説明

ストリップパック装置

【課題】ストリップパックの製造において、物品の端部のしわを確実に取り除き、該端部を帯体に良好に貼付する。
【解決手段】本発明は、物品の端部Zを帯体に貼付するストリップパック装置であって、物品を保持し、所定の貼付位置に移送する保持手段24と、前記貼付位置に備えられ、保持手段24により保持された物品の一端部Zを帯体に貼付する貼付手段と、保持手段24によって保持される物品の端部Zを幅方向Hに引き伸ばす引き伸ばし手段102a2、102b2とを有する。保持手段24は、物品の端部Zの両側部をそれぞれ挟持する各一対の挟持部材101a1、101a2と101b1、101b2を有し、前記挟持部材101a1、101a2と101b1、101b2が物品を挟持する挟持面よりも突出して物品の端部における前記両側部の間の領域を押すことにより、物品の端部Zを幅方向Hに引き伸ばす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物品が帯体に貼付されて吊下げ状態で陳列されるストリップパックと
称される商品を製造する技術分野に属する。
【0002】
従来、スナック菓子等を袋に充填した物品が帯状のフィルムやテープ等の帯体に複数個
貼付された商品が知られている。この商品は、小売店等において帯体の一部が係止されて
吊下げ状態で陳列され、購買者が個々の物品を帯体から引き剥がして取るので、ストリッ
プパックと称される。このストリップパックは、陳列の省スペース化および意匠の多様化
が図れ、購買意欲を増進させる利点がある。
【0003】
このようなストリップパックを製造するストリップパック装置として、例えば特許文献
1に記載の装置は製袋包装機の直下に配置され、包装された物品は直ちに帯体に貼付られ
る。
【0004】
また、製造工程の都合や装置のスペース的な制約から、包装された物品を検査した後あ
るいは箱に仮詰めした後に帯体に貼付する場合もある。この場合、包装された物品を所定
位置まで運搬した後にストリップパック装置によって帯体に包装された物品の貼付を行う
ことになるため、運搬中に包装された物品の端部において幅方向に縮むようなしわや折れ
などが発生してしまうことがある。そのようなしわや折れなどにより物品の端部が平坦で
なくなると、帯体に良好に貼付されないことがある。その結果、陳列中に、物品が帯体か
ら落下するなどの不具合が発生する可能性がある。
【0005】
上記の問題を解決するために、特許文献2に記載のストリップパック装置では、搬送手
段によって搬送されてきた物品をチャック等で保持し、ストリップパックの貼付位置に移
送するまでの間に、包装された物品の端部を幅方向に引き伸ばして平坦にする手段を備え
ている。
【0006】
【特許文献1】特開2004−182302公報
【特許文献2】特開2009−102033公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載のストリップパック装置では、微小なしわや折れであ
れば、物品の端部を幅方向に引き伸ばすことにより、平坦にすることが可能であるが、し
わや折れが大きい場合においては、引き伸ばす力と引き伸ばす量が十分ではなかった。そ
のため、該端部を平坦にすることができず、帯体に良好に貼付されないことがあった。
【0008】
そこで本発明は、物品の端部のしわや折れが大きい場合でも確実にしわを取り除き、該
端部を良好に帯体に貼付するためのストリップパック装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために、本願の請求項1に記載の発明は、物品の端部を帯体に貼
付するストリップパック装置であって、物品を保持し、所定の貼付位置に移送する保持手
段と、前記貼付位置に備えられ、前記保持手段により保持された物品の一端部を帯体に貼
付する貼付手段と、前記保持手段によって保持される物品の端部を幅方向に引き伸ばす引
き伸ばし手段とを備え、前記保持手段は、所定の面内に位置する物品の端部の両側部をそ
れぞれ挟持する各一対の挟持部材を有し、前記引き伸ばし手段は、前記一対の挟持部材が
物品の端部を挟持する際に、前記挟持部材が物品を挟持する挟持面よりも突出して物品の
端部における前記両側部の間の領域を押すことにより、物品の端部を幅方向に引き伸ばす
ことを特徴とする。
【0010】
次に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のストリップパック装置において、前
記保持手段は、前記挟持部材が取り付けられる一対の爪を備え、前記引き伸ばし手段は、
前記爪に設けられている突起物であることを特徴とする。
【0011】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のストリップパック装置において、
前記挟持部材の挟持面の摩擦係数は、前記突起物の摩擦係数よりも高いことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のストリップパック装置において、前
記突起物の先端に回転体が取り付けされていることを特徴とする。
【0013】
さらに、請求項5に記載の発明は、請求項2ないし4に記載のストリップパック装置に
おいて、前記突起物の周長または前記挟持面からの突出量を変更することにより、物品の
端部を幅方向に引き伸ばす量を調整することを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、請求項2ないし4に記載のストリップパック装置にお
いて、前記突起物は、物品の端部を押す際に物品から加わる力に応じて前記挟持面からの
突出量が変化することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、物品の端部は、引き伸ばし手段により、確実に幅方向
に引き伸ばされて平坦にされる。そして、当該物品の端部は、平坦状態で貼付手段により
帯体に貼付されることにより、良好に貼付されることになる。その結果、陳列中に、物品
が帯体から落下するなどの不具合が抑制される。
【0016】
次に請求項2に記載の発明によれば、挟持手段としての爪に突起物が固定して設けられ
ているので、爪による物品の端部の挟持動作を行なう際に、突起物による該端部の引き伸
ばし動作も同時に行なわれるため、引き伸ばし動作のための新たな駆動源を追加する必要
がない。
【0017】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、突起物が挟持部材の挟持面よりも滑りやすい
ために、突起物が物品の端部を押す際に、挟持部材と該端部の接触位置を維持しながら、
突起物は該端部の表面を滑りながら押し上げることができる。そのため、請求項1の引き
伸ばし効果をより確実にすることができる。
【0018】
また、請求項4に記載の発明によれば、物品の端部の表面と突起物との摩擦係数を低く
することができるため、引き伸ばし時に該端部の表面と突起物の摩擦抵抗が小さくなり、
端部を幅方向に確実に引き伸ばすことができる。また、突起物が物品の端部を押し上げる
際に、突起物の先端が回転することで、突起物の先端が物品の表面を傷つけることを防止
できる。さらに突起物の先端と物品の表面は転がり接触となるため、突起物の先端の耐摩
耗性が向上する。
【0019】
さらに、請求項5に記載の発明によれば、突起物の突出量を変更するか、あるいは突起
物の周長を変更することで、物品の端部の幅方向の引き伸ばし量を調整することができる。
そのため、端部のしわの数やしわの程度に合わせて引き伸ばし量の調整が可能となる。
【0020】
また、請求項6に記載の発明によれば、突起物に対して加わる物品の端部からの力に応
じて、突起物の突出量が小さくなるため、引き伸ばし量が大きすぎることによる物品の端
部の破断を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係るストリップパック装置を示す図である。
【図2】図1のストリップパック装置により製造されるストリップパックを示す図である。
【図3】図1の部分拡大図である。
【図4】ブラシユニットを示す図である。
【図5】ブラシユニットおよび保持ユニットを鉛直方向上側から見た図である。
【図6】物品側から見たブラシユニットおよび保持ユニットを示す図である。
【図7】物品の端部を幅方向に引き伸ばす動作を説明するための図である。
【図8】帯体に物品の端部を貼付する状態を説明するための図である。
【図9】別の実施形態の突起物を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係るストリップパック装置を示している。
【0023】
図1に符号10に示すストリップパック装置は、例えば、図2に示すように、帯状のフ
ィルムやテープ等の帯体Tにスナック菓子等を袋に充填した複数の物品Xをその一方の端
部Zで貼付した、いわゆるストリップパックSPを製造するものである。
【0024】
ストリップパック装置10は、本体ユニット12に、上流側装置からの物品Xが供給さ
れる供給コンベア14と、このコンベア14で供給された物品Xを本装置10の内部に導
入する導入コンベア16と、この導入コンベア16の終端部を構成するドロップコンベア
18と、本装置10で製造されたストリップパックSPを下流側装置へ排出する排出コン
ベア20とともに、本装置10の内部に導入された物品Xの端部Zを位置決めするための
ブラシユニット22と、このブラシユニット22に位置決めされた物品Xの端部Zを保持
して該物品Xを搬送するための保持ユニット24と、この保持ユニット24に保持されて
いる物品Xの端部Zに帯体Tを貼付するための貼付ユニット26と、帯体Tを送るための
帯体送りユニット28とを有する。4つのコンベア14、16、18、および20は、物
品Xまたはストリップパックを水平方向に搬送するように構成されている。帯体Tは、交
換を容易にするために、ロール状の帯体ロール30としてストリップパック装置10の上
部に配置されている(帯体ロール30から送りユニット28までの帯体Tの搬送経路の図
示は省略している。)。なお、図中において白抜き矢印は、物品Xまたはストリップパッ
クSPの搬送方向を示している。
【0025】
図3は、図1における、ブラシユニット22、保持ユニット24、貼付ユニット26、
帯体送りユニット28およびその周辺を拡大したものである。また、図4は、ブラシユニ
ット22の詳細を示している。さらに、図5は、鉛直方向上側から見たブラシユニット2
2と保持ユニット24とを示している。さらにまた、図6は、図3における、ドロップコ
ンベア18に搬送されている袋X側から見たブラシユニット22と保持ユニット24とを
示している。
【0026】
ブラシユニット22は、図4に示すように、それぞれの回転中心線が水平方向に延びて
鉛直方向に並列した、回転軸50a、50bを備えるブラシローラ52a、52bを有す
る。ブラシローラ52a、52bは、図6に示すように、同一形状であって、軸方向(回
転中心線)が物品Xの端部Zの幅方向Hと平行である。
【0027】
また、ブラシローラ52a、52bは、回転軸50a、50b全体にブラシ毛を植毛さ
れたものでなく、軸方向に一定の間隔をあけてブラシ毛54が回転軸50a、50bに植
毛されている。
【0028】
2つのブラシローラ52a、52bは、図3に示すように、物品Xの端部Zを挟持でき
るように所定の軸間距離をあけて(回転中心線間の距離が所定の距離になるように)配置
されている。具体的には、図4に示すように、ブラシローラ52aは、ブラシユニット2
2のハウジング56と一体の支持部材58に回転自在に支持されている。一方、ブラシ
ローラ52bは、ハウジング56と別体の支持部材60に回転可能に支持されている。ブ
ラシローラ52bを支持する支持部材60は、水平方向であって物品Xの端部Zの幅方向
Hと直交する方向に該支持部材ブラケット60を移動させる、ハウジング56に取り付け
られている直動機構62によって支持されている。
【0029】
なお、本明細書に記載する「直動機構」とは、支持する対象を一方向に前後進できると
ともに、対象を任意の一方向上の位置で停止させることができる機構を言う。例えば、エ
アシリンダが該当する。
【0030】
2つのブラシローラ52a、52bは、図3に示すように、2つのローラ間にドロップ
コンベア18で搬送されてきた物品Xの端部Zを引きこむために、対向位置での周速方向
が物品X側から反物品X側になるように、かつその周速値が一致するように回転するよう
に構成されている。
【0031】
具体的に説明すると、図4に示すように、ブラシローラ52aは、支持部材58に回転
自在に支持されている駆動ローラ64にベルト66を介して回転される。一方、ブラシ
ローラ52bは、支持部材60に回転自在に支持され、駆動ローラ64と外周面で接触し
て該駆動ローラ64に回転される、駆動ローラ64と同一外周長さの従動ローラ68にベ
ルト70を介して回転される。駆動ローラ62は、ベルト72を介してハウジング56に
取り付けられたモータ74によって回転される。
【0032】
また、ブラシユニット22は、2つのブラシローラ52a、52bが引き込んだ物品X
の端部Zの引き込み方向に関して位置を規制するストッパ部材76を有する。ストッパ部
材76は、図6に示すように、2つのブラシローラ52a、52bのブラシ毛54の間に
配置されて物品Xの端部Zの引き込み方向の位置を規制する複数の規制部76aと、複数
の規制部76aを支持して支持部材58に取り付けられる支持部76bとで構成されてい
る。
【0033】
このようなブラシユニット22により、ドロップコンベア18で搬送されてきた物品X
の端部Zは、2つのブラシローラ52a、52bの引き込み方向に引き伸ばされて平坦に
されつつ所定の位置に水平状態で規制される(所定の面上に位置する。)。
【0034】
図3や図5に示すように、保持ユニット24は、ブラシユニット22により所定の位置
に水平状態で規制された物品Xの端部Zの両側部をそれぞれ把持するためのチャック機構
90a、90bと、チャック機構90a、90bを水平方向かつ上述の引き込み方向に移
動させる直動機構92a、92bと、2つの直動機構92a、92bを支持しつつガイド
レール94に従って移動するガイド機構96とを有する。
【0035】
図6に示すように、チャック機構90aは、物品Xの端部Zを挟持し保持するための一
対の爪100a1、100a2を有する。また、チャック機構90bも一対の爪100b
1、100b2を有する。
【0036】
爪100a1、100a2には物品Xの端部Zを挟持する際に端部Zと接触する部分に
一対の挟持部材101a1、101a2がそれぞれ取り付けられている。さらに、爪10
0a2には挟持部材101a2の内側に物品Xの端部Zを幅方向Hに引き伸ばすための引
き伸ばし手段として突起物102a2が取り付けられている。突起物102a2の先端は
挟持部材101a2の挟持面よりも突出した位置にある。
【0037】
チャック機構90bについても同様に、爪100b1、100b2には一対の挟持部材
101b1、101b2が取り付けられ、さらに爪100b2には挟持部材101b2の
内側に物品Xの端部Zを幅方向Hに引き伸ばすための引き伸ばし手段として突起物102
b2が取り付けられている。突起物102b2の先端は挟持部材101b2の挟持面より
も突出した位置にある。
【0038】
後述する物品Xの端部Zの幅方向Hへの引き伸ばし動作において引き伸ばし効果が得ら
れるように、挟持部材101a1、101a2、101b1、101b2は摩擦係数が高
いゴム材料が用いられる。また、突起物102a2、102b2は物品Xの端部Zの表面
を滑りながら押し上げるため、突起物102a2、102b2には前記挟持部材よりも摩
擦係数の低く、滑り性のよい樹脂材料または金属材料が用いられる。
【0039】
次に図6と図7の(a)〜(c)に基づき、物品Xの端部Zの幅方向Hへの引き伸ばし
動作について順に説明する。
【0040】
図7(a)は、物品Xの端部Zが、ブラシユニット22により所定の位置に水平状態で
規制された状態を表している。図示簡略化のため、チャック機構90a、90bおよび物
品Xの端部Zのみを抜き出して図示している。なお図中のWは物品Xの端部Zの幅方向H
に生じたしわを示している。
【0041】
図7(b)は、チャック機構90a、90bの開いていた爪100a1、100a2お
よび爪100b1、100b2が閉じていき、突起物102a2、102b2が物品Xの
端部Zの下面に接触し、挟持部材101a1、101b1が物品Xの端部Zの上面に接触
した状態を示している。この後、一対の爪がさらに閉じるのにともなって、挟持部材10
1a1、101b1と端部Zの上面との間に生じる摩擦力により、挟持部材101a1、
101b1と端部Zの上面は接触位置を維持しながら、挟持部材101a1、101b1
は端部Zを押し下げていく。一方、突起物102a2、102b2は端部Zの下面を滑り
ながら端部Zを押し上げることで、物品Xの端部Zは幅方向Hに引き伸ばされ、しわWが
取り除かれる。
【0042】
図7(c)は、チャック機構90a、90bによる物品Xの端部Zの挟持が完了した状
態を表している。挟持部材101a1、101a2、101b1、101b2と端部Zと
の間に生じる摩擦力により、引き伸ばされた物品Xの端部Zの平坦が維持される。
【0043】
以上、図6および図7で説明した動作によって、物品Xの端部Zを挟持するのと同時
に該端部の幅方向Hに生じたしわの引き伸ばしを行なう。
【0044】
図3に戻り、直動機構92a、92bおよびガイド機構96は、上述の動作によって端
部Zが幅方向Hに引き伸ばされて平坦にされた状態で挟持された物品Xを搬送するための
ものである。具体的には、チャック機構90a、90bの一対の爪100a1、100a
2と100b1、100b2とが挟持した端部Zの部分に挟まれた中央部分を貼付ユニッ
ト26のヒータ110上の帯体Tに位置するように搬送する(図8参照。)。
【0045】
そのために、直動機構92a、92bはチャック機構90a、90bを水平方向に移動
させるとともに、ガイド機構96がガイドレール94に従って移動する。これを補助する
ために、ブラシユニット22の支持部材60が直動機構62によりハウジング56側に移
動するように構成されているとともに、ドロップコンベア18が水平状態から傾斜状態に
移行する(物品Xを落下させる。)ように構成されている。
【0046】
貼付ユニット26は、保持ユニット24のチャック機構90a、90bによって平坦状
態にされた物品Xの端部Zの中央部分に(図8参照)、帯体送りユニット28によって送
られた帯体Tに熱溶着するように構成されている。
【0047】
具体的には、貼付ユニット26は、物品Xの端部Zの中央部分と帯体Tとを熱溶着する
ためのヒータ110と、ヒータ110上の端部Zおよび帯体Tを重ねた状態で該ヒータ1
10に押し当てるためのシリンダ112と、所定のタイミングで帯体Tを切断するカッタ
114と、帯体Tとヒータ110の熱溶着前の接触を回避して該帯体Tの熱溶解を防止す
るための溶解防止部材116を帯部Tの裏面(物品Xが貼付される面と反対の面)に押し
当てるシリンダ118と、熱溶着時に物品Xを受けるとともにストリップパックSPを排
出コンベア20に滑らすスライダ120とから構成される。
【0048】
本実施形態によれば、物品Xは、供給コンベア14、導入コンベア16、ドロップコン
ベア18の順に搬送され、端部Zがブラシユニット22の2つのブラシローラ52a、5
2b間に引き込まれて水平にされつつストッパ部材76により所定の位置に規制される。
【0049】
保持ユニット24は、ブラシユニット22により水平にされつつ所定の位置に規制され
た端部Zをチャック機構90a,90bにより幅方向Hに平坦にしつつ挟持する。保持ユ
ニット24は、端部Zが平坦状態の物品Xを貼付ユニット26に搬送する。貼付ユニット
26は、平坦状態の端部Zの中央部分を帯体Tに貼付する。これらの動作を繰り返して帯
体Tに複数個の物品Xが貼付された後、貼付ユニット26のカッタ114は帯体Tを切断
する。そうして製造された、複数の物品Xをその端部Zで帯体Tに貼付したストリップパ
ックSPは、スライダ120を滑った後、排出コンベア20により装置10外部に排出さ
れる。
【0050】
このようにして、物品Xの端部Zは、幅方向Hに確実に引き伸ばされて平坦状態で帯体
Zに貼付される、すなわち良好に貼付される。その結果、陳列中に物品Xが帯体Tから落
下するなどの不具合が解消される。
【0051】
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、その他の態様も採用可能である。例えば上述の実施形態では、突起物は爪に固定
して設けられ、物品の端部の挟持動作と引き伸ばし動作を同時に行なっていたが、爪と突
起物を別体とし、挟持後に突起物を移動させて端部の引き伸ばし動作を行なってもよい。
また、爪で挟持した端部を移動させて突起物に押し付けることで、引き伸ばし動作を行な
ってもよい。
【0052】
さらに、上述の実施形態で説明した突起物の変形例として、図9の(a)〜(d)に示
すように突起物を構成してもよい。なお、図9では図示簡略化のためにそれぞれの図には
チャック機構の片方のみを示している。
【0053】
図9(a)に示す変形例では、突起物202a2にネジ棒605が固定されている。一
方、爪200a2には貫通したネジ穴606が設けられている。突起物202a2に固定
されているネジ棒605はネジ穴606とナット607により、爪200a2に固定され
る。このように突起物構成することにより、ネジ棒605を回すことで簡単に突起物20
2a2の突出量を変更でき、物品の端部の幅方向への引き伸ばし量を調整することが可能
となる。また、本構成であれば、突起物202a2を容易に取り外すことができるため、
周長、幅、および高さ等が異なる突起物に交換することで、突出量を変更し、物品の端部
の幅方向の引き伸ばし量を調整することも可能である。
【0054】
図9(b)に示す変形例では、ブラケット302a2にローラ608が取り付けられ、
これが本願発明の突起物を構成している。
【0055】
図9(c)に示す変形例では、ブラケット402a2にボール609が取り付けられ、
本願発明の突起物を構成している。突起物の先端をこのように構成することで、引き伸ば
し時に物品の端部の表面と突起物との摩擦抵抗が小さくなり、該端部を幅方向に確実に引
き伸ばすことができる。また、突起物が物品の端部を押し上げる際に、突起物の先端が回
転することで、突起物の先端が物品の表面を傷つけることを防止できる。さらに突起物の
先端と物品の表面は転がり接触となるため、突起物の先端の耐摩耗性が向上する。
【0056】
図9(d)に示す変形例では、突起物502a2にシャフト110が固定されており、
爪500a2にはシャフト610のガイドとなる丸穴611が設けられている。丸穴61
1の穴径は、シャフト110が軸方向に摺動が可能なように設定されている。突起物50
2a2と爪500a2の間にある圧縮コイルばね612は、シャフト610が挿入されて
支持されている。圧縮コイルばね612の弾性力により突起物502a2が爪500a2
から外れないようにシャフト610の先端にはストッパ613が取り付けられている。以
上の構成により、物品の端部を突起物502a2で押し上げる際に、突起物502a2に
対して加わる物品の端部からの力に応じて、突起物502a2は矢印Kの方向に移動する
ことができる。その結果、突起物502a2の突出量が小さくなるため、引き伸ばし量が
大きすぎることによる物品の端部の破断を防止することができる。
【0057】
以上、本発明を図示した実施形態に基づいて説明したが、本発明がこれらの実施形態に
限定されず、特許請求の範囲に示す本発明の範囲内で、その具体的構成に種々の変更を加
えてよいことはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0058】
以上のように本発明によれば、帯部に貼付される物品の端部の部分が該端部の幅方向に
関して平坦にされて良好に貼付される。したがって、ストリップパック装置の分野におい
て好適に利用される可能性がある。
【符号の説明】
【0059】
10 ストリップパック装置
24 保持ユニット(保持手段)
26 貼付ユニット(貼付手段)
101a1 挟持部材
101a2 挟持部材
101b1 挟持部材
101b2 挟持部材
102a2 突起物(引き伸ばし手段)
102b2 突起物(引き伸ばし手段)
X 物品
Z 端部
T 帯体
H 幅方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の端部を帯体に貼付するストリップパック装置であって、
物品を保持し、所定の貼付位置に移送する保持手段と、
前記貼付位置に備えられ、前記保持手段により保持された物品の一端部を帯体に貼付す
る貼付手段と、
前記保持手段によって保持される物品の端部を幅方向に引き伸ばす引き伸ばし手段とを
備え、
前記保持手段は、所定の面内に位置する物品の端部の両側部をそれぞれ挟持する各一対
の挟持部材を有し、
前記引き伸ばし手段は、前記一対の挟持部材が物品の端部を挟持する際に、前記挟持部
材が物品を挟持する挟持面よりも突出して物品の端部における前記両側部の間の領域を押
すことにより、物品の端部を幅方向に引き伸ばすことを特徴とするストリップパック装置。
【請求項2】
請求項1に記載のストリップパック装置において、
前記保持手段は、前記挟持部材が取り付けられる一対の爪を備え、
前記引き伸ばし手段は、前記爪に設けられている突起物であることを特徴とするストリ
ップパック装置。
【請求項3】
請求項2に記載のストリップパック装置において、
前記挟持部材の挟持面の摩擦係数は、前記突起物の摩擦係数よりも高いことを特徴とす
るストリップパック装置。
【請求項4】
請求項2に記載のストリップパック装置において、
前記突起物の先端に回転体が取り付けされていることを特徴とするストリップパック装
置。
【請求項5】
請求項2ないし4に記載のストリップパック装置において、
前記突起物の周長または前記挟持面からの突出量を変更することにより、物品の端部を
幅方向に引き伸ばす量を調整することを特徴とするストリップパック装置。
【請求項6】
請求項2ないし4に記載のストリップパック装置において、
前記突起物は、物品の端部を押す際に物品から加わる力に応じて前記挟持面からの突出量
が変化することを特徴とするストリップパック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−86820(P2013−86820A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227482(P2011−227482)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)