説明

スチレン系複合ブロック共重合体混合物の製造方法およびこれを含有した改質アスファルト組成物

【課題】従来と同等以上の軟化点を示すと同時に、低温で優れた延性を発現し、塗料舗装用、防水シート用およびシーラント用として適用可能な複合ブロック共重合体を含有した改質アスファルト組成物を提供する。
【解決課題】
アスファルト100重量部と、下記化学式1に表される三元ブロック共重合体70〜99重量%および下記化学式2に表される二元ブロック共重合体1〜30重量%が含有された複合ブロック共重合体0.5〜40重量部を含有する改質アスファルト組成物。
[化学式1]
A−B−A'
[化学式2]
A−B
但し、AおよびA'は同一または異なるスチレン単量体を含有した高分子ブロック、Bはブタジエン系単量体を含有した高分子ブロック、またはブタジエン系単量体を含有した高分子ブロックであって該高分子ブロック中においてスチレン単量体がテーパードされた高分子ブロックを表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スチレン重合開始前と開始後に加えるアニオン開始重合剤の比率を所定のものとし、アニオン重合開始剤存在下にスチレンを重合させてポリスチレン溶液を製造し、得られたポリスチレン溶液にアニオン開始重合剤とブタジエンを投入して重合した後、スチレンを再度重合して製造された、三元ブロック共重合体と二元ブロック共重合体が混合された複合ブロック共重合体を製造する方法、及び該複合ブロック共重合体をアスファルトに混合させて製造した改質アスファルト組成物に関する。該改質アスファルト組成物は従来と同等以上の軟化点を示すと同時に、低温で優れた延性を発現し、塗料舗装用、防水シート用およびシーラント用として適用可能である。さらに、本発明は、該改質アスファルト組成物に用いることのできる複合ブロック共重合体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、改質されていないアスファルトは道路舗装、防水シートを製造する際、温度に非常に敏感に挙動し、高温では温度または荷重により押されて塑性変形が発生しやすく、低温では反復荷重による下部からの疲労亀裂と急激な温度変化による反復的な伸縮により上部からの亀裂破壊が起きる。また、道路舗設後、道路の特性上、時間の経過、通行車両の増加によってアスファルトの塑性変形、温度感応性、疲労亀裂、低温亀裂などに対する抵抗性が急激に落ちるという問題を持っている。
【0003】
このような問題点を改善するために、最近では高分子を添加して改質させたアスファルトを使用しており、例えば、低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴムなどの高分子を混合使用し、高温での軟化現象による塑性変形への抵抗性を向上させ、低温での反復荷重による外部応力および反復収縮による衝撃亀裂を抑制するのに優れた効果を見せる改質アスファルトに対する様々な研究が行われており、実際の産業現場で道路に適用する場合が漸進的に増加している。
【0004】
特許文献1および特許文献2には、アスファルトに線形ポリエチレン、エチレン酢酸ビニルまたはスチレン−ブタジエンゴムのような熱可塑性弾性体を添加し、物性をより向上させたアスファルト/重合体組成物の製造方法を提示している。
【0005】
特許文献3には、ポリ塩化フェニレン樹脂を含むアスファルト塑性物にアニオン重合にて製造された線形スチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体またはスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体のような熱可塑性弾性体を10〜30重量部投入することで、加硫工程と加硫剤が必要のない単純な工程で製造される組成物を提示している。このような組成物が経済的な工程の長所と、アスファルトと高分子間の常用性が向上される特徴を示すことを提示している。
【0006】
非特許文献1には、放射形スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体をアスファルト組成物の製造に使用することで、加工性、軟化点、加工安定性が向上され、適正粘度の維持に有利であることが提示されており、このようなアスファルト組成物がルーフィング、コーティング、ホットメルトアスファルトコンクリート、シーラント組成物として使用されることを提示している。
【0007】
特許文献4には、アスファルト、硫黄、高分子からなるアスファルト組成物について提示している。添加される高分子の含量は1重量部であり、天然ゴム、合成ゴム全て可能であるが、放射形スチレン−ブタジエンランダム共重合体を適用した場合は、延性の向上がない反面、線形スチレン−ブタジエンランダム共重合体の場合は延性の向上があることを提示している。
【0008】
特許文献5には、極性基を有する高分子改質剤を利用してアスファルトとの接着性を向上させて延性が増加された組成物として、シラン化合物またはマレイン酸無水物を利用して共役ジエン基をグラフトしたブタジエンゴムまたはスチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体が使用されることを提示している。
【0009】
水素添加された飽和構造の高分子であるスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体をアスファルト改質剤として使用した特許文献6には、アスファルト、有機溶媒、非結晶質シリカ、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体とからなる組成物は軟化点が華氏140℃付近に調節され、低温屈曲特性が向上される結果を表すことを提示している。
【0010】
特許文献7には、アスファルト、硫黄、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体とからなる組成物において高分子改質剤であるスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体の添加量を増加させることで、低温での延性および引張強度が増加されることを提示している。
【0011】
特許文献8には、線形スチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体と放射形スチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体の混合組成物をアスファルト改質剤として使用した例を提示しており、線形スチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体と放射形スチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体間の重量比を各々40〜100、60〜0で変化させ、アスファルトに投入した結果、溶解性が優れ、高温貯蔵安定性、延性、靭性が優れ、粘着力と軟化点が均衡をなす改質アスファルト組成物が製造されることを提示している。
【0012】
前述した通り、アスファルト道路舗装に使用される高分子に改質されたアスファルトは、純粋なアスファルト結合剤に比べて高温特性、低温特性、耐老化性および塑性変形抵抗性などの物性増進に非常に効果的であることで知られている。これは純粋なアスファルトに比べて優れた高分子材料が添加され、高分子ドメインを形成してアスファルトマトリクスを強化させるため、高温での高粘度による流動抵抗性の増進、低温での衝撃および亀裂抵抗性の増加、光および空気の接触による耐老化性が増加されるなどの特性が得られる。
【0013】
しかし、低温での耐亀裂性を評価するには延性がその物性を決定的に左右し、延性が高い場合、特に低温下で改質アスファルトの柔軟性が増加し、荷重による疲労現象や熱収縮膨張による亀裂による破壊現象が著しく減少する。従って、延性は特に低温地域で荷重による亀裂抵抗性を評価することができる重要な因子と言える。
【0014】
また、防水シートの材料などでは、低温領域での取り扱い、または収縮膨張による亀裂で発生し得る破損を防止するために、高分子などを添加して使用するが、この時、低温領域での破損防止効率を評価するが、低温特性の評価が重要な物性評価因子として適用される[KSF 4917,6.7屈曲性能]。
【0015】
一般的に、高分子改質アスファルトは低温領域で柔軟性向上と温度感応性を減少させ、高温領域での耐流動性の向上および変形を抑制させる機能をする。また、引張強度および硬度、靭性、骨材との接着力を向上させ、骨材流動による舗装体の破損を抑制させる。
【0016】
一方、低温領域での安定性の向上は、添加される高分子の種類によってその効果が異なって表れる。また、類似種類の高分子物質であるとしてもその高分子物質の構造によって温度感応性に対する抵抗性の効果が改善され得る。
【0017】
従来はアスファルトに高分子添加剤としてポリオレフィンやスチレン−ブタジエンランダム共重合体ゴムまたはスチレン−ブタジエンブロック共重合体ゴムなどが使用されてきた。特に、スチレン−ブタジエンランダム共重合体ゴムまたはスチレン−ブタジエンブロック共重合体ゴムなどは延性を増加させ、低温での反復的な伸縮による亀裂発生によるアスファルトの破壊を遅延させるのに寄与することで知られている。その他に、極低温で粉砕された廃タイヤ粉末を改質剤として利用したアスファルト組成物が使用されており、これは経済的な側面での長所を有しているが、全般的にスチレン−ブタジエンブロック共重合体ゴムの場合に比べて高温および低温での特性が落ちることで知られている。
【0018】
また、エチレン−プロピレンジエン単量体系ゴムなども使用されているが、高い溶融温度により使用される分野が限定的であり、価格的な側面での問題をも有している。その他に、アスファルトと高分子改質剤間の高温での相分離を抑制するために、汎用的にアミン系化合物や硫黄化合物などが使用されており、極性基に置換された高分子を使用することもある。
【0019】
以上のように、高分子の添加により得られるアスファルト組成物の特性改善は添加される高分子の物性に大きく影響を受け、延性など更に優れたアスファルト特性を具現するための改質剤としての高分子の改善は継続的に要求されている。
【特許文献1】米国特許第3,985,694号
【特許文献2】米国特許第4,130,516号
【特許文献3】米国特許第3,345,316号
【特許文献4】米国特許第4,130,516号
【特許文献5】米国特許第5,130,354号
【特許文献6】米国特許第4,443,570号
【特許文献7】米国特許第4,412,019号
【特許文献8】大韓民国公開特許第2002−0013709号
【非特許文献1】米国法定発明登録H1580号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明はしたポリスチレン−ポルブタジエン−ポリスチレンの三元ブロック共重合体とポリブタジエン−ポリスチレンの二元ブロック共重合体が混合された複合ブロック共重合体をアスファルトに混合し前記複合ブロック共重合体により改質され、低温での延性が非常に優れた改質アスファルト組成物を提供する。また、本発明は、複合ブロック共重合体を製造する新規な方法を提供する。
【0021】
従来のカップリング法で製造された製品と比較し、スチレン重合開始前後に重合開始剤を分割投入して本発明により製造されたブロック共重合体混合物の場合、長い分子鎖のブタジエンブロックを有するポリスチレン−ポリブタジエン二元ブロック共重合体を含有する。このようなブロック共重合体混合物をアスファルト改質剤として使用する場合、改質アスファルトの延性を大きく向上させ、より優れた低温安定性の発現が可能な新規の改質アスファルト組成物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は下記化学式1に表される三元ブロック共重合体70〜99重量%および下記化学式2に表されるジブロック1〜30重量%が重合された複合ブロック共重合体と、アスファルト100重量部に複合ブロック共重合体0.5〜40重量部を含有させた改質アスファルト組成物にその特徴がある。
【0023】
〔化学式1〕
A−B−A'
【0024】
〔化学式2〕
A−B
【0025】
前記化学式1および化学式2において、
AおよびA'は各々同じであるか異なるものとして、スチレンを含有する高分子ブロックであり、Bはブタジエンを含有する高分子ブロック、またはブタジエンを含有する高分子ブロックであって該高分子ブロック中においてスチレンがテーパードされた高分子ブロックを表す。
【0026】
また、本発明は前記複合ブロック共重合体は、飽和炭化水素溶媒、アニオン重合開始剤下でスチレンを反応させて、活性末端を有するポリスチレン溶液を製造する1段階、前記1段階で製造された溶液に、アニオン重合開始剤とブタジエン単量体を投入して、ポリスチレン−ポリブタジエン重合体溶液と活性末端を有するポリジエン重合体溶液を製造する2段階、および前記1段階で製造された溶液にスチレンを投入して、前記化学式1に表される三元ブロック共重合体および前記化学式2に表される二元ブロック共重合体が含有された複合ブロック共重合体を製造する3段階の製造過程を行って製造される改質アスファルト組成物にまた別の特徴がある。
【発明の効果】
【0027】
本発明によって製造された長い分子鎖のブタジエンブロックを有するスチレン−ブタジエンジブロック共重合体を含むスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体を含む改質アスファルト組成物は従来と同等以上の軟化点を示すと同時に、低温で優れた延性を発現し、道路舗装用、防水シート用およびシーラント用として適用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明は、アニオン重合開始剤をスチレン重合開始前と重合終了後に所望する所定比率で分割投入することとし、アニオン重合開始剤存在下に製造されたポリスチレン溶液に、さらにアニオン重合剤とブタジエンを投入して重合した後、スチレンを再度重合して製造され、三元ブロック共重合体と二元ブロック共重合体が所定比で混合される特定の複合ブロック共重合体を製造する方法と、アスファルトに前記複合ブロック共重合体を混合することによって改質されたアスファルト組成物に関する。
【0029】
具体的に、飽和炭化水素溶媒下でアニオン重合開始剤を使用してスチレン単量体を重合した後、ここに再度少量のアニオン重合開始剤を投入し、ブタジエンを添加して重合する。このように製造された活性末端を有するポリスチレン−ポリブタジエンジブロック共重合体と活性末端を有するポリブタジエン溶液混合物にスチレン単量体を投入して重合すると、最初に加えたスチレン単量体の比率に対応する量の三元ブロック共重合体とスチレン単量体を重合した後に追加したアニオン重合開始剤の量に該当する二元ブロック共重合体で構成された複合ブロック共重合体が製造される。
【0030】
即ち、本発明は純粋アスファルトに、短い分子鎖のブタジエン単量体ブロックを有する二元ブロック共重合体を有する複合ブロック共重合体を含む改質アスファルト組成物に関するのではなく、前記のような方法で製造された長い分子鎖のブタジエン単量体ブロックを有する二元ブロック共重合体を含む複合ブロック共重合体を改質剤として含有する改質アスファルト組成物に関する。
【0031】
本発明の複合ブロック共重合体は当分野で一般的に使用されるアニオン重合法により製造される方法であるが、本発明は重合を行う順序が全く異なる。
【0032】
一般的に、スチレン単量体をアニオン重合開始剤で重合し、ブタジエン単量体を投入してポリスチレン−ポリブタジエンジブロック共重合体を製造する。その後、カップリング剤を適切に調節してポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン三元ブロック共重合体とポリブタジエン−ポリスチレンの二元ブロック共重合体が混合されてからなる複合ブロック共重合体を製造する。また別の方法としては、三元ブロック共重合体と二元ブロック共重合体が混合された複合ブロック共重合体を製造するために、ブタジエンが重合中の間に少量の重合開始剤を使用するか、重合停止剤を少量投入して複合ブロック共重合体を製造する。
【0033】
これに反し、本発明はブタジエンの重合中の間に少量の重合開始剤を投入せず、スチレン重合の直後に、少量の開始剤を投入する方法であり、その結果ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン三元ブロック共重合体と分子構造的に長いブタジエンブロックを有するポリブタジエン−ポリスチレン二元ブロック共重合体が含有された複合ブロック共重合体が製造される。前記で製造した複合ブロック共重合体をアスファルト改質剤として使用する場合、改質されたアスファルトが低温で優れた延性を表す。
【0034】
一方、本発明による改質アスファルト組成物をより具体的に見てみると下記の通りである。
【0035】
本発明は下記化学式1に表される三元ブロック共重合体70〜99重量%および下記化学式2に表される二元ブロック共重合体1〜30重量%が重合された複合ブロック共重合体をアスファルトの改質剤として使用する。
【0036】
[化学式1]
A−B−A'
【0037】
[化学式2]
A−B
【0038】
前記化学式1および2において、
AおよびA'は同一あるいは異なるものとすることができ、それぞれスチレン単量体を含有した高分子ブロックを表わす。前記スチレン単量体は具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレンおよびp−tert−ブチルスチレンの中から選択された1種類の単量体または2種類以上の単量体の混合物を使用することができ、好ましくはスチレンを使用する。
【0039】
Bはブタジエン系単量体を含有した高分子ブロック、またはブタジエン系単量体を含有した高分子ブロックであって該高分子ブロックにおいてスチレン単量体がテーパードされた高分子ブロックを表す。
【0040】
即ち、本発明は化学式1のスチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体と、化学式2のスチレン−ブタジエンジブロック共重合体であることが好ましい。
【0041】
化学式に1表される三元ブロック共重合体の含量が70重量%未満の場合、熱可塑性エラストマーの特性である引張強度などの機械的物性を付与する三元ブロック共重合体の量が低減するにつれ、機械的物性が低下する。一方、99重量%を超過する場合は加工性および低温で延性を付与する二元ブロック共重合体の量が低減するにつれ、延性が低下するという問題が発生するため、前記範囲を維持することが好ましい。
【0042】
この時、前記スチレン単量体は複合ブロック共重合体の総量に対して、15〜40重量%含有し、前記含有量が15重量%未満の場合、機械的物性が劣悪となり、40重量%を超過する場合は延性が低下するため、前記範囲を維持することが好ましい。
【0043】
また、複合ブロック共重合体内に含有された総スチレン単量体に対して、80〜99重量%のスチレン単量体がブロックを形成する。前記ブロック比率は総スチレン単量体に対するブロックとして存在するスチレン単量体の百分率を表したものであり、前記ブロック形成率が80重量%未満の場合、三元ブロック共重合体のスチレンドメインが形成されるという問題があり、引張強度などの機械的物性が低下し、99重量%を超過する場合、即ち、例えば、100重量%ならばより好ましくはあるが、このような効果達成のためには反応時間が長時間要求されるため、費用的な側面で経済的ではないという問題が発生するため、前記範囲を維持することが好ましい。
【0044】
前記複合ブロック共重合体内に含有されたスチレン単量体のうちAとA'の数平均分子量の差は0〜10,000を維持する。一般的に、三元ブロック共重合体により機械的特性の発現が可能であり、この中で前記共重合体内に含有されたスチレン単量体が最も重要な要素として適用される。この時、三元ブロック共重合体に含有されたスチレン単量体が同一サイズを有する時、最も優れた効果を発現する。前記数平均分子量の差が10,000を超過する場合、例えば、一方のスチレン単量体ブロックのサイズを約25,000とし、もう一方のスチレン単量体ブロックを5,000とすると、三元ブロック共重合体の特性が全く発現されなくなり、熱可塑性、引張強度などの機械的特性の発現が形成されない。
【0045】
本発明による複合ブロック共重合体は、数平均分子量が50,000〜300,000であり、好ましくは70,000〜150,000とする。前記分子量が50,000未満の場合、機械的応用物性が劣化する可能性があり、300,000を超過する場合は加工性が低下する可能性があるという問題が発生するため、前記範囲を維持することが好ましい。
【0046】
このような複合ブロック共重合体は当分野で一般的に使用される方法で製造され、具体的に、有機リチウム化合物のようなアニオン開始剤下でアニオン重合を行う。
【0047】
前記アニオン重合の条件、反応溶媒などは当分野で一般的に使用されるものを使用し、特別に限定はしないが、本願発明は従来のように、別途のカップリング剤やブタジエン系単量体を分けて使用せず、一度に全て使用することに技術構成上の特徴がある。この時、空気および水分のない条件下で40℃以上の反応温度で行うことが好ましく、前記反応溶媒としては、具体的にテトラヒドロフラン等を使用し、濃度を500ppm以下とすることが好ましい。
【0048】
一方、本発明はアスファルト100重量部と、先に言及した複合ブロック共重合体0.05〜40重量部、好ましくは1〜20重量部を含有した改質アスファルト組成物にその特徴がある。前記複合ブロック共重合体の含有量が0.05重量部未満の場合、高分子の濃度が非常に低いため、改質剤として高分子性能の発現が難しく、40重量部を超過する場合は過度な高粘度を誘発し、改質アスファルトのブロック共重合体とアスファルトの分散性、フロー性を低下させ、分散時間の遅延によりアスファルト結合剤の熱的分解および剪断応力による機械的分解現象が起きる。
【0049】
更に、本発明は前記アスファルトと複合ブロック共重合体が含有された改質アスファルト組成物に線形またはブロック共重合体を更に含有して使用することができる。前記線形またはブロック共重合体は当分野で一般的に使用されるものを使用し、特別に限定はしないが、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体などを使用することができる。この時、線形またはブロック共重合体の使用量は特別に限定しない。
【0050】
このような改質アスファルト組成物を製造する際、相分離を制御するために、硫黄を混合して使用することができ、これは複合ブロック共重合体100重量部に対して、0〜20重量部、好ましくは0〜10重量部で使用することができる。この時、硫黄の使用量が20重量部を超過する場合はゲル化を招来し、層分離現象が起きるため、前記範囲を維持することが好ましい。
【0051】
以上のように製造された改質アスファルト組成物は従来と同等以上の物性、即ち、軟化点および分子量等の物性を同等あるいはより良好に維持すると同時に、低温で著しく向上された延性を示し、低温領域でより向上された安定性を表す。
【0052】
以下、本発明を実施例に依拠して更に詳しく説明するが、本発明がこれに限定されるわけではない。
【0053】
製造例:スチレン−ブタジエン二元ブロック共重合体と、スチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体を含む複合ブロック共重合体の製造
製造例1
2Lのオートクレーブ内部雰囲気をアルゴンガスで十分に置換させた。ここに精製されたシクロヘキサン900gとスチレン30gを注入し、温度を60℃に維持した。その後、重合開始剤であるn−ブチルリチウム(BuLi)1.7mmolのシクロヘキサン溶液(1.3M濃度)をオートクレーブに投入して重合反応を開始した。重合温度が最高温度に到達してから5分後に、n−ブチルリチウム(BuLi)0.3mmolとブタジエン138gを投入して重合を行い、ブタジエン重合温度が最高温度に到達してから3分後に、スチレン32gを反応器に投入して重合を進行させた。重合の終了は少量のメタノールを重合溶液に添加してリビング重合体の活性を完全に除去した後、酸化防止剤であるイルガノックス 1076(チバ・ジャパン株式会社)1gとトリスノニルフェノール1.5gを添加して行った。
【0054】
このように合成された高分子溶液からスチームを利用して溶媒を除去することで、粉末形態の非対称スチレンブロックを有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体を得た。残存する溶媒および水分はロールミルを利用して除去した。この時、前記三元ブロック共重合体であるスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体は85重量であり、二元ブロック共重合体であるスチレン−ブタジエンブロック共重合体は15重量%であった。
【0055】
製造例2
2Lのオートクレーブの内部雰囲気をアルゴンガスで十分に置換させた。ここに精製されたシクロヘキサン900gとスチレン30gを注入し、温度を60℃に維持した。その後、開始剤であるn−ブチルリチウム(BuLi)2.0mmolのシクロヘキサン溶液(1.3M濃度)をオートクレーブに投入して重合反応を開始した。重合温度が最高温度に到達してから5分後に、n−ブチルリチウム(BuLi)0.3mmolとブタジエン138gを投入して重合を行い、ブタジエン重合温度が最高温度に到達してから3分後に、スチレン32gを反応器に投入して重合を進行させた。重合の終了は少量のメタノールを重合溶液に添加してリビング重合体の活性を完全に除去した後、酸化防止剤であるイルガノックス 1076(チバ・ジャパン株式会社)1gとトリスノニルフェノール1.5gを添加して行った。
【0056】
このように合成された高分子溶液からスチームを利用して溶媒を除去することで、粉末形態の非対称スチレンブロックを有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体を得た。残存する溶媒および水分はロールミルを利用して除去した。この時、前記三元ブロック共重合体であるスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体は87重量であり、二元ブロック共重合体であるスチレン−ブタジエンブロック共重合体は13重量%であった。
【0057】
製造例3
2Lのオートクレーブの内部雰囲気をアルゴンガスで十分に置換させた。ここに精製されたシクロヘキサン900gとスチレン30gを注入し、温度を60℃に維持した。その後、開始剤であるn−ブチルリチウム(BuLi)2.5mmolのシクロヘキサン溶液(1.3M濃度)をオートクレーブに投入して重合反応を開始した。重合温度が最高温度に到達してから5分後に、n−ブチルリチウム(BuLi)0.3mmolとブタジエン138gを投入して重合を行い、ブタジエン重合温度が最高温度に到達してから3分後に、スチレン32gを反応器に投入して重合を進行させた。重合の終了は少量のメタノールを重合溶液に添加してリビング重合体の活性を完全に除去した後、酸化防止剤であるイルガノックス 1076(チバ・ジャパン株式会社)1gとトリスノニルフェノール1.5gを添加して行った。
【0058】
このように合成された高分子溶液からスチームを利用して溶媒を除去することで、粉末形態の非対称スチレンブロックを有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体を得た。残存する溶媒および水分はロールミルを利用して除去した。この時、前記三元ブロック共重合体であるスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体は89重量であり、二元ブロック共重合体であるスチレン−ブタジエンブロック共重合体は11重量%であった。
【0059】
製造例4
2Lのオートクレーブ内部雰囲気をアルゴンガスで十分に置換させた。ここに精製されたシクロヘキサン900gとスチレン30gを注入し、温度を60℃に維持した。その後、開始剤であるn−ブチルリチウム(BuLi)3.0mmolのシクロヘキサン溶液(1.3M濃度)をオートクレーブに投入して重合反応を開始した。重合温度が最高温度に到達してから5分後に、n−ブチルリチウム(BuLi)0.4mmolとブタジエン138gを投入して重合を行い、ブタジエン重合温度が最高温度に到達してから3分後に、スチレン32gを反応器に投入して重合を進行させた。重合の終了は少量のメタノールを重合溶液に添加してリビング重合体の活性を完全に除去した後、酸化防止剤であるイルガノックス1076(チバ・ジャパン株式会社)1gとトリスノニルフェノール1.5gを添加して行った。
【0060】
このように合成された高分子溶液からスチームを利用して溶媒を除去することで、粉末形態の非対称スチレンブロックを有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体を得た。残存する溶媒および水分はロールミルを利用して除去した。この時、前記三元ブロック共重合体であるスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体は88重量であり、二元ブロック共重合体であるスチレン−ブタジエンブロック共重合体は12重量%であった。
【0061】
製造例5
2Lのオートクレーブ内部雰囲気をアルゴンガスで十分に置換させた。ここに精製されたシクロヘキサン900gとスチレン23gを注入し、温度を60℃に維持した。その後、開始剤であるn−ブチルリチウム(BuLi)2.0mmolのシクロヘキサン溶液(1.3M濃度)をオートクレーブに投入して重合反応を開始した。重合温度が最高温度に到達してから5分後に、n−ブチルリチウム(BuLi)0.3mmolとブタジエン150gを投入して重合を行い、ブタジエン重合温度が最高温度に到達してから3分後に、スチレン27gを反応器に投入して重合を進行させた。重合の終了は少量のメタノールを重合溶液に添加してリビング重合体の活性を完全に除去した後、酸化防止剤であるイルガノックス1076(チバ・ジャパン株式会社)1gとトリスノニルフェノール1.5gを添加して行った。
【0062】
このように合成された高分子溶液からスチームを利用して溶媒を除去することで、粉末形態の非対称スチレンブロックを有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体を得た。残存する溶媒および水分はロールミルを利用して除去した。この時、前記三元ブロック共重合体であるスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体は87重量であり、二元ブロック共重合体であるスチレン−ブタジエンブロック共重合体は13重量%であった。
【0063】
製造例6
2Lのオートクレーブの内部をアルゴンガスで十分に置換させた。ここに精製されたシクロヘキサン900gとスチレン19gを注入し、温度を60℃に維持した。その後、開始剤であるn−ブチルリチウム(BuLi)2.0mmolのシクロヘキサン溶液(1.3M濃度)をオートクレーブに投入して重合反応を開始した。重合温度が最高温度に到達してから5分後に、n−ブチルリチウム(BuLi)0.3mmolとブタジエン160gを投入して重合を行い、ブタジエン重合温度が最高温度に到達してから3分後に、スチレン21gを反応器に投入して重合を進行させた。重合の終了は少量のメタノールを重合溶液に添加してリビング重合体の活性を完全に除去した後、酸化防止剤であるイルガノックス 1076(チバ・ジャパン株式会社)1gとトリスノニルフェノール1.5gを添加して行った。
【0064】
このように合成された高分子溶液からスチームを利用して溶媒を除去することで、粉末形態の非対称スチレンブロックを有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体を得た。残存する溶媒および水分はロールミルを利用して除去した。この時、前記三元ブロック共重合体であるスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体は87重量であり、二元ブロック共重合体であるスチレン−ブタジエンブロック共重合体は13重量%であった。
【0065】
比較製造例1:線形スチレン−ブタジエンブロック共重合体
2Lのオートクレーブの内部雰囲気をアルゴンガスで十分に置換させた。ここに精製されたシクロヘキサン900gとスチレン30gを注入し、温度を60℃に維持した。開始剤であるn−ブチルリチウム(BuLi)2.5mmolのシクロヘキサン溶液(1.3M濃度)をオートクレーブに投入して重合反応を開始した。重合温度が最高温度に到達してから5分後に、ブタジエン69gを投入して重合を行い、ブタジエン重合温度が最高温度に到達してから3分後に、n−ブチルリチウム(BuLi)0.3mmolとブタジエン69gを投入して重合を行った。ブタジエン重合温度が最高温度に到達してから3分後に、スチレン32gを反応器に投入して重合を進行させた。重合の終了は少量のメタノールを重合溶液に添加してリビング重合体の活性を完全に除去した後、酸化防止剤であるイルガノックス 1076(チバ・ジャパン株式会社)1gとトリスノニルフェノール1.5gを添加して行った。
【0066】
このように合成された高分子溶液はスチームから利用して溶媒を除去することで、粉末形態のスチレン−ブタジエンブロック共重合体を得た。残存する溶媒および水分はロールミルを利用して除去した。
【0067】
比較製造例2:線形スチレン−ブタジエンブロック共重合体
2Lのオートクレーブの内部雰囲気をアルゴンガスで十分に置換させた。ここに精製されたシクロヘキサン900gとスチレン62gを注入し、温度を60℃に維持した。開始剤であるn−ブチルリチウム(BuLi)4.0mmolのシクロヘキサン溶液(1.3M濃度)を反応器に投入して重合反応を開始した。重合温度が最高温度に到達してから5分後に、ブタジエン138gを投入して重合を行い、ブタジエン重合温度が最高温度に到達してから3分後に、ジクロロジシラン2.0mmolをカップリング剤として使用して反応させ、86%のカップリング効率のスチレン−ブタジエン−スチレン共重合体混合物を合成した。その後、酸化防止剤としてイルガノックス 1076(チバ・ジャパン株式会社)1gとトリスノニルフェノール1.5gを添加し、前記比較製造例1と同様の過程を行った。
【0068】
このように合成された高分子溶液からスチームを利用して溶媒を除去することで、粉末形態のスチレン−ブタジエンブロック共重合体を得た。残存する溶媒および水分はロールミルを利用して除去した。
【0069】
比較製造例3:放射形スチレン−ブタジエンブロック共重合体
2Lのオートクレーブの内部雰囲気をアルゴンガスで十分に置換させた。ここに精製されたシクロヘキサン900gとスチレン62gを注入し、温度を60℃に維持した。その後、開始剤であるn−ブチルリチウム(BuLi)4.2mmolのシクロヘキサン溶液(1.3M濃度)をオートクレーブに投入して重合反応を開始した。重合温度が最高温度に到達してから5分後に、ブタジエン138gを投入して重合を行い、ブタジエン重合温度が最高温度に到達してから3分後に、テトラクロロジシラン1.0mmolをカップリング剤として使用して反応させ、90%のカップリング効率のスチレン−ブタジエン−スチレン共重合体混合物を合成した。その後、酸化防止剤としてイルガノックス 1076(チバ・ジャパン株式会社)1gとトリスノニルフェノール1.5gを添加して行った。
【0070】
このように合成された高分子溶液からスチームを利用して溶媒を除去することで、粉末形態のスチレン−ブタジエンブロック共重合体を得た。残存する溶媒および水分はロールミルを利用して除去した。
【0071】
前記比較例1〜6および比較製造例1〜3で製造されたブロック共重合体の物性を測定し、その結果を下記表1に表した。
【0072】
[物性測定方法]
1.分子量分析
分子量分析は高性能液体クロマトグラフィである分離モジュールウオーターズ(separation‘s module Waters )2690、検出器としては示差屈折系ウオーターズ(Waters )410を使用し、分析条件は下記の通りとした。カラム温度は41℃、溶媒はTHF、流速は1.0mL/minである。カラムはジビニルベンゼンスタイラジェル HR 5E、HR 4、HR 2を直列連結して使用し、ポリスチレン標準試料を基準とし、示差屈折計により屈折率の差を検出した。
【0073】
2.微細構造および含量
スチレン、ブタジエンの含量および微細構造の分析は核磁気共鳴分析器であるVarian NMR−200とNMR−400を使用して行い、分析試料はクロロホルム−dを溶媒として製造した。
【0074】
【表1】

【0075】
実施例:改質アスファルトの製造
実施例1〜6および比較例1〜3
180℃の溶融状態とした純粋アスファルト600gに対して、前記アスファルト100重量部に対して前記製造例1〜6および比較製造例1〜3で製造されたブロック共重合体を各々4.5重量部となるように添加した。混合物を高速剪断ミキサーで30分間混合し、改質アスファルト組成物を製造した。
【0076】
前記で製造された改質アスファルト組成物の物性を測定し、その結果を下記表2に表した。一般的に道路舗装に用いる改質アスファルト組成物は、低温での延性が非常に重要である。改質アスファルト組成物を低温延性測定用試片製造用金型に注ぎ、冷却して延性測定用試片を製造した[KS M 2254]。延性を測定するために製造された試片は水槽内で測定温度4℃に維持し、両側を1分当り3cmの速度で引っ張り、試片が切断される時の引張長さをKS M 2254により実施した。この時、測定された軟化点および延性を下記表2に表した。
【0077】
【表2】

【0078】
前記表2に表した通り、全般的に分子量が増加するほど軟化点は優れていることが分かる。
【0079】
更に、本発明による長い分子鎖のブタジエンブロックを有するスチレン−ブタジエン二元ブロック共重合体とスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体からなるブロック共重合体をアスファルトに添加させて改質させたアスファルト組成物である実施例1〜6が比較例1〜3に比べ、軟化点はほぼ同一であるが、延性が著しく向上されたことを確認することができた。
【0080】
具体的に説明すると、類似範囲のスチレンの含量と分子量を有しながら、長いブタジエン分子鎖を有するスチレン−ブタジエンジブロックを有する実施例2と、比較例1および2とを比較すると、比較例1および2に比べて実施例2が軟化点の範囲は類似しているが、延性が著しく向上されたことを確認することができた。
【0081】
また、比較例1および2は線形である反面、比較例3はラジアル構造を表し、線形である比較例1および2に比べてラジアル構造である比較例3は優れた軟化点を有するが、延性は低いことを確認することができた。
【0082】
結論的には、本発明によって長い分子鎖のブタジエンブロックを有するスチレン−ブタジエン二元ブロック共重合体を含むスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体をアスファルト改質剤として使用して改質されたアスファルト組成物は、低温での延性が大きく増加され、低温での改質アスファルトの柔軟性が増加し、荷重による疲労現象や熱の収縮および膨張による亀裂による破壊現象が減り、道路舗装用として適合することを確認することができる。また、線形と比較してみると、放射形は軟化点においては優れているが、延性においては非常に劣悪であることが分かる。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスファルト100重量部と、
下記化学式1に表される三元ブロック共重合体70〜99重量%および下記化学式2に表される二元ブロック共重合体1〜30重量%が含有された複合ブロック共重合体0.5〜40重量部を含有することを特徴とする改質アスファルト組成物。
[化学式1]
A−B−A'
[化学式2]
A−B
前記化学式1および2において、
AおよびA'は同一あるいは異なり、スチレン単量体を含有した高分子ブロックを表し、Bはブタジエン系単量体を含有した高分子ブロック、またはブタジエン系単量体を含有した高分子ブロックであって該高分子ブロック中においてスチレン単量体がテーパードされた高分子ブロックを表す。
【請求項2】
前記複合ブロック共重合体は、アスファルト100重量部に対して1〜20重量部含有することを特徴とする、請求項1記載の改質アスファルト組成物。
【請求項3】
前記スチレン単量体は、複合ブロック共重合体に対して15〜40重量%含有することを特徴とする、請求項1記載の改質アスファルト組成物。
【請求項4】
前記複合ブロック共重合体は、数平均分子量が50,000〜300,000であることを特徴とする、請求項1記載の改質アスファルト組成物。
【請求項5】
複合ブロック共重合体内に含有された総スチレン単量体に対して、80〜99重量%のスチレン単量体がブロックを形成することを特徴とする、請求項1記載の改質アスファルト組成物。
【請求項6】
前記複合共重合体内に含有されたスチレン単量体のうちAとA'の数平均分子量の差は0〜10,000であることを特徴とする、請求項1記載の改質アスファルト組成物。
【請求項7】
前記改質アスファルト組成物は道路舗装用、防水シート用およびシーラント用として適用することを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
前記複合ブロック共重合体は、
飽和炭化水素溶媒、アニオン重合開始剤下でスチレンを反応させて、活性末端を有するポリスチレン溶液を製造する1段階、
前記1段階で製造された溶液に、アニオン重合開始剤とブタジエン単量体を投入して、ポリスチレン−ポリブタジエン重合体溶液と活性末端を有するポリジエン重合体溶液を製造する2段階、および
前記1段階で製造された溶液にスチレンを投入して、前記化学式1に表される三元ブロック共重合体および前記化学式2に表される二元ブロック共重合体が含有された複合ブロック共重合体を製造する3段階、
の製造過程を行って製造されることを特徴とする、請求項1記載の組成物。


【公開番号】特開2009−127049(P2009−127049A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−288337(P2008−288337)
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(502154773)錦湖石油化学株式会社 (3)
【Fターム(参考)】