スノーボードビンディング用装置およびその準備方法
【課題】乗り手が容易に、素早く、効率よく自分のブーツの周りにストラップを締めたり緩めたりできるビンディングまたはブーツストラップを与える。
【解決手段】ストラップは、ブーツまたはビンディングに係合する係合ストラップと係合するブーツ係合用ストラップとを含む。乗り手が自分の足をブーツに出し入れし、またはブーツをスノーボードビンディングに締付けたり緩めたりするよう、2つのストラップピースを容易に締めたり緩めたりするための構成も与えられる。この構成は締付要素を含み、乗り手は締付要素を引張り、ストラップピースを動かしてストラップを締めることができる。締付構成はメカニカルアドバンテージを伴い、締付要素に与えた力はストラップにより大きい力を与える。ストラップを締めた後に締付要素の余分な部分を受ける後退装置が利用される。ストラップをブーツまたはビンディングから分離するためにフックおよびキャッチ構成が用いられる。
【解決手段】ストラップは、ブーツまたはビンディングに係合する係合ストラップと係合するブーツ係合用ストラップとを含む。乗り手が自分の足をブーツに出し入れし、またはブーツをスノーボードビンディングに締付けたり緩めたりするよう、2つのストラップピースを容易に締めたり緩めたりするための構成も与えられる。この構成は締付要素を含み、乗り手は締付要素を引張り、ストラップピースを動かしてストラップを締めることができる。締付構成はメカニカルアドバンテージを伴い、締付要素に与えた力はストラップにより大きい力を与える。ストラップを締めた後に締付要素の余分な部分を受ける後退装置が利用される。ストラップをブーツまたはビンディングから分離するためにフックおよびキャッチ構成が用いられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
発明の技術分野
この発明はスノーボードブーツおよびスノーボードビンディングのためのストラップに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
乗り手のスノーボードブーツをスノーボードに固定するためのストラップ型ビンディングが公知であり、典型的には例えばアンクルストラップおよび/またはトウストラップなどの1つ以上のストラップを含み、乗り手をしっかりとビンディングに固定するためにブーツの上面にわたってしっかりと締められてもよい。同様のストラップは、多くのステップインビンディングシステムにおいて、少なくとも部分的に乗り手の足をブーツ内に固定するために用いられる。(例えばビンディングまたはステップインブーツ用の)従来のストラップは、僅かに曲がった、ブーツの上面にわたって延在する細長い帯を含む。細長い帯は、対になる鋸歯状ストラップの自由端のラチェット歯を係合するラチェットバックルを含み、乗り手がストラップを段階的にブーツの下方に向かって締めることを可能にする。ストラップピースは、典型的にはロック爪を鋸歯状ストラップから係合解除することによって、緩められたり互いから分離されたりしてもよい。
【特許文献1】米国特許出願公開番号第2005/0126043号
【特許文献2】米国特許第6,722,688号
【特許文献3】米国特許第6,267,390号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
発明の概要
一実施例において、ストラップおよび締付要素を含む装置が与えられる。ストラップは、ブーツ係合用ストラップピース、ブーツ係合用ストラップピースに結合されるロック要素、および複数の位置のうち1つにおいてロック要素と係合する係合ストラップを含む。締付要素は、係合ストラップに相対してロック要素を引張るように構築され、配列されて、スノーボードブーツのまわりにストラップを締める。
【0004】
別の実施例において、ストラップおよび締付要素を含む装置が与えられる。ストラップは、ブーツ係合用ストラップピースに結合されるロック要素、および複数の位置のうち1つにおいてロック要素を係合する係合ストラップを含む。締付要素はストラップに結合され、スノーボードブーツのまわりにストラップを締めるよう構築され、配列される。締付要素は専らストラップ上またはその中にのみ配置される。
【0005】
さらに別の実施例において、スノーボードビンディングおよびスノーボードビンディングストラップを含む装置が与えられる。スノーボードビンディングはベースプレートおよびベースプレートに取り付けられるハイバックを含む。スノーボードビンディングストラップはビンディングに取り付けられる。ビンディングストラップは、締付要素の張力によりブーツのまわりにビンディングストラップを締付けるよう構築され、配列される締付要素を含む。締付要素は、ハイバックに動作可能に結合されることなく、ビンディングストラップおよびベースに動作可能に結合される。
【0006】
さらに別の実施例において、ストラップおよび締付要素を有する装置が与えられる。締
付要素はストラップに動作可能に結合される。締付要素は第1の部分を有し、ストラップは締付要素に張力をかけることによって締付可能である。格納装置が締付要素に結合され、締付要素の第1の部分を集めるよう適合される。
【0007】
別の実施例においてスノーボードビンディングが与えられる。ビンディングは、ベースプレートおよびベースプレートに接続可能なストラップを含む。ストラップは、ブーツ係合用ストラップピース、ブーツ係合用ストラップピースに結合されるロック要素およびロック要素を係合する係合ストラップピースを含む。締付要素はロック要素に結合される。締付要素は係合ストラップに相対してロック要素を引張るように構築され、配列されて、スノーボードブーツのまわりにストラップを締める。締付要素は、締付要素を引張るときに、ブーツのまわりにストラップを締める際にメカニカルアドバンテージを与えるよう構成される経路を通り、それにより、締付要素に与えられる第1の力はストラップ上に第2の力を生じる結果となる。第2の力は第1の力より大きい。ギャザリング装置は締付要素の一部を集めるよう構成される。
【0008】
別の実施例において、ある装置が与えられる。装置は、スノーボードビンディングと、スノーボードブーツを係合し、少なくとも部分的にブーツをビンディングに固定するよう構築され、配列される第1のビンディングストラップと、第1のビンディングストラップに結合される第1の締付要素とを含む。第1のビンディングストラップは、鋸歯状ストラップとして構成される係合ストラップを含む。第1の締付要素経路が与えられ、締付要素を引張るときに、ブーツのまわりに第1のビンディングストラップを締める際にメカニカルアドバンテージを与えるよう構成され、そこで第1の締付要素に与えられる作用力は、作用力より大きい合力を第1のビンディングストラップ上に生じる結果となる。
【0009】
さらに別の実施例では、ストラップ、第1の締付要素、および少なくとも1つのガイド要素を有する装置が与えられる。ストラップは、スノーボードブーツを係合するよう構築され、配列される。ストラップは、ブーツ係合用ストラップピースおよび係合ストラップピースを含む。第1の締付要素はストラップに結合され、ブーツのまわりにストラップを締める。少なくとも1つのガイド要素はストラップに配列される。第1の締付要素経路は、第1の締付要素を引張るときに、ブーツのまわりにストラップを締める際にメカニカルアドバンテージを与える態様で、少なくとも1つのガイド要素のまわりを通り、第1の締付要素に与えられる作用力は、作用力より大きい合力をストラップ上に生じる結果となる。
【0010】
別の実施例では、ブーツを挿入したり取外したりするためのスノーボードビンディング装置を準備する方法が与えられる。スノーボードビンディング装置は、ベース、ブーツ係合用ストラップ、および係合ストラップを含む。方法は、ブーツ係合用ストラップおよび係合ストラップの少なくとも1つを掴むステップと、ビンディング装置ベースから係合ストラップ端部を外すステップとを含み、それにより、その端部をブーツの挿入または取外しに充分なだけビンディング装置ベースから解放する。
【0011】
本発明のさまざまな実施例はある利点を与える。本発明の全ての実施例が同じ利点を共有するわけではなく、共有するものが全て同じ状況下で共有するわけではない。
【0012】
本発明のさらなる特徴および利点は、本発明のさまざまな実施例の構造と同様に、添付の図面に関して以下に詳細に記載される。
【0013】
添付の図面は、縮尺どおりに描かれるよう意図されない。図面において、さまざまな図に示される同一またはほぼ同一の構成要素の各々は、類似の符号によって表される。明確にするため、すべての構成要素がすべての図面においてラベル付けされているわけではな
い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
詳細な説明
本願明細書において記載される本発明の実施例は、下記の説明に示され、図面に示される構造の詳細および構成要素の配列に対する適用に限定されない。さまざまなやり方で他の実施例が実行され、実施され得る。また、本願明細書において用いられる語法および用語は、説明のためであり、限定的にみなされてはならない。「含む(including, comprising, containing)」「有する(having)」「伴う(involving)」およびこれらの変形例の使用は、付加的な項目同様、以後列挙される項目およびその均等物を含むことが意図される。
【0015】
一実施例において、スノーボードビンディングまたはスノーボードブーツ用ストラップが1つ以上の機能とともに与えられ、それは単独でも適切な組合わせでも利用することができ、スノーボードの乗り手が容易に、素早く、かつ/または効果的に自分のブーツのまわりにストラップを締めたり緩めたりすることを可能にする。ストラップはブーツ係合用ストラップピースを含んでもよく、それは僅かに曲がった、スノーボードブーツの上面にわたって延在するよう適合された細長い帯として構成される。ブーツ係合用ストラップピース(任意でパッドを入れてもよく、したがってパッド入りストラップピースと称してもよい)は、ストラップ型ビンディングの場合と同様に、ブーツ(例えばステップインビンディングブーツ)またはビンディングに結合可能な係合ストラップピースと係合する。ブーツ係合用ストラップピースおよび対になる係合ストラップは、2つのストラップピースの締付/緩めを容易にする1つ以上の構成を含み、そのため乗り手が自分の足をブーツに滑り込ませたり引き抜いたりでき、またはブーツをスノーボードビンディングもしくはその構成要素に締付けたりそこから取外したりできる。結果的なストラップは、ビンディング内でブーツを、またはブーツ内で乗り手の足を支え、スノーボード中に働く力に耐えるために充分な支持をブーツおよび/または足に与えるよう構成されてもよい。ストラップは、ブーツ係合用ストラップに調節可能に装着される装着ストラップをさらに含んでもよい。
【0016】
本発明の一態様によれば、ストラップは、ブーツ係合用ストラップおよび係合ストラップを段階的に締付けるための構成を含み、それによりストラップをブーツまたはビンディングに固定する。締付構成は、一方または両方のストラップピースに適切に結合される締付要素(本発明はこの点で限定されないが、例えばコード、レースまたはストラップ)を含み、そのため乗り手は締付要素を引張ってストラップピースを互いに相対に動かし、ストラップを締めることができる。この態様で、乗り手はちょうど履物の紐を引張るように、単に締付要素に手を伸ばしてそれを引張ればよい。締付要素が一方または両方のストラップピースに結合するので、それらは互いに向って引張られるかまたは動かされて有効に閉じる。ストラップピースは、適切な解放可能なロック構成を用いて締まった位置において保たれる。
【0017】
さらに詳細に後述するように、一実施例において、ブーツ係合用ストラップピースは、係合ストラップピースを係合するロック要素を含む。ロック要素は、ブーツ係合用ストラップピースにではなく、対になる係合ストラップピースに配置され得るので、当然本発明はこの点に関して限定されない。締付要素はロック要素に固定され、締付要素の自由端を引張ると、ロック要素は対向するストラップピースに引き寄せられて、係合ストラップをブーツ係合用ストラップにロックする。一実施例において、締付要素は、ブーツ係合用ストラップピースの表面に向う捩りモーメントが2つのストラップピースの接続においてほとんどまたは全く生成されない態様で、ブーツ係合用ストラップピースと係合ストラップピースとを互いに相対して引き寄せる。
【0018】
一実施例において、締付要素は、専らストラップ上またはその中に完全に収容され、そのため、ストラップを締めるために引張られる自由端を除く締付要素のどの部分も、ブーツおよび/またはビンディングの他の構成要素に係合しない。本発明が締付要素の端部を引張ることに限定されないことが理解されるべきである。そうではなく、所望の運動および/または張力を与える締付要素のいかなる部分が引張られてもよい。一実施例において、締付要素は、それ自体が2つのストラップピースを互いに対してしっかりと保つことに関与するわけではない。そうではなく、本発明の一態様によれば、締付要素は単に一方のストラップを他方のストラップに相対して動かすことを容易にするだけである。一旦所望の締まり具合が達成されると締付要素上の張力は解除されてもよく、ストラップは、ストラップ間の解放可能なロック構成および/または要素を介して固定される。
【0019】
締付要素を引張ることが直接にストラップの張力量に対応する態様で、締付要素がストラップピースに結合されてもよい。代替的には、本発明の別の態様によれば、締付構成はメカニカルアドバンテージを与えるよう構成され、それにより、ストラップを締めるのに働く力の量はストラップ上の張力の量より少ない。すなわち、締付要素に与えられる力は、結果としてより大きいストラップに与えられる力を生じる。一実施例において、締付要素は、締付要素の移動量が増える一方で締付要素を引張る力が低下する態様で構成される経路を通る。この点に関しては、締付要素に与えられる力が比較的低いのに対し、ストラップを締めるのに必要な仕事量(すなわち距離を乗算した力)は、メカニカルアドバンテージが与えられなかったかのように、同じである。しかしながら、ユーザにとっては、ストラップを締めるのに必要な労力が少なくてすむ。一実施例において、詳細に後述するように、適切なキャプスタン、ポスト、ピン、プーリまたは他の個別もしくは一緒に用いられる構造のまわりを締付要素が通ることによって、このメカニカルアドバンテージが達成されてもよい。
【0020】
一実施例において、メカニカルアドバンテージにより、合力対作用力(すなわち、締める方向においてストラップ構成要素間に作用する力対締付要素を引張るのに要する力)が2:1の比率で与えられる。別の実施例では、メカニカルアドバンテージは3:1の比率を与える。さらに別の実施例では、メカニカルアドバンテージは4:1の比率を与える。例えば1.5:1,2.5:1,3.5:1などを含む他の適切な比率が与えられてもよいので、本発明がこの点で限定されないことが理解されるべきである。このように、本発明のこの態様によれば、本発明はこの点に関して限定されないので、1:1より大きい(すなわち作用力より合力の方が大きい)任意のメカニカルアドバンテージが採用されてもよい。さらに、ブーツの固定のために2つ以上のストラップが用いられる適用例において、各ストラップは同じまたは異なるメカニカルアドバンテージを有してもよい。例えば一実施例において、スノーボードビンディングアンクルストラップが3:1の比率を利用し、トウストラップが2:1の比率を利用するが、本発明はこの点に関して限定されず、トウストラップに与えられるメカニカルアドバンテージがアンクルストラップに与えられるものより大きいような比率を含む、異なる比率が用いられてもよい。
【0021】
ストラップが締まった後にできる締付要素のいかなる自由端も、適切な態様で収納することができる。余った長さがポケットに収容され、結ばれ、それ自体または別の構成要素のまわりに巻き付けられ得る一方で、本発明の一局面によれば、締付要素のこの余り分はスプールのまわりに収容される。一実施例において、締付要素の自由端は、乗り手がスプールを引張ってストラップを締めることができるよう、スプールに結合される。スプールは、乗り手が掴んでいたスプールを放すとスプールが自動的に締付要素の余り分を集めてストラップの方へ格納する、自動巻きスプールであってもよい。代替として、スプールは、締付要素を引き寄せた後に余り分を手動でスプールのまわりに巻き取る、手動の操作を必要としてもよい。
【0022】
乗り手が自分の足をブーツに滑り込ませ、または乗り手がブーツをビンディングに挿入できるようにするために充分な空間をもたせることができるよう、ストラップ構成要素は典型的には十分に離れている。これは、従来のストラップのように、ブーツ係合用ストラップを係合ストラップから分離することによって達成されてもよい。しかしながら、一実施例において、これらの2つのストラップピースは締付要素を介してともに結合される。このような実施例では、2つのストラップピースを分離すると2つのストラップピース間に結合した締付要素が露出され、締付要素は分離を可能にするための充分なたるみを生成することができる程度に十分長い。本発明の一局面によれば、ブーツ係合用ストラップを係合ストラップから分離する代わりに、乗り手は対になる構成要素(例えばブーツまたはビンディング)から一方のストラップの端部を外すことができ、ブーツへの足の挿入/引き抜きまたはビンディングへのブーツの挿入/引き抜きのために十分な量だけ、その構成要素からストラップの端部を解放する。一旦足がブーツに挿入され、またはブーツがビンディングに挿入されると、ストラップはブーツ上に配置され、構成要素に再度引っ掛けることができる。一実施例において、係合ストラップの端部にキャッチが配置され、このキャッチが構成要素に配置されるフックから外されたり引っ掛けられたりする。代替的に、係合ストラップにフックが与えられてもよく、対応するキャッチが対になる構成要素に与えられてもよい。いくつかの実施例において、フックまたはキャッチは、係合ストラップの端部に与えられる代わりに、またはこれに加えて、ブーツ係合用ストラップの端部に与えられてもよい。別の実施例において、フックまたはキャッチがブーツ係合用ストラップに与えられ、フックまたはキャッチの他方が係合ストラップに与えられてもよい。この点では、ブーツ係合用ストラップと係合ストラップとは互いから分離していてもよい。
【0023】
本発明はこの点で限定されないので、本発明の上記の局面はいかなる適切な組合わせにおいて用いられてもよい。さらに、上記の局面のいずれかまたはすべてがスノーボードビンディングまたはスノーボードブーツにおいて用いられてもよい。しかしながら本発明はこの点で限定されず、本発明の局面はいかなる種類の履物またはビンディングに用いられてもよい。ここで本発明のさまざまな局面および実施例が添付の図面に関してさらに詳細に記載される。しかしながら本発明は図示した局面および実施例に限られない。
【0024】
上述の局面のいくつかを組み込んだ本発明の一実施例によるストラップアセンブリ100が、図1Aから図1Cに示される。ストラップアセンブリ100は、例えば鋸歯状ストラップ202などの係合ストラップと、例えばパッド入りストラップなどのブーツ係合用ストラップ110にロック要素ベース205を介して取り付けられるロック要素204とを含む。ロック要素204は、例えばレバー207に備えられる爪206などのストラップ係合要素を有する。レバー207、およびそのため爪206は、ばね208によって鋸歯状ストラップ202上の鋸歯に向って付勢される(図1Cを参照)。ロック要素204は、後述するように、爪206を鋸歯状ストラップ202から解除するための解除ハンドル209をも含んでもよい。
【0025】
例えばスノーボードブーツなどのブーツのまわりにストラップアセンブリ100を締めるために、引張り紐として構成され得る締付要素210がロック要素204に結合される。引張り締付要素210に張力をかけることによって、乗り手は鋸歯状ストラップ202に相対してロック要素204を引張り、これによりブーツのまわりにストラップアセンブリ100を徐々に締める。この点では、爪206は鋸歯状ストラップの歯を係合し、ストラップピースを互いにロックされた態様で保つ。本発明の一局面によれば、ストラップは、スノーボードストラップに通常見られる、ストラップを締めるためのラチェットレバーはなく、鋸歯状ストラップのラチェット歯を係合するロック爪と、爪をラチェット歯に締付ける締付要素とを伴って構成される。
【0026】
例示的実施例において、締付要素210はロック要素204の構成要素に取り付けられる。しかしながら他の実施例では、締付要素はブーツ係合用ストラップ110に直接取り付けられても、別の適切な態様でロック要素に結合してもよい。さらに他の実施例において、締付要素210は係合ストラップ(例えば鋸歯状ストラップ202)に取り付けられてもよく、ロック要素に相対して係合ストラップを引張るよう構成されてもよい。
【0027】
引張り紐が図の例に示されるが、本発明はこの点に関して限定されず、他の適切な締付要素、例えばストラップまたはレースが用いられてもよい。
【0028】
一実施例において、締付要素210をロック要素204に固定するために、締付要素210は要素213に取り付けられる。締付要素210はこの取付部から開口部212aを通り、係合ストラップ202に形成される内部チャネル214に沿って動く。チャネル214への開口部216は、乗り手が締付要素を引張ることができるよう、締付要素210へのアクセスを与える。一実施例において、締付要素は、開口部を通ってチャネルを出て引張り要素218に結合され、乗り手に掴む要素を与える。一実施例において、締付要素210は引張り要素218で終了する。しかしながら引張り要素は、締付要素の端部から間隔を置いたいかなる適切な位置においても締付要素に取り付けられることができ、本発明はこの点で限定されない。
【0029】
例示的実施例において、締付要素210をブーツ係合用ストラップ110に結合させるために、要素、例えば錨が使われ、ロック要素204の構成要素として組み込まれる。本発明はこの点において限定されず、締付要素210は例えばロック要素204またはブーツ係合用ストラップ110のいずれかの穴を通してこれらの構成要素に固定されるだけなので、要素213は必要でない。上述のように、締付要素210はブーツ係合用ストラップ110の他の位置に取り付けられてもよく、鋸歯状ストラップ202に取り付けられてもよい。したがって、ロック要素204とは別個に要素213または他の固定機構が与えられてもよい。ある実施例では同じストラップ上に、また他の実施例では異なるストラップ上に別個に与えられてもよい。
【0030】
一実施例において、締付要素は、ブーツ係合用ストラップピースの表面に向う捩れモーメントが2つのストラップピースの接続においてほとんどまたは全く生成されない態様で、ブーツ係合用ストラップピースおよび係合ストラップピースを互いに相対して引き寄せる。すなわち、ロック要素に対する締付要素の取付位置は、ストラップが締まるときにロック要素がブーツ係合用ストラップピースの表面に向かって回転しないように配置される。一実施例において、ロック要素はモーメントを生じない。別の実施例では、ロック要素は、ブーツ係合用ストラップピースの表面から離れる方向においてモーメントを生じる。
【0031】
いくつかの場合には、鋸歯状ストラップがブーツ係合用ストラップから完全に係合解除されるのを防ぐことが望ましいかもしれない。したがって一実施例において、鋸歯状ストラップ202は、鋸歯状ストラップ202がロック要素204から完全に係合解除されるのを防ぐ、ブロック要素224をさらに含む。図1Bに示される実施例において、鋸歯状ストラップ202およびロック要素204が、鋸歯状ストラップ202がロック要素204から完全に係合解除される危険のあるような量だけ互いに相対して動かされる場合、ブロック要素224の下向きの突起がロック要素204の構成要素(例えば図1Cに示す要素213)に接触し、鋸歯状ストラップ202がロック要素204から出ることを防ぐ。当然、鋸歯状ストラップ202がロック要素204から完全に係合解除されるのを防ぐ他の態様が採用されてもよく、実施例によっては、完全な係合解除は防げない。
【0032】
引張り要素218は環状のハンドル、または任意の適切な形状のハンドルであってもよく、いかなる適切な材料でできていてもよいが、いくつかの実施例では外側の構成要素は
プラスチックでできている。例えば、引張り要素218は締付要素に取付けたループを有するハンドルであってもよい。引張り要素218は締付要素210のループ状端部であってもよく、そのため締付要素210の端部には別個の装置は与えられない。
【0033】
ロック要素204をロック可能に係合する係合ストラップの使用により、乗り手がストラップアセンブリ100を段階的に締めることが可能になる。一局面によれば、、締付要素210上の張力が解除されると、係合ストラップおよびブーツ係合用ストラップはストラップアセンブリの張力をさらに担持する。このように、スノーボード中にストラップにかかる荷重は、従来のラチェットストラップ構成と同様の態様でストラップアセンブリ100によって担持され得る。ストラップの張力を保つために係合ストラップおよびロック要素を用いることにより、乗り手はストラップを締めた後に単に締付要素を放せばよく、締付要素は張力をかけられた状況でロックされたり保持されたりする必要はない。この点について一実施例では、締付要素は単に一方のストラップピースを他方のピースと相対して動かすのを容易にするだけである。
【0034】
一実施例において、係合ストラップは歯のあるストラップ(鋸歯状ストラップとも称する)として構成され、歯は個々に爪と係合してストラップを締められた位置に保っている。しかしながら本発明は、締まり具合がこのようなステップごとの選択に限られるわけではないと理解される。鋸歯状ストラップが小刻みに選択可能な異なったレベルのストラップの締まり具合をもたらす一方で、係合ストラップは摩擦でロック爪を係合するよう構成されてもよい。このような実施例では、ストラップアセンブリは細かい刻みで締まり具合の選択を与えることができる。本発明はこの点に関して限定されないので、他の適切な係合ストラップおよび関連したロック要素構成が使われてもよい。
【0035】
締付要素210は無数のやり方のうちいずれによって実現されてもよく、本発明のさまざまな実施例はいかなる特定の実現例にも限られない。締付要素210はモノフィラメントまたはマルチストランド線から形成されてもよい。本発明の一例示的実施例によれば、締付要素210は、張力を支持することができる低摩擦材料で形成される。実施例によっては、1200ニュートンの張力に耐えることができる締付要素を使用することが有利である。任意の適切な外径を有する締付要素が使われ得るが、一実施例において、締付要素210は約1.2mmの外径を有する。締付要素210に用いられ得る材料は、いかなる特定の材料または特定の形式(例えば織物、編物、撚られた物、またはモノフィラメント)にも限られないが、例としては、さまざまな種類の天然または人工の繊維またはファブリック、プラスチックおよび/もしくは金属を含む。一実施例において、締付要素210は鋼線である。別の実施例では、ポリエチレン、例えばハネウェルインターナショナル社(Honeywell International, Inc.)製のスペクトラ(Spectra)(登録商標)ブランドのファイバを含む締付要素が用いられてもよい。他の実施例において、鋼線または他の金属もしくは非金属ケーブルは、ナイロン被覆、フッ素重合体例えばテフロン(Teflon)(登録商標)フッ素重合体被覆、または他の適切な被覆で覆われていてもよい。
【0036】
図lAから図1Cに示される実施例において、スノーボードビンディングおよびストラップアセンブリは、締付要素およびストラップが内蔵式に、すなわち締付要素が専らストラップ内のみに配置されるように構成される。この目的で、本願明細書において、締付要素が、乗り手(乗り手が引張るとき)、ストラップ、および/またはストラップに配置される構成要素にのみ実質的に接触するよう構成される場合、締付要素は専らストラップ上またはその中にのみ配置される。例えば図1Aおよび図1Bにおいて示される実施例において、締付要素210がストラップ開口部216を通ってビンディングストラップから外へ延在する場合であっても、締付要素210は専らビンディングストラップ内のみに配置される。なぜならば締付要素210はビンディングまたはブーツに配置される構成要素(
例えばポスト、ループ、プーリ、キャプスタンまたは他のガイド要素)に接触しないからである。
【0037】
図1Aおよび図1Bに示され、説明される実施例は、締付要素210が専らストラップ内のみに配置されるストラップに向けられるが、本発明はそれに限定されず、他の実施例では締付要素は周囲の他の構成要素を係合してもよい。例えば、実施例によっては、締付要素210は、図2に示すように、ビンディングのベースプレート側壁、ヒールフープ、またはハイバックに配置される要素を介して通ってもよい。本実施例において、ガイドループ230はビンディングのヒールフープ232上でガイド部を形成し、締付要素210はガイドループ230を通る。締付要素210のガイドループ230との接点は、鋸歯状ストラップ202と引張り要素218との間に生じ、そのため締付要素210は専らビンディングストラップ上またはその中のみに配置されるわけではない。いくつかの実施例において、ガイドループ230または別の適切なガイド要素はベースプレート側壁234に配置されてもよく、締付要素のいずれの部分も動作可能にハイバックに接続しない。いくつかの実施例では、ガイド要素はブーツに配置されてもさらによい。
【0038】
上述したストラップアセンブリの実施例は、ビンディングのアンクルストラップとしての使用に限定されない。図2に示すように、図1Aおよび図1Bのストラップアセンブリ100と同様のストラップアセンブリがビンディングのトウストラップとして用いられてもよい。この態様で、本発明の特徴を組み込んだ2つ以上のストラップアセンブリが単一のビンディングに使われてもよい。いくつかの実施例においてはトウストラップのみが1つ以上のこれらの特徴を組み入れている。他の実施例では、ステップインビンディング用のブーツが、本願明細書において開示される特徴の1つ以上を組み込んだ1つ以上のストラップを含んでもよい。
【0039】
締付要素210を用いる実施例において、ブーツのまわりにストラップアセンブリ100を締めるのに働く力を低減するため、締付要素210を引張るときにメカニカルアドバンテージを与える構成が採用されてもよく、締付要素(例えば締付要素210)に作用する力は、ストラップに与えられる合力より少ない。このようなメカニカルアドバンテージを与える構成の一例は、乗り手がストラップアセンブリ100を締めるのに締付要素210などの締付要素に用いなければならない力の量を低減する態様で、締付要素が他のガイド要素、例えばキャプスタン、ピンおよび/またはプーリのまわりを通る場合である。一実施例において、ストラップは少なくとも1つのキャプスタン、ピン、ポストおよび/またはプーリを備える。
【0040】
図3Aの図式表示に示すように、メカニカルアドバンテージを与えるこのような構成の一実施例が、アセンブリ300によって一般に示される。本実施例において、締付要素210の第1の端部は、取付位置306において要素213に取り付けられる。示されるように、要素はロック要素204内に組込まれてもよく、またはロック要素204から離れた位置でブーツ係合用ストラップもしくは係合ストラップに取り付けられてもよい。
【0041】
締付要素210は、開口部212aにおいて取付位置306から要素213を出て、鋸歯状ストラップ202の内部チャネル内に位置する第1のキャプスタン302のまわりを動く。締付要素は、開口部212bを通って要素213に再び入り、第2のキャプスタン304を形成する半円形経路のまわりを動いて、開口部212cを通って要素213を出る。締付要素は、鋸歯状ストラップ202内の壁220によってストラップの開口部216の方へ向けられ、そこで乗り手が掴むために締付要素210の一部が利用可能となる。
【0042】
動作において、乗り手は締付要素210を引張り、それは要素213およびそのためにロック要素全体を鋸歯状ストラップ202の上に引寄せる。締付要素210上に示される
矢印は、乗り手が引張り要素218を引張るときに締付要素210にかかる力の方向を示す。矢印AおよびBは、要素213および鋸歯状ストラップ202の互いに相対した運動方向を示す。当業者が理解するように、引張る間、取付位置306と要素218との間に締付要素の3つの支持部分があるので、3:1のメカニカルアドバンテージが与えられる。すなわち、締付要素の掴み部分に与えられる力は、ビンディングストラップを締めるために与えられる3倍大きい合力を生じる結果となる。
【0043】
図3Dに示すように構成300’が与えられ、パッド入りストラップに取り付けられる要素213に締付要素210を取り付ける代わりに、取付位置306’において鋸歯状ストラップ202に締付要素210を取り付けることにより、2:1のメカニカルアドバンテージ比率が達成される。この態様で、取付位置306’と引張り要素218との間に締付要素210の2つの支持部分が存在し、そのためこの構成300’は2:1のメカニカルアドバンテージ比率を与える。本発明はこの点で限定されないので、他の適切なメカニカルアドバンテージ比率がストラップについて与えられてもよい。
【0044】
いくつかの実施例において、アンクルストラップおよびトウストラップの両方が、締めるときにメカニカルアドバンテージを与えるよう構成される。アンクルストラップおよびトウストラップが与えるメカニカルアドバンテージは同じ比率でもよく、異なる比率でもよい。例えば、トウストラップが2:1のメカニカルアドバンテージ比率を与える一方で、アンクルストラップは3:1のメカニカルアドバンテージ比率を与えてもよい。同様に、アンクルストラップが2:1のメカニカルアドバンテージ比率を与えるよう構成され、トウストラップは3:1のメカニカルアドバンテージ比率を与えるよう構成されてもよい。本発明はこの点で限定されないので、他の適切なメカニカルアドバンテージ比率(同率または異なる比率であってもよい)が各ストラップについて与えられてもよい。
【0045】
図3Bおよび図3Cは、アセンブリ300の一実施例によるロック要素ベース205および要素213を示す。締付要素210は、締付要素210を穴240に通して穴240の下側で締付要素210を結ぶか、または圧着することによって要素213に取り付けられる。締付要素210が取付位置に取付られる態様は限定的であることを意図せず、任意の適切な方法が用いられてもよい。
【0046】
キャプスタンの特定の形状または構成材料は重要ではなく、いかなる適切な形状および/または材料が用いられてもよい。好ましくは、実施例によっては、キャプスタンは低摩擦材料でできているかまたは低摩擦被覆もしくは低摩擦面を含むが、このような材料が必要とされるわけではない。例示的実施例において、成形された樹脂、例えばデルリン(Delrin)(登録商標)アセタール樹脂で形成される構成要素に、円形または半円形の断面を有する半円形経路が与えられる。いくつかの実施例では、係合ストラップのキャプスタンの直径は約16mmであり、パッド入りストラップのキャプスタンの直径は約20mmであるが、キャプスタンについていかなる適切なサイズが使われてもよい。実施例によっては、異なる形状、例えば楕円形を有するキャプスタンが用いられてもよい。この目的のために本願明細書において、用語「キャプスタン」は、不適切な摩擦量を生成することなく締付要素の方向を変えるのに適切な、ポスト、ピン、および他の構造を含むことが意図される。
【0047】
回転不能なキャプスタンの代わりに、回転可能なプーリが用いられて締付要素210の経路を規定してもよい。このようなプーリは、キャプスタンと同じ材料、形状およびサイズで形成されてもよい。より大きいメカニカルアドバンテージが与えられるように、追加的な要素(キャプスタンまたはプーリ)が用いられても当然よい。
【0048】
上述のように、ビンディングストラップが締められた後に、余分な長さの締付要素21
0が存在してもよい。本発明の一局面によれば、締付要素のこの余り分は、例えばスプールなどの格納装置に収容されてもよい。スプールは引張り要素218内に組み込まれてもよく、ストラップアセンブリ100に対して引張り要素218を保持するという他の利点を与えることができる。
【0049】
図1Aは、格納された構成(実線)および部分的に引っ張り出された構成(一点鎖線)の引張り要素218を示す。乗り手が引張り要素218を放した後、引張り要素218内に組み込まれた格納装置が自動的に締付要素210を集め、そのため引張り要素218が例えば鋸歯状ストラップの開口部216においてストラップアセンブリ100と接触するまで引張り要素218を動かす。一実施例において開口部216は、引張り要素218の座席部のように作用するよう、引張り要素218の部分をそこで受け取るために寸法決めされる。格納装置は、引張り要素218内に含まれるスプールのまわりに余分の締付要素を自動的に巻きつける、自動巻きスプールであってもよい。ストラップ以外に配置されるガイド要素(例えば図2に示されるガイドループ230)を含まない実施例においては、図1Aに示すように、引張り要素218がストラップ開口部216においてストラップに当接するまで、自動巻きスプールが締付要素210を格納してもよい。
【0050】
格納装置400の一実施例が図4に示される。本実施例において、格納装置400は、ハンドルベース404、ハンドル蓋406およびスプール402を含む。スプール402は、例えば時計ばね(図示せず)がそこに及ぼす回転バイアスによって自動巻きである。クリンプ408は締付要素210をスプール402に固定し、締付要素210は開口部410を通過する。本発明はこの点に関しては限定されないので、他の適切な自動巻き機構が使われてもよい。
【0051】
格納装置は、自動巻きスプール402などのように自動的に動作してもよく、または実施例によっては、スプールまたは他の格納装置は、乗り手が例えばスプールを手動で巻くことによって能動的に締付要素を格納することを要してもよい。いくつかの実施例によれば、自動巻きスプールが動作するよう乗り手がトリガする場合に格納装置が用いられてもよい。反動機構または他の適切な装置を含む、他の種類の格納装置およびスプールが用いられてもよい。
【0052】
理解されるように、格納装置は、締付要素およびそのために鋸歯状係合ストラップ部分に、比較的小さいとはいえ、力を与える。実施例によっては、締付要素がその中またはそのまわりを通るような構成要素が低摩擦面で形成される。上述したように乗り手がストラップを緩めたいときは、爪が解除され、係合ストラップとブーツ係合用ストラップとが離れるように動かされる。しかしながら、ストラップ上に抵抗がない場合、格納装置がいくらかの力を及ぼしてストラップを再度締める傾向がある。一実施例によれば、鋸歯状ストラップ202は障害物222を含み、格納装置によって生じ得るこのようなロック要素204の自閉運動に抵抗する。ロック要素204の爪206が鋸歯状ストラップ202の鋸歯状の部分内にないように(すなわち図1Bの鋸歯状ストラップ202の左端に向かって)ストラップが十分に緩められた場合、障害物222が用いられて、格納装置が締付要素210を介してロック要素204に与えた力に抵抗することができる。障害物222は、鋸歯状ストラップ202の複数の鋸歯の斜面より急で、かつ/または高い斜面を有する。ユーザが締付要素210を引張るとき、爪206は容易に障害物222の上に引張られるが、障害物222が十分な抵抗を与えるので、引張り要素218の格納装置が与えた力は障害物222を越えてロック要素204を引張ることはできず、そのため不用意にストラップを締めることはできない。
【0053】
自動巻きのスプールアセンブリの代わりにまたはこれに加えて、ブーツ、ビンディングまたはストラップアセンブリ100にロック(図示せず)が与えられてもよく、締付要素
が緩くなって垂下するのを防ぐために余分な締付要素はロック部にロックされ、ポケットに収納されてもよい。図6に関して詳細に後述するように、実施例によっては、ストラップを締めるために締付要素を用いた後、締付要素の張力を保つためにロック部を用いてもよい。例えば、乗り手が締付要素を引張った後に締付要素の一部をロック部にロックし、締付要素は、スノーボード中、ストラップの張力を維持し続ける。ロック部およびポケット構成は、バートン社(The Burton Corporation)に譲渡された米国特許出願公開番号第2005/0126043号において開示されるものと同様でもよく、その全体が本願明細書に引用にて援用される。
【0054】
従来のラチェットストラップアセンブリにおいて、乗り手は鋸歯状ストラップをパッド入りストラップから分離することによって、自分のブーツをビンディングに挿入したり取り除いたりする。上述したように、本願明細書において記載されるさまざまな実施例の締付要素経路は、鋸歯状ストラップとパッド入りストラップとの十分な分離を防ぐか、そうでなければ2つのストラップピースの間に十分たるみを可能にする程度に十分長い必要がある。その代わり、本発明の一局面によれば、図1Aおよび図1Bに示すように、乗り手は、鋸歯状ストラップ202の端部に与えられる例えばループ252などのキャッチを、ヒールフープ232またはベースプレート側壁234に与えられるフック254から外し、そのためビンディングストラップの一端をビンディングから分離する。乗り手が自分のブーツを取り除いたり挿入したりした後、ループ252はフック254に再び引っ掛けられてもよい。図5に示されるように、ストラップがブーツに使われる場合に同様の構成が用いられてもよいことが理解されるべきである。
【0055】
フックおよびキャッチについては、いかなる適切なサイズ、形状および材料が用いられてもよいが、ある特定の実施例の例がここで記載される。ループはデュポン(Dupont)から入手可能なデルリン(Delrin)(登録商標)アセタール樹脂でできていてもよい。フック254と係合するループの部分を形成する材料は、外径が6.5mmのほぼ円形の断面を有する。ループ252は、幅22mm、長さ16mmの角が丸い三角形の開口部を含む。フック254はナイロンでできていて、直径6.7mmの半円形チャネルを形成し、ループ252はこれと係合される。
【0056】
例示された実施例において、ストラップアセンブリ100の鋸歯状ストラップピースにフックおよびキャッチアセンブリ250が与えられる。実施例によっては、フックおよびキャッチアセンブリ250は、ストラップアセンブリ100のブーツ係合用ストラップピースに与えられてもよい。フックおよびキャッチアセンブリは、鋸歯状ストラップピースおよびブーツ係合用ストラップピースの両方に与えられてもよい。
【0057】
いくつかの実施例においては、フック254およびループ252の相対的な位置は、フック254がストラップ(ブーツ係合用ストラップピースまたは鋸歯状ストラップピースのいずれか)に与えられ、ループ252が例えばベースプレート側壁234またはヒールフープ232などのベースに与えられるよう逆にされていてもよい。フック254またはループ252は、ベース側壁234またはヒールフープ232に直に隣接して与えられる必要はなく、いくつかの実施例のように、フック254およびループ252のうち一方(いずれの要素でもよく、ストラップ端部に与えられていない方)がブーツの上面に向って延在するように延長されてもよい。フック254またはループ252はさらに、ベースプレート側壁234またはヒールフープ232に直接に取り付けられる必要もない。例えば、フック254またはループ252は、ストラップまたはコードによって(図5に示すように)ベースプレート側壁234またはブーツに取り付けられてもよい。フック254またはループ252をベースプレート側壁234またはヒールフープ232に取り付ける特定の方法は限定的であることを意図しない。実施例によっては、フックまたはループは、ストラップ(係合ピースまたはブーツ係合用ピース)と一体的に成形されても、またはビ
ンディングと一体的に成型されてもよい。
【0058】
係合ストラップがビンディングベース(またはブーツ)と分離可能に構成されるよりはむしろ、代替的実施例において、係合ストラップがビンディングベース(または場合によってはブーツ)に結合し、フックまたはキャッチがブーツ係合用ストラップに配置され、対応する対になる構成要素(例えばフックおよびキャッチの他方)が、2つのストラップ部分が接合する場所において2つのストラップピースが互いに分離され得るように配置されてもよい。本実施例において、ロック要素は(図1Aで示すようにブーツ係合用ストラップに結合させる代わりに)ビンディングベースまたはブーツに適切に結合され、フックまたはキャッチはブーツ係合用ストラップピースに取り付けられる。先に述べた実施例のように、ストラップは係合ストラップをロック要素に相対して動かすことにより締められる。キャプスタン構成に依存して、引張るためにアクセスできる締付要素の部分は、ベースプレート近くの係合ストラップの端部に向って、またはフックもしくはキャッチにさらに近い係合ストラップの端部に向って存在する。
【0059】
図6において代替的なストラップアセンブリの実施例が示され、そこでは締付要素210が用いられて使用中ビンディングストラップをしっかりと保持する。スライダ602がブーツ係合用ストラップ110に取り付けられて、スライダつまみ604に対して摺動可能である。一実施例において、スライダつまみはチャネルを含み、スライダ602はスライダ602をスライダつまみ604に可動に保持する要素(図示せず)を含む。締付要素210は上述した実施例と同様の方法でスライダ602に結合され、乗り手は引張り要素218を用いて締付要素210を引張り、それはスライダ602を引寄せるので、ブーツ係合用ストラップ110をヒールフープ232に向って引き寄せる。スライダ602および/またはスライダつまみ604は、上述のように、適切なメカニカルアドバンテージを与えるための1つ以上の要素(例えばキャプスタンアセンブリ)を含んでもよい。図6で示される実施例において、締付要素210はスライダ602に配置される2つのキャプスタン(またはプーリ)に巻付き、比率4:1のメカニカルアドバンテージを与える。フック254とラッチ252とを含むフックおよびラッチ構成が用いられて、ビンディングストラップを対になる構成要素(例えばヒールフープ232)から分離してもよい。
【0060】
ビンディングストラップを締まった構成に保ち、かつスノーボード中にビンディングストラップに与えられる力に抵抗するために、締付要素210は張力をかけられた状態で、例えばクリート606などのロック部に固定される。引張り要素218は、締付要素210がクリート606にロックされた後に存在する余分な締付要素を集めるギャザリング装置を任意に含んでもよい。
【0061】
本願明細書において開示されるさまざまな局面の実施例が、ストラップビンディングおよびブーツの用途について示された。実施例によっては、本願明細書において開示したストラップアセンブリおよび/または他の特徴および局面は、他のスノーボード構成要素、例えばストラップを介してブーツに取り付けられ、ステップイン係合部材を介してビンディングに結合されるスノーボードビンディングインターフェースに取り付けられてもよく、これらはバートン社に譲渡されて本願明細書にその全体が引用にて援用される、米国特許第6,722,688号および米国特許第6,267,390号に記載される。
【0062】
このように、本発明の少なくとも1つの実施例のいくつかの局面を記載したが、さまざまな変更、修正および改善が当業者には容易に推考されると認められる。このような変更、修正および改善は、この開示の部分であることが意図され、本発明の精神と範囲との中にあることが意図される。したがって、前述の概要および図面は単なる例示である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1A】例示的一実施例による、ビンディングストラップとして構成されるストラップの側面図である。
【図1B】図1Aのストラップの斜視図である。
【図1C】図1Bのストラップの部分の斜視断面図である。
【図2】アンクルストラップおよびトウストラップを組み込んだビンディングの側面図であって、各ストラップは一実施例によって配列されている図である。
【図3A】本発明の一実施例によるストラップの図式的表示である。
【図3B】本発明の一実施例によるストラップ部分の平面図である。
【図3C】図3Bのストラップの部分の斜視図である。
【図3D】本発明の代替的実施例によるストラップの図式的表示である。
【図4】図1Aおよび図1Bにおいて線4で囲まれた、図1Aおよび図1Bのストラップの部分の分解斜視図である。
【図5】一例示的実施例による、ブーツストラップとして構成されるストラップの側面図である。
【図6】本発明の代替的実施例の斜視図である。
【技術分野】
【0001】
発明の背景
発明の技術分野
この発明はスノーボードブーツおよびスノーボードビンディングのためのストラップに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
乗り手のスノーボードブーツをスノーボードに固定するためのストラップ型ビンディングが公知であり、典型的には例えばアンクルストラップおよび/またはトウストラップなどの1つ以上のストラップを含み、乗り手をしっかりとビンディングに固定するためにブーツの上面にわたってしっかりと締められてもよい。同様のストラップは、多くのステップインビンディングシステムにおいて、少なくとも部分的に乗り手の足をブーツ内に固定するために用いられる。(例えばビンディングまたはステップインブーツ用の)従来のストラップは、僅かに曲がった、ブーツの上面にわたって延在する細長い帯を含む。細長い帯は、対になる鋸歯状ストラップの自由端のラチェット歯を係合するラチェットバックルを含み、乗り手がストラップを段階的にブーツの下方に向かって締めることを可能にする。ストラップピースは、典型的にはロック爪を鋸歯状ストラップから係合解除することによって、緩められたり互いから分離されたりしてもよい。
【特許文献1】米国特許出願公開番号第2005/0126043号
【特許文献2】米国特許第6,722,688号
【特許文献3】米国特許第6,267,390号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
発明の概要
一実施例において、ストラップおよび締付要素を含む装置が与えられる。ストラップは、ブーツ係合用ストラップピース、ブーツ係合用ストラップピースに結合されるロック要素、および複数の位置のうち1つにおいてロック要素と係合する係合ストラップを含む。締付要素は、係合ストラップに相対してロック要素を引張るように構築され、配列されて、スノーボードブーツのまわりにストラップを締める。
【0004】
別の実施例において、ストラップおよび締付要素を含む装置が与えられる。ストラップは、ブーツ係合用ストラップピースに結合されるロック要素、および複数の位置のうち1つにおいてロック要素を係合する係合ストラップを含む。締付要素はストラップに結合され、スノーボードブーツのまわりにストラップを締めるよう構築され、配列される。締付要素は専らストラップ上またはその中にのみ配置される。
【0005】
さらに別の実施例において、スノーボードビンディングおよびスノーボードビンディングストラップを含む装置が与えられる。スノーボードビンディングはベースプレートおよびベースプレートに取り付けられるハイバックを含む。スノーボードビンディングストラップはビンディングに取り付けられる。ビンディングストラップは、締付要素の張力によりブーツのまわりにビンディングストラップを締付けるよう構築され、配列される締付要素を含む。締付要素は、ハイバックに動作可能に結合されることなく、ビンディングストラップおよびベースに動作可能に結合される。
【0006】
さらに別の実施例において、ストラップおよび締付要素を有する装置が与えられる。締
付要素はストラップに動作可能に結合される。締付要素は第1の部分を有し、ストラップは締付要素に張力をかけることによって締付可能である。格納装置が締付要素に結合され、締付要素の第1の部分を集めるよう適合される。
【0007】
別の実施例においてスノーボードビンディングが与えられる。ビンディングは、ベースプレートおよびベースプレートに接続可能なストラップを含む。ストラップは、ブーツ係合用ストラップピース、ブーツ係合用ストラップピースに結合されるロック要素およびロック要素を係合する係合ストラップピースを含む。締付要素はロック要素に結合される。締付要素は係合ストラップに相対してロック要素を引張るように構築され、配列されて、スノーボードブーツのまわりにストラップを締める。締付要素は、締付要素を引張るときに、ブーツのまわりにストラップを締める際にメカニカルアドバンテージを与えるよう構成される経路を通り、それにより、締付要素に与えられる第1の力はストラップ上に第2の力を生じる結果となる。第2の力は第1の力より大きい。ギャザリング装置は締付要素の一部を集めるよう構成される。
【0008】
別の実施例において、ある装置が与えられる。装置は、スノーボードビンディングと、スノーボードブーツを係合し、少なくとも部分的にブーツをビンディングに固定するよう構築され、配列される第1のビンディングストラップと、第1のビンディングストラップに結合される第1の締付要素とを含む。第1のビンディングストラップは、鋸歯状ストラップとして構成される係合ストラップを含む。第1の締付要素経路が与えられ、締付要素を引張るときに、ブーツのまわりに第1のビンディングストラップを締める際にメカニカルアドバンテージを与えるよう構成され、そこで第1の締付要素に与えられる作用力は、作用力より大きい合力を第1のビンディングストラップ上に生じる結果となる。
【0009】
さらに別の実施例では、ストラップ、第1の締付要素、および少なくとも1つのガイド要素を有する装置が与えられる。ストラップは、スノーボードブーツを係合するよう構築され、配列される。ストラップは、ブーツ係合用ストラップピースおよび係合ストラップピースを含む。第1の締付要素はストラップに結合され、ブーツのまわりにストラップを締める。少なくとも1つのガイド要素はストラップに配列される。第1の締付要素経路は、第1の締付要素を引張るときに、ブーツのまわりにストラップを締める際にメカニカルアドバンテージを与える態様で、少なくとも1つのガイド要素のまわりを通り、第1の締付要素に与えられる作用力は、作用力より大きい合力をストラップ上に生じる結果となる。
【0010】
別の実施例では、ブーツを挿入したり取外したりするためのスノーボードビンディング装置を準備する方法が与えられる。スノーボードビンディング装置は、ベース、ブーツ係合用ストラップ、および係合ストラップを含む。方法は、ブーツ係合用ストラップおよび係合ストラップの少なくとも1つを掴むステップと、ビンディング装置ベースから係合ストラップ端部を外すステップとを含み、それにより、その端部をブーツの挿入または取外しに充分なだけビンディング装置ベースから解放する。
【0011】
本発明のさまざまな実施例はある利点を与える。本発明の全ての実施例が同じ利点を共有するわけではなく、共有するものが全て同じ状況下で共有するわけではない。
【0012】
本発明のさらなる特徴および利点は、本発明のさまざまな実施例の構造と同様に、添付の図面に関して以下に詳細に記載される。
【0013】
添付の図面は、縮尺どおりに描かれるよう意図されない。図面において、さまざまな図に示される同一またはほぼ同一の構成要素の各々は、類似の符号によって表される。明確にするため、すべての構成要素がすべての図面においてラベル付けされているわけではな
い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
詳細な説明
本願明細書において記載される本発明の実施例は、下記の説明に示され、図面に示される構造の詳細および構成要素の配列に対する適用に限定されない。さまざまなやり方で他の実施例が実行され、実施され得る。また、本願明細書において用いられる語法および用語は、説明のためであり、限定的にみなされてはならない。「含む(including, comprising, containing)」「有する(having)」「伴う(involving)」およびこれらの変形例の使用は、付加的な項目同様、以後列挙される項目およびその均等物を含むことが意図される。
【0015】
一実施例において、スノーボードビンディングまたはスノーボードブーツ用ストラップが1つ以上の機能とともに与えられ、それは単独でも適切な組合わせでも利用することができ、スノーボードの乗り手が容易に、素早く、かつ/または効果的に自分のブーツのまわりにストラップを締めたり緩めたりすることを可能にする。ストラップはブーツ係合用ストラップピースを含んでもよく、それは僅かに曲がった、スノーボードブーツの上面にわたって延在するよう適合された細長い帯として構成される。ブーツ係合用ストラップピース(任意でパッドを入れてもよく、したがってパッド入りストラップピースと称してもよい)は、ストラップ型ビンディングの場合と同様に、ブーツ(例えばステップインビンディングブーツ)またはビンディングに結合可能な係合ストラップピースと係合する。ブーツ係合用ストラップピースおよび対になる係合ストラップは、2つのストラップピースの締付/緩めを容易にする1つ以上の構成を含み、そのため乗り手が自分の足をブーツに滑り込ませたり引き抜いたりでき、またはブーツをスノーボードビンディングもしくはその構成要素に締付けたりそこから取外したりできる。結果的なストラップは、ビンディング内でブーツを、またはブーツ内で乗り手の足を支え、スノーボード中に働く力に耐えるために充分な支持をブーツおよび/または足に与えるよう構成されてもよい。ストラップは、ブーツ係合用ストラップに調節可能に装着される装着ストラップをさらに含んでもよい。
【0016】
本発明の一態様によれば、ストラップは、ブーツ係合用ストラップおよび係合ストラップを段階的に締付けるための構成を含み、それによりストラップをブーツまたはビンディングに固定する。締付構成は、一方または両方のストラップピースに適切に結合される締付要素(本発明はこの点で限定されないが、例えばコード、レースまたはストラップ)を含み、そのため乗り手は締付要素を引張ってストラップピースを互いに相対に動かし、ストラップを締めることができる。この態様で、乗り手はちょうど履物の紐を引張るように、単に締付要素に手を伸ばしてそれを引張ればよい。締付要素が一方または両方のストラップピースに結合するので、それらは互いに向って引張られるかまたは動かされて有効に閉じる。ストラップピースは、適切な解放可能なロック構成を用いて締まった位置において保たれる。
【0017】
さらに詳細に後述するように、一実施例において、ブーツ係合用ストラップピースは、係合ストラップピースを係合するロック要素を含む。ロック要素は、ブーツ係合用ストラップピースにではなく、対になる係合ストラップピースに配置され得るので、当然本発明はこの点に関して限定されない。締付要素はロック要素に固定され、締付要素の自由端を引張ると、ロック要素は対向するストラップピースに引き寄せられて、係合ストラップをブーツ係合用ストラップにロックする。一実施例において、締付要素は、ブーツ係合用ストラップピースの表面に向う捩りモーメントが2つのストラップピースの接続においてほとんどまたは全く生成されない態様で、ブーツ係合用ストラップピースと係合ストラップピースとを互いに相対して引き寄せる。
【0018】
一実施例において、締付要素は、専らストラップ上またはその中に完全に収容され、そのため、ストラップを締めるために引張られる自由端を除く締付要素のどの部分も、ブーツおよび/またはビンディングの他の構成要素に係合しない。本発明が締付要素の端部を引張ることに限定されないことが理解されるべきである。そうではなく、所望の運動および/または張力を与える締付要素のいかなる部分が引張られてもよい。一実施例において、締付要素は、それ自体が2つのストラップピースを互いに対してしっかりと保つことに関与するわけではない。そうではなく、本発明の一態様によれば、締付要素は単に一方のストラップを他方のストラップに相対して動かすことを容易にするだけである。一旦所望の締まり具合が達成されると締付要素上の張力は解除されてもよく、ストラップは、ストラップ間の解放可能なロック構成および/または要素を介して固定される。
【0019】
締付要素を引張ることが直接にストラップの張力量に対応する態様で、締付要素がストラップピースに結合されてもよい。代替的には、本発明の別の態様によれば、締付構成はメカニカルアドバンテージを与えるよう構成され、それにより、ストラップを締めるのに働く力の量はストラップ上の張力の量より少ない。すなわち、締付要素に与えられる力は、結果としてより大きいストラップに与えられる力を生じる。一実施例において、締付要素は、締付要素の移動量が増える一方で締付要素を引張る力が低下する態様で構成される経路を通る。この点に関しては、締付要素に与えられる力が比較的低いのに対し、ストラップを締めるのに必要な仕事量(すなわち距離を乗算した力)は、メカニカルアドバンテージが与えられなかったかのように、同じである。しかしながら、ユーザにとっては、ストラップを締めるのに必要な労力が少なくてすむ。一実施例において、詳細に後述するように、適切なキャプスタン、ポスト、ピン、プーリまたは他の個別もしくは一緒に用いられる構造のまわりを締付要素が通ることによって、このメカニカルアドバンテージが達成されてもよい。
【0020】
一実施例において、メカニカルアドバンテージにより、合力対作用力(すなわち、締める方向においてストラップ構成要素間に作用する力対締付要素を引張るのに要する力)が2:1の比率で与えられる。別の実施例では、メカニカルアドバンテージは3:1の比率を与える。さらに別の実施例では、メカニカルアドバンテージは4:1の比率を与える。例えば1.5:1,2.5:1,3.5:1などを含む他の適切な比率が与えられてもよいので、本発明がこの点で限定されないことが理解されるべきである。このように、本発明のこの態様によれば、本発明はこの点に関して限定されないので、1:1より大きい(すなわち作用力より合力の方が大きい)任意のメカニカルアドバンテージが採用されてもよい。さらに、ブーツの固定のために2つ以上のストラップが用いられる適用例において、各ストラップは同じまたは異なるメカニカルアドバンテージを有してもよい。例えば一実施例において、スノーボードビンディングアンクルストラップが3:1の比率を利用し、トウストラップが2:1の比率を利用するが、本発明はこの点に関して限定されず、トウストラップに与えられるメカニカルアドバンテージがアンクルストラップに与えられるものより大きいような比率を含む、異なる比率が用いられてもよい。
【0021】
ストラップが締まった後にできる締付要素のいかなる自由端も、適切な態様で収納することができる。余った長さがポケットに収容され、結ばれ、それ自体または別の構成要素のまわりに巻き付けられ得る一方で、本発明の一局面によれば、締付要素のこの余り分はスプールのまわりに収容される。一実施例において、締付要素の自由端は、乗り手がスプールを引張ってストラップを締めることができるよう、スプールに結合される。スプールは、乗り手が掴んでいたスプールを放すとスプールが自動的に締付要素の余り分を集めてストラップの方へ格納する、自動巻きスプールであってもよい。代替として、スプールは、締付要素を引き寄せた後に余り分を手動でスプールのまわりに巻き取る、手動の操作を必要としてもよい。
【0022】
乗り手が自分の足をブーツに滑り込ませ、または乗り手がブーツをビンディングに挿入できるようにするために充分な空間をもたせることができるよう、ストラップ構成要素は典型的には十分に離れている。これは、従来のストラップのように、ブーツ係合用ストラップを係合ストラップから分離することによって達成されてもよい。しかしながら、一実施例において、これらの2つのストラップピースは締付要素を介してともに結合される。このような実施例では、2つのストラップピースを分離すると2つのストラップピース間に結合した締付要素が露出され、締付要素は分離を可能にするための充分なたるみを生成することができる程度に十分長い。本発明の一局面によれば、ブーツ係合用ストラップを係合ストラップから分離する代わりに、乗り手は対になる構成要素(例えばブーツまたはビンディング)から一方のストラップの端部を外すことができ、ブーツへの足の挿入/引き抜きまたはビンディングへのブーツの挿入/引き抜きのために十分な量だけ、その構成要素からストラップの端部を解放する。一旦足がブーツに挿入され、またはブーツがビンディングに挿入されると、ストラップはブーツ上に配置され、構成要素に再度引っ掛けることができる。一実施例において、係合ストラップの端部にキャッチが配置され、このキャッチが構成要素に配置されるフックから外されたり引っ掛けられたりする。代替的に、係合ストラップにフックが与えられてもよく、対応するキャッチが対になる構成要素に与えられてもよい。いくつかの実施例において、フックまたはキャッチは、係合ストラップの端部に与えられる代わりに、またはこれに加えて、ブーツ係合用ストラップの端部に与えられてもよい。別の実施例において、フックまたはキャッチがブーツ係合用ストラップに与えられ、フックまたはキャッチの他方が係合ストラップに与えられてもよい。この点では、ブーツ係合用ストラップと係合ストラップとは互いから分離していてもよい。
【0023】
本発明はこの点で限定されないので、本発明の上記の局面はいかなる適切な組合わせにおいて用いられてもよい。さらに、上記の局面のいずれかまたはすべてがスノーボードビンディングまたはスノーボードブーツにおいて用いられてもよい。しかしながら本発明はこの点で限定されず、本発明の局面はいかなる種類の履物またはビンディングに用いられてもよい。ここで本発明のさまざまな局面および実施例が添付の図面に関してさらに詳細に記載される。しかしながら本発明は図示した局面および実施例に限られない。
【0024】
上述の局面のいくつかを組み込んだ本発明の一実施例によるストラップアセンブリ100が、図1Aから図1Cに示される。ストラップアセンブリ100は、例えば鋸歯状ストラップ202などの係合ストラップと、例えばパッド入りストラップなどのブーツ係合用ストラップ110にロック要素ベース205を介して取り付けられるロック要素204とを含む。ロック要素204は、例えばレバー207に備えられる爪206などのストラップ係合要素を有する。レバー207、およびそのため爪206は、ばね208によって鋸歯状ストラップ202上の鋸歯に向って付勢される(図1Cを参照)。ロック要素204は、後述するように、爪206を鋸歯状ストラップ202から解除するための解除ハンドル209をも含んでもよい。
【0025】
例えばスノーボードブーツなどのブーツのまわりにストラップアセンブリ100を締めるために、引張り紐として構成され得る締付要素210がロック要素204に結合される。引張り締付要素210に張力をかけることによって、乗り手は鋸歯状ストラップ202に相対してロック要素204を引張り、これによりブーツのまわりにストラップアセンブリ100を徐々に締める。この点では、爪206は鋸歯状ストラップの歯を係合し、ストラップピースを互いにロックされた態様で保つ。本発明の一局面によれば、ストラップは、スノーボードストラップに通常見られる、ストラップを締めるためのラチェットレバーはなく、鋸歯状ストラップのラチェット歯を係合するロック爪と、爪をラチェット歯に締付ける締付要素とを伴って構成される。
【0026】
例示的実施例において、締付要素210はロック要素204の構成要素に取り付けられる。しかしながら他の実施例では、締付要素はブーツ係合用ストラップ110に直接取り付けられても、別の適切な態様でロック要素に結合してもよい。さらに他の実施例において、締付要素210は係合ストラップ(例えば鋸歯状ストラップ202)に取り付けられてもよく、ロック要素に相対して係合ストラップを引張るよう構成されてもよい。
【0027】
引張り紐が図の例に示されるが、本発明はこの点に関して限定されず、他の適切な締付要素、例えばストラップまたはレースが用いられてもよい。
【0028】
一実施例において、締付要素210をロック要素204に固定するために、締付要素210は要素213に取り付けられる。締付要素210はこの取付部から開口部212aを通り、係合ストラップ202に形成される内部チャネル214に沿って動く。チャネル214への開口部216は、乗り手が締付要素を引張ることができるよう、締付要素210へのアクセスを与える。一実施例において、締付要素は、開口部を通ってチャネルを出て引張り要素218に結合され、乗り手に掴む要素を与える。一実施例において、締付要素210は引張り要素218で終了する。しかしながら引張り要素は、締付要素の端部から間隔を置いたいかなる適切な位置においても締付要素に取り付けられることができ、本発明はこの点で限定されない。
【0029】
例示的実施例において、締付要素210をブーツ係合用ストラップ110に結合させるために、要素、例えば錨が使われ、ロック要素204の構成要素として組み込まれる。本発明はこの点において限定されず、締付要素210は例えばロック要素204またはブーツ係合用ストラップ110のいずれかの穴を通してこれらの構成要素に固定されるだけなので、要素213は必要でない。上述のように、締付要素210はブーツ係合用ストラップ110の他の位置に取り付けられてもよく、鋸歯状ストラップ202に取り付けられてもよい。したがって、ロック要素204とは別個に要素213または他の固定機構が与えられてもよい。ある実施例では同じストラップ上に、また他の実施例では異なるストラップ上に別個に与えられてもよい。
【0030】
一実施例において、締付要素は、ブーツ係合用ストラップピースの表面に向う捩れモーメントが2つのストラップピースの接続においてほとんどまたは全く生成されない態様で、ブーツ係合用ストラップピースおよび係合ストラップピースを互いに相対して引き寄せる。すなわち、ロック要素に対する締付要素の取付位置は、ストラップが締まるときにロック要素がブーツ係合用ストラップピースの表面に向かって回転しないように配置される。一実施例において、ロック要素はモーメントを生じない。別の実施例では、ロック要素は、ブーツ係合用ストラップピースの表面から離れる方向においてモーメントを生じる。
【0031】
いくつかの場合には、鋸歯状ストラップがブーツ係合用ストラップから完全に係合解除されるのを防ぐことが望ましいかもしれない。したがって一実施例において、鋸歯状ストラップ202は、鋸歯状ストラップ202がロック要素204から完全に係合解除されるのを防ぐ、ブロック要素224をさらに含む。図1Bに示される実施例において、鋸歯状ストラップ202およびロック要素204が、鋸歯状ストラップ202がロック要素204から完全に係合解除される危険のあるような量だけ互いに相対して動かされる場合、ブロック要素224の下向きの突起がロック要素204の構成要素(例えば図1Cに示す要素213)に接触し、鋸歯状ストラップ202がロック要素204から出ることを防ぐ。当然、鋸歯状ストラップ202がロック要素204から完全に係合解除されるのを防ぐ他の態様が採用されてもよく、実施例によっては、完全な係合解除は防げない。
【0032】
引張り要素218は環状のハンドル、または任意の適切な形状のハンドルであってもよく、いかなる適切な材料でできていてもよいが、いくつかの実施例では外側の構成要素は
プラスチックでできている。例えば、引張り要素218は締付要素に取付けたループを有するハンドルであってもよい。引張り要素218は締付要素210のループ状端部であってもよく、そのため締付要素210の端部には別個の装置は与えられない。
【0033】
ロック要素204をロック可能に係合する係合ストラップの使用により、乗り手がストラップアセンブリ100を段階的に締めることが可能になる。一局面によれば、、締付要素210上の張力が解除されると、係合ストラップおよびブーツ係合用ストラップはストラップアセンブリの張力をさらに担持する。このように、スノーボード中にストラップにかかる荷重は、従来のラチェットストラップ構成と同様の態様でストラップアセンブリ100によって担持され得る。ストラップの張力を保つために係合ストラップおよびロック要素を用いることにより、乗り手はストラップを締めた後に単に締付要素を放せばよく、締付要素は張力をかけられた状況でロックされたり保持されたりする必要はない。この点について一実施例では、締付要素は単に一方のストラップピースを他方のピースと相対して動かすのを容易にするだけである。
【0034】
一実施例において、係合ストラップは歯のあるストラップ(鋸歯状ストラップとも称する)として構成され、歯は個々に爪と係合してストラップを締められた位置に保っている。しかしながら本発明は、締まり具合がこのようなステップごとの選択に限られるわけではないと理解される。鋸歯状ストラップが小刻みに選択可能な異なったレベルのストラップの締まり具合をもたらす一方で、係合ストラップは摩擦でロック爪を係合するよう構成されてもよい。このような実施例では、ストラップアセンブリは細かい刻みで締まり具合の選択を与えることができる。本発明はこの点に関して限定されないので、他の適切な係合ストラップおよび関連したロック要素構成が使われてもよい。
【0035】
締付要素210は無数のやり方のうちいずれによって実現されてもよく、本発明のさまざまな実施例はいかなる特定の実現例にも限られない。締付要素210はモノフィラメントまたはマルチストランド線から形成されてもよい。本発明の一例示的実施例によれば、締付要素210は、張力を支持することができる低摩擦材料で形成される。実施例によっては、1200ニュートンの張力に耐えることができる締付要素を使用することが有利である。任意の適切な外径を有する締付要素が使われ得るが、一実施例において、締付要素210は約1.2mmの外径を有する。締付要素210に用いられ得る材料は、いかなる特定の材料または特定の形式(例えば織物、編物、撚られた物、またはモノフィラメント)にも限られないが、例としては、さまざまな種類の天然または人工の繊維またはファブリック、プラスチックおよび/もしくは金属を含む。一実施例において、締付要素210は鋼線である。別の実施例では、ポリエチレン、例えばハネウェルインターナショナル社(Honeywell International, Inc.)製のスペクトラ(Spectra)(登録商標)ブランドのファイバを含む締付要素が用いられてもよい。他の実施例において、鋼線または他の金属もしくは非金属ケーブルは、ナイロン被覆、フッ素重合体例えばテフロン(Teflon)(登録商標)フッ素重合体被覆、または他の適切な被覆で覆われていてもよい。
【0036】
図lAから図1Cに示される実施例において、スノーボードビンディングおよびストラップアセンブリは、締付要素およびストラップが内蔵式に、すなわち締付要素が専らストラップ内のみに配置されるように構成される。この目的で、本願明細書において、締付要素が、乗り手(乗り手が引張るとき)、ストラップ、および/またはストラップに配置される構成要素にのみ実質的に接触するよう構成される場合、締付要素は専らストラップ上またはその中にのみ配置される。例えば図1Aおよび図1Bにおいて示される実施例において、締付要素210がストラップ開口部216を通ってビンディングストラップから外へ延在する場合であっても、締付要素210は専らビンディングストラップ内のみに配置される。なぜならば締付要素210はビンディングまたはブーツに配置される構成要素(
例えばポスト、ループ、プーリ、キャプスタンまたは他のガイド要素)に接触しないからである。
【0037】
図1Aおよび図1Bに示され、説明される実施例は、締付要素210が専らストラップ内のみに配置されるストラップに向けられるが、本発明はそれに限定されず、他の実施例では締付要素は周囲の他の構成要素を係合してもよい。例えば、実施例によっては、締付要素210は、図2に示すように、ビンディングのベースプレート側壁、ヒールフープ、またはハイバックに配置される要素を介して通ってもよい。本実施例において、ガイドループ230はビンディングのヒールフープ232上でガイド部を形成し、締付要素210はガイドループ230を通る。締付要素210のガイドループ230との接点は、鋸歯状ストラップ202と引張り要素218との間に生じ、そのため締付要素210は専らビンディングストラップ上またはその中のみに配置されるわけではない。いくつかの実施例において、ガイドループ230または別の適切なガイド要素はベースプレート側壁234に配置されてもよく、締付要素のいずれの部分も動作可能にハイバックに接続しない。いくつかの実施例では、ガイド要素はブーツに配置されてもさらによい。
【0038】
上述したストラップアセンブリの実施例は、ビンディングのアンクルストラップとしての使用に限定されない。図2に示すように、図1Aおよび図1Bのストラップアセンブリ100と同様のストラップアセンブリがビンディングのトウストラップとして用いられてもよい。この態様で、本発明の特徴を組み込んだ2つ以上のストラップアセンブリが単一のビンディングに使われてもよい。いくつかの実施例においてはトウストラップのみが1つ以上のこれらの特徴を組み入れている。他の実施例では、ステップインビンディング用のブーツが、本願明細書において開示される特徴の1つ以上を組み込んだ1つ以上のストラップを含んでもよい。
【0039】
締付要素210を用いる実施例において、ブーツのまわりにストラップアセンブリ100を締めるのに働く力を低減するため、締付要素210を引張るときにメカニカルアドバンテージを与える構成が採用されてもよく、締付要素(例えば締付要素210)に作用する力は、ストラップに与えられる合力より少ない。このようなメカニカルアドバンテージを与える構成の一例は、乗り手がストラップアセンブリ100を締めるのに締付要素210などの締付要素に用いなければならない力の量を低減する態様で、締付要素が他のガイド要素、例えばキャプスタン、ピンおよび/またはプーリのまわりを通る場合である。一実施例において、ストラップは少なくとも1つのキャプスタン、ピン、ポストおよび/またはプーリを備える。
【0040】
図3Aの図式表示に示すように、メカニカルアドバンテージを与えるこのような構成の一実施例が、アセンブリ300によって一般に示される。本実施例において、締付要素210の第1の端部は、取付位置306において要素213に取り付けられる。示されるように、要素はロック要素204内に組込まれてもよく、またはロック要素204から離れた位置でブーツ係合用ストラップもしくは係合ストラップに取り付けられてもよい。
【0041】
締付要素210は、開口部212aにおいて取付位置306から要素213を出て、鋸歯状ストラップ202の内部チャネル内に位置する第1のキャプスタン302のまわりを動く。締付要素は、開口部212bを通って要素213に再び入り、第2のキャプスタン304を形成する半円形経路のまわりを動いて、開口部212cを通って要素213を出る。締付要素は、鋸歯状ストラップ202内の壁220によってストラップの開口部216の方へ向けられ、そこで乗り手が掴むために締付要素210の一部が利用可能となる。
【0042】
動作において、乗り手は締付要素210を引張り、それは要素213およびそのためにロック要素全体を鋸歯状ストラップ202の上に引寄せる。締付要素210上に示される
矢印は、乗り手が引張り要素218を引張るときに締付要素210にかかる力の方向を示す。矢印AおよびBは、要素213および鋸歯状ストラップ202の互いに相対した運動方向を示す。当業者が理解するように、引張る間、取付位置306と要素218との間に締付要素の3つの支持部分があるので、3:1のメカニカルアドバンテージが与えられる。すなわち、締付要素の掴み部分に与えられる力は、ビンディングストラップを締めるために与えられる3倍大きい合力を生じる結果となる。
【0043】
図3Dに示すように構成300’が与えられ、パッド入りストラップに取り付けられる要素213に締付要素210を取り付ける代わりに、取付位置306’において鋸歯状ストラップ202に締付要素210を取り付けることにより、2:1のメカニカルアドバンテージ比率が達成される。この態様で、取付位置306’と引張り要素218との間に締付要素210の2つの支持部分が存在し、そのためこの構成300’は2:1のメカニカルアドバンテージ比率を与える。本発明はこの点で限定されないので、他の適切なメカニカルアドバンテージ比率がストラップについて与えられてもよい。
【0044】
いくつかの実施例において、アンクルストラップおよびトウストラップの両方が、締めるときにメカニカルアドバンテージを与えるよう構成される。アンクルストラップおよびトウストラップが与えるメカニカルアドバンテージは同じ比率でもよく、異なる比率でもよい。例えば、トウストラップが2:1のメカニカルアドバンテージ比率を与える一方で、アンクルストラップは3:1のメカニカルアドバンテージ比率を与えてもよい。同様に、アンクルストラップが2:1のメカニカルアドバンテージ比率を与えるよう構成され、トウストラップは3:1のメカニカルアドバンテージ比率を与えるよう構成されてもよい。本発明はこの点で限定されないので、他の適切なメカニカルアドバンテージ比率(同率または異なる比率であってもよい)が各ストラップについて与えられてもよい。
【0045】
図3Bおよび図3Cは、アセンブリ300の一実施例によるロック要素ベース205および要素213を示す。締付要素210は、締付要素210を穴240に通して穴240の下側で締付要素210を結ぶか、または圧着することによって要素213に取り付けられる。締付要素210が取付位置に取付られる態様は限定的であることを意図せず、任意の適切な方法が用いられてもよい。
【0046】
キャプスタンの特定の形状または構成材料は重要ではなく、いかなる適切な形状および/または材料が用いられてもよい。好ましくは、実施例によっては、キャプスタンは低摩擦材料でできているかまたは低摩擦被覆もしくは低摩擦面を含むが、このような材料が必要とされるわけではない。例示的実施例において、成形された樹脂、例えばデルリン(Delrin)(登録商標)アセタール樹脂で形成される構成要素に、円形または半円形の断面を有する半円形経路が与えられる。いくつかの実施例では、係合ストラップのキャプスタンの直径は約16mmであり、パッド入りストラップのキャプスタンの直径は約20mmであるが、キャプスタンについていかなる適切なサイズが使われてもよい。実施例によっては、異なる形状、例えば楕円形を有するキャプスタンが用いられてもよい。この目的のために本願明細書において、用語「キャプスタン」は、不適切な摩擦量を生成することなく締付要素の方向を変えるのに適切な、ポスト、ピン、および他の構造を含むことが意図される。
【0047】
回転不能なキャプスタンの代わりに、回転可能なプーリが用いられて締付要素210の経路を規定してもよい。このようなプーリは、キャプスタンと同じ材料、形状およびサイズで形成されてもよい。より大きいメカニカルアドバンテージが与えられるように、追加的な要素(キャプスタンまたはプーリ)が用いられても当然よい。
【0048】
上述のように、ビンディングストラップが締められた後に、余分な長さの締付要素21
0が存在してもよい。本発明の一局面によれば、締付要素のこの余り分は、例えばスプールなどの格納装置に収容されてもよい。スプールは引張り要素218内に組み込まれてもよく、ストラップアセンブリ100に対して引張り要素218を保持するという他の利点を与えることができる。
【0049】
図1Aは、格納された構成(実線)および部分的に引っ張り出された構成(一点鎖線)の引張り要素218を示す。乗り手が引張り要素218を放した後、引張り要素218内に組み込まれた格納装置が自動的に締付要素210を集め、そのため引張り要素218が例えば鋸歯状ストラップの開口部216においてストラップアセンブリ100と接触するまで引張り要素218を動かす。一実施例において開口部216は、引張り要素218の座席部のように作用するよう、引張り要素218の部分をそこで受け取るために寸法決めされる。格納装置は、引張り要素218内に含まれるスプールのまわりに余分の締付要素を自動的に巻きつける、自動巻きスプールであってもよい。ストラップ以外に配置されるガイド要素(例えば図2に示されるガイドループ230)を含まない実施例においては、図1Aに示すように、引張り要素218がストラップ開口部216においてストラップに当接するまで、自動巻きスプールが締付要素210を格納してもよい。
【0050】
格納装置400の一実施例が図4に示される。本実施例において、格納装置400は、ハンドルベース404、ハンドル蓋406およびスプール402を含む。スプール402は、例えば時計ばね(図示せず)がそこに及ぼす回転バイアスによって自動巻きである。クリンプ408は締付要素210をスプール402に固定し、締付要素210は開口部410を通過する。本発明はこの点に関しては限定されないので、他の適切な自動巻き機構が使われてもよい。
【0051】
格納装置は、自動巻きスプール402などのように自動的に動作してもよく、または実施例によっては、スプールまたは他の格納装置は、乗り手が例えばスプールを手動で巻くことによって能動的に締付要素を格納することを要してもよい。いくつかの実施例によれば、自動巻きスプールが動作するよう乗り手がトリガする場合に格納装置が用いられてもよい。反動機構または他の適切な装置を含む、他の種類の格納装置およびスプールが用いられてもよい。
【0052】
理解されるように、格納装置は、締付要素およびそのために鋸歯状係合ストラップ部分に、比較的小さいとはいえ、力を与える。実施例によっては、締付要素がその中またはそのまわりを通るような構成要素が低摩擦面で形成される。上述したように乗り手がストラップを緩めたいときは、爪が解除され、係合ストラップとブーツ係合用ストラップとが離れるように動かされる。しかしながら、ストラップ上に抵抗がない場合、格納装置がいくらかの力を及ぼしてストラップを再度締める傾向がある。一実施例によれば、鋸歯状ストラップ202は障害物222を含み、格納装置によって生じ得るこのようなロック要素204の自閉運動に抵抗する。ロック要素204の爪206が鋸歯状ストラップ202の鋸歯状の部分内にないように(すなわち図1Bの鋸歯状ストラップ202の左端に向かって)ストラップが十分に緩められた場合、障害物222が用いられて、格納装置が締付要素210を介してロック要素204に与えた力に抵抗することができる。障害物222は、鋸歯状ストラップ202の複数の鋸歯の斜面より急で、かつ/または高い斜面を有する。ユーザが締付要素210を引張るとき、爪206は容易に障害物222の上に引張られるが、障害物222が十分な抵抗を与えるので、引張り要素218の格納装置が与えた力は障害物222を越えてロック要素204を引張ることはできず、そのため不用意にストラップを締めることはできない。
【0053】
自動巻きのスプールアセンブリの代わりにまたはこれに加えて、ブーツ、ビンディングまたはストラップアセンブリ100にロック(図示せず)が与えられてもよく、締付要素
が緩くなって垂下するのを防ぐために余分な締付要素はロック部にロックされ、ポケットに収納されてもよい。図6に関して詳細に後述するように、実施例によっては、ストラップを締めるために締付要素を用いた後、締付要素の張力を保つためにロック部を用いてもよい。例えば、乗り手が締付要素を引張った後に締付要素の一部をロック部にロックし、締付要素は、スノーボード中、ストラップの張力を維持し続ける。ロック部およびポケット構成は、バートン社(The Burton Corporation)に譲渡された米国特許出願公開番号第2005/0126043号において開示されるものと同様でもよく、その全体が本願明細書に引用にて援用される。
【0054】
従来のラチェットストラップアセンブリにおいて、乗り手は鋸歯状ストラップをパッド入りストラップから分離することによって、自分のブーツをビンディングに挿入したり取り除いたりする。上述したように、本願明細書において記載されるさまざまな実施例の締付要素経路は、鋸歯状ストラップとパッド入りストラップとの十分な分離を防ぐか、そうでなければ2つのストラップピースの間に十分たるみを可能にする程度に十分長い必要がある。その代わり、本発明の一局面によれば、図1Aおよび図1Bに示すように、乗り手は、鋸歯状ストラップ202の端部に与えられる例えばループ252などのキャッチを、ヒールフープ232またはベースプレート側壁234に与えられるフック254から外し、そのためビンディングストラップの一端をビンディングから分離する。乗り手が自分のブーツを取り除いたり挿入したりした後、ループ252はフック254に再び引っ掛けられてもよい。図5に示されるように、ストラップがブーツに使われる場合に同様の構成が用いられてもよいことが理解されるべきである。
【0055】
フックおよびキャッチについては、いかなる適切なサイズ、形状および材料が用いられてもよいが、ある特定の実施例の例がここで記載される。ループはデュポン(Dupont)から入手可能なデルリン(Delrin)(登録商標)アセタール樹脂でできていてもよい。フック254と係合するループの部分を形成する材料は、外径が6.5mmのほぼ円形の断面を有する。ループ252は、幅22mm、長さ16mmの角が丸い三角形の開口部を含む。フック254はナイロンでできていて、直径6.7mmの半円形チャネルを形成し、ループ252はこれと係合される。
【0056】
例示された実施例において、ストラップアセンブリ100の鋸歯状ストラップピースにフックおよびキャッチアセンブリ250が与えられる。実施例によっては、フックおよびキャッチアセンブリ250は、ストラップアセンブリ100のブーツ係合用ストラップピースに与えられてもよい。フックおよびキャッチアセンブリは、鋸歯状ストラップピースおよびブーツ係合用ストラップピースの両方に与えられてもよい。
【0057】
いくつかの実施例においては、フック254およびループ252の相対的な位置は、フック254がストラップ(ブーツ係合用ストラップピースまたは鋸歯状ストラップピースのいずれか)に与えられ、ループ252が例えばベースプレート側壁234またはヒールフープ232などのベースに与えられるよう逆にされていてもよい。フック254またはループ252は、ベース側壁234またはヒールフープ232に直に隣接して与えられる必要はなく、いくつかの実施例のように、フック254およびループ252のうち一方(いずれの要素でもよく、ストラップ端部に与えられていない方)がブーツの上面に向って延在するように延長されてもよい。フック254またはループ252はさらに、ベースプレート側壁234またはヒールフープ232に直接に取り付けられる必要もない。例えば、フック254またはループ252は、ストラップまたはコードによって(図5に示すように)ベースプレート側壁234またはブーツに取り付けられてもよい。フック254またはループ252をベースプレート側壁234またはヒールフープ232に取り付ける特定の方法は限定的であることを意図しない。実施例によっては、フックまたはループは、ストラップ(係合ピースまたはブーツ係合用ピース)と一体的に成形されても、またはビ
ンディングと一体的に成型されてもよい。
【0058】
係合ストラップがビンディングベース(またはブーツ)と分離可能に構成されるよりはむしろ、代替的実施例において、係合ストラップがビンディングベース(または場合によってはブーツ)に結合し、フックまたはキャッチがブーツ係合用ストラップに配置され、対応する対になる構成要素(例えばフックおよびキャッチの他方)が、2つのストラップ部分が接合する場所において2つのストラップピースが互いに分離され得るように配置されてもよい。本実施例において、ロック要素は(図1Aで示すようにブーツ係合用ストラップに結合させる代わりに)ビンディングベースまたはブーツに適切に結合され、フックまたはキャッチはブーツ係合用ストラップピースに取り付けられる。先に述べた実施例のように、ストラップは係合ストラップをロック要素に相対して動かすことにより締められる。キャプスタン構成に依存して、引張るためにアクセスできる締付要素の部分は、ベースプレート近くの係合ストラップの端部に向って、またはフックもしくはキャッチにさらに近い係合ストラップの端部に向って存在する。
【0059】
図6において代替的なストラップアセンブリの実施例が示され、そこでは締付要素210が用いられて使用中ビンディングストラップをしっかりと保持する。スライダ602がブーツ係合用ストラップ110に取り付けられて、スライダつまみ604に対して摺動可能である。一実施例において、スライダつまみはチャネルを含み、スライダ602はスライダ602をスライダつまみ604に可動に保持する要素(図示せず)を含む。締付要素210は上述した実施例と同様の方法でスライダ602に結合され、乗り手は引張り要素218を用いて締付要素210を引張り、それはスライダ602を引寄せるので、ブーツ係合用ストラップ110をヒールフープ232に向って引き寄せる。スライダ602および/またはスライダつまみ604は、上述のように、適切なメカニカルアドバンテージを与えるための1つ以上の要素(例えばキャプスタンアセンブリ)を含んでもよい。図6で示される実施例において、締付要素210はスライダ602に配置される2つのキャプスタン(またはプーリ)に巻付き、比率4:1のメカニカルアドバンテージを与える。フック254とラッチ252とを含むフックおよびラッチ構成が用いられて、ビンディングストラップを対になる構成要素(例えばヒールフープ232)から分離してもよい。
【0060】
ビンディングストラップを締まった構成に保ち、かつスノーボード中にビンディングストラップに与えられる力に抵抗するために、締付要素210は張力をかけられた状態で、例えばクリート606などのロック部に固定される。引張り要素218は、締付要素210がクリート606にロックされた後に存在する余分な締付要素を集めるギャザリング装置を任意に含んでもよい。
【0061】
本願明細書において開示されるさまざまな局面の実施例が、ストラップビンディングおよびブーツの用途について示された。実施例によっては、本願明細書において開示したストラップアセンブリおよび/または他の特徴および局面は、他のスノーボード構成要素、例えばストラップを介してブーツに取り付けられ、ステップイン係合部材を介してビンディングに結合されるスノーボードビンディングインターフェースに取り付けられてもよく、これらはバートン社に譲渡されて本願明細書にその全体が引用にて援用される、米国特許第6,722,688号および米国特許第6,267,390号に記載される。
【0062】
このように、本発明の少なくとも1つの実施例のいくつかの局面を記載したが、さまざまな変更、修正および改善が当業者には容易に推考されると認められる。このような変更、修正および改善は、この開示の部分であることが意図され、本発明の精神と範囲との中にあることが意図される。したがって、前述の概要および図面は単なる例示である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1A】例示的一実施例による、ビンディングストラップとして構成されるストラップの側面図である。
【図1B】図1Aのストラップの斜視図である。
【図1C】図1Bのストラップの部分の斜視断面図である。
【図2】アンクルストラップおよびトウストラップを組み込んだビンディングの側面図であって、各ストラップは一実施例によって配列されている図である。
【図3A】本発明の一実施例によるストラップの図式的表示である。
【図3B】本発明の一実施例によるストラップ部分の平面図である。
【図3C】図3Bのストラップの部分の斜視図である。
【図3D】本発明の代替的実施例によるストラップの図式的表示である。
【図4】図1Aおよび図1Bにおいて線4で囲まれた、図1Aおよび図1Bのストラップの部分の分解斜視図である。
【図5】一例示的実施例による、ブーツストラップとして構成されるストラップの側面図である。
【図6】本発明の代替的実施例の斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブーツの挿入または取外しのためのスノーボードビンディング装置を準備する方法であって、スノーボードビンディング装置は、フックおよびループのうち一方を有するベースと、ブーツ係合用ストラップと、フックおよびループのうち他方を有する係合ストラップとを含み、方法は、
ブーツ係合用ストラップおよび係合ストラップの少なくとも1つを掴むステップと、
ブーツの挿入または取外しに十分な分だけビンディング装置ベースから端部を解除するために、係合ストラップの端部をビンディング装置ベースのフックおよびループのうち一方から外すステップとを含む、方法。
【請求項2】
係合ストラップは鋸歯状ストラップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
係合ストラップの端部をビンディング装置ベースから外す行為は、係合ストラップの端部をスノーボードビンディング装置のヒールフープから外すステップを含む、請求項1および2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
係合ストラップの端部をビンディング装置ベースから外す行為は、係合ストラップの端部をスノーボードビンディング装置の側壁から外すステップを含む、請求項1および2のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
フックは係合ストラップの端部に配置され、フックはビンディング装置ベースのループから外される、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
フックはベースに配置され、フックは係合ストラップの端部のループから外される、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
フックはベースのヒールフープに配置される、請求項1から3および6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
フックはベースの側壁に配置される、請求項1、2、4および6のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
ブーツ係合用ストラップおよび係合ストラップの少なくとも1つを掴む行為は、ブーツ係合用ストラップおよびアンクルストラップの係合ストラップの少なくとも1つを掴むステップを含む、請求項1から8のいずれかの1つに方法。
【請求項10】
ブーツ係合用ストラップおよび係合ストラップの少なくとも1つを掴む行為は、ブーツ係合用ストラップおよびトウストラップの係合ストラップの少なくとも1つを掴むステップを含む、請求項1から9のいずれかの1つに方法
【請求項11】
ブーツをビンディング装置に挿入するステップと、
ブーツ係合用ストラップをブーツの上面に配置するステップと、
係合ストラップの端部をビンディング装置ベースに引っ掛けるステップと、
ブーツのまわりにブーツ係合用ストラップおよび係合ストラップを締めるステップとをさらに含む、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
ブーツのまわりにブーツ係合用ストラップおよび係合ストラップを締める行為は、締付要素を引張るステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
締付要素は、専ら係合ストラップ上またはその中にのみ配置される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
フックおよびループのうち一方を有するベースを含むスノーボードビンディング装置と、
ブーツ係合用ストラップと、
フックおよびループのうち他方を有する係合ストラップとを含み、フックは、ブーツ係合用ストラップをスノーボードブーツに固定するためにループを係合するよう構成される、装置。
【請求項15】
フックは半円形のチャネルを形成する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
フックと係合するループの部分はほぼ円形の断面を有する、請求項14および15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
係合ストラップはフックを含み、ベースはループを含む、請求項14から16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
係合ストラップはループを含み、ベースはフックを含む、請求項14から16のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
ブーツのまわりにブーツ係合用ストラップおよび係合ストラップを締めるための締付要素をさらに含む、請求項14から18のいずれかに記載の装置。
【請求項1】
ブーツの挿入または取外しのためのスノーボードビンディング装置を準備する方法であって、スノーボードビンディング装置は、フックおよびループのうち一方を有するベースと、ブーツ係合用ストラップと、フックおよびループのうち他方を有する係合ストラップとを含み、方法は、
ブーツ係合用ストラップおよび係合ストラップの少なくとも1つを掴むステップと、
ブーツの挿入または取外しに十分な分だけビンディング装置ベースから端部を解除するために、係合ストラップの端部をビンディング装置ベースのフックおよびループのうち一方から外すステップとを含む、方法。
【請求項2】
係合ストラップは鋸歯状ストラップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
係合ストラップの端部をビンディング装置ベースから外す行為は、係合ストラップの端部をスノーボードビンディング装置のヒールフープから外すステップを含む、請求項1および2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
係合ストラップの端部をビンディング装置ベースから外す行為は、係合ストラップの端部をスノーボードビンディング装置の側壁から外すステップを含む、請求項1および2のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
フックは係合ストラップの端部に配置され、フックはビンディング装置ベースのループから外される、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
フックはベースに配置され、フックは係合ストラップの端部のループから外される、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
フックはベースのヒールフープに配置される、請求項1から3および6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
フックはベースの側壁に配置される、請求項1、2、4および6のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
ブーツ係合用ストラップおよび係合ストラップの少なくとも1つを掴む行為は、ブーツ係合用ストラップおよびアンクルストラップの係合ストラップの少なくとも1つを掴むステップを含む、請求項1から8のいずれかの1つに方法。
【請求項10】
ブーツ係合用ストラップおよび係合ストラップの少なくとも1つを掴む行為は、ブーツ係合用ストラップおよびトウストラップの係合ストラップの少なくとも1つを掴むステップを含む、請求項1から9のいずれかの1つに方法
【請求項11】
ブーツをビンディング装置に挿入するステップと、
ブーツ係合用ストラップをブーツの上面に配置するステップと、
係合ストラップの端部をビンディング装置ベースに引っ掛けるステップと、
ブーツのまわりにブーツ係合用ストラップおよび係合ストラップを締めるステップとをさらに含む、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
ブーツのまわりにブーツ係合用ストラップおよび係合ストラップを締める行為は、締付要素を引張るステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
締付要素は、専ら係合ストラップ上またはその中にのみ配置される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
フックおよびループのうち一方を有するベースを含むスノーボードビンディング装置と、
ブーツ係合用ストラップと、
フックおよびループのうち他方を有する係合ストラップとを含み、フックは、ブーツ係合用ストラップをスノーボードブーツに固定するためにループを係合するよう構成される、装置。
【請求項15】
フックは半円形のチャネルを形成する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
フックと係合するループの部分はほぼ円形の断面を有する、請求項14および15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
係合ストラップはフックを含み、ベースはループを含む、請求項14から16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
係合ストラップはループを含み、ベースはフックを含む、請求項14から16のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
ブーツのまわりにブーツ係合用ストラップおよび係合ストラップを締めるための締付要素をさらに含む、請求項14から18のいずれかに記載の装置。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2007−61608(P2007−61608A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−229153(P2006−229153)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【出願人】(596008426)ザ・バートン・コーポレイション (8)
【氏名又は名称原語表記】THE BURTON CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【出願人】(596008426)ザ・バートン・コーポレイション (8)
【氏名又は名称原語表記】THE BURTON CORPORATION
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]