説明

スペクトル権を取引するシステム

スペクトル資産に関わるトランザクションを容易にするための交換プラットフォームであって、スペクトル資産の保持者に与えられる仮想的な権利を含む少なくとも一つのスペクトル資産に関連する情報を保存するよう動作できるデータベースを含む交換プラットフォームが提供される。そのデータベースはさらに、交換プラットフォームにデータを提供するエンドユーザーと通信するよう動作できる。そのデータベースは、無線スペクトル資産を同定するためにエンドユーザーがアクセスできる。より具体的な実施形態では、データベースはさらに、スペクトル資産に関連するチャンネルの少なくとも一つのスロットに関連する情報を保存するよう動作できる。ひとたび確保されると、そのスロットは、例えば指定の期間に加入者にコンテンツを放送するために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概括的には取引に関し、より詳細にはスペクトル権を取引するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電磁スペクトルは宇宙と同じくらい古くからある。しかし、近年の関心および報道のため、つい昨日できたかのように思わされやすい。「スペクトル」の用語は単に、最高周波数から最低周波数までの電磁放射の範囲を含意する。それはX線およびガンマ線から可視光および電波まですべてを包含する。携帯電話、放送、衛星およびその他の無線通信のために使われるスペクトル部分はかなり低い無線周波数の範囲にはいる(すなわち、約3kHzから約300GHzまで)。主要な商業活動の大半が行われるのは30MHzから30GHzまでの間である。300GHzより高い周波数は赤外放射、可視光、紫外光、X線およびガンマ線につながる。
【0003】
携帯電話、衛星および高精細度テレビを含む新しいデジタルおよび無線技術は、電波の利用法を劇的に変えつつある。この劇的な移行に反応して新たなビジネスチャンスが現れつつある。米国政府および連邦通信委員会(FCC: Federal Communications Commission)は、スペクトルの膨大な区画を新たな用途に割り当て直し、電磁スペクトルのスライスをオークションにかけて高値を付けた入札者に割り当てることによって、このイデオロギーの変化に反応した。1993年、議会はFCCに電波スペクトルの一部をオークションで売る権限を与えたのである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
よって、意欲のある入札者のプールに対してさまざまな周波数がオークションにかけられうる。これらの周波数は一般に非常に低いところから非常に高いところまで範囲があり、各周波数帯はある種のエンドユーザーのグループに有益となり、よって特定の事業主および起業家にとって各自の技術に基づいて魅力的となりうる独特な特性をもつ。ある特定のスペクトルについては、そのような取得には数十億ドルの値がつくこともある。多くの電気通信会社にとって微妙な将来はそうしたオークションの結末如何にかかっている。
【0005】
スペクトルオークションにまつわる混乱の迷路の中にひそむ多くの潜在的危険にもかかわらず、スペクトルについての効率的な市場の開発はこれからである。スペクトル権の値付け、購入、貸与および売却の背景において、判断の誤りはいかなる所与の会社にも金融上の破滅を耐えさせる。うまくいっているいかなる市場でも、何らかの資産の公正なやりとりを市場が提供するよう市場を活性化するためには、十分な買い手および十分な売り手がいる必要がある。さらに、買い手にとっても売り手にとっても同じように公正な取引および公平な結果のかなめとなるのは、任意の商品についての正確な値付けと記載である。
【0006】
したがって、買い手および売り手のニーズに対応した効率的な無線スペクトル市場を提供する能力は著しい課題を呈する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上から、当業者には、向上した流動性、資産の記載および参加者の多様化を提供する改良されたスペクトル交換プラットフォームに対する必要性が生じていることが理解されうる。本発明のある実施形態によれば、一つまたは複数の無線スペクトルおよびタワー(またはタワー上のタワースペース)のトランザクションがオークションまたは市場環境において実行されるプラットフォームを提供するシステムであって、従来の交換の手法および手段に付随する欠点および問題をなくすか、大幅に軽減するものが提供される。
【0008】
本発明の他の実施形態では、スペクトル資産に関わるトランザクションを容易にするための交換プラットフォームであって、スペクトル資産の保持者に与えられる仮想的な権利を含む少なくとも一つのスペクトル資産に関連する情報を保存するよう動作できるデータベースを含む交換プラットフォームが提供される。そのデータベースはさらに、交換プラットフォームにデータを提供するエンドユーザーと通信するよう動作できる。そのデータベースは、無線スペクトル資産を同定するためにエンドユーザーがアクセスできる。より具体的な実施形態では、データベースはさらに、スペクトル資産に関連するチャンネルの少なくとも一つのスロットに関連する情報を保存するよう動作できる。ひとたび確保されると、そのスロットは、例えば指定の期間に加入者にコンテンツを放送するために使用することができる。
【0009】
本発明のある種の実施形態は、いくつかの技術的効果を提供しうる。たとえば、本発明のある実施形態によれば、市場の諸構成要素を総合して、買い手と売り手の間のスペクトルの取引を大幅に促進し、容易にする単一の要素にすることが(好ましくは)できる、データベースを含む交換プラットフォームが提供される。前記データベースはさらに、スペクトルの品質および利用可能性を検証し、トランザクションに参加したがっている資格のある当事者の同定を容易にし、価格と期間に関しての条件の交渉を許容し、鍵となる経済的対価の電子的決済を容易にするための機構を提供する。このように、そのようなアーキテクチャはいくつかの時間集約的なタスクを、そのような骨の折れる雑事を自動化する単一の強力な無線スペクトルツールに統合することができる。さらに、そのようなツールは見込みの買い手または売り手に任意の関係するトランザクション情報について知らせる。これは、単純な資産記載または選ばれた地域における特定のスペクトルの保有者を同定する能力を含む。その他の機能も本発明に容易に受け容れることができ、以下により詳細に記載される。
【0010】
本発明は、利用可能な目録の包括的なデータベースをまとめ、買い手および売り手について完全な粒度を提供する。データベースはまた、資格のある参加者の包括的なリストをも含みうる。データベースはさらに、すべての資格のある参加者の間でのリアルタイムの通信を容易にし、促進するためにも、また、すべての通信の検証可能な文書記録を提供しつつ、規制の承認プロセスにおいて補助もするために、使われることができる。これは、第一段階の法的文書を追加として生成し、フレームワーク展示を経て最終契約に至ることを通じて達成されうる。こうして、提供されるアーキテクチャは、タワースペースまたは無線スペクトルに付随する任意のトランザクションに能動的に携わる任意の人または会社のための大量の改良された機能を提供する。
【0011】
本発明のある種の実施形態は、これらの効果の一部または全部を享受することもあれば、一つも享受しないこともある。その他の技術的効果は以下の図面、記述および請求項から当業者には容易に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明ならびにその機能および効果のより完全な理解を与えるため、以下の記述を付属の図面とともに参照されたい。ここで、同様の参照符号は同様の部分を表す。
【0013】
教示および議論のため、以下の発明が機能する仕方について若干の概観を与えておくことが有用である。以下の基礎情報は、本発明を適正に説明する出発点となる基盤と見なしうる。そのような情報は、説明および議論のためだけに真摯に提供されるのであり、よっていかなる形であれ本発明およびその潜在的な応用の全範囲を限定するものと解釈するべきではない。
【0014】
形式的には、電波は天然資源である。実際上は、電波はいくつもの国の政府によって統制されている。連邦通信委員会(FCC)(またはたとえばヨーロッパ連合(EU)または英国情報通信庁(Ofcom)のようなその他の規制機関)は企業に、特定の地理的領域において、そして通例は特定の仕方においてのみ、スペクトルの特定の一部を使用するライセンス(すなわちスペクトル使用権)を認可する。たとえば、FCCは当局の規則に従って使用されていないと感じたライセンスは失効させることができる。米国連邦政府はくじ方式で無料でライセンスを分配していたが、企業があとになって莫大な金額でライセンスを販売していたことが発見された。FCCの最初のオークションであった1990年代のパーソナル通信サービス(PCS:
personal communication services)スペクトルのオークションではキャンター・フィッツジェラルドの技術(すなわち原始的で単純なモデル)が使用された。
【0015】
個人は一般に、一次または二次市場においてある種の周波数を購入する機会を提供される。物理学は一般に、どんな種類のサービスを企業が提供できるかを、そしてさらにネットワーク構築の費用を決定する、スペクトルについてのいくつかの一般法則を規定する。オークションにかけられる特定の周波数の購入とともに、その周波数を使用する権利がついてくる。
【0016】
現行の諸システムでは、スペクトル権は別の人に売ることができる。たとえば、人がカリフォルニア州のサンノゼであるスペクトル(たとえば1000MHz)を保有している場合、その権利は別の人に移転されうる。これは、その相手がFCC規則によって決まっている資格を持つ購入者であればよい。最近、FCCはスペクトル権を移転する能力を拡張した。よって、既存のプロトコルでは、FCCはスペクトル権をある当事者から別の当事者にリースすることを認めている。リースは、スペクトル権の保有者で、周波数帯を最大限に利用できない、あるいはスペクトルを全く使うことのできない(最もありそうなのは資金上のリソースのため)者に有望な選択肢を提供する。こうして、リースはスペクトル権の保有者に、自分の権利を代価と引き換えに一時的に第三者に移転することができるという柔軟性を与える。可能性としては、その後5年か10年のうちに、リースが切れてスペクトルが(FCCオークションではなく、二次市場で)再びオークションにかけられる前に、スペクトル権の当初の保有者は資金的により安定になって、そのスペクトルについての管理を再開できることもありうる。
【0017】
今日の既存のシステムでは、周波数のほとんどは「スペシャリスト」によって購入される。スペシャリストは一般に、選択されたスペクトルに関連して取引を仲介し、あるいはビジネスを遂行する(たとえば1900MHzのスペシャリスト、2.5GHzのスペシャリストなど)。これらの条件に反応して、「スペシャリスト市場」が台頭したが、この市場はいくつかの不十分な点および欠点がある。たとえば。そのような市場は、所与のスペクトルについてある人が公正な値を払っているのかどうかを見きわめることが難しいので、効率的でない。さらに、参加する買い手および売り手の数が限られている。簡単な市場の力学を理解するどんな個人でもすぐ理解できるように、買い手および売り手の供給が限られていることは、しばしば流動性不足の制約、売られる商品の不適正な値付けおよび将来のスペクトル市場条件についての誤った期待を生じる。そのような環境は投機を助長し、ヘッジを促進し、市場全体としての安定を禁じる傾向がある。
【0018】
電気通信業界が1999〜2000年のITバブルから持ち直しはじめたとき、現行の市場におけるこうした問題がより顕著になった。現行では、ある種のスペクトル権については多数の個人が活発に購入しようとしている。そのような多くの個人は、自分たちのビジネス上の必要に対応するために無線周波数へのアクセスを必要としている。他の、潜在的にそれほど人気がない周波数でも、個人はやはり、自分たちの根底になるビジネスモデルのための基礎として使うことのできるスペクトル権を購入しようとやっきになっている。
【0019】
どうやってスペクトル権を購入するかについての意見を求める無作為アンケートを今日、地方政府、公共団体、インターネットサービスプロバイダー、無線通信プロバイダーおよび電話会社に対して行ったとしたら、おそらくどの二つの機関も同じ答えにはならないであろう。回答の多様さは、スペクトル権の販売、購入またはリースに関連する値付け、市場環境および流動性パラメータについてコンセンサスがないからである。より端的に言えば、そのようなトランザクションを実行するために中央集中的な効率的な市場がないのである。
【0020】
本発明のアーキテクチャはそうした問題に取り組むもので、最適な仕方でスペクトル権取引を遂行するために買い手および売り手のための市場を提供する。提供されるアーキテクチャは図1〜14を参照しつつ以下でより完全に説明する。
【0021】
図1は、オークション/市場の環境において一つまたは複数の無線スペクトルトランザクションを実行するためのシステム10の簡略化されたブロック図である。システム10は交換プラットフォーム12、通信ネットワーク14、買い手16および売り手18を含んでいる。交換プラットフォーム12は無線スペクトルモジュール20を含みうる。無線スペクトルモジュール20はプロセッサ24およびデータベース28を含みうる。データベース28は、買い手16および売り手18に関連付けられた一つまたは複数のプロファイル30を保存しうる。交換プラットフォーム12はポータル36に結合されうる。ポータル36は、以下により完全に説明するデータベースの精度、モニタリング機能または記録管理のための任意の好適なエンティティへの通信リンクを提供しうる。
【0022】
スペクトル権、タワーもしくはタワースペース割り当ての使用に関わる問題に直面するどんな個人でも、自分の問題に取り組むために、システム10によって提供されるスペクトル交換に容易にアクセスできる。本アーキテクチャは、個人が、選択された地点における所与のスペクトルの利用可能性をすぐ識別し、さらに目標とするスペクトルについての付随する価格推定を認識することを許容する。さらに、そのような人は、どんな利用可能スペクトルについても容易に意欲のある売り手および(潜在的には)入札者の供給を同定できる。こうして、スペクトル権(および/またはタワーおよびタワー権(タワースペースを含む))の購入、売却、移転またはリースに関心のあるいかなる所与の個人も、自分の特定のスペクトル権努力に取り組むためにシステム10にアクセスすることができる。提供されるアーキテクチャに関連する入札は、「関心」と「堅い約束」の指示により提供されることができる。この後者は一般に、好適な資金上の裏付けによって支持されうる。これについてはのちにより完全に説明する。
【0023】
教示と議論だけのために使われる実施例の動作を見てみると、システム10は、無線スペクトルを購入、売却、リース、移転(スワップを含む)および利用するためのトランザクションを容易にするとともに促進する構成を提供する。これは、データベース28を使って達成されうる。データベース28は、物理的な目録の検索可能で包括的な一覧を提供する。さらに、データベース28から取得されたデータは、買い手16と売り手18の間のリアルタイムの電子的な交渉を容易にすることができる。こうして、交換プラットフォーム12は、各個人がそのような努力に参加する資格をもち、権限があるかどうかを判別するために売り手と買い手の情報を検証しうる。この登録プロセスの間に、一つまたは複数のプロファイル30が各買い手16および売り手18について生成される。
【0024】
交換プラットフォーム12は(データベース28と協力して)スペクトル資産についての正確な値付けをも提供し、関連するトランザクションについてのスペクトル権の条件の何らかの文書を提供しうる。提供されるコンポーネントの一つまたは複数を使って、システム10は電子協定の形成、双方の当事者からの受諾およびトランザクション条件の実行を容易にすることができる。同時に、システム10は、FCCによって公布されている簡素化された規制準拠要件を満たすことができる情報を記録するために、(はいってくるデータと出ていくデータについて)監査機能を実行することができる。
【0025】
システム10は、スペクトル権またはタワースペース位置に関連するいかなる商品の移転をも容易にするためのオープンかつ中立的な交換を提供する。システム10は、あらゆる参加個人が有益な結果を達成するために平等で双方のためになる機会を提供する真の仲介者をもたらす。これは、システム10の運営者が一般には根底にあるスペクトル権について保有の関心をもたず、トランザクションに付随するいかなる帰結にも影響しようとするいかなる圧力からも隔離されるからである。そのような偏りのなさは、コンサルタント(大電話会社のために働く)が、自分自身の派のために利益になる取引に影響しようとしていかなる所与のトランザクションにも著しい圧力をかける他の体制とは好対照をなす。そのような影響団体は、取引において特定の当事者を別の当事者との比較でてこ入れするために集団力学が達成される場合にはいっそう強力になりうる。システム10はそのようなあらゆる不公正な取引を回避する。あらゆるオークション参加者について偏りのない、公平な市場が提供されるからである。
【0026】
システム10はまた、規制上の、提出および承認のための契約条件を完成させることでも支援しうる。(データベース28を介して)目録に保持されている資産の商業機会を調査し、および/または経済価値を評価するための電子交換所における資格のある参加者の権利が達成されうる。買い手16と売り手18は、適時に信頼できる仕方で商業上のトランザクションを実行する機会をも提供される。さらに、システム10によってもたらされる市場の特性は、市場構造、慣行および開示が公正、透明、効率的であることを求めるFCC基準を満たす。
【0027】
交換プラットフォーム12は、一つまたは複数のスペクトルまたはタワースペースのトランザクションの購入、リースおよび売却を容易にする取引アーキテクチャである。ある実施例では、交換プラットフォーム12は、買い手16または売り手18が無線スペクトルまたはタワーもしくはタワースペースに関連した一つまたは複数のトランザクションを遂行できるようにするウェブサイトおよび/またはサーバーである。本稿での用法では、「タワースペース割り当て」の用語は、単純なタワースペースのトランザクションのほか、タワー全体の即座の購入も含むことを注意しておく。交換プラットフォーム12は、買い手16と売り手18に関わるトランザクションに関連する要求を受け取り、処理するよう動作しうる。他の実施形態では、交換プラットフォーム12は(データベース28だけを含む)単一のネットワークノード、あるいは、何らかの人、会社もしくはスペクトルまたはタワー権の購入、リース、売却、移転もしくは取引をやり遂げようとしているエンティティのための単一のコンピュータ、管理センター、単一のワークステーションまたは本部オフィスでありうる。したがって、交換プラットフォーム12は、市場環境を運営または管理する管理団体または監督機関のはたらきおよび機能を達成するために利用または実装されうる、任意の好適なハードウェア、ソフトウェア、人員、装置、コンポーネント、要素またはオブジェクトを含みうる。
【0028】
交換プラットフォーム12は、スペクトルまたはタワー権の交換において運営する権限をもつ任意の好適なエンティティによって所有および運営されうる。買い手16または売り手18によって提案される任意のトランザクションに関連する情報を該トランザクションを完遂するために適切な交換所(たとえばポータル36)に中継するために、交換プラットフォーム12と他の任意の関連する交換所との間に接続が存在していてもよい。こうして、交換プラットフォーム12は、買い手16/売り手18(または他の何らかの第三の当事者)と、無線スペクトルもしくはタワー資産の申し込まれた購入または売却を記録および確証できる対応する交換所との間の、プロキシとして機能しうる。あるいはまた、認可されている場合には、交換プラットフォーム12はそのような取引実行機能を独立して実行してもよい。
【0029】
交換プラットフォーム12はまた、さまざまな資産を購入または売却するかどうかについて意思決定をするために使われるべき関連する金融情報を提供するために、買い手16または売り手18にリアルタイムの金融データを配送することもできる。この金融情報の中継は、データベース28を介して実行されてもよいし、あるいは他のいかなる好適な外部要素を介して実行されてもよい。スペクトルのたとえば値付け情報、資産クラス、満期データ、過去の取引値または現在の所有者のようなデータが買い手16および売り手18に提供されうる。その他の金融データも個別的な必要に基づいて容易に配送しうる。
【0030】
交換プラットフォーム12は、現行のFCCプロトコルに完全に準拠しており、現行のFCCオークション過程がシステム10によって容易に受け容れられるようになっていることを注意しておく。FCCは一般に、無線スペクトル権について同時多重ラウンド(SMR:
simultaneous multiple-round)オークションを使う。それによると、オークション全体を通じてすべてのライセンスに入札可能である(用語「同時」はこのことによる)。入札が連続的であるたいていのオークションとは異なり、SMRオークションは離散的な一連のラウンドをもつ。各ラウンドの長さは前もってFCCによって発表される。
【0031】
各ラウンドが終了したのち、ラウンドの結果が処理され、公表される。そうしてはじめて買い手16は他の買い手16が出した入札について知る。これは、ライセンスの価値についての情報をすべての入札者に提供し、最も高く評価する入札者にライセンスが割り当てられる可能性を高める。オークションのラウンドとラウンドの間の期間は、入札者がその入札戦略を評価し、場合によっては調整することをも許容する。
【0032】
SMRオークションでは、あらかじめ設定されたラウンド数はない。入札はラウンドからラウンドへと続き、あるラウンドですべての入札者活動が終了すると、そのラウンドがオークションの最終ラウンドとなる。FCCのSMRオークション設計は、組み合わせまたは「パッケージ」入札を許容するよう修正されることができる。パッケージ入札では、入札者は個々のライセンスに対するだけでなく、ライセンスのグループに対しても入札しうる。この手法は、入札者がライセンスの間に存在しうる何らかの相乗効果(すなわち、相補的な項目を組み合わせることによる恩恵)の価値をよりよく表現し、所望のセットのうち一部だけを落札する危険を回避することを許容する。
【0033】
通信ネットワーク14は、買い手16/売り手18と交換プラットフォーム12との間でデータまたは情報を交換するよう機能する通信プラットフォームである。通信ネットワーク14は、本発明のある特定の実施形態ではインターネットアーキテクチャを表しており、買い手16または売り手18に電子的に取引を実行したり、あるいは交換プラットフォーム12に配送されるトランザクションを開始したりする能力を提供する。あるいはまた、通信ネットワーク14は普通の旧来式電話システム(POTS: plain old telephone system)であってもよい。買い手16または売り手18はこれを使って同じ処理または機能を実行できる。そのようなトランザクションは、交換プラットフォーム12に関連した代理人またはブローカーによって補助されてもよいし、あるいは、トランザクションが開始または実行されるべきであると要求するために電話またはその他の好適な電子装置に手で入力されてもよい。
【0034】
他の実施形態では、通信システム14は、システム10内の任意の二つのノードの間の通信インターフェースまたは交換を提供する任意のパケットデータネットワーク(PDN: packet data network)でありうる。通信ネットワーク14は代替的に、任意の構内ネットワーク(LAN:
local area network)、都市圏ネットワーク(MAN: metropolitan area network)、広域ネットワーク(WAN:
wide area network)、無線構内ネットワーク(WLAN: wireless local area network)、仮想閉域網(VPN:
virtual private network)、イントラネットまたはネットワークもしくは電話環境において通信を容易にする他の何らかの適切なアーキテクチャもしくはシステムであってもよい。
【0035】
ある代替的な実施形態では、通信ネットワーク14および/または無線スペクトルモジュール20は、完全または部分的に人で置き換えて、対応する取引プラットフォームに人間用インターフェースを設けてもよい。そのような実施形態では、交換プラットフォーム12のエージェントまたは他の何らかの好適な人もしくは代理人が買い手16または売り手18によって(たとえば電話、ネットワーク、他の好適な電子装置を介してまたは口頭で直接に)接触されることがありうる。エージェントまたは代理人は買い手16または売り手18からの、スペクトルまたはタワー権に関わる何らかのトランザクションを実行する要求を受け取りうる。するとエージェントまたは代理人は、そのトランザクションを、ひとたび完遂されたら記録し、買い手16または売り手18に接触して、そのトランザクションが実行されたことを確認する。
【0036】
買い手16および売り手18はエンドユーザー:クライアントの代理人、顧客、見込みのある投資家または交換プラットフォーム12にアクセスするか、通信ネットワーク14を介して配送されるべき交換ネットワーク12との通信を開始することを望んでいるエンティティである。あるいはまた、買い手16と売り手18は、別のエンティティまたは要素の代わりに通信を開始しようとしている何らかの装置またはオブジェクトを表しうる。別のエンティティまたは要素とは、プログラム、データベースまたはシステム10内で声またはデータ交換を開始することのできる他の何らかのコンポーネント、装置、要素またはオブジェクトである。本稿での用法では、データ40は、任意の種類の数値、声、ビデオもしくはスクリプトデータまたはスペクトルもしくはタワー権に関係する何らかの要素と関連する何らかの適切なフォーマットの他の何らかの好適な情報を指す。買い手16または売り手18と交換プラットフォーム12の間で(通信ネットワーク14を介して)伝搬するデータ40は通信の流れを確立する。そのような通信の流れは、単純な情報の要求(たとえば、データベース28に関わる資産検索要求)、資産に対するビッド、資産を売るオファー、プロファイル情報、FCC文書、契約条件またはシステム10に関係する活動に関連する他の何らかの好適なデータセグメントであってもよい。ある実施例では、買い手16と売り手18は無線スペクトル権の購入または売却に関心のある投資家である。買い手16と売り手18は単にデータベース28に含まれる無線資産のパフォーマンス特性を閲覧しようとしているだけでもよいし、あるいはそこに含まれる資産に関係する特定の詳細を見きわめようとしているのでもよい。
【0037】
FCCオークションは、申し込み、前払い金を提出し、FCCによって資格のある入札者と見出される任意の適格な会社または個人(買い手16または売り手18のような)に対してオープンである。FCCオークションは電子的に遂行され、インターネットを通じてアクセスできる。よって、資格のある入札者は家庭またはオフィスでくつろぎながらビッドを出すことができる。さらに、ウェブブラウザーのあるコンピュータを利用できる誰でも、オークションの進行を追うことができ、各ラウンドの結果を見ることができる。
【0038】
買い手16または売り手18は、ある実施例では(FCCによって指定されているような)資格のある参加者である。FCCは、FCCの様式175申し込みを提出することに加え、買い手16または売り手18のそれぞれが前払い金を提出することを求めている。これはオークションにおいて行おうとしている入札に対する、返金可能なデポジットである。FCCオークションに先立ち、オークションにかけられる各ライセンスに特定数の入札単位が割り当てられ、前払い金はそれらの入札単位に対して入札する権利を買うために使われる。
【0039】
買い手16または売り手18は、その様式175で指定された各ライセンスについて前払い金を払う必要はない。そうではなく、申込者は、いずれか一ラウンドにおいて入札したいと考える(未決着の高額ビッドも含む)最大数の入札単位を購入する前払い金を提出するだけでよい。たとえば、申込者がその様式175において5つのライセンスを挙げているが、どの一ラウンドにもこれらのライセンスのうちの二つに対してしかビッドしないことを計画しているとする。この場合、その申込者はそれら二つのライセンスについての入札単位をカバーする前払い金を提出すればよい。
【0040】
買い手16および売り手18はそれぞれ、中央処理装置(CPU)を含むエンドユーザーインターフェースを具備している。エンドユーザーインターフェースは、トランザクションを開始する、またはシステム10内の資産モニタリング機能を実行するために、買い手16または売り手18のいずれによっても用いられうる。あるいはまた、そのようなエンドユーザーインターフェースは、買い手16、売り手18およびシステム10内の他の任意の要素の間の通信を容易にする他の任意の好適なインターフェースまたはオブジェクトで置き換えてもよい。システム10内の他の任意の要素とは:携帯電話、電子手帳、携帯情報端末(PDA)または、システム10内の一つまたは複数の要素にアクセスすることのできる(無線でもそれ以外でも)他の任意の好適な装置、コンポーネント、または要素などである。エンドユーザーインターフェースはまた人間のユーザーのための任意の好適なインターフェースを含んでいてもよい。そうしたインターフェースとは、ディスプレイ、マイクロホン、キーボードまたは特定の構成および配置に基づく他の任意の適切な端末装置である。さらに、エンドユーザーインターフェースは、スペクトルまたはタワー権の購入、売却またはリースに関わる通信のために特別に設計された独特な要素であってもよい。そのような要素は、買い手16および売り手18に関わる無線スペクトルアプリケーションのために特別に製造または生産されうる。
【0041】
無線スペクトルモジュール20は本発明のある実施例に基づくプロセッサ24およびデータベース28を含んでいる。無線スペクトルモジュール20は、買い手16または売り手18からの要求(すなわちデータ40)を受け取り、それらの要求を処理して、選択された資産に関わる金融トランザクションが実行されうるよう機能しうる。そのような処理は、プロセッサ24によって実行されうる。プロセッサ24はある実施例では標準的な中央処理装置(CPU)である。無線スペクトルモジュール20は、FCCがシステム10においてモニタリングおよび/または承認機能を実行できるよう、ポータル36へのリンクまたは接続をもちうる。さらに、ポータル36は、買い手16または売り手18に関わる一つまたは複数のトランザクションの扱いを促進するのに使用されうる。
【0042】
したがって、交換プラットフォーム12は、FCCへの連絡手段として使用されうる(すなわち、一または複数のエンドユーザーがFCCウェブサイトに接続されるために交換所にアクセスできる)。しかしながら、他の実施形態では、FCCは提供されるアーキテクチャをFCC自身のプロトコルとして容易に実装しうる。さらに、FCCはさらに、個人が運用初年はある種の閾値基準を満たすことを要求することによって、この産業をさらに規制することもできる。たとえば、現行のスペクトル配置に付随する一つの問題は、普遍的にスペクトルが死ぬということである。これは、多くの買い手が手を広げすぎる、あるいは単に購入したスペクトルを容量いっぱいまで活用するために使うべきであったインフラストラクチャーのための資金基盤を失うという事実に起因しうる。必要な資金基盤が失われると、スペクトルは、そのスペクトルが他の資金的により力のある個人に再販売されるまで死んでいると考えられる。しかし、そのような再販売は数年間は発生しないかもしれない。その間、そのスペクトルは不活動で十分利用されないままとなる。FCCはシステム10を実装することによって、およびある種の購入者には所与の時間期間内にあるレベルの利用度で当該スペクトルを使用することを要求するという規則を設けることによって、このジレンマに対処することができる。
【0043】
購入者が1900MHz帯のスペクトル権を購入し。権利が続く10年間にわたる例を考えてみる。この個人は購入から18か月以内に1900MHzを(トリビアルでない仕方で)使いはじめるよう要求されうる。その期間中に活動が始まらない場合には、FCCが介入してそうした権利の部分をオークションにかけて、もっとその1900MHzスペクトルを使う力がある個人に売ることができる。これはサービスの迅速な展開を促進し、さらに、電気通信会社間の競争を助長する。これは、スペクトル権の最適な使用をうながす環境をもたらす。
【0044】
データベース28は、データを記憶し、所与の無線スペクトルまたはタワー資産に関連した一つまたは複数の検索を実施するよう動作しうる記憶要素である。データベース28は、資源の利用可能性およびその関連付けられた価格の適時の発見を容易にしうる。これは今度は、産業参加者および投資家(政府参加者も含む)に明確さをもたらす流動性のある二次市場を生成する。好ましくは、無線スペクトルの取引におけるより大きな流動性をうながすための諸ツールは、すべての市場参加者が、多様な市場条件のもとで、適時な仕方で資産を取得し、あるいは資産を売却するために行動することを許容する。
【0045】
データベース28は、無線スペクトル権またはタワー権に関係するトランザクションに関連付けられた任意の参加者に関連付けられた一つまたは複数のプロファイル30を含む。プロファイル30は、買い手16および売り手18から必要な情報を取得したのちに生成され、維持される。プロファイル30に含められる好適な変数はいくつあってもよく、いかなる適切な時点でも求められうる(たとえば、以下の図面においてより完全に詳述される登録を介して)。これは、一または複数のエンドユーザーが、市場に参加することを許容される前に適切に認証され、認可されることを許容する。データベース28はまた、買い手16または売り手18が目標とされる資産に関与する意思決定をするのを支援する追加的機能をいくつ含んでいてもよい。
【0046】
たとえば、データベース28は、同定された資産の視覚(のちの図面で示される好適なグラフィックを介して)およびテキスト記載を提供することによって、情報を得た買い手16および売り手18を結び付ける。さらに、データベース28は、所与の決定に影響するいかなる好適な特性を含んでいてもよい。たとえば、データベースは次のような項目を含むことができる:所与のタワーのそばを1日何台の車が通るか、タワーまたはスペクトルのエンドユーザーに関連する人口動態または他の任意の好適なパラメータ、あるいは選択されたスペクトルにおける資産を購入、リースまたは売却する意思決定をするのに有用または助けになりうる他の任意のパラメータまたは特徴である。この努力において、たとえばFAA、FCCなどといった第三者が、市場参加者に関係する情報を収集することにおいて使われてもいい。
【0047】
データベース28は、無線スペクトルまたはタワースペーストランザクションに関連したいかなる資産についても容易に検索機能を提供しうる。資産の利用可能性は、瞬時の声または電子的通信方法および資産の価格の正確な決定とともに、交換プラットフォーム12の効率的な動作を保証する必要な構成要素である。
【0048】
結果として生じるもの(交換プラットフォーム12の中または外部で生成される)はいくつでもデータベース28に好適に保存されうる。プロセッサ24も、買い手16または売り手18によって要求される任意の金融上の条件を処理することにおいて支援しうる。無線スペクトルモジュール20が、買い手16または売り手18によって与えられた要求された金融パラメータまたは申し込みされた契約条件を、市場で入手可能なものと付け合わせることができない場合には、無線スペクトルモジュール20は買い手16または売り手18に連絡して、どちらかにそのような注文を成就させることができないことにまつわる状況を通知する。
【0049】
データベース28は、交換プラットフォーム12で実行される取引がしかるべくログされ、記録されることができるような名うての情報センターとして使われることもできる。さらに、データベース28は、FCC(または他の任意の統制機関)のための情報センターの役割をして、そのような機関のための記録の保持者を提供することもできる。これは、任意のトランザクションに関連付けられた適切な資金の受領を含みうる。第三者トランザクションに関係する情報もデータベース28に含められることができる。こうして、データベース28は(自律的に、あるいは任意数のエンティティへの接続を潜在的に提供するポータル36と協働して)、任意の好適なトランザクション(潜在的には交換プラットフォーム12の外部)に関連付けられたモニタリング機能を実行できる。この意味で、本アーキテクチャは、エンドユーザーの恩恵のため、あるいは任意の統制機関の恩恵のために向上した特徴および機能を提供するために、採集(harvesting)、保存およびモニタリング機能を実行することができる。
【0050】
交換プラットフォーム12は(データベース28を通じて)市場の諸構成要素を総合して、買い手16と売り手18の間のスペクトルの取引を大幅に促進し、容易にする単一の要素にすることができる。データベース28はさらに、スペクトルの品質および利用可能性を検証し、トランザクションに参加したがっている資格のある当事者の同定を容易にし、価格と期間に関しての条件の交渉を許容し、鍵となる経済的対価の適時の電子的決済を容易にするための機構を提供する。データベース28はこれらの動作を実行できる。その間、最終的な規制上の提出、準拠および承認を見越した予備的な法的文書を生成する。
【0051】
さらに、データベース28は、交換プラットフォーム12に関連した電子タスクの完全にして正確な完了を保証する。こうして、データベース28の包括性(comprehensiveness)は、前のステップが完全に完了しないうちにトランザクション過程のさまざまなステップを通ったさらなる進行を禁止するフェイルセーフ機構をもたらす(のちに図2〜14を参照しつつより完全に述べる)。いくつかの再指示(redirection)機構(たとえばポップアップメッセージまたは単純なテキストの合図)が、後続ステップに進む前にエンドユーザーが指定されたステップを完遂することを保証する。したがって、参加者たちにとって、欠陥のある情報収集実施に関連したリスクおよび不確実性は軽減される。よって、おそれおよび心配は、データベース28の精度およびより優れた性能によって示唆される。
【0052】
データベース28(いくつある一次市場トランザクションにおいても機能するよう等しく動作可能)によって提供されるような電子的な二次市場の存在は、資金難のエンティティによる二次的なリース権の再販売を容易にもするであろう。それにより、十分利用されておらず価値のあるスペクトルを商業市場に戻すことになる。そのような機能は、選択されたスペクトルの売り手と買い手がそのスペクトルの販売価格を決定する際に最良の市場慣行の恩恵を受けることを保証しつつ、実行されうる。データベース28は、物理的な地理的マップとスペクトルの現在の利用可能性とを単一のユニットに統合することを提供する。この単一の道具は次いで、価格の同定を容易にし、はかどらせ、さらには結果として得られるトランザクションを実行するために使用されうる。さらに、これはトランザクションの諸当事者が、自分たちの特定のトランザクションについて入手可能な最良の情報を有しているとわかっていることにおいて自信を享受することを許容する。これは、目録の物理的な位置に適用されることができるのみならず、その目録の現在価格にも適用されることができる。これは、今度は、目録の現在進行的な評価および目録に保持されている権利の価値の変動によって惹起される追加的な商業機会の認識を容易にする。
【0053】
破産の背景では、システム10は、破産措置を通じて他の資産が失われる間にも滞っているスペクトル権資産が資金難の会社の帳簿上に残るのを単に許しておくということに代わる、有望な代替をも提供する。しばしば、破産の過程の間(あるいは構築や使用ができるよりも多くのスペクトルを取得する過程の間)、スペクトル権は停止にされて維持される(たとえば、XOコミュニケーションズの場合およびネクストウェーブ・テレコムの場合がそうで、この後者はPCSおよびローカル・マルチポイント配信システム(LMDS)スペクトルを専門とする)。そうした会社は、こうしたスペクトルを使ったり電気通信インフラストラクチャーを構築したりしてスペクトル権を利用することにはほとんど、あるいは全く熱意がないことがありうる。ひとたびそうした会社が破産措置から更正すると、そのスペクトル所有権および付随する権利は自分たち自身の業務にはほとんど価値がない。自分たちではそれらのスペクトル権のために市場に取り組むのに必要な施設を提供することができないからである。さらに、すべてのスペクトル保持者は、オークションの際にスペクトル使用について設定されていた時間制限のため、構築またはリースに大いなる誘因がある。システム10は、これらの問題を軽減し、そのような病める会社のための代替的な道を提供する。さらに、完全に機能しているスペクトル権交換は、破産過程の間にスペクトル権を換金したり、あるいは単に会社が破産更生を終えたときにスペクトル権を迅速にリースしたりする可能性を提供する。
【0054】
システム10のデータベース28がある種のスペクトルの所有者を同定するためにも使えることを注意しておく。たとえば、ある個人がラスヴェガスにおけるスペクトルの1900MHzのスライスの正当な所有者を見定めたいとすると、この情報を同定するために簡単にネヴァダのデータベース28が検索できる。本構成の実現前であれば、そのような問い合わせは複雑で骨の折れる仕事であろう。したがって、データベース28は、任意の与えられた地点をその所有者およびさらにその対応する権利にマッピングするための効率的なツールをもたらす。たとえば、簡単な検索でネヴァダ州ラスヴェガスにおける1900MHz範囲の所有者が単にスプリント社(Sprint
Corporation)からこれらのスペクトル権をリースしている小事業者であることを明らかにする。さらに、検索は、根底にあるスプリントのそのスペクトル権における利権は現在のリースの期限と同時に期限になることも明らかにできる。こうして、問い合わせをする個人は、そのような権利が(まず間違いなく)オークションにかけられるのがいつかを判別し、そのようなシナリオの参加者となることができる。
【0055】
無線スペクトルモジュール20の内部構造は柔軟で、意図される動作を実現するために容易に変更、修正、再配置または再構成されうることを注意しておくべきであろう。したがって、無線スペクトルモジュール20(あるいはデータベース28またはプロセッサ24などそこに含まれる要素のどれでも)は任意の好適な以下のようなものを含むことができる:コンポーネント、デバイス、特定用途向けIC(ASIC)、現場プログラム可能なゲートアレイ(FPGA)、マイクロプロセッサ、ハードウェア、ソフトウェア、マイクロプロセッサ、アルゴリズム、読み出し専用メモリ(ROM)素子、ランダムアクセスメモリ(RAM)素子、消去可能なプログラム可能型ROM(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能型ROM(EEPROM)または無線スペクトルモジュール20の動作を容易にするよう動作できる他の任意の好適なオブジェクト。システム10のコンテキストでは、無線スペクトルモジュール20の構造は著しい柔軟性を提供する。他の実施形態では、プロセッサ24がデータベース28内に含まれていてもよいし、あるいはプロセッサ24の機能の一部がデータベース28によって実行されたり、逆にデータベース28の機能の一部がプロセッサ24によって実行されたりすることも容易にできる。こうして、プロセッサ24はデータベース28をその動作において支援することもできるし、あるいはこれらの機能を独立して実行することもできる。さらに他の実施形態では、無線モジュール20は単に、データベース28および/またはプロセッサ24を含むネットワークノードである。
【0056】
システム10がその動作のコンテキストにおいていくつかの有益な結果および技術的効果を達成することもしかるべく注意しておくべきであろう。たとえば、交換プラットフォーム12は、既存の諸システムよりもはるかに使用が簡単である。より具体的には、データベース28は、無線またはタワーに関係するトランザクションを実行することを希望して特定の資産および/または商品を検索することにおいて、買い手16および/または売り手18が普通なら実行するであろう時間集約的な動作を回避する。さらに、交換プラットフォーム12の好ましい機能は、一つの場所で、買い手16または売り手18のニーズのすべてに対応する「ワンストップ」アーキテクチャを提供する。一つの場所でのこの処理はさらに、買い手16および売り手18に負わされる重荷を軽減し、すべてのトランザクションを効率的な仕方で迅速化する。FCC規制(または他の政府規制)に完全準拠できるので、システム10は、そのような努力に携わるいかなる当事者にとっても、絵に描いたような「完璧な解決策」をもたらす。
【0057】
ポータル36は、買い手16または売り手18によって開始されたトランザクションおよび取引の公正かつ適正な実行を保証するために交換プラットフォーム12と協力する要素である。ポータル36は、トランザクションの何らかの時点において、適切な規制機関(たとえばFCC、Ofcom、EUなど)の職員が介入する(たとえば、販売または購入のためのビッドまたはオファーを承認または拒否する目的で)ことにつながりうる。交換プラットフォーム12は、本稿においてここに概説されるようにFCCの規則および規制に従って業務を遂行しうる。ポータル36はまた、交換プラットフォーム12のエンドユーザーにとって有意でありうる情報を提供する他のウェブサイトまたはデータベースへの追加的アクセスを提供することもできることを注意しておく。そのようなウェブサイトはたとえば、連邦航空局(FAA)を含みうる。FAAはタワースペース資産に係るデータを提供できる。ポータル36は、いかなる適切な規制機関に関わることも、適切な場合には権利で保護されたデータベースに関わることもできる。
【0058】
オークション設計、入札者の数およびオファーされるライセンスの数に依存して、オークションの持続は1日から数週間のうちのいずれでもよい。オークションは典型的には月曜日から金曜日までの通常の業務時間に遂行される(東部標準時)。オークションの初日は一般に長い入札期間をもって幕を開ける。典型的には1ラウンドが1時間または2時間の入札ラウンドが2ラウンドあって、それにラウンド結果が続く。オークションが続くと、FCCは一般に1日当たりのラウンド数を上げ、ラウンドの継続時間を減らす。入札者は、関心のあるライセンスが払う用意のある額を超えるとオークションから離脱する。オークションは典型的にはすべての入札活動が止まるまで続く。
【0059】
いかなる形(たとえば5年、12か月など)のスペクトル権を買うことも資金のかなりの投資であり、そのような尋常ならざる購入に伴うさまざまな同時並行的問題についての並外れた理解を要求することを注意しておく。さらに、不注意な者にとっては、そのような資産が呈しうる潜在的な金融上の窮地はいくらでもある。車や住宅の購入と違って、スペクトルの購入は、個人が目標とする取得を実際に実行する前に、計画され、練られ、検証されるべきである。ひとたびスペクトルが購入されたら、会社は次いでそのスペクトルを利用するためのネットワークおよびインフラストラクチャーを構築しなければならない。よって、いかなるスペクトル商品も、その成功は所有者に価値をもたらす鍵である取り巻く環境に依存するので、複雑な資産を表現する。
【0060】
これらの同定された因子の重要性のため、システム10の教示は、現在の市場における信じがたい空白を埋める。システム10は、さまざまなスペクトルの精密な記述および値付けが容易に同定されうるので、いかなる個人が心配の一部を軽減することをも許容する。このことは所与の起業家が、あるスペクトルを買うのにどのくらいの金がかかるか、そしてさらに再販売市場はどのくらいの金額をもたらしそうかを判別することを許容しうる。これはそのような購入に携わるどんな人にとっても決定的である。たとえば、投資家Aがカリフォルニア州サンノゼでの$2.5GHz帯についてのスペクトル権のために3000万ドルを支払う用意があると決心し、現在の入札が2500万ドルの範囲である場合(この例は、2500万ドルの範囲に複数の入札者がいることを想定している)、この入札者は購入のために500万ドルの上乗せ金を払うことがありそうである。
【0061】
500万ドルの上乗せ金は理想的ではないかもしれないが、それは投資家Aにリスクを同定する力を与える。最悪ケースのシナリオでも500万ドルの損失である。この重要な測定可能な差は、所与のスペクトル購入についていくら払うことになるか推測することしか許容しない従来の諸システムと対照的である。最も重要なことに、システム10によって提供される交換は、このシナリオにおける買い手が、約500万ドルのリスクを帯びつつあることを認識することを許容する市場をもたらす。所与の市場におけるあらゆる投資はいくばくかのリスクを含む。このシナリオがほぼ意味するところは、買い手が購入前に自分のリスクを認識させられることである。こうして、買い手がこれらのスペクトル権を購入しようとしていて、財源(たとえばベンチャー資本家)が資金を提供したがらないとのみ実感した場合、この買い手は単に交換プラットフォーム12を通じてその投資から抜けることができる。そのような流動性は、スペクトル権を商おうとするどんな人にとっても効率的な市場を提供する。
【0062】
ある実施形態によれば、トランザクションに関わる参加当事者の準拠要件に関して、ある著しいリスクが軽減されもする。これは、事前資格登録からトランザクション完了後の追加的補遺(follow-up addendum)まで、トランザクションのあらゆる段階にあてはまりうる。登録要件およびトランザクションの自然な進行の両方を通じ、買い手16および売り手18に提供される情報に関する適時性と正確さの度合いが上がることを通じてリスクが軽減される。さらに、それぞれが参加当事者からの高いレベルの正確さを保証する個々のステップのそのような完全な進行は、市場参加者にとっての向上した満足を許容する。そのような個人たちは、雑多な規制上の要件および準拠要件が満たされることがわかっているので自信をもってトランザクションを実行できる。こうして、提出される情報(本発明によって分与される付随する注意(diligence)をもって収集され、確かなものにされている)の包括性は、参加者が自分のトランザクションを確かなものにする(secure)ために合理的に行動できる基盤をなす。
【0063】
システム10はさらに、見込みの買い手または売り手に、スペクトルまたはタワー権の調査、勧誘、交渉および実行を含む多角的プロセスを提供する。資格のある参加者は、地理的領域の包括的データベース28を検索して、無線スペクトルおよび施設の利用可能性を同定しうる。これは、いかなる二つのエンティティにも、利用可能性、施設および所望の使用期間について当事者間で一致が存在するときには直接的な連絡にはいることを許容する。資格のある複数の買い手の間での多角的議論の効率性は、資産(および取引パートナー)を同定し、所望のスペクトルの権利の適時の交渉を実施することにおいて、市場参加者の自信を助長する。
【0064】
図2〜図14を説明するにあたって、本発明の一つの実装を例証する目的で例を与えているのであることを注意しておく。そのような例はこの特許出願の付属の請求項に対して与えられる権利および特権のいかなるものを放棄するものでも決してない。与えられる例では、図2〜図14の要素によって容易になるプロセスをナビゲートする者としてある個人(ジョン・ジェームズ)のことを述べる。そのような説明は、本発明の広範な教示および境界を制限したり制約したりする必要はない。そのような権利は侵され得ないものである。
【0065】
ジョン・ジェームズの例では、ジョンはまずウェブサイトを介してスペクトル権に関わっている交換所に接触しようとし、次いで他の何らかの将来の質問に答えるための交換所のオペレーターを単に呼び出そうとした。我々の例では、ジョン・ジェームズは、最近大金(3000万ドル)を相続しており、インディアナ州インディアナポリスでブロードバンド会社を立ち上げようとしている。ジョン・ジェームズは、自分の事業計画を成就させることに向けた決定的な第一歩は事業計画の土台となる莫大なスペクトル購入であることを学んだところだ。
【0066】
図2は、本発明のある実施例に基づいてシステム10で使用されうる例示的な登録ページの簡略化された概略図である。買い手16および売り手18の事前資格証明のために設けられる登録ページは、市場トランザクションに能動的に従事することを容易にする。さらに、登録ページは望まれる複数の別個の資格基準のための経路を提供する。これは、権利のライセンスを受ける者、ライセンスする者およびその他の資格のある参加者がスペクトル権に関わる二次市場に参加する誘因となりうる。買い手16および売り手18の登録情報は図2に示されるような初期登録画面を通じて提出されてもよいし、あるいは伝統的な郵便システムを介して、もしくは交換プラットフォーム12の担当者との電話での会話を介してなど他の任意の適切な仕方で提供されてもよい。
【0067】
ある実施例では、ジョン・ジェームズは図2の登録プロセスを開始している。ジョン・ジェームズにはいくつかの変数が求められ、ジョン・ジェームズに対応する一つまたは複数のプロファイル30が開始され、データベース28に適正に保存されうる。あくまでも教示の目的で使われているこの例では、ジョン・ジェームズは次のような変数を提供することを求められる:会社名、住所、意思決定権、連絡先情報、希望するスペクトル資産、スペクトルを買うのか売るのかリースするのかの選好、スペクトルを希望する時間の長さ、スペクトルの包括的なリストからの所望の周波数、含められるべき地理的領域、用いるスペクトルアーキテクチャの種類。これらの変数のさまざまな並べ替えは確かに本発明の広い範囲内であり、個別的な必要性に基づいたものでありうる。
【0068】
ユーザープロファイル情報(プロファイル30に含まれる)は、人が受け取ることに関心のある情報を表しているので重要である。たとえば、ジョン・ジェームズがブロードバンドスペクトルを希求しないことに決め、代わりに1700MHzスペクトルを選ぶ場合、ジョン・ジェームズの関心の推移は更新されたプロファイルに反映される。こうして、ジョン・ジェームズは、選んだスペクトルに関わる機会が現れたときに、売り手、買い手またはエージェントから接触されうる。さらに、プロファイル情報は、あるスペクトルについてのジョン・ジェームズのビッドについてジョン・ジェームズに連絡するため、あるいは隣接市場におけるスペクトル販売についてジョン・ジェームズに知らせるために使うことのできる重要な連絡先情報を提供する。たとえば、ジョン・ジェームズのプロファイル情報は、ジョンのために電子メール通知およびその他の市場の更新情報を提供するために使うことのできる電子メールアドレスを含みうる。交換プラットフォーム12は、ジョン・ジェームズに、選んだスペクトルに関するいかなる可能な機会を通知するためにも使えるという点で強力である。これは、ジョン・ジェームズが選択したスペクトルに関係するいかなる利用可能な機会についても常時ジョン・ジェームズに知らせておく対話システムを許容する。提案されるアーキテクチャはまた、見込みの相対当事者(またはその他の資格のある参加者)がある参加者の存在を知らされることができるよう、当事者から情報を求め、集める(そしてのちに提供する)構成を提供する。これは、相互に利益のある市場参加者どうしの間での最適な協調を容易にすることを助ける。
【0069】
ひとたび情報が一つまたは複数の登録画面を通じて入力されると、買い手16または売り手18は市場にはいる認可を受け取るか、あるいは考えられているトランザクションの種類のための有資格基準を満たさないために市場にはいることを許されないかのいずれかである。ある種の場合には、買い手16または売り手18は追加的な書類を提出することを求められることがある。交換プラットフォーム12の管理者は登録情報を吟味し、それから顧客登録合意を潜在的な買い手16または売り手18に送りうる。一般には、システム10には限定的監視(policing)機能を設けることができ、交換プラットフォーム12に登録するある種の個人はしかるべく調査されることを注意しておく。各人の資産、流動性などを実際に検証することは途方もない仕事なので、そのような調査は最小限である。しかるべき追加的な注意(diligence)はFCC、両当事者の弁護士および/または背景調査を介して実行されることができ、提供されるスペクトル交換を介して実行されるいかなるトランザクションの下位部分でもありうる。
【0070】
顧客登録合意はそれぞれの潜在的な買い手16および売り手18に配布されうる。顧客登録合意は標準化された法的合意であって、事前資格証明を求めるエンティティが交換所の会員となるためには、しかるべく権限を与えられた企業代表者によって実行されねばならない。顧客合意は、交換所を介して提供される情報を使って、契約上合意された手数料を交換プラットフォーム12に払うのを回避する目的で私的なトランザクションにはいることを防止するための非迂回(non-circumvention)のための規定を含んでいてもよい。顧客合意はまた、そのような私的なトランザクションが他の資格のある参加者に開示されず、そのためFCC基準に準拠しなくなるという可能性を禁止するためにも使用されうる。その帰結として、そのような非迂回の規定は、交換プラットフォーム12を介してはいられたすべてのトランザクションは、すべての資格のある参加者、規制当局および法的に適格な当事者に完全に開示される公開トランザクションであるという明示的な合意を含みうる。署名された顧客合意を受け取ると、買い手16または売り手18は無線スペクトルに関係する権利に関わるトランザクションに自由に参加できる。こうして、この顧客登録合意の完遂後、および金融上の流動性要件の充足後、交換プラットフォーム12は無線スペクトル口座を構成できる。該口座は取引活動を支持するために明示的に資金を受けている預託金口座を含む。
【0071】
ジョン・ジェームズに関する我々の例を続けると、ジョンの登録情報は次の位置で受け取られ、好適に検証された。この検証は、いくつかのしかるべき注意(diligence)調査を含んでいた。というのも、ジョンの最も最近の履歴は、約31,000ドルの年収しかなかったことを支持していたからである。この点から、交換プラットフォーム12に関連する権限を与えられている人物がジョン・ジェームズに、ある種の条件(たとえばFCCに対しては交換所によって代表されるということ)に束縛し、交換プラットフォーム12の所有者たちのためにいくつかの但し書き(caveats)(たとえば、登録の際に何らかの誤解を招く情報を与えた場合にはジョン・ジェームズは口座を取り消される、ジョン・ジェームズは交換所に対してもFCCに対しても内容的な不実の伝達を行わないこと、など)を提供する形式合意(form
agreement)を送った。ひとたびジョン・ジェームズの登録が吟味され、承認されたら、ジョン・ジェームズは、交換プラットフォーム12にアクセスできるようになるユーザー識別情報(ID)およびパスワードを発行される(図3に示されるように)。
【0072】
図3は、システム10で使用されうる例示的なログインページの簡略化された概略図である。(提供された顧客情報を適正に吟味して)ひとたび交換プラットフォーム12の要件が満足されれば、ユーザーIDおよびパスワードは資格のある参加者に対して発行されうる。すると、資格のある参加者は市場にはいることができ、スペクトルおよび/またはタワー権に関連する業務のトランザクションを行う能力を授与されることができる。よって、買い手16または売り手18のいずれも、今では、スペクトル権またはタワースペースの購入、販売またはリースについて市場での利用可能性を調査し、追求することができる。一般的に、販売をまとめるために必要な法的文書を取り決めること、または入札をカバーする金額が預託に存在することを確かめることは、最終的に売り手次第である。他の実施形態では、このプロセスはより自動化される。
【0073】
図4は、システム10において使用されうる例示的なトランザクションページの簡略化された概略図である。資格のある参加者は、スペクトル権またはタワースペースの購入、売却またはリースに係る選択をしうる。ひとたび顧客が選択をしたら、顧客は、その最初の決定に関連するさらなる詳細を提供する別のページに誘導されうる。
【0074】
図5は、システム10において使用されうる例示的な資産記載ページの簡略化された概略図である。図5の画面ページは、エンドユーザーが、目標とする資産の購入、販売またはリースのための日時を同定することを許容する。さらに、このページは値付け情報、条件および追加的パラメータをいくつでも、選択することを許容する。目標とされる商品は多次元的な資産(a multidimensional asset)であると考えられるので、そのような条件はいかなる追加的詳細を含んでいてもよいことを注意しておく。そのようなレベルの複雑さ(たとえばタワーの属性、電力の配位[power
configurations]、スペクトルパラメータなど)は交換プラットフォーム12によって容易に受け容れられる(そしてその配送も自動化できる)。そのような高価な資産は普遍的に補足的な技術的記載および明細に値するので、そのようないかなる技術的記載が条件セクションの一部であることも容易に可能である。この画面ページはさらに、使用されている技術、所望の取得日時、地理的領域および求められているスペクトル周波数もしくは他の項目の種類を同定しうる(個別的な必要性に基づいて)。ジョン・ジェームズに関わる我々の例では、ジョン・ジェームズは単に所望の選択(すなわちスペクトルのリース)を入力しており、今では次の画面に誘導されている。
【0075】
図6は、本発明のある実施形態に基づくシステム10において使用されうる例示的な周波数選択ページの簡略化された概略図である。図6の例は、交換プラットフォーム12と協働してオークションで売却されうる潜在的な周波数のほんの一例を与えるものである。ジョン・ジェームズに関わる我々の例を続けると、ジョンはブロードバンドのパーソナル通信サービス(PCS)のスペクトルを購入しようとしている。(この帯域は一般に1850〜1990MHzの領域にあり、デジタル携帯電話サービスに使用されることを注意しておく。そのような技術は第二世代(2G)であり、AT&T、シンギュラー・ワイヤレス[Cingular
Wireless]およびスプリントといった会社によって支配されている。)ひとたび周波数が選択されると(選択は図5の「選択」ボタンを使って、表示された図6において行われる)、ジョン・ジェームズは自分の地理的領域を選ぶ。検索ボタン(たとえば図5で「地域を選ぶ」として識別される)を選択することによって、ユーザーは、該ユーザーが無線スペクトル活動に従事する資格のある潜在的な全地理的領域の地図を呈示される。これは、関連する地域を100%視覚的にカバーする、衛星地図までを含む順次高くなる複数の解像度の地図を使った完全な実施形態としてなされる。これは、利用可能な施設およびスペクトルについてできうる最も精密な検索を許容する。
【0076】
図7は、システム10において使用されうる例示的なマッピングページの簡略化された概略図である。図7は経度および緯度の座標ならびに所与のエンドユーザーがさまざまな距離を測ったり目標領域を選択したりする際に支援するための鍵またはスケールを含んでいる。地理的領域は、データ入力ツールを使うか、一連の地理的マップを通じてクリックするかによって検索できる完全な地理的データベース(データベース28の一部として含められるか、あるいは代替的実施形態では独自のデータベースとして別個に設けられる)を利用することに合わせて選択されうる。そのようなデータ入力の間に実際の経度および緯度のポイント(または座標)を入力することができる。これらの座標から、エンドユーザーは特定の領域に誘導されることができ、そこから適切な場合には、個別的な必要性に基づいて、何らの追加的検索を実行できる(たとえば、半径10マイルの範囲内のタワーを検索する)。
【0077】
我々の例では、ジョンは郷里に帰って自分のブロードバンド会社を開く決心をしている。インディアナ州インディアナポリスでブロードバンド事業を開始することを決めたのである。ひとたびジョン・ジェームズがインディアナ州を選ぶと、ジョンは次の画面に誘導され、そこでインディアナ州のより詳細な地図を提供される。
【0078】
図8Aは、システム10において使用されうるより詳細な例示的なマッピングページの簡略化された概略図である。追加的な表現(図8Bによって示される)が図8Aと一緒に提供されることができ、以下のような情報を含むことができる:誰がどの周波数を所有しているか、選択された周波数のどれくらいが使われているか、タワーの利用可能性、どのくらいのインフラストラクチャーが築かれているか、スペクトル利用度(すなわち、選択されたスペクトルをどのくらいのユーザーが現在使用しているか)およびこの地域でどの競合相手が事業をしているか。図8Bの選択された諸部分は、この例におけるさまざまな領域における所有権を示している。こうして、ジョン・ジェームズに関わる我々の例では、ジョンは、任意の所与の領域においてシンギュラー・ワイヤレスが何を所有しているか、どのくらいの電気通信インフラストラクチャーが築かれているかおよびインディアナ州インディアナポリスでどのくらいのタワーが存在するか(および/または利用可能であるか)を容易に同定できる。よって、これは、所与の領域がどうなっているかの完全な描像を与えることにおいて、完全な解決策を提供できる。図8Aのハイライトされ、太くされた領域が、インディアナ州インディアナポリスにおいてスペクトルをオークションにかける際にFCCが使っている地理的境界を表している。
【0079】
図9は、システム10において使用されうる例示的なオークションパラメータページの簡略化された概略図である。図9は、取引種別を示している(たとえば、「関心の指示」または「確定した(firm)」要求で、この後者は一般に預託を要求する)。ひとたびエンドユーザーが取引種別を選択すると、リリースおよび終了の期間の時刻が入力できる。これらのパラメータは、選択された取引が開始される、および選択された取引が期限切れとなるときの厳密な時刻を指定する。ジョン・ジェームズに関わる我々の例では、ジョンはオファーが約3か月しか有効でないことを選んでいる。
【0080】
図10は、システム10において使用されうる例示的なオファー選択ページの簡略化された概略図である。図10は、スペクトルまたはタワースペースの売却、購入またはリースの間で選択をするために使用されうる。ジョン・ジェームズに関わる例では、ジョンはスペクトル権をリースすることを選択している。
【0081】
図11は、システム10において使用されうる例示的な取引提出および/または承認ページの簡略化された概略図である。図11は、図5の反映であるが、いくつかのパラメータはすでに指定されている。この点から、エンドユーザーは、選択された取引がその指定された条件を反映するよう条件を入力する(たとえばPDF形式または類似のファイルを介して)ことを促される。こうした条件は、エンドユーザーを代表する一または複数の弁護士とともに与えられることになると予想される。条件は、選択された無線スペクトル権に関わる合意の一部として付加されることができ、よってエンドユーザーをしかるべく束縛することができる。完全な条件が含みうるものとしては、購入またはリースする決定、周波数の種別、基本的な取引領域および地方、公共団体または国の政府が関わっているかどうかがありうる。さらに、「その他のコメント」セクションが設けられてもよい(図11に示されるように)。何らかの追加的情報(たとえば外国所有権または指定エンティティ[designated
entity]の資格に関する情報)またはトランザクションの検討または規制当局の承認のために必要とされるその他の情報を供給するためである。
【0082】
所与の参加者によって条件が適正にロードされたのち、指示がアップロードされて、任意の期間にわたってすべての資格のある参加者によって検索可能となる。関心の、あるいは勧誘の広告を受け取りうるのは、その注文を満たすことのできる誰でも、あるいはそのような種類の情報を受け取ることに関心を表明した者誰でもである。すると相対者は条件を閲覧して検索することができ、その後、進んだ交渉を開始することによって応答できる。申し出られた条件をブラウズすることは、当事者たちに、行動の点を選ぶことを許容しうる。さらに、そのような機会は、自分自身の業務指針を反映するために提案された条件に必要な調整を施すために誰によっても使われうる。すべての通信(たとえば電子メールを介した)は記録されうる(たとえば中央レジスタに)。それによりあらゆる活動の完全な監査記録が提供される。そのような記録は、トランザクションを完遂する目的のために、またFCCによって公布される任意のその後の準拠要件または規制要件のために使用されうる。そのようなトランザクションに関わる開示が公正、透明および実効的であるべきとするFCC規格を満たすため、電子メールオプションがシステム10内に設けられうる。
【0083】
図12は、システム10において使用されうる例示的なオファーページの簡略化された概略図である。図12は、交換プラットフォーム12がジョン・ジェームズによって要求された結果を取得した場合を反映している。結果は、選択されたスペクトルに相関する地理的表示を含んでいる。ジョンは今ではインディアナ州インディアナポリスにおけるPCSスペクトルの利用可能性を、さらにはそれらの領域における選択されたスペクトルの現在の価格を理解している。少なくとも、ジョン・ジェームズは今や、自分の潜在的な将来のスペクトル購入について知らされている。最良ケースのシナリオでは、ジョンはインディアナ州インディアナポリスで自分のブロードバンド会社を築く礎石として費用を出せ、使用することのできる利用可能なPCSスペクトルを同定している。最悪ケースのシナリオでは、ジョンはこの市場は大電話会社に重度に支配されており、タワースペースは限られており、それほど競争が激しくない、または高価でないインディアナ州の他の地域でビッドしたほうがいいかもしれないと理解している。ジョンはまた、他の周波数を見(たとえば2.5GHz、そして24GHzを復路に使う)、スペースおよび/またはタワーの利用可能性についてタワー所有者に問い合わせを生成することもできる。
【0084】
図13は、システム10において使用されうる例示的な完了ページの簡略化された概略図である。完了ページは、ジョン・ジェームズによって入力された全パラメータを、条件シート番号およびトランザクションの状態とともに含みうる。ひとたび確定した(firm)指示シナリオにはいると、合意された条件に従ってトランザクションを完了させるために、資格のあるユーザーの取引口座に預けられている金がシステム10によって預託されることができる。これにより、当事者たちは、完全な準拠を保証するために互いに完全な条件をリリースすることができる。特定のトランザクションの当事者は、次いで合意された条件を吟味して確認することを求められうる。トランザクションを最終化するため、トランザクションに関わっていた第一の当事者は「受諾」アイコンを選択しうる。第二の当事者も「受諾」アイコンを選択しうる。この二人の相対者は次いで、合意されたスペクトルの実行された取引の通知を受け取る。受諾は、交換プラットフォーム12によって集められた署名された条件に従ってスペクトルを取引する法的な言質をなすものである。
【0085】
ひとたび確定した(firm)受諾が参加者どうしの間で交換されると、通知(および潜在的にはそのトランザクションの詳細)が全市場参加者にリリースされうる(たとえば、取引および関心の指示の掲示内で、あるいは参加者の記録の電子メールアドレス宛のダイレクトメールを介して、あるいは音声メッセージを通じて)。この電子メールは、その特定の取引における条件に従う、スペクトルの価格の透明な指示を提供するであろう。すると、本アーキテクチャの熟達したユーザーは、市場履歴データおよび一般的な想定を使って、トランザクション価格を同じまたは他の地理的領域についての同様の条件と比較する機能をもつことになる。これは、いかなる所与のユーザーについても、関心のある他の地理的領域の現在の市場価格を判別し、さらにはその選択されたスペクトルについてのフェアな推定を見きわめる努力を支援することになる。トランザクションに関わるいかなるそのような開示も対応する規制機関(たとえば、FCC、Ofcom、EUなど)に準拠したものとなるであろうことを注意しておく。ある種の機関は、その開示プロトコルにおいてより自由であったり、より厳密であったりしうる。交換プラットフォーム12は、そのようないかなる慣行をも容易に受け容れることができるという意味で、適応可能である。
【0086】
ひとたび確認電子メールが受信されると、トランザクションの当事者は、合意された条件に直接アクセスし、さらには、最終的にはFCCの整理された承認プロセスに提出される署名された契約に鍵となる展示物(exhibits)が組み込まれる準備となる第一段階の文書を生成する電子的機能をもちうる。署名された契約は、交換プラットフォーム12によって監査されうるイベントであり、交換プラットフォーム12はその取引の電子的なコピーを受け取る。さらに、交換プラットフォーム12は契約の値を記録し、顧客合意に基づいて手数料を決定し、そのようなすべての情報をデータベース28に保存しうる。FCCのファイリングは同時でもよいが、必ずしも明示的に交換プラットフォーム12を介してリンクされなくてもよい。
【0087】
このように、上に同定した例からすぐ明らかであるように、本発明は、完全な粒度をもつ利用可能な目録の包括的データベース28をまとめ上げる。データベース28はまた、資格のある参加者の包括的なリストをも含む。データベース28は、すべての資格のある参加者の間のリアルタイムの通信を容易にし、促進するために、またあらゆる通信の検証可能な文書化を提供し、その一方で規制上の承認において支援するために使われることができる。これは、第一段階法的文書を追加として生成することを通じて、および最終的な契約へのフレームワーク展示物を通じて達成されうる。
【0088】
ここでもまた、本発明の上記の実装が実施例であり、議論および教示の目的のために使われているということを認識することは注目に値する。交換プラットフォーム12は、多くの他のスペクトルおよびタワースペースのトランザクションに適用されうる。さらに、図2〜図14の図示されたステップの一部は適宜変更または削除されてもよく、追加的なステップが加えられてもよい。これらの変更は、特定の通信システムアーキテクチャまたは具体的なネットワーク構成もしくは配位に基づいていてもよく、本発明の範囲または教示から外れるものではない。
【0089】
図14は、本発明の他の実施例を記載するために使用されうる簡略化された概略図である。この図面を詳細に評価する前に、教示の目的で読者により良い案内および情報提供を行うために、簡単な説明が提供される。デジタル・パラダイム(digital paradigm)は優れた放送の解決策である。この理由は、容易に長距離を通り抜けることができる高品質信号を配信するからである。例えば、米国のテレビ局はアナログからデジタルに切り替えているため、単一のチャンネル(例えば、チャンネル#38)は、複数のセグメントに分割できる(例えば、チャンネル#38:1、2、3および4)。ここでの根底にある問題は帯域幅である。容易に推測できるように、全容量まで利用されていないスロットのいくつかに、いくつかの「死んだ無線(dead
air)」が存在する。我々の例では、従来のコンテンツは、依然としてチャンネル#38の一つのスロットを介して配信されており、おそらく、スロット#2は、高精細度放送に使用されている。しかし、スロット#3および#4は、数百万のテレビ、DVRを有するデジタル受信ボックス、VOD&DVD、ラップトップまたはPDA等にコンテンツを配信するために活用できるスペクトル帯域幅のさらなるスロットを表す。
【0090】
本発明は、上記のスペクトル資産が市場参加者に購入又は販売されうる交換プラットフォーム12を利用することができる。交換は、販売するタイムスロットを提供することができ、タイムスロットは、時間、日、分または秒に分解されうる。例えば、交換プラットフォーム12は、2006年3月29日木曜日のPM6:00からPM10:00までのチャンネル#38、スロット#4に関連する正確なスペクトル資産を提供することができる。小規模団体または大規模コンテンツプロバイダーは、このオファーを見つけ、このスロットでコンテンツを放送する機会を認識することができる。
【0091】
これらの潜在的購入者の誰かが、コンテンツを放送する目的で大規模な設備投資を負う必要はないことを注意しておくべきであろう。どの当事者も送信機を購入する義務はなく、世帯がこの特定のコンテンツを見るテレビを有していることを確かめる義務もない。条件および価格が満たされる限り、購入者はこのスペクトルを買い、コンテンツを指定の時間に特定のスロットで放送させることができる。
【0092】
他の場合には、大企業は、交換プラットフォーム12により提供される購入機会を獲得し、利用可能なスペクトルの大きいブロックを購入しうる。これらの企業は、自分のネットワークを構築する(例えば、一連のデジタル送信機を配置する)ように取り組んでもよく、これらの企業は、単にこれらのスペクトル資産を市場環境で再販売してもよい。
【0093】
実際には、この概念は、所与のエンティティ(例えば、映画制作者)が大規模なコングロマリット(例えば、アメリカン・ブロードキャスティング社(ABC: American Broadcasting Company)又はスプリント・モバイル(Sprint Mobile)との著しい取引を回避することを可能にする。既存の技術を活用することにより、所与のエンティティは、実際に自分のネットワークを構築することができ、および/または自分の作品を表示するフォーラムを確保することができる。広い意味で、提案されたスペクトルの解決策は、必ずしも根底にある物理的な資産ではなく、仮想的なスペクトルの販売も含む。従って、既存のインフラストラクチャーおよび送信/受信技術の範囲内で、特定のスペクトル権をオークションにかける本来の可能性が存在する。
【0094】
スペクトルが利用可能である場合、この解決策は、通常の意味で「放送時間」について放送会社と交渉する実行可能性のある(および比較的安い)選択肢を提供する。例えば、今日の流通条件では、約200万ドルがハワイ州全体のスペクトル権を確保しうる。更に、約500,000ドルで、チャンネル(例えば、チャンネル#38)の全ての放送権をエンドユーザーに提供する簡単なデジタル送信機が配置されうる。これで、エンドユーザーは、この受信領域で各デジタルテレビを放送しうる。特定の市場で特別のスペクトルが利用可能であり、ある市場は他の市場より高価又は優位であることを注意しておく。更に、SECとのある種の準拠の問題を引き起こしうる特定の周波数が存在する。しかし、優れた有力なテーマは、一対多および双方向通信についてここで説明したように、既存のインフラストラクチャーが放送またはデジタルデータプロトコルを容易にすることができるという点である。
【0095】
特に、図14は、米国の複数の都市に関連する曲線(contour)を示している。地図の領域は、選択されたチャンネルの受信領域を表す。この例では、チャンネル#38がハイライトされている。スペクトル資産を購入することに関心のある可能性のある所与の人は、選択されたチャンネルをクリックし、全ての関連情報を見ることができる。例えば、目的の都市の人口、その人口統計、その選択された番組の予想視聴率、およびその前に放送された番組のニールセン視聴率を見ることができる。他の関連データもこの画面から容易にアクセスできる。購入者および売り手は、この情報を使用し、所与のタイムスロット/スペクトルの評価について情報/知識に基づく判断を行いうる。
【0096】
多くのエンドユーザーが資産をオンラインに提示すると、多くの市場機会により、所与のエンティティが受信領域のPOPカウントを拡張可能になる。特定のビジネスでは、市場毎にコンテンツを配信することに関心がありうる。スペクトルおよびタワーの買い手は、これらの特定の利用可能なスペクトル資産を容易に認識することができる。ここから、買い手は、自分のビジネス上、技術的および法的リソースで資産を評価する際に自分のプロセスを開始することができる。交換プラットフォーム12のオペレーターはまさに、買い手および売り手を引き合わせる際のより効率的な市場を作っている。参加者は、無線/陸線のオペレーター、自治体、コンテンツプロバイダー、投資家、タワー会社、コンテンツアグリゲーター(content
aggregator)、ケーブル会社、WISP、政府機関などを含みうる。
【0097】
代替実施例では、交換プラットフォーム12は、WiMax用途の権利を確保するために用いられうる。例えば、サービスプロバイダーは、長期間にわたって2〜3メガビットの速度を生じうるネットワークを構築しうる。本質的に、このサービスプロバイダーはパイプ(pipe)を有しており、関心のある人が自分でこの技術を利用しうる。したがって、加入者サービス会社(例えば400,000加入者を有する)は、この新しい速度が有料で利用可能になったことを顧客に宣伝しうる。このような加入者エンティティは、単なるデータ、ビデオ(例えば、映画)、大きいファイル、オーディオ(例えば、音楽)、又はストリーミングコンテンツの向上した配信を提供しうる。コンテンツプロバイダーは、この帯域幅で入札を行い、次にこのパイプでコンテンツを配信しうる。この意味で、売り手および供給者にコンテンツ交換が作られている。仮想的なスペクトル(すなわち、関連する権利)は、オープンな市場条件で交換されている。
【0098】
WiMax/WiBro標準は、スペクトルを利用して、消費者に多くのパイプを作ることに役立つ。この技術により、所与のサービスプロバイダーは、最新技術および新たなビジネスモデルを用いて特定のチャンネルを獲得し、デジタル/アナログ無線コンテンツの代わりの主要放送社/配信者になることができる。
【0099】
さらに他の代替実施例では、どのスペクトルが現在利用可能であるかを検出するために、ソフトウェア定義無線装置が用いられうる。これらの装置は、周囲のスペクトルを認識することができる電子機器を備えており、いかなる所与の用途にも利用できる。利用可能なスペクトルが同定されると、装置は、仮想的な帯域/スペクトルの即時の購入を可能にする一連の質問をエンドユーザーに示すように構成される。例えば、エンドユーザーは、特定の写真またはビデオのために5分の放送時間又は5ギガビットのメモリのみを必要としてもよい。これは、必要なスペクトルおよび帯域のリアルタイムな購入を可能にする。移動装置(例えば、ラップトップ、PDA、携帯電話、Blackberry、Treoなど)は、データの即時の送信のための統一小売価格(price-point)機構を提供する。
【0100】
さらに他の実施例では、交換プラットフォーム12は、上述のプロトコルを使用して、広告空間を確保するために使用されうる。例えば、IBMは、スーパーボウル中に利用可能な特定の広告スペクトルに入札を行いうる。スーパーボウルの放送まで、IBMは、これらの権利を他の当事者に再販売してもよく、単に当初の計画通りにコマーシャルを放送してもよい。
【0101】
代替として、エンドユーザーは、エンドユーザーが移動装置(例えば、携帯電話、ラップトップ、PDA、Blackberry、Treoなど)に放送できるデジタル移動システムを設定しうる。さらに他の実施例では、アナログテレビ(すなわち、地上波テレビ)からデジタルテレビ(例えば、高精細度テレビ)への変換が実行されうる。したがって、用途についてスペクトルを消費し、またはスペクトルに依存する全てのモデルは、本発明の教示から利益を受ける。これらは、例えば、一方向データ(IP)のストリーミング、双方向高速インターネット通信、wVOIP、WiMaxなど、如何なる種類のデジタルデータコスト、如何なる種類のコンテンツ放送局、如何なる種類の双方向送信、如何なる種類の移動インターネット伝送などを含みうる。
【0102】
上記のように、図1ないし図14で挙げた要素および動作をシステム10の使用により達成しうる背景および応用はいくらでもある。したがって、無線スペクトルまたはタワー権に関連する要素および活動の仕事および動作を実施するために、通信機能、データ処理機能および要素、好適なインフラストラクチャー、十分な人員および管理ならびに他の任意の適切なソフトウェア、ハードウェアもしくはデータ記憶オブジェクトがシステム10内に含められてもよい。したがって、図1は、トランザクションが実行されうる適切なプロセス及び通信プラットフォームの単なる一例を提供している。
【0103】
本発明は図1〜図14の特定の実施形態を参照しつつ詳細に記載されてきたが、さまざまな他の変化、代替および変更が、本発明の領域および範囲から外れることなくなされうることは理解しておくべきである。たとえば、これまでの図は、ウェブサイトに関連したいくつかの画面見本を参照してきたが、そのようなウェブサイトについていかなる好適なインターフェースでも容易に代替でき、同様に本発明の教示から裨益しうる。さらに、実施例は例示的な交換プラットフォーム12を記載しているが、いかなる好適なエンティティでもスペクトルまたはタワー権に関わるトランザクションを容易にできることを注意しておくべきであろう。たとえば、(データベース28にアクセスできる)人員が、システム10の教示から外れることなくそのようなアーキテクチャを容易に実装しうる。さらに、これまでの図によっていくつかの例示的な周波数の選択が図示されてきたが、いかなることがあっても何人もこれらの例を網羅的なものと解釈すべきではない。提供される例は、現在FCCによって指定されているような取引可能な周波数を反映している。システム10は、追加的なスペクトル選択が市場参加者に利用可能とされる際には、そうした追加的なスペクトル選択と一緒でも容易に使用できる。そのような並べ替えは明らかに本発明の広い範囲内である。
【0104】
当業者には数多くの他の変更、代替、変形、変更および修正が見きわめられうる。本発明はそうしたあらゆる変更、代替、変形、変更および修正を付属の請求項の精神および範囲内のものとして包含することが意図されている。米国特許商標庁(USPTO)、またさらにこの出願について発行されるあらゆる特許のあらゆる読者が付属の請求項を解釈するのを助けるため、出願人は次の注記をさせていただきます。出願人は:(a)付属の請求項のどれについても、当該請求項において「のための手段」または「のためのステップ」の語が具体的に使われているのでない限り、この出願時の米国特許法35USC第112条第6項を喚起することを意図していない。(b)明細書におけるいかなる陳述によっても、付属の請求項に反映されているほかのいかなる形であれ本発明を限定することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明のある実施形態に基づく、市場環境における無線スペクトルまたはタワー/タワースペーストランザクションを容易にするためのシステムの簡略化されたブロック図である。
【図2A】本システムにおいて使用されうる例示的な登録ページの前半の簡略化された概略図である。
【図2B】本システムにおいて使用されうる例示的な登録ページの後半の簡略化された概略図である。
【図3】本システムにおいて使用されうる例示的なログインの簡略化された概略図である。
【図4】本システムにおいて使用されうる例示的なトランザクションページの簡略化された概略図である。
【図5】本システムにおいて使用されうる例示的な資産記載ページの簡略化された概略図である。
【図6】本システムにおいて使用されうる例示的な周波数選択ページの簡略化された概略図である。
【図7】本システムにおいて使用されうる例示的なマッピングページの簡略化された概略図である。
【図8A】本システムにおいて使用されうるより詳細な例示的なマッピングページの簡略化された概略図である。
【図8B】本システムにおいて使用されうるより詳細な例示的なマッピングページの簡略化された概略図である。
【図9】本システムにおいて使用されうる例示的なオークションパラメータページの簡略化された概略図である。
【図10】本システムにおいて使用されうる例示的なオファー選択ページの簡略化された概略図である。
【図11】本システムにおいて使用されうる例示的な取引提出および/または承認ページの簡略化された概略図である。
【図12】本システムにおいて使用されうる例示的なオファーページの簡略化された概略図である。
【図13】本システムにおいて使用されうる例示的な完了ページの簡略化された概略図である。
【図14】本発明の他の実装を記載するために使用されうる簡略化された概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スペクトル資産の保持者に与えられる仮想的な権利を含む少なくとも一つのスペクトル資産に関連する情報を保存するよう動作できるデータベースを有する交換プラットフォームであって、
前記データベースがさらに、前記交換プラットフォームにデータを提供するエンドユーザーと通信するよう動作でき、前記データベースが、前記スペクトル資産を同定するために前記エンドユーザーによってアクセスされることができる交換プラットフォーム。
【請求項2】
前記データベースが、前記スペクトル資産に関連するトランザクション情報を保存するよう動作でき、
前記トランザクション情報は、監査されるためにアクセスされうるように記録および保存される、請求項1記載の交換プラットフォーム。
【請求項3】
前記スペクトル資産は、コンテンツに関与する一対多または双方向通信に関連する、請求項2記載の交換プラットフォーム。
【請求項4】
前記データベースがさらに、前記スペクトル資産に関連するチャンネルの少なくとも一つのスロットに関連する情報を保存するよう動作できる、請求項1記載の交換プラットフォーム。
【請求項5】
前記交換プラットフォームがさらに、前記スペクトル資産または選択されたタワースペース割り当てに関係するトランザクションを容易にすることとともに実行されるべき一つまたは複数の電子タスクを実行するよう動作できるプロセッサを有する、請求項1記載の交換プラットフォーム。
【請求項6】
前記データベースがさらに、前記エンドユーザーに関連するプロファイルを保存するよう動作でき、前記プロファイルは:
a)前記エンドユーザーに関連する連絡情報;
b)前記エンドユーザーに関連する会社名;
c)前記エンドユーザーに関連する住所;
d)前記エンドユーザーの意思決定権限;
e)前記エンドユーザーが求めるスペクトル資産またはタワースペース;
f)スペクトル権が購入されるのか、売却されるのか、移転されるのか、リースされるのかに関する選好;
g)スペクトル権またはタワースペースが求められる期間の長さ;
h)スペクトル権のために求められる地理的領域;および
i)前記エンドユーザーが求めるスペクトル権に関連する電気通信アーキテクチャの種別、
を含むグループから選択される選択された一つまたは複数の変数を含む、請求項1記載の交換プラットフォーム。
【請求項7】
前記データベースは、前記スペクトル資産に対応する一つまたは複数の地理的表現を含む、請求項1記載の交換プラットフォーム。
【請求項8】
前記データベースが:
a)選択された地理的領域におけるスペクトルの所有権;
b)選択された地理的領域において使用されている選択されたスペクトルの定量情報;
c)選択された地理的領域におけるタワーの利用可能性;
d)選択された地理的領域において構築済みのインフラストラクチャーの定量情報;
e)選択された地理的領域において営業している競合者;
f)選択された地理的領域に関連する人口統計;
g)選択された地理的領域内のスペクトル利用に関連するユーザー活動;および
h)スペクトル、タワーまたはタワースペース割り当てを所有する一または複数の人に関連する個別またはグループの電子メール連絡情報、
を含むグループに含まれる特徴の選択された一つまたは複数に関連する情報を提供するよう動作できる、請求項1記載の交換プラットフォーム。
【請求項9】
前記スペクトル資産は、時間、分または秒に分解できるタイムスロットを有する、請求項1記載の交換プラットフォーム。
【請求項10】
前記データベースが、前記スペクトル資産についてのデータを含み、
前記データは、都市の人口、都市の人口統計、都市における選択された番組の予想視聴率、または都市における前に放送された番組のニールセン視聴率に関連する、請求項1記載の交換プラットフォーム。
【請求項11】
前記エンドユーザーは、コンテンツプロバイダーである、請求項1記載の交換プラットフォーム。
【請求項12】
前記スペクトル資産は、デジタル環境における特定のタイムスロットの放送権に関連する、請求項1記載の交換プラットフォーム。
【請求項13】
前記交換プラットフォームは、ソフトウェア定義無線装置と通信でき、
前記ソフトウェア定義無線装置は、どのスペクトルが現在利用可能であるかを検出し、前記スペクトル資産の統一小売価格を可能にするために使用されうる、請求項1記載の交換プラットフォーム。
【請求項14】
前記スペクトル資産は、購入または移転されたスペクトル資産を使用することにより、前記エンドユーザーが移動装置にコンテンツを放送できるデジタル移動システムに関連する、請求項1記載の交換プラットフォーム。
【請求項15】
前記スペクトル資産は、所与のタイムスロットで広告データを放送するために使用される、請求項1記載の交換プラットフォーム。
【請求項16】
前記スペクトル資産は、WiMax用途に関連するデータを放送するために使用される、請求項1記載の交換プラットフォーム。
【請求項17】
スペクトル資産および交換プラットフォームに関わるトランザクションを容易にする方法であって:
スペクトル資産の保持者に与えられる仮想的な権利を含む少なくとも一つのスペクトル資産に関連する情報をデータベースに保存する段階と、
データを提供するエンドユーザーと通信する段階とを有し、
前記データベースが、前記スペクトル資産を同定するために前記エンドユーザーによってアクセスされることができる方法。
【請求項18】
前記スペクトル資産に関連するトランザクション情報を保存する段階をさらに有しており、
前記トランザクション情報は、監査されるためにアクセスされうるように記録および保存される、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記トランザクション情報は、前記スペクトル資産の購入、販売、移転またはリースに関係する、請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記データベースがさらに、前記スペクトル資産に関連するチャンネルの少なくとも一つのスロットに関連する情報を保存するよう動作できる、請求項17記載の方法。
【請求項21】
前記データベースが、前記スペクトル資産についてのデータを含み、
前記データは、都市の人口、都市の人口統計、都市における選択された番組の予想視聴率、または都市における前に放送された番組のニールセン視聴率に関連する、請求項17記載の方法。
【請求項22】
前記スペクトル資産は、デジタル環境における特定のタイムスロットの放送権に関連する、請求項17記載の方法。
【請求項23】
前記交換プラットフォームは、ソフトウェア定義無線装置と通信でき、
前記ソフトウェア定義無線装置は、どのスペクトルが現在利用可能であるかを検出し、前記スペクトル資産の統一小売価格を可能にするために使用されうる、請求項17記載の方法。
【請求項24】
前記スペクトル資産は、購入または移転されたスペクトル資産を使用することにより、前記エンドユーザーが移動装置にコンテンツを放送できるデジタル移動システムに関連する、請求項17記載の方法。
【請求項25】
前記スペクトル資産は、所与のタイムスロットで広告データを放送するために使用される、請求項17記載の方法。
【請求項26】
前記スペクトル資産は、WiMax用途に関連するデータを放送するために使用される、請求項17記載の方法。
【請求項27】
スペクトル資産に関わるトランザクションを容易にするシステムであって:
スペクトル資産の保持者に与えられる仮想的な権利を含む少なくとも一つのスペクトル資産に関連する情報をデータベースに保存する手段と、
データを提供するエンドユーザーと通信する手段とを有し、
前記データベースが、前記スペクトル資産を同定するために前記エンドユーザーによってアクセスされることができるシステム。
【請求項28】
前記スペクトル資産に関連するトランザクション情報を保存する手段をさらに有しており、
前記トランザクション情報は、監査されるためにアクセスされうるように記録および保存される、請求項27記載のシステム。
【請求項29】
前記トランザクション情報は、前記スペクトル資産の購入、販売、移転またはリースに関係する、請求項27記載のシステム。
【請求項30】
前記データベースがさらに、前記スペクトル資産に関連するチャンネルの少なくとも一つのスロットに関連する情報を保存するよう動作できる、請求項27記載のシステム。
【請求項31】
前記データベースが、前記スペクトル資産についてのデータを含み、
前記データは、都市の人口、都市の人口統計、都市における選択された番組の予想視聴率、または都市における前に放送された番組のニールセン視聴率に関連する、請求項27記載のシステム。
【請求項32】
前記スペクトル資産は、デジタル環境における特定のタイムスロットの放送権に関連する、請求項27記載のシステム。
【請求項33】
前記交換プラットフォームは、ソフトウェア定義無線装置と通信でき、
前記ソフトウェア定義無線装置は、どのスペクトルが現在利用可能であるかを検出し、前記スペクトル資産の統一小売価格を可能にするために使用されうる、請求項27記載のシステム。
【請求項34】
前記スペクトル資産は、購入または移転されたスペクトル資産を使用することにより、前記エンドユーザーが移動装置にコンテンツを放送できるデジタル移動システムに関連する、請求項27記載のシステム。
【請求項35】
前記スペクトル資産は、所与のタイムスロットで広告データを放送するために使用される、請求項27記載のシステム。
【請求項36】
前記スペクトル資産は、WiMax用途に関連するデータを放送するために使用される、請求項27記載のシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2009−527859(P2009−527859A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−556440(P2008−556440)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/004729
【国際公開番号】WO2007/100660
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(506361856)シーエフピーエイチ, エル.エル.シー. (75)