラスチック以外の材料でできていてもよい。
【0041】
支持枠本体4は、図7の(a)〜(d)に示したように、概ね長方形の板状体20からなり、板状体20の一方の主面が外表面21になり、他方の主面が内表面22になっている。板状体20の幅方向Bの長さと前後方向Aの長さとの比は典型的には21/2である。但しより大きくてもより小さくてもよい。支持枠本体4は、使用者が持ち易く且つ力を加え易いように、長方形の二つの長辺部23a,23bのうち後縁となる方の長辺部23bと二つの短辺部23c,23dとの間の二つの角部に相当する部分が滑らかな斜辺部24A,24B(区別しないときまたは総称するときは符号24で表す)でつながった形状を有する。ここで、斜辺部24A,24Bの長さ、短辺部23c,23dの長さ及び後縁部23bの長さの比は、例えば、3:4:5程度である。但し、例えば、スクレーパ1のホルダ3の把持や操作のし易さや持ち運び易さや外観上の美観等の観点を考慮して、その比が異なっていてもよい。短辺部23c,23dには、案内係合部25A,25B(両者を区別しないときまたは総称するときは符号25で表す)が形成されている。各案内係合部25A,25Bは、板状体20の短辺部23c,23dを規定する側縁26A,26B(区別しないときまたは総称するときは符号26で表す)に対して多少切欠かれてなる凹部27A,27B(区別しないときまたは総称するときは符号27で表す)の底壁部ないし奥壁部27aA,27aB(区別しないときまたは総称するときは符号27aで表す)からなり、該底壁部27aA,27aBの縁部27bA,27bB(区別しないときまたは総称するときは符号27bで表す)は後述する支持枠補助体5の案内被係合部に係合されるように外表面11に凹部27cA,27cB(区別しないときまたは総称するときは符号27cで表す)が形成されて薄肉化されている。
【0042】
支持枠本体4は、また、中央部に概ね長方形状の大きな開口部30を備える。開口部30は、長方形をなす長辺部30a,30bが支持枠本体4の板状体20の長辺部23a,23bに平行で、該長辺部30a,30bと短辺部30c,30dとの間の隅部は、滑らかに湾曲した円弧状部31でつながっている。ここで、開口部30の長辺部30bと板状体20の後縁となる長辺部23bとの間の部分32が、把持部32になっている。
【0043】
支持枠本体4は、更に、内表面22のうち前縁をなす長辺部23aの近くの部位38に、剥離刃2を係合・支持する剥離刃係合部35を備える。内表面22のうち部位38は、他の部位ないし領域よりも一段下がった凹部38aになっている。
【0044】
剥離刃係合部35は、前縁23aの近傍において幅方向中央に位置する細長い嵌合用突起部36aと、該嵌合用突起部36aの幅方向両側に位置する嵌合用小突起部36bA,36bB(区別しないときまたは総称するときは符号36bで表す)とからなる。なお、剥離刃係合部35は、これらの嵌合用突起部36a,36bに加えて、細長い庇状突起部としての係止用突起部37a及び37bA,37bB(区別しないときまたは総称するときは符号37bや符号37で表す)を備える。嵌合用突起部36bA,36a,36bBは、剥離刃2の長穴13A,12,13Bと丁度嵌合する位置及び形状である。係止用突起部37bA,37a,37bBのうち前縁側の部位は、凹部38aにA1方向にせり出し、剥離刃2が長穴13A,12,13Bで嵌合用突起部36bA,36a,36bBに嵌合された際に、剥離刃2の後縁14が丁度嵌まり込んで係合される係止用凹部37cを備える。
【0045】
支持枠本体4は、また、その把持部32になっている領域に、強い板バネ状係止部40を備える。この係止部40は、前縁40a並びに左右両側縁40b,40cにおいて、U字状スリット42の部位42a,42b,42cを介して把持部32となる本体領域41から分離され、後縁40dのみにおいて本体領域41に連続的につながっている。したがって、係止部40は、把持部35の本体領域41に対して、図7の(b)に示したように、後縁の接続部40dのまわりで、D1,D2方向に揺動可能である。
【0046】
係止部40は、また、内表面22の側の表面に、前縁側程突出した係止用突起部43を備え、該突起部43の前縁43aが後述のように剥離刃2の刃先部11が誤って露出するのを規制する係止部をなす。この例では、係止用突起部43の先端近傍には平面43bが形成されているけれどもなくてもよい。
【0047】
支持枠本体4は、更に、内表面22のうち開口部30の左右両側の部分に、バネ負荷された係合突起部45A,45B(区別しないときまたは総称するときは符号45で表す;図1等参照)を収容し支持する係合突起部リテーナないし係合突起部保持部46A,46B(区別しないときまたは総称するときは符号46で表す)を備える。
【0048】
支持枠本体4は、また、把持部32の近傍に、貫通孔47を備え、該貫通孔47には落下防止用のヒモないしストラップ(図示せず)が取り付けられ、該ストラップが使用者(操作者)の体(衣服など)に結ばれて、不測の落下を避ける。
【0049】
なお、支持枠本体4は、外表面21のうち前縁となる長辺部23aの側に、傾斜面21aを備え、これにより、剥離作業の際に、指示枠本体4が他の部材等と干渉するのを避ける。
【0050】
支持枠補助体5は、図8の(a)〜(d)に示したように、支持枠本体4と同様に概ね長方形の板状体50からなり、板状体50の一方の主面が外表面51になり、他方の主面が内表面52になっている。板状体50の幅方向Bの長さと前後方向Aの長さとの比も典型的には21/2である。但しより大きくてもより小さくてもよい。支持枠本体4と組み合わされて剥離刃ホルダ3を形成する状態においては、支持枠補助体5の内表面52は支持枠本体4の内表面22と向合い当接する(図4等参照)。
【0051】
支持枠補助体5も、使用者が持ち易く且つ力を加え易いように、長方形の二つの長辺部53a,53bのうち後縁となる方の長辺部53bと二つの短辺部53c,53dとの間の二つの角部に相当する部分が滑らかな斜辺部54A,54B(区別しないときまたは総称するときは符号54で表す)でつながった形状を有する。
【0052】
支持枠補助体5の短辺部53c,53dには、支持枠本体2の案内係合部25A,25Bに係合され、案内係合部25A,25Bに対してA1,A2方向に摺動変位される案内被係合部55A,55B(区別しないときまたは総称するときは符号55で表す)が形成されている。係合するか係合されるかは単に相対的な捉え方であるので、以下では、案内被係合部55A,55Bを案内係合部55A,55Bともいう。各案内係合部55A,55Bは、板状体50の短辺部53c,53dの端縁において内表面52から厚さ方向Eの内向きE1に突出した内向き立上り部56aA,56aB(区別しないときまたは総称するときは符号56aで表す)と、立上り端部から幅方向Bの内向きB1,B2に突出した係合突起部56bA,56bB(区別しないときまたは総称するときは符号56bで表す)とを有し、全体として「コ」の字状で一種の爪止め構造を備えた案内係合部55A,55Bの凹部56cA,56cB(区別しないときまたは総称するときは符号56cで表す)に、支持枠本体2の案内係合部25A,25Bの縁部27bA,27bBが嵌り込んで係合される。このとき、支持枠補助体5の案内係合部55A,55Bの係合突起部56bA,56bBが、内側面で、支持枠本体2の縁部27bA,27bBの凹部27cA,27cBに係合される。
【0053】
なお、支持枠補助体5の案内係合部55A,55Bのうち内向き立上り部56aA,56aBの先端部及び係合突起部56bA,56bBの内側面の外表面は、全体として滑らかに湾曲したU字状表面56dA,56dB(区別しないときまたは総称するときは符号56dで表す)になっている。従って、支持枠本体4の案内係合部25A,25Bと支持枠補助体5の案内係合部55A,55Bとを対面させた状態で、支持枠本体4の縁部27bA,27bBを支持枠補助体5の案内係合部55A,55Bの「U」字状表面56dA,56dBに当接させ、支持枠補助体5の内表面52を支持枠本体4の内表面22に近接させるように押付けると、支持枠本体4の凹部底壁部27aA,27aBの縁部27bA,27bBが、支持枠補助体5の案内係合部55A,55Bの「U」字状表面56dA,56dBに沿って、支持枠補助体5の案内係合部55A,55Bの内向き立上り部56aA,56aBを幅方向Bの外向きに押し拡げるように支持枠補助体5を変形させ、支持枠補助体5の案内係合部55A,55Bの凹部56cA,56cBに、支持枠本体2の案内係合部25A,25Bの縁部27bA,27bBが嵌り込み、支持枠補助体5の案内係合部55A,55Bの係合突起部56bA,56bBが、内側面で、支持枠本体2の縁部27bA,27bBの凹部27cA,27cBに係合されることにより、支持枠本体4の案内係合部25A,25Bと支持枠補助体5の案内係合部55A,55Bとが係合されて、両者が組み立てられる。
【0054】
支持枠補助体5もまた、中央部に概ね長方形状の大きな開口部60を備える。開口部60は、長方形をなす長辺部60a,60bが支持枠補助体5の板状体50の長辺部53a,53bに平行で、該長辺部60a,60bと短辺部60c,60dとの間の隅部は、滑らかに湾曲した円弧状部61でつながっている。ここで、開口部60の長辺部60bと板状体50の後縁となる長辺部53bとの間の部分62が、把持部62になっている。
【0055】
支持枠補助体5の開口部60は、支持枠本体4の開口部30と実質的に同一の大きさ及び形状で、特に、支持枠補助体5の把持部62のA方向の長さ(幅)は、支持枠本体4の把持部32のA方向の長さ(幅)と実際上同一の大きさHである。
【0056】
支持枠補助体5は、更に、内表面52のうち前縁をなす長辺部53aの近くの部位に、他の部位ないし領域よりも一段下がった凹部57a及び凹部57bA,57bB(区別しないときまたは総称するときは符号57bで表す)を有する。凹部57a及び凹部57bA,57bBは、支持枠補助体5が支持枠本体4に対してA1,A2方向に相対変位される際に、支持枠本体4の剥離刃係合部35をなす突起部37a(及び36a)並びに突起部37bA,37bBのA1,A2方向変位を許容・案内する。
【0057】
支持枠補助体5は、また、その把持部62の後縁の長辺部53bに、力受容凹部58を備えると共に、把持部62の外表面51側に、力の受容に適した粗面化部59を備える。力受容凹部58は、例えば、該凹部58内に指先が入った状態で該凹部58の底壁部58aにA1方向の力を受けるに適する。粗面化部59は、A方向に例えば2〜3mm程度の小間隔をおいて幅方向Bに平行に延びた複数の溝部59aからなり、例えば、親指の指先の手のひらが該粗面化部59に押付けられた状態で該親指からA方向の力を受けるに適する。
【0058】
支持枠補助体5は、更に、内表面52のうちその把持部62になっている領域の内表面に、支持枠本体4の板バネ状係止部40を係止する係合部64と、該係合部64の前側(A1方向にずれた側)に位置し板バネ状係止部40のA方向変位を許容・案内する前後方向延在凹部65とを有する。係合部64は、凹部65の底面65aと面一の底面66aを備えた凹部66と、内表面52の大半の部分と面一で凹部66や凹部65に対して相対的に突出した係合突起部67とを備える。なお、例えば、凹部66,65の幅方向Bの大きさが係合突起部67のB方向の長さよりも大きくて凹部66,65がつながっていてもよい。
【0059】
従って、支持枠補助体5の係合突起部67の後縁67aが支持枠本体4の板バネ状係止部40の係止用突起部43の前縁ないし端面43aよりも前方(A1方向)に位置するように支持枠補助体5が支持枠本体4に対して一旦配置された場合、その後、支持枠補助体5を支持枠本体4に対して後向き(A2方向)に変位させようとすると(換言すれば、支持枠本体4を支持枠補助体5に対してA1方向に変位させるようとすると)、支持枠本体4の板バネ状係止部40の係止用突起部43の前縁ないし端面43aが支持枠補助体5の係合突起部67の後縁67aに係合されるので、支持枠補助体5の支持枠本体4に対する後向き(A2方向)の相対変位が禁止される。それ故、支持枠補助体5を支持枠本体4に対して後向き(A2方向)に相対変位させるためには、意図的に、該係合を解除する必要がある。そのためには、例えば、支持枠補助体5の力受容凹部58のところに位置する板バネ状係止部40の背面を(すなわち、板バネ状係止部40を内表面22側から)押さえて、板バネ状係止部40をD1方向に揺動させればよい。
【0060】
支持枠補助体5は、更に、内表面52のうち開口部60の左右両側の部分に、バネ負荷された係合突起部45A,45BのA1,A2方向変位を許容・案内する前後方向延在溝部70A,70B(区別しないときまたは総称するときは符号70で表す)と、係合突起部45A,45BがA方向の所定位置に達した際に安定させる凹部71A,71B(区別しないときまたは総称するときは符号71で表す)及び72A,72B(区別しないときまたは総称するときは符号72で表す)を有する。係合突起部45A,45Bが凹部71A,71Bに丁度嵌合されると、スクレーパ1が剥離作業に適した状態(後述する状態S1)になり、係合突起部45A,45Bが凹部72A,72Bに丁度嵌合されると、スクレーパ1の剥離刃2の交換に適した状態(後述する状態S3)になる。なお、係合突起部45の凹部71,72への嵌合・落込みが位置決め感ないしクリック感を与え、また、係合突起部45の凹部71,72に安定に嵌合していた状態から強制的に押し出して支持枠補助体5を支持枠本体4に対して相対変位させる際にも操作感が得られる。
【0061】
支持枠補助体5は、また、把持部32の近傍に、幅広のスリット状凹部74を備える。このスリット状凹部74は、支持枠本体4の貫通孔47に落下防止用ストラップ(図示せず)が取り付けられた状態で支持枠補助体5が支持枠本体4に対してA1,A2方向に相対変位される際に、ストラップの逃げ場となって、該ストラップが該相対変位を妨げるのを防ぐ。75は、案内係合部55を成形により形成する際に生じた孔であって、なくてもよい。
【0062】
上述のようなスクレーパ1の剥離刃ホルダ3は、支持枠本体4の係合突起部保持部46A,46Bに係合突起部45A,45Bを遊嵌した状態で、係合突起部45A,45Bが溝部70A,70Bに嵌るように該支持枠本体4の内表面22に支持枠補助体5の内表面52を対面させた上で、支持枠本体4の内表面22と支持枠補助体5と支持枠補助体5の内表面52とを密接させるように支持枠本体4と支持枠補助体5とを近接させて、支持枠補助体5の案内係合部55A,55Bと支持枠本体4の案内係合部25A,25Bとを係合させることにより、組立てられる。
【0063】
このように剥離刃ホルダ3の形態に組み立てられた状態において、相互に係合した支持枠本体4及び支持枠補助体5の案内係合部25A,25B及び案内係合部55A,55Bは、支持枠本体4と支持枠補助体5とが相対的にA1,A2方向にスライドないし摺動することを許容する一方で、支持枠本体4と支持枠補助体5とが分離されるのを禁止している。
【0064】
なお、剥離刃2は、予め組立てた剥離刃ホルダ3において支持枠補助体5を支持枠本体4に対して特定の剥離刃交換位置(後述する位置P3)に設定した上で装着してもよいけれども、所望ならば、上記の剥離刃ホルダ3の組立ての際に、剥離刃2を予め支持枠本体4の剥離刃係合部35に係合させておいてもよい。ここでは、説明の簡明化のために、剥離刃2が予め剥離刃係合部35に係合された上で、支持枠本体4に対して支持枠補助体5が装着されて、剥離刃ホルダ3が形成されていると想定する。
【0065】
次に、以上の如く構成されたスクレーパ1の動作について、主として、図1から図6に基づいて説明する。
【0066】
剥離刃2が静置係合された支持枠本体4に対して前後方向A1,A2に相対変位される支持枠補助体5は、支持枠本体4と実際上重なり剥離作業を行いうるように剥離刃2の刃先部11を露出させた作業位置P1(図1及び図2の(a)〜(c))と、作業位置P1から支持枠本体4に対してA1方向に相対変位されて剥離刃2の刃先部11を覆い隠す剥離刃収納位置ないし剥離刃収容位置P2(図3及び図4の(a)〜(c))と、作業位置P1から支持枠本体4に対してA2方向に相対変位されて剥離刃2の概ね全体を露出させる剥離刃交換位置ないし替え刃位置P3(図5及び図6の(a)〜(c))とを採る。
【0067】
スクレーパ1についていえば、支持枠補助体5が支持枠本体4と実際上重なる作業位置P1にある図1及び図2の(a)〜(c)の状態は作業状態S1に該当し、支持枠補助体5が剥離刃2の刃先部11を覆い隠す剥離刃収納位置ないし剥離刃収容位置P2にある図3及び図4の(a)〜(c)の状態は剥離刃収納状態ないし剥離刃収容状態S2に該当し、支持枠補助体5が剥離刃2の概ね全体を露出させる剥離刃交換位置P3にある図5及び図6の(a)〜(c)の状態は剥離刃交換状態S3に該当する。
【0068】
なお、この明細書では、スクレーパ1について、作業状態S1を作業位置S1ともいい、剥離刃収納状態ないし剥離刃収容状態S2を剥離刃収納位置ないし剥離刃収容位置ともいい、剥離刃交換状態S3を剥離刃交換位置S3ともいう。
【0069】
図1及び図2の(a)〜(c)に示したように、スクレーパ1が作業状態(位置)S1にある場合、支持枠補助体5が作業位置P1にあり、剥離刃2が支持枠本体4の前縁23a及び支持枠補助体5の前縁53aから同程度前方A1に突出して、剥離刃2の刃先部11によって剥離作業が行われ得る。なお、支持枠本体4の前縁23aと支持枠補助体5の前縁53aとがA方向の実際上同じ位置にある代わりにA方向の異なる位置にあって、支持枠本体4及び支持枠補助体5に対する剥離刃2の前方A1への突出長が異なっていてもよい。
【0070】
この状態S1では、剥離刃2は、孔部13A,12,13Bで突起部36bA,36a,36bBに係合されると共に後縁で突起部37bA,37a,37bBの凹部37aに係合された状態で、係合部25,55で相互に係合され内表面22,52が実際上密接された支持枠本体4及び支持枠補助体5の間、すなわち凹部38aの底面と内表面52との間でガタなく保持されている。また、この状態S1では、係合突起部保持部46A,46Bに一端側で嵌合されると共にバネ負荷された係合突起部45A,45Bが、他端側で支持枠補助体5の溝部70A,70Bの中央部の凹部71A,71Bに丁度嵌まり込んでいる。更に、この状態S1では、支持枠本体4の中央開口部30と支持枠補助体5の中央開口部60とが丁度重なり合い、且つ支持枠本体4の後縁部23bと支持枠補助体5の後縁部53bが丁度厚さ方向Eに重なる。従って、支持枠本体4の把持部32と支持枠補助体5の把持部62とも丁度重なる。それ故、図9に示したように、丁度重なった把持部32,62の全体を手のひらで握って、ガラスGの表面GSに付着した異物GMを取り除くべくスクレーパ1で剥離作業を行い得る。
【0071】
図1及び図2の(a)〜(c)に示した作業状態(位置)S1にあるスクレーパ1の剥離刃2を収納(収容)する場合、図10に示したように、把持部32,62をつまみ且つ支持枠本体4の把持部32の開口30側の縁部30bを手のひら(手のひら側の指部)で支えた状態で、支持枠補助体5の力受容凹部58や粗面化部59に親指の手のひら等でA1方向の力を加える。これにより、支持枠本体4に対して支持枠補助体5がA1方向に変位される。このA1方向変位は、図11に示したように、支持枠補助体5の前縁53aの近傍の傾斜縁部77が剥離刃2の刃先部11を完全に覆う(前縁53aが刃先部11をA1方向に越え剥離刃補助体5が剥離刃2に重なる)まで続けられる。
【0072】
これにより、図3及び図4の(a)〜(c)に示したように、支持枠補助体5が剥離刃収納(収容)位置P2に達し、スクレーパ1が剥離刃収納(収容)状態(位置)S2になる。
【0073】
スクレーパ1のこの剥離刃収納(収容)状態(位置)S2では、支持枠補助体5の前縁53a近傍の傾斜縁部77が剥離刃2の刃先部11を完全に覆い、支持枠本体4の板バネ状係止部40の係止用突起部43が支持枠補助体5の係合部64の係合突起部67をA2方向に乗り越えて、D1方向に戻る(すなわち、係止用突起部43が係合突起部67に当接している際は係止用突起部43が係合突起部67によってD2方向に押されてD2方向に揺動していたのが、該係合突起部67による押圧領域を越えると板バネ状係止部40自体の弾性力によりD1方向に戻る)。この状態では、係止用突起部43の端面43aが係合部64の係合突起部67の外側面67aに当たるので、支持枠補助体5の支持枠本体4に対するA2方向変位は禁止される。すなわち、支持枠補助体5の前縁53a近傍の傾斜縁部77によって剥離刃2の刃先部11が一旦完全に覆われる剥離刃収納(収容)状態(位置)S2になると、通常の不測の外力によっては、支持枠補助体5がA2方向には戻される虞れが(実際上)なく、剥離刃2が再度露出される虞れが(実際上)ない。換言すれば、この例では、係止用突起部43の端面43aが係合部64の係合突起部67の外側面67aに当接する位置ないし状態が、剥離刃収納(収容)位置(状態)S2に該当する。
【0074】
なお、この状態S2では、支持枠補助体5の係合部55A,55Bは、支持枠本体4の係合凹部25A,25BのA1方向端部の近傍に位置し、バネ負荷された係合突起部45A,45Bは支持枠補助体5の溝70A,70BのA2方向端部の近傍に位置する。スクレーパ1がこの剥離刃収納(収容)位置(状態)S2にある場合、図3や図4の(a)及び(c)や図11等から明らかなように、開口部30,60が部分的に重なり合っていて、部分的に重なり合った開口部30,60によって形成される開口部に手先(指先)が挿入可能である。
【0075】
この剥離刃収納状態S2にあるスクレーパ1は、例えば、袋の中やポケットの中等に入っていても刃先部11によって誤って損傷を受ける虞れがないので、例えば、ロープで吊り下げられた板やかご等に乗って、高所で窓ガラスの汚れその他の異物の剥離作業をするような場合であっても、実際上、視認することなく単に探りでスクレーパ1を探り当てて、該スクレーパ1を手で持って、所望位置に位置設定(所望状態に設定)した上で使用をすることが可能になる。
【0076】
なお、一旦、剥離刃収納状態S2に設定されたスクレーパ1について、図12に示したように、支持枠本体4の後縁23bを手のひらで支えた状態において、開口部30,60内に親指以外の複数の指を通して、支持枠本体4の開口30に対してA1方向に変位した支持枠補助体5の開口60の縁部60bを(支持枠本体4から厚さ方向に放す向きに)該指の手のひら側で押し上げ気味につかむと、係止用突起部43の端面43aと係合部64の係合突起部67の外側面67aとの係合を解除し易くなるので、該係合が解除されて、支持枠補助体5が支持枠本体4に対してA2方向に変位されて、再度、作業状態S1に設定され得る。このような微妙な係合解除力を加えるような場合は別として、それ以外の場合、支持枠補助体5の凹部58において露出している係止用突起部43に図3において下向き(支持枠本体4の内表面22を支持枠補助体5の内表面52から離す向き)の力を加えつつ、支持枠補助体5をA2方向に変位させれればよい。
【0077】
図1及び図2の(a)〜(c)に示した作業状態(位置)S1にあるスクレーパ1の剥離刃2を交換する場合、図13に示したように、支持枠本体4の後縁23bに指などでA1方向の力を加えると共に支持枠補助体5の開口60の後縁60bに親指などでA2方向の力を加えるように把持部32,62をつまんで該把持部32,62に力をかける。これにより、支持枠本体4に対して支持枠補助体5がA2方向に変位される。このA2方向変位は、図13や図5及び図6の(a)〜(c)に示したように、主として支持枠本体4に係合された剥離刃2の概ね全体が露出するまで続けられる。
【0078】
これにより、図5及び図6の(a)〜(c)に示したように、支持枠補助体5が剥離刃交換位置P3に達し、スクレーパ1が剥離刃交換状態(位置)S3になる。
【0079】
スクレーパ1のこの剥離刃交換状態(位置)S3では、支持枠補助体5の前縁53aが剥離刃2の板体10の全体を概ね露出させる。
【0080】
この状態S3では、バネ負荷された係合突起部45A,45Bは支持枠補助体5の溝70A,70Bの凹部72A,72Bに丁度嵌合してクリック感を与えて所定位置S3,P3になったことを感知させる。支持枠補助体5の係合部55A,55Bは、支持枠本体4の係合凹部25A,25BのA2方向端部の近傍に位置し、支持枠本体4の後縁部23bは、力受容凹部58の底壁部58aと実際上丁度面一になる。
【0081】
この剥離刃交換位置S3では、穴部13A,12,13Bで係合突起部36bA,36a,36bBに嵌合されると共に後縁14で係合突起37bA,37a,37bBに係合されて確実であるけれども軽く保持された剥離刃2は、刃先部11の近傍をつかむことにより容易に係合解除されて取り外され、新しい剥離刃2と交換され得る。新しい剥離刃2の取り付けは、上記係合部を係合させるように所定位置に装着することにより容易に行われ得る。スクレーパ1がこの剥離刃交換位置(状態)S3にある場合、図5や図6の(a)及び(c)や図13等から明らかなように、開口部30,60が部分的に重なり合っていて、部分的に重なり合った開口部30,60によって形成される開口部に手先(指先)が挿入可能である。
【0082】
剥離刃2の交換が完了した後、例えば、図12に示したように、開口部60,30に親指以外の指を通して、把持部63,32を握ることにより、支持枠補助体5が支持枠本体4に対してA1方向に変位されて、作業位置P1に設定され、スクレーパ1が作業状態S1に設定されて、作業が再開され得る。従って、作業性がよい。
【0083】
以上のような剥離刃2の交換作業に際しても、スクレーパ1自体の操作は実際上片手で行われ得る。従って、例えば、ロープで吊り下げられた板やかご等に乗って、高所で窓ガラスの汚れその他の異物の剥離作業をするような場合であっても、剥離刃2の交換を容易に行い得る。
【0084】
なお、スクレーパ1では、該スクレーパ1がどのような状態にあっても、開口部30,60に挿入した手先で二つの開口部30,60の縁ないし把持部32,62を掴む(握る)ことにより開口部30,60が整列されて作業位置P1,S1に達することから、該作業位置P1,S1が基準位置になる。その結果、スクレーパ1では、該該作業位置P1,S1を基準として一方に動かされた際には剥離刃収納位置P2,S2に設定され他方に動かされた際には剥離刃交換位置P3,S3に設定されるので、誤って剥離刃交換位置P3,S3に設定されて剥離刃2を脱落し易くする虞れが少ない。
【符号の説明】
【0085】
1 スクレーパ
2 剥離刃
3 剥離刃ホルダ
4 支持枠本体
5 支持枠補助体
10 薄板
11 刃先部
12 長穴
13,13A,13B 長穴
14 後縁
20 板状体
21 外表面
21a 傾斜面
22 内表面
23a 長辺部(前縁)
23b 長辺部(後縁)
23c,23d 短辺部
24,24A,24B 斜辺部
25,25A,25B 案内係合部
26,26A,26B 側縁
27,27A,27B 凹部
27a,27aA,27aB 底壁部(奥壁部)
27b,27bA,27bB 縁部
27c,27cA,27cB 凹部
30 開口部
30a 長辺部(前縁)
30b 長辺部(後縁)
30c,30d 短辺部
31 円弧状部
32 把持部
35 剥離刃係合部
36a 嵌合用突起部
36b,36bA,36bB 嵌合用小突起部
37,37a,37b,37bA,37bB 係止用突起部
37c 係止用凹部
38 部位
38a 凹部
40 板バネ状係止部
40a 前縁
40b,40c 側縁
40d 後縁(接続部)
41 本体領域
42 U字状スリット
42a,42b,42c U字状スリットの部位
43 係止用突起(部)
43a 前縁(端面,係止部)
43b 平面
45,45A,45B (バネ負荷された)係合突起部
46,46A,46B 係合突起部リテーナ(係合突起部保持部)
47 貫通孔
50 板状体
51 外表面
52 内表面
53a 長辺部(前縁)
53b 長辺部(後縁)
53c,53d 短辺部
54,54A,54B 斜辺部
55,55A,55B 案内被係合部(案内係合部)
56a,56aA,56aB 内向き立上り部
56b,56bA,56bB 係合突起部
56c,56cA,56cB 凹部
56d,56dA,56dB U字状表面
57a,57b,57bA,57bB 凹部
58 力受容凹部
58a 底壁部
59 粗面化部
59a 溝部
60 開口部
60a 長辺部(前縁)
60b 長辺部(後縁)
60c,60d 短辺部
61 円弧状部
62 把持部
64 係合部
65 前後方向延在凹部
65a 底面
66 凹部
66a 底面
67 係合突起部
67a 後縁(外側面)
70,70A,70B 前後方向延在溝部
71,71A,72B 凹部
72,72A,72B 凹部
74 スリット状凹部
75 孔
A 前後方向
A1,A2 方向
B 幅方向
B1,B2 方向
D1,D2 揺動方向
E 厚さ方向
E1 方向(支持枠補助体の内向き)
G ガラス
GS 表面
GM 異物
H 把持部32の幅(前後方向の長さ)
P1 作業位置
P2 剥離刃収納位置(剥離刃収容位置)
P3 剥離刃交換位置
S1 スクレーパの作業状態(作業位置)
S2 スクレーパの剥離刃収納(収容)状態(剥離刃収納(収容)位置)
S3 剥離刃交換状態(剥離刃交換位置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の支持枠本体と、
該支持枠本体の前縁から刃先部が突出する状態で該支持枠本体に取外し可能に取り付けられた剥離刃と、
前記支持枠本体と協働して剥離刃を挟持して剥離刃ホルダを構成する板状の支持枠補助体であって、前縁から剥離刃の刃先部が突出する作業位置と、該作業位置よりも前縁側に突出するように変位され該前縁を含む部分が剥離刃の刃先部を蔽う剥離刃収納位置と、剥離刃の取外しを許容すべく剥離刃の大半の部分を露出させるように前記作業位置よりも後退した剥離刃交換位置との間で、支持枠本体に対して摺動可能に係合されたものと
を有するスクレーパ。
【請求項2】
支持枠本体及び支持枠補助体の夫々が手先の挿入を許容する開口を備え、該開口に挿入した手先で二つの開口の縁を掴むと支持枠補助体が作業位置に設定されるように構成された請求項1に記載のスクレーパ。
【請求項3】
剥離刃が複数の穴を備え、該穴の夫々で支持枠本体の対応する小突起に係合されている請求項1又は2に記載のスクレーパ。
【請求項4】
支持枠補助体が剥離刃交換位置を採るように支持枠本体に対して後退せしめられた際、剥離刃の後縁が支持枠補助体の前縁に対して取外し可能に係合している請求項3に記載のスクレーパ。
【請求項5】
支持枠補助体が剥離刃収納位置に設定された際に、該支持枠補助体を該剥離刃収納位置から剥離刃を露出させる他の位置に向かう移動を規制する係止手段を備える請求項1から4までのいずれか一つの項に記載のスクレーパ。
【請求項6】
支持枠補助体が作業位置及び剥離刃交換位置の夫々の位置を採る際、各位置において、剥離刃収納位置、作業位置及び剥離刃交換位置の中間の位置よりも安定に位置決めされるようにバネ負荷された係合片が対応する穴部に嵌り込むべく構成された請求項5に記載のスクレーパ。
【請求項7】
支持枠補助体は、該支持枠補助体を作業位置から剥離刃収納位置に変位させる変位力を受ける力受容部を備える請求項1から6までのいずれか一つの項に記載のスクレーパ。
【請求項8】
支持枠補助体は、該支持枠補助体を作業位置から剥離刃交換位置に変位させる変位力を受ける別の力受容部を備える請求項1から7までのいずれか一つの項に記載のスクレーパ。
【請求項9】
支持枠本体が幅方向両端のうち前縁よりも後ろの部位に一対の案内係合部を備え、支持枠補助体が幅方向両端に該案内係合部と係合する一対の被係合部を備える請求項1から8までのいずれか一つの項に記載のスクレーパ。
【請求項10】
係合部の前後方向の両端に、被係合部の前後方向の可動範囲を規定する係止部が形成されている請求項9に記載のスクレーパ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−83860(P2011−83860A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−238886(P2009−238886)
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【出願人】(507309769)株式会社ナルビー (1)
【Fターム(参考)】