説明

スパウト付きスタンディングパウチ

【課題】スパウトが上下方向を向くようにスパウトを保持した状態でスパウトから内容物を充填する際の左右の重量バランスに優れ、高速充填に適しているスパウト付きスタンディングパウチを提供する。
【解決手段】底部ガセットシール部33の内側ライン43が凹状であり、スパウト2の中心線50は、底部ガセットシール部33の内側ライン43の最下部43bから右側の最上部43bまでの立ち上がり領域43cを通り、パウチ本体1の全幅をA、パウチ本体1の全高をB、パウチ本体1の下端から底部ガセット部30の折り返し部30aまでの高さをC、パウチ本体1の左側の側縁において最も外方に位置する箇所から、底部ガセット部30の折り返し部30aの高さにおける左側の側縁シール部35の内側ライン45の位置までの水平方向の距離をDとしたとき、A/BとC/Dが実質上等しい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパウトが斜めに取り付けられたスパウト付きスタンディングパウチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のスパウト付きスタンディングパウチとして、シートの縁部同士をヒートシールすることにより袋状に形成されて底部にガセット部を備えたパウチ本体と、該パウチ本体の上部における一方のコーナー部に斜め上方に突出するように装着されたスパウトとを備えたものが公知である。
【0003】
かかるパウチにはスパウトから内容物が充填されるが、一般には、スパウトをその中心線(軸線)が上下方向を向くように保持し、その上部開口から内容物を充填することになる。
【0004】
しかしながら、スパウトがパウチ本体に対して斜めに装着されているため、スパウトの中心線を上下方向にすればパウチ本体が傾斜することになる。従って、斜めの状態のパウチ本体に内容物が上方から充填されていくことになるが、底部ガセット部を有しているので、左右の重量バランスが崩れてアンバランスな状態となる。つまり、斜めの状態のパウチ本体に内容物が充填されていくと、スパウトを中心として底部ガセット部が存在している側に内容物がより多く充填されることになるから、その底部ガセット部が存在している側がそれとは反対側に比して重くなり、左右のバランスがとれなくなるのである。
【0005】
内容物の充填前、もしくは、充填開始直後の段階においては、パウチの重量自体が軽いため、スパウトが上下方向を向くようにそれを正確に保持することが可能であるが、内容物の充填量が徐々に多くなるにつれて左右のバランスが崩れ、スパウトを正確に保持することが困難となり、その結果、特に高速充填を行う場合に充填不良やパウチ本体の破損が発生しやすいという問題があった。
【0006】
尚、スパウトが斜めに装着されたスタンディングパウチとして、下記特許文献1にはパウチ本体の全幅に対して全高が大きい縦長の長方形のスタンディングパウチが記載されているが、後述のように、スパウトから充填する際の左右の重量バランスには配慮されていないため、かかるパウチでは高速充填には不向きである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−327263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ、スパウトが斜めに装着されたスパウト付きスタンディングパウチにおいて、スパウトが上下方向を向くようにスパウトを保持した状態でスパウトから内容物を充填する際の左右の重量バランスに優れ、高速充填に適しているスパウト付きスタンディングパウチを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ある一定の条件を満たした場合に左右の重量バランスが略均等になることを見いだした。即ち、本発明に係るスパウト付きスタンディングパウチは、少なくとも両側縁部と底部がヒートシールされると共に底部ガセット部を有するパウチ本体と、該パウチ本体の上部における一方の側縁側のコーナー部に斜め上方に突出するように装着されたスパウトとを備えたスパウト付きスタンディングパウチにおいて、底部ガセット部における底部ガセットシール部の内側ラインが凹状であり、充填前の扁平状態における正面視において、スパウトの中心線は、底部ガセットシール部の内側ラインの最下部から該内側ラインの他方の側縁側の最上部までの立ち上がり領域を通り、パウチ本体の全幅をAと、パウチ本体の全高をBと、パウチ本体の下端から底部ガセット部の折り返し部までの高さをCと、パウチ本体の一方の側縁において最も外方に位置する箇所から、底部ガセット部の折り返し部の高さにおける一方の側縁シール部の内側ラインの位置までの水平方向の距離をDとしたとき、A/BとC/Dが実質上等しいことを特徴とする。但し、A/BとC/Dが実質上等しいとは、A/Bを1としたときにC/Dが0.9〜1.1の範囲にあることを意味する。
【0010】
該構成のパウチの如く、スパウトを所定の傾斜角度範囲に設定すると共に、パウチ本体の全幅、全高、パウチ本体の下端から底部ガセット部の折り返し部までの高さ、並びに、パウチ本体の一方の側縁において最も外方に位置する箇所から底部ガセット部の折り返し部の高さにおける一方の側縁シール部の内側ラインの位置までの水平方向の距離について所定の関係を満たす場合には、スパウトが上下方向を向くようにしてスパウトを保持しながらそのスパウトから内容物を必要量充填しても左右の重量バランスに優れることが判明した。
【0011】
同様に、本発明に係るスパウト付きスタンディングパウチは、少なくとも両側縁部と底部がヒートシールされると共に底部ガセット部を有するパウチ本体と、該パウチ本体の上部における一方の側縁側のコーナー部に斜め上方に突出するように装着されたスパウトとを備えたスパウト付きスタンディングパウチにおいて、底部ガセット部における底部ガセットシール部の内側ラインが凹状であり、充填前の扁平状態における正面視において、スパウトの中心線は、底部ガセットシール部の内側ラインの最下部から該内側ラインの他方の側縁側の最上部までの立ち上がり領域を通り、パウチ本体の全幅と全高が互いに等しく、パウチ本体の一方の側縁において最も外方に位置する箇所から、底部ガセット部の折り返し部の高さにおける一方の側縁シール部の内側ラインの位置までの水平方向の距離をDと、パウチ本体の他方の側縁において最も外方に位置する箇所から、底部ガセット部の折り返し部の高さにおける他方の側縁シール部の内側ラインの位置までの水平方向の距離をEとしたとき、D>Eであることを特徴とする。
【0012】
該構成のようにパウチ本体の全幅と全高が互いに等しい場合には、スパウトを上記所定の傾斜角度範囲に設定すると共に、底部ガセット部の折り返し部の高さにおいて、パウチ本体の一方の側縁において最も外方に位置する箇所から一方の側縁シール部の内側ラインの位置までの水平方向の距離を、パウチ本体の他方の側縁において最も外方に位置する箇所から他方の側縁シール部の内側ラインの位置までの水平方向の距離より大きく設定すれば、左右の重量バランスに優れることが判明した。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明におけるスパウト付きスタンディングパウチにあっては、スパウトが上下方向を向くようにスパウトを保持した状態でスパウトから内容物を充填する際において、左右の重量バランスに優れており、充填時にパウチが安定するので、充填不良やパウチの破損の発生が防止されて、高速に充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態におけるスパウト付きスタンディングパウチの充填前の状態を示す正面図。
【図2】同実施形態におけるスパウト付きスタンディングパウチの充填時の姿勢を示す正面図。
【図3】本発明の他の実施形態におけるスパウト付きスタンディングパウチの充填前の状態を示す正面図。
【図4】本発明の他の実施形態におけるスパウト付きスタンディングパウチの充填前の状態を示す正面図。
【図5】本発明の他の実施形態におけるスパウト付きスタンディングパウチの充填前の状態を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態にかかるスパウト付きスタンディングパウチについて図1を参酌しつつ説明する。図1に示すスパウト付きスタンディングパウチは、例えば液状やゼリー状等の食品や洗剤等の流動体を内容物として収容するためのパウチであって、特に詰め替え用として好適なものである。該パウチは、柔軟性を有するシートの所定箇所をヒートシールすることにより袋状に形成されて内容物を収容可能なパウチ本体1と、該パウチ本体1にヒートシールにより装着されて内容物の充填及びその取り出しに使用されるスパウト2と備えている。
【0016】
スパウト2は、種々の形態が使用可能であるが、中央から両側部にかけて徐々に厚みが薄くなった横断面視略舟形状に形成されてパウチ本体1に挟み込まれるようにしてヒートシールにより装着される取付部21と、該取付部21から外方に突出する略円筒状の口部22と、該口部22の径方向外方に突出する一対のフランジ部23とを備え、一般的には、パウチ本体1とヒートシール可能な合成樹脂から成形により一体的に形成される。尚、充填の際には、スパウト2の一対のフランジ部23間が左右から狭持されるように保持されることとなる。また、口部22の上部外周面にはネジ部が形成されており、該ネジ部にキャップ24が螺着されて上部開口が封止されている。該キャップ24には、開封を明示する機能、いわゆるタンパーエビデント特性を有する構造が採用されている。例えば、開封時に環状のタンパーエビデントバンドがキャップ24本体から切離してスパウト2に係止されて残る構造や、開封によって環状のタンバーエビデントバンドの一部が切断して帯状となってキャップ24本体と共にスパウト2から取り外される構造等を採用できる。尚、図1は充填前の扁平な状態を示すものであり、キャップ24は充填後に螺着されるのであるが、図1では便宜上キャップ24を螺着した状態を図示している。
【0017】
パウチ本体1は、底部ガセット部30を有して自立可能なスタンディングタイプであって、上下方向に長い略長方形状に形成され、その周縁部がヒートシールされて袋状に形成されている。図1においてクロスハッチングを施している部分がヒートシールされたシール部である。具体的には、パウチ本体1は、正面及び背面を構成する一対の主シート片と、該主シート片の下部の内側に折り込まれて底部ガセット部30を構成するガセットシート片とから構成されている。主シート片の上部における左側のコーナー部31(一方の側縁側のコーナー部)は斜めにカットされている。該斜めにカットされたコーナー部31と左右両側縁部と上縁部においてそれぞれシートの内面同士がヒートシールされ、それぞれコーナーシール部32と左右の側縁シール部35,36と上縁シール部37が形成され、コーナー部31をヒートシールする際に前記スパウト2の取付部21が同時にヒートシールされる。
【0018】
また、ガセットシート片の周縁が主シート片にヒートシールされることで底部ガセットシール部33が形成されている。尚、図1において底部ガセット部30の折り返し部30aが破線で示されている。また、ガセットシート片の両側縁には、二つ折り状態において互いに表裏方向に対向する箇所に例えば半円状に切り欠かれた切欠部34が形成され、該切欠部34の位置においては表面側の主シート片と裏面側の主シート片とが直接ヒートシールされている。従って、切欠部34の位置においてガセットシート片が表裏方向に開くことが防止されている。尚、一対の主シート片を二枚のシートから別々に構成しているが一枚のシートを二つ折りにして一体的に構成してもよく、また、主シート片とガセットシート片とを一枚のシートから一体的に構成してもよい。
【0019】
ここで、パウチ本体1を構成するシートとしては、例えば、二軸延伸ポリエステルフィルムや二軸延伸ポリアミドフィルム等よりなる外層と、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンやメタロセン系ポリエチレン等の熱融着性樹脂よりなる内層とからなる多層ラミネートフィルムが使用され、また、必要によりエチレンビニルアルコール共重合体やアルミニウム箔、酸化ケイ素等の無機物を蒸着したフィルム等のようなガスバリア性フィルム等を積層したものも使用される。また、スパウト2は、パウチ本体1を構成するシートの内面にヒートシール可能な合成樹脂、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱融着性樹脂から形成される。
【0020】
次にシール部の詳細について説明する。シール部は、上述したように、コーナーシール部32と、左右の側縁シール部35,36と、上縁シール部37と、底部ガセットシール部33とから構成されている。コーナーシール部32は、スパウト2の中心線50(軸線)と直交する方向に直線状に伸びていて幅一定に形成されている。尚、スパウト2はコーナーシール部32の略中央部に装着されている。図1において左側の側縁シール部35(一方の側縁シール部35)は、コーナーシール部32の下端から下方に向かって底部ガセットシール部33まで形成されている。この図1において左側の側縁シール部35の内側ライン45(内容物を収容する収容空間を形成するラインであってその収容空間の外縁を構成する)は、下方に向かって徐々に右側(即ち収容空間側)に傾斜した斜線となっている。パウチ本体1の左側の側縁が上下方向に直線状に伸びているので、左側の側縁シール部35の幅は下方にいく程幅広となっている。また、右側の側縁シール部36はパウチ本体1の上縁から底部ガセットシール部33まで上下方向に一定幅で直線状に伸びて形成されている。パウチ本体1の右側の側縁が上下方向に直線状に伸びているので、右側の側縁シール部36の内側ライン46もまた上下方向に直線状に伸びている。また更に、底部ガセットシール部33の内側ライン43は、左右両側縁シール部35,36の内側ライン45,46の下端同士の間に形成されていて、左右両側から中央部にかけて、すり鉢の如き凹状となっている。尚、底部ガセットシール部33の内側ライン43の略中央部が最も下側に位置する最下部43aである。
【0021】
ここで、底部ガセット部30の折り返し部30aの高さにおける左側の側縁シール部35の幅(パウチ本体1の左側の側縁において最も外方に位置する箇所から、底部ガセット部30の折り返し部30aの高さにおける左側の側縁シール部35の内側ライン45の位置までの水平方向の距離)をDとし、底部ガセット部30の折り返し部30aの高さにおける右側の側縁シール部36の幅(パウチ本体1の右側の側縁において最も外方に位置する箇所から、底部ガセット部30の折り返し部30aの高さにおける右側の側縁シール部36の内側ライン46の位置までの水平方向の距離)をEとすると、D>Eである。従って、底部ガセットシール部33の内側ライン43は右側に偏心して位置しており、その最下部43aもパウチ本体1の幅方向中央よりも右側に位置している。
【0022】
図1は、充填前の扁平な状態を示しているが、充填時において左右の重量バランスをとるための工夫がなされている。まず、スパウト2の装着角度である。上述したようにスパウト2はその中心線50がコーナー部31と直交するように装着されるが、このスパウト2の中心線50が所定範囲内にあることが必要である。即ち、スパウト2の中心線50は、底部ガセットシール部33の内側ライン43の最下部43aから右側の最上部43b(右側の側縁シール部36の下端)までの立ち上がり領域43cを通る。図1に三本の一点鎖線を示しているが、そのうち中央のものが図1におけるスパウト2の中心線50であって底部ガセットシール部33の内側ライン43における右側の最上部43bを通っている。図1に示す左側の一点鎖線51は、スパウト2の中心線50が底部ガセットシール部33の内側ライン43の最下部43aと右側の最上部43bとの中間付近を通る場合を示すものであり、この場合も立ち上がり領域43cを通っているので重量バランスに優れている。逆に、図1に示す右側の一点鎖線52は、スパウト2の中心線50が立ち上がり領域43cから右側に外れた場合を示すものであって、この場合には充填時において中心線50よりも左側の部分が重くなり過ぎて重量バランスが崩れる。
【0023】
次に、パウチ本体1の全幅をAと、パウチ本体1の全高をBと、パウチ本体1の下端から底部ガセット部30の折り返し部30aまでの高さをCとしたとき、上述したDも含めて、A/BとC/Dとが実質的に等しいという関係を満たしている。図1におけるパウチ本体1は縦長であるためA/Bは1未満である。従って、C/Dも1未満となっている。即ち、C<Dであることが必要である。A/BとC/Dとが実質上等しいとは、A/Bを1としたときにC/Dが0.9〜1.1の範囲にあることを意味しており、両者が実質上等しいと、重量バランスに優れている。尚、自立性を確保するため、DはAの半分以下であることが必要である。
【0024】
このような条件を満たした図1のパウチには、図2のように、スパウト2の中心線50が上下方向を向くようにして内容物が充填される。一般的には、収容空間の約8〜9割(必要量充填)が充填される。但し、上述したように、キャップ24は充填後に装着されるものであるが、便宜上、キャップ24が螺着した状態を図示している。図1に示すパウチにあっては、充填時の重量バランスに優れているので、特に、半分以上充填された時や必要量充填された時のように、全体の重量が大きくなった場合に起こりやすいアンバランスが発生しにくい。従って、アンバランスの結果起こりうるような充填不良やパウチ本体1の破損を確実に防止でき、特に高速充填に有利である。
【0025】
これに対して、図1において例えばDがEと等しいパウチの場合、即ち、左側の側縁シール部35も右側の側縁シール部36と同様に幅一定とし、両者の幅を等しくした場合には、充填時において重量バランスが左側に偏ってしまい、高速充填には不向きであった。
【0026】
また、上述の特許文献1においてその図1に示されているものでは、図面上、A/Bが0.83であるのに対してC/Dは1.11であり、A/Bを1として計算すると、C/DはA/Bの1.34に相当する。このように特許文献1に記載のものは、A/BとC/Dとが実質上等しいものではなく、両者は大きく異なっており、従って、充填時において左右の重量バランスが崩れてしまう。
【0027】
尚、上記実施形態では、左側の側縁シール部35の内側ライン45が斜線であったが、これに限らず、例えば、図3のように、底部ガセット部30の折り返し部30aの位置から所定高さまで鉛直に伸びた後、そこから収容空間側に凸に湾曲した曲線としてもよい。鉛直部分の長さを長くしたり逆に短くしてもよく、鉛直部分を設けなくてもよい。何れにしても、左側の側縁シール部35の幅は上側ほど狭くなるようにすることが好ましく、特に、内側ライン45とスパウト2の中心線50との距離がコーナーシール部32に向かうほど徐々に小さくなるように設定することが好ましい。
【0028】
また、図4のように、左側の側縁を、側縁シール部35の内側ライン45に沿うようにして内側に切り欠いて形成して、左側の側縁シール部35の幅を一定としてもよい。この場合、Dは、パウチ本体1の左側の側縁において最も外方に位置する箇所から、底部ガセット部30の折り返し部30aの高さにおける左側の側縁シール部35の内側ライン45の位置までの水平方向の距離となる。
【0029】
更に、パウチ本体1の形状が縦長の略長方形である場合について説明したが、横長の略長方形や略正方形であっても、上記条件を満たすことによって充填時の左右の重量バランスに優れる。
【0030】
尚、パウチ本体1が略正方形の場合には以下のようにしてもよい。例えば、図5に示すパウチは、図3に示したパウチ本体1の全高Bを小さくして全幅Aと全高Bが等しくなるようにしたものである。スパウト2の中心線50は、同様に右側の立ち上がり領域43cを通過している。このように、パウチ本体1が略正方形の場合においても、スパウト2の中心線50は、上述したのと同様の条件、即ち、右側の立ち上がり領域43cを通ることが必要となる。
【0031】
そして、パウチ本体1が略正方形の場合には、略長方形に比して左右のバランスがとりやすいので、D>Eに設定する。この図5のパウチでは、左右の側縁が共に鉛直線であるので、底部ガセット部30の折り返し部30aの高さにおける左側の側縁シール部35の幅がDとなり、同じく右側の側縁シール部36の幅がEとなり、D>Eとすることで充填時における左右の重量バランスがとれる。但し、Dの上限は、パウチ本体1の下端から底部ガセット部30の折り返し部30aまでの高さCと実質上等しい値であって、実質上等しいとは上述したのと同様にDを1としたときにCが0.9〜1.1であることを意味する。
【0032】
尚、図5の場合においても、図4に示したものと同様に左側の側縁を切り欠いて形成してもよい。
【0033】
尚、底部ガセットシール部33の内側ライン43は、左右の傾斜部分とその間の水平部分とを有する凹状としてもよく、その場合には、右側の傾斜部分が立ち上がり領域43cとなる。
【符号の説明】
【0034】
1 パウチ本体
2 スパウト
21 取付部
22 口部
23 フランジ部
24 キャップ
30 底部ガセット部
30a 折り返し部
31 コーナー部
32 コーナーシール部
33 底部ガセットシール部
43 内側ライン
43a 最下部
43b 最上部
43c 立ち上がり領域
34 切欠部
35 左側の側縁シール部(一方の側縁シール部)
45 内側ライン
36 右側の側縁シール部(他方の側縁シール部)
46 内側ライン
37 上縁シール部
50 中心線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも両側縁部と底部がヒートシールされると共に底部ガセット部を有するパウチ本体と、該パウチ本体の上部における一方の側縁側のコーナー部に斜め上方に突出するように装着されたスパウトとを備えたスパウト付きスタンディングパウチにおいて、
底部ガセット部における底部ガセットシール部の内側ラインが凹状であり、充填前の扁平状態における正面視において、スパウトの中心線は、底部ガセットシール部の内側ラインの最下部から該内側ラインの他方の側縁側の最上部までの立ち上がり領域を通り、
パウチ本体の全幅をAと、パウチ本体の全高をBと、パウチ本体の下端から底部ガセット部の折り返し部までの高さをCと、パウチ本体の一方の側縁において最も外方に位置する箇所から、底部ガセット部の折り返し部の高さにおける一方の側縁シール部の内側ラインの位置までの水平方向の距離をDとしたとき、A/BとC/Dが実質上等しいことを特徴とするスパウト付きスタンディングパウチ。
【請求項2】
少なくとも両側縁部と底部がヒートシールされると共に底部ガセット部を有するパウチ本体と、該パウチ本体の上部における一方の側縁側のコーナー部に斜め上方に突出するように装着されたスパウトとを備えたスパウト付きスタンディングパウチにおいて、
底部ガセット部における底部ガセットシール部の内側ラインが凹状であり、充填前の扁平状態における正面視において、スパウトの中心線は、底部ガセットシール部の内側ラインの最下部から該内側ラインの他方の側縁側の最上部までの立ち上がり領域を通り、
パウチ本体の全幅と全高が互いに等しく、パウチ本体の一方の側縁において最も外方に位置する箇所から、底部ガセット部の折り返し部の高さにおける一方の側縁シール部の内側ラインの位置までの水平方向の距離をDと、パウチ本体の他方の側縁において最も外方に位置する箇所から、底部ガセット部の折り返し部の高さにおける他方の側縁シール部の内側ラインの位置までの水平方向の距離をEとしたとき、D>Eであることを特徴とするスパウト付きスタンディングパウチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−202267(P2010−202267A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−52004(P2009−52004)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】