説明

スターホイール

【課題】 ラベラからラベルを貼り付けられて搬出されてくる壜容器をガイド板に沿って円周方向に搬送するスターホイールにおいて、搬送中に壜容器に貼り付けられたラベルによじれや損傷を生じさせる虞のないスターホイールを提供する。
【解決手段】 胴体部10Aの外周部に形成されたフランジ部10B,10Cのポケット10b,10cにラベラからラベルRが貼り付けられて搬出されてくる壜容器Bを嵌合させてガイド板5との間で保持した状態で円周方向に搬送する排壜スターホイール10において、フランジ部10B,10Cが壜容器BのラベルRの貼付け位置と異なる高さ位置に形成され、ポケット10b,10cの内面に弾性板が取り付けられてポケットに嵌合した壜容器Bの外面に当接してこの壜容器Bを回転不能に保持し、かつ胴体部10Aの外周面がポケット10b,10cに嵌合された壜容器Bの外面から離間されている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、壜容器を円周方向に沿って搬送するためのスターホイールに関し、特にラベラからラベルが貼り付けられて搬出されてくる壜容器を次工程に搬送するためのスターホイールに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】一般に、飲料等が充填された壜詰め製品の壜容器には、その製品名等を表示するためのラベルが貼り付けられる。
【0003】図3は、このような壜詰め製品の壜容器にラベルを貼り付けるためのラベラを示すものである。
【0004】このラベラは、搬入ベルトコンベアV1およびスクリュウコンベアSCによって搬送されてきて入口スターホイール1および転送ホイール2によって順次ラベラ本体3内に送り込まれる壜詰め後の壜容器Bに、製品名等が記載されたラベルを貼り付けた後、このラベルが貼り付けられた壜容器Bを、ラベラ本体3の出口部に設けられた排壜スターホイール4によって、順次、搬出ベルトコンベアV2上に搬出してゆくようになっている。
【0005】このようなラベラの排壜スターホイール4は、図4および5に拡大して示されるように、ホイール4の胴体部4Aの上端縁と下端縁にそれぞれ径方向外方に張り出すようにフランジ部4Bおよび4Cが形成されており、各フランジ部4Bおよび4Cの外周部の等角度間隔位置に、壜容器Bを嵌合させて搬送するための複数のポケット4bおよび4cが、それぞれ形成されている。
【0006】ラベルが貼り付けられてラベラ本体3から排出されてきた壜容器Bは、この排壜スターホイール4のポケット4bおよび4cに嵌合されて、排壜スターホイール4の回転にともなってその円周方向に搬送されるが、このとき、壜容器Bに貼り付けられたラベルの糊が乾いていないために、排壜スターホイール4のポケット4bおよび4c内において搬送中に壜容器Bが回転しないようにすることが必要である。
【0007】従来は、図5に示されるように、排壜スターホイール4の胴部4Aの外周部にスポンジ4Dが取り付けられていて、このスポンジ4Dにポケット4bおよび4cに嵌合された壜容器Bの胴体部が押し付けられることによって、壜容器Bがその搬送中に回転するのが防止されるようになっている。
【0008】しかしながら、排壜スターホイール4の外周部を囲むように配置されたガイド板5(図3参照)と排壜スターホイール4のポケット4bおよび4cとの間の間隔は、通常、壜容器Bの形状のばらつきを考慮して、壜容器Bの外径よりも少し大きくなるように設定されている。
【0009】このため、従来は、排壜スターホイール4によって搬送される際に、壜容器Bがガイド板5と排壜スターホイール4との間で振動を起こしてしまい、壜容器Bに貼り付けられたラベルRがスポンジ4Dによって擦られて、よじれたりまたは損傷してしまう等の問題が発生している。
【0010】この発明は、上記のような従来のスターホイールにおける問題点を解決するためになされたものである。すなわち、この発明は、ラベラからラベルを貼り付けられて搬出されてくる壜容器をガイド板に沿って円周方向に搬送するスターホイールにおいて、搬送中に壜容器に貼り付けられたラベルによじれや損傷を生じさせる虞のないスターホイールを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、第1の発明によるスターホイールは、スターホイール本体部の径方向外方に張り出すように形成されたフランジ部を有し、このフランジ部の外周部に形成されたポケット部にラベラからラベルが貼り付けられて搬出されてくる壜容器を嵌合させてスターホイール本体部の外周部に沿って延びるように配置されたガイド板との間で保持した状態で、鉛直向きの回転軸を中心に回転することにより、壜容器を円周方向に搬送するスターホイールにおいて、前記フランジ部がスターホイール本体部の壜容器のラベルが貼り付けられる部分の高さと異なる高さ位置に形成され、フランジ部の外周部に形成されたポケット部の内面にこのポケット部に嵌合した壜容器の外面に当接される弾性部材が取り付けられており、スターホイール本体部の外周面がフランジ部のポケット部に嵌合された壜容器の外面から離間する位置に形成されていることを特徴としている。
【0012】この第1の発明によるスターホイールは、ラベラからラベルが貼り付けられて順次搬出されてくる壜容器をフランジ部の外周部に形成されたポケット部に嵌合させ、鉛直軸を中心に回転することによってガイド板との間で保持しながら円周方向に搬送するが、壜容器がフランジ部のポケット部内に嵌合された際に、このポケット部の内面に取り付けられた弾性部材が壜容器の外面に当接されることによって搬送中に壜容器が回転するのが防止され、これによって、壜容器に貼り付けられたラベルがよじれたり損傷をうけたりするのが防止される。そして、壜容器の形状のばらつきを考慮して、ポケット部とスターホイールの外周部に沿うように配置されたガイド板との間に壜容器の外径以上の間隔が形成されている場合であっても、壜容器のラベルが貼り付けられる部分の高さと異なる高さ位置に位置されたポケット部の内面に壜容器の回転を防止する弾性部材が取り付けられており、かつスターホイール本体部の外周面がフランジ部のポケット部に嵌合された壜容器の外面から離間しているので、搬送中に壜容器がガイド板との間で振動を起こしてもスターホイールの一部が壜容器に貼り付けられたラベルに接触して、このラベルによじれや損傷を生じさせる虞はない。
【0013】前記目的を達成するために、第2の発明によるスターホイールは、第1の発明の構成に加えて、前記フランジ部が、少なくともスターホイール本体部の上端部と下端部に壜容器のラベルが貼り付けられる部分の幅以上の幅を開けてそれぞれ形成されており、この各フランジ部に形成されたポケット部内にそれぞれ前記弾性部材が取り付けられていることを特徴としている。
【0014】この第2の発明によるスターホイールは、ラベラからラベルが貼り付けられて搬出されてくる壜容器のラベルが貼り付けられる部分の上方部をスターホイール本体部の上端部に形成されたフランジ部のポケット部に嵌合させ、ラベルが貼り付けられる部分の下方部をスターホイール本体部の下端部に形成されたフランジ部のポケット部に嵌合させることによって、壜容器をそのラベルが貼り付けられる部分の上方と下方でそれぞれのポケット部に取り付けられた弾性部材によって回転不能に保持する。
【0015】前記目的を達成するために、第3の発明によるスターホイールは、第1の発明の構成に加えて、前記弾性部材がウレタンゴムであることを特徴としている。
【0016】この第3の発明によるスターホイールは、ポケット部内に嵌合された壜容器がウレタンゴムの弾性によってポケット部の内面に密着され、これによって、壜容器が回転不能に保持される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の最も好ましいと思われる実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】図1において、排壜スターホイール10は、図4および5の排壜スターホイール4と同様に、その胴体部10Aの上端縁と下端縁にそれぞれ径方向外方に張り出すようにフランジ部10Bおよび10Cが形成されている。そして、各フランジ部10Bおよび10Cの外周部には、その等角度間隔位置に、半円形の複数のポケット10bおよび10cがそれぞれ形成されている。
【0019】このフランジ部10Bと10Cに形成された各ポケット10bと10cは、上下方向において互いに対向する位置にそれぞれ形成されていて、図2に示されるように、ポケット10b内に壜容器Bの肩部を嵌合させポケット10cに壜容器Bの胴体部の下部を嵌合させて、この壜容器Bを排壜スターホイール10の回転にともなって円周方向に搬送するようになっている。
【0020】この排壜スターホイール10には、さらにフランジ部10Bと10Cの中間部において、胴体部10Aの外周面から径方向外方に張り出すフランジ部10Dが形成されており、さらに、このフランジ部10Dの外周部のポケット10bと10cにそれぞれ上下方向において対向する位置に、半円形の複数のポケット10dが形成されていて、ポケット10bと10cに壜容器Bが嵌合された際にこの壜容器Bの胴部が嵌合されてこれを保持するようになっている。
【0021】フランジ部10Bおよび10Cにそれぞれ形成されたポケット10bおよび10c内には、その内壁面に、ウレタンゴム等の弾性材からなる弾性板10Eおよび10Fがそれぞれ取り付けられており、ポケット10bと10c内に壜容器Bが嵌合された際に、弾性板10Eが壜容器Bの肩部に、また弾性板10Fが壜容器Bの胴体部下部にそれぞれ当接して、壜容器Bを回転不能に保持するようになっている。そしてこのとき、排壜スターホイール10の外周面は、壜容器Bの胴体部中央のラベルが貼り付けられる部分には接触しないようになっている。
【0022】この排壜スターホイール10は、従来と同様に、ラベラの出口部に取り付けられて、順次、ラベラからラベルが貼り付けられて搬出されてくる壜容器BをベルトコンベアV2側(図3参照)に移動させるようになっている。
【0023】この排壜スターホイール10によって壜容器Bが搬送される際、フランジ部10Bと10Cにそれぞれ形成されたポケット10bと10cに嵌合された壜容器Bは、その肩部がポケット10bに取り付けられた弾性板10Eに当接され、胴体部の下部がポケット10cに取り付けられた弾性板10Fに当接されて保持されることにより、搬送中に回転するのが防止される。
【0024】そして、排壜スターホイール10の外周に沿って配置されて壜容器Bを円周方向にガイドするガイド板5(図 参照)との間に、壜容器Bの外径以上の間隔が形成されていることによって壜容器Bがガイド板との間で振動を起こしても、壜容器Bの胴体部中央のラベルが貼り付けられる部分が排壜スターホイール10の外周面に接触したりすることがないため、壜容器Bに貼り付けられたラベルがよじれたり損傷したりする虞がない。
【0025】なお、図1に示されている例においては、フランジ部10Bおよび10Cのポケット10bおよび10cの両方に弾性板が取り付けられているが、弾性板は何れか一方のポケットに取り付けるようにしてもよく、またフランジ部10Dのポケット10dにも取り付けるようにしてもよい。
【0026】またさらに、図1に示されている例においては、弾性板10Eおよび10Fが、それぞれポケット10bおよび10cの内壁面のうち、排壜スターホイール10の回転方向において上流側の半面を覆うように取り付けられているが、下流側の半面を覆うように取り付けてもよく、また全面を覆うように取り付けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の最良の形態の一例を示す斜視図である。
【図2】同例において壜容器が保持されている状態を示す部分拡大図である。
【図3】ラベラを示す平面図である。
【図4】従来のスターホイールを示す平面図である。
【図5】従来のスターホイールを示す側面図である。
【符号の説明】
10 …排壜スターホイール(スターホイール)
10A…胴体部(スターホイール本体部)
10B…フランジ部
10b…ポケット(ポケット部)
10C…フランジ部
10c…ポケット(ポケット部)
10D…フランジ部
10E…弾性板(弾性部材)
10F…弾性板(弾性部材)
B …壜容器
R …ラベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】 スターホイール本体部の径方向外方に張り出すように形成されたフランジ部を有し、このフランジ部の外周部に形成されたポケット部にラベラからラベルが貼り付けられて搬出されてくる壜容器を嵌合させてスターホイール本体部の外周部に沿って延びるように配置されたガイド板との間で保持した状態で、鉛直向きの回転軸を中心に回転することにより、壜容器を円周方向に搬送するスターホイールにおいて、前記フランジ部がスターホイール本体部の壜容器のラベルが貼り付けられる部分の高さと異なる高さ位置に形成され、フランジ部の外周部に形成されたポケット部の内面にこのポケット部に嵌合した壜容器の外面に当接される弾性部材が取り付けられており、スターホイール本体部の外周面がフランジ部のポケット部に嵌合された壜容器の外面から離間する位置に形成されていることを特徴とするスターホイール。
【請求項2】 前記フランジ部が、少なくともスターホイール本体部の上端部と下端部に壜容器のラベルが貼り付けられる部分の幅以上の幅を開けてそれぞれ形成されており、この各フランジ部に形成されたポケット部内にそれぞれ前記弾性部材が取り付けられている請求項1に記載のスターホイール。
【請求項3】 前記弾性部材がウレタンゴムである請求項1に記載のスターホイール。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図5】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate