説明

ストッパー付き伸縮自在軸を備えた車載用傘立て具

【課題】 自動車の車内にあって、多種多様な長さの濡れた傘を簡単に整理することができ、しかも車の走行中や乗車している者との接触時等にも安定性があって転倒しない車載用傘立て具を提供する。
【解決手段】 車載用傘立て具1は、傘収納台2の上面に配置された傘立て用パイプ6に傘を収納した後、無段で伸縮自在な軸部4を引き延ばすことにより、軸部4の外筒18に固定されたストッパー8が傘の外側に沿って引き上げられる。傘は、1本ずつ傘立て用パイプ6とストッパー8で支持されることにより、迅速且つ容易に整理された状態となる。傘収納台2の重心が底面から高さ方向で20%以下の位置にあることにより、この車載用傘立て具1は、走行時でも転倒する恐れがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車内に傘を好適に収納するための車載用傘立て具に関する。特に、自動車の車内の床の任意の場所に移動可能であり、種々の長さの傘を簡単に整理することができ、車の走行中や乗車している者との接触時等にも安定性があり、しかも濡れた傘から滴が飛散したり傘が開いてしまうことを防止できるストッパー付きの伸縮自在軸を備えている車載用傘立て具に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の長さの傘を収納するための構成を備えた傘立てが、特許文献1に記載されている。特許文献1に開示される傘立ては、受皿体と、受皿体の中央に立てられた支柱を備えている。この傘立ての支柱は、基管、調節管、本体管の3つの管が連結されて構成されている。基管の上端部には連結部材が設けられており、連結部材のピン端の球部と、調節管の通穴が嵌合することで、支柱の長さを少なくとも3段階に調節することができる。特許文献1の傘立ては、支柱の長さを3段階に調節することで、種々の長さの傘を倒すことなく収納することが可能である。
【0003】
しかし近年では、幼児用の短い傘からスポーツ用の長い傘まで多種多様な長さの傘が流通しており、特許文献1に開示される3段階の長さ調節によって、これらの種々の傘を確実に収納することは困難となってきた。また、特許文献1の傘立ては、支柱の長さを固定する際に連結部材と調節管の穴が嵌合されるため、次に支柱の長さを変更する際に連結部材を調節管の穴からはずさなければならず、高さ調節を、迅速に行うことは非常に困難であった。
【0004】
更に、特許文献1の傘立ては、錘を受皿体に取り付ける技術が開示されているものの、この錘の取付位置や重量が車載用に最適化されていないため、自動車の車内にこの傘立てを配置した場合、どの程度の荷重や衝撃で転倒するのか、全く不明であった。これに加えて、特許文献1の傘立ての受皿体は上面が開放されており、これを自動車の車内に置いて使用した場合には、走行時の振動や衝撃で受皿体に貯まった水が飛散し、車の内装や乗車人員の靴や足が濡れてしまう可能性があった。
【0005】
特許文献2には、傘の先端を収納する略倒立円錐状の傘支持孔を有し、傘立て本体に煉瓦を載置して錘とした傘立てが開示されている。しかし、特許文献2の傘立ては、傘支持孔が収納される傘の先端部のみを支持するため、長い傘を収納した場合、傘が非常に不安定な状態となっており、自動車の車内で用いた場合には、傘のみが抜け落ちる可能性があった。又、特許文献2の傘立てを自動車の中で使用した場合には、傘をネームバンドで束ねないと、濡れた生地が乗っている人や内装に触れる可能性が高かった。このため、傘を収納する際には毎回ネームバンドで束ねる必要があり、傘の収納に非常に手間がかかっていた。
【0006】
更に、特許文献2の傘立ては、傘から落ちた滴が煉瓦に吸収され、この滴が時間をかけて乾燥する構成となっている。このため、特許文献2の傘立てを自動車の車内に置いて濡れた傘を収納した後は、傘立ての中のみならず車内全体が長時間にわたって湿度の高い状態になり、車内に不快感をもたらすだけでなく、カビが発生しやすいという問題があった。
【0007】
特許文献3には、収納台に傘立て用パイプが斜めに配置され、これにストッパーが取り付けられている車載用傘立てが開示されている。特許文献3の傘立ては、種々の長さの傘を安定して収納するために好適な仕様を開示している。しかしながら、この傘立てには傘が斜めに突き出すように収納されるために、ストッパーから突き出している傘布から滴が落ちる恐れがあり、また乗車している者が傘を引っかけて落としてしまう恐れがあった。
【特許文献1】登録実用新案第3017027号公報
【特許文献2】特開平09−000414号公報
【特許文献3】特開2002−225637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願発明は、上記背景技術の問題点を鑑みてなされたものであって、自動車の車内にあって、多種多様な長さの濡れた傘を簡単に整理することができ、ネームバンドで束ねない状態でも傘が開いてしまうことを防止でき、しかも車の走行中や乗車している者との接触時等にも安定性があって転倒しない車載用傘立て具を提供することを課題としてなされたものである。
【0009】
更に本願発明は、傘を収納した傘から滴が飛散して乗車している者や車の内装を濡らすことを防止できる一方で、濡れた傘を取り除いた後は傘立て自体を速やかに乾燥できるという、車載用に最適化された傘立て具を提供することをもう一つの課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、自動車の車内に配置することのできる、重量が2Kg以下の車載用傘立て具に関する。本発明の傘立て具は、傘収納台と、軸部と、傘立て用パイプと、傘のストッパーを備えている。傘収納台は、直径20cm以上30cm以下の円形で平坦な底部と、底部よりも狭く形成された平坦な上部を備えており、底部と上部の間の側面が曲面で構成されており、前記底部にゴム製の滑り止めが付されており、樹脂製である。軸部は、外筒の中に複数の内筒が同心円状に収容されて形成されており、最も内部に収容されている内筒が、前記傘収納台の中央部に、前記平坦な底部に対して垂直に固定されており、外筒から複数の内筒を順次引き出すことで、無段階で伸縮自在に高さを変化させることのできる。傘立て用パイプは、上端部の内径が3cm以上4cm以下の円筒状または円錐台形状であり、閉じられて水漏れしない底部を備えており、傘収納台の上面に軸部を挟んで左右一対をなすように配置されており、前記傘収納台の底部に対して垂直に且つ取り外し可能に固定されている。傘のストッパーは、傘立て用パイプの各々の開口部の中心軸の延長線上にその中心が位置しており、左右一対をなすように配置されて、前記軸部の外筒に固定されており、環状であってその内径が5cm以上7cm以下に形成されている。本願発明の傘立て具は、傘立て用パイプの長さが、19cm以上21cm以下であって、且つ、軸部は、ストッパーの高さが傘立て用パイプの上面から30cm以上となるように伸長させることが可能である。又、傘収納台の底部に、石膏又はコンクリートによって構成されている錘が固定されていることにより、傘立て具の重量が重心の高さ方向の位置が、底面から20%以下の位置にある。
【0011】
発明者は、種々の検討の結果、車載用としての傘立て具に特に必要な特性を見いだし、傘立て具を構成する傘収納台と、軸部と、傘立て用パイプと、ストッパーの形状と特性を全て最適化することによって、新規な車載用傘立て具を提供するに至った。本発明の車載用傘立て具は、1個の傘立て用パイプにつき1本の傘を収納した後、軸部を引き延ばすことにより軸部の外筒に固定されたストッパーが傘の外側に沿って引き上げられる。傘は、1本ずつ別れて傘立て用パイプとストッパーで支持されることにより、簡単且つ容易に整理された状態で、安定して収納される。
【0012】
請求項2の発明の傘立て具は、軸部の外筒の上端部にセラミックス又は樹脂で形成された球形の持ち手が設けられており、当該持ち手の表面と傘収納台の表面に、酸化チタン粒子と、カテキン又はフラボノイドの少なくとも一方と、を含む組成物がコーティングされていることを特徴とする。
【0013】
本発明の傘立て具の持ち手と傘収納台は、光触媒として機能する酸化チタン粒子がコーティングされていることにより、光があたった場合に微生物やカビなどの発生を抑える抗菌機能と、周囲の悪臭を分解する消臭機能を有している。更に、カテキン又はフラボノイドの少なくとも一方がコーティングされていることにより、一層即効力の強い消臭を有することとなっている。
【0014】
請求項3の発明の傘立て具は、傘収納台の高さが14cm以上20cm以下に構成されており、仕切り板によって上部と下部に分割されている。傘収納台の下部には、自動点灯回路を含む照明手段と、軸部自動伸縮手段が配置されている。軸部自動伸縮手段は、仕切り板を貫通し軸部に挿入されて軸部の外筒の上端に連結されているドライブコードと、ドライブコードの送出と引込を行う可逆転モータと、この可逆転モータの制御を行う制御手段と、前記軸部の伸縮の要求を入力する入力手段とを含んでいる。軸部自動伸縮手段は、その制御手段が、入力手段に入力された要求に基づいて可逆転モータを駆動し、当該可逆転モータがドライブコードの送出又は引込を行うことによって軸部が自動的に伸長又は収縮することができる。
【0015】
請求項3の発明の傘立て具の傘収納台に備えられている自動点灯回路を含む照明手段は、車内が暗くなると点灯して、傘収納台の近傍を照らすことができる。乗車している者は、この照明手段によって傘立て具とそこに収納されている傘の位置を確認することができるため、暗い車内でも傘の出し入れが一層容易で確実に行うことができる。更に、暗い車内で傘立て具や傘に接触してこれらを倒してしまう危険性を予め低減することが可能になる。更に、本発明の傘立て具には、軸部自動伸縮手段が備えられているため、傘を傘立て用パイプに収納した後、軸部を自動的に上下させることが可能であり、傘の出し入れを一層容易にすることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の傘立て具は、無段階で伸縮自在な軸部に取り付けられた傘のストッパーを備えていることにより、多種多様な長さの傘を、簡単に整理して、安定した状態で収納することができる。
【0017】
本発明の傘立て具は、傘収納台の底部に石膏又はコンクリートによって構成されている錘が固定されており、傘立ての重心の高さ方向の位置が、底面から20%以下の位置にある。更に、傘収納台の底面には、ゴム製の滑り止めが付されている。本構成によって、非常に長い傘を2本収納した場合でも、安定した状態で傘を収納することが可能な車載用傘立て具が提供される。本発明の傘立て具は、錘の重量と重心の位置が最適化されているために、自動車の走行による振動や、乗車している者が傘立て具に接触したことによる衝撃を受けた場合であっても、転倒する恐れが少ない。
【0018】
本発明の傘立て具は、傘収納台の底面が円形であり、側面が曲面で構成されている。これに加えて、軸部が円筒状であり、ストッパーが環状であることから明らかであるように、形状が全て曲面や曲線で構成されており、角や突起のない形状で提供されている。このため、万一、本発明の傘立て具が不慮の衝撃を受けて転倒した場合にも、乗車している者がぶつかってけがをしたり、車の内装を傷つけたりする恐れがない。
【0019】
一方で、本発明によって提供される車載用傘立て具は、重量が2Kgと非常に軽量化されているために、車内の床の任意の場所に容易に移動させることができ、非常に使い勝手がよい。
【0020】
本発明の傘立て具において、傘は床面に対して垂直に収納される。これにより、傘の収納と取り出しを迅速且つ容易に行うことができる傘立て具が提供される。又、本発明によって提供される傘立て具は、傘が斜めにならないので、濡れた傘を収納しても床面に傘の側面から滴がこぼれる可能性が低い。
【0021】
本発明によって提供される傘立て具は、ストッパーの内径が5cm以上7cm以下であるため、傘を収納して軸部を伸ばすときに、傘とストッパーの間に十分な空間が確保されており、スムーズに軸部を伸ばして、ストッパーを引き上げて傘を支持することが可能である。又、引き上げられたストッパーはネームバンドと同等の働きをするため、ネームバンドで結束しなくとも誤って開いてしまう可能性が少なく、又、傘布が車のシートや乗客に接触して濡れることを防止することができる。
【0022】
本発明によって提供される傘立て具は、傘立てパイプが傘収納台の上面に、軸部を挟んで左右一対をなすように配置されており、収納された傘が、傘収納台の周縁部よりも内側に配置されることになる。このため、傘立て具に直角に立てられた傘が、傘立て具の前後に位置する自動車のシートに接触して濡らす恐れが少ない。
【0023】
本発明によって提供される傘立て具は、傘に接するのが傘立て用パイプと環状のストッパーだけなので、傘立て用パイプの水を捨てることで傘立て具を容易且つ迅速に乾燥させることができる。このため、傘を収納した後の傘立て具をそのまま車内に配置しておいても、車内の湿度が高くなる恐れがない。また本発明の傘立て具は、カビの発生する恐れが無く、衛生的である。
【0024】
本発明によって提供される傘立て具は、軸部の最も内側の内筒が傘収納台に固定されており、これを長くしたときは軸部のより外側の筒が傘収納台の上部に順次伸びる構成を備えている。即ち軸部は、伸長した状態では、上部が太く、順次下部程細くなる構成を備えている。このため、傘の水分が軸部に伝わり落ちる場合でも、軸部の内側に水が進入しない。又、外筒と内筒の継ぎ目或いは内筒と内筒の継ぎ目に水分が残らず、軸部全体を容易に乾燥することができる。これらの構成によって、軸部にカビや細菌が発生する恐れがなく、衛生的な傘立て具の軸部が提供されている。本発明の構成の軸部を有する傘立て具は、仮に軸部を金属で構成した場合であっても、軸部が錆びる恐れがなく耐久性に優れている。
【0025】
本発明によって、傘立て具の持ち手と傘収納台の表面に、抗菌と車内の消臭機能が付与された傘立て具が提供される。
【0026】
本発明によって、車内が暗くなると照明が点灯して、傘立て具とそこに収納されている傘の位置を確認することが可能な傘立て具が提供される。又、本発明によって、傘を傘立て用パイプに収納した後、軸部を自動的に上下させることが可能であり、傘の出し入れを一層容易にすることが可能となる傘立て具が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を列記する。
(形態1)傘立て具の傘収納台と、傘立て用パイプと、ストッパーがABS樹脂で形成されており、軸部がステンレスで形成されている。錘は、石膏で構成されている。
(形態2)軸部は、1本の外筒と、1本又は2本の内筒を組み合わせて形成されている。1本の外筒と2本の内筒が組み合わされて形成されている場合、外筒の内側に配置されて外筒に接している第1の内筒の上端部の外周には、外筒に圧接する突起が設けられており、この突起は常に外筒を押圧している。第1の内筒の更に内側に配置されて内筒に接している第2の内筒の上端部の外周には、第1の内筒に圧接する突起が設けられており、この突起は常に第1の内筒を押圧している。
(形態3)外筒の中に第1の内筒と第2の内筒が収容されて、軸部が縮められている状態では、左右一対のストッパーの下面と傘立て用パイプの上面とが接しており、軸部の下方が傘収納台に収容される。第2の内筒の下端部は、傘収納台に固定されている。
(形態4)傘収納台が仕切り板によって上部と下部に分割されている。軸部の最も内側に配置された内筒の下端部は、仕切り板の中央部に固定されている。仕切り板の中央部には、内筒の内側の穴と連通する貫通穴が設けられており、ドライブコードは、この貫通穴を通過して、軸部に挿入されて軸部の外筒の上端に連結されている。
(形態5)軸部の外筒の上端部に樹脂で形成された球形の持ち手が設けられており、持ち手の表面と傘収納台の表面に、光触媒である酸化チタン粒子と、天然抽出物であるカテキン又はフラボノイドの少なくとも一方とを含む組成物が、湿式塗布によってコーティングされている。
【0028】
(実施例1) 以下、図面を参照しつつ本発明の車載用傘立て具を詳細に説明する。図1は本実施例の車載用傘立て具1の斜視図である。図2は本実施例の車載用傘立て具1の軸部を縮めて内部に収納した状態の斜視図である。本実施例における車載用傘立て具1は、傘収納台2と、軸部4と、傘立て用パイプ6と、ストッパー8と、持ち手10が設けられている。
【0029】
本実施例における傘収納台2は、底面の直径が25cm、上面の直径が20cm、底面から上面までの高さが17cmであって、側面がほぼ半球面となるようにABS樹脂を成型加工して形成されている。底面全体には、図示されないゴム製の滑り止めが付されている。傘収納台2の上面の中央部には、軸部4を通過させる貫通穴12が設けられている。貫通穴12の左右には、一対の傘立て用パイプ6を挿入するための一対の貫通穴14が設けられている。
【0030】
貫通穴14は直径4cmの円形に形成されている。一対の貫通穴14が貫通穴12を挟んで左右一対をなすように配置されており、貫通穴14の中心は、傘収納台2の上面の中心から6cmの距離にある。傘収納台2の底面の周縁部の任意の場所から貫通穴14の縁部までの水平距離は、4.5cm以上が確保されている。貫通穴14の周縁部には、軸部4を支持するための高さ4cmの円筒状の支持部16が成型されている。
【0031】
貫通穴14に収容される一対の傘立て用パイプ6は、上端部の直径が3.5cm、深さ20cmの円錐形状の本体部24と、本体部の上端に形成されている円盤状の縁部26を備えている。傘立て用パイプ6を傘収納台2の貫通孔14に収容する際には、貫通穴14の周囲に設けられた支持部16が縁部26を支持することで、傘立て用パイプ6が貫通穴14の中に落ちることを防止している。傘立て用パイプ6は、貫通穴14と支持部16から容易に取り外すことができ、中に貯まった水を捨てて速やかに乾燥させることができる。
【0032】
軸部4は、3本の径の異なる配置されたステンレス製の筒が、同心円状に配置されて構成されている。即ち、外筒18の内側に第1の内筒20が配置されており、第1の内筒20の更に内側に、第2の内筒22が配置されて構成されている。
【0033】
外筒18の下端部の内径は、第1の内筒20の外径よりも小さく形成されており、外筒18の下端部は、常に第1の内筒20の外周に圧接している。第1の内筒20の上端部の外周には、外筒18の内筒に圧接する図示されない突起部が設けられており、この突起部は常に外筒18の内筒に圧接している。同様に、第1の内筒20の下端部は、第2の内筒22の外周に常に圧接しており、第2の内筒22の上端部の図示されない突起部は、常に第1の内筒20を押圧している。
【0034】
軸部4は、傘収納台2の底面に対して垂直に配置されており、第2の内筒22の下端部が、傘収納台2の底面に固定されている。軸部4の上端に設けられた球形の持ち手10を保持して引き上げることで、外筒18から第1の内筒20と第2の内筒22が順次引き出される。軸部4は、3本の筒が常に互いに圧接し合っていることにより、全体として無段階で伸縮自在であり、好ましい任意の高さまで伸ばして直立した状態を維持することができる。
【0035】
軸部4は、伸長した状態では、上部に位置する外筒18が最も太く、順次下部に第1の内筒20と第2の内筒22とが配置されて徐々に細くなる構成を備えている。このため、傘の水分が軸部4に伝わり落ちる場合でも、軸部4の内側の空間に水が進入しない。又、外筒18と第1の内筒20の継ぎ目或いは第1の内筒20と第2の内筒22の継ぎ目に水分が残らず、軸部全体を容易に乾燥することができる。この構成によって、軸部4にはカビや細菌が発生する恐れがなく、衛生的な傘立て具の軸部が提供されている。又、軸部4が錆びたり変色するる恐れがなく、耐久性に優れており、美しい外観が長く保たれる。
【0036】
軸部4の外筒18には、一対のストッパー8が固定されている。ストッパー8は、傘立て用パイプ6の各々の上端開口部の中心軸の延長線上にその中心が位置するように、外筒18に接着されている。ストッパー8は、ABS樹脂で形成されており、内径が6cmの環状に形成されている。
【0037】
図2に示すように、外筒18の中に第1の内筒20と第2の内筒22が収容されて、軸部4全体が縮められている状態では、左右一対のストッパー8の下面と傘立て用パイプ6の縁部26の上面とが接している。軸部4の下方は傘収納台2に収容される。軸部4が縮められている状態の傘立て具1は、ほぼ半球状の傘収納台2と、円筒状の一対の支持部16と、環状の一対のストッパー8と、球形の持ち手10とでその輪郭形状が構成されており、万一、本発明の車載用傘立て具1が不慮の衝撃を受けて転倒した場合にも、乗車している者がぶつかってけがをしたり、車の内装を傷つけたりする恐れがない。
【0038】
傘収納台2の底には、貫通穴14から石膏が流し込まれて固められており、錘11となっている。流し込まれる石膏の量は、車載用傘立て具1の重量が2Kgとなるように調整されている。本実施例における石膏は、傘収納台2の底面に厚さ2cmで流し込まれている。傘立て具の重心の高さ方向の位置は、軸部4を縮めた状態で、底面から約10%の位置にある。
【0039】
上記のような構成を備えた本実施例の車載用傘立て具1は、軸部4を縮めた状態で傘立て用パイプ6の両方若しくはいずれか一方に傘を収納した後、軸部4を引き延ばすことにより軸部4の外筒18に固定されたストッパー8が傘の外側に沿って引き上げられる。車載用傘立て具1が2本の同じ長さの傘31を収容している様子を、図3に示す。傘立て用パイプ6の上端部の内径が3.5cmであり、深さ20cmであるため、傘31は、傘立て用パイプ6に沿って、ほぼ垂直に収納される。
【0040】
ストッパー8の内径が6cmであるため、ネームバンドで束ねられていない傘31を収納して軸部4を伸ばす場合であっても、傘31とストッパー8の間に十分な空間が確保されている。軸部4は垂直に収納されている傘31に沿ってスムーズに伸長させることが可能であり、迅速にストッパー8を引き上げて傘31を支持することが可能である。ストッパー8の内径を4cmよりも小さく構成した場合には、特に大型の傘を収納した場合の軸部4の伸長が非常に困難となる。又、傘31を取り出す場合にも、ストッパーの内径が6cmである場合には、スムーズに軸部4を縮めることが可能である。
【0041】
親骨の長さが40cmから85cm迄の種々の傘を用いて行った検討の結果、ストッパー8を停止させる位置は、傘31のネームバンドとほぼ同じ位置が最も好ましいことが明らかとなった。この位置にストッパー8を配置した場合には、傘31をネームバンドで結束しなくとも誤って開いてしまう可能性が最も少なく、且つ傘布が車のシートや乗客に接触して濡れることを非常に効果的に防止することができる。
【0042】
一方で、傘の中央よりも手元寄りにストッパー8を配置することができれば、安定して傘を収納することが可能であることが明らかとなっている。これらの種々の検討の結果、軸部4は、ストッパー8の位置が傘立て用パイプ6の縁部26から、少なくとも30cm以上の高さとなるように伸長させることが必要であることが特定された。即ち、ストッパー8の位置が縁部26から30cmの位置になるように軸部4を伸長させることができれば、親骨の長さが85cmの非常に大型の傘であっても傘の中央で保持することが可能であり、このような非常に大型の傘を含む多種多様な長さの傘を安定して収納できることが特定された。更にそれよりも長く軸部4を伸長できる場合には、非常に大型の傘であってもネームバンドとほぼ同じ位置で傘を保持することが可能となり、一層好ましい収納状態を実現可能である。
【0043】
尚、長さの異なる2本の傘を収納する場合であれば、長い方の傘の中央よりも手元寄りとなる位置にストッパー8を配置することによって、両方の傘を安定して収納することができることも、検討の結果明らかとなった。
【0044】
以下に、本実施例の車載用傘立て具1の安定性の評価結果を詳細に説明する。安定性の評価は、2種類の方法で行った。最初に、走行中の車載用傘立て具1の安定性を評価するために、時速40キロメートルで急カーブ(最小曲線半径R=100m)が連続する道路を走行する車に車載用傘立て具1を搭載して、その挙動を観察した。以下、この安定性評価を、走行時安定性評価ともいう。又、自動車に乗車している者が、車載用傘立て具1に接触した場合の安定性を評価するために、車載用傘立て具1に立てた傘の握りに衝撃荷重を与えた場合の、傘立て具1と傘全体の挙動を観察した。以下、この安定性評価を、接触安定性評価ともいう。尚、接触安定性評価において傘の握りに衝撃荷重を与える方法は、傘の上に長さ50cmの振り子をつるし、振り子の先端に1Kgの錘を付けて振り子を水平に持ち上げた後、錘を自由落下させて傘の握りに衝突させる方法を採用して評価を行った。
【0045】
安定性の評価には、親骨40cm、重量180gの子供用傘と、親骨60cm、重量400gの紳士・婦人用傘と、親骨80cm、重量700gのスポーツ用傘の3種類の傘を用いた。そして、1方の傘立て用パイプ6に、これら3種類の傘の内のいずれか1本の傘を収納した後、軸部4を引き延ばしてストッパー8が傘のネームバンドの位置まで到達するように引き上げた状態で、走行時安定性評価と接触安定性評価を行った結果を、図6に示す。本実施例の車載用傘立て具1は、いずれの傘も全て安定して収納することが可能であった。
【0046】
更に、本実施例の車載用傘立て具1に2本の傘を収納して、走行時安定性評価と接触安定性評価を行った結果を、図7に示す。この評価は、スポーツ用の傘を2本収納した場合と、一方にスポーツ用の傘を収納し他方に子供用の傘を収納した場合について行った。本実施例の車載用傘立て具1は、長さの異なる傘や、通常よりも長い傘を2本収納した状態であっても非常に安定しており、自動車の走行時に安全に傘を収納できることが、この実験の結果明らかとなった。
【0047】
本実施例の車載用傘立て具1と異なる構成を備えた5種類の傘立て具について、比較のために走行時安定性評価と接触安定性評価を行った。これら比較用の傘立て具の構成を以下に説明する。比較用の傘立て具は、特に明示した構成を除いて、車載用傘立て具1と同一の構成を備えている。
【0048】
比較例1の傘立て具は、傘収納台2の内部に配置されている錘の位置が高くなっている。比較例1の傘立て具の重心の高さ方向の位置は、軸部4を縮めた状態で、底面から約30%の位置にある。
【0049】
比較例2の傘立て具は、傘立て用パイプの長さが15cmと短くなっている。
【0050】
比較例3の傘立て具は、傘のストッパーの内径が、10cmと大きくなっている。
【0051】
比較例4の傘立て具は、傘収納台の底面に滑り止めを設けておらず、底面の樹脂が自動車の床面と接触する構成となっている。
【0052】
比較例5の傘立て具は、傘収納台が円筒形となっている。比較例5の傘収納台は、底面と上面の直径が18cmとなるように成型されている。
【0053】
これら比較例1〜5の傘立て具について、走行時安定性評価と接触安定性評価を行った結果を、図6及び図7に示す。特に、比較例1の重心の高い傘立て具と、比較例5の底面の直径が18cmの傘立て具は、評価中に転倒してしまい、車載用傘立て具として不適切であることが明らかとなった。又、比較例2の傘立て用パイプが短い傘立て具と、比較例3のストッパーの内径の大きな傘立て具と、比較例4の滑り止めのない傘立て具については、傘立ての振動や移動が確認されて、安定性が不十分であることが明らかとなった。尚、この評価結果でいう「転倒の恐れ」とは、評価中に傘立て具とその中の傘が振動したり持ち上がった状態になっており、転倒する可能性があると目視により確認された状態をいう。
【0054】
全ての安定性評価の結果、比較例の傘立て具は、いずれも、本実施例が安定して傘を保持していられる条件下で、転倒の恐れがあったり、又実際に移動したり転倒することが明らかとなった。これらの不安定な挙動は、特に長いスポーツ用の傘を収納した場合に顕著であった。
【0055】
本実施例の車載用傘立て具1は、傘収納台2の底面積及び重心の位置と、傘立て用パイプ6の長さと、ストッパー8の直径とが全て最適化されており、これら全ての相乗効果によって、非常に安定性が高く、安全に1本乃至2本の多種多様な長さの傘を収納できることが明らかとなった。そして、これらの特性が一つでも最適化されていない場合には、車載用の傘立て具に必須の要件である安定性が悪化し、最悪の場合は傘を収納した状態で走行中に転倒してしまうことが確認された。
【0056】
尚、傘収納台2の底面積を更に広くすることで、車載用傘立て具としての安定性を更に向上させることが可能であった。しかしながら、傘収納台2の底面の直径を30cmよりも大きくことは、小型の自動車内で配置する位置が非常に限定されるために好ましくないことが種々の検討の結果明らかとなっている。
【0057】
同様に、錘11の重量を増やして車載用傘立て具全体の重量を増加させることにより、安定性を向上させることが可能であった。しかしながら、総重量が2Kgを越えることは車内での移動が困難となり、車載用傘立て具として好ましくないことが、検討の結果明らかとなっている。
【0058】
同様に、傘立て用パイプ6の長さをより長くすることでも、収納された傘の振動を防止して安定性を向上させることが可能であった。しかしながら、より長い傘立て用パイプ6は、閉じられて水漏れしない底部の乾燥が困難となり、長期間の使用でカビの発生が確認されたため、車内用傘立て具として好ましくないことが、検討の結果明らかとなっている。
【0059】
(実施例2) 本実施例の車載用傘立て具41の断面図を、図4に示す。実施例1と同一の構成を有するものについては、同一符号を付与して重複説明を割愛する。本実施例の車載用傘立て具41の傘収納台42の底面から上面までの高さは、25cmとなっている。この傘収容台42の内部は、仕切り板44によって上部46と下部48に分割されている。下部48の内側は、高さ7cmの略円筒形に形成されている。軸部4の第2の内筒22の下端部は、仕切り板44の上面中央部に固定されている。
【0060】
傘収納台42の下部48には、自動点灯回路を含む照明手段50と、軸部4の自動伸縮手段52が配置されている。照明手段50と、自動伸縮手段52とは、いずれも電池によって駆動される。本実施例における傘収納台42は、底面の樹脂板の一部が取り外し可能に形成されており、電池交換を行うことが可能である。
【0061】
本実施例における軸部4の自動伸縮手段52は、仕切り板44を貫通し軸部4に挿入されて軸部の外筒18の上端に連結されているドライブコード54と、ドライブコード54の送出と引込を行う駆動ギア56と、駆動ギアの回転を行う可逆転モータ58と、この可逆転モータ58の回転量と回転方向の制御を行う図示されない制御手段とを備えている。軸部4の自動伸縮手段52は、傘収納台42の側面に設けられている軸部4の伸縮操作を入力する図示されないスイッチと電気的に接続されている。
【0062】
スイッチは、指で上下動させることのできる操作子であって、上方向に押圧している間は軸部4を伸長するための信号を制御手段に入力し、下方向に押圧している間は軸部を短縮するための信号を制御手段に入力する。
【0063】
制御手段は、マイクロコンピュータと、可逆転モータ58のためのモータドライバを含んで構成されている。スイッチからの信号が入力されると、制御手段は、モータドライバを制御することによって、可逆転モータ58の正転あるいは逆転の運転と停止を制御する。可逆転モータ58には、駆動ギア56が接続されており、この駆動ギア56は、可逆転モータ58の回転に連動して回転する。
【0064】
ドライブコード54の一方の面にはラックが形成されており、このラックは駆動ギア56の歯と噛み合っている。ドライブコード54は、軸部4を伸長する場合には駆動ギア56の回転に従って軸部4の中に送り出される。逆に、軸部4を短縮する場合には、軸部4の中から引き戻されて、巻き取り手段60に一時的に巻き取られる。ドライブコード54の送出と引戻しが行われると、ドライブコード54が固定されている軸部4の外筒18もドライブコード54の先端の動きに合わせて移動する。この結果、軸部4は、スイッチを操作することにより、自動的に伸長させたり縮めたりすることができる。
【0065】
傘収納台42の下部48の側面には、透明なアクリル板によって図示されない窓が設けられており、窓に沿って、自動点灯回路を含む照明手段50が固定されている。
【0066】
本実施例における自動点灯回路は、明るさによって抵抗値が変化する光電セルを用いて構成されているデイライトスイッチである。このデイライトスイッチは、光電セルの周囲が暗くなると抵抗値が小さくなるために、電池電源からの電流を供給して照明を点灯することができる。逆に、光電セルの周囲が明るくなると高抵抗となるために、電池電源からの電流の供給を止めて照明を消灯することができる。
【0067】
照明手段50の照明は、点灯すると、傘収納台42の窓を通して周囲を照らすことができる。乗車している者は、この照明手段50によって車載用傘立て具41とそこに収納されている傘の位置を確認することができる。又、軸部4の自動伸縮を行うためのスイッチ62を確認することができるので、暗い車内でも傘の出し入れを一層容易で確実に行うことができる。更に、暗い車内で傘立て具や傘に接触してこれらを倒してしまう危険性を予め低減することが可能になる。
【0068】
(実施例3)本実施例の車載用傘立て具71の斜視図を、図5に示す。実施例1と同一の構成を有するものについては、同一符号を付与して重複説明を割愛する。本実施例の車載用傘立て具71は、軸部4の上端部に配置されている持ち手10と傘収納台72の表面に、光触媒である酸化チタン粒子と、天然抽出物であるカテキンとフラボノイドを含む組成物が、湿式塗布によってコーティングされている。
【0069】
又、本実施例の車載用傘立て具71の傘収納台72には、側面に蓋付きの小物入れ74が設けられており、側面左右に一対を成す取っ手76が設けられている。小物入れ74は、ハンカチ等の紛失を防ぎたい身の回り品の一時保管に非常に便利であり、又傘袋等の濡れているものを一時収納することが可能である。更に、取っ手76は、車載用傘立て具71を車内で移動することを非常に容易にする効果がある。
【0070】
持ち手10と傘収納台72の表面に塗布する酸化チタン粒子は粒径約50nmに調整されており、カテキンとフラボノイドと共に10%エタノール水溶液に懸濁された後に塗布される。
【0071】
本実施例の車載用傘立て具71は、持ち手10と傘収納台72に酸化チタン粒子がコーティングされていることにより、光があたった場合に微生物やカビなどの発生を抑える抗菌機能と、周囲の悪臭を分解する消臭機能を有している。更に、カテキンとフラボノイドがコーティングされていることにより、一層即効性の強い消臭効果を有することとなっている。これらは、ともすれば雨の後カビ等が増殖して不快な臭気がこもりがちになる自動車の車内を快適に保つ優れた効果を有している。
【0072】
以上、実施例によって本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、本実施例における車載用傘立て具は、傘収納台等の樹脂としてABS樹脂を適用したが、その他の樹脂も適用が可能である。また、持ち手は陶磁器で形成することが可能である。その他、傘収納台や傘立て用パイプの形状は、特許請求の範囲に記載される形状と機能を損なわない範囲で任意に変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】実施例1の車載用傘立て具1の斜視図である。
【図2】実施例1の車載用傘立て具1の軸部4を縮めた状態の斜視図である。
【図3】実施例1の車載用傘立て具1の軸部4を伸長させて傘31を収納した状態を示す斜視図である。
【図4】実施例2の車載用傘立て具41の断面図である。
【図5】実施例3の車載用傘立て具71の斜視図である。
【図6】実施例1の車載用傘立て具1と比較例1〜5の傘立て具に傘を1本収納した場合の安定性評価の結果を示す図である。
【図7】実施例1の車載用傘立て具1と比較例1〜5の傘立て具に傘を2本収納した場合の安定性評価の結果を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1,41,71 車載用傘立て具
2,42,72 傘収納台
4 軸部
6 傘立て用パイプ
8 ストッパー
10 持ち手
11 錘
12,14 貫通孔
16 支持部
18 外筒
20 第1の内筒
22 第2の内筒
24 本体部
26 縁部
31 傘
44 仕切り板
46 上部
48 下部
50 照明手段
52 自動伸縮手段
54 ドライブコード
56 駆動ギア
58 可逆転モータ
60 巻き取り手段
74 小物入れ
76 取っ手

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の車内に配置することができる、重量が2Kg以下の車載用傘立て具であって、
直径20cm以上30cm以下の円形で平坦な底部と、底部よりも狭く形成された平坦な上部を備えており、底部と上部の間の側面が曲面で構成されており、前記底部にゴム製の滑り止めが付されている樹脂製の傘収納台と、
外筒の中に複数の内筒が同心円状に収容されて形成されており、最も内部に収容されている内筒が、前記傘収納台の中央部に、前記平坦な底部に対して垂直に固定されており、外筒から複数の内筒を順次引き出すことで、無段階で伸縮自在に高さを変化させることのできる軸部と、
上端部の内径が3cm以上4cm以下の円筒状または円錐台形状であり、閉じられて水漏れしない底部を備えており、前記傘収納台の上面に前記軸部を挟んで左右一対をなすように配置されており、前記傘収納台の底部に対して垂直に且つ取り外し可能に固定されている傘立て用パイプと、
前記傘立て用パイプの各々の開口部の中心軸の延長線上にその中心が位置しており、左右一対をなすように配置されて、前記軸部の外筒に固定されており、環状であってその内径が5cm以上7cm以下に形成されている傘のストッパーとを備えており、
前記傘立て用パイプの長さが19cm以上21cm以下であり、且つ、前記軸部は、前記ストッパーの高さが前記傘立て用パイプの上面から30cm以上となるように伸長させることが可能であって、
傘収納台の底部に、石膏又はコンクリートによって構成されている錘が固定されていることにより、傘立て具の重心の高さ方向の位置が、底面から20%以下の位置にあることを特徴とする車載用傘立て具。
【請求項2】
軸部の外筒の上端部にセラミックス又は樹脂で形成された球形の持ち手が設けられており、当該持ち手の表面と傘収納台の表面に、
酸化チタン粒子と、カテキン又はフラボノイドの少なくとも一方とを含む組成物がコーティングされていることを特徴とする請求項1に記載の車載用傘立て具。
【請求項3】
傘収納台の高さが14cm以上25cm以下であり、この傘収納台の内部が仕切り板によって上部と下部に分割されており、
傘収納台の下部には、自動点灯回路を含む照明手段と、仕切り板を貫通して軸部に挿入されて軸部の外筒の上端に連結されているドライブコードと、ドライブコードの送出と引込を行う可逆転モータと、この可逆転モータの制御を行う制御手段と、前記軸部の伸縮の要求を入力する入力手段とを含む軸部自動伸縮手段とを備えており、
この軸部自動伸縮手段が、入力手段に入力された要求に基づいて可逆転モータを駆動し、当該可逆転モータがドライブコードの送出又は引込を行うことによって軸部が自動的に伸長又は収縮することを特徴とする請求項1又は2に記載の車載用傘立て具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−29817(P2008−29817A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−128690(P2007−128690)
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【特許番号】特許第3991238号(P3991238)
【特許公報発行日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【出願人】(301004503)
【Fターム(参考)】