説明

スチーム浴装置

【課題】 入浴中に入浴者の頭皮ケアおよび洗髪を行なうことができるようにする。
【解決手段】 本体2上に、入浴者4が横たわって入浴できる大きさの浅底容器状の浴槽部5を取付ける。浴槽部5の上面を、開閉可能な蓋体6で覆い、その内部に浴槽空間7を形成する。この浴槽空間7内に、スチーム発生装置16からのスチームを、中央溝13および枝溝14を介して供給する。蓋体6の前端部に凹部54を設け、この凹部54の下端部位置に、入浴者4の頭部を外部に露出させるための開口55を設ける。浴槽部5前端の蓋体6の外部位置に、頭髪洗浄装置58を設ける。この頭髪洗浄装置58を用いることにより、入浴中に入浴者4の頭皮ケアおよび洗髪を行なうことができる。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、入浴者が横たわった状態でスチーム浴できるスチーム浴装置に係り、特に入浴中に入浴者の頭皮ケアおよび洗髪が可能なスチーム浴装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、入浴者が横たわって入浴可能な大きさの浴槽部を有する本体と、この本体に開閉可能に取付けられ前記浴槽部の上部を覆って浴槽空間を形成する蓋本体とを備えたスチーム浴装置は一般に知られている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
前記従来のスチーム浴装置においては、浴槽部上に横たわった入浴者は、頭部を含めた全身が蓋体により完全に覆われ、いわゆるサウナ感覚のスチーム浴となり、入浴中は頭皮ケアおよび洗髪が不可能であるという問題がある。
【0004】
また、従来のスチーム浴装置においては、スチームを浴槽空間内に循環させる、いわゆる空気循環方式を採っているが、この方式の場合には、スチームが入浴者の身体全体に均一に当たりにくく、スチームの利用効率が低いという問題がある。
【0005】
本考案は、かかる現況に鑑みなされたもので、スチームを入浴者の身体全体に行き渡らせ、入浴効果を向上させることができるとともに、入浴中に入浴者の頭皮ケアおよび洗髪を行なうことができるスチーム浴装置を提供することを目的とする。
【0006】
本考案の他の目的は、熱に対して敏感な入浴者の背中を避けてスチームを中央溝に供給することができ、しかもスチームが不足がちとなる入浴者の肩付近に積極的にスチームを供給して入浴効果をより向上させることができるスチーム浴装置を提供するにある。
【0007】
本考案の他の目的は、芳香を浴槽空間内に充満させてアロマテラビーを行なうことができるスチーム浴装置を提供するにある。
【0008】
本考案の他の目的は、入浴者の脚部の血行を促進させることができるスチーム浴装置を提供するにある。
【0009】
本考案の他の目的は、入浴者が入浴中に膝の屈伸運動を行なうことができるスチーム浴装置を提供するにある。
【0010】
本考案のさらに他の目的は、入浴者が入浴中に股の開閉運動を行なうことができるスチーム浴装置を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本考案は、浅底容器状をなし入浴者が横たわって入浴可能な大きさの浴槽部を有する本体と;この本体に開閉可能に取付けられ、前記入浴者の頭部を除く全身を覆って浴槽空間を形成する蓋体と;浴槽部の底部中央部に長手方向に延設され上面がカバーで覆われた中央溝と、中央溝から浴槽部の内面に沿って両側に延びる複数の枝溝を有し、各枝溝からスチームを浴槽空間内に吐出するスチーム通路と;前記本体内部に設けられ、生成したスチームを前記中央溝に供給するスチーム発生装置と;浴槽部の両側部に長手方向に複数それぞれ配設された側部ノズルと、蓋体の天面中央に長手方向に複数配設された上部ノズルとを有し、入浴者に向けて水を噴射させるシャワー装置と;浴槽部前端の蓋体外部位置に設けられた頭髪洗浄装置と;をそれぞれ設けるようにしたことを特徴とする。そして、スチーム通路を浴槽部の内面に設けられた中央溝と枝溝とで構成することにより、スチームを入浴者の身体全体に行き渡らせることが可能となり、また頭髪洗浄装置を用いて、入浴中に入浴者の頭皮ケアおよび洗髪を行なうことが可能となる。
【0012】
本考案はまた、スチーム発生装置に、それぞれ配設位置の異なるスチーム放出筒とスチーム吐出口とを設けるようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、熱に対して敏感な入浴者の背中を避けてスチームを供給することが可能となり、またスチームが不足がちとなる入浴者の肩近傍に積極的にスチームを供給して入浴効果を向上させることが可能となる。
【0013】
本考案はまた、吐出口に芳香剤を収容する芳香ケースを設けるようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、浴槽空間内に芳香を充満させてアロマテラビーを行なうことが可能となる。
【0014】
本考案はまた、浴槽部に脚置き部材を設けるようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、入浴者の脚部が心臓よりも高所に位置することになり、脚部の血行を促進させることが可能となる。
【0015】
本考案はまた、脚置き部材を浴槽部の長手方向に移動できるようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、入浴者が入浴中に膝の屈伸運動を行なうことが可能となる。
【0016】
本考案はさらに、脚置き部材を、転動軸と、一対のガイドローラと、2個の脚置きローラとで構成するようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、入浴者が入浴中に股の開閉運動を行なうことが可能となり、また必要に応じ脚置き部材を容易に撤去することが可能となる。
【0017】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0018】
図1ないし図3は、本考案の実施の一形態に係るスチーム浴装置を示すもので、このスチーム浴装置1は下端四隅部にアジャスタ付きのキャスタ3を有する本体2を備えている。この本体2の上端部には、浅底容器状をなし入浴者4が横たわって入浴可能な大きさの浴槽部5が一体に設けられ、この浴槽部5の上面側は、本体2に対し開閉可能な蓋体6により覆われて内部に浴槽空間7が形成されている。そして蓋体6は、図3に示すように、ほぼ90度開いた位置でストッパ8に当接し、この位置で安定保持可能とされている。
【0019】
浴槽部5は、図4および図5に示すように、両側部が湾曲する船底状をなしており、その内面には、スチーム通路9が設けられている。また浴槽部5の前端部には、頭皮ケアおよび洗髪用のピット10が設けられ、このピット10の底部には、フィルタ11を有する排水口12が設けられている。
【0020】
スチーム通路9は、浴槽部5の底面中央に長手方向に延設された角溝状の中央溝13と、中央溝13から浴槽部5の内面に沿って両側に延びる複数本の枝溝14とで構成されており、中央溝13は、図1および図2に示すように、その上面が着脱可能な上面カバー15により塞がれている。
【0021】
また各枝溝14は、図4に示すように、平面形状がほぼ直線状をなしているとともに、図2に示すように、中央溝13側の端部から先端側の端部に向かって深さが次第に浅底となる形状をなしている。
【0022】
本体2内の浴槽部5下方位置には、図1および図2に示すように、スチーム発生装置16が配設されており、このスチーム発生装置16では生成されたスチームは、前記中央溝13に供給されるようになっている。
【0023】
すなわち、このスチーム発生装置16は、図7ないし図9に示すように、水17を収容する角筒容器状の内ケース18と、内ケース18の中央部外側に二重容器状に配設された角筒容器状の外ケース19とを備えている。内ケース18の底部には、そのほぼ全長に亘って板状発熱体20が配設され、内ケース18内の水17を加熱するとともに、外ケース19内に導かれる外気も加熱可能となっている。この板状発熱体20は、金属プレート上に絶縁皮膜を形成するとともに、その上に発熱体を形成し、この発熱体から端子を引出すとともに、発熱体の上面をさらに絶縁皮膜で覆って形成されている。この板状発熱体20は、大きさの制約や形状の制限がなく、しかも低電圧の電源で200〜500℃で安定して使用できる特徴を有している。
【0024】
内ケース18の両側面上端の外ケース19に対応する位置には、図7および図9に示すように連通口21がそれぞれ設けられ、一方外ケース19の下面には、モータ22で駆動されるシロッコファン23が設置され、外気を外ケース19内に供給するようになっている。そして外ケース19内に導かれた外気は、板状発熱体20で加熱されるとともに、加熱された外気は、前記連通口21を介し内ケース18内に導かれ、内ケース18内で生成された蒸気とともに中央溝13内に供給される。
【0025】
すなわち、内ケース18の上端部には、図1および図2に示すように、中央溝13に立上がって上端開口部からスチームを放出する放出筒24が連設されており、この放出筒24からのスチーム放出位置は、入浴者4の腰部から足元に対応する位置に設定され、温度に敏感な背中部分を避けることができるようになっている。
【0026】
内ケース18の前端部には、図1、図7および図8に示すように、下半部に内ケース18内の水17が導かれる連通管25が接続されており、その先端部は、アロマ(香り)材等を収容した芳香ケース26を介し中央溝13の前端底部に接続されている。そしてこの連通管25からのスチームにより、入浴者との肩、首すじ部分が積極的に加温され、血行の促進を図って肩こりを緩和することができるとともに、頭への血流を促進することができるようになっている。
【0027】
中央溝13の放出筒24と芳香ケース26との中間位置には、図1に示すように、フィルタ27を有する排水口28が設けられ、また中央溝13の後端部には、中央溝13内に涼風を供給する涼風送風装置29が設置されている。そして、この涼風送風装置29からの涼風により浴槽空間7内が積極的に冷却され、浴槽空間7内の温度を入浴者の体感最適温度に迅速かつ容易に調整することができる。
【0028】
一方、浴槽部5上面の入浴者4の脚部に対応する両側位置には、図1,図4ないし図6に示すように、たとえば丸棒状の一対のガイドレール30が設置され、これら両ガイドレール30の間には、入浴者4の両脚を乗せるための脚置き部材31が前後動自在に配設されている。
【0029】
この脚置き部材31は、図4ないし図6および図10に示すように、転動軸32と、この転動軸32の両側部に固設され各ガイドレール30上を転動するガイドローラ33と、前記転動軸32に回転かつスライド自在に装着された2個の脚置きローラ34とで構成されている。これにより入浴者4は、両脚を各脚置きローラ34上に乗せることにより、脚部が心臓の位置よりも高所となって脚部の血行を促進させることができる。また入浴者4が、両脚を各脚置きローラ34上に乗せた状態で膝を屈伸させることにより、脚置き部材31がガイドレール30に沿って前後に転動し、また入浴者4が股を開閉させることにより、各脚置きローラ34が転動軸32に沿ってスライドする。
【0030】
また、浴槽部5の両側上端縁部には、図1,図2および図11に示すように、浴槽部5の長手方向に間隔を置いて、例えば5個の側部ノズル35がそれぞれ設けられ、また蓋体6の天井中央部には、浴槽部5の長手方向に間隔を置いて例えば5個の上部ノズル36が設けられている。そして、これら各ノズル35,36は図12に示すように、ボイラ等の温水源37に接続されてシャワー装置38を構成している。
【0031】
すなわち、温水源37からの温水は、主管39を介して供給され、前記各ノズル35,36は、各別の電動弁40,41,42を有する分岐管43,44,45を介し、この主管39にそれぞれ接続されている。
【0032】
また、主管39の各分岐管43,44,45よりも上流側には、起動当初の主管39内の低温水を排水するための捨水用配管46が接続されており、この捨水用配管46には電動弁47が設けられている。
【0033】
また、主管39の捨水用配管46よりも上流側には、電動弁48を有する薬液配管49が接続されており、この薬液配管49は、注入ポンプ50を介し化粧水や香り水等の薬液を収容する薬液タンク51に接続されている。
【0034】
各電動弁40,41,42,47,48および注入ポンプ50は、図12に示す制御装置52からの制御信号により制御されるようになっており、この制御により、各ノズル35,36は、例えば上部ノズル36が16秒間、右側の側部ノズル35が16秒間、左側の側部ノズル35が16秒間のローテーションで温水シャワーが3〜4回繰返されるとともに、シャワーの最終段階で薬液タンク51からの薬液がシャワー水中に流入され、全身美肌コンディショニングが行なわれるようになっている。
【0035】
また、主管39の薬液配管49よりも上流側には、温水源37からの温水中に含まれているトリハロメタン等の不純物を除去する清水装置53が設置されている。
【0036】
一方、蓋体6は、図1ないし図3および図13に示すように、概略蒲鉾形のドーム状をなしており、その入浴者4の頭部側の端部中央には、入浴者4の頭部を避けるための凹部54が設けられ、この凹部54の底部下端には、浴槽部5に横たわった状態の入浴者4の頭部を、蓋体6の外部に露出させるための開口55が設けられている。そしてこれにより、入浴中に入浴者4の頭部が外部に露出することになり、入浴中に頭はケアおよび洗髪を行なうことができる。
【0037】
凹部54の両側面部には、図1および図3に示すように、音楽療法用および非常放送用として用いられるスピーカ56が埋設されている。また凹部54の入浴者4が目視可能な位置には、図3に示すように、例えば3個のサインランプ57が設けられている。これら各サインランプ57は、例えば15分コースを選択した場合には、まず3個のサインランプ57がすべて点灯し、5分経過する毎に1灯ずつ消灯して入浴者4が容易に時間経過を知ることかできるようになっている。
【0038】
また、浴槽部5前端の蓋体6の外部位置には、図1および図13に示すように、温水吐出手段などを備えた頭髪洗浄装置58が設置されており、入浴者4は、入浴中にこの頭髪洗浄装置58を用いて、頭皮ケアおよび洗髪を行なうことができるようになっている。
【0039】
次に、本実施の形態の作用について説明する。
【0040】
入浴に際しては、まず図3に示すように蓋体6をストッパ8に当接する位置まで開放し、この状態で入浴者4が浴槽部5上に乗り、さらに身体を浴槽部5上に横たえた後、開状態の蓋体6を閉じる。
【0041】
一方、スチーム発生装置16の板状発熱体20には予め通電しておき、入浴時には内ケース18内の水17が充分に加熱された状態にしておく。そして、入浴者4が浴槽部5上に横たわったならば、モータ22を起動してシロッコファン23を回転駆動する。これにより、外気が外ケース19内に導かれ、この外気は外ケース19内で板状発熱体20からの熱により加熱される。この加熱により昇温した外気は、その後連通口21を介して内ケース18内に導かれ、内ケース18内で生成された蒸気とともにスチーム状態となって、放出筒24から中央溝13内に供給される。
【0042】
中央溝13内に供給されたスチームは、中央溝13の上面が上面カバー15で塞がれているので各枝溝14に分散され、各枝溝14から浴槽空間7内に供給される。このスチームの供給により、浴槽空間7内が外部よりも高圧となり、外気が浴槽部5と蓋体6との間隙などから浴槽空間7内に流入せずに充分な入浴効果が得られる。
【0043】
ところで、各枝溝14は、上部が開放されているので、通常であれば中央溝13に近い基端側から、より多くのスチームが浴槽空間7内に供給されることになるが、図2に示すように、各枝溝14は基端側から先端側に向かって次第に浅底になっているので、スチームは枝溝14の長手方向各所からほぼ均一に浴槽空間7内に供給される。しかも浴槽部5の両側部は、入浴者4の身体の外形に倣って湾曲しているので、スチームが入浴者4の身体に沿って流れることになり、入浴者4の身体の各部とスチームとの接触距離をほぼ一定にすることができる。
【0044】
このようにして、スチームは各枝溝14からほぼ均等に浴槽空間7内に供給されることになるが、入浴者4の首部側の枝溝14は放出筒24から離れており、しかも蓋体6には頭部を外部に露出させるための開口55が設けられているので、入浴者4の首部付近のスチームがどうしても不足しがちとなる。
【0045】
そこで、本実施の形態においては、内ケース18内のスチームの一部を、連通管25を介して中央溝13の先端部に導き、入浴者4の首部付近により多くのスチームが供給されるようにしている。そしてこれにより、入浴者4の首部付近のスチームの不足を補い、かつ温度に敏感な背中部分を避け、肩、首すじ部分を効率よく加温し、蓋体6の開口55付近の温度低下を防ぐとともに、頭部への血行を促進することができる。また、連通管25の先端には芳香ケース26が配設されているので、アロマ(香料)材等によるアロマテラビーが可能となる。
【0046】
また、入浴状態において、入浴者4の脚部は脚置き部材31上に載置され、心臓よりも高所位置に保たれるので、横たわった状態での入浴であることと相俟って、脚部の血行を促進することができるとともに、脚置き部材31が可動式であることにより、入浴中にいわゆる尾ヒレ運動を行なうことができる。
【0047】
ところで、スチーム発生装置16からのスチームの温度は、予め定められた最適温度に設定され、この最適温度に合わせて板状発熱体20がON/OFF制御されるが、入浴者4の体感最適温度は人によって異なり、予め設定された最適温度が入浴者4によっては高過ぎると感じる場合もある。そこでこの場合には、板状発熱体20をOFFにすることになるが、板状発熱体20をOFFにしても、直ちに浴槽空間7内の温度が降下するわけではない。
【0048】
そこでこのような場合には、図1に示す涼風送風装置29を起動し、涼風を積極的に中央溝13内に送り込む。これにより、浴槽空間7内の温度を入浴者4の最適体感温度まで迅速に降下調整することができる。
【0049】
このようにして、スチームによる入浴が終了したならば、モータ22を停止するとともに板状発熱体20がOFFとなり、同時にシャワー装置38による温水シャワーが開始される。そして、この温水シャワーにより、入浴者4の身体に施されたパック材や汗が洗い流される。
【0050】
この温水シャワーは、例えば上部ノズル36からの温水シャワーが16秒間、右側の側部ノズル35からの温水シャワーが16秒間、左側の側部ノズル35からの温水シャワーが16秒間のローテーションで3〜4回繰返される。そして、温水シャワーの噴射方向の変化により、入浴者4の全身のパック材および汗を完全に洗い流すことができる。
【0051】
なお、温水シャワーの最終段階においては、図12に示す注入ポンプ50の起動によりシャワー水中に化粧水や香り水等の薬液を注入し、全身美肌コンディショニングを行なうことができる。
【0052】
しかして、スチーム発生装置16からのスチームが浴槽部5内面のスチーム通路を介して浴槽空間7内に供給されるので、入浴者4の身体全体にスチームを均一に行き渡らせることができ、入浴効果を向上させることができる。
【0053】
また、温水シャワーは、両側部ノズル35および上部ノズル36から順次噴射されるので、パック材や汗を完全に洗い流すことができる。
【0054】
また、入浴中に入浴者4の頭部は蓋体6外に露出しているので、入浴中に頭髪洗浄装置58を用いて頭皮ケアおよび洗髪を行なうことができる。洗髪終了後の液は、ピット10に集められ、排水口12から排出される。
【0055】
【考案の効果】
以上説明したように本考案は、浴槽部を有する本体と、蓋体と、スチーム通路と、スチーム発生装置と、シャワー装置と、頭髪洗浄装置とをそれぞれ設け、スチーム通路を浴槽部の内面に設けられた中央溝と枝溝とで構成するようにしているので、スチームを入浴者の身体全体に行き渡らせて入浴効果を向上させることができる。また、頭髪洗浄装置を用いて入浴中に入浴者の頭皮ケアおよび洗髪を行なうことができる。
【0056】
本考案はまた、スチーム発生装置に、それぞれ配設位置の異なるスチーム放出筒と吐出口とを設けるようにしているので、熱に対して敏感な入浴者の背中を避けてスチームを供給することができ、またスチームが不足がちな入浴者の肩近傍に積極的にスチームを供給して入浴効果を向上させることができる。
【0057】
本考案はまた、吐出口に芳香剤を収容する芳香ケースを設けるようにしているもので、浴槽空間内に芳香を充満させてアロマテラビーを行なうことができる。
【0058】
本考案はまた浴槽部に脚置き部材を設けるようにしているので、入浴者の脚部が心臓よりも高所に位置することになり、脚部の血行を促進させることができる。
【0059】
本考案はまた、脚置き部材を浴槽部の長手方向に移動できるようにしているので、入浴者が入浴中に膝の屈伸運動を行なうことができる。
【0060】
本考案はさらに、脚置き部材輪を転動軸と、一対のガイドローラと、2個の脚置きローラとで構成するようにしているので、入浴者が入浴中に股の開閉運動を行なうことができ、また必要に応じ脚置き部材を容易に撤去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施の一形態に係るスチーム浴装置を示す断面構成図。
【図2】図1を側方から見た断面構成図。
【図3】図1を右方から見た部分断面図。
【図4】図1の浴槽部を中央溝の上面カバーを取外して上方から見た構成図。
【図5】図4のV−V線断面図。
【図6】図4のVI−VI線断面図。
【図7】図1のスチーム発生装置の構成図。
【図8】図7の平面図。
【図9】図7のIX−IX線拡大断面図。
【図10】図4の要部拡大図。
【図11】図1の側部ノズルの拡大断面図。
【図12】シャワー装置を示す全体構成図。
【図13】図1の平面図。
【符号の説明】
1 スチーム浴装置
2 本体
5 浴槽部
6 蓋体
7 浴槽空間
9 スチーム通路
13 中央溝
14 枝溝
15 上面カバー
16 スチーム発生装置
24 放出筒
25 連通管
26 芳香ケース
30 ガイドレール
31 脚置き部材
32 転動軸
33 ガイドローラ
34 脚置きローラ
35 側部ノズル
36 上部ノズル
38 シャワー装置
54 凹部
55 開口
58 頭髪洗浄装置

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】浅底容器状をなし入浴者が横たわって入浴可能な大きさの浴槽部を有する本体と;この本体に開閉可能に取付けられ、前記入浴者の頭部を除く全身を覆って浴槽空間を形成する蓋体と;浴槽部の底部中央部に長手方向に延設され上面がカバーで覆われた中央溝と、中央溝から浴槽部の内面に沿って両側に延びる複数の枝溝を有し、各枝溝からスチームを浴槽空間内に吐出するスチーム通路と;前記本体内部に設けられ、生成したスチームを前記中央溝に供給するスチーム発生装置と;浴槽部の両側部に長手方向に複数それぞれ配設された側部ノズルと、蓋体の天面中央に長手方向に複数配設された上部ノズルとを有し、入浴者に向けて水を噴射させるシャワー装置と;浴槽部前端の蓋体外部位置に設けられた頭髪洗浄装置と;を具備することを特徴とするスチーム浴装置。
【請求項2】スチーム発生装置は、中央溝における入浴者の腰部から足元に対応する位置にスチームを供給する放出筒と、中央溝における入浴者の肩近傍に対応する位置にスチームを吐出する吐出口とを備えていることを特徴とする請求項1記載のスチーム浴装置。
【請求項3】吐出口は、芳香剤を収容する芳香ケースを有していることを特徴とする請求項2記載のスチーム浴装置。
【請求項4】浴槽部は、入浴者が脚部を載置するための脚置き部材を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスチーム浴装置。
【請求項5】脚置き部材は、浴槽部の長手方向に移動可能となっていることを特徴とする請求項4記載のスチーム浴装置。
【請求項6】脚置き部材は、転動軸と、転動軸の両端部にそれぞれ固設され浴槽部に設けらたれガイドレール上を転動する一対のガイドローラと、転動軸に回転かつスライド自在に装着された2個の脚置きローラとを備えていることを特徴とする請求項4または5記載のスチーム浴装置。

【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図12】
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【登録番号】第3046818号
【登録日】平成9年(1997)12月24日
【発行日】平成10年(1998)3月24日
【考案の名称】スチーム浴装置
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平9−7840
【出願日】平成9年(1997)9月3日
【出願人】(592204299)株式会社アスプ (3)