説明

スライドファスナの自動開閉装置

【課題】本発明は、従来のスライドファスナのスライダに簡単に取り付けることができるとともに確実に開閉動作を行なうことが可能な自動開閉装置を提供することを目的とする。
【解決手段】務歯列を挟持する上翼片2及び下翼片3を有するスライダ1に形成された摺動路に務歯列を通過させるスライドファスナに、摺動路に沿うように下翼片3に固定されて務歯列を支持する基体10と、上翼片2に上下動可能に取り付けられ弾性部材により全体が下方に付勢されて基体10との間に務歯列を挟持する保持体20と、開いた状態の務歯列の間の間隔が次第に拡がるように案内する案内部材11及び23と、歯車30及び31を務歯列の間に配列して務歯列に噛み合わせた状態の歯車機構と、歯車機構を回転駆動する駆動機構とを備え、歯車機構の回転駆動により務歯列に噛み合いながら歯車が移動して基体10とともにスライダ1が務歯列に対して摺動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テント等の構造物や魚網等の産業資材に用いられるスライドファスナを自動的に開閉するための自動開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スライドファスナは衣服をはじめとする様々な製品に用いられており、開閉を行うための部品として強度、気密性及び操作性に優れ、種々のタイプが開発されてきている。テント等の構造物においても分割されたパーツを連結する場合にスライドファスナを用いることで、簡単に組み立てることができる。魚網等の産業資材では、複数の魚網をスライドファスナによって連結することで、より大きい面積の魚網を容易に形成することができ、また、撤去する場合にもスライドファスナを開くことで簡単に分割して撤去することができる。
【0003】
しかしながら、テント等の構造物では大型化が進むと、人手によりスライドファスナを開閉することが困難となる。また、魚網等の産業資材でも人手によりスライドファスナを開閉するためには海中での作業が必要となって、開閉作業が難しいといった問題がある。そのため、人手を使わずにスライドファスナを自動的に開閉するための装置が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1では、Y字筒状本体の表片に形成された窓を通してファスナの爪に噛合する走行歯車を設け、案内歯車をファスナの爪の側面側に噛合するように設け、走行歯車をモータにより回転駆動してY字筒状本体を移動させてファスナを開閉する装置が記載されている。また、特許文献2では、ファスナのガイド筒に付設され、ファスナの係合縁に沿って走行する自動開閉スライダを備え、自動開閉スライダには、小型モータにより回転駆動される左右一対の互いに噛み合う歯車をファスナの左右一対の爪列の間にそれぞれ係合するように配設されており、一対の歯車が回転すると、ガイド筒及び自動開閉スライダはファスナの係合縁に沿って移動してファスナを開閉するようにした点が記載されている。
【特許文献1】特開平1−313002号公報
【特許文献2】特開2001−269203号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した先行文献では、スライドファスナの務歯列に歯車を噛み合せて歯車をモータ等の駆動手段により回転駆動させてファスナを開閉するようにしているが、スライドファスナの務歯列を取り付けたテープは柔軟性があるため、スライダに対して務歯列が湾曲した状態になっていると開閉動作に支障が生じてしまう。特に、テントや魚網といったものに取り付けられたスライドファスナは大型のものが用いられるため、スライダの推進力を大きくする必要があり、またファスナの務歯列が歪曲した状態になることを想定しなければならず、これまでの自動開閉装置ではスライドファスナの確実な開閉動作を行うことが困難であった。
【0006】
そこで、本発明は、従来のスライドファスナのスライダに簡単に取り付けることができるとともに確実に開閉動作を行なうことが可能なスライドファスナの自動開閉装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るスライドファスナの自動開閉装置は、対向配置された一対の務歯列を上下から挟持する上翼片及び下翼片を有するスライダを務歯列に対して摺動させることで上翼片及び下翼片の間に形成された一対の摺動路に務歯列を通過させて務歯列同士が噛み合った閉じた状態又は離間した開いた状態とするスライドファスナの自動開閉装置であって、上面が前記摺動路に沿うように前記下翼片に固定されるとともに上面において開いた状態の前記務歯列を支持する基体と、前記上翼片に上下動可能に取り付けられるとともに弾性部材により全体が下方に付勢されて前記基体との間に前記務歯列を挟持するように保持する保持体と、前記基体及び前記保持体の間に設けられるとともに前記務歯列の間の間隔が次第に拡がるように案内する案内部材と、前記務歯列の務歯頭部に噛合可能に形成された一対の歯車を前記基体上に回転可能に取り付けるとともに当該歯車を前記案内部材に案内される前記務歯列の間に配列してそれぞれ前記務歯列の務歯頭部に噛み合わせた状態に設けた歯車機構と、前記基体の下面に取り付けられるとともに前記歯車機構を回転駆動する駆動機構とを備え、前記歯車機構の回転駆動により前記務歯列に噛み合いながら一対の前記歯車が移動することで前記基体とともに前記スライダが前記務歯列に対して摺動することを特徴とする。さらに、前記基体及び前記保持体は、板状体からなることを特徴とする。さらに、前記案内部材は、前記基体の上面及び前記保持体の下面にそれぞれ対向配置されて回転可能に取り付けられた複数の突起部材からなり、前記突起部材が前記務歯列の両側から挟むように配列されて前記務歯列を案内することを特徴とする。さらに、前記スライダの上部又は下部にレールファスナの開閉を行うスライダ部が設けられて当該レールファスナの開閉も同時に行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記のような構成を有することで、開いた状態の務歯列をスライダの摺動路に沿うように基体及び保持体の間に案内し、保持体を上下動可能に取り付けて弾性部材により付勢して務歯列を基体及び保持体により挟持するようにしているので、開いた状態でスライダの摺動路に出入りする務歯列が上下方向に湾曲せずにスムーズに摺動路に案内される。また、基体及び保持体の間に案内部材を設け、摺動路から開いた状態で導出入される務歯列をその導出入方向に沿って間隔が次第に拡がるように案内することで、左右方向に務歯列がぶれることなくスムーズに摺動路に案内されるようになる。
【0009】
そのため、務歯列の務歯頭部に噛合可能に形成された一対の歯車を務歯列の間に配列してそれぞれ務歯列の務歯頭部に噛み合わせた状態で歯車を回転駆動することで、基体とともにスライダが務歯列に対してスムーズに摺動するようになる。その際に、務歯列の上下方向については基体及び保持体により挟持され、左右方向については案内部材により案内されるため、務歯頭部と歯車との間の噛み合いを確実に行うことができ、スライドファスナの開閉動作を確実に行うことが可能となる。
【0010】
また、スライダに基体及び保持体を取り付け、基体と保持体との間に歯車機構を配置することで自動開閉装置を従来のスライドファスナに簡単に装着することができる。
【0011】
そして、基体及び保持体を板状体で構成することで、自動開閉装置全体の厚さを薄くすることができ、装置の軽量化及びコンパクト化を図ることが可能となる。また、案内部材を基体の上面及び保持体の下面にそれぞれ対向配置されて回転可能に取り付けられた複数の突起部材で構成することで、簡単な構成でぶれることなくスムーズに務歯列を案内することができる。
【0012】
また、スライダの上部又は下部にレールファスナの開閉を行うスライダ部が設けられて当該レールファスナの開閉も同時に行うようにすれば、テント等の気密性を向上させるスライドファスナに対しても同様にスムーズな自動開閉動作を行なうことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0014】
図1は、本発明に係るスライドファスナの自動開閉装置に関する分解斜視図であり、図2は、その側面図である。スライダ1は、従来のスライドファスナに用いられているものと同様の構成を有しており、本体部1aから左右両側に上翼片2及び下翼片3が所定の間隔を空けて突設されている。そして、上翼片2の側端が下方に折れ曲るように突出部2aが形成され、下翼片3の側端にも同様に上方に折れ曲るように突出部3aが形成されており、本体部1aの側面、上翼片2の下面、突出部2a、下翼片3の上面及び突出部3aにより囲まれる領域に、務歯列が通過する摺動路4が形成されている。
【0015】
摺動路4は、本体部1aの左右両側に二股に形成されており、図面奥側で合流して1つの摺動路となっている。
【0016】
本体部1aの上面には、図示しない引き手を嵌合するための枠部5が設けられている。また、下翼片3の下部には、レールファスナ用のスライダ6が一体的に設けられており、スライダ6についても従来公知のものと同様で、凹条部及び凸条部が通過する摺動路がスライダ1と同様に構成されている。
【0017】
下翼片3には、平板状の基体10が取付固定されている。基体10のスライダ1に対応する部分は、左右の下翼片3の外形状に沿って切り欠かれており、その切欠き部分を下翼片3に沿って嵌着し、接着剤等で固定されている。そして、基体10の上面は、摺動路4に沿うように、下翼片3の上面と略平行に設定されている。
【0018】
上翼片2には、平板状の保持体20が上下動可能に取り付けられている。保持体20のスライダ1に対応する部分は、左右の上翼片2の外形状に沿って切り欠かれており、その切欠き部分を上翼片2に沿って嵌着している。上翼片2は、摺動路4の二股形状に合せて外方に膨出した形状となっているため、嵌着された保持体20は、前後左右にはずれることなく上下方向のみ移動可能に取り付けられる。そして、保持体20と左右の上翼片2との間を弾性板片21で連結し、基体10と保持体20との間をバネ部材22で連結することで、保持体20全体が下方に付勢されるようになっている。図1には図示されていないが、基体10と保持体20との間にはスライドファスナの務歯列が挟持されるため、保持体20は下方に付勢されて常時務歯列の上面に当接した状態に設定されるようになる。
【0019】
基体10の上面及び保持体20の下面には、それぞれ対向する位置に複数の案内部材11及び23が設けられている。案内部材11及び23は、所定の厚さを有する円盤状に形成されており、その中心部に設けられた軸部がそれぞれ基体10及び保持体20に穿設された軸穴に挿着されて回転自在に取り付けられている。案内部材11及び23は、それぞれ開いた状態の務歯列を案内するように務歯列が移動する径路の両側に適宜配置されており、務歯列が案内部材に接触した状態で移動しても案内部材が回転することで摩擦の少ないスムーズな移動動作を行なうことができる。
【0020】
基体10と保持体20との間には歯車機構として、互いに噛み合う一対の歯車30及び31が設けられている。歯車30及び31は同じ径で同じ歯数が形成されている。歯車30は、中心に突設された軸体30aが基体10に穿設された軸穴に回転可能に軸支されて取り付けられている。また、歯車31は、中心に突設された軸体31aが基体10に貫通した軸穴に回転可能に軸支されており、軸体31aの下部が基体10を貫通して下方に突出している。
【0021】
基体10の下面には、モータ40、モータ40の駆動軸に取付固定された駆動歯車41及び駆動歯車41に噛み合う減速歯車42が設けられており、これらの部品は収納部43内に収納されて基体10に保持されている。そして、減速歯車42は歯車31の軸体31aの下部に取付固定されており、モータ40の回転駆動により駆動歯車41及び減速歯車42を介して歯車31に駆動伝達されて回転するようになり、歯車31の回転に同期して歯車30も回転するようになっている。
【0022】
図3は、フライドファスナの一対の務歯列7a及び8aを装着した状態を示す自動開閉装置に関する上面図である。理解を容易にするため保持体20を省略している。一対の務歯列7a及び7bは、スライダ1の二股に分かれた摺動路からそれぞれ導出され、係合が解除された開いた状態にされている。そして、それぞれの務歯列は、案内部材11に両側をガイドされて二股に分かれた摺動路に沿うように互いに離間して間隔が拡げられていき歯車機構を構成する歯車30及び31の両側に案内される。そして、一方の務歯列7aの務歯頭部が歯車30に噛み合い、他方の務歯列7bの務歯頭部が歯車31に噛み合うように設定される。歯車30及び31と噛み合う務歯頭部の歯車とは反対側には案内部材11が設けられており、歯車と務歯頭部との噛み合いが外れないように務歯列をガイドしている。歯車と噛み合った務歯列は互いの間の間隔がほぼ同じ略平行状態となるようにそれぞれ案内部材11により両側をガイドされるようになっている。
【0023】
以上のようにスライドファスナの務歯列7a及び7bがガイドされて歯車30及び31と噛み合うように設定されているので、歯車30及び31が同期して回転した場合に務歯列7a及び7bに歯車30及び31が務歯頭部と噛み合いながら務歯列に沿って前後方向に移動するようになる。歯車30及び31が移動すると歯車が取り付けられた基体10も移動し、基体10とともにスライダ1が歯車の移動に伴って移動するようになる。
【0024】
務歯列7a及び7bは、スライダ1の摺動路4に沿って取り付けられた基体10の上面と下方に付勢される保持体20との間に挟持されているので、スライダ1の摺動路4に沿うように規制される。
【0025】
そのため、スライダ1が移動する際に摺動路4に対して務歯列7a及び7bがスムーズに導出入されるようになり、スライダ1の移動によるスライドファスナの開閉動作がスムーズに行われるようになる。
【0026】
スライドファスナの務歯列7a及び7bは一般にテープの側部に取り付けられているため(図3ではテープは省略されている)、スライダ1から導出されて開いた状態では務歯列とともにテープも左右に開くように湾曲変形し、テープが波打つ状態となって務歯列も上下に波を打ったように変形しようとするが、保持体20が務歯列7a及び7bの上方から押さえつけるように作用するため務歯列7a及び7bは上下方向に変形することなく摺動路に沿うように形状を保持される。
【0027】
また、務歯列7a及び7bと歯車30及び31とが噛み合って移動する際にも務歯列7a及び7bが上下に変形しやすくなるが、保持体20により上方から押さえつけられているので、歯車との噛み合い動作もスムーズに行なわれるようになる。したがって、スライダ1をスムーズに移動させてスライドファスナの開閉動作を自動的に行なうことができる。
【0028】
図4は、レールファスナを装着した状態を示す自動開閉装置に関する底面図である。スライダ1に一体的に取り付けられているスライダ6の摺動路9に凹条部8a及び凸条部8bが導入又は導出されて、凹条部8a内に凸条部8bが嵌合した閉鎖状態及び両者の嵌合が解除された開放状態に設定され、スライダ6においてもスライダ1と同様に自動的に開閉動作が行われるようになる。なお、こうしたレールファスナの開閉動作は従来公知のものと同様である。
【0029】
図5は、図3におけるA−A断面図(図5(a))、B−B断面図(図5(b))及びC−C断面図(図5(c))である。図5(a)に示すように、スライダ1の摺動路4内に務歯列7a及び7bが導出入されており、基体10及び保持体20が摺動路4に沿って配設され、保持体20が下方に付勢されているため両者の間の間隔は務歯列7a及び7bの上下方向の幅とほぼ同一となるように設定されている。また、レールファスナのスライダ6には、その摺動路9内に凹条部8a及び凸条部8bが導出入されている。
【0030】
図5(b)に示すように、務歯列7a及び7bは基体10の上面に突設された案内部材11と保持体20の下面に突設された案内部材23との間を通過するように規制されており、そのため務歯列7a及び7bの務歯頭部と歯車30及び31とが確実に噛み合い、モータ40の回転駆動により歯車30及び31が同期して回転することで務歯列7a及び7bに対して歯車30及び31が噛み合いながら移動するようになる。レールファスナの凹条部8a及び凸条部8bは合成樹脂製のシート材の側端に一体形成されており、両者の嵌合が解除された状態でもシート材自体の強度により所定の高さに保持されている。そして、務歯列7a及び7bが案内部材に案内されて両者の間の間隔が次第に拡がっていくと、それに伴い凹条部8a及び凸条部8bの間の間隔も拡がるようになっている(図5(c)参照)。
【0031】
以上説明したように、本発明に係るスライドファスナの自動開閉装置では、務歯列の上下方向については基体及び保持体により挟持され、左右方向については案内部材により案内されるため、務歯頭部と歯車との間の噛み合いを確実に行うことができ、務歯列をスライダの摺動路に対してスムーズに導出入することが可能となり、スライドファスナの開閉動作を確実に行うことが可能となる。
【0032】
また、レールファスナについてもスライドファスナとともに自動開閉することができるため、テント等の構造物を気密構造で組み立てる際にスライドファスナとともにレールファスナを閉じることで簡単に気密構造を有する構造物を構築することができる。
【0033】
なお、基体10及び保持体20は、対向する面が互いに平面であれば平板状以外の形状となってもよく、例えば、外面にリブ状の凹凸が形成されていてもよい。また、案内部材11及び23は、両者を一体化した棒状の部材を用いてもよく、その場合には基体10に回転可能に取り付けるとともに保持体20に上下動自在に軸支するように取り付ければよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係るスライドファスナの自動開閉装置に関する分解斜視図である。
【図2】図1に示す自動開閉装置に関する側面図である。
【図3】フライドファスナの一対の務歯列を装着した状態を示す自動開閉装置に関する上面図である。
【図4】レールファスナを装着した状態を示す自動開閉装置に関する底面図である。
【図5】図3におけるA−A断面図(図5(a))、B−B断面図(図5(b))及びC−C断面図(図5(c))である。
【符号の説明】
【0035】
1 スライダ
2 上翼片
3 下翼片
4 摺動路
5 枠部
6 スライダ
7 務歯列
8 凹条部及び凸条部
9 摺動路
10 基体
11 案内部材
20 保持体
21 弾性板片
22 バネ部材
23 案内部材
30 歯車
31 歯車
40 モータ
41 駆動歯車
42 減速歯車
43 収納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向配置された一対の務歯列を上下から挟持する上翼片及び下翼片を有するスライダを務歯列に対して摺動させることで上翼片及び下翼片の間に形成された一対の摺動路に務歯列を通過させて務歯列同士が噛み合った閉じた状態又は離間した開いた状態とするスライドファスナの自動開閉装置であって、上面が前記摺動路に沿うように前記下翼片に固定されるとともに上面において開いた状態の前記務歯列を支持する基体と、前記上翼片に上下動可能に取り付けられるとともに弾性部材により全体が下方に付勢されて前記基体との間に前記務歯列を挟持するように保持する保持体と、前記基体及び前記保持体の間に設けられるとともに前記務歯列の間の間隔が次第に拡がるように案内する案内部材と、前記務歯列の務歯頭部に噛合可能に形成された一対の歯車を前記基体上に回転可能に取り付けるとともに当該歯車を前記案内部材に案内される前記務歯列の間に配列してそれぞれ前記務歯列の務歯頭部に噛み合わせた状態に設けた歯車機構と、前記基体の下面に取り付けられるとともに前記歯車機構を回転駆動する駆動機構とを備え、前記歯車機構の回転駆動により前記務歯列に噛み合いながら一対の前記歯車が移動することで前記基体とともに前記スライダが前記務歯列に対して摺動することを特徴とするスライドファスナの自動開閉装置。
【請求項2】
前記基体及び前記保持体は、板状体からなることを特徴とする請求項1に記載の自動開閉装置。
【請求項3】
前記案内部材は、前記基体の上面及び前記保持体の下面にそれぞれ対向配置されて回転可能に取り付けられた複数の突起部材からなり、前記突起部材が前記務歯列の両側から挟むように配列されて前記務歯列を案内することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動開閉装置。
【請求項4】
前記スライダの上部又は下部にレールファスナの開閉を行うスライダ部が設けられて当該レールファスナの開閉も同時に行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の自動開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−77947(P2009−77947A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−249794(P2007−249794)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(503437439)有限会社松本鉄工所 (5)
【Fターム(参考)】